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食品成分による脂質代謝の調節機構に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

食品成分による脂質代謝の調節機構に関する研究( 内容の要

旨 )

Author(s)

島田, 康彦

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第297号

Issue Date

2003-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2638

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本掴)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番・号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位

文 題 目 審 査 委 員 会 島 田 康 彦 (静岡県) 博士(農学) 農博甲第297号 平成▲15年3月13日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 静岡大学 食品成分による脂質代謝の調節機構に関する研究 主査 静岡大学 教 授 杉 山 公 男 副査 静岡大学 助教授 森 田 達 也 副査 岐阜大学 教 授 柘 植 治 人 副査 信州大学 教 授 唐 澤 豊 論 文 の 内 容 の シイタケ(Lentinusedodes)に含まれるエリタデニン(Er)、含硫アミノ酸であるメチ オニン(Met)、主要なリン脂質4)-つであるホスファチジルエタノールアミン(PE)の構 成塩基であるエタノールアミン(弘)は、脂質代謝に影響を及ぼすことが知られてレ.ゝる食 品成分であるが、・これらはリン脂質、脂肪酸およびコレステロールの代謝に影響を及ぼすと いう共通点を有する。本研究は、とれらの食品成分について(i)脂質代謝に及ぼす未解明 の作用機構を明らかにする、(ii)リン脂質、脾肪酸およびコレステロールの代謝に及ぼす 影響は互いにリンクしているのではないかとの仮説を検証する、(iii)肝輝ミクロソームの リン脂質組成の変化が脂質代謝全般の変化の引き金になっているとの考え方を検証する、な どを目的に行われたものである。主な功究結果は以下の通りである。 (1)脂質代謝に及ぼすErの影響についていくつかの実験を行った。①食餌へのコレス テロール無添加および添加の実験条件下でErの影響を検討した。食餌添加Er(0.005%) はコレステロール無添加食および添加食投与ラットでそれぞれ主な血祭リポタンパク質であ るHDLとVLDLに含まれるコレステロール濃度を顕著に低下させた。肝臓ミクロソームの

PC/PE比、A6一不飽和化酵素(D6D)活性、ホスファチジルコリン(PC)のアラキドン酸仏心/

リノ ル酸(LA)比は外因性コレステロールの有無に拘わらずErセ顕著に低下した。また、 Erは外因性コレステロールの有無に拘わらず肝臓ミクロソームおよび血妓各リポタンパク 質のPC中の・16か18:2の割合の顕著な上昇と18‥0-20:4の割合の顕著な低下をもたらした。

②食餌コーン油(リノ→ル酸)含量を変化させてリノール酸代謝に及ぼすシイタケ粉末(2元

添加)の影響を検討した。肝臓ミクロソームおよび血躾PC中の16:0-18:2の割合はリノー ル酸摂取量を増加させると上昇するが、シイタケ(Er)によりリノール酸代謝を抑制した場

合の方かより顕著に上昇することなどを明らかにした。③摂取油脂の種類とErの効果との

関係を特にD6D活性に焦点を当てて検討した・D6D活性は′トム油に比べてオリーブ油や サフラワー油摂取で低下するが、Erは不飽和脂肪酸とは異なる様式でD6D活性を低下させ

(3)

-69-ることを明確にした。④コントロール食からEr添加食に切り準えた場合の脂質代謝に関わ

る各/1ラメ一夕の変化を経時的に追跡したところ、変化速度は次の順で速かった;肝臓ミク ロソームのリン脂質組成>D6P活性>pCの脂肪酸および分子種組成>血躾コレステロール 濃度。また、ErによるD6D活性の低下はmRNAの減少を伴うことも明らかに した。 (2)脂質代軸に及ぼすErの作用機構が特殊なものか、あるいは一般的なものなのかを 明らかにするため、BrとEAの効果を比較検討した。食餌にEr'を0.005%あるいはEAを 0.8%添加してラットに2週間与えた。ErとEAはともに血衆コレステロール濃度を顕著に

