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平成30年8月27日

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(1)

1

平成30年8月27日

東京電力ホールディングス株式会社 緊急時対応改善計画

はじめに

平成

30

3

2

日、柏崎刈羽原子力発電所において、原子力規制庁の評価(評価が高い

順に

A,B,C

で評価)を受ける防災訓練を実施いたしました。その評価結果は

7

2

日の原

子力規制庁による訓練報告会において公表され、柏崎刈羽原子力発電所は全

9

項目のうち、

5

項目で

A、3

項目が

B、1

項目が

C

という結果となりました。また、その結果は、原子力 規制委員会へ

7

25

日に報告され、委員から「福島第一原子力発電所事故を起こした東電 が低い評価となったのは許しがたい」などの厳しいご意見をいただきました。

当社は、福島第一原子力発電所の事故を受け、平成

25

3

29

日に原子力安全改革プ ランをとりまとめ、 「安全意識」 「技術力」 「対話力」の向上の観点から、6 つの対策を講じ てきました。

その対策の

1

つが「発電所および本社の緊急時組織の改編」となります。福島第一原子力 発電所事故で現場対応が混乱した要因は、

・指揮命令系統が不明確であったこと ・情報共有が円滑に行えなかったこと 等

が原因と分析し、米国の消防組織等で導入されている

Incident Command System (ICS)に

倣い、緊急時組織を改め、実際に有効活用できるよう、訓練を積み重ねていくこととしてお りました。

このような状況のもと、

3

年前から原子力規制庁による事業者訓練の評価が始まりました が、当社は「即応センターと

ERC

プラント班との情報共有」の項目について、A 評定を一 度もとることができず、現在に至っております。

当社は、福島第一原子力発電所事故の当事者として、原子力安全改革プランに立ち返り、

社外関係機関へ必要な情報を的確かつ円滑に伝えていくことの必要性・重要性を十分に認識 し、原子力規制庁の評価結果を重く受け止め、着実に改善を進めていかなければならないと 考えております。

以上を踏まえ、改善計画を取りまとめご報告いたします。

(2)

2

目 次

1.平成 29 年度の原子力規制庁評価の指摘と改善策

(1)平成 29 年度の原子力規制庁評価を踏まえた課題

(2)改善の方向性

(3)改善策の具体的事項

2.規制庁評価開始以降に改善が進まなかった推定原因と改善策

3.改善スケジュール

(3)

3

1.平成 29 年度の原子力規制庁評価の指摘と改善策

(1)平成 29 年度の原子力規制庁評価を踏まえた課題の整理

福島第一、福島第二、柏崎刈羽の規制庁評価結果を踏まえ、根本原因分析(添付資 料1参照)を行い、原因の洗い出しを行った。その上で、以下の通り、挙げられた原 因について体制、知識・能力、手順、ツールに分類・整理した。

体制については、 「役割の兼務」や「各組織間の連携」に課題があることから、これ らに対して改善策を立案する。

また、知識・能力については、情報の発信、聞き取り、ERC への説明、質問回答、

リエゾンの補助など、一連の情報の流れ全体において課題があることから、個々のプ ロセスの知識・能力の向上のための対策、または、その知識・能力を有する要員を当

知識・能力

【発電所】

・通報文作成:

25

条報告で内容確認をしたが、様式を 間違え、その後も誤植を発見できなかった

【本社】

・聞き取り:炉心損傷の判断に関する情報などの発話 情報を聞き間違えた(1 人で聞き取り)

・ERC への説明:重要パラメータ(MP 等)の発言が 無く、かつ、早口等により発話が聞き取りづらい

・質問回答:技術的な質問の回答に時間を要し、戦略 の説明をせず、事象の断片的な説明に終始した

・リエゾンの説明:

ERC

リエゾンが積極的に即応セン ターの説明を補助せず、説明内容も不明確であった

手 順

【発電所】

・手順の共有:

PCV

ベントチェックシー トが本社と共有されておらず、内容把 握に時間を要した

・ERSS 故障時の対応:バックアップツ ールのデータ更新に時間がかかり、重 要なデータでも

15

分と長かった

【本社】

・説明方針:

COP

の所長承認を待って説 明することに拘りすぎ、戦略を随時説 明することができなかった

・中長期復旧戦略:事前に様々な場合を 想定した復旧戦略が検討できておら ず、ERC への回答に時間を要した

・本社と発電所の連携:発電所の発話を 流すための音声切り替えのタイミング が共有できていなかった

・EAL の説明:EAL の説明に関する詳 細運用が定められていなかった 体 制

【発電所】

・役割の兼務:発電所への本社からの問合せ窓口が、

本社への通報対応も兼務し、業務量が集中した

【本社】

・役割の兼務:ERSS の確認業務と、発電所の発話の 聞き取り業務を兼務したため、ERSS 等のデータ確 認が遅れた

・本社内各班の連携:官庁連絡班が、他班で作成・整 理した情報を活用できなかった

・発電所からの情報入手:通報文と発電所の発話との 齟齬を確認するルールがなかった

・COP 記載:ERC プラント班への説明者が、COP 等 の情報をタイムリーに把握・説明できなかった

ツール

【本社】

・ERC からの質問対応:QA ツールに不

具合が生じ、書類の運用となったがう

まく対応できなかった

(4)

4

該プロセスに配置するといった改善策を立案する。

なお、手順については、個々の原因に対して対策を立案した上で、その対策を関係 者が共有できるようにする。また、ツールについては、項目が少ないことから、個別 に対応する。 (具体的には添付資料2参照)

(2)改善の方向性

根本原因分析と原因の分類・整理を踏まえ、以下を改善の方向性として進める。

① ベストプラクティスの構築および水平展開

各班の中で役割に応じた力量の高い要員を集め熟練チームを編成

その要員が繰り返し訓練を行い、緊急時対応を円滑に進めることができる体制 を構築

熟練チームの力量を各機能班の別の要員に水平展開(熟練チームによる訓練評 価)

② 体制の改善

緊急時対応を円滑に進めるための責任が曖昧にならないよう、班単位ではなく 班の中の個人の役割を予め設定

班内の要員間、各組織間での連携が円滑に進むよう、連携の状況を俯瞰的に確 認し、是正する役割を持つ要員を設定(その役割を担う者から改善依頼があっ た場合、関連する要員はその依頼に従って対応)

情報共有を円滑に行うための

COP

の改善・標準化

③ 知識・能力の改善

一連の情報の流れの全体に対して課題が確認されたことから、本社・発電所各 班で不足する力量を洗い出して力量向上策を実施

特定の知識・能力が必要なプロセスに対して、その知識・能力を有する要員を 当該プロセスに追加配置

(3)改善策の具体的事項

改善の方向性を踏まえ、有事における対応力を強化するため、以下の通り継続的な改善 策に取り組み、安全性向上に努めていく。

①ベストプラクティスの構築および水平展開 a.熟練チームの編成と繰り返し訓練の実施

各班の役割に応じて、必要な知識を持った要員を選抜した熟練チームを、本社・発

電所ともに編成する。

(5)

