885
電子情報通信学会論文誌 B Vol. J91-B No. 9 p. 885 ©(社)電子情報通信学会 2008
特集
高速無線通信を支えるアンテナ・伝搬技術論文特集の
発行にあたって
高速無線通信を支えるアンテナ・伝搬技術論文特集編集委員会
委員長
宇 野 亨
高速無線通信はユビキタスネットワーク社会の実現
を支える基盤技術の一つである.中でもシステムフロ
ントエンドに直接関与するアンテナ・伝搬技術の果た
す役割は大きく,大学を含めた国公立・企業の研究機
関において活発な研究開発が進められている.具体的
には,高性能アンテナ設計・解析・測定技術,複雑な
伝搬チャネルに対する理論解析やモデリング技術,測
定技術等である.このような状況を踏まえて編集され
たのが本特集であり,各種アンテナ素子,アンテナシ
ステム,伝搬関連分野の設計及びこれらに関連する解
析・測定を中心とした幅広い分野の最新技術に関する
論文を収録している.本特集ではまず,高速無線通信
が実現される次世代移動通信システムにおける基地
局・端末アンテナへの課題,広帯域移動体通信におけ
る時空間電波伝搬モデル,広帯域性,低コスト性から
復権を果たしつつある開口面アンテナの解析法,共通
基盤技術である誘電体を含むモーメント法に関して,
第一線で活躍する方に1編の解説論文と3編の招待論文
とを執筆頂き,最新技術とともに研究・開発動向の概
要が把握できるように構成した.また募集に対しては
31編の論文・レターが投稿され,15編(レター 2編を
含む)が掲載されることとなった.掲載論文の内訳は,
アンテナ設計・解析(5編),伝搬を含むアンテナシス
テム(6編),人体の影響やアンテナ測定(3編),電磁
界解析(1編)である.
本特集がアンテナ・伝搬をはじめとする無線関連の
研究者・技術者の参考となり,高速無線通信システム
の構築に少なからず貢献するものと信ずる.多数の優
れた論文を投稿頂いた方々の活発な研究活動に敬意を
表するとともに,論文査読に御協力頂いた方々,企画
及び編集に御尽力頂いた編集委員及び学会事務局の
方々に深く謝意を表する.
このような多くの方々の努力によって素晴らしい特
集を編集することができたという確信をもつ一方で,
本特集が広く読まれる論文誌になるかどうかについて
は危惧の念を拭い去ることができない.最近本会論文
誌を読まなくなった,という声をよく聞くからであ
る.この原因は明らかで,本会が紙ベースの論文誌を
発行しなくなったからである.筆者は自分の論文を読
んでもらうことが最大の喜びであり,本会もこれが第
1の目的であることを考えると,このような状況をい
ち早く払拭すべきではないだろうか.また,ウィンド
ウショッピング的な論文の読み方があってこそ新しい
発想が芽生えるのではないだろうか.
宇
う
野
の
亨
とおる
(正員) 昭60東北大学大学院博士課程了.工博.
同年同大工学部助手,平3同助教授,平10東京農工大・工・教授.
平10 ∼ 11ペンシルベニア州立大学客員研究員.この間,電磁波
における逆問題,計算電磁気学,アンテナと人体との電磁相互
作用等の研究に従事.平元本会篠原記念学術奨励賞.平19同通
信ソサイエティ優秀論文賞.著書「FDTD法による電磁界およ
びアンテナ解析」など.AGU,ACES,日本シミュレーション
学会,日本文化財探査学会各会員,IEEEシニア会員.
高速無線通信を支えるアンテナ・伝搬技術論文特集編集委員会
委 員 長 宇 野 亨
幹 事 高 橋 応 明 ・ 宮 下 裕 章
委 員 石 井 望 ・ 今 井 哲 朗 ・ 鷹 取 泰 司 ・ 長 敬 三
陳 強 ・ 前 山 利 幸 ・ 山 田 寛 喜