<研究論文>外貨表示財務諸表の換算における単一測
定単位概念と複数測定単位概念
著者
穐山 幹夫
著者別名
Akiyama Mikio
雑誌名
経営論集
巻
45
ページ
29-46
発行年
1997-03-25
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005644/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 )
外貨表示財務諸表の換算における
単一測定単位概念と複数測定単位概念
穐 山 幹 夫 はじめ にI. 外貨表示 財務 諸表 の換 算 と連結n. 単一測 定単位 概念 と複 数測 定 単位概 念 Ⅲ .外貨 尺度説 と外貨 尺度 否定 説IV. 連結に おけ る外貨 表示 財 務諸表 の換 算と 測定 単位概 念V. 単一測 定単位 概念 と連 結 会計主 体 お わ りに 29 は じ め に 外 貨表 示 財 務 諸表 の換 算方 法とし て のテ ン ポ ラル 法 と決 算 日レ ート 法 の対立 は、 世 界 の主 要 な会 計 基 準 が決 算 日 レ ート法 の採 用を 基 本 とし な がら も、 多 く の基 準 が場 合に より状況 法 の 併用 を 容認 す る とい う方 向 で制 度的 あ るいは実 務的 に は ほぼ 決着 がつ け ら れ た感 があ る(1)。多 数 の 論 者 が こ れ ま で 指摘 し て き た ように 、外 貨換算 方法 の選択 は 、伝 統 的に は 、外 貨換 算 とは 別 の要 因 であ る 外国 為 替 相場 の変 動 と の関連 におい て、 換算 の 結果 が もた ら す換 算 差 損益 の発 生 とそ の利 益 へ の影 響に 大 き く左 右 さ れ てき たとい わ れてい る。 こ の よ うな換 算方 法 の 選択 が もた らす利 益 へ の影 響 に 加え て 、近 年 は 、 世 界的 な広 が りにおけ る会 計 基 準調 和化 の動 向 も大 きな 要因 とし て作 用 し てい る とい わ れ てい る(2)こ の ような 点で は、今 日 の世 界的 な 趨勢 とし て の決 算 日レ ート法 の定 着 は 、形 式 的 な 解決 でし か ない と の指摘 もあ る ように(3)、 き わ めて 実務 優 先的 か つ 便宜的 な 理 由に も と づ く も の で あ り、 必 ず し も決 算 日レ ート 法の理 論的 妥当 性 が 積極 的 に支 持 さ れた ことに よる も ので はな い。 こ の よ うな 点 で、 現 状に おけ る世界 の主要 な 会計 基 準 の決 算 日レ ート 法 への 移行 は、 我 々を 必 ずし も 十 分 に 納 得 せし め る もの では ない 。 ラ゛'ソ ポラ ル法 と決算 日 レ ート 法 の対 立 は、 皮 相 的現 象 とし て 認識 さ れる ような、 た んに 適 用 すべ き換 算 レ ート の選 択 の問題 で はな く、根 本的 に は 、本 国主 義 と 現地 主義 とい う換算 の基本 的 な 視点 に か か わ る理 論 的対 立 とし て認識 で きる。 本論 文 では 、 こ れら の理 論的 対 立 の延 長 線 上 の問 題 とし て位 置 付け ら れる 単一 測定 単 位概念 と 複数 測定 単 位概 念 につ い て 検討を 行 な う。筆 者 は こ れま でに 発 表 し たい くつ か の論 稿に おい て、 決算 日 レ ート 法に つい て の批判 的 検討を 行 っ て き た(4)。 こ れら30 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) の論 稿 に おい て は、 も っぱら 決 算 日 レ 二ト法 に 内 在す る問 題点を 個別 的、 断片 的 に で はあ るが 検討 し、 決 算 日 レ ート法 の論 拠 の モザイ ク性を 指 摘 して き た。j本論文 に おい て も、 単一 測 定 単 位概 念 と 複数 測 定 単位 概念 の検討 を通 じ て、 あ ら ため て こ れら め点 に関 す る決 算 日レ ート 法 の論 拠 の脆 弱性 と モザ イ ク性を 明ら かに し たい。 』 。外 貨 表 示 財 務 諸 表 の 換 算 と 連 結 外 貨 表示 財 務諸 表 の換 算 はい かな る 目的 の た めに行 わ れ る のでろ うか。 換算 は 異な る測定 単 位 間 の加 法 性を 確 保し 、 統合 お よび比 較 を 可能 とせ しめ るた め に行 わ れる も のであ る。 会 計 上 ぱ、 異な る通 貨 単 位 で表示 さ れた 、す なわ ち 外 貨表 示 さ れた勘 定 残 高や財 務 諸表 を 統合 し た り、 比較 七 た り す る場 合 等に 換 算問題 が生 じる。 外 貨 表示 財 務諸 表を 換 算 す るこ とに より、異 な る通 貨 単位 に よ り 表 示 さ れ た 複数 の財 務諸 表 が単一 の 通 貨単 位 で表 示 さ れた 連結財 務 諸表 へ と統 合 さ れ る。 換 算に よ り これ ら 財務 諸表 相 互間 の加 法性 が 確 保さ れ 、 これ ら財 務諸 表 相互 間 の比較 お よび 統 合 が可 能と な る。 し か し、 こ こで 問題 とす る換 算 にお い て は、 比較 とい う点 よりも、 外 貨表 示財 務 諸表 の単一 の 財務 諸 表 へ の統 合 とい うこ とに重 点 が 置か れ る。 こ の よ うな統合 は 、本 国企業 の財 務 諸表 と在外 支 店、 営業 所 の財務 諸表 の合併 、本 国 企業 の財 務諸 表 と在 外子 会社 の財務 諸表 の 連結 、 在 外関 連会 社 へ の持 分 法の 適用 とい っ た場 合に 生 じ る。 外 貨表 示 財 務諸 表 の統 合 のため の 換 算に 関 す る問題 は 、基 本的 に は、 在外 子 会社 の 財務 諸表 の連 結 の 問題 とし て展 開さ れ る。 ロ ーレ ソセ ソベLorensen,L. )は「換 算 は 連結財 務 諸表 に おい て 単一 の 測 定 単 位を 用い る必要 性に もとづ い て行 な わ れ るも ので あ る。」 と述 べ、 換 算 が 連 結 財 務 諸 表 の作 成 との関 係にお い て とくに 重要 性 を 有す る こ とを 指摘 し てい る(5)。 事 実、外 貨 表示 財 務 諸 表 の 換 算 基 準 と して の財 務 会 計 基 準 審 議 会 (FinancialAccountingStandardsBoard ; 以 下FASB と 記 す。) の『財 務 会計 基準 書』(StatementofFinancialAccountingStandards ) 第8 号 お よび 第52号 に お い では 、 も っぱら 連 結お よび 持 分法 適 用 ため の換 算に か かお る基 準 で ある とい うこ とが 明示 さ れて い る(6)こと から も このこ とは 容 易に 理 解 でき るであ ろ う。 在 外 支店 お よび営業 所 の経 営活 動 は、 本 国企 業 の支 配 下に 置か れ てい るた め √本 国 企業 に 大 きく 依 存 し て遂 行 さ れてい る こ とが明 確 に認 識 で き るので 、そ れ ら支 店や 営業 所 の存 在 は 本 国企業 め経 営 活 動 の延 長線 上 にあ る も のと位 置 付け る こ とが可 能 で あ るとし て も、 在外 支店 お よび営 業所 の財 務 諸表 の換 算 は、 技術的 に は、 連 結の 問 題に 内包 させて 考察す るこ とが 妥当て ある 。 ま た、持 分法 の適用 は 、 本 国企業 の財務 諸表 上 の投 資 勘定 と在 外企 業 の財 務諸 表上 の資 本勘 定 とい った 特定 の項 目間 のい わばone-lineconsolidationとい う部 分的 統合 であ り、連 結 の観点 から す れ ば 部分 連結 で あ る。 し た がっ て、 持分 法 も連結 の 範 躊に 含 め て考 察す る こと が可 能 であ る。外 貨 表 示財 務 諸表 の統
外貨表 示財 務諸表 の換算に おけ る 単一測定単位 概念と 複数 測定単 位概念 31 合 の観点 か ら の換 算問 題 は、 それ ゆえ、 上 述し た よ うに、基 本的 に は、 在 外子 会 社 の財 務諸表 の連 結 との 関わ りに おい て 検討 さ れる ことに な る。 \ ト ダ ニ = 本 論文 で は、 在外 子 会社 の 外貨表 示財 務 諸表 の 統合 問題 とし て の連結 に焦 点 をあ て、 こ の観点 か ら 、 外貨 表示 財 務諸 表を 含 む 連結財 務諸 表 上用い ら れ るべ き測定 単 位 とし て、 単一 測 定 単 位と 複数 測定 単位 のい ず れが 適 切で あ るか の問題 を 検討 す るこ と比す る√ ∧ 犬 な お √近 年 外貨 表示 財 務 諸表を 含 む連 結 財務 諸表 め位 置付け に 関 して 「棲 み わけ 論」 とい う新 た な 説 が主 張 され てい る(7)。 こ の説 は外貨 表 示財 務 諸表を 含 む 連結財 務 諸表 の換 算問 題 に き わ め て 斬 新的 な視点 を 提供 す る もので あ サ√ 傾聴 に値 す る ものであ る。 この 説に対 す る筆 者 の現時 点に おけ る 評 価は別 稿(8)で論 じ てい る が、 この 問題 につ い ては 、本論 文 にお いて はあ え て言 及 し か い こ と に す る。 大 工 ・。 n. 