5

ベースとなる知識を有する熟練チームにおいて、緊急時対応業務に慣れるために、

訓練を繰り返し行う。

訓練は、短時間で必要に応じて立ち止まって確認しながら実施するドリル(情報共 有を主眼とした一部関係班(官庁連絡班等)により実施)と、一連の流れを通して 行う全班による総合訓練の

2

種類について、それぞれ狙いを定めて実施する。

各ドリルと総合訓練の計画と狙い 訓練の種類 実施日 対象 狙い ドリル

1 8/7

実施済 本社

EAL

に関する情報、事故・プラントの状況に 関する情報フローの確認

ドリル

2 8/16

実施済 本社 事故収束対応戦略(戦略の進捗含む)に関す る情報フローの確認

総合訓練

8/17

実施済

本社 柏崎刈羽

ドリル

1,2

および

ERC

プラント班からの質問 への回答に関する情報フローについて、発電 所と本社全班で実施する総合訓練で確認 総合訓練

8/20

実施済

本社 柏崎刈羽

情報フローを、発電所と本社全班で実施する 総合訓練で確認

ドリル

3 8/24

実施済 本社 模擬データにより

ERC

リエゾンも含め

ERC

(ダミー)への説明を主眼に実施。

ドリル

4 8/下

本社

ERC

ERC

にも参加頂き、ERC への説明を主眼に 実施。 (ERSS は使用しない)

ドリル

5 9/上

本社 情報フローFIX 版で、

ERC

に対し必要事項を 確実に説明できることを確認する習熟訓練 総合訓練

9/中

本社

柏崎刈羽

改善してきた内容について総合訓練で本社・

発電所の連携も含めて確認 総合訓練

9/下

本社 柏崎刈羽

ERC

ERC

にも参加頂き、改善してきた内容につい て総合訓練で確認

ドリル

6 9/下

本社

柏崎刈羽 これまでの訓練で確認された弱点の重点訓練 事 業 者 防 災

訓練

10/2

本社

柏崎刈羽 原子力規制庁により評価が行われる訓練

b.熟練チームによる訓練評価

熟練チームの緊急時対応の練度を高めた上で、その他の要員の訓練を行い、それを

熟練チームが評価することで、全体の力量の向上を図る。

(6)

6

②体制の改善

a.個人の役割を予め設定

問題点:(役割の兼務)発電所では、発電所への本社からの問合せ窓口が、本社への 通報対応で兼務したため、業務量が集中し、NRA からの質問に適確に対応 できなかった。また、本社では、ERSS の確認業務と、発電所の発話の聞き 取り業務を兼務したため、ERSS 等のデータ確認が遅れた

改善策:発電所や本社の情報の流れの核になる役割を担う者が、その役割に集中する ことができるよう、発電所の問合せ窓口となるホットライン役、および発電 所の発話の聞き取り役を専任とする。

加えて、以下の情報の流れに関して、各班個人の役割を明確化(以下の情報 の流れを個人単位で明確化)し、情報の流れを抜けなく行うことができる体 制を構築する。

 EAL

に関する情報

最初の

SE/GE

発生時

最初の

10

条事象、15 条事象に関する当直長の

EAL

の条件成立 の連絡(電話)をもとに、発電所の号機班長が発話し、発電所本部 長が判断。これらの発話を、本社情報班が聞き取り、

EAL

判断シー トを作成し、当該シートの内容を本社副本部長へ説明。あわせて本 社計画班が副本部長へ目標設定会議

COP

を手渡しするとともに以 降の戦略を説明。副本部長は、10 条確認会議または

15

条認定会議 に出席

 AL

発生時、上記以降の

SE/GE

発生時

EAL

に関する号機班の発話や発電所本部長判断の発話を、官庁連 絡班が聞き取り、連絡メモを作成。メインスピーカへ手渡し、メイ ンスピーカが

ERC

へ説明

通報連絡用紙の送付

発電所本部長が判断した

EAL

に関して、発電所通報班が通報用 紙を作成し、本社を含む関係機関へ

FAX

で通報。官庁連絡班が受 領し、本部および各班へ配布(本部長・副本部長・コマンダーへは 本部付から配布)

事故・プラントの状況

適宜の状況説明

発電所の当直や復旧班からの現場状況を、発電所の号機統括が発

話し、官庁連絡班が聞き取り、連絡メモを作成。メインスピーカへ

手渡し、メインスピーカが

ERC

へ説明

(7)

7

定期的な全体状況説明

号機班が定期的に設備状況シートを作成。ERC リエゾン経由で

ERC

へ渡すとともに、官庁連絡班が変更点を口頭で説明。発電所計 画班が作成する発電所目標設定会議

COP

を、メインスピーカが適 宜確認し、今後の戦略を定期的にまとめて

ERC

に説明

プラント系統概要図は設備状況シートと連動して自動作成。官庁 連絡班が打ち出してメインスピーカが

ERC

へ説明。設備状況シー トが作成される前は、官庁連絡班が手書きで作成し、メインスピー カが説明。その際の手書きにあたって、書画カメラの写り方を踏ま えてペンの色等の記載ルールを設定

 ERSS

故障時のプラントデータの説明

ERSS

が機能しているときは、官庁連絡班に映し出される

ERSS

を用いて、メインスピーカが

ERC

へ説明

ERSS

故障時は、社内ネットワーク上にあるバックアップツール に

SPDS

や当直によるデータの読み取り値を号機班が入力。これを 官庁連絡班が確認・印刷して、メインスピーカが

ERC

へ説明

事故収束対応戦略(戦略の進捗含む)

定期的な戦略確認または戦略変更時

号機統括の発話や発電所計画班の進展予測をもとに、目標設定会 議

COP

を発電所計画班が記入(発電所計画班の記入が遅れる等の 状況に応じて、本社側の情報共有のため情報班が目標設定会議

COP

を手書きで記入) 。官庁連絡班がモニタで確認・印刷し、メインスピ ーカが

ERC

へ説明

原子炉注水停止や格納容器圧力上昇時

発電所計画班が「重大な局面シート」を作成。官庁連絡班は当該 シートを印刷し、メインスピーカが

ERC

へ説明

 ERC

からの質問への回答

本社内での回答確認

官庁連絡班が

QA

チャットシステムにより本社各機能班を指定し、

問い合わせ。各機能班からの回答をもとに、官庁連絡班のメインス ピーカが

ERC

へ回答

本社-発電所間ホットラインによる回答確認

官庁連絡班のメインスピーカが、口頭で本社ホットラインに質問

事項を伝達。本社ホットラインから電話で発電所ホットラインへ伝

え、発電所内で回答を確認。発電所ホットラインは、電話で本社ホ

ットラインへ回答を伝達し、その結果をもとに官庁連絡班のメイン

スピーカが

ERC

へ説明

(8)

