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甲府市内河川水質の相関関係とその利用 利用統計を見る

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(1)

論 文

甲府市内河川水質の相関関係とその利用

(平成元年8月31日受理) 今岡正美 平山公明 平山けい子 山宮浩

Correlations with Water Qualities of Rivers in Kofu

MasaharuIMAOKA KimiakiHIRAYAMA KeikoHIRAYAMA HiroshiYAMAMIYA

      Abstract   Correlation coefficients, multiple correlation coefficients, and Kenda11’s rank correlation coefficients with water quality data of rivers in Kofu were calculated between water qualities, sampling stations, and yearly data.   The results indicate that in terms of water qualities there are fairly intense correlations between BOD and COD, turbidity and suspended solids, chlorine ion and conductivity, etc. and also indicate that for inter−station correlations there are intense correlations in flow rate and chlorine ion between near located stations along a river.   The correlations are not intense enough to find a possibility to produce functional formula to exclude testing items of water quality or sampling points. Rank correlation coefficients may be helpful in explaining that radical change in water quality is hardly seen in a couple of years.

1.はじめに

 甲府市内河川の水質汚濁状況の1971年より1986年ま での16年間の調査結果1)を用い,それらの相関関係を 調べた。水質の相関については,これまでも研究が行 われているが,その目的は,水質相互間の関連を知る ことにより,一方より他方の水質を推定し,水質測定 の省力化をしようとするものが主であり,その他,各 水質項目の持つ意味やその類似性を調査したり,また, 地点相互間でも,同二の水質について,例えぽ上流と 下流側の関連などを調べるためにも用いられている。 しかし,水質がどの程度の相関を持つかについては, 全般的な調査結果にもとつく報告は少なく,実験室な どで経験的に用いられているのが殆どであると考えら *土木環境工学科,Department of Civil and Environmental  Engineering れる。水質相互間の関連は複雑で,相関係数の大小や 一・氓フ相関式で示すのは基本的に困難と考えられる が,ここでは,甲府市内河川の水質その他の調査事項 について,相関関係と相関式,重相関関係と重相関式, 順位相関関係についてその全般的な特徴を知るため に,また,その利用の可能性も考慮しながら考察した。 2.相関係数の計算方法  相関係数を求めるのに用いた資料は,甲府市内河川 調査の1971年から1986年の16年分であり,各年,6回 の調査を行ったもので,この測定値は図一1に示すよ うな構成となる。要素は,水質項目,調査地点,およ び経過年の3種である。相関係数の計算を行った内容 を表一1に示す。ここで,水質項目には気温,水温お よび流量を含む。(A)の同一項目は,測定地点,水質項 目,調査年の3種あるが,相関関係および重相関関係 については,同一年についての調査は殆ど意味がない

(2)

表一1 相関係数の計算内容の一覧表 (A)同一項目 (B)相関を求める項目 (C)使用する一連の測定値またはそれらの大きさの順位数 相関関係 ⑥調査地点 D水質項目 水質項目(2項目) イ査地点(2地点)        1) ッ一地点2水質の各経年測定値 ッ一水質2地点の各経年測定値 重相関関係 ◎調査地点 E水質項目 水質項目(3項目) イ査地点(3地点) 同一地点3水質の各経年測定値 ッ一水質3地点の各経年測定値 順位相関関係 ⑥調査地点 ≒?ソ項目 G水質項目 薗イ査年 水質項目(2項目) イ査地点(2地点) N平均(2力年) ?ソ項目(2項目)        2)ッ一地点2水質の各経年測定値の年平均値の大きさの順位数 ッ一水質2地点の各経年測定値の年晋均値の大きさの順位数 ッ一水質2力年の各全地点の年平均値の大きさの順位数 ッ一・年2水質の各全地点の年平均値の大きさの順位数 1)経年測定値として次のようなものを用いた  ①1971年から1986年の16年間の各年6回(1971年のみ5回)の計95回分の測定値  ②1972年から1976年の5年間の各年6回の計30回分の測定値  ③1977年から1981年の5年間の各年6回の計30回分の測定値  ④1982年から1986年の5年間の各年6回の計30回分の測定値 2)経年測定値の年平均値は、1971年から1986年の経年測定値の各年間平均値の16年分の数値 3)全地点の年平均値は、全地点におけるそれぞれの年間測定値の年平均値25地点分の数値 (A)   小 (C) (X)   ↓

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        ↓       /r 水質項目\ (19項目) 衷鶴)

鴎。.

