第2学年2組 社会科 学習指導案
指導者 ○○ ○○1 単元
「明治維新の主なできごとから明治時代の特色を探ろう」2 指導観
○ 事前アンケートの「歴史的なできごとや人物名を覚える ことが好きですか」に対する数値は,1.61(4段階自己評 定尺度法)であった。「あまり好きではない,嫌い」と答え た生徒の理由として,「覚え方がわからない」という記述が 多くみられた。これは,生徒が,歴史的事象に関する記述 的知識(いつ・どこで・誰が・何を)を有していないため,「歴 史的なできごと=難しい漢字」と感じているためと思われ る。また,「どの時代のできごとかを意識して覚えますか」 に対する数値は,2.21 であった。「あまり,ぜんぜん」と答 えた生徒の中には,「一つずつ覚えたほうが覚えやすい」という理由が多くみられた。これは,生 徒が,歴史的事象の因果関係「なぜ,そのできごとが起こったのか?」を意識せずに,単に一つの できごととして名称や内容を覚えることが歴史学習であると考えているためであると思われる。 よって,本単元では,歴史的事象の内容や因果関係をとらえる学習を設定し,明治時代のできご とを頭の中の年表に整理させ,歴史の大きな流れを理解する力を身に付けさせたい。 ○ 明治初期は変化の時代であった。廃藩置県によって中央集権国家へ,四民平等によって市民社会 へ、文明開化によって文化の欧米化へと,世の中の変化が著しい。よって本単元では,明治時代の 「特色」を時代背景をふまえた様々な視点から考えることができるようになることをねらいとする。 維新前夜までの日本は,270 あまりの諸藩がそれぞれの政治を行い,民衆も日本人であるという 自覚がないままに生活を行っていた。つまり,江戸時代の日本は,統一国家と呼ぶには程遠いもの であった。そのような日本という国を,非情にも思われる程の国家優先主義に基づいた政策によっ て,欧米諸国と肩を並べるまでの近代国家に押し上げた時代が明治時代である。このように,時代 の特色について考える場合,明治時代は欧米諸国のアジア進出という時代背景や,欧米諸国に追い つくために諸改革が行われたという歴史の大きな流れを理解しやすい。よって,明治時代の特色と らえる学習は,歴史的事象に対する関心を高め,広い視野から我が国の歴史を考える上で大変意義 深いものであると考える。 ○ 本単元の指導にあたっては,まず,明治維新に興味をもつことができるように,坂本竜馬,西郷 隆盛,高杉晋作の3人の考えや行動を調べ,幕末の志士が目指した国づくりについて考える活動を 仕組む。次に,幕末から明治初期の欧米諸国のアジア進出を理解することができるように,19 世 紀後半の欧米諸国の世界分割の事実や幕末の日本と欧米諸国の国力や技術の差を知る活動を設定 する。さらに,明治時代の特色をとらえさせるために,新政府の諸改革,民衆や士族の反乱,自由 民権運動,大日本帝国憲法の制定と国会開設の因果関係を歴史の流れでとらえさせる学習を設定す る。ここでは,教師主導の授業を行い,「なぜ」という問いによって,明治時代のできごとを関連付 けて考えることができようにさせる。最後に,明治時代の「特色」や「歴史の大きな流れ」をとら えさせるために,伊藤博文と板垣退助の政治的対立について学習する場を設定し,「国内」・「国外」 の視点からまとめることができるようにさせる。3 目標
○ 明治政府が行った諸改革について,因果関係に関心をもち,意欲的に調べようとする。 ○ 明治初期の特色を「国内的視野」と「世界的視野」から考えることができる。 ○ 伊藤博文と板垣退助の考え方が異なる理由について,授業で用いた資料を根拠に調べることがで きる。 ○ 明治時代の特色について,「欧米諸国のアジア進出(時代背景)」や「日本の近代化(歴史の大きな 流れ)」の視点から説明することができる。4 単元計画(総時間数 12 時間)
※ ★は単元の中での,学びあい活動 関:関心・意欲・態度 思:思考・判断 資:資料活用・表現 知:知識・理解 次 時 学習活動・内容 指導のねらい・手だて 評価の観点(方法)1.6
2.2
2.5
1.8