低下させた。肝臓ミクワソームのPE濃度はErとEAにより顕著に上昇し、これは肝臓の

ミトコンドリアや形質膜でも見られた。肝臓ミクロソームのD5D、D6DおよびD9D活性 はいずれもErとEAにより有意に低下した。肝臓(ミクロソーム、ミトコンドリア、形質 膜)のPCのAA/LA比はErとEAによ・り有意に低下した。肝臓ミクロソームと血躾PC中 の16:0-18:2の割合はErとEAにより顕著に上昇し、逆に18:0-20:4の割合は顕著に低下 した。こ.のように脂質代謝に及ぼすErとEAの影響には本質的な遠いは見られず、Erの 作用機構は特殊なものではないと考えられた。 (3)脂質代謝は食餌たんばく質の種類や量の違いの影響を受けるが、この原因に食餌中 のMet含量が関わっている可能性を検討した。カゼイン含量を変化(0∼40%)させた食餌 をラットに2週間与えたところ、肝臓SAM濃度、ミクロソームのPC/PE比、D6D活性、

pcのAA/m比および血渠コレステロール濃度は食餌カゼイン含量の増加に倖って上昇し

た。低(10%)カゼイン食に25%カゼイン食と同等になるようにMetを添加したところ、 各パラメータは25%カゼイン食投与ラットのレベルまで上昇した。一方、低カゼイン食にCys を添加してもほとんど効果が見られず、また、Met+-Glyの添加ではMetの効果が強く抑

制された。これらの結果から、脂質代師こ及ぼす食餌たんばく質の量の影響には食餌中のMet

含量の違いが関与すること、また、食餌Met含量は肝臓ミクロソームのPE濃度に影響を及 ぼし、それがD6D活性に反映していろことが示唆された。 (4)コリンとMetは抗脂肪肝因子として古くから知られているが、脂質代謝に及ぼす これら抗腐肪肝因子の影響が詳しく比較検討された例はあまりない。食餌中のコリンとMet 含量を変化させた食餌をラットに与え、脂質代謝に及ぼす影響を検討した。脂肪肝は食餌中 のコリンあるいはMetを高めることで効果的に抑制されるが、肝臓ミクロソ⊥ムのPE濃度、 D6D活性、PCの脂肪酸組成、血衆コレステロール濃度に及ぼす影響には明確な違いが見ら れることを明・らかにした。その原因として、Metは肝臓ミクロソームのPE濃度を変化させ るのに対レ、コリンはPE濃度にあまり影響を及ぼさないという2つのPC合成経路の性質 の違いが関与するものと考えられた。 以上のように、Er、EA、Metという特殊および一般的な食品成分の脂質代謝に及ぼす影 響を検討し、これらはいずれも肝臓ミクロソームのPE濃度を変化させ、それがD6D活性、 脂肪酸代謝、さらには±レステロール代謝の変化の引き金になっているという図式が浮草彫 りにされた。 審 査 結 果 の 要 旨 生体における主要な脂質(コレステロール、脂肪酸、リン脂質)の食品成分による代謝制

御は栄華学上の重要な研究課題の一うである。本論文は、シイタケ(加点血u5e血de5)に

含まれるエリタデニン(Er)、含硫アミノ酸であるメチオニン(Met)、リン脂質の一つで あるホスファチジルエタノールアミン(PE)の構成塩基であるエタノールアミン(EA)を 取り上げ、これらの食品成分がどのような機構で脂質代謝に影響を及ぼすのかを明らかにし

(4)

