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集団レベルの集団アイデンティティが集団規範の基盤となる可能性 : マルチレベルモデルを用いた探索的検討

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岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要 第48号 2019年12月 抜刷 Journal of Humanities and Social Sciences

Okayama University Vol. 48 2019

尾 関 美 喜

OZEKI, Miki

Can Group-Level Group Identity be a Basis for Group Norms?

-An Exploratory Study Using Multilevel Modeling-

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岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要第48号 (2019.12)

集団レベルの集団アイデンティティが集団規範の基盤となる可能性

―マルチレベルモデルを用いた探索的検討―

尾 関 美 喜  近年のグループ・ダイナミックス研究において、集団をマルチレベルの視点から捉えようとする 新たな試みが始まっている。これらの研究では、個人内の認知行動や心的な過程と、集団全体とし てみられる現象を区別して扱おうとしている。このような流れは集団アイデンティティの研究にも 大きなインパクトを与え、集団アイデンティティをマルチレベルの視点から捉える研究を生み出し た(Postmes , Baray , Haslam , Morton ,& Swaab, 2006) 。こうした流れの中で、集団レベルの集 団アイデンティティの機能を明らかにしようと試みる研究も生まれた(尾関・吉田, 2009; 2012; Swaab, Postmes, & Spears, 2008)。

 集団レベルの集団アイデンティティ(group-level group identity , 以下GGI)は、Hogg (1992)が、 集団レベルの集団アイデンティティが高い集団はまとまっている、と述べたことから始まった。し かしながら、Hogg (1992)ではそれ以上の言及はなく、当然のことながらGGIの概念的定義にも 操作的定義にも言及していなかったがために、長らく集団アイデンティティ研究においてGGI は 未解決課題とされてきた。  先行研究の中で唯一GGIの機能について実証的に検討したのが、尾関・吉田(2012)であろう。 尾関・吉田(2012)は、GGIが集団実体性の源泉であることを示している。それ以外の研究者によ る研究では、Hogg (1992)を論拠にして、集団凝集性を GGI と同じものとして扱っており、GGI を厳密な意味で実証研究で扱ったのは尾関・吉田による一連の研究のみである(尾関・吉田 , 2009; 2012)。  本研究では、集団アイデンティティ、成員行動、そして他成員がその行動をどの程度とりそうか という期待(以下、他成員への行動期待)の関連を、集団アイデンティティのマルチレベル・アプ ローチ(尾関・吉田, 2012)に基づいて検討する。マルチレベル・アプローチにおいては、集団レ ベルにおける成員行動は、その集団全体で、当該行動がどの程度みられるかに相当し、集団レベル において他成員への行動期待はある状況下で集団成員がその行動をとる程度についての、相互に共 有された期待に相当する。この共有された期待は、記述的規範に相当する(Cialdini & Trost, 1998)。このようなマルチレベルの視点に立った研究は、集団アイデンティティが集団レベルにお いて行動に関する集団規範の基盤になっているかを明らかにすることができる。本研究では、集団 レベルにおいて、GGIが多様な成員行動と他成員への行動期待を予測するかを検討し、集団アイデ ンティティが記述的規範の基盤になっているかを解明する。

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GGIの操作的定義と集団アイデンティティのマルチレベル・アプローチ

 集団アイデンティティとは、自身がある集団の一員であるという認知とその集団の一員であるこ とに伴う価値や情緒的意義に対する認知(Tajfel, 1978;1981)をさす。集団アイデンティティは、 個人がある社会集団の一員であることに起因する、自己に関する認識 (Tajfel & Turner, 1979)で もある。多くの研究者が、この操作的定義に従い、集団アイデンティティを測定する多様な尺度を 生み出してきた(e.g. Leach, van Zomeren, Zebel, Vliek, Pennekamp, Doosje, & Spears, 2008)。  Hogg (1992) はGGIの概念を提唱し、集団レベルの集団アイデンティティが高い集団はまとまっ ていると述べたものの、GGIの概念的定義にも操作的定義にも言及していなかった。Asch (1952) やTajfel (1981)は集団を個人の外にあるものとしてとらえ、集団の特徴はそこに属する人々特有 の特徴を生じさせるとしてきた。しかし、先行研究では技術的な限界から、この議論を実証研究で 得られた知見を通して行うことができなかった。