単 一 測 定 単 位 概 念 と 複 数 測 定 単 位 概 念 = ∇ ニ し単 一 測 定 単 位 と複 数 測 定 単 位 の 問 題 は 、 外 貨 表 示 財 務 諸 表 を 含 め て 連 結 財 務 諸 表 を 作 成 す る 場 合 、 在 外 子 会 社 等 の 外 貨 表 示 財 務 諸 表 上 の 測 定 単 位 を 連 結 会 計 上 ど の よ 似 こ反 映 さ せ る か とじヽう問 題 で あ る 。 端 的 に 表 現 す れ ば 、 外 貨 表 示 財 務 諸 表 上 で 用 いら れ て い る現 地 通 貨 を 連 結 財 務 諸 表 上 で の 測 定 単 位 と し て 認 め る か 否 か と い う 問 題 で あ る 。 単 一 測 定 概 念 ぱ 、 本 国 の 親 会 社 が 用 い る 報 告 通 貨 を 統 一 的 な 測 定 単 位 と し て 連 結 財 務 諸 表 上 用 い る べ き で あ る と 考 え る も の で あ る。 そ の た め 、 在 外 子 会 社 等 の 現 地 通 貨 に よ り 表 示 さ れ た 財 務 諸 表 は 、 そ れ ら 企 業 が 行 な っ た 個 々 の取 引 を 親 会 社 が そ のつ ど 本 国 で 記 録 を し 、 そ れ ら 記 録 を 集 約 し て 作 成 さ れ た も の と も の と 擬 制 さ れ 、 連 結 財 務 諸 の 作 成 に 際 し て は 、 在 外 子 会 社 等 の 個 々 の 外 貨 表 示 財 務 諸 表 の 換 算 は こ の 擬 制 を 反 映 す る よ う に 行 な わ れ る こ と に な る 。 し た が っ て 、 個 々 の外 貨 表 示 財 務 諸 表 上 の 換 算 後 の 数 値 は 親 会 社 が 用 い る 通 貨 を 測 定 単 位 と し て 表 現 さ れ た も の と し て 、 す な わ ち 、 単 一 測 定 単 位 で 測 定 さ れ た も の と 仮 定 さ れ る 。 連 結 財 務 諸 表 上 で は 、 そ れ ゆ え 、 単 一 測 定 単 位 が 共 通 の 測 定 単 位 と さ れ 、 連 結 財 務 諸 表 は こ の 単 一 測 定 単 位 で 表 現 さ れ た 換 算 後 の こ れ ら 在 外 子 会 社 等 の 財 務 諸 表 の 集 合 体 と 考 え ら れ る こ と に な る 。 犬 ト 単 一 測 定 単 位 概 念 の 考 え 方 に も とづ い て 外 貨 表 示 財 務 諸 表 の 換 算 を 行 なう べ き で あ る 、 と 主 張 す る も の に 『 財 務 会 計 基 準 書 』 第8 号 が あ る。 当 該 基 準 書 に お い て は 、 換 算 の 目 的 を 「 外 貨 に よ っ て 測 定 さ れ 又 は 外 貨 建 て と な っ て い る 資 産 、 負 債 、 収 益 又 は 費 用 を(a )下 ル に よしり 、(b )米 国 で 一 般 に 認 め ら れ た 会 計 原 則 に 準 拠 し て 測 定 し か つ 表 現 す る こ と で あ る 。」(9)と 述 べ 、 単 一 測 定 単 位 と し て の ド ル の 存 在 が 換 算 に お い て 不 可 欠 な も の と し て 認 識 さ れ て い る 。『 財 務 会 計 基 準 書 』第8 号 で は 、換 算 の 目的 と の 関 連 に お い て 「 単一 の測 定 単 位 か 複 数 の 測 定 単 位 か 」 の 問 題 を 検 討 し 、 付 録D の 「 結
32 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) 論 の 論 拠 」 の 箇 所 に お い て 以 下 の よ うな 相 互 に 排 他 的 な 二 つ の 換 算 目 的 を 提 示 し て い る(10)。 換 算 の 目的C : 換 算 さ れ た 外 貨 の 金 額 を 含 む 財 務 諸 表 が 、 単 一 の 測 定 単 位 を 有 す る こ と。 す な わ ち 、 外 貨 で 測 定 さ れ 若 し くは 外 貨 建 て と な っ て い る 資 産 、 負 債 、 収 益 又 は 費 用 を ド ル で 表 示 す る だ け で な く、 そ れ ら を ド ル で 測 定 す る こ と。 換 算 の 目 的D : 資 産 、 負 債 、 収 益 及 び 費 用 の 測 定 に 用 い た 各 々 の 通 貨 を 測 定 単 位 と し て 維 持 す る 十 こ と。 す な わ ち 、 外 貨 で 測 定 さ れ た 資 産 √ 負 債 、 収 益 及 び 費 用 を ド ル で 表 示 す る が 、 測 定 単 位 と し て の外 貨 を 維 持 す る こ と。 『財 務 会 計 基 準 書 』 第8 号 で は 、 こ れ ら の 換 算 の 目 的 を 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 目的 と の 関 連 か ら 検 討 し 、 そ の 結 果 、「 連 結 財 務 諸 表 の 基 礎 と な る 単 一 企 業 の 考 え 方 に よ り 、測 定 単 位 は 単 一 で あ る こ と が 要 求 さ れ る丿11)と の 基 本 的 認 識 に も とづ き、 単 一 測 定 概 念 の 考 え 方 を 是 と し て い る 。 す な わ ち 、 「 連 結 財 務 諸 表 の 目的 は 、 主 と し て 、 親 会 社 の 株 主 及 び 債 権 者 の た め に 、 実 質 上 、 あ た か も 連 結 グ ル ープ が い く つ か の 支 店 又 は 部 門 を 有 す る 単 一 の 企 業 で あ る か の ご と く √ 親会 社 と そ の 子 会 社 の 経 営 成 績 及 び 財 政 状 態 を 表 示 す る こ と に あ る 。」叩 と し 、「上 記 の 目的( 連 結 財 務 諸 表 の 目 的 一 引 用 者 注 。) と首 尾 一 貫 す る た め に 、在 外 事 業 を 含 む グ ル ープ 全 体 の 取 引 に つ い て 、あ た か も そ の 取 引 が 単 一 企 業 の も の で あ る か の ご と く換 算 す べ き で あ る と 信 じ る 。」(13)と い う点 を 単 一 測 定 単 位 が 用 い ら れ る べ 最 と も 大 き な 理 由 と し て い る 。『 財 務 会 計 基 準 書 』第8 号 で は 、単 一 測 定 単 位 がと ら れ る べ き 理 由 と し て 、「 測 定 単 位 と し て ド ル で は な く 外 貨 を 採 用 す れ ば 、あ る 資 産 の 換 算 ド ル 原 価 は 、そ の 資 産 が 記 録 さ れ る 会 計 記 録 の 任 意 な 選 択 に よ っ て 、 影 響 さ れ る 」(14)、 あ る い は 「 単 一 の 財 務 諸 表 に 複 数 の 測 定 単 位 を 使 用 す る な ら ば 、 そ の 結 果 に つ い て 疑 問 を 生 ず る」(15)等 の 理 由 を も 指 摘 し て い る 。 し か し 、『 財 務 会 計 基 準 書 』 第8 号 で は 、 基 本 的 に は 、 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 目 的 の 観 点 か ら 、 す な わ ち 、 親 会 社 の 立 場 を 重 視 す る 資 本 主 説 に も とづ く 連 結 観 か ら 換 算 の 目 的 を 展 開 し 、 そ の 結 果 と し て 単 一 測 定 概 念 を 支 持 し て い る と い え るレ こ の よ う な 考 え 方 に も とづ く 単 一 測 定 単 位 概 念 は 、 本 国 主 義 の 考 え 方 に 対 応 す る 換 算 方 法 と し て の テ ン ポ ラ ル 法 と も 論 理 的 に は 何 ら の 矛 盾 も な く 対 応 し 得 る も の で あ る と い え る 。 ‥ こ れ に 対 し て 、 複 数 測 定 概 念 は 、 個 々 の 在 外 子 会 社 等 が そ の 外 貨 表 示 の 財 務 諸 表 上 で 用 い て い る そ れ ぞ れ の 現 地 通 貨 を 測 定 単 位 と し て 反 映 せ し め る よ う に 連 結 財 務 諸 表 へ の 統 合 が 行 な わ れ る べ き で あ る と 考 え る も の で あ る 。 す な わ ち 、 外 貨 と し て の 現 地 通 貨 で の 測 定 を 行 な う こ と を 認 め る も の で あ る ノ『 財 務 会 計 基 準 書 』 第8 号 お よび 第52 号 に よ れ ば 、「外 貨 で 測 定 す る」 と い う こ と は 、「報 告 通 貨 以 外 の 通 貨 単 位 で 項 目 の 属 性 を 定 量 化 す る こ と で あ る 。」(16)と さ れ て い る 。 し た が っ て 、 複 数 測 定 単 位 の 考 え 方 に よ れ ば 、 在 外 子 会 社 等 が 所 在 す/る 現 地 で 行 な わ れ た 取 引 活 動 は 現 地 通 貨 で 記 録 さ れ 、 現 地 通 貨 を 測 定 単 位 と し た 財 務 諸 表 へ と 集 約 さ れ た た も の と し て 作 成 さ れ るレ 複 数 測 定 単 位 の