  (25地点) 測定年(測定回数) :::::}一 :::::}(…)當 :::::}(…) 1971年  (5回) 図一1 測定資料の構成と組合せ ので省略した。また,順位相関関係では,測定地点, 水質項目を同一項目(A)にすることは,相関係数に比べ て,やや,その意味が薄れると考えられたが,比較の ために計算した。地点相関の説明のために,調査地点 の位置関係を図一2に示す。 3.相関係数および相関式 3−1 全調査地点における2種の水質項目間の相関    係数(⑧の場合)

3−1−1 計算方法

 相関係数を求めるのに,(A)の同一項目については25 の調査地点全部について,(B)の組み合わせ項目につい

採水地点名 圭重欝橋 2 き 1 、8男糟末 琵蛭沢川流末 }辞離 ユら }曙濡上流 }§灘蛮ま路 9?審突鷺題黍鷺 鋸e=下繍

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錺 28 貢川地蔵橋

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図一2 調査地点の位置の概要 国遣20号線

(3)

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(4)

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(5)

ては水質調査項目19の全部について組み合わせを行い それぞれについて全測定期間の16年間および短期間と

して5年ごとに3つに区分した計4種類の測定年グ

ループ別に相関係数を求めた。水質項目の相関には互 いに本来関連の薄いものもあるが,比較考察のために 全項目によった。

3−1−2 計算結果

 計算結果は25(調査地点)×1gC2 (水質項目組み合 わせ)×4(測定年グループ)=17,100個の相関係数が 求められる。そのうちの例として,25調査地点のうち 二川橋の(1971年∼1986年)および(1982年∼1986年) について相関係数の計算結果を表一2に示す。相関係 数の小さなものも含め,参考のために全数値を記した。 さらに,各水質項目の組み合わせごとに,25地点の相 関係数のうち絶対値がそれぞれ0.5および0.65以上の 地点数を求めた。そのうちの(1971年∼1986年)およ び(1982年∼1986年)の場合を表一3に示す。  また,これとは別に水質項目の組み合わせごとに25 地点の相関係数の算術平均を求めたが,表一4はその うち平均値が0.5以上であったものを示し,また,その 内容の例を相関式の係数の値も含め表一5に示す。相 関の大きさと数値のちらぽりの程度の関係を知るため 実際にこれらの数値を座標に記した。それらの例を図 一3に示す。

3−1−3 考察

 2種の水質項目間の相関係数の計算結果の考察に関 し,ここでは,0.5および0.65を相関の有無または大小 の判断の基準とした。その理由として,0.5以上である ことが相関関係の有無を判断する最低条件と仮に考 え,次に,比較的大きな値の基準として,例えば0.7を 選ぶと,全体に相関係数の値が小さく,それを超える 数が非常に少なくなるため,ここでは0.65を第二段階 の基準とした。試料数と有意性の関係については,1 組の試料数は大部分が30または95で問題はないが,一 部流量や中途から測定を開始した項目については,試 料数が少ないものを含んでいる。しかし,これに関し ては別に考察することとする。

 結果として測定年グループに関しては,1982年

∼1986年について相関係数0.5以上の急増が目立って いるが理由は明確でない。また,水質項目間の相関係 数が全調査期間を通じて比較的大きな値を示している ものとして,表一3で0.65以上の数が10以上のものを 列挙すれぽ,水温と気温,BODとCOD,濁度と浮遊物 質,浮遊物質と蒸発残留物,蒸発残留物と導電率,導 電率と塩素イオンなどが挙げられる。さらに,相関係 数が0.5以上の数が10以上のものや,相関係数の大きい 短期間(1982年∼1986年)の測定結果も含めると,都 市下水関連の汚濁物質については,BOD, CODに加え てアンモニア性窒素,燐i酸イオン,塩素イオン,蒸発 残留物などの相互の相関係数,一般細菌数,大腸菌群 表一4 2水質項目の全組合せおよび全測定地点における2水質項目間の相関係数の平均値がO.5以上の場合の相関係数   関連の値 過年 ]971年∼1986年 1972年∼1976年 1977年∼1981年 1982年∼1986年