 Hogg (1992)以後の研究者は、それぞれ別の GGI の操作的定義を用いている。Postmes et al. (2006) は、各個人が集団アイデンティティを高め、それが成員間で共有され、この共有された集

団アイデンティティがGGIになると考えた。 Swaab et al. (2008)は、同じ集団のメンバーがどの くらい集団アイデンティティを共有していると思うかを回答者に尋ね、その集団内平均値をGGIの 指標にしている。他方、集団アイデンティティのマルチレベル・アプローチを提唱する尾関・吉田 (2009;2012)は、集団アイデンティティを個人単位で測定し、統計的な手法を用いて、その回答 値からマルチレベル分析に適用できる形に統計的に同一集団に所属する回答者に共通して付与され る変数を算出することによってGGIを指標化した。そのうえで、尾関・吉田(2009;2012)は従来 の集団アイデンティティを個人レベルの集団アイデンティティ(individual-level group identity, 以 下 IGI) と し て GGI と は 区 別 し て 扱 っ た。 こ の よ う に し て、 階 層 線 形 モ デ ル(HLM; Raudenbush & Bryk, 1992)やマルチレベル構造方程式モデリング(Muthén, 1997)などの、マル チレベルに特化した統計的手法を用い、集団アイデンティティをマルチレベルの視点でとらえるこ とに成功した。ここで用いられたマルチレベル分析は、個人単位で測定されたデータから、純粋に 回答者個人に帰属される部分(withinが効いている成分)と集団の影響を受けている部分(between が効いている成分)を弁別して検出することが可能である(Figure 1)。前者は純粋に個人差を測 定していることになり、後者は同一集団に所属する回答者には同じ値がわりふられ、集団ごとに値 が異なる、すなわち後者についてはマルチレベル分析において集団レベルの概念として扱うことが 可能である。この性質を利用した集団アイデンティティのマルチレベル・アプローチでは、前者を 個人レベル、後者を集団レベルの、それぞれ別の変数として扱うことで、伝統的な集団アイデンティ ティの操作的定義に違反することなく、IGIとGGIをそれぞれ別の変数として扱うことに成功した。 つまり、個人単位で集団アイデンティティを測定し、マルチレベル分析で個人の影響を受けている 部分をIGIとして、集団の影響を受けている部分をGGIとして検出し、分析に用いたのである。

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岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要第48号 (2019.₁₂) Betweenが 効いている成分 効いている成分Betweenが withinが 効いている成分 効いている成分withinが 変数X 変数Y Betweenが 効いている成分 効いている成分Betweenが

Between level model (集団レベルのモデル)

