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練習、練習、さらに練習を

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Academic year: 2021

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練習、練習、さらに練習を

邵 迎建(徳島大学 総合科学部)

外国語とはハードウエアのようなもので、習得すれば、新しい地平が広がる。ところ が外国語を習得するのは骨身を削る作業である。習得できるかどうかはみなさんのモチべーショ ンと意志次第だと私は1年生の最初の授業でいつも以上のことを説き、そして次の質問をする― ―「なぜ中国語を勉強するのか」と。この疑問に対する回答によって、学習の姿勢が変わると私 は考える。「単位を取るため」と答える学生であれば(もちろん、率直にこのような答えをする 学生はいないが)、例え学習習慣が非常に良くても、期末試験で「優」を取って終わってしまう であろう。しかし、「中国語をマスターしたい」と答える学生であれば、授業だけでは足りない と考えているはずだ。そこで、私は具体的な数字を提示する――中国語の実用レベルには 3000 語の語彙が必要で、それを習得するには少なくとも 800 時間を必要とする(Chuken, 2006)。 では、時間割表に規定される一年間の学習時間はどれぐらいだろうか。私は学生の前で黒板に計 算してみせる――一週間 2 コマのペアクラスでも、一年間の授業時間はなんと 90 時間しかな い!しかし、これですべてではない。授業の時間だけでは内容を消化できず、単位を取れない。 復習及び予習に 2 倍の時間を使わないと自分のものにならないからだ。90×3 は 270 時間であ り、その間に習得する単語は 500 語ぐらいである。そこで私は学生にこう投げかける。「目的 地にはまだまだ遠い。ならばどうすればよいか」と。以上の説明によって中国語を習得する意志 をもつ学生であれば、その目的地に到達するための中国語学習の具体的な青図を描くことができ るであろう。その青図とは即ち、授業・予習・復習に加えて自習の時間を増やして能動的に勉強 することである。 ところで私は昨年度のアンケートにおいて設問 2 の「学習時間」でもっとも高い点数 の「3.618」を獲得した。これは恐らく教材の構成によるところが大きいと思う。その教材とは 私とほか 2 人の教員が共著した『活用中国語』である。 教材が益々軽く、薄くなっている世の流れに反して、「学生は乾いたスポンジのよう なもので、与えた分をそのまま吸収する」という方針に従い、私どもの教材の特長は単語の量が 多い上日本語訳がない。 この教材を用いて、次のステップで授業を進める。新しい課に入る前、まず中国語の 単語を辞書で日本語に訳す作業を学生にさせる。そして次に、短文の暗唱を要求する。次の週の 授業では小テストをして、暗記した短文を書かせる。時には、会話発表や単語連想ゲームを通じ て、自分の口から次から次へと出てくる中国語の単語に喜びと驚きを感じさせ、習得したという 実感を味わってもらう。 外国語は人に教わるものではなく、練習によってはじめて習得するものである。「練 習、練習、さらに練習を。」これが、私の語学教育の方法である。

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追伸:今年度の『活用中国語』は単語の日本語訳を追加して改訂したので、予習の時間を復習に 回すことをこの文章を読んだ学生諸君には心得てほしい。

References

Chuken. (2006).「実用中国語検定:グレード&内容」The Asian Foundation for International Scholarship Interchange. (http://www.chuken.org/chuken/grade/index.html).

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