水醐&〉 (x a/b 平均値 頓準偏差 a/b 平均値 標準偏差 a/b 平均値 榎準偏差 a/b 平均値 禰準福差 気温 水温 25/25 0.94 〔〕.01 25/25 口.95 0.03 25/25 0.95 0.02 25/25 0.95 0.01 水温 溶存酸素 15/12 一〇.50 0.28 漏度 透視度 16/6 一〇.50 0.27 16/2 一〇.52 0.13 18/7 一〇.57 0.10 漏度 浮遊物質 20/13 0.70 0.20 14/9 0.50 0.37 16/7 0.58 0.22 23/2[} 0.81 0.18 透視度 浮遊物質 21/9 一〇.59 0.10 COD BOD 1θ/10 0.60 0.19 23/19 0.74 口.15 23/19 0.73 0.19 COD 蒸発残留物 17/8 0.55 0.25 BOD アンモニア性窒素 16/11 0.55 0.22 BOD 填酸イオン 18/B 口.53 0.24 アンモニフ性窒素 燐酸イオン 17/6 0.51 口.20 16/12 0.55 0.18 20/17 口.64 0.25 塩素イオン 煩酸イオン 15/12 0.54 0.25 塩寿イオン 蒸発残留物 16/14 0.55 0.33 塩素イオン 導1率 20/19 0.73 0.19 21/16 0.71 0.16 18/16 0.62 0.27 23/21 口.81 0.17 塩泰イオン 流量 16/12 一〇.56 0.43 蒸発残留物 浮遊物質 14/11 0.53 0.28 15/11 0.55 0.34 蒸発残留物 導電率 15/13 0.55 口.32 15/11 0.51 0.38 19/15 0.64 口.22 17/14 口.61 0.33 アンモニア性窒素 榔電率 15/18 0.52 0.20 煩酸イオン 導竃率 12/9 0.51 0.24 一般細菌数 大膚菌群数 14/10 0.50 0.29 アンモニア性窒秦 流1 15/12 一〇.55 0.44 蟻酸イオン 琉1 13/10 一口.54 0.44 導1率 流1 17/14 一〇.63 0.33 B㌶瀦顯製刷謬ξξ謬相燃゜・65以上の地撫示す・

(6)

表一5 全調査地点(25地点)の2水質項目間の相関係数および相関式の係数の例

Y     款   物 Y      C  O  D Y       イ オ ン

X     漏  度 X      B  O  D X     電 導 地点名 相関係数 相 関 式 x=AX十B 相輿係数 相 関 式 x=AX・十B 相開係数 相 輿 式 xエA×+B A B A B A 8 千松櫨 口.98 4. 18 一9.55 0.60 0.81 1. 3口 0.68 0.04 0. 14 長松寺槍 0.99 2.01 0.66 0.58 0.56 1. 69 0.87 0. 09 一3.33 97 1 21 3 0  4 41 3   4 9 0 一8 60 98 2  18 1 48 67 口 1 96 7 0  10 一4 00 二川櫨 0.87 2. 13 3.48 0.75 0.52 2.69 0.82 0. 10 一5.02 湯川渇村地内 0.64 1.57 5.06 0.81 0.50 3.89 0. 97 0.22 一18.30 鴻川流末 0.56 1.93 5.49 0.57 0.35 4. 口6 0. 93 0. 19 一15.50 相川檎沢魯 0.85 2.37 一〇.42 0.53 0.28 4.95 0舎 『77 0. 12 一12.B5 1 0  46 0 95 6 39 0 30 0 28 5 09 0 89 0  18 一17 24 小渇川流末 0.84 1.79 6.61 0.91 0.95 一3. 20 0, 88 0. 17 一12◆89 1 0 74 1.30 4  13 0 67 0 47 2 44 0 45 0 04 1 98 1 6 一 沼川流末 0.68 1 26 11.89 口.50 0.53 4. 03 0 28 0. 13 一15.02 共立病院北水路 0.91 1.97 一2φ 10 0.98 0.46 6. 12 0. 76 0. 14 一12.82 中 0 95 1.67 一〇 48 0  44 0  16 10 79 0 40 0 02 18  17 0.31 0 45 5 94 0  35 0  19 7. 48 0 82 0  11 一11 18 蓬沢櫨 0.84 2.63 一6. 42 0, 42 0.35 5. 93 0.85 0.24 一48.69 ノ 上流 0.97 1.50 20.69 0 30 0.23 6.57 o. 41 0.06 10.56 褒川流末 0.96 2. 14 一2. 10 0.59 口.72 2. 10 0. 52 0.09 一6.55 蛭沢川流末 0.97 2.40 4.93 口.22 0.53 4.36 口. 48 0.06 2.76 F 0 85 1 98 3 52 0 88 1 00 0 39 0 83 0 09 一2 52 印ll 0 97 2 35 1 06 0.64 0 32 4. 36 0 93 0 20 一31 05 住吉下水路 0.96 1.31 3, 10 0.67 0.38 3.85 0. 65 0.06 1.97 上町用水路 口.81 0.30 17. 12 口.80 0.B2 一1. 39 0. 77 0.08 一〇、26 爪  水路 0.71 1.05 8  14 0.62 0.38 4 83 0. 85 0.20 一34 34 平均 0.81 1.76 3.86 0.60 0.49 3.61 0, 73 0. 12 一9. 17 口  18 0 78 6 41 0  19 0 23 2 83 0  19 0 06 14  12 測定期目 1982年∼1986年 1971年∼1986年 1971年∼1986年 数の相関係数,また,流量に対して,塩素イオン,導 電率,アンモニア性窒素および燐酸イオンのそれぞれ との相関係数などについてやや相関がみられる。  表一4は,2水質項目の相関係数の25地点の平均値 が0.5以上のすべての場合を示す。相関係数がある程度 大きい水質項目に関して,さらに相関式の係数の値を 求めた。その例を表一5に示すが,地点ごとに相当ぼ らつきがみられる。また,ここでCODとBODの相関 式の係数の平均値は0.5であり,この場合一般に生活排 水において,CODはBODの約半分であるとして扱わ れていることと合致はするが,定数項の値が比較的大