外貨表示 財務諸表 の換算に おけ る単一測定単 位概 念と 複数測 定 単位 概念 33 考 え方 に よれ ば 、そ の よ うに して作 成 さ れた外 貨 表示 財務 諸表 は;、 原 財務 諸 表上 の 項 目間 の関 係を そ のま ま保 持す る よ うに 換 算 日の為 替 レ ート で一 律に 換 算さ れ、 親会 社 の連 結 財務 諸 表 へ と統 合さ れる ことに な る。 現 地通 貨 に より表 示 さ れた 財務 諸表 が 、各項 目間 の関 係 が何 ら破 壊 さ れ る こと な くそ のま まの形 で 連結財 務 諸 表へ と統 合 さ れるこ とに な る ので、 測定 単 位 とし て の 現地 通 貨 が連 結 財 務諸 表 上で も換 算後 の数 値 とし て生 か さ れて、 連 結財 務諸表 が作成 さ れ る ことに な る。 複数 測 定 単位概 念 の もとで は、 こ の よ うに、 個 々の外 貨表 示 財務 諸表 が測 定 単位 とし て 用い る 複数 の現 地通 貨 に よる 測定 結果 がそ の ま ま連結 財務 諸表 上 に 反映 さ れてい る と考え ら れ る のであ る。 複数 測 定単 位概 念 の考え 方 に もとづ い て外 貨 表示 財務 諸表 の換 算を 行 な う べき で あ る、 と主 張 す るも のに『財 務 会計 基準 書 』第52号 があ る。当 該基 準 書に おい ては 、機能 通 貨 アプ ロ ―チ(17)が と ら れ てい るた め、 親会 社 の報告 通 貨 のみ な らず、 在 外 子会 社等 の使 用す る現 地 通 貨を も測 定 単位 とし て 認 め る考 え方 が とら れて い る。当 該 基 準書 では 、づ 単一 通 貨概念 は 、(a)財 政 状態 及 び 期 間利 益 の測 定 の際 の有効 な加 減 算を 行 う ため、 及 び(b)ド ル で表示 さ れ、取 得 原価 基 準 で作 成 さ れ た 連 結 成 績 の理 解 と容 易さ と表示 の正 確 さのた め に必 要不 可 欠で あ ると 考え る。](18)と述 べ、 財 務 諸 表 の 読 者 に と って、 連 結財務 諸表 が共 通 の基準- す な わち 、単 一 の測 定単 位- で 作 成 され るこ と のほ うが より役立 つ と考 え らる とい う考え方 が あ るこ とを 指摘 し てい る もの の、 単 一 測定 概 念 の 必要 性を 否 定し てい る。す なわち 、換 算 の 目的を 「(a)為 替 レ ート の変 動 が、企業 の資 金 の流 れ 及 び 持 分に 与え る と予測 さ れ る経 済的効 果 と一 般的 に い って 首尾 一貫 し た情 報を 提供 す る。(b) 米 国 で 一 般 に 認 め ら れた 会計 原則 に 従っ て機 能 通貨 で測 定 さ れた 個 々の連 結事 業単 位 の財 務成 績 や項 目間 の相互 関 係 を 連結 財務 諸表 の 上に 反映 す る。」(19)とし、 こめ場 合、「米 国 め一般 に認 め ら れた 会計 原則 に 従 って 作 成 され た財 務諸 表 であ れ ば、 ドル 以外 の通貨 で も報 告通 貨 であ り得 る。 例え ば 、 外 国企 業 が米 国 の 一 般に 認 めら れた 会計 原則 に 従っ て現 地 通貨 で 報告 を す るこ ともあ り得 る。」(20)との 見 解を 示 し て い る。『財 務 会計 基準 書』 第52 号 では単 一 測定 単位 に 関し て、「複 数 の通貨 環 境 で事業 を 行 っ 七い る企 業に とっ ては、 真 の 意味 の 『単一 測定 単 位 』は 事 実問 題 として 存在 し てい な い と確 信 し てい る。」(21) 述 べ、 さ らに、「『単一 測 定単 位』 に 固執 す る こと は事 実を 無 視した 錯 覚的 な も ので ある とい う結論 に 達し た。」(22)とし てい る。 そ の理由 は、 以下 の点に 求 め られ る。 すな わち 、 単一 測 定 単 位 とい う前 提 は 「在 外事業 を 含 む グル ープ 全体 の取 引 を、 あ た か もす べ て の事 業 が 親会 社 の国 内活 動 の延 長で あ り、 あ らゆ る取 引 が親 会 社 の報 告 通 貨で 行わ れ、 かつ測 定 さ れた かの ように 連結 財務 諸 表上 に反 映 す る。 そ の前提 は 、現 実 に は在外 事業 単 位 の資 産、 負 債及 び事業 活 動 がし ば し ば 他 の経 済環 境、 他の通 貨 環境 の下 に 存在 し 、 その よ うな 異な っ た環 境 の中 で外貨 に よ る資金 を 稼得 し費 消 し てい る とい う事 実を 無 視し てい る。 すべ て の外貨 建 取引 を あた か もそ れら がド ル建 て で 発 生し た か のご と く再 測定 す るこを 要 求 す る のであ れば 、『単一 の 測定 単位 』アプ ロ ーチは 、在外 事業 単 位 が複 数 の外
34 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) 貨を 用い て資 産 を取 得 し、 負 債 を 負担 及び 決 済し 、 またそ の 他 の事業 活 動を 行 っ て い るとい う事実 をぼ や かして し ま う。」(23)と考 え られ る か らであ る。 この考 え方 の背景 に は、 在 外 事業 体 の本 国 企 業 か らの独 立性 を認 め 、 そ れら 企業 の置 か れた経 済 的、 社会 的環 境を 明確 に認 識 し た 上で換 算 が行 わ れ ねばな らな い という 、 強力 な 現地 主義 の思考 が あ る。 そ れ ら の経営 活 動 の実 態 を より適 切に反 映 す るた めに は 、 現地 通 貨を 測 定 単位 として 認 める 複数 測定 単位 の考 え 方 が妥 当 で あ り、 単一測 定単 位 の考え 方は 複数 の測 定単 位 の存 在 の事 実 をお お い 隠して し ま う(24)と考 えら れ るから で あ る。 結 局、 複数 測定 単 位 概念 は 、 在外 子会 社 等 の現 地に おけ る活 動を 適 切 に反 映 す る現 地通 貨を 測定 単 位とし て用 い るべ き で あ るとlヽう点 で、 現地 主 義 の考え 方 とこ の考 え 方に 対 応 す る換算 方法 とし て の決算1日 レ ート法 の延長 線 上 に必 然的 に 位置 付け ら れ る考 え方で あ るとい え る。 ただし 、 この場 合、 換算 と 連結 と の関 連性 、犬す な わち、 連結財 務 諸表 がい か なる 目的 で 、 また ど の よ うな視点 から 作成 さ れるべ き であ るの か とい っ た、基 本 的 な問 題に 対す る配 慮 が きわ めて 希 薄 で ある とい うこと を 指摘し てお か なけ れば なら な いで あろ う。犬 Ⅲ 。 外 貨 尺 度 否 定 説 と 外 貨 尺 度 説 し 外貨表 示財 務 諸表 の換 算 との かか わ りに おい て 、単 一測 定 単位 概念 と複数 測 定 単位 概念 の問題 が クロ- ズア ップ さ れだ し た のは1975年 の 『財 務会 計基 準書 』 第8 号 の公表 以 降 であ る。 わが国に お い ては、そ れ以 前 の1970年 代 初 頭に 染谷 恭 次郎 教 授 は、「為 替 相場 の変 動 に伴 う 会 計 処 理 を 考 え る 場 合、 筆 者は 外 国貨 幣 単位 を 会 計上 の測 定 尺度 と し て認め るか どうか とい う、 い っそ う基 本的 な問 題 として 接近 し なけ れ ば なら な い と思 って い る。ダ5)とし て、す で に この 問題を 論 じて い る。 同 教 授 は、 外国 貨幣 単 位 も また 自国 貨 幣単 位 と ともに 測 定尺 度 とし て認 める 考 え方 を 外貨 尺 度説 あ るい は 複数貨 幣 尺度 説 と呼 び 、 会計 上 の測 定 単 位は 自国 貨幣 単位 の みに 限定 し 、外 国 貨 幣単 位に 会 計上の 測定 尺度 た る地 位を 与 え ない 考 え方 を 外貨 尺度 否 定説 あ るい は単一 貨 幣 尺度 説 と 呼 んでい る(26)。 こ の 外貨尺 度否 定 説は 、 外 国貨 幣を 測 定尺 度 とし て で なく、 自 国貨幣 単 位 に よっ て 測定 さ れる対 象 と み てい る点 で、 外貨 商 品 説 と呼 ん で も よい と同教 授 はさ れてい る呪 外貨 尺 度 説 は、 す でに 述 べ た 複 数測定 単 位概 念に 、 また外 貨 尺 度否 定 説は すで に述 べ た単一 測定 単 位 概念 に ほ ぼ 内容的 に は対応 す る もので ある。 以下 、 染谷 教 授 の主 張 さ れる 外貨 尺 度 否定 説 と外貨 尺度 説 の 内容 の要 点を 紹 介 し てみ よ う(28)。 外貨 尺 度否 定 説は 、 国際 的 に 営 ま れる 経済活 動 が 国 内に お け る 経 済 活 動 に 比 べ て ご く 限 ら れた も のでし か なく 、国際 的 な経 済 活動 を 測定 す るた め の独立 の 会 計 単 位 を 設け なじヽよ うな 場 合 に 典 型 的 に適 用 され る。 この よ うな 場 合に は 、諸 取引 が 外貨建 で契 約 さ れて も、 会 計 上 はす べて 取引発 生時 にそ の時 点 の為 替 相場 で 自国貨 幣 単 位に 換算 し て測定 し 、 国 内 に お け る 経 済 活 動 を 測 定 し た