withinが

効いている成分 効いている成分withinが

Within level model (個人レベルのモデル) 統計的に 相互独立 同一集団内では共有され、 集団間で異なる XとYの個人差に相当 Figure 1 マルチレベル分析の模式図 集団アイデンティティのマルチレベル・アプローチでのGGIは、同一集団内で共有された値になる ことから、Postmes et al. (2006)のいう「同一集団に属するメンバーに共有された」値になって いる。さらに、Hogg (1992) にも沿っている。このことから、集団アイデンティティのマルチレベ ル・アプローチが最もGGIを実証研究で扱うには優れていると考えることができるため、本研究は 同アプローチに従う。 マルチレベル構造方程式モデリング(M1-SEM)と記述的規範  マルチレベル構造方程式モデリングは、個人の反応から、純粋に個人に帰属される部分(within が効いている成分)と集団に帰属される部分(betweenが効いている成分)を統計的に分けて取り 出し、相互独立な別の変数として扱う点に特徴がある。前者を個人レベルの概念、後者を集団レベ ルの概念として解釈することが可能である。集団レベルの部分は同一集団内で類似性が極めて高い 部分であり、個人差を超えて同一集団内で共有される成分でもある。最終的に、個人に帰属される 部分のみを使った因果モデル(個人レベルのモデル)と、集団に帰属される部分のみを使った因果 モデル(集団レベルのモデル)が作られる、同時に分析される(Figure 1)。  この手法を集団アイデンティティについて適用した場合、集団アイデンティティの個人レベルの 部分はIGI、集団レベルの部分はGGIとして扱うことが可能なのは前述したとおりである。さらに、 ある行動を個人がどの程度とるかを測定し、マルチレベル分析を適用すると、その個人レベルの部 分はその個人がその行動をどの程度とりやすいかを意味し、集団レベルの部分は当該行動が集団全 体としてどの程度みられやすいかを表すことになる(豊田, 2000)。他成員への行動期待については、 個人レベルの部分は、ある個人が同じ集団に所属する他成員がどの程度その行動をとりやすいと

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集団アイデン ティティ(IGI) 成員行動 他成員への 行動期待 集団アイデンティティ 成員行動 他成員への 行動期待 個人レベルのモデル e e 集団アイデン ティティ(GGI) 集団レベルのモデル 成員行動 他成員への 行動期待 e e Figure 2 本研究の仮説モデル 思っているかを意味する。そして集団レベルの部分は、他の成員がどの程度その行動をとるかにつ いての共有された相互期待ということになるが、これは記述的規範の定義(Forsyth, 2009)と同 じである。  記述的規範はある状況下で多くの人々がどのように振舞うかが基盤になる(Forsyth, 2009)ため、 集団レベルでは成員行動が他成員への行動期待を予測するであろう。個人はその記述的規範を知覚 して行動を決める(Cialdini, Kallgren, & Reno, 1991)が、換言すれば、各個人は他の成員の行動 に関する期待に基づいて自身がどのように振舞うかを決めていることになる。このことから、個人 レベルにおいては他成員への行動期待が成員行動を予測するであろう。

 記述的規範は、集団アイデンティティに関する文脈では、その集団のプロトタイプに相当する (Turner, 1985)。 強いIGI を持つ成員は、他成員と同じようにプロトタイプ的な行動をとり、そ の集団のプロトタイプに沿った信念や価値観を形成する(Haslam, 2004)。彼らはまた他成員にも 自分たちIGIの強い成員と同様であることを求める(McAuliffe, Jetten, Hornsey, & Hogg, 2003)。 こうした知見は、個人レベルのモデルにおいてIGI が他成員への行動期待に正の影響を及ぼすこと を示唆している。同様のことが、集団レベルのモデルにおいてGGIと他成員への行動期待にもいえ るであろう。  しかしながら、集団アイデンティティと成員行動ならびに集団内における記述的規範、記述的規 範の認知はマルチレベル構造方程式モデリングを用いた集団レベルのモデルで研究されたことはな く、個人レベルモデルについても同様である。IGI は他成員との相互作用を促進する(Geartner,