きいこと,BODとCODを置き換えた場合に係数が2

とならないなど問題点も多い。図一3(a),(b),(c)は, 相関係数がある程度大きいものを選んで相関式と測定 値のばらつきの状況を示した例である。図一3(c)は試 料数が少ないので別に検討が必要であるが,概観して, 相関係数は少なくとも0.9以上でなければ,相関式の実 用は困難と思われた。 3−2 全水質項目に対する2地点間の相関係数(⑤    の場合)

3−2−1 計算方法

 計算方法は3−1−1の場合と同じである。同一の 水系のみでなく,別の水系も含むすべての調査地点の 組み合わせについて,相関係数を計算した。 PP皿 50

6

8

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ア 1 / 〆 \1 / (BOD・X) 調査地点 省路橋 水質項目 BOD(X)、COD(Y) 相関係数 0.77調査期聞(1977年∼1981年) データ数 30 X 最大35.6 最小0.9 平均11.1 標準偏差6.8 Y 最大25.7 最小2.3 平均10.8 標準偏差5.2 相関式 Y=0.59X+4.26 X=1.00Y+0.32.,  ● 図一3 (a)地点別2水質項目間の相関関係の例 50ppm

(7)

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㌔、 、 、 A \、 、 \ 、 \・ へ、   、 £\心 、 .、 ∨b ハ 己、 ←こ㌔ 、 ・べ ^、 、 ∼、 \ 、、  \ 、 、㌔ (塩素イオン・X) 調査地点 二川橋 水質項目 塩素イオン(X)、流量(Y) 相関係数 一〇.89 調査期聞(1982年∼1986年) データ数 5 X 最大18.7 最小9.9 平均13.8 標準偏差4.3 Y 最大7.5最小1.5平均4.0標準偏差2.4 相関式 Y=−0.50X+10.88 X=−1.59Y+20.13 図一3 (c)地点別2水質項目間の相関関係の例 20ppm

3−2−2 計算結果

 計算結果は19(水質項目)×25C2(調査地点組み合わ せ)×4(測定年グループ)=22,800個の相関係数が求 められる。表一6はその例として(1982年∼1986年) のBODおよび(1982年∼1986年)の塩素イオンについ ての,2地点の相関係数の計算結果を示す。ここでは, 0.5以下は空欄とした。表一3と同様の方法で,各2地 点の組み合わせごとに,19の水質項目に関する相関係 数の絶対値がそれぞれ0.5および0.65以上のものにつ いての件数を求めた。そのうち(1971年∼1986年)お よび(1982年∼1986年)の全地点に関するものを表一7 に示す。表一8は各水質項目ごとに,2地点間相関係 数が0.5および0.65以上の件数を(1982年∼1986年)に ついて示す。2地点相関係数の比較的大きい例として, 二川橋一万才橋および二川橋一千秋橋の相関係数を, 全水質項目,全測定年グループについて表一10に示す。 図一4は,相関係数の大きい場合について座標に示し た例である。

3−2−3 考察

 地点相関では表一8に示すように,2地点間の相関 係数が大きい場合の多い水質項目として気温,水温, BOD,塩素イオン,アンモニア性窒素,リン酸イオン あるいは流量などがある。すなわち,これらの水質項

(8)

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(10)