0 1 2 3 4 どのできごとが 何時代のことか を覚えますか どのできごとが 何時代のことか を覚えますか そのできごとが なぜ,起きたか を考えますか そのできごとが なぜ,起きたか を考えますか 各時代が どんな時代か を考えますか 各時代が どんな時代か を考えますか 歴史用語の 暗記は好き ですか 歴史用語の 暗記は好き ですか 本単元においては,明治時代の特色を明らかにするために,記述的知識を身に付け,事象の因果関係 を考え,「歴史の大きな流れ」をとらえることを学びあい活動のねらいとし,以下の活動を仕組む。 ・ 明治政府が行った近代化政策の記述的知識を身につけることができるよう,年表づくり,歴史マン ガを活用した調べ学習,歴史用語確認テストを仕組む。(第一次) ・ 明治政府が行った近代化政策の因果関係を理解することができるように,ペア活動で「原因」と「結 果」の関係を説明しあう活動を仕組む。(第二次) ・ 「国内的視野」と「世界的視野」から明治時代の特色をとらえさせるために,伊藤博文と板垣退助 の行動や考えについて考え,交流する活動を仕組む。(第三次) 本単元における単元構成の工夫の視点一 次 1 ★ ② ○ 幕末の時代背景と志士の存在につ いて知る。 ・欧米諸国との不平等条約 ・坂本竜馬 ・西郷隆盛 ・高杉晋作 ○ 3人の志士がめざした国づくりに ついて予想する。 ・欧米諸国に対抗できる強い国 ・人々が幸せに暮らせる豊かな国 幕末から明治維新への変化につい て,興味や関心を高める。 ・明治維新に興味をもつことができる ように,竜馬,西郷,高杉の功績を 紹介する資料を準備する。 ・幕末の日本と欧米諸国の技術力の差 を理解できるように,四国艦隊下関 砲撃事件や薩英戦争の様子を紹介す る資料を準備する。 関:幕末の時代背景 に関心をもち,3 人の志士がめざし た国づくりについ て意欲的に考える ことができる。 <学習プリント> 2 ② ○ 明治初期の主なできごとについて 年表をつくり,内容を調べる。 ・薩長同盟 ・大政奉還 ・版籍奉還 ・廃藩置県 ・徴兵令 ・学制 ・殖産興業 ・四民平等 ・文明開化 ・欧米視察 ・地租改正 ・東京遷都 ・明治時代のできごとを時系列で覚え ることができるように,教師が選択 した歴史的事象を年表にまとめる活 動を仕組む。 ・短時間で効率的に調べることができ るように,歴史用語集の説明文,歴 史マンガ辞典を印刷して配布する。 知:諸政策を年表に まとめ,正しい読 みと漢字表記を行 うことができる。 (口述テスト) 知:諸政策の内容を 調べ,説明するこ とができる。 (確認テスト) 二 次 3 ★ ② ○ 歴史的事象の因果関係について考 え,明治維新の関係図をつくる。 ・殖産興業,徴兵令→学生 ・富国強兵→地租改正→四民平等 ・中央集権国家→廃藩置県 歴史的事象の因果関係について考 え,伊藤博文と板垣退助が対立する 立場の違いについて考える。 ・因果関係についてカード操作をして 考えることができるように,マグネ ットシートを準備しておく。 思:明治政府が行っ た 諸 政 策 に つ い て,その因果関係 を考えることがで きる。 (学習プリント) 4 ★ ③ ○ 西南戦争から自由民権運動の高ま りまでの経緯を知る。 ・民衆の抵抗(○○反対一揆) ・士族の反乱(秋月の乱,西南戦争) ○ 伊藤博文が作成した憲法草案の意 図について考える。 ・大日本帝国憲法の内容 ・民権派との対立 ○ 伊藤博文と板垣退助が,政治家と してめざす国家について考え,明治 時代の「特色」や「歴史の大きな流 れ」をとらえる。 伊藤博文:近代統一国家, (欧米諸国と対抗できる強い国) 板垣退助:議会制民主主義国家, (国民の権利が保障される国) ・新政府に対する民衆の期待に気づく ことができるように,戊辰戦争時に 西郷軍を支援した民衆のエピソード を紹介する。 ・大日本帝国憲法が,国家優先の視点 から制定されことに気づくことがで きるように,憲法発布までの伊藤博 文の行動を表した資料を準備する。 ・明治時代の「特色」と「歴史の大き な流れ」をとらえることができるよ うに,伊藤博文と板垣退助の政治家 としての考えの違いが生じる理由を 考えさせる。 ・「国家の利益」と「国民の権利」の対 立に気づくことができるように,ス ライドを準備しておく。 知:民衆の抵抗運動 が起こった理由を 説明できる。 (口述テスト) 資:明治政府,民権 運動の2つの立場 で憲法成立の経緯 を調査できる。 (学習プリント) 思:「国家の利益」と 「国民の権利」が 対立した理由とし て,時代背景を基 に考えることがで きる。 (学習プリント) 三 次 5 ② ○ 明治時代の特色を個人レポートに まとめる。 国内:「国家」と「国民」の対立 世界:欧米諸国の海外進出 「時代背景」と「歴史の大きな流れ」 の2つの視点から明治時代の特色 をレポートにまとめさせる。 ・明治時代の特色を年表を用いて表現 できるように,過去の生徒が同じ単 元で作成したレポートを例示する。 知・資:「時代背景」 と「歴史の大きな 流れ」をふまえた レポートを作成す ることができる。 (個人レポート) 本 時 ( 1 / ① )