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岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要第48号 (2019.12) Iuzzini, Witt, & Oriňa, 2006)が、他成員との相互作用の多い成員は集団規範に関して認知バイア スを示すことが多い(Postmes, Haslam, & Swaab, 2005;Zou, Tam, Morris, Lee, Lau, & Chiu, 2009)。こうした知見からは、本研究における個人レベルのモデルにおける集団アイデンティティ、 個人の行動、記述的規範に関する認知の関係そのものに、他成員とのかかわり方やそこから起因す る認知バイアスによる個人差が生じていると考えられる。別の見方をすれば、伝統的な手法では集 団レベルの現象を扱おうとしているのに、個々人におけるこうしたバイアスの影響を排除すること ができないことになる。そうした意味でもマルチレベル分析を用いなければ、成員行動と記述的規 範の関係は厳密な意味で明らかにすることはできないだろう。 本研究の目的  本研究ではここまでの議論に基づいて仮説モデル (Figure 2) を立て、これに基づいて集団アイ デンティティ、成員行動、他成員への行動期待の関連を、マルチレベル構造方程式モデリングを用 いて集団レベルと個人レベルの両方で検討する。そして、GGIが集団規範の基盤になっていること を確かめる。もしも集団レベルのモデルでGGI が他成員への行動期待に有意な影響を及ぼしてい るなら、GGI は集団規範の直接的な基盤になっているといえよう。 方法 調査対象者  2010年1月から2月にかけて、国立大学の部活動・サークル19団体を対象に質問紙調査を実施し た。300名(男性178名、女性118名、不明4名)の回答を分析対象とした。なお、回答者の平均年 齢は19.87歳(SD = 1.14)、団体の平均在籍者数は32.11名(SD = 17.76)であった。 質問紙の構成  回答者は、大学の部活動・サークル集団で実際にみられると考えられる、短い物語を読み、この 物語に描かれている状況が自分の所属する団体で実際に起きたら、(1)自分がどの程度そうした 振る舞いをすると思うか、(2)他の部員がどの程度そうした振る舞いをすると思うかを評定した。 物語は、それぞれ別の部活動・サークル集団に所属する3名の大学生と本論文の著者が協議しなが ら作成された。物語の作成に際しては、体育会系と文化系、部活動とサークル、集団の規模の違い にかかわらず、多様な団体において、部員の日常経験から容易に状況が想像しやすい物語であるこ とが考慮された。回答者は、2つの援助行動に関する場面、2つの罰行動に関する場面、2つの排 斥行動に関する場面、2つの同調行動を描いた物語を対象に、質問に回答した。  分析に際して、まずは上記の質問それぞれと集団アイデンティティについて級内相関係数(ICC (1))を算出した。マルチレベル構造方程式モデリングを用いるための基準となる、級内相関係数 が.10以上かつ有意になることであるが、この基準を満たした以下の2場面を分析対象とした。

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援助行動  回答者は以下の物語を読み、続く質問に回答した。物語は、「部活・サークルの飲み会で、仲間 の1人がつい飲みすぎてしまったのか、ふらふらしながら歩いています。会話の受け答えはまとも にできていますが、足元が危なっかしい状態です。同じ方向に帰る人はあなたを含めて何人かおり、 その人がバスを降りるのはあなたが降りるバス停のひとつ手前のバス停です。今からみんなで乗る バスは最終のバスなので、あなたはその人を家まで送り届けると、バス停1つ分の距離を歩いて帰 らなければなりません。」というものであった。続いて回答者は、「あなたはこのとき、酔っ払った 仲間を送り届けますか。あてはまる選択肢の番号に○をつけてください。」という教示のもと、「1  絶対にしない」―「5 絶対にする」の中から自身にあてはまるものを回答した。この回答を、 援助行動として扱った。さらに、他成員への行動期待を測定するために、「このとき、同じ方向に 帰る人は、酔っ払った仲間を送り届けると思いますか。あてはまる選択肢の番号に○をつけてくだ さい。」という質問を設定し、「1 絶対にしない」―「5 絶対にする」の5件法で回答を求めた。 罰行動  援助行動と同様に、回答者は以下の物語を読み、続く質問に回答した。物語は、「部活動・サー クルのメンバーの全員が参加しなければならないミーティングがありましたが、あなたと同学年の Bさんの姿は最後まで姿をみせず、誰にも連絡がありませんでした。その日、Bさんは、みんなが 活動に参加しなければならないときに来ないことも時々あることが話題になりました。そのような ことがあった翌日、B さんが活動にやってきました。」というものであった。この物語に続いて、 回答者は「あなたはこのとき、Bさんが連絡もせずにミーティングに参加しなかったことについて、 Bさんを問い詰めますか。あてはまる選択肢の番号に○をつけてください。」という教示のもと、「1  絶対にしない」―「5 絶対にする」の中から自身にあてはまるものを回答した。この回答を罰 行動とした。さらに、罰行動について他成員への行動期待を測定するために、「あなたと同じ部活動・ サークルの人は、Bさんが連絡もせずにミーティングに参加しなかったことについて、Bさんを問 い詰めると思いますか。あてはまる選択肢の番号に○をつけてください。」という質問を設定し、「1  絶対にしない」―「5 絶対にする」の5件法で回答を求めた。 集団アイデンティティ  回答者は、所属する部活動・サークル集団について、尾関・吉田(2007)による集団アイデンティ ティ尺度に回答した。 結果  まず、集団アイデンティティについて合計尺度得点を算出して分析に用いた。分析に用いた変数 の記述統計量、級内相関係数、相関係数はTable 1に示したとおりである。なお、Table 1の右上