-70-ようとしたものである。得られた知見は以下の通りである。 (1')脂質代謝に及ぼすErの影響:①食餌添加Erは食餌へのコレステロール(CHOL)' ●添加の有無に拘わらず血柴CHOL濃度、肝臓ミクロソームのホスファチジルコリン(PC) /PE比、A6一不飽和化酵素(D6D)活性、PCのアラキドン酸仏A)/リノール酸.(LA)比 を顕著た低下させた.また、Erは外因性C豆OLの有無に拘わらず肝臓ミクロソームおよび 血族各リポタンパク質のPC中の16:0-18:2の割合の顕著な上昇と18:0-2P頭の割合の顕著 な低下をもたらした。②pc中の16:0-18:2の割合はリノ⊥ル酸摂取量を増加させると上 昇するが、シイタケ(Er)によりリノール酸代謝を抑制した場合の方がより顕著に上昇し た。③D6D活性はパーム油に比べてオリーブ油やサフラワー油摂取で低下するが、Erは 不飽和胎肪酸とな異なる様式でD6D帝畦を低下させた。④コントロール食からEr添加食 に切り換えた場合の脂質代謝に関わる各パラメータの変化を経時的に追跡し、肝臓ミクロソ ームのリン脂質組成→D6D活性→PCの脂肪酸および分子種組成→血躾CHOL濃度の順で 変化した。また、ErによるD6D活性の低下はmRNAの減少を伴っていた。 (2)Er't EAの効果の比較検討:食餌添加ErあるいはEAは共に血衆CHOL濃度、 肝臓ミクロソームのD5D、b6DおよびD9D活性ならびにPCのAA/LA比を顕著に低下 させ、肝臓ミクロソ「ムのPE濃度を顕著に上昇させた。このように、脂質代謝に及ぼすEr とEAの影響に本質的な違いは見られず、Erの作用機構は特殊なもので昧ないと結論した。 (3)Metの効果:肝臓SAM濃度、ミクロソームのPC/PE比、D6D活性、PCのAA/LA 比および血腫CHOL濃度は食餌カゼイン含量の増加に伴って上昇した。低(10%)カゼイ ン食に25%カゼイン食と同等になるようにMetを添加すると、各パラメータは25%カゼイ ン食投与ラットのレベルまで上昇した。一方、Cys添加.はほとんど効具を示さず、Met+Gly の添加はMe亡の効果を強く抑制した。これらの結果は、脾質代謝に及ぼす食餌たんばく質 の量の影響には食餌中のMet含量の違いが関与すること、また、食餌Met含量は肝臓ミク ロソームのPE濃度に・影響を及ぼし、それがD6D活性に反映していることを示している。 (4)Metとコリンの効果の比較検討:脂肪肝は食餌中のコリンあるいはMe亡を高める ことで効果的に抑制されるが、肝臓ミクロソームのPE濃度、D6D活性、PCの脂肪酸組成、 血焚CHOL濃度に及ぼすこれらリボトロTプの影響には明確な違いが見られ、その原因と して、PC合成経路の性質の違いが関与することが推察された。 このように本論文は、Er、EA、Metという特殊および†般的な食品成分の脂質代謝に及 ぼす感響を検討し、これらはいずれも肝臓ミクロソームのPE濃度を変化させ、それがD6D 活性、脂肪酸代謝、さらにはCHOL代謝の変化の引き金になっているという新しい図式を 浮き彫りにしたもので、栄養学の研究分野で価値ある知見を提供していると考えられた。 以上について、審査委鼻全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位詩文と して十分価値あるものと認めた。 <基礎となる学術論文> 1)Shimada,Y・,Morita,T・,andSugiyaTna,K・:EfftctsofLentb7LLSedo血onfattyacidandmolecular SpeCiesprofilesofphosphatidylcholineinratsftddifftren11eve!sofcomod.Biosci.Bioteclmol. Biodほm・,66,1759-1763(2002). 2)Shimada,Y・,Morita,T・,andSugiyama,K・:LivermicrosomalA6-desaluraseac(ivi(yincreasesin respon?etOdietaTymelhioI血einrats・Biosci・Biotechnol.Biochem.,67,inpress(2003). 3)Shimada,Y・,Morita,T・,andSugiya鱒,E・:Dielaryeritadenineandelhanolaminedepressfat(yacid desaturaseactiviliesbyincreaslnglivermicrosomalphosphatidylelhanolamineinrats.J.Nutr.133, inp梓SS(2003). 4)Shimada,Y・,Morita,T・,andSugiyama,K・:E脆ptsofdietaryeriladenineon△6Jesaluraseactivity andfaLlyacidprofilesofseveralJipidsinratsftd・di脆renlfats・Biosci・Biotechnol・Biochem・,66, 1605-1609(2002)・

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