目に関する2地点間の相関係数は比較的全域的な要因 の影響を受けやすいことを意味する。  2地点間の相関係数が大きい値を示す場合,その2 地点の位置関係として,まず,上流と下流が挙げられ るが,その他,地域的に接近し,流域の類似した河川 や,共通した環境の影響がある場合などが考えられる。 表一7に示すように2水質間の場合の表一3とは異な り,すべての地点で0.5以上の2地点間の相関係数が含 まれている。また,表一7,表一9に示すように(1982 年∼1986年)の5年間に相関係数が大きい傾向がみら れる。さらに,表一7に示すように,特に近接した上 流と下流に関する2地点の相関係数は一般に大きい。 表一9はその例で,隣接した二川橋と万才橋および一 つ離れた二川橋,千秋橋の相関を示すが,僅かに差を 生じている。この他,湯川湯村地内,湯川流末と相川 表一一一 8 全水質項目に対する2調査地点間の相関係数が大きい   場合の件数の調査地点の全組み合わせにおける合計数 水 質 項 目 相関係数0.65 ネ上の数 相問係数〔],5 ネ上の歎 気温

300

300

水温

300

300

pH

23

58

溶存酸素

32

59

濁度

55

80

27

82

16

54

60

1 14

TOC

21

82

已素・オ・

42

100

アンモニア性窒素

78

170

蟻酸イオン

64

144

蒸発残留物

20

42

浮遊物質

48

67

一般細菌数

32

⊥  59

大腸菌群数

15

    ]

Q5

導電率

20

59  }

陰イオン活性剤

41

84

流量

85

111

流末などの相互間においても塩素イオン,濁度,導電 率,流量などに高い相関を示している。 4.重相関係数および重相関式

4−1 調査地点別の3種の水質項目の重相関係数

   (◎の場合)

4−1−1 計算方法

 重相関係数を求める地点や水質項目の組み合わせ は,相関係数の場合より多くなるが,ここでは相関係 数が大きい値を示した地点と水質項目に重点をおい て,重相関係数がその3項目のそれぞれの相関係数よ り大きくなる場合を見出す程度にとどめた。計算式は 一般に重相関係数を求めるのに用いられているものに よった。

4−1−2 計算結果

 表一10に,水質の組み合わせと相関係数および重相 関係数の一例を示す。

4−1−3 考察

 重相関係数は,構成する3要素のそれぞれ2組によ る相関係数より大きい値が求められることを期待して 計算される。BODとCODに対し,さらに塩素イオン, アンモニア性窒素,燐酸イオンをそれぞれ組み合わせ た場合を表一10に示すが,いずれも期待通り,重相関 係数が各2水質項目の相関係数よりも大きくなってい る。しかし,全般に,最も大きな相関係数に対し,や や大きくなる程度でそれより0.1以上大きくなること は少ない。逆に小さくなる場合もみられる。省路橋で

はCODとBODの相関が0.59に対してCODと

BOD,燐酸イオンの重相関係数は0.75となっている。 4−2 水質項目別の3地点の重相関係数(⑥の場合)

4−2−1 計算方法

 計算方法は4−2の場合と同様である。

4−2−2 計算結果

 表一11に,水質項目BODおよび塩素イオンについ て相川流末,湯川流末,相川横沢橋の3地点に関して の計算結果を示す。

4−2−3 考察

 表一11の各地点は比較的相関係数の大きい地点であ るが,3地点の重相関係数は水質相関と同様,相関係 数に対してあまり大きな重相関係数は得られない。し かし,相関係数の場合と同様,水質項目によっては重 相関式を何らかの形で利用する可能性も考えられる。 5.順位相関係数 5−1 計算目的および計算方法 相関係数および重相関係数が大きな値の場合は,さ

(11)