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岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要第48号 (2019.12) Table 1 分析に用いた変数の記述統計量・級内相関係数・相関行列 M SD ICC (1) 1 2 3 4 5 1 集団アイデンティティ 43.96 7.26 .19*** .10 .09 .20** .16** 2 援助行動 3.98 0.86 .10*** .55 .47*** .21** .09 3 援助行動についての他成員への行動期待 3.99 0.78 .14*** .37 1.08* .38 .64+ 4 罰行動 3.20 1.28 .16*** .37 .48 .38 .53** 5 罰行動についての他成員への行動期待 3.53 1.13 .25*** .64+ .38 .64+ .89*** + p<.10, *p<.05, **p<.01, ***p<.001 Table 2  集団レベル/個人レベルにおける集団アイデンティティが成員行動ならびに他成員への行動期待に及ぼす影響 最尤推定法で算出した 偏回帰係数 ベイズ推定で算出した偏回帰係数 個人レベルのモデル IGI→援助行動 1.28* 1.28** IGI→援助行動についての他成員への行動期待 1.42* 1.46** 援助行動についての他成員への行動期待→援助行動 0.44 0.43† 集団レベルのモデル GGI→援助行動 9.79*** 8.81** 援助行動→援助行動についての他成員への行動期待 1.03*** 0.88** 個人レベルのモデル IGI→罰行動 1.59*** 1.55*** IGI→罰行動についての他成員への行動期待 0.22 0.22 罰行動についての他成員への行動期待→罰行動 0.44*** 0.45*** 集団レベルのモデル GGI→罰行動 5.22** 5.01*** 罰行動→罰行動についての他成員への行動期待 0.82*** 0.74*** † p<.10, *p<.05, **p<.01, ***p<.001 表中の偏回帰係数は全て非標準化偏回帰係数 が個人レベルの相関係数、左下が集団レベルの相関係数である。集団レベルと個人レベルの相関行 列には、Excel統計解析マクロHAD(清水・村山・大坊, 2006)を用いた。集団レベルの相関行列 の中に、援助行動と他成員への援助行動への行動期待の相関係数が1以上になっているが、ここで 算出された相関行列は一般的によく用いられる積率相関係数ではなく、個人レベルと集団レベルの 分散共分散行列をそれぞれ最尤法によって推定することで算出した相関行列であるため、場合に よっては1以上になることに注意が必要である。 援助行動  集団アイデンティティ、援助行動、他者の行動期待の関係についてマルチレベル構造方程式モデ リングを用いて検討するために、仮説モデル(Figure 2)に基づいて初期モデルを作成した。分