外貨表示 財務諸 表 の換算におけ る単一測 定単位概念 と複数測定 単位概 念 35 の と まった く同 様に 扱 われ るこに な る。 ま た、 こ の考 え方 の もとで は、為 替 相 場 の変 動 は測定 尺 度 の 側 の問題 では な く、測 定対 象 の側 の問 題 であ る と考 えら れる ので 、為 替相 場 の変 動 が ただ ちに 会 計に おけ る 測定 に影 響を 及 ぼす こ とはな い と考 え られ る。為 替 相場 が変 動し た 場合 の測定 は 、所 有 す る商 品 の時価 が変 動し た 場 合の測定 や 債 権 の貸 倒 れが予 想 さ れ る 場 合 の 測 定 と 本 質 的 に 異 な る も の ではな い といえ る。 し た がって 、外 貨 尺度 否定 説 の もとで は、 為替 相場 の変 動 に 伴 ない 発生 す る 換算 差損 益 の測定 の みを 特別に 扱 う理 由は なく 、国 内に おけ る 経 済 活 動 の 測定 に 適 用 さ れ る も の と まった く同 じ会 計 原則 に 従って 測定 が行 なわ れ るこ とにな る。 そ れゆ え、 為替 差 益 と為 替差 損 とを 同 一視 す る考え 方 はな く、為 替 差損 の認識 は し ても、 為替 差益 を認 識し な い とい う論理 が導 き だ さ れる。 他方 、海 外に おけ る 経済 活動 が国 内に おけ る経 済活 動に対 し て重 要 な割合 を 占 める 場 合や、 経 済 活動 が多 数 の国 にわ た って 営 まれ、そ の活 動 領域 に関 して 、 どの国 が 自国 であ りど の国 が外 国で あ る のかを 区 別す る こと がで き ない よ うな 場 合 があ る。 こ のよ うな場 合に は、 そ れぞ れの 国に おい て 営 ま れる経 済活 動は 、 支店 会計あ るい は そ の他 の 独立 の会 計単 位を 設け 、そ れぞ れ の国 の貨 幣単 位 を もっ て測 定 され るこ とに な る。 国 別に 異な った貨 幣 単位を もって 測定 さ れた 結果 は 、 会計 期末 に、 自国 貨 幣単 位に 換算 し て財 務 諸表 が作 成 さ れ る。 こ の ように、 国際 的 な経 済活 動に つ い て、 国別 に 独立 し た会 計単 位を 設け 、 そ れぞ れの国 の貨 幣 単 位を も って測 定を 行 な う場 合 、 外 国貨 幣 単位に よ る測 定を 正 式 な会計 測定 の方 法と認 め る立 場、 す なわ ち、 外貨 尺度 説 が妥 当で あ る と考 えら れ る。 また 、 為替 相場 の変 動を 、 会 計におけ る 測定尺 度 とし て の外貨 の変 動の 側 め問 題 とし て受 け とめ る こ とがい っそ う適 切で あ る。 ト 会 計 にお い て貨幣 が 測定 尺 度とし て 用い ら れる 理 由は、(1)貨 幣 が社 会に おい て 、 あ ら ゆ る 財 貨 や用 役 の価 値を 測定 す る共 通 の尺度 で あ り、(2)貨 幣 が支払 手 段 とし て 用いら れ る 、 と い う2 点 に 求め ら れ る。外 国貨 幣 も諸 種 の財貨 や 用役 を 測定 す る共通 の尺度 とし て機 能し 、 ま た支 払手 段 とし て 使用 で きる こ とは、 自 国通 貨 と異 な る ところ は な く、外 国 通貨 の会 計に おけ る 測定 尺 度性を 否 定 す る理 由は ま った く見 当ら な い。そ れゆ え、 外国 で購 入 され た資 産 の価額 は外 国 通貨 で 記 録し、 取 得 時 の為替 相 場を 引 き合 い に だし て 自国 通価 額に 換 算す る必 要 もな くなるニ し た が って 、 外貨 尺度 説 の もと では、 外 国貨 幣 単位 で測定 され た財 務諸 表 の諸項 目は、一 律 に会 計期 末 の 為替 相 場で 自国 貨 幣 単 位に 換 算さ れる こ とに なる。 また 、外 貨尺 度説 のも とで ぱ、為 替相 場 の変 動 は、 測 定尺 度 の 側 の問 題 とし て理 解さ れ る ので、為 替 相 場 の変 動 の 結果 生 じた為 替差 損益 は、 通 常 の損益 と 異なる も のと 考え ら れ、 測定 尺度 の標準 の変化 から 生ず る 損益 とし て、 貨幣 価値 変 動に よ り生 じ た損 益 と 同じ 範 躊に 属 する も のと 考え ら れる ことに な る。 染 谷 教授 の 外貨尺 度 説お よび外貨 尺 度 否定 説 の内 容は 以上 の よ うに 要 約で き るが 、同 教 授 は、 こ
36 経 営 論 集 第45 号(1997 年3 月 ) れら両 説 の要点 を 以下 の ように 比較 して 図示 さ れてい る(29) I 外 貨尺 度 否定 説 にお け る会 計 の測定In 外 貨 尺度 説 にお け る会 計 の測 定l [測定 の対象 ] [ 測定 の 尺度 ]l [測定 の対 象 ] [測 定 の尺 度]
同
白
白
目
引
回
[
に
に
に
]
[
回
開
白
←[ 決算 日 の為 替 相場 に よる 換算] 染谷 教 授 の外貨 尺度 説 は、 独立 的 な 在外 子会 社等 の外貨 表示 財 務諸 表を 、 現 地主 義 の考え方 に も とづ き、 現地通 貨を 測 定 単位 とし て 反映 さ せる 換算方 法 とし て の決 算 日レ ート 法 の論 理 の展 開 と軌 を 同 じく してい る。 また 、外 貨 尺度 否定 説 は、 従属的 な 在外 子会 社 等 の外貨 表 示 財務 諸表 を、 本 国 主 義 の考 え方 に もとづ き、 本 国 通貨 を 測定 単位 とし て反 映さ せ る換 算方 法 とし て の テン ポ ラル法 の 論 理 の展 開 と軌を 同 じくし てい る。 ト わが 国 では 外貨 換 算 の問題 が端 緒 につ い たば か りの1970年 代初 頭 に、 外貨 表 示 財務 諸 表 の換算に か かお る こ のよ うな重 要 な 問題を 、 そ の後に おけ る この 問題 の展 開 と 軌を 同じ くす る よ うな 発想 の もとに 、染 谷 教授 は すで に論 じ てい た。 今 日の 時点 でま った く古 さを 感 じ させ な い染 谷 教授 の問題 意識 の確 かさ と、 独 創m と先 見 性に 満 ちた洞 察力 に は感 嘆を 禁 じ得 ない。 こ の よ うな点 におい て は、 染 谷教 授 の外貨 尺 度説 と外 貨 尺度 否 定 説は 、わ が国に おけ る外貨 換 算会 計 の歴 史 的 展 開過程 の中 で 高く評 価 さ れるべ き もの と 思わ れ る。外貨表示 財務諸表 の換 算におけ る単一測 定単 位概念 と複数 測定単位概 念 37 IV. 連 結 に お け る 外 貨 表 示 財 務 諸 表 の 換 算 と 測 定 単 位 概 念 外 貨 表示 財 務諸表 の換算 は、[はじ めに] で 述 べ たと お り、基 本的 には 、連 結財 務 諸表 作 成 の ため に 必要 とさ れる もので あ る。し たが っ て、 単一 測 定 単位 概念 と複数 測定 単位 概念 の 問題 は、 連 結財 務 諸表 作 成 の視 点から 検討 され、評 価 さ れる べ き問 題 で もあ る。結 論か ら先 に 言え ぼ 、 連 結会 計に おい ては 、単 一 測定 単位 概念 が適切 な も の とし て用 いら れ る べきで あ る。 そ の 理 由は 、 第一 に 、 単 一 測定 単 位 概念 に より 連結会 計にお け る 計算 の 同質 性 が確 保 さ れ得 る から であ る。 第 二 に 、現 地 主 義 の 思考 に も とづ き、現 地通 貨等 の 在外 子会 社 等 の使 用す る 通貨を 測 定単 位 とす べ き とす る 複数 測 定 単 位 概念 は、 連 結の 思考 と著し く矛 盾 す る とい う点 であ る 。 以下、 こ れら の理 由 の詳 細 を 述 べる こと に するノ 連 結 会計 に おい て、 単一 測定単 位 概念 が 用い ら れ るべ きで あ る第一 の 理 由は、 連 結 会計 に おけ る 計算 の同質 性 の 確保 とい う点に 求 めら れる 。 外貨 表示 財 務諸 表 が、 単な る情 報提 供 や 比較 のた めに 、 そ れ 自体 の便宜 的 な利 用 のた めであ る なら ば、 どの よ うに換 算 さ れ ようと さし たる 問 題 は発 生 し な い 。 連結 財務 諸表を 作 成 する 場合に は、 異な る通 貨を 測 定 単位 と する外 貨表 示 の個 別 財 務諸 表 を 単 一 の財 務 諸表 へ と統合 す る ことが 必要 であ る。 こ の統 合は 、 連結 財務 諸表 の情 報 とし て の 有 用性を 確保 す る よ うに 行な わ れなけ れば なら ない 。 す な わち 、 連結 財務 諸表 の作 成を 前 提 とし て 換 算 が行 わ る場 合 、 換算 を通し て 行 われる 異な る通 貨 単 位 で表示 され た財 務諸表 の連結 財 務 諸表 へ の 統合 は、 連 結 財務 諸 表が 企業 集団 全 体にか か わる 総 合的 な 計算 体系 のア ウト ・フ ット とし て 有 す る情 報 とし ての 機 能を 何等 損 な うこ とな く行 わ れなけ れ ばな らな い。 この ため には 、同質 性を 有 す る共 通 の基 盤に 立 脚し て 個 々の財 務諸 表 が作 成 さ れて い る もの と 仮定 し 、 こ の同質 性を 確保 す る よ うに 換 算 が 行 わ れ た上 で、 そ れら の統 合 が行 わ れなけ れ ばな ら ない。 同 質 性 のない 財務 諸表 相 互 間に は何 等 の 加法 性 も認め ら れない の であ り、そ の よ うな統 合 は「単 な る モザイ クで しか ない」(30)結果を もた ら す こ とに な る。 連 結会計 に おけ る財務 諸 表 相互 間 の同 質 性は 、 具体 的に は どの よ うに し て保証 さ れる こ とに な る ので あろ うか。 こ の点 に 関連 して森 藤 教 授は、「連 結会 計 が ひ とつ の統 合的 な 価値 計算 シ ステ ム と し て 有 効 に 機 能 す る ため には 、そ れは、少 なく と も、(イ)計 算対 象 の同質 性、(口)数量 測度 の単 一 性 、お よび(ハ)処 理 手 続 き の一 貫 性 、 とい う3 つ の必 要条 件を 充 足 し てい なけ れば なら ない 。」(31)こ とを 明 快に 指 摘 さ れてい る。 森 藤 教 授が 指摘 され てい る ように 、 連結 会 計に おい て は 数量 測 度 の単一 性、 すな わち 、 連 結 の対 象 とな る財 務 諸表 全体 に共 通 する単 一 測定 単 位 とし て の単 一 通貨 の存 在が 必須 の条 件に な る。 取 得 原価 主 義 会計 の も とで、 連 結が国 内企 業 の財 務 諸表 あ るい は 同一 通貨 圏 内に おい て のみ 行 われ てい る場 合 に は換 算 問題 は全 く生 じない し 、 単一 測 定 単位 の決 定 に 関し て何等 の 考慮を 払 う必要 もない。