表一9 全水質項目に対する二川橋一万才橋,二川橋一千秋橋地点の相関係数 対鎗地点 二 川 櫨    ∼    万 オ 櫨 二 川 裾    ∼    千 秋 魯 水質項目  測定年 1971∼]9B6 1972∼]976 1977∼19B1 1982∼1986 1971∼198θ 1972∼1976 1977∼1981 1982∼1986 気温 0.99 0.99 0.99 0.99 0.98 0.98 0.97 0.99 水温 0.99 0.98 0.99 0.99 0.97 0.96 口.98 0.98 pH 口.84 0.81 0.B5 0.79 0.67 0.75 0.θ7 溶存酸素 0.81 0.58 0.B2 0.92 0.64 0.70 0.64 0.77 鴻度 0.68 0.60 0.99 0.99 透視度 0.79 0.77 0.74 0.B8 0.56 0.75 0.61 COD 0.7口 0.72 0.59 0.83 0.65 BOD 0.68 0.64 TOC 0.78 口.82 0.62 一 0.BO 塩素イオン 0.73 0.76 0.66 0.93 0.67 0.91 0.52 [〕.87 アンモニア性窒素 0.81 0.56 0.61 0.62 0.7B 填酸イオン 0.52 o.86 o.65 0.75 0.85 蒸発残留物 0.85 0.72 0.91 0.94 0.80 0.90 浮遊物賃 口.68 0.73 0.84 0.86 一般細菌数 0.51 0.θ3 大鳩菌群数 0.B7 榔電率 0.90 0.90 o.91 0.95 0.B4 0.79 0.92 0.90 陰イオン活性剤 0.56 0.66 口.56 0.56 0.75 〔〕,76 流量 0.98 0.92 1.口0 0.99 0.97 0.98 0.98 0.98 1) 空棚は相関係数が0.5より小さいことを示すe は欠測を示す。 表一10 調査地点3水質項目間の重相関係数および重相関式の係数の例 水 質 項 目 相 角 係 数 重相関式の係数、 定数 調査地点 期   目 重相関係数 Z=AX十BY十C データ数 Z X Y ZX ZY XY A B C BOD COD 塩素イオン 0.74 0.74 0.26 0.29 1,298 0,034 一2、981 76 二川槍 1971∼1986 BOD COD アンモニア性窒素 0.75 0.74 0.06 口.17 1,442 一〇.279 一2.498 76 BOD COD 燐酸イオン 0.76 0.74 0.08 0.23 1,485 一重,098 一2,436 76 BOD COD 塩素イオン 0.BO 0.8〔] 0.28 0.37 1,599 一〇.015 一4.489 30

二川櫨 1977∼1981 BOD COD アンモニア性窒素 0.85 0.80 0.02 0.13 1,718 一〇.503 一4,071 30

BOD COD 填自イオン 口.85 0.80 0.03 0.17 1,741 一1.573 一3,770’ 30

COD BOD 塩素イオン 0.83 0.8口 0.37 0.2B 0,455 0,口63 2,806 30

二州櫨 1977∼1981 〔:OD BOD アンモニア性窒素 0.86 [〕.80 0.13 0.02 0,491 0,319 2,864 30

COD BOD 燐酸イオン 0.87 0.80 0.17 0.03 0,483 1,020 2,600 30 COD BOD 塩素イオン o.60 0.59 0.00 0.02 0,599 0,120 1,550 30 省路誉 1977∼19B1 COD BOD アンモニア性窒素 0.70 0.59 0.29 刀.07 0,513 2,084 2,824 30

COD BOD 燐酸イオン 0.75 o.59 0.30 0.03 0,526 3,656 口,721 30

らに相関式を求めて,調査の省略に利用することがで きると考えられる。しかし,これまでのところ相関係 数の大きい値はごく限られたもので,その目的に対す る困難さを感じさせる。むしろ多少厳密さを欠いた順 位相関係数の方が大きい値がより多く得られ,相関の 強さの傾向がより分かりやすくなるのではないかとい うこと,あるいは,よく汚濁状況の説明に使われるワー スト・テンなどの地点に関する考察には,順位相関の 方が適当ということなどが考えられる。表一1に示す ように,ここでは水質相関◎,地点相関①の他に測定 年による比較を考慮した⑧,⑤の算出を行った。また, ここではすべて年間平均値を用いた。  相関係数の算出には,順位以外の影響する要素の少 ないとされるケンドルの順位相関係数(τ)によった。2)       n        4Σci−n(n−1) ただし, τ==      万(n−・)一翫][n(n−・)一馳] Ci 資料xグループ,資料Yグループのそれぞれに

(12)

表一11 水質項目別3調査地点間の重相関係数および重相関式の係数の例 調 査地 点 相 輿 係 数 重相関式の係数、 定数 水質項目 期   目 重相問係数 2=AX+BY+C データ数 z X Y ZX

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1971∼1986

相川 憤沢 渇川 0. 34 0. 27 口. 24 0, 25 0. 165 0, 210 3. 783 89

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1982∼1986

相川 憤沢 渇川 0. 82 0. 52 0. 74 0, 33 0、 ユ19 0,326 1, 586 30 1971∼198〔3 相川 憤沢 湯川 0.85 0◆ 27 0. 77 0.08 0, 498 0. 501 2,290 89