8

b.連携を担う要員の設定

問題点:(本社内各班の連携)官庁連絡班が、他班で作成・整理した情報を活用でき なかった

(発電所からの情報入手)通報文と発電所の発話との齟齬を確認するルール がなかった

改善策:官庁連絡班のメインスピーカに、情報が不十分な状態でインプットされるこ とを防ぐため、官庁連絡班と他班との連携も含め、全体を俯瞰して情報を確 認する要員を官庁連絡班内に配置する。

ERC

への説明内容に問題があった場 合、官庁連絡班・他班の情報の流れを再確認・訂正する役割を付与する。

あわせて、より高い立場で官庁連絡班、計画班、情報班の連携に対してガバ ナンスを利かせるために、官庁連絡班を計画・情報統括の傘下に配置する。

c.COP の改善・標準化

問題点: (COP 記載)ERC プラント班への説明者が、COP 等の情報をタイムリーに 把握・説明できなかった

改善策:

COP

での説明を容易にするために、かつ、訓練直前での

COP

様式の変更に 伴って使用方法がわからなくなる状況を排除するために、プラントの復旧状 況や戦略の確認・周知等に使用する

COP

を、ベンチマークに基づいて改善・

標準化する(具体的な

COP

の内容案は添付資料3に示す) 。

東北電力が使用する「重要な局面シート」が非常にシンプルで分かりや すかったことから、当該シートを導入

中部電力が使用する「EAL 判断シート」を

EAL

判断の間違い防止のた

(9)

9

めに導入

発電所の目標設定会議

COP

は、戦略の完了時間や

TAF

予測等の記載が フリーフォーマットとなっていたことから、確実に記入するようフォー マットを定型化。また、入力しやすいように記号入力箇所は選択式に変 更

プラント系統概要図を記号の記載方法の変更や注水を高圧・低圧で分け る等、説明しやすいように改良

設備状況シートを説明する際、書画では見えにくいことから、ERC で

ERC

リエゾンが当該シートを打ち出し、双方で確認する運用に変更

③知識・能力の改善

a.力量を向上させるための教育等

問題点: (通報文作成)25 条報告で内容確認をしたが、様式を間違え、その後も誤植 を発見できなかった

改善策:通報文作成の力量が不足していたことを踏まえ、通報文作成以外の緊急時対 応業務も含めて、力量不足の有無を確認し、それぞれの班で熟練チームのメ ンバーを中心に力量向上に必要な教育等を行う。 (例:メインスピーカによる 発話集に基づく発話の個別訓練、各種通信機器の扱いに関する教育、

EAL

に 関する教育、力量を補完するツールの設定等各班の対策内容を添付資料4に 示す)

b.知識・能力を有する要員の追加配置

問題点: (聞き取り)炉心損傷の判断に関する情報などの発話情報を聞き間違えた(1 人で聞き取り)

改善策:1 人の聞き間違いによって大きな判断ミスが生じることのないよう、本社の 対策本部の複数の要員が、発話を聞き取る運用とし、プラントの挙動が落ち 着くまで発電所の音声を流し続ける運用に変更する。

問題点: (ERC への説明)重要パラメータ(MP 等)の発言が無く、かつ、早口等に より発話が聞き取りづらい

改善策:官庁連絡班のメインスピーカは、必要な発話を確実に実施できるよう、訓練

を繰り返し実施するとともに、負荷を軽減するために

1~7

号機すべての発

(10)

10

話を

1

名で行う体制から、6/7 号機担当

1

名と

1~5

号機担当

1

名の計

2

名 に増員する。

問題点:(質問回答)技術的な質問の回答に時間を要し、戦略の説明をせず、事象の 断片的な説明に終始した

改善策:プラントの進展予測等を含む戦略の確認・検討を行う計画班が、官庁連絡班 をサポートする体制を構築するために、これまで災害対策室内で離れて配置 されていた計画班と官庁連絡班を、隣り合わせの配置とする。

加えて、計画班が官庁連絡班のメインスピーカを直接サポートできるように するため、官庁連絡班のメインスピーカの隣に、計画班の要員を配置する(当 該要員は、戦略に関して積極的に説明をサポート。 ) 。

問題点: (リエゾンの説明)

ERC

リエゾンは積極的に即応センターの説明を補助せず、

説明内容も不明確であった

改善策: プラントの進展予測等を含む戦略の確認・検討を行う計画班の要員を、

ERC

に配置することにより、

ERC

への説明内容を補佐し、

ERC

リエゾンの体制 を強化する。

加えて、

ERC

内での質問に

ERC

リエゾンが速やかに回答できるようにする ため、官庁連絡班と

ERC

リエゾンの間にホットラインを設置する。

以上の取り組みについて、改善に資することが確認できない場合は速やかに見直していく。

なお、個別に対策が必要な事項については、それぞれ対策を実施する(添付資料2参照) 。

1F本部部屋

官庁連絡班

広報班(マ)

広報班

(客) 電力支援受入班

後方支援拠点班

情報班

立地班

計画班

資材班 総務班 厚生班 厚生班

通信班通信班

保安班

復旧班

スクリーン 本棚

スクリーン 書画

操作卓 タッチパネル モニタ

連携強化

企画班

支援受入調整班

(11)

11

2.規制庁評価開始以降に改善が進まなかった推定原因と改善策

当社は、下表に示す通り、これまで「即応センターと

ERC

プラント班との情報共 有」の項目に関して、福島第一、福島第二、柏崎刈羽すべての訓練において

A

評定を とることができていない。

福島第一 福島第二 柏崎刈羽 年度

H27 H28 H29 H27 H28 H29 H27 H28 H29

即応センターと ラント班との情報共有

ERCプ C B B C C B B B C

適切な通報の実施

B A A B A A B A A

通信機器の操作

B A A B B B A A B

プラント情報表示シス テムの使用

C

‐※ ‐※

C A A C A B

シナリオの難度

C B B C C B B B A

シナリオの多様化 ‐※ ‐※ ‐※

C A B B B B

広報活動

A A A A A A A A A

後方支援活動

B B B B A A A A A

訓練への視察など

B A A B A A A A A

※福島第一は現在の状況を踏まえ、指標4と6は評価対象外

これまで、当社では、福島第一原子力発電所事故で緊急時対応に課題が多く見られ たことから、原子力安全改革プランにおける対策として、緊急時対応をその柱の

1

つ として改善を進めてきた。一方、このような改善の取組の中でも、A 評定をとること ができなかった原因としては、以下の通りと考える。

福島第一原子力発電所事故の経験を踏まえ、発電所と本社や外部機関との情報連絡 のあり方などを見直し、訓練を行ってきた。しかし、以下の

2

点の原因が改善を阻 害したと考える。

本社は発電所に問い合わせをせずに対応することを強く意識しすぎたために、

ERC

プラント班からの問い合わせに対して、発電所から情報の入手をためら う状況が生じた。

 ERC

プラント班への適確な情報提供について、官庁連絡班や情報班等の複数 の班にまたがった課題であったことから、改善を進めるための役割分担が曖昧 になってしまった。また、一部の緊急時対策要員による改善提案にとどまり、