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析には、HADとAmosを併用した。適合度指標はそれぞれ問題のない値であった(χ2 (1) = 0.46,

ns, CFI = 1.00, TLI = 1.00, RMSEA =0 .00, 個人レベルモデルのSRMR =0 .00, 集団レベルモデルの SRMR =0 .02)。2つの異なるモデルの適合度が同じ場合、これらのモデルは同値モデルと呼ばれる。 続いて、集団レベルにおいて非有意であったGGIから他成員の行動期待へのパスを削除した。なお、 (1)集団レベルにおいて、援助行動から他成員の行動期待へのパスの方向を逆転させる、(2) 個 人レベルにおいて、援助行動から他成員の行動期待へのパスの方向を逆転させる、(3)これらの パスの両方を逆方向に変える(罰行動も同様)の3パターンを試しても、適合度指標の値は全く同 じであった。(2)と(3)のように、同値モデルの関係にあるとき、パスを逆転させても適合度 が変わらないことがある。このような場合は、変数Xに影響を及ぼす変数 YについてXがYに影 響を及ぼす、すなわち X と Y の間のパスを逆転させても、適合度は変わることはない(Lee & Hershberger, 1990)。最終的に、個人が特定の状況下でどのように行動するかを決めるとき、同じ 状況にいる他者が自分と同じように行動するかを基準にすること、そして多くの人々がとる行動が 規範になるという立場(Cialdini et al., 1991)から、Table 2に示したモデルを採択した (χ2 (1)

= 0.46, ns, CFI = 1.00, TLI = 1.00, RMSEA = 0.00, 個人レベルのSRMR = 0.00, 集団レベルのSRMR =0 .02)。

 本研究では、集団レベルでの分析単位は19と、数が十分でない可能性を考慮して、本研究では最 尤推定法による推定を行ってから、ベイズ推定を行った。ベイズ推定はマルチレベル構造方程式モ デリングを集団レベルの分析単位の数が少ないときに推奨される手法である(Hox, van de Schoot, & Matthijsse, 2012)。しかし、ベイズ推定ではGFI、AGFI、RMSEAといった適合度指標は算出さ れないため、適合度指標によるモデルの妥当性評価が不可能になる。そこで、本研究では、まず最 尤推定法を用いてモデルの適合度指標を算出し、ベイズ推定でも有意になるパスが同じかどうかを 確かめるという方法を用いた。その結果、2つの推定法ではほぼ同一の結果が得られた。  集団レベルのモデルにおいて、GGIは他成員への行動期待に、援助行動を媒介して有意な影響を 及ぼしていた(b=8.81, p<.001)。言い換えれば、GGIは集団全体としてその行動がどの程度みられ やすいかに影響していた、すなわちGGIは間接的に援助行動に関する記述的規範の基盤になってい た。IGIは個人レベルのモデルにおいて、他成員への行動期待と援助行動の両方に影響を及ぼして いたが(援助行動b=1.28, p<.01: 他成員への行動期待b=1.46, p<.01)、他成員への行動期待は援助 行動を予測していなかった。集団アイデンティティの強い成員は他成員を援助するであろうし、彼 らは他成員も自分と同じように振舞うと考える。しかし、個々の成員が援助行動を行うことと、他 成員が援助行動をするであろうと考えることの間にはつながりがないことが示された。 罰行動  罰行動についても援助行動と同様の方法で分析を行った。仮説モデルの適合度指標は全て問題の ない値であった。(χ2 (1) = 1.96, ns, CFI = 0.99, TLI = 0.96, RMSEA = 0.06, 個人レベルのSRMR

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岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要第48号 (2019.12) =0 .00, 集団レベルのSRMR = 0.05)。非有意であったパスを除いて、Table 2に示すモデルを採択 した(χ2 (1) = 1.96, ns, CFI = 0.99, TLI = 0.96, RMSEA =0 .05, 個人レベルのSRMR =0 .00, 集団