38 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) 単一 測 定 単位 の問 題は 、 外貨 表示 財 務 諸表 を 含 む連 結会 計に 特有 の問題 とし 七 発 生 す る。 外貨表 示 財務 諸 表 の換 算 とのか かお りで 考え るな らば 、 換算 は これら 異 な る測定 単位 に よる 外貨 表示 財 務諸 表を 、 単一 測 定単 位で表 示 し 得 る財 務 諸表 へ の 統合 のた め の変換 過 程 とし て認 識 で き る のであ る。 この単 一 測定 単位 概念 の 必要 性 は、 連結会 計 にお け る計 算対 象 の同一 性 とい う必 要条 件 か ら必 然的 に 導 きだ され る。 こ のこ とに よ り、 換 算を 通 じ て異 なる 測定 単位 で ある外 国通 貨 に より表示 さ れた 財務 諸 表 相互 間 の加法性 が具 体的 に 保 証 され る こ とに な る。 複数 測 定単 位概 念 がと ら れた 場合 には、 当然 のこ とな がら 、同一 の財 務諸 表 の中に 、 二つ 以 上 の異 なる測 定 単位 が混 在 す る こ とに なり 、開 示 さ れた 数値 の 意味を 不 明な もの とす る こ とに な る(32)。 こ の よ うな 複数 測定 単 位 概 念 の欠 点 は 、 単 一 測定 単 位概 念 が用い ら れ るべ き 消 極的 理 由と して 認識 す る こと も可能 で あろ う。 なお 、 外貨 表示 財務 諸 表 の連 結に 際し て、 単一 測 定単 位 が用い ら れ る場 合に 留 意 す べ き点は 、共 通 の通 貨 単位を 単一測 定 単位 とし て た んに 用 い る とい う ことを 意味 す るの では な い とい う点で あ る。 本 国 の親 会社 の通 貨 単位 へ換 算 さ れ た外 貨表 示 の財 務諸 表 は、 も との財務 諸 表 上 で 測定 さ れた 属性 を 保持 し てい る とと もに、 こ の属性 は本 国 の親 会社 の財 務 諸表 上 の属性 と同 質 的 で あ るが ゆえ に加 法 性を 有 して い るの であ り、 これ ら財 務 諸表 は 連結 さ れ得 る のであ る。 し たが って、 単一 測定 単位 は 、計 算 対象 の同 質性 を 実質 的 に保 証 す る測 定 単位 であ るこ とが含 意さ れ てい なけ れ なな らな い。 柴 教 授は こ の点に つい て 、「ど の よ うな換 算 方 法に ょ って も邦貨 に再 表示 さ れ て い る の で あ るか ら 統一 表 示 は一 応達 成 され てい る。 し かし な がら 、同 質的 な 測定 単位 に よら ない で 達成 され た統 一表 示 は外 見 上 のも のに すぎ ない。 そ れ ゆえ 、外 貨 換算 にあ っては本 国 におけ る測 定 単 位 と同一 の測定 単 位を 得 る方 法 が選択 さ れ なけ れ ば なら ない 。」(33)と述 べて い る。嶺 教授 も同様 に 、「測定 単 位 の同質 性 は、 数 値 の実質 的 同質 性を 担 保 す る が、表 示 単 位の同 質 性は 、数 値 の形式 的 同 質 性を 担 保す るに す ぎな い ので あ る。」と述 べ てい る(34)し た が って 、測 定基 準 と為 替 レ ート と の時 間的 対応 関 係を 全 く 不 問 とし て外 貨表 示 財務 諸表 を 換 算 した 結果 得 ら れた数 値 は、 た とえ同一 の測 定 単 位 とし て の体裁 を 有し て いた と して も、 も と の財務 諸 表 上 の属 性を 無 視し た もの であ り、 実際 上ぱ 単一 測 定単 位 と し て の機 能を 何等 有 して い ない。 こ の よ うに し て得 ら れた 換算 後 の数値 に よる 連結 財 務諸 表 の作成 は 、 た んな る機 械的 な会 計数 値 の 合 算過 程以 外 の も のでし かな い。 こ の ような 換 算 は 会計 的測 定 の 範 躊を 外 れ てい る。 た とえ ば現 地通 貨 を 測定 単 位 と七 て保 持し た 上で行 わ れ る換 算 につ い て、 白 鳥 教 授 は 「こ の ような 換算 は、 単 な る表 示 金額 の変 換に と もな う数値 の変 更 にす ぎな い。 そ れ は、 会 計 的 認識 ・測 定 の枠 外に おけ るま っ た く機械 的 なプ ロセ スにす ぎ ない とみ られ る。」(35)と明 確 に 指 摘 され てい るp ーレソ セソ も この 点に 関 連 して 、「資産 の外貨 表示 の取得 原 価 に 現 在 の為 替 レ ー ト を 乗 ず る ことは 、フ ィート に よ る机 の高 さに 換 算 係数を 乗 じるこ とが机 の 幅を 測 定 す る結 果 とな る、 とい っ た場 合の 資産 の測 定 値以 外 の なに もので もない、](36)と述 べ ている 。
外 貨 表 示 財 務諸 表 の 換 算 に お け る 単 一 測 定 単 位 概 念 と 複 数 測 定 単 位 概 念 39 単一 測定 単 位概 念 が用い ら れる べき第 二 の理 由 は √単一 測 定単 位概 念は 親会 社概 念に もとづ く連 結 の 考え 方 と、本 国主 義 の観 点に も とづ く換 算 の考 え方 とた んら 矛盾 す るこ と な く、 両立 し得 るも ので あ るとい う点 に求 め ら れる。 こ のこ とは 、裏 返 して 言え ば、 複数 測定 単 位 概念 は、 現 地主 義 の 思 想 に支 えら れ てい る もの であ り、 この 思想 は 連結 の考 え方 と著 し く矛盾 す る考 え 方 であ るとい う こ と を物 語 ってい る。 十 す でに 私 自身、 別稿(37)にお いて 明 らかに し た よ うに、 在外 子会 社等 の 独立 性を 正 当 に認 め る な ら ば 、 在外 子会 社 等を 親会 社 の傘下 と せず に、 ま た、 そ の結果 として 連結 の対 象 とせ ず 、 親会 社 の束 縛 か ら 解放し 、 独立 させ る こ とが必 要と なろ う。 この ような措置 を とら ずに 、 在外 事業 体を 子会 社 等 と し て位 置付け 、 連結 の 対象 とす るこ と は、/在外 子会 社等 を 本国に おけ る親 会社 の支 配統 制下 に 置 く こ とを 意図 してい るか らに他 なら な い と考 えら れ る。 在外 事業 体を 、子 会 社 とし て認 識 し なが ら 、 そ の独立 性を 認 め るべ きであ る とす る考 え は 明ら かに論 理 矛盾を 内在 させ てい る。 親会 社 が在 外 事 業 体を 子会 社等 とし て 位置付け る以 上、 連 結 は この よ うな 親会 社 の意図 を 適切 に 反映 する よう に 、 親 会社 の 観点 から行 な わ れるべ きで あ る。 し た がって 、 連結は 本 国企業 の親会 社 の立場 を 重視 す る親 会社 説 の観点 か ら行 な われ るの が妥 当で あ る。 とす る ならば 、 連結を 目的 と した 外 貨表示 財 務諸 表 の換 算 も、親 会 社説 の立 場を 反映 す る よ うに 行 なわ れ るのは 、当 然 の帰 結 で あ る。 すな わち、 連結 に おけ る 外貨表示 財務 諸表 の換 算 は本 国主 義 の観 点 から行 なわ れ るべ き こ とが 妥当 で あ ると考 えら れる ので あ る。 以上 の ような、 単一 測定 単 位概 念 の妥当 性 に 加え て、 現地 主義 の考 え方 は 、 連結 財 務諸 表 の作成 と 相容 れ ない も のであ る とい う点 も指 摘し て お く必 要 もあろ う。 複数 測 定単 位概 念 を 支持 す る 『財 務会 計 基 準書 』第52号 や外 貨 尺度説 の考え 方 は、 複 数測 定単 位を 用い る こ とに よ り在外 子 会社 等 の 現地 企 業 の活 動状 況 が財務 諸 表に 適切に 反 映 さ れる とい う、 あ る い は さ れ る べ き で あ る と い う期\ 待や 信念に 支 えら れて い る。すなわ ち、嶺 教授 が指 摘 され てい る よ うに 、「 複数測 定 単 位概 念 は、機 能通 貨 に よる測定 結果 を 、そ の本 質を変 えな い ように 連結財 務諸 表に 反映 さ せ よ うとす る意図 で換 算 目的) を 達 成 する ため に主 張さ れ た概 念 であ り、 こ の背景 に ぱ、 機能通 貨 で測 定 さ れた 在外 事業 体 の財 務 諸表 こそ が、 そ の業 績お よび財 政 状態に つ い て最 も 有 用 な 情 報 を 提 供 で き る と い う考 え 方 が あ る。」(38)のであ る。 連 結財務 諸表 の 作成 を 前提 とした 場合 には、 個 々 の在外 子 会 社 の存 在 やそ れ ら の経 営活 動 の実 態 は 単一 の連 結 され た 財務 諸表 の 中に 埋没 せし めら れて し ま う ので、 個 々 の在 外 企業 の経 営活 動の実 態 を 把握す るという 要請 に ぱ連 結財 務諸 表は 十分 に応 え 得 な い もので あ る。 この ご とは、 複 数通貨 の 環 境 が事 実 とし て存 在 し てい ない と主 張す るわけ で もな く 、事 実を 無 視し た 錯 覚で もない。 連 結財 務 諸表 が企業 集 団 全体 を 単一 の会計 実 体 と し て 擬 制 す る こ と に よる 宿 命 的 な 限 界で あ る。 在 外子 会 社 が親 会 社 と異 な る測 定単 位を 用い てい る とい う事 実や 、 個 々 の在 外子