関係班にまたがる課題について対策が徹底できなかった。

上記を踏まえ、これらに対する改善策を以下の通り立案する。

(12)

12

改善策

ERC

プラント班からの問い合わせに対して、本社が発電所からの情報の入手を ためらう状況が生じたことに関しては、本社と発電所間のホットラインの専任 化や、情報の流れに対する本社・発電所の個人の役割を明確化し、情報が抜け なく流れる体制を構築する。

② 上記対策を継続的に進めることができるようにするためには、組織的に改善を 回す体制を作りこむことが必要である。このため、現在の緊急時と平常時の体 制で管理者が異なる要員に対して、緊急時と平常時を一致させることなどによ り改善が評価されやすくなる仕組みを導入する。これにより、役割分担の曖昧 さを排除し、各班にまたがる課題を効率的に改善していく。

③ 福島第一原子力発電所事故の当事者として、原子力規制庁の評価結果を重く受 け止め、着実に改善を進めることを継続的に行っていくことを確実にするため、

経営層がメッセージを発信することにより、経営の意思をしっかりと社員に示 していく。

<補足:関連する事実関係>

緊急時対応に関する福島第一原子力発電所事故の具体的な教訓の

1

つとして、本社 対策本部が外部からの問い合わせや指示を調整できず発電所対策本部を混乱させた ことが挙げられる。この教訓から、本社は事故の収束に向けた発電所対策本部の活 動を支援に徹することとし、訓練を積み重ねてきた。

その際、本社は発電所が作成する

COP

やチャットから情報を入手し、基本的に発 電所への問い合わせはせずに支援を行うことを指向してきたが、この「基本的に問 い合わせをしない」ということを強く意識しすぎたために、

ERC

プラント班からの 問い合わせに対して、発電所への連絡による情報の入手をためらう状況が生じた。

平成

27

年から原子力規制庁による訓練の評価が始まり、 「即応センターと

ERC

プ ラント班との情報共有」が項目として設定されたことを踏まえ、本社内で官庁連絡 班の

ERC

への対応が課題として挙がっていた。しかし、本社内各班の連携という 複数班にまたがる課題であったことから、改善を進めるための役割分担が曖昧とな った。この状況が平成

28

年も継続し、ERC との情報共有を確実に実施できる状況 には至らなかった。

平成

29

年度は、原子力部門全体で「即応センターと

ERC

プラント班との情報共有」

を改善することを目指し、本社と発電所で情報を確認するルートの設定、そのため

QA

用ツールのセットなどの対策も行ってきたが、官庁連絡班から

ERC

プラン

ト班への情報共有を改善するまでに至らなかった。

(13)

13

3.改善スケジュール

10

2

日に予定している柏崎刈羽原子力発電所での事業者防災訓練を1つの区切り として、緊急時対応の力量向上に向けた取り組みを進める。

その後、柏崎刈羽原子力発電所の改善事項を反映しつつ、福島第一、福島第二原子力 発電所で行うそれぞれの事業者防災訓練において、熟練チームによるドリル等での評価 と水平展開によって今年度中を目途に緊急時対策要員の力量向上を図っていく。

年度末には、これらの改善状況を振り返り、次年度以降の力量向上策を訓練中長期計 画に反映、訓練を実施していくことで、力量の継続的な向上につなげていく。

(具体的なスケジュールは添付資料5参照)

以 上

(14)

規 制 庁 に 提 供 す る 情 報 の 不 足 と 遅 延

発電所発 話内容が説 明者に正確 に伝わってい ない

発電所の発話の情報 を聞き間違えた

発話の聞き取り役と伝 達役の人数が少ない 質問をしても回答がす

ぐに返ってこない

・聞き取り役を1名から 3名へ増員

・ホットラインを専任化

説明者が早 口で判りにく

い 説明者の力量不足 ・説明者への訓練

全体の戦略 が説明でき ず断片的な 説明に終始

本社の中長期戦略が 共有できていない COPを使用した説明が できていない

本社目標設定会議 COPが中長期戦略に なっていない

COPの内容に不足や誤 りがあるため使用できな い

説明者の周りに発電所 の復旧戦略のフォローを できる人がいない

・本社計画班を官庁 連絡班の隣に配置

・本社計画班の要員を 説明者の近くに配置

・新規COPの導入と既 存COPの改善

・予め本社による中長 期復旧戦略の検討

発生した EALの説明 ができていな い

通報FAX(EAL)の 記載が間違っていた 通報FAXを用いて説 明ができていない

記載者の力量不足 説明の運用が定められ ていなかった

・記載者への訓練

・通報文の説明に関す る運用の策定 官庁連絡班が本社他

班の情報を活用できて いない

発電所問合せ窓口が 役割を兼務していた

ERCリエゾンは積極的な説

明ができていない ERCリエゾンの力量不足

・ERCリエゾンと本社の ホットライン設置

・本社計画班からERC リエゾンを派遣 EAL判断シートを用い

た説明ができていない シート記載者が時刻を

誤って記入した ・既存COPの改善 COPが本社と共有でき

ていない ・COPの固定化と社内 イントラへの掲示 ERSS故障時のバック

アップツールのデータ更新 間隔が長かった

・バックアップツール運用 変更(15→5分)

COPの発電所本部長 承認を待っていた

・COPのERC説明に関 する運用手順変更 発電所発話時に本社側でタイミングよく音声を切り

替えられなかった

・発電所発話を常時 本社内に流す運用 へ変更

QAツールに不具合が生

じた際に対応できず ・QAツール不具合時 の運用の策定

根本原因分析 対 策

発話情報を再確認でき るルートがない

添付資料1

14

(15)

大項目小項目事実関係具体的実施事項・対応状況対応期日本社1F2FKK 1

【本社】 予測進展・収束戦略・状況 取りまとめに係る積極的な 説明 プラント状態が変化した際にも、対応方針や戦略等の 説明はせず、事象の断面・断片的な説明に終始してい た。KK

①本社側においても(発電所側の戦略決定・承認を待たずに)予め戦略を選択・決定する条件等を整理し、想定される戦略やそ の進捗をタイムリーに説明するよう運用を見直す。 ②計画班に官庁連絡班をフォローするミッションを追加し、計画班を官庁連絡班の隣に配置する。 ③戦略を決定する条件等を整理した「フローチャート・優先順位一覧表」を整備する。

①②③ 運用開始済み○ 2

【本社】【発電所】 予測進展・収束戦略・状況 取りまとめに係る積極的な 説明 訓練進行(時間スキップ)のプラント状況の変化(事 象進展)について、事前の内容確認や、訓練関係者へ の事前説明が不十分であった。KK

