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植物体試料の硫酸・過酸化水素分解による窒素・リンの定量のミクロ化:分解温度の検討

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Academic year: 2021

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(1)

植物体試料の硫酸・過酸化水素分解による窒素・リ

ンの定量のミクロ化:分解温度の検討

著者

柏倉 まや, 佐藤 洋介, 宇野 亨, 田島 亮介, 伊藤

豊彰, 齋藤 雅典

雑誌名

複合生態フィールド教育研究センター報告

30

ページ

1-2

発行年

2015-03

URL

http://hdl.handle.net/10097/00121513

(2)

センタ一報告30: 1-2 (2015)

植物体試料の硫酸@過酸化水素分解による窒素@リンの定量のミクロ化

分解温度の検討

柏 倉 ま や ・ 佐 藤 洋 介 ・ 宇 野 田 亮介・伊藤 - 粛 藤 雅 典

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SAITO

キ ー ワ ー ド : 酸 分 解 , ア ル ミ ブ 出 ツ ク ヒ ー タ ー , 廃 液 鰭 言 作物体の無機成分を測定するためには,酸を用いた湿式 分解法と燃焼法による乾式分解法が用いられる。乾式分解 は, 自動分析計による炭素・窒素の分析に用い られており, リン酸やカリウム等の無機成分を分析するた めには酸による湿式分解法が一般的に用いられている。 分解法としては,かつて硝酸・過塩素酸分解法が用いられ ていたが, ,爆発性の逸塩素酸を用いること,分解に捺して ガスが発生すること,さらに訪爆装置の整備された ドラフトが必要なことから,近年は,より安全な硫酸・過 医変化水素分解法が広く用いられている。また,硫数過酸化 水素分解法では,通常,ケルダーノレ法湿式分解が必要な窒 素についても,陪時に測定することができる。 水野・南 (1980) により報告された硫酸・過酸化水素分 解法では,ケルダール分解びんに,乾燥植物体試料0.5g, 濃硫酸4ml,過酸化水素水を 2ml添加し,加熱しながら, さらに過酸化水素水を複数田添加して分解を行う。現在, 多くの試験研究機関等では,ケルダール分解び、んではなく Tecator社などの大型のブロックダイジェスタを汚いて,こ の方法による加熱分解が行われている。また, は,これまで原法(水野・南 1980) に基づいたケノレダー ノレ分解びんを用いた方法を採用していた。そのためドラフ ト内にセットできるケノレダール分解びんの数が限られてお り,多量の分析を行うためには,多大な時間を要していた。 いずれの場合も,排出される酸性廃液の最も多く,作業環 境の安全性を保つ上でも問題が多かった。こうした分析の をあげ,使用する薬品量を減らし,作業の安全性を高 めるためには,分析法のミクロ化が必要と考えられた。 そこで,小型のアルミブロックヒーターを用いたミクロ 化した硫酸・過酸化水素分解?去の分解温度について検討を 千子った。 方法と材料 供試試料: 廃湯試験およびポット試験で採取されたイネおよび大麦。 試料は通風乾燥後,ウィレー式粉砕器等で粉砕し,さらに, 振とう式粉砕器で微粉砕し,分析に供試した。 分解方法: 乾燥微粉砕試料50mgを,パイレックス製試験管(径 18 mm x 180 mm) に正確にとる。試料が試験管のそこに張り 付いていると硫酸が締罷に混ざらないので,試験管を騒く 振るもしくは数秒間タッチミキサーにかけ,試料をほぐす。 続けて,脱塩水 100μ1,硫酸 450μiを入れ,タッチミキサー でよく振とうし,ゲノレ状にする。硫畿と試料をよく混ぜ合 わせ,試料の塊がないようにする。次いで、,過畿北水素7]( 200μl を少しずつ加え,タッチミキサーをかける。分解 反応が急激に進行するが,反応が落ち着いてから,さらに 過酸北水素