40 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) 会 社の 経営 の適 切 な把握 は 、 むしろ 個 別財 務諸 表に よっ て こそ 可能 とな る。 現 地主 義 の思考 を徹底 さ せ れば必 然的に 個別財 務 諸表 の作 成 が要 請さ れ るこ とにな り 、 連 結 財 務 諸 表 め 作 成 ぱ 否 定 せざ るを 得 ない も のとな ろ う(39)。 現 地 主義 の考 え方 は この よ うな 自家 撞 着に 対 す る認識 が全 く欠 如し 七 い るとい わざ るを え ない。 現地 主義 の 思考 は、 連結財 務 諸表 の視 点 とい うよ り も、 む しろ 現地 企業 の個 別財 務諸 表指 向 の思 想 と言 え る もので あ る。 現地 主 義 の主 張は 、現 地 企業 の個別 財 務諸表 の作 成に より もっと も適 切に 達成 さ れ得 る も のとの 発想 の転 換を さ せせ れば 十 分に 解 決さ れ る ものであ る。 以 上、 検討 して きた よ うに 、 単一 測定 単 位概念 を放 棄 し、 複数 測 定単 位 概念 を重 視 す る 『財 務会 計基 準書 』 第52号 の考え 方 や、 外貨 尺 度説に もとづ き、換 算 を 「単 なる 集 合 のた めの 計 算的 手段で し かない 。」(40)と いっ た主 張 は、 連 結会 計に おけ る計 算 の同質 性を 否 定す るもの で あ る。 また 、 複数 測定 単位 概 念を 支え る現 地主 義 の考 え 方は 連結 会計 と も矛盾 す る もので あ る。 これら の 理 由に もと づ き、外 貨表示 財 務 諸表 の換 算 にお い ては 、 単一 測定 単 位概 念 が用 いら れ るべ きであ る と考 えら れ る。 VI. 単 一 測 定 単 位 と 連 結 会 計 主 体 単 一 測 定 単 位 と の 関 わ り に お い て 検 討 し な け れ ば な ら な い も う 一 つ の 問 題 は 、 単 一 測 定 単 位 とし て の 通 貨 、 す な わ ち 報 告 通 貨 の 決 定 は ど の よ う に 考 え ら れ る べ き か と い う こ と で あ る。 機 能 通 貨 ア プ ロ ーチ を 採 用 す る 『 財 務 会 計 基 準 書 』 第52 号 で は 、 機 能 通 貨 の 決 定 の た め の い く つ か の 指 標 を 明 示 し て は い る か(41)、 報 告 通 貨 に つ い て は 、 基 本 的 に は 親 会 社 が 用 い る 本 国 通 貨 と す る こ と を 当 然 の こ と と し て 、 暗 黙 の う ち に 是 認 し て い る よ う で あ る(42)。 ミ ュ ー ラ ー(Mueller,G.H. )は こ の 単 一 測 定 単 位 と し て の通 貨 は 、 具 体 的 に は 、 以 下 の い ず れ か 一 つ の 基 準 に も と づ い て 選 択 さ れ る で あ ろ う こ と を 指 摘 し て い る(43し \ (1 ) 会 社 設 立 国 の 通 貨 (2 ) 主 た る 営 業 取 引 に 用 い ら れ る 通 貨 (3 ) 主 要 株 主 が 居 住 し て い る 国 の 通 貨 ニ (4 ) 永 久 投 下 資 本 の 主 要 部 分 が 拠 出 さ れ た 国 の 通 貨 (5 ) 通 常 配 当 の 支 払 い に 用 い ら れ る 通 貨 十 犬 (6 ) 長 期 的 に み て 比 較 的 安 定 度 の 最 も 高 い と 考 え ら れ る 通 貨 (7 ) あ る 観 念 的 な 通 貨 ( こ れ は あ る 種 の 貴 金 属 の含 有 量 、 あ る い は 国 際 通 貨 換 算 基 準 と の 関 係 で 決 定 さ れ る で あ ろ う。レ こ れ ら の 基 準 の う ち 、 一 般 的 に い っ て 、 単 一 測 定 単 位 と し て の 報 告 通 貨 は 、 親 会 社 が 設 立 さ れ て
外貨表示 財務諸表 の換算に おけ る単一測定 単位概念 と複数測定単 位概念 41 い る本 国に おけ る通 貨 が用 いら れ るて い る。 こ の現実 的 な理 由に つい て ミ ュ ーラ ーは 「国 際企業 の た め の会計 に用 い る適 切な 通貨を 選 択 す るとい う総 合的 な問 題に 対す る解 決 策 は、 会 社 が各 国 の通 貨 と同 様に 法律 の産 物 であ る とい う事 実に 求 め られ る ように 思わ れ る。 こ のこ とは 、 お そ ら く国 際 企業 の会計 に用 い る主 要通 貨 は、 設 立 国 の通 貨 であ るべ き ことを 示唆 し てい る。」(44)と述 べ て い る。 親 会社 が設 置 され てい る国 におい て 流 通 し、 共通 尺 度 とし て、 また 支払い 手 段 とし て用 い ら れてい る 通貨 を、 測定 尺度 として 用い る こと は きわ め て常識 的 な考 え方 で あ り、 何 ら 異論 を は さ むべ き 余 地 はな い。 ただ し、 連 結 のた めの換 算 と の関 連 で考 え る場合 、 この ような法 的 視点 のみ を 論拠 と す るだけ で は不十 分 であ ろ う。 単 一 測定 単 位と して の報 告通 貨 の決 定 は、 理論 的 には 、 連結財 務 諸表 の作 成を ど の よ うな 視点 に もとづ い て行 うかに とい うこ とと の関 連に お い て考 えら る べき であ る。 結論 か ら先 に 言 え ば、 こ の 単一 測 定単 位 とし て の報告 通 貨は、 親 会 社 の所 在国 の通 貨 が選択 さ れる べ きで あ る。 こ の理 由は 、 在 外子 会社 は 親会 社 の支配 統制 の も とで 経営 活動 を 行 ってい ると考 え るこ と が妥当 であ り、 連結 財 務 諸表 はそ れ ゆえ 親会 社 の観 点から 作 成 さ れる べ きであ ると考 えら れ るから で あ る。 こ のこ とは 、 ま た、 連結 財務 諸表 の作成 主 体を 親 会 社 とす る とい うこと と表裏 一 体 の関 係に あ る。 親 会 社 は在 外 子 会社 をそ の傘 下 に置 い て当 該企業 集 団 の指 揮、 統 制を 行 なっ てい る以 上、 当 然 の こ とな が ら連 結 会 計に おけ る 連結財 務 諸表 の作 成主 体 と しで 位 置付け ら れ るべ きで あ る。 と りわけ 、 国 境 を越 え 、 国 際的 な広 が りで 経営 活動 を 行って い る企業 が 、 異な る通 貨で表 示 さ れた個 々の財 務 諸 表 を統 合 し て 連結 財務 諸表 の作 成 をす る 場合に は 、そ の作 成主 体 が親 会社 であ る ことを 明確に 認 識 す る 必要 が あ る。 企業 実 体説 に もとづ き、 企業 集 団 全体 を 作成 主 体と す る ような、 作成 主 体 の 曖昧 な 連 結財 務 諸表 な ど とい う もの は、 国際 的に経 営 活 動を 展 開 する 企業 には 現実 問題 とし て は 到 底適 用 し得 な い。 この こと は、 連結 財務 諸表 の作 成に お い ては 親 会 社がそ の作成 主体 とな る こ とに よ り、 連結 財務 諸 表 は然 るべ き 国籍 を有 す べき ことを 意 味 し てい る。ニミ ュー ラーは こ の点 につ い て 、「財 務 諸 表 を 連 結 する 際に は、 外 国通 貨 の換 算の方 法 が注 意深 く 選定 さ れ、 連結財 務 諸表 の最 終 的 な籍 が正 し く反 映 され る こと が要 求さ れ る。」(45)と述 べてい る。 エ 先に も述 べ た よ うに 、 連結 会計に お い て は、 企業 集 全体 の立 場 から 連結 財務 諸 表 が作 成さ れ ると い う企業 実 体説 が主 張さ れ ること もあ る6 こ の よ うな 主張 が なさ れ たとし て も、 そ の よ うな 主 張は 在 外子 会社 を含 む 国 際的 な次 元を有 す る連 結会 計に お いて は 、 連 結 財 務 諸 表 の作 成 の 基 盤 を 曖 昧 に する の みで あ り、理 念的 、 観念的 に のみ 有効 な主 張 にす ぎ ないレ 現 実問 題 とし て 、 連 結に おけ る 測 定単 位 の決 定は も と より、 準拠 す べ き会計 原 則や 会 計基 準、 諸法 令 等 の決定 とい っ た 具 体的 問題 に 関し て は、 連結 集団 にお い て親会 社 が指揮 、 統 制 の中心 に ある以 上、 親 会 社 の所 在 国 の も のが採 用 され る こ とが当 然 と考 えら れる。 実 体 説 に もとづ く連結 観に よれば 、在 外 子会 社 等 の 所 在国 の会