①【事前準備】訓練シナリオ(特に時間スキップ)の作り込みに際して、運転部門や事故対応部門によるレビューを行い、現実 的なシナリオを作成する。 ②【訓練中】時間スキップ時には、プラント状況の変化(時間スキップ後の訓練条件)をTV会議やリエゾンを通じて十分に説明 を行う。

①8/24 ②9/10○○ 3【本社-発電所間】 ERCプラント班からの質疑 対応

ERCプラント班からの質問に対して、発電所側への問 い合わせ窓口が通報対応で本件対応ができず、迅速に NRAへ回答することができなかった。KK発電所との「ホットライン」対応者を変更し、ホットラインを優先して対応する。運用開始済み○○ 4【本社】 ERCプラント班からの質疑 対応 ERCプラント班からの、技術的な検討・確認が必要な 質問(原子炉水位評価,格納容器圧力評価等)に対し て、回答の作成に時間を要した。KK本社・計画班メンバを官庁連絡班対応のフォローメンバとして体制を見直す。運用開始済み○ 5【本社】 ERSS・SPDS、COPを活 用した説明

複数プラントでの事象進展かつ事象進展が早く、正確 な情報集約に手間取り、ERSS等のプラントデータの確 認が遅れたため、ERCへの説明も後手になった。KK①説明補助者がERSS・SPDSの変化を監視し、説明者へ伝える。 ②対応メンバを選定し、繰り返し訓練を実施する。①② 運用開始済み○ 6【本社】 説明者の「コミュニケー ション力」

説明者の経験不足から不十分な説明となった。 ※早口,専門用語を多用した難解な説明 発話のない時 間帯が多い等KK①重要情報を適切なタイミングで確実発話するため、説明者用の「発話集(タイミング及び発話事項)」を整備する。 ②説明者を「選定」し、ダミーERC役を設定して繰り返し訓練を実施する。①② 運用開始済み○ 7【本社-発電所間】 情報の正確な集約(聞き取 り・メモ作成)

本社本部内で発電所が炉心損傷の判断をする前に正し くない情報を基に炉心が損傷している状態であると推 定した。KK①本社本部内の発電所からの発話情報を聞き取る等の体制強化を検討する。 ②EAL判断COPの記載内容を簡素化して,聞き取らなければいけない情報を限定する。①② 運用開始済み○ 8【本社】 情報の正確な集約(聞き取 り・メモ作成)

官庁連絡班と他班との連携が弱く,官庁連絡班が他班 で作成,整理した情報を活用できていない。 KK官庁連絡班と他班の連携向上および発話者の力量向上を目的とした模擬訓練を実施する。運用開始済み○ 9【本社-発電所間】 ERSS・SPDS、COPを活 用した説明 PCVベントに関するチェックシートについては,今 回の訓練で試行したものであり,緊急時に必要な手順 書類に定められていなかったため,事前に共有できて いなかった。KKPCVベントに関するチェックシートを緊急時に必要な手順書類に反映し,事前に発電所-本社間で共有する。9/14訓練より運 用開始○○ 10

【本社】 予測進展・収束戦略・状況 取りまとめに係る積極的な 説明 ERCプラント班に対して,SPDS,ERSSを活 用した説明についてはSFPの水位及び温度のデータ がなく,ERCプラント班への説明に有効なデータが 発電所構内のモニタリングポストの値のみであったた め,SFPに関する説明ができず,口頭のみでの説明 となってしまった。

2FSPDS,ERSSに伝送されていないデータの内,ERCプラント班への説明に有効なデータについては,COPなどの情報 共有ツールを用いて説明するよう本社本部官庁連絡班に対し,教育及び訓練を実施する。運用開始済み○ 11【本社】 情報の正確な集約(聞き取 り・メモ作成)

ERCプラント班からの質問に即答できない場合は, QAチャットを用いて本社本部の情報班,計画班,復 旧班,保安班に回答作成を依頼する運用としていた。 しかし,本社本部復旧班の発電所対策本部への支援策 の検討に時間を要したため,ERCプラント班に速や かに回答することができなかった。2F発電所のSFPに関するリスクに対し,これまでの訓練シナリオなどからあらかじめ中長期的な復旧戦略を検討しておく。9月訓練より運用 開始○ 12【発電所】 情報の正確な集約(聞き取 り・メモ作成)

COPについては,戦略欄に記載されている情報と機 器運転状態に記載されている内容に齟齬があったため COPを用いた定期的な情報提供ができなかった。2F官庁連絡班の役割分担を見直し,タイムキーパーを配置することで定期的な情報提供を行う。 COPに記載している情報に齟齬があった場合は発電所対策本部に是正を促すとともに,官庁連絡班は内容を補完しながら説明 する運用を明確にする。運用開始済み○○○○ 13【本社-発電所間】 情報の正確な集約(聞き取 り・メモ作成)

通報文と発電所対策本部の音声などから得た情報に齟 齬があった場合に正しい情報を確認するルールがな く,15条認定会議で必要な情報を収集するのに時間 を要した。2F官庁連絡班の役割分担を見直し,タイムキーパーを配置することで定期的な情報提供を行う。 COPに記載している情報に齟齬があった場合は発電所対策本部に是正を促すとともに,官庁連絡班は内容を補完しながら説明 する運用を明確にする。運用開始済み○○○○ 14【発電所】 情報の正確な集約(聞き取 り・メモ作成)

ブリーフィング実施時期の目安を定めておらず、余震 発生直後に,各班長からの報告が多くなってしまった ため,本部長が発話に聞き入ることに注力し,ブリー フィング開催のタイミングを逃してしまった。1F①ブリーフィングの実施時期の目安を定め,社内マニュアルに記載する。 ②本部長補佐がブリーフィングや目標設定会議のタイムキーパーとなり,本部長に開催を進言することで,開催忘れを防止す る。

①9/13 ②運用開始済み○○○ 15【発電所】 正確な情報の提供(発話)

TSC運転班長は,携帯電話による現場対策統括への 情報発信,TV会議への発話による本社等への情報発 信を行っていたため,負担が大きくなってしまった。1FTSC運転班長から現場対策統括及び本社へ同時に発信出来るよう情報発信方法を見直す。福島第一原子力発 電所固有の課題○ 16【発電所】 正確な情報の提供(発話)

現場対策統括は,TSC運転班長からの情報をバスの 中で口答周知したため,現場対策統括の周辺の要員に しか情報が伝わらなかった。1FTSC運転班長からの情報がバスで移動中の要員全員に伝わるよう,情報の伝達方法を見直す。福島第一原子力発 電所固有の課題○

No. 即応セン ターとの ERCプラン ト班との情 報共有

検証対象訓練平成29年度の訓練における課題・対応事項の整理 対応事項課題訓練 サイト

添付資料2

15

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大項目小項目事実関係具体的実施事項・対応状況対応期日本社1F2FKKNo.検証対象訓練平成29年度の訓練における課題・対応事項の整理 対応事項課題訓練 サイト 17【本社-発電所間】 情報の正確な集約(聞き取 り・メモ作成)