レベルのSRMR = 0.05). 援助行動と同様に、集団レベルにおいてGGI から他成員への行動期待へ のパスは有意ではなく、モデルに含めると適合度指標の値が低下するため削除された。  援助行動と同様に、最尤推定法による分析に続いて同じモデルをベイズ推定で分析したところ、 最尤推定法とベイズ推定で得られた結果はほぼ同じであった。IGI は個人レベルで他成員への行動 期待に影響を及ぼしていなかった(b=0.22, ns)。一方で、集団レベルにおいて、GGIは罰行動(集 団全体での罰行動の起こりやすさ)と他成員への行動期待の両方に正の影響を及ぼしていた(罰行 動b=5.01, p<.001: 他成員への行動期待b=0.74, p<.001)。援助行動同様、GGIは集団レベルにおい て他成員への行動期待に、援助行動を媒介して有意な影響を及ぼしていた。特筆すべきなのは、集 団アイデンティティの強い成員ほど集団内の逸脱者を罰するべきだと考えているのに、彼らは他成 員が罰行動をするかどうかに関心がないことである。加えて、個人が罰行動をとるかは、他成員が 罰行動を行いそうかによって決まることが示された。 考察  本研究の結果は、GGIが集団規範の基盤としての機能を有することを示唆している。援助行動と 罰行動の両方で、集団レベルにおいてGGI は他成員への行動期待に集団全体での当該行動の起こ りやすさを媒介して影響を及ぼしていた。罰行動の個人レベルモデルでは、他の成員は罰行動をと るだろうと個人的に期待することが、自分が罰行動を行うかに影響するが、援助行動ではこのよう な結果は得られなかった。この結果は、GGI が間接的に援助行動と罰行動に関する記述的規範の 基盤になっていることを示唆している。しかし、各個人が持っている、記述的規範に関する信念は、 罰行動においてのみ個人の行動につながることが示された。  集団レベルモデルで援助行動(ベイズ推定では0.88)ならびに罰行動(ベイズ推定では0.74)にか かる偏回帰係数の値には大きな差がない。援助行動でも、罰行動でも、他成員への行動期待と自分 のとる行動との間に相関はないにもかかわらずである。これらの知見は、集団全体である行動がど の程度みられそうかは、行動の種類にかかわらず、記述的規範の形成に影響していると考えられる。  本研究では、集団レベルモデルから得られた結果とは一見矛盾する、援助行動と罰行動に関する 知覚された記述的規範についても、2つの知見を得ることができた。1つ目は、記述的規範をどの 程度敏感に認知するかはそれほど強く各個人の行動に影響を及ぼさないことである。2つ目は、あ る行動に関する記述的規範の知覚は罰行動をどの程度とりやすいかに影響はしても、援助行動のと りやすさには影響しないことである。集団レベルのモデルと個人レベルのモデルから得られた知見 は矛盾しているが、こうした矛盾が引き起こされるのは、記述的規範があらゆる行動に対して安定

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的かつ同様の形で影響するわけではない(Kallgren, Reno, & Cialdini, 1991)からであろう。この 点については、扱う行動の種類を増やして更なる検討が必要である。