42 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) 計 原 則 や 基 準 が 尊 重 さ れ 、 そ れ ら が 連 結 財 務 諸 表 の な か に 反 映 さ れ ね ば な ら な い こ と に な る 。 法 的 制 度 や 通 貨 を 同 じ く す る 国 内 に お け る 連 結 の 場 合 に は 、 連 結 集 団 全 体 が 共 通 の 同 質 的 な 社 会 的 、 経 済 的 環 境 に 帰 属 し て い る た め 、 企 業 集 団 全 体 を 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 主 体 と す る こ と に は な ん ら の 問 題 も な い 。 し か し 、 経 営 活 動 が 国 際 的 な 広 が り を 持 ち 、 異 質 な 経 済 、 社 会 環 境 に 帰 属 す る 企 業 を も 有 す る 企 業 集 団 の 場 合 に は 、 多 様 な 環 境 に 置 か れ て い る 集 団 内 の 個 々 の 企 業 の 経 営 活 動 を 連 結 財 務 諸 表 へ と 統 一 し 、 収 斂 す る た め の 核 と な る べ き 企 業 の 存 在 が 絶 対 に 不 可 欠 で あ る 。 そ の よ う=な 核 と な る べ き 企 業 の 存 在 を 否 定 す る 企 業 実 体 説 は 、 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 関 し て む し ろ 混 乱 を 助 長 す る の み 懲 、 な ん ら 問 題 解 決 の 解 決 に 寄 与 し 得 る 力 を 有 し て い な い 。 事 実 、 本 国 主 義 の 立 場 か ら テ ン ポ ラ ル 法 に よ る 換 算 を 主 張 す る 『 財 務 会 計 基 準 書 』 第8 号 に お い て も 、 現 地 主 義 の 立 場 か ら 決 算 日 レ ート 法 を 基 本 と し な が ら も、 場 合 に よ っ て は 状 況 法 が 適 用 さ れ る べ き こ と を 主 張 す る 『 財 務 会 計 基 準 書 』第52 号 に お い て も、丁米 国 で 一 般 に 認 め ら れ た 会 計 原 則 に 準 拠 し て 」換 算 が 行 な わ れ る べ き こ と が 主 張 さ れ て い る(4G)。 こ の こ と は 、 事 実 上 、 米 国 企 業 を 親 会 社 と す る 連 結 会 計 に お い て は 、 米 国 の 企 業 を 主 体 と す る 連 結 財 務 諸 表 が 作 成 さ れ る べ き こ と を 物 語 っ て い る と い え る で あ ろ ‰ す な わ ち 、 現 実 に は 、 親 会 社 概 念 に も と づ い て 連 結 が 行 な わ れ る こ と を 物 語 っ て い る と い え る。 さ ら に い え ば 、 現 地 企 業 の 状 況 を 適 切 に 反 映 す べ き と す る 現 地 主 義 を 主 張 す る 決 算 日 レ ー ト 法 の論 拠 や 『財 務 会 計 基 準 書 』 第52 号 の 主 張 ぱ 、 現 地 企 業 の 状 況 を 適 切 に 反 映 す る こ と を 主 張 し な が ら 、 一 方 に お い て 現 地 企 業 が 適 用 し て い る 会 計 原 則 を 無 視 し 、 本 国 企 業 の 会 計 原 則 の 適 用 を 主 張 す る と い う 点 で 、 著 し い 論 理 的 な 矛 盾 を 露 呈 し て い る こ と に な る。 以 上 め 検 討 か ら も 明 ら か な よ う に 、 在 外 子 会 社 を 含 む 連 結 財 務 諸 表 に お い て 用 い ら れ る 単 一 測 定 単 位 と し て の 通 貨 は 、 連 結 財 務 諸 表 作 成 の 視 点 か ら 考 え て 、 親 会 社 の 立 場 か ら 決 定 さ れ る べ き で あ ろ う。 当 然 の こ と な が ら 、 そ れ は 親 会 社 の 通 貨 あ る い は そ の 所 在 国 の 通 貨 と な る で あ ろ う。 親 会 社 通 貨 を 用 い る こ と に は 、 現 地 の 企 業 の 置 か れ た 状 況 に つ い て の 判 断 や 現 地 企 業 の 経 営 管 理 や 意 思 決 定 に と っ て は 不 適 切 で あ る と い っ た 批 判 も あ る。 た と え ば 、 ジ ャ コ ビ (Jacobi,M.H. )は 「 メ キ シ コ ・ ペ ソ指 向 の 意 思 決 定 が 実 際 に は 必 要 と さ れ て い る 場 合 に て す ら 米 ド ル 「本 国 通 貨 を 意 味 す る 。引 用 者 注 。九指 向 の 意 思 決 定 が 行 わ れ る こ と が あ る 。」(47)と述 べ て い る。 し か し 、 こ れ ま で 度 々指 摘 し て き た よ う に 、 連 結 財 務 諸 表 は 親 子 会 社 か ら な る 企 業 集 団 を 、 親 会 社 か ら み て こ れ を 単 一 の 会 計 実 体 と 擬 制 し て 作 成 さ れ た 財 務 諸 表 で あ る 。 個 々 の 現 地 企 業 の 意 思 決 定 や 業 績 評 価 に 役 立 つ の は 、 連 結 財 務 諸 表 よ り 乱 現 地 企 業 の 個 別 財 務 諸 表 で あ る こ と は 火 を 見 る よ り も 明 ら か な こ と で あ るレ 連 結 財 務 諸 表 を 個 々 の 在 外 企 業 の 個 別 的 な 経 営 管 理 上 の 情 報 と し て 有 効 に 役 立 て よ う と す る 考 え 方 自 体 に 無 理 が あ る こ と を 十 分 に 認 識 す る 必 要 が あ ろ う。
外 貨 表 示 財 務 諸表 の 換 算 に お け る 単 一 測 定 単 位 概 念 と 複数 測 定 単 位 概 念 43 お わ り に ≒ 以上 、 外貨 表 示財 務諸 表 の換算に おげ る単一 測 定 単位 概念 と複数 測定 単位 概念に つ いて 、 連結会 計 の 視点 か ら 考察を 行 なっ て きた。 本論 文 に おい て は、外 貨表 示財務 諸 表 の換 算 の 目的は 、 連結財 務 諸表 め作 成 のた めに 行 なわ れ る もの であ る こ とを最 初に 明ら かにし た √ 次い で、、外 貨表 示 財務 諸表 の換 算に 際 し て 用 い ら れ る 測 定 単位 概 念 とし て の、 単一 測定疑念 お よび複 数測 定 単位 概 念 の内容 と、そ れらが主 張 さ れる論 拠をFASB の二 つ の『財務 会計 基準書 』、第8 号 と第52 号を手 が か りとし て 検討し た。さら に 、こ れら 単一 測 定 単 位 概念 と複数 測定 単位概 念 と の関 わ りで 、 これら 概 念 と同一 の考 え方を 展 開さ れ てい る 染 谷恭 次 郎 教 授の外 貨尺 度否 定説 と外 貨尺 度 説 の紹 介を 行 な った。 そ の後 に 、 連結会 計 との 関連 で、 単一 測 定 単 位概 念 複数測 定 単位概念 の 検討 を 行 なっ た。 本論 文 の 冒頭 にお い ても述 べた よ うに、 外貨 表 示財 務 諸表 の換算 は、基 本 的に は、 連結 財務 諸表 作成 のた め に行 な われ るも のであ る。し たが って 、外 貨 表示 財務 諸表 の 換算 問題 は 連結 財 務諸 表 の 作成 との か かお りで 検討 さ れるこ とが 必要 であ る。 単一 測定 単位 概 念は 本国 主義 の 思考 に も とづい て主 張 さ れ る もので あ る。 本 国主義 の考 え方 は、 在外 子 会 社等 は本 国 の親会 社に 従 属し て 経営 活動 を 行 な っ てお り、 換 算 もこ の関係を 反映 す る よ うに行 な わ れなけ れ ばなら ない と考 え る もので あ る。 こ の考 え方 は、 親会 社が 企業 集団、の主 体 とな り、 連結 財 務諸 表 はこ の親 会社 の観 点 から 作成 さ れ る べ きであ る とい う連結会 計に おけ る親 会社 概念 と何ら の矛盾 もなく 対応 する。 本 国主 義 の考え 方 も、 親 会社 概 念 の考 え方 も、 と もに親会 社 が 在外 子会 社 等 の事業 体 の中 心に存 在 七、 こ れら 在 外事 業 体 に対 す る 指揮 、 統制を 通 じ てこ れら を そ の支 配下 に置 い てい る とい う、共 通 の認識 を 有 し てい る。 こ の よ うに考 え た場 合、 外貨 表示財 務 諸表 の換算 に おけ る本 国主 義 の もとで 主張 さ れ る単一 測 定 単 位概 念 は、 親会 社概 念に も とづく 連結 会計 に おい て も妥 当 な もの と考えら れる。 本 論文 に おい て は、 単一 測定 単 位概 念は 連結 会計 におけ る 計 算 の同質 性を 確保 せ 七め る ものであ る とい う点 と、 連結会 計 の観 点 か らす るこ の よ うな論理的 一貫 性 とい う理 由に も とづい て 単一 測定 単位 概 念 が妥 当 であ る と の結 論を 明ら かに した。 複数 測定 単位 概念 は、 現地 主義 の考 え方 に も とづい て 主 張さ れる も のであ る。 本 論文 で も 明ら か にし た と お り、 現地 主義 の考 え方を 徹 底 させ れ ば、 連結 会 計は 否定 さ れるこ とに な る。 そ れ ゆえ 、 現地 主義 の考 え方 に も とづい て連結 会 計を 考 え るこ とは 、 そ の出発 点から 大 き な矛 盾を 抱 え るこ と にな る。 外貨 表示 財 務諸 表 の換算を 連 結会 計 の観 点 から 考 える かぎ り、 現地 主義に も とづ い て主 張 さ れる 複 数 測定 単位 概念 は否 定さ れざ るを 得 ない もので あ る。 以 上 の考 察 を 通じ て 明らか にした と お り、 現地 主義 とこ の考 え方 に もとづ い て展 開 さ れる換 算方 法 とし て の決 算 日レ ¬卜 法は 、連結 会計 の視 点を 著し く欠い てい る も のと言 わざ るを 得 な い。 決 算