発電所に対して,本社が音声切り替え操作のために時 間が必要であることを共有出来ていなかったため,音 声切り替え操作中に発話が開始された。発電所からの 音声を本社本部に流す前に,発電所からの発話である ことのアナウンスが無かった。1F①発電所は目標設定会議結果を発話する際に,本社で音声切り替えをする時間を考慮して発話する運用に変更する。 ②発電所からのブリーフィングによる情報は,本社情報班が情報を整理して,本社本部内に共有する運用に変更する。①② 運用開始済み○○○○ 18【発電所】 正確な情報の提供(発話)

発電所ブリーフィングは発生事象が中心の発話であり 全体を整理した情報ではなく、ERCプラント班への 説明者がCOP等の情報をタイリーに把握出来る環境 になっていなかった。1F①発電所からの情報を基に本社が情報を整理し,COP等を用いて定期的に全体を整理した情報を提供する運用に変更する。 なお,情報の整理は設備状況シートやプラント概要図を用いて実施する。 ②官庁連絡班のレイアウトを変更し,説明者がCOP等の情報を把握出来る環境にする。

①② 運用開始済み○ 19【本社】 ERSS・SPDSを活用した 説明

パラメータの提供が重要だが、MPの値の発言もな い。1F今後は、COP等を用いた全体サマリ(異常のないデータを含む)を定期的に報告するように改善する。8/30訓練 より運用開始○ 20

【本社】 予測進展・収束戦略・状況 取りまとめに係る積極的な 説明 事実関係は通知したが、全体状況・進展予測・懸念材 料等発話せず。 状況、優先順位、見通しなどをセットで説明できず、 情報提供ができていない。

1F

発電所の状況,復旧戦略(優先順位,見通し)が分かりやすくなるよう,  ① COP(目標設定会議COP含む)のフォーマットを変更する。  ② COP情報をERCプラント班への説明者が把握出来る環境にインフラ面を整備する。  ③ ERCプラント班への説明はCOPの有効活用、およびリエゾンを活用し、全体情報も含め定期的に情報提供を実施するよう に改善する。

①②運用開始済み ③8/30訓練 より運用開始○○○○ 21【本社】 ERSS・SPDS、COPを活 用した説明

EALの説明にCOPは活用されなかった。 予測進展・収束戦略・状況取り纏めに対し積極的な説明 がない。基本的に情報が来るのがおそい。2F目標設定会議の内容、COPの記載内容に関する対応例を充実化し、関係者に教育する。 また,質問を想定した情報ツールの見直しを図り,説明者の力量向上となる訓練を計画する。8/30訓練 より運用開始○ 22【本社】 ERSS・SPDS、COPを活 用した説明 ERSS・SPDSを使った説明はほとんどなかっ た。2F ERSS(SPDS)では、SFPの水位・温度データがなく、有効なデータがMPのみであったため、MPの変化(上昇)時 の説明でしか使用できなかった。 2Fでは、SFPの水位・温度がクリティカルパラメータとなりうるデータであるが、ERSS(SPDS)ではデータに取り込 まれていないため,今後はSFPの水位・温度が常時確認できるよう、ERSS(SPDS)を改造する。

平成31年度 23

【本社】 予測進展・収束戦略・状況 取りまとめに係る積極的な 説明 本社本部復旧班がSFPの水漏れに対する復旧戦略に 対し,原因が特定されるまで検討を実施していなかっ たため,あらかじめ中長期的な復旧戦略の備えを実施 していなかった。

2F発電所のSFPに関するリスクに対し,これまでの訓練シナリオなどからあらかじめ中長期的 な復旧戦略を検討しておく。運用開始済み○ 24【本社】 ERSS・SPDS、COPを活 用した説明EALの説明が基本的にほとんどないKK 新たなEALは、重要な情報として直ちに規制庁へ連絡する必要がある情報として定義しているが、その運用が細かく決められて いなかった EALの情報は、 ①発生時に口頭で説明 ②通報受信後にFax送付の連絡(新たな説明内容がなければ、その旨発話)とする運用とする。。

8/30訓練 より運用開始○ 25EAL判断のスピーディかつ 正確な報告

新EALは重要情報としてNRAへ直ちに連絡すべきとし ているが、詳細運用が定められておらず、NRAへの EALの説明が遅れた。KK対象事象の発生を確認した時点で即応センターからERCプラント班へ速報ベースで情報提供する。運用開始済み○ 26EAL判断のスピーディかつ 正確な報告

原災法25条報告等において,通報連絡前の内容確認 が行われていたものの,様式の間違い,誤植等を発見 できず通報FAXを行った。KK今回の事象を通報班要員へ周知し注意喚起を行う。また,通報連絡が必要となる火災,負傷者等が発生した際の通報記載例のテ ンプレートを作成し誤植対策を行う。 更にダブルチェックの際ポイントを手順に明記し,通報用紙作成の訓練により再発防止および力量向上を図る。運用開始済み○○○ 27情報の正確な集約(聞き取 り・メモ作成)発電所からの発話情報を聞き違い,本社本部内でEA L判断時刻を正しく共有することができなかった。KK①本社本部内の発電所からの発話情報を聞き取る等の体制強化を検討する。 ②EAL判断COPの記載内容を簡素化して,聞き取らなければいけない情報を限定する。①② 運用開始済み○ 28EAL判断のスピーディかつ 正確な報告 通報班は発話から通報文を作成したが,輸送容器に関 する知識(実際は輸送容器にドラム缶が収納されてい る)が不足していたため,誤った記載(ドラム缶から の漏洩と認識)について,事実との乖離があることに 気付けなかった。

2F通報文を作成するために必要となる技術的な情報について事象毎に確認項目を作成する。福島第二原子力発 電所固有の課題○○○ 29EAL判断のスピーディかつ 正確な報告

TSC参集中に発生した3号機AL31の通報が目標 時間である15分を満足できなかった。発電所通報班 は,参集中の全ての通報を本社官庁連絡班で対応する ものと考えていた。一方、本社官庁連絡班は,EAL 事象発生の都度,発電所通報班から依頼があるものと 考えていた。

1F発電所からの通報不能事象発生の対応手順に以下のルールを追加するとともに,関係者に対応手順を周知する。発電所通報班長 は,EAL事象発生の都度,本社官庁連絡班に「EAL番号」,「判断時刻」,「判断根拠」を連絡する。福島第一原子力発 電所固有の課題○ 30EAL判断のスピーディかつ 正確な報告

25条報告の通報基準に対して優先順位の定めが無 く、25条報告について,通報班長の判断によりEA Lに至る燃料プール漏えい事象を優先的に通報し,重 要情報である汚染傷病者や原子炉注水停止等の通報の 優先度を下げて通報を行ってしまった。

