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カキのカロテノイド蓄積の特徴とその高含有化に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

カキのカロテノイド蓄積の特徴とその高含有化に関する研

究( 内容と審査の要旨(Summary) )

Author(s)

新川, 猛

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 乙第143号

Issue Date

2014-09-24

Type

博士論文

Version

ETD

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/50393

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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[2] 氏 名(本(国)籍) 新 川 猛(岐阜県) 学 位 の 種 類 博士(農学) 学 位 記 番 号 農博乙第143号 学 位 授 与 年 月 日 平成26年9月24日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第3条第2項該当 学 位 論 文 題 目 カキのカロテノイド蓄積の特徴とその高含有化に 関する研究 審 査 委 員 会 主査 静岡大学 教 授 加 藤 雅 也 副査 静岡大学 教 授 糠 谷 明 副査 岐阜大学 教 授 前 澤 重 禮 副査 静岡大学 准教授 山 脇 和 樹

論 文 の 内 容 の 要 旨

本学位論文は,カキの着色の主要因であるカロテノイドの蓄積メカニズムを明らかに し,樹上や収穫後のカキ果実における果皮の着色や果肉の含有量の向上などカロテノイ ドの高含有化に関する研究を行ったものである。近年,気候変動幅が大きくなり,カキ 果実では温暖化の進行に伴って果実軟化の多発や着色不良が増加する傾向が認められ る。カキ産地の維持発展のためには,温暖化条件下でも高品質な果実を安定的に生産す る必要がある。そこで,本論文では,カキ果実の成熟過程におけるカロテノイドの蓄積 メカニズムを,品種間差を比較することにより調査した。また,カロテノイド蓄積への 秋季の気温,アブシジン酸処理および貯蔵温度の及ぼす影響を調査し,果実における着 色不良改善やカロテノイドの高含有化について考察した。 カキのカロテノイド蓄積機構の解明では,カキ‘富有’を用いて,成熟に伴うカロテ ノイド蓄積と生合成に関与する酵素遺伝子の発現の特徴について調査した。果皮,果肉 いずれもカロテノイド生合成に関わる酵素遺伝子の一斉上昇に伴いカロテノイドが蓄 積したと考えられた。 カキのカロテノイド蓄積の品種間差では,完全甘ガキの‘早秋’と不完全渋ガキの‘刀 根早生’のカロテノイド含量・組成を比較し,そのメカニズムをカロテノイド生合成遺 伝子の発現を調査することにより明らかにした。 カキ‘富有’の果皮色と秋季の気温との関係では,カキ‘富有’の着色と気温との関 係を明らかにするために,過去20 年間(1993~2012 年)の夏秋季の気温と着色との関連に ついて解析を行った。その結果,カキの収穫期における着色は一般に 9~10 月の気温に大

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きく左右されていること,また,着色開始前の特定の気温の遭遇によって着色が大きく左 右されることが示唆された。 天然型アブシシン酸によるカキの着色遅延対策では,天然型アブシシン酸含有肥料の果 実散布による着色向上効果について検討し,肥料散布による着色向上は,着色開始期に移 行する時期を早めることによってもたらされているものと考えられた。 収穫後果実のカロテノイド増強方法では,カキ果実の果肉中のカロテノイド含量を増強 するため,収穫後の貯蔵温度がカロテノイド組成およびカロテノイド生合成関連酵素の遺 伝子発現レベルに及ぼす影響について調査した。25℃貯蔵では,カロテノイドが増大し, また,カロテノイド生合成に関わる酵素遺伝子発現レベルも高く推移した。 上記の研究から,カキ果実の成熟過程におけるカロテノイドの蓄積は,カロテノイド 生合成遺伝子の発現解析から,転写レベルで調節されていること,また,カキ果実のカ ロテノイド蓄積は,果実の成熟中あるいは収穫後の温度やアブシジン酸により調節され ることが結論づけられた。