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く200μiを入れタッチミキサーにかける。 l度 尽の過酸化水素投入のときは,皮J;tが激しいので過酸化水 素水200μlを少しずつ入れる。 ドラフト内に設置したブロックヒーター(シマデン杜, メタルパス MB-2H-UII) で 250'C,10分間加熱す る。 試験管をブロックヒーターから取り出し,数分間冷却後, 氷で冷やした過駿化水素7](200~1 ;を加え,タッチミキサー で混合する。ブロックヒーターに渓し, 10分間加熱する。 これを分解液が透明になるまで繰り返す。分解が終了して, 分解液が透明になったら,さらに 1s寺院加熱する。加熱終 了後,常温まで冷却し,脱主主水で50mlに定容し,試料液 とする。 分析方法 酸分解試料液中のアンモニア態窒素は,インドフェノー ル比企法によって, リン援はモリブデンブやルー比色法に よって測定した。微粉砕試料の全窒素は,NCアナライザー (SUMIGRAPH NC-80S) いて分析した。 結果と考察 ブロックヒーターの温度を200'Cとして分解を行った場

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(2015) センタ一報告第 30 2 硫駿過酸化水素分解分析のミクロ牝を行うためには,微 量の試料を採取するために,植物体試料を高速振動粉砕器 によって微粉砕するプロセスが必要となる。また,正確に 試料を秤量しなければならない点にも注意を要する。しか しながら,酸分解の処理は一度に多くの試料について進め ることができ,作業効率は高い。当研究室ではドラフトに 2台のブロックヒーターを置き, 50点の試料を約 2時間で 分解することができる。分解に用いる硫駿および希釈・洗 浄等で生じる廃液の量を約 1110まで減らすことができるよ うになった。 嬰 約 植物体試料の無機成分分析のための硫酸・過酸化水素分 解を,アルミブロックヒーターを用いてミクロスケーノレで、 行う方法を検討した。本法を用いることにより,分析に伴 う廃液の発生ならびに分析にかかる時間を著しく減ずるこ とが可能となった。 引用文献 水野直治・南松雄 (1980)硫酸一過酸化水素による農作物 中N,K, Mg, Ca, Fe, Mn定量のための迅速前処理法, 日本土壌肥料皐雑誌, 51 (5) : 418向420. 松永俊朗,塩崎尚郎 (1989)硝駿態窒素を含む作物中の全 窒素定量のための硫按:過酸化水素分解法, 日本土壌肥 料挙雑誌 60 (5) : 458-460. 合,透明な分解液を得ることができたが,分解液のアンモ ニア態窒素濃度から求めた窒素含有率は NCアナライザー で分析した会窒素よりも約 25%程度低い値を示した(図1。) これは含まれる有機態窒素の一部の分解が不十分であった た め と 考 え ら れ た 。 そ こ で , ブ ロ ッ ク ヒ ー タ ー 温 度 を 250'Cに設定して分解を行い, NCアナライザーによる測 定値と比較した(留2)0NCアナライザーの値と,硫駿過 酸化水素分解液のアンモニア態窒素濃度から求めた窒素含 有率はほぼ一致した。ケルダール分解を想定したTecator 社などのブロックダイジェスター装置では硫酸の沸点に相 当する 300'Cから 350'Cで加湿することができるが,市販 されている多くの小型のアノレミブロックヒーターは 200'C 程度までしか加熱できない機穣が多い。今回用いた小型ア ルミブロックヒーターは 250'Cまで加熱できる数少ない機 種の一つである。 図 2に示したように, 250'Cの硫酸過酸化水素分解によっ て得られた測定値は, NCアナライザーで得られた測定値 よりも 2%穏度低い値を示したが,肥料施用試験等の栽培 試験の解析を行う上で,十分な精度が得られている。また, 緩物体試料中に硝酸態窒素が含まれている場合,硫酸過酸 化水素分解の過程で、揮散するため,今回のわずかに低い値 は植物体中の微量の硝酸態窒素に起居するのかも知れない。 なお,多量の硝酸態窒素を含む場合には,サリチノレ酸硫酸 分解法を用いる必要がある(松永・塩崎 lヲ89)。 一方, 200'Cと250'Cのそれぞれで硫酸過酸化水素分解 を行った試料のリン濃度の測定値に楚は見られなかった。 唱 量 Cコ

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コ 3.0 の窒 2.5 NCアナライザで求めた全窒素含有率(%) 図 2 NCアナライザと硫酸過酸化水素分解 (250'C) 素含有率の比較. 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 3.0 の 2.5 NCアナライザーと硫鞍過酸化水素分解 (200'C) 窒素含有率の比較. 関中の破線は1:1(y=x)を示している。 2.0 NCアナライザで求めた会議索含有率(%) 1.5 1.0 0.5 0.0 函 l

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