44 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) 日レ ート 法 がこ の連結 会計 の 視点 の欠 如を 今 後 どの よ うに 克 服し て行 くか が、 決 算 日 レ ート 法の妥 当 性を 主 張し 、我 々を 説得 す るた め の鍵 とな るで あろ う。 ( 注)(1) 状 況 法 を 採 用 す る 世 界 の 主 要 な 会 計 基 準 の 内 容 に つ い て は 以 下 の論 文 を 参 照 さ れ た い 。 榊 原 英 夫 「外 貨 表 示 財 務諸 表 の 換 算 方 法 に 関 す る 研 究3 − 状 況 別 換 算 法 の 研 究 − 」,『 富 山 大 学 経 済学 部 富 大 経 済 論 集 』, 第42 巻 , 第1 号(1996 年7 月) ,98 頁 ∼no 頁 。(2)T.H.Evans,M.E.TaylorandO.Holzman,InternationalAccountingandReporting,(NewYork,N.Y.,MacmillanPublishingCompany,1985),p.201 ・(3)WaltherBusseVonColbe,"ForeignCurrencyTranslation",inS.J.GrayandA.G.Coenenberg ,eds.,InternationalGroupAccounting −InternationalHarmonizationandtheSeventhEECDirective,(London,CroomHelmLtd.,1988),p.223.(4) 穐 山 幹 夫[ 外 貨 換 算 会 計 に 関 す る 基 礎 的 考 察] ,『 会 計 』, 第132 巻 , 第6 号(1987 年12 月) 。It ・ 「 決 算 日 レ ート 法 の批 判 的 検 討 」,『 経 営 論 集 』, 第30 号(1988 年3 月) 。It 「 決 算 日 レ ート 法 と 現 地 主 義 」,『 産 業 経 理 』, 第49 巻 , 第1 号(1989 年4 月)(5)L.Lorensen,AnAccountingResearchStudyNo.l2:ReportingForeignoperationsofu.s ・CompaniesinU.S.Dollars,(NewYork,N.Y. ,AICPA,1972),p 。認 。(6)FASB,StatementofFinancialAccountingStandardsNo.8:AccountingfortheTranslationofForeignCurrencyTransactionsandForeignCurrencyFinancialStatements,(Stamford,Conn.:FASB,1975),par.2. 日 本 公 認 会 計 士 協 会 国 際 委 員 会 訳 『米 国FASB 財 務 会 計 基 準 書 ・ 外 貨 換 算 会 計 他 』, 同 文 舘 ,1984 年 ,146 頁 。FASB,StatementofFinancialAccountingStandardsNo.52 :ForeignCurrencyTranslation,(Stamford,Conn.:FASB,1981),par.2 、 同 上 訳 書 ,307 頁 ∼308 頁 。(7) 外 貨 建 取 引 等 会 計 処 理 基 準 研 究 委 員 会 『 外 貨 会 計 基 準 を め ぐ る 論 点 』,企 業 財 務 研 究 会 ,1994 年6 月 ,98 頁 。 新 井 清 光 「外 貨 建 取 引 等 会 計 処 理 基 準 の 主 な 改 訂 事 項 に つ い て 」,『 企 業 会 計 』,第47 巻 , 第9 号(1996 年9 月) ,77 頁 。(8) 穐 山 幹 夫 「 外 貨 建 取 引 等 会 計 処 理 基 準 の 改 訂 に か か お る 問 題 点 」,『 経 営 論 集 』, 第43 号(1996 年3 月) ,143 頁 ∼145 頁 。(9)FASB(1975),par.6. 前 掲 訳 書 ,148 頁 。(mibid.,par.79. 前 掲 訳 書 ,174-175 頁 。(Wlbid.,par.92. 前 掲 訳 書 ,179 頁 。(l2)Ibid.,par.8T. 前 掲 訳 書 ,177 頁 。(i)Ib 吐 ,par.88. 前 掲 訳 書 ,177 頁 。m)Ibid 。par.91. 前 掲 訳 書 ,179 頁 。 ‥ づ(5)Ibid.,par.92. 前 掲 訳 書 ,179 頁 。m)Ibid.,par.3. 前 掲 訳 書 ,147 頁レ
外貨 表 示 財 務 諸 表 の 換 算 に お け る 単 一 測 定 単 位 概 念 と 複 数 測 定 単 位 概 念 45 FASB(1981) 、op.cit.,par.4. 前 掲 訳 書 、309 頁 。(17) 機 能 通 貨 ア プ ロ ー チ の 詳 細 に つ い て は 、 以 下 を 参 照 さ れ た い 。 穐 山 幹 夫 「『機 能 通 貨 』 ア プ13 ―チ の 批 判 的 検 討 」、『 経 営 研 究 所 論 集 』、 第16 号(1993 年2 月) 、219 頁 ∼241 頁 。(18)FASB(1981),op.cit.,par.38. 前 掲 訳 書 、323 ∼324 頁 。(19)Ibid.,par.4 、 前 掲 訳 書 、309 頁 。(20)Ibid.,par.4 前 掲 訳 書 、309 頁 。(2 \)Ibid.,par.85. 前 掲 訳 書 、346 頁 。(22)Ibid.,par.88 前 掲 訳 書 、347 頁 。(2Z)Ibid.,par.75. 前 掲 訳 書 、343 頁 。(2A)Ibid.,par.86 ン 前 掲 訳 書 、346 頁レ(25) 染 谷 恭 次 郎 「 為 替 相 場 の 変 動 と 会 計 」、『 会 計 』、 第101 巻 、 第2 号(1972 年2 月) 、67 頁 。(26) 染 谷 恭 次 郎 、 前 掲 論 文 、67 頁 。・(27) 染 谷 恭 次 郎 、 前 掲 論 文 、67 頁 。(28) 染 谷 恭 次 郎 、 前 掲 論 文 、67 頁 ∼72 頁 。(29) 染 谷 恭 次 郎 、 前 掲 論 文 、72 . 頁(30) 加 古 宜 士 「 外 貨 情 報 一 海 外 活 動 の 拡 大 と 外 貨 建 取 引 等 会 計 処 理 基 準 一」、『企 業 会 計 』、 第41 巻 、 第1 号 。95 頁 。/(31) 森 藤 一 男 「『 基 礎 理 論 』 確 立 の 必 要 性 一機 能 通 貨 アプ ロ ―チを め ぐ る論 点 − 」、 染 谷 恭 次 郎 編 著 『 会 計 学 の 国 際 的 展 開 』、 中 央 経 済 社 、1989 年 、162 頁レ(32) 白 木 俊 彦 『 外 貨 換 算 会 計 基 準 の 国 際 的 調 和 』、 中 央 経 済 社 、1995 年3 月 、198 頁 。 十(33) 柴 健 次 『 外 貨 換 算 会 計 論J( 大 阪 府 立 大 学 経 済 研 究 叢 書 第65 冊) 、 大 阪 府 立 大 学 、1987 年3 月 、38 頁 。(34) 嶺 輝 子 『 外 貨 換 算 会 計 の 研 究 』、 多 賀 出 版 、1992 年2 月 、193 頁 。(35) 白 鳥 庄 之 助[ 取 得 原 価 基 準 と 外 貨 換 算] 、『 会 計 』、 第125 巻 第3 号 、90 頁 。(36)L.Lorensen /"MisconceptionsaboutTranslation' ≒CanadianCharteredAccountants,March1973,p.24.(37) 穐 山 幹 夫 、 前 掲 論 文(1988 年3 月) 、25 頁 ∼26 頁 。(38) 嶺 輝 子 、 前 掲 書 、192 頁 。(m 連 結 財 務 諸 表 と 現 地 主 義 の 関 係 に つ い て の 詳 細 、 は 穐 山 幹 夫 、 前 掲 論 文(1988 年3 月 お よ び1989 年4 月) を 参 照 さ れ た い 。 白 丁(40) 染 谷 恭 次 郎 『 国 際 会 計 一 新 し い 企 業 会 計 の 領 域 − 』、 中 央 経 済 社 、1988 年3 月 、89 頁 。(41)FASB(1981),op.cit.,par42. 前 掲 訳 書 、329 頁 ∼331 頁 。U2)Ibid.,par.4. 前 掲 訳 書 、309 頁 。(43)G.H.Mueller,InternationalAccounting,(NewYork,N.Y.,TheMacmillanCompany,1967)p.208. 兼 子 春 三 監 訳 『 国 際 会 計 論 』、 ぺ り か ん 社 、1969 年 、273 頁 。(mib 吐 、p.212. 前 掲 訳 書 、278 頁 。(45)/6zrf. 、p.163. 前 掲 訳 書 、216 頁 。(46)FASB(1975),op.cit 。par.6. 前 掲 訳 書 、148 頁 。
46 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 )
FASB(1981),op 。咄 。par4. 前 掲 訳 書 ,309 頁 。(47)M.H.Jacobi,"TheUnitofAccountinConsolidatedFinancialStatementsofMultinationalEnterprises",InternationalJournalofAccounting
,15,Spring,1980,p.23 、(1997