Title
化学-酵素法によるシアロ糖鎖合成と応用に関する研究( 内
容の要旨 )
Author(s)
牧村, 裕
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第126号
Issue Date
1998-03-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/2467
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(国籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与 の 要件 研究科及 び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 事 査 委 旦 牧 村 裕 (奈良県) 博士(農学) 農博甲第126号 平成10年3月13日 学位規則第4粂第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学 化学一帯乗法によるシアロ糖鎖合