 GGIは集団レベルにおいて記述的規範に影響し、集団全体で記述的規範の対象になっている行動 のみられやすさに影響していた。IGI が集団文脈における個々の集団成員による多様な行動を予測 することを示しており (Postmes & Jetten, 2006)、強いIGIを有する成員は自身の信念を集団規範 にあわせる(Livingstone, Young, & Manstead, 2011)ことも指摘されてきた。これらの知見は、 IGI とGGIの両方が行動の予測因ではあるものの、個人がGGIを基盤とした記述的規範にそった行 動をとるかは別の問題であるという、本研究の考えを支持している。  ここまでの結果に基づき、行動の普遍化モデルを作成した(Figure 3)。まず、各個人はIGIを 高め、その現象が集団全体としてみられたときにGGIが高まる。個々の集団成員はその結果として IGIに動機づけられた行動をとる。同時に、集団全体としてその行動がみられやすくなり、集団全 体としての記述的規範が形成される。個々の成員はその行動に関する記述的規範の知覚に基づいて 振舞う。この過程が集団レベルから個人レベルにわたって繰り返されることによって記述的規範が 強化され、その行動は個々の成員にとって集団規範に沿った行動になっていく。 本研究の課題と展望  本研究では、マルチレベル構造方程式モデリングの適用条件を満たした(ICC (1) > 0.10)、援 助行動と罰行動の2種類の行動しか扱うことができなかった。つまり、級内相関係数が非有意なだ けでGGIがその行動の記述的規範の基盤になりうるかを検討することさえできない。本研究では援 助行動と罰行動に関してはGGIがある行動や他成員への行動期待を予測するという結果を得たが、 GGIがどのようなメカニズムで記述的規範の形成と発展に影響したかを直接的に統計的に検討した わけではなく、最終的には解釈的なモデルを示すことによって、GGI が記述的規範の発展に寄与 していることを示したにすぎない。そこで、GGIが真に集団内における記述的規範の基盤となって いることを示すのであれば、より多様な行動を扱う必要がある。  本研究ではFigure 3に示したような、GGIが記述的規範の基盤になることを、1回の調査で得 たデータをもとに示した。本来ならば、GGI 、成員行動、他成員への行動期待の因果関係をより 長期的に、縦断的に追った研究を行い、集団レベルのモデルにおいて記述的規範がGGI の発展と ともに強固になっていくかを確かめる必要があるかもしれない。本研究を実施するにあたって多様 な団体を調査の対象として選んだが、本研究では大学生の部活動・サークル集団で横断的調査を行っ たのみである。大学生の部活動・サークル集団の中には、全ての成員が全ての活動日に出席してい るわけではない団体も存在するため、上述したような縦断的調査を行うことが極めて難しい。そこ で、Figure 3に示すようなモデルを1回の調査で示さざるを得なかった。

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岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要第48号 (2019.12) 集団レベルの 集団アイデンティティ (GGI) 個人レベルの 集団アイデンティティ (IGI) 行動 行動 記述的規範 記述的規範に対する 個人の認知 集団現象としての プロセス 個人の内的な 心理プロセス このプロセスを繰り返す ことで、記述的規範が 強化される 規範的に基づいた個人行動 行動の種類によって、影響が みられることも、みられないこともある Figure 3 本研究の仮説モデル  将来的には、本研究で扱った行動に影響するような、集団成員の個人差にかかわる変数を投入す る必要もあるだろう。援助行動には共感性や利他性(Cialdini, Brown, Lewis, Luce, & Neuberg, 1997)、緊急性や責任性、援助をするためのコストをはじめとした状況要因も影響する(Taylor, Peplau, & Sears, 2003)ことが知られている。罰行動については、道徳的責任性や、罰に関する規 範にかかわる社会的要因や環境的要因もまた影響するといわれている(Cushman, Durwin, & Lively, 2012: Sommers, 2009)。こうした要因とGGIを基盤とする記述的規範の交互作用が、個々 の成員がどの程度GGIを基盤とする記述的規範に示された行動をとるのかに及ぼす影響を検討する 必要があるだろう。本研究は、マルチレベル構造方程式モデリングを用いたために、このようなレ ベル間交互作用に関する検討を行うことができなかった。しかし、レベル間交互作用を扱うことの できるHLMであれば、このような視点からの研究も可能になるため、HLMを用いたレベル間交互 作用の影響を扱う研究を行う必要があるだろう。  集団アイデンティティをマルチレベルの視点から扱い、集団レベルの集団アイデンティティの機 能を明らかにする研究は、技術的な理由から、極めて少ないのが現状である。しかし、このような 視点に立つことで、集団そのものにとっての集団アイデンティティの意味を明らかにすることも可 能になる。集団アイデンティティに関する研究は膨大な数があるが、本研究のような、集団レベル の集団アイデンティティを扱う研究により、集団アイデンティティの機能をより深く理解すること が可能になるだろう。

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引用文献

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謝辞

 本研究の実施にあたり、中島健一郎先生(広島大学)ならびに三船恒裕先生(高知工科大学)の ご助言を賜りました。記して感謝します。

参照

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