1F

①公表区分により25条報告の優先度を決定することで,通報班長の優先順位決定の誤りを防止し,重要情報の通報に抜けが無 いようにするとともに,社内マニュア ルに運用を定める。 ②同時多発事象に対応出来るよう,通報文を作成する要員数の増強を図る。 ③防災訓練の評価に「公表区分を元とした優先順位の設定」及び「優先順位に基づいた25条報告の実施」を追加し,防災訓練 の度にルールが定着していることを確認する。

福島第一原子力発 電所固有の課題○

通報連絡 (EAL判断 ~通報)の 不備 即応センター とのERCプラ ント班との情 報共有

16

(17)

大項目小項目事実関係具体的実施事項・対応状況対応期日本社1F2FKKNo.検証対象訓練平成29年度の訓練における課題・対応事項の整理 対応事項課題訓練 サイト 31EAL判断のスピーディかつ 正確な報告

25条報告の通報文作成を時間で区切らずに,次々に 報告される新規情報を一枚の通報文にまとめていたた め,情報提供が遅れてしまった。1F25条報告の通報文作成を時間で区切ることで,情報提供に遅れがないようにするとともに社内マニュアルに運用を定める。上 記の運用を遵守出来るよう,タイムキーパーを設定する。福島第一原子力発 電所固有の課題○○○ 32EAL判断のスピーディかつ 正確な報告 6号機のAL判断で,「AL31」と判断すべきとこ ろを「AL30」と誤って判断し,通報を実施した。 具体的には、本部長補佐は,本部長のEAL判断等を チェックした際,携帯・所持していた旧版の防災業務 計画をもとにAL31ではなくAL30と助言してし まった。 通報班長は,旧版の防災業務計画にて通報文(EAL 番号含む)をチェックしていたため,AL30が存在 しないことを指摘できなかった。 通報班長ならびに通報班員は,通報文にAL30の チェック欄が無いことに疑問を持ちつつも,15分以 内にFAXすることに注力したため,本部長判断に従 いAL30に訂正した通報文を作成した。

1F

①防災業務計画を「差し替え管理表」により管理し,常に最新版をTSCに配備することで,旧版の使用を防止する。 ②本部長・統括・班長用の防災業務計画をTSCに備え付け,個人配付を廃止することで旧版の使用を防止する。 ③通報文のチェック用紙を用いることで,EAL通報指示や通報文チェック項目の明確化及びチェック体制の強化を図り,通報文 の記載漏れや記載ミスを防止する。 ④EALを判断するための一覧表を作成し,EAL番号や判断基準の誤りを防止する。 ⑤原子力防災要員に対して,燃料プールのEAL変更(AL・SE・GE30の廃止,AL・SE・GE31への統一)やEA L番号の重要性を周知する。

①~⑤ 運用開始済み○ 33EAL判断のスピーディかつ 正確な報告

発電所が原災法10条(SE)を判断した後に,事象 の判断時刻を本社内で速やかに共有することが出来な かった。 また,10条確認会議に本社責任者の出席に時間を要 した。

1F10条確認会議,15条認定会議の運用ルールを定め,関係者に周知する。8/30訓練 より運用開始○ 34通信機器の操作ミス・習熟 不足

説明者(及びサポート要員)が機器操作を把握してお らず、電話会議への切り替え操作を誤り、通話を遮断 してしまった。KK説明者及びサポートメンバを「選定」し、繰り返し訓練を実施する。運用開始済み○ 35ツールの性能不足 ERSS(SPDS)不具合発生時のバックアップ ツールへのデータ更新頻度を15分毎とする運用とし ており,重要パラメータの更新時間の間隔としては長 かった。 SPDS不具合発生時にグラフ化する項目が不足して おり,トレンドでの共有ができなかった。

KK①システム使用不能に際して、プラント状況に応じて必要となる重要パラメータを予め選定し、グラフ化するツールを整備す る。また、データ更新頻度を15分から5分に見直す。 ②対応メンバを選定し、繰り返し訓練(ツール切替訓練)を実施する。

①9月訓練より 運用開始 ②9月訓練より 運用開始

○○○ 36目標設定会議の進め方訓練中にQA対応ツールに不具合が発生し代替策の書 類による運用になったため,質問に回答出来ないこと があった。1F

①QA対応ツールが使用できない場合を想定し,紙ベースのQA管理表に管理項目 (ERC プラント班への回答実績)を追加する。 ②QA対応ツールが使用できない場合を想定した個別訓練を実施し,力量向上及びQA管理表の有効性について検証する。 ③同時多数アクセスに対応出来る信頼性の高いシステムに改良する。

①②③ 運用開始済み○ 37目標設定会議結果の発信

本社本部指揮者が,目標設定会議での決定事項を発話 にて共有する際に,対応箇所及び進捗状況を発話する ことができなかったため,本社本部内及び発電所対策 本部に発電所対策本部への支援策の対応箇所及び進捗 状況を共有する事ができなかった。

2F本社本部目標設定会議の共有方法を明確にし,手順を作成する。8/30訓練 より運用開始○ 38目標設定会議の進め方目標設定会議が復旧の優先順位や復旧方策などに傾注 してしまい,目標時間の設定ができなかった。2F本部スタッフが目標設定会議の内容を確認し,会議で決定した事項の不足している部分につい てチェックを実施する。また,再度会議参加者に対し目標設定会議の教育を実施する。8/30訓練 より運用開始○ 39目標設定会議結果の発信本社本部目標設定会議で決定した事項の発話内容が定 まっていなかった。2F本社本部目標設定会議の共有方法を明確にし,手順を作成する。8/30訓練 より運用開始○ 40目標設定会議の進め方本部スタッフは発電所目標設定会議後に,本社目標設 定会議を実施する運用を把握していなかった。1Fガイドに従い発電所目標設定会議終了後に必ず本社目標設定会議を実施することを徹底する。 (関係者にガイド教育,周知を実施する。)運用開始済み○ 41ERCリエゾンの役割分担

ハンディホワイトボードは本社本部官庁連絡班の要員 が書画カメラを通じて説明するものであり,FAXに よる情報共有を想定していなかったため,ERCリエ ゾンを通じてERCプラント班に配布する資料に時間 を記載できなかった。

2F本社本部官庁連絡班がERCリエゾンに資料を送付する際は,時間を必ず記載する運用とする。 また,ERCリエゾンも時間の記載があることを確認した上でERCプラント班に資料を配布することとする。万が一,時間が 記載されていない場合は,本社本部官庁連絡班に時間を確認し,追記してからERCプラント班に配布することとする。

8/30訓練 より運用開始○ 42ERCリエゾンによる積極的 な説明リエゾンは社内パソコンを持ち込んでいるものの、積 極的に即応センターの説明を補助していない。KK

想定される戦略に関する手持ち資料の事前準備、対応者の力量が不足していた。 TV会議の説明が意図的に情報を出していないのか、それとも単に説明不足なのかがわからず、リエゾンから情報提供するのに 躊躇いがあった。 手持ち資料を拡充し、対応者の力量向上となる訓練を計画する。 即応センターとリエゾンの連携が向上するよう運用を検討する。