1972∼1976

相川 横沢 渇川 0, 96 0.58 0. B5 0, 25 0. 603 0. 455 o,916 29 塩素イオン

1977∼1981

相川 憤沢 渇川 0, 79 0. 31 0, 63 0. 05 0. 462 0、 445 4. 312 30

1982∼1986

相川 憤沢 渇川 0. BO 0, 25 0, 72 0. 67 0、 602 0. 462 4,887 30 相川:相川流末、横沢:相川検沢櫨、渇川:渇川流末.    順位をつけ,n対の資料X, Yに対し, Xの順    位に従って並べかえ,Xiと対になったYiの    順位の数jについて,YグループでYiより後    に並んだ順位の数のうちjより大きい順位の数    をもつ資料数

n:n対の試料数

ml      m2 ΣTx,ΣTy:X, Y各グループに含まれる同順位          の小グループm1組およびm2組          に関する補正

Tx, Ty=t(t−1)

t:同じ順位数で構成される1小グループの資料数

5−2 計算結果

 表一12は◎および⑤に関するもので,単に並記した ものである。表一12の左下の部分の数値は,各地点別 に左欄水質項目(X)に対する上欄水質項目(Y)のそれぞれ 16個の各年平均値による順位相関係数について,全25 地点のうち相関係数0.65および0.5以上の地点数(0.5 以上の数/0.65以上の数として示す)を示したもので ある。最大数は25(地点)である。表一12の右上の部 分の数値はこれとは別に,各年ごとに2水質項目に関 する全地点の各年平均値による地点順位相関を求めた もので,その16年分について,相関係数の大きい水質 項目の組み合わせの件数を記したものである。最大数 は16(年分)である。  表一13および表一14は,⑧に関する計算結果の例で ある。表一13は,各水質項目ごとに,任意の2力年に 関する全25地点の各年平均値による地点順位相関を求 めたもので,左下側はBOD,右上側は塩素イオンに関 する順位相関係数を並記してある。左欄の年がXグ ループ,上欄の年がYグループとして計算したものを 示す。表一14は,表一13と同様に計算した後,連続し た2年のみに関する順位相関係数を,全水質項目につ いて示したものである。表一15は,⑤に関する計算結 果の例で,BODをXグループとし,他の水質項目をY グループとして,左欄の各年において,それぞれ25地 点の年平均値に対して順位をつけ,順位相関係数を求 めた結果を示す。最下欄の数値は,表一12右上側の数 値と同じものである。①については,相関係数は⑤に 比較して全体に小さな値となり明確な傾向がみられな かったので表は示していない。

5−3 考察

 順位相関の計算については水質相互間⑥,地点相互 間①の他に経年変動を示す⑧,⑪の項目を加えた。  水質相互間,地点相互間の経年的な順位相関につい ては,順位をつけるのに水質の年間平均値を用いたの も原因と思われるが,表一12左下側に示すように,相 関係数,重相関係数の場合と比較して,明確な特徴は みられず,僅かに濁度と浮遊物質,塩素イオンと導電 率などに相関関係を示す程度である。しかし,各年ご とにおける2水質間の地点順位相関では,表一12右上 側に示すように,前述の水質項目の組み合わせの他に CODとBOD,導電率と蒸発残留物,塩素イオンと蒸発 残留物,大腸菌群数と一般細菌数などに大きい順位相 関係数がみられる。各水質ごとに,2力年間の地点相 互間の順位相関係数によって示された経年変動の状況 に関しては表一13にもみられるように,左上から右下

(13)

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(14)