審 査 結 果 の 要 旨

本論文の公開学位論文発表会は,審査委員,教員,学生の出席のもと,平成26年8 月21日(木)午後2時より静岡大学農学部A棟110号室(SINET3使用)にお いて実施された。 本論文は,カキの着色の主要因であるカロテノイドの蓄積メカニズムを明らかにし, 樹上や収穫後のカキ果実における果皮の着色や果肉の含有量の向上などカロテノイド の高含有化に関する研究を行ったものである。近年,気候変動幅が大きくなり,カキ果 実では温暖化の進行に伴って果実軟化の多発や着色不良が増加する傾向が認められる。 カキ産地の維持発展のためには,温暖化条件下でも高品質な果実を安定的に生産する必 要がある。そこで,本論文では,カキ果実の成熟過程におけるカロテノイドの蓄積メカ ニズムを,品種間差を比較することにより調査した。また,カロテノイド蓄積への秋季 の気温,アブシジン酸処理および貯蔵温度の及ぼす影響を調査し,果実における着色不 良改善やカロテノイドの高含有化について考察した。 本論文の研究内容は,大きく5部により構成される。カキのカロテノイド蓄積機構の 解明では,カキ‘富有’を用いて,成熟に伴うカロテノイド蓄積と生合成に関与する酵 素遺伝子の発現の特徴について調査した。果皮,果肉いずれもカロテノイド生合成に関 わる酵素遺伝子の一斉上昇に伴いカロテノイドが蓄積したと考えられた。 カキのカロテノイド蓄積の品種間差では,完全甘ガキの‘早秋’と不完全渋ガキの‘刀 根早生’のカロテノイド含量・組成を比較し,そのメカニズムをカロテノイド生合成遺 伝子の発現を調査することにより明らかにした。 カキ‘富有’の果皮色と秋季の気温との関係では,カキ‘富有’の着色と気温との関

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係を明らかにするために,過去20 年間(1993~2012 年)の夏秋季の気温と着色との関連に ついて解析を行った。その結果,カキの収穫期における着色は一般に 9~10 月の気温に大 きく左右されていること,また,着色開始前の特定の気温の遭遇によって着色が大きく左 右されることが示唆された。 天然型アブシシン酸によるカキの着色遅延対策では,天然型アブシシン酸含有肥料の果 実散布による着色向上効果について検討し,肥料散布による着色向上は,着色開始期に移 行する時期を早めることによってもたらされているものと考えられた。 収穫後果実のカロテノイド増強方法では,カキ果実の果肉中のカロテノイド含量を増強 するため,収穫後の貯蔵温度がカロテノイド組成およびカロテノイド生合成関連酵素の遺 伝子発現レベルに及ぼす影響について調査した。25℃貯蔵では,カロテノイド含量が増大 し,また,カロテノイド生合成に関わる酵素遺伝子発現レベルも高く推移した。 上記の研究から,カキ果実の成熟過程におけるカロテノイドの蓄積は,カロテノイド 生合成遺伝子の発現解析から,転写レベルで調節されていること,また,カキ果実のカ ロテノイド蓄積は,果実の成熟中あるいは収穫後の温度やアブシジン酸により調節され ることが結論づけられた。 以上について,審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の博士 (農学)の学位論文として十分に価値があるものと認めた。 基礎となる学術論文 1) 新川 猛・鈴木哲也・尾関 健・加藤雅也・生駒吉識.2007.カキ‘富有’の成熟に伴うカロテノ イドの蓄積特性.園芸学研究.6:251-256. 2) 新川 猛・尾関 健・加藤雅也・生駒吉識.2008.収穫後の高温処理によるカキ‘富有’果肉中の カロテノイド含量の増強.園芸学研究.7:123-128. 3) 新川 猛・加藤雅也・鈴木哲也・尾関 健・生駒吉識.2014.カキ‘早秋’と‘刀根早生’果実に おけるカロテノイド蓄積とカロテノイド生合成関連酵素遺伝子の発現特性.園芸学研究.13:53-58. 4) 新川 猛・鈴木哲也・尾関 健・西垣 孝.2014.カキ‘富有’における夏秋季の気温低下と果皮 の着色との関係.園芸学研究.13:59-65. 5) 新川 猛・加藤雅也・鈴木哲也・生駒吉識.2014.着色開始期前後の天然型アブシシン酸含有肥料 の果実散布がカキ‘富有’果実の果皮色に及ぼす影響.園芸学研究.13:267-274. 既発表学術論文 1) 新川 猛・稲荷妙子・尾関 健・三井萬丈.2005.1-メチルシクロプロペン処理による完全甘ガ キの果肉硬度保持.日本食品科学工学会誌.52:68-73. 2) 新川 猛・鈴木哲也・尾関 健・三宅紀子・倉田忠男.2011.カキ果実のビタミンC含量の品種間 差異および樹への非透水性マルチ処理によるビタミンC含量の向上.園芸学研究.10:225-231. 3) 新川 猛,鈴木哲也.2013.カキ‘太秋’のホルクロルフェニュロン展葉期散布処理によるへたの 巨大化とへたすきへの影響.園芸学研究.12:297-302.

参照

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