8/30訓練 より運用開始○ 43リエゾンからERCプラント 班へのの情報提供

リエゾンからERCプラント班へ提供すべき情報が不明 確で(本社・官庁連絡班からの情報提供を待たずに) 古い情報を提供したり、問い合わせに対して迅速に対 応できなかった。

KK①事象進展に係る情報は原則として本社・即応センターから提供し、リエゾンは補足説明に徹する。 ②リエゾンと本社・即応センターとのホットラインを設定する。 ③対応メンバを選定し、繰り返し訓練を実施する。

①②③ 運用開始済み○ 44オフサイト センターで の情報共有

オフサイトセンターの情報 入手環境 オフサイトセンタープラントチームではチャット,C OP等の情報を見られる環境になっていなかったた め,事業者ブースからオフサイトセンタープラント チームへの情報共有が通報文中心の説明となった。

1Fオフサイトセンタープラントチームでチャット,COP等の情報を見られるように環 境を整備し,COPを有効活用した情報共有を実施する。運用開始済み○○

通報連絡 (EAL判断~ 通報)の不備 情報共有イ ンフラの習 熟不足・活 用不足 目標設定会 議の運用 ERCリエゾ ンによる情 報共有

17

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添付資料3

資料一覧

 プラント系統概要図

 設備状況シート

 重大な局面シート

 サイト目標設定会議 COP

 本社目標設定会議 COP

 EAL 判断シート

18

(19)

M/C(C)M/C(DM/C(E)

  柏 崎 刈 羽 原 子 力 発 電 所   7 号 機   プ ラ ン ト 系 統 概 要 図 現在

凡例

高圧注水 原 子 炉 ス ク ラ ム 成 功 ・ 失 敗 (             )

●:使用中△:準備中 ○:待機中▽:サポ系故障 常用電源給復水系?:確認中×:使用不可

フ ィ ル タ ベ ン ト

DC125V(A)

変化有り

M/C(D)

L O C A 無し 有り

IC

S R V

DC125V(A)

M S IV 開 低圧注水 S F P 冷 却

M/C(C LPCI

M/C(E

モ ニ タ 変化無し

新新潟幹線

M/C(D) LPCI M/C(E LPCI

電源

M/C(C M/C(C (S/C)

M/C(D)

除熱

南新潟幹線 D/G 号機間融通 専用DC/ 電源車(寄付) -消防車 (S/C)

(S/C)電源車(高台) M/C C/DCRD代替Hx (ス) (ス) M/C C/DSLC

代 替 ス プ レ イ M U W C ( A ) 代 替 ス プ レ イ M U W C ( B / C )

19

(20)

機能 使用可否 機能 使用可否 着手時刻 完了予定時刻 (自動) 完了時刻 (実績) 参考所要時間 戦術番号 完了ST EP × × 0: 20 × 1: 15 × 1: 55 × 1: 35 × 5: 30 A ● A-2 0: 35 B ● AM 0: 20 C × 3: 55 A ● 高圧系 〇 0: 15 B ● A 〇 0: 12 C ● B /C 〇 0: 12 D ● × 0: 30 × × 0: 30 ● 2: 15 B 〇 可搬型蓄電池 0: 55 C ▽ 0: 40 A 〇 2: 15 B × A 0: 25 C ▽ B /C 0: 25 減圧系 制御中 0: 30 A ● 0: 30 B × 2: 05 C ▽ 原子炉補機冷却 9: 00 B × A 0: 30 C ▽ B /C 0: 30 A ● 1: 50 B ▽ C ▽ A ● B ▽ A 〇 ※凡例 B ▽ 低圧注水③-1 3 C ▽ 目視に よ る 設備確認の開始は、準備開始と はみなさな い 。 SR V: 制御中 閉固着 開固着

C S P 補給

②第2G TG ④電源車(高台) ⑤電源車(寄付) 直流125V主母線

H S Tr

柏崎刈羽原子力発電所_7号機 設備状況シート (__8 月__2 0 日1 6 : 3 7 現在) 消防車(常設ヘ ッダ )

交流電源

号機外部電源 D/G 直流125V主母線 R CI C

①第1G TG ③号機間融通(6号D /G ) H PAC

交流電源 D/D FP M /D FP

D B A設備 直流電源 高圧系 H PCF

66k V 炉心冷却 逃がし安全弁

S A設備 設備 500k V 給復水系 炉心冷却 代替SR V(逆圧)

設備 格納容器冷却 運転状況 ●:使用中 〇:待機中(使用可) ?:確認中 △:準備中 ▽:サポ ー ト系故障 ×:フ ロ ン ト系故障(機器本体)

154k V

外部電源 そ の他 SFP 冷却

R CW /R SW R H R (最大熱負荷モー ド )

FPC

格納容器冷却 原子炉補機冷却

直流電源 低圧系 R H R (L PCI ) R H R (S/C冷却) R H R (格納容器スプレ イ )

戦術CO P 電源車 燃料プ-ル 補給水系 SFP 冷却 M U W C

代替H x

M U W C 低圧系 減圧系 M U W C 代替スプ レイ 消防車 M /D FP 消防車 D/D FP フ ィルタベ ン ト系

保   存

20

(21)

年 月 日 時 分 月 日 月 日 時 分 時 月 日 月 日 月 日 分 時 分 時 注 水 停 止 時 の 水 位 (広 帯 域 m m ) 炉 心 損 傷 防 止   注 水 ・ 電 源 戦 術 炉 心 損 傷 回 避 ① 日 分 ② 日 分 : 準 備 完 了 ( 予 定 ) 月 時

時 分 : 準 備 完 了 ( 予 定 ) 月 時

( 実 績 )

(広 帯 域 - 31 9 0 m m ) ( 到 達 予 想 ) 分

事 象 進 展 注 水 停 止 T A F 炉 心 損 傷

【 炉 心 損 傷 に 至 る 重 大 局 面 】

重 大 な 局 面 シ ー ト 原 子 炉 へ の 注 水 停 止 ( K K 6/ 7 用 ) 号 機 [ 評 価 時 点 ]

21

参照

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③  訓練に関する措置、④  必要な資機材を備え付けること、⑤ 

上であることの確認書 1式 必須 ○ 中小企業等の所有が二分の一以上であることを確認 する様式です。. 所有等割合計算書

ここでは 2016 年(平成 28 年)3

⑤  日常生活・社会生活を習得するための社会参加適応訓練 4. 

□ ゼミに関することですが、ゼ ミシンポの説明ではプレゼ ンの練習を主にするとのこ とで、教授もプレゼンの練習

 本資料作成データは、 平成24年上半期の輸出「確報値」、輸入「9桁速報値」を使用

 本資料作成データは、 平成26年上半期の輸出「確報値」、輸入「9桁速報値」を使用

 本資料作成データは、 平成29年上半期の輸出「確報値」、輸入「9桁速報値」を使用