表一13 BODおよび塩素イオンに対する2調査年間の順位相関係数 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 19B1 1982 1983 19B4 1985 1986 1971 [〕.91 Q.54 0.91 0.76 0.97 0.94 0.85 口.87 0.82 0.95 0.97 0.88 0.54 0.82 0.90 1972 0.76 0.56 0.81 0.74 0.82 0.79 0.79 口.79 口.72 0.77 0.8] 0.76 0.54 0.87 0.79 1973 0.82 口.71 0.56 0.53 0.57 0.52 口.53 0.53 0.51 0.57 0.54 0.47 0.81 o.69 口.63 1974 0.7B 0.6B 0.71 口.79 0.87 0.89 口.87 0.80 口.69 口.81 0.85 0.82 0.61 [}.69 0.81 1975 0.78 0.69 0.64 0.71 0.76 0.77 0.88 0.81 0.74 0.79 0.79 0.78 0.59 0.68 0.74 1976 0.80 0.64 0.71 0.59 0.72 0.90 0.88 0.84 0.76 0.85 0.88 0.88 0.59 0.76 0.85 1977 0.71 0.65 0.69 0.65 0.58 0.65 0.80 0.85 0.71 0.84 0.88 0.93 0.60 0.71 0.78 1978 0.78 0.50 0.67 0.52 0.50 0.53 0.72 0.8口 0.80 0.87 0.85 o.B1 0.66 0.75 0.79 1979 0.65 0.50 0.67 0.59 0.48 口.62 0.70 0.64 0.71 0.86 0.88 0.82 0.63 口.72 0.80 1980 0.63 0.52 0.68 0.60 0.59 0.64 0.71 0.63 0.70 0.・84 0.81 0.68 0.67 0.80 0.82 1981 0.76 0.55 0.67 0.63 口.60 0.71 0.70 0.6口 0.70 口.77 0.94 0.79 0.73 0.81 0.89 1982 0.76 0.38 0.53 0.42 0.38 0.42 0.57 0.69 0.64 0.62 0.69 0.82 0.72 0.76 0.83 1983 0.67 0.42 0.58 口.4B 0.42 0.49 0.64 0.71 0.68 0.7口 0.75 0.88 口,〔32 0.71 0.76 1984 0.56 0.39 0.53 0.42 口.39 D.43 0.54 0.62 0.67 0.60 0.63 0.71 口.77 口.7] 0.71 1985 0.69 0.35 0.49 0.41 0.37 0.52 0.61 0.70 0.62 0.57 〔〕,64 0.67 0.74 口.75 0.87 1986 口.69 0.35 0.49 0.43 0.42 0.48 0.57 0.66 0.63 0.64 o.69 0.73 0.79 0.81 0.79 1) 右上は塩素イオン凛度に対する2調査年目の地点別にみた順位相閲係数、左下はBODに対∂る2調査年目の地点Blにみた順僅相閏係数。 へ引いた斜線付近の近接した年ほど順位相関係数は一 般に大きいように思われ,例えぽBODや塩素イオン の大きい汚濁した地点は1年程度の短期間では急に変 化しないこと,しかし,長期間では多少の変化を示す ことを裏づけている。また,表一14に示すように前年 との順位比較では,溶存酸素,COD, BOD,塩素イオ ン,アンモニア性窒素,導電率,流量などが順位相関 係数が大きく,特に,これらの水質に関して水質の地 点間の相対的変動が少ないことを示している。また, 各年ごとの2水質問の地点順位相関に関しては表一15

の例に示すようにBODとCODの順位相関が経年的

に大きいのが目立つ。その他各年平均値を用いたとこ ろが異なるものの,一般に相関係数が大きいものは, 順位相関係数も大きい傾向を示している。

6.総合考察

6−1 相関の要因  水質環境については要因は複雑であるが,相関係数 が大きい場合の要因としては①同じ対象物を異なる手 法,もしくは異なる地点で測定している②汚濁の排出 源や排出環境が類似し,排出物質の構成比が変わらな い③各要素が同じ環境のもとで同じ外部環境の影響を 受ける④資料数が少ない場合に偶然の結果であるなど の理由が考えられる。 6−2 水質の相関の概要  甲府市内河川の汚濁原因は主に都市排水によると考 えられ,相関係数の計算結果と照合すると,例えぽ水 質項目ではBODとCOD,塩素イオンと導電率,濁度 と浮遊物質などはそれぞれ全く同じ対象物を測定した ものではないが①が原因で相関係数が大きいと考えら れる。さらに②の要因により相関が高いと思われる例 として燐酸イオンとアンモニア性窒素の相関などが考 えられる。  地点相関は,①に関しては特に塩素イオンや流量に ついて近接した上流と下流の地点の相関係数が大きい 場合が多く,②に関しては湯川と小湯川のような環境 条件の類似した河川にも二,三の水質について相関が みられた。③の要因については,気温と水温の相関な どが考えられるが,その他にも直接関係のない調査地 点間に相関がみられるものがあった。また,流量と塩 素イオン濃度にみられる逆相関については,流量の増 減は都市排水以外の他の要因によるもので,一定量排 出される塩素イナン濃度が希釈されると考えられる。 ④の原因は特に確認できなかったが,陰イオン活性剤 や流量など測定回数の少ないものに関しても比較的大 きい相関係数が得られているが,これらについては更 に検討が必要である。いずれにしても水質の相関に関 して,甲府市内河川の水質が他の流域の水質の場合と 比較して,著しく異なった特色はないように思われた。 6−3 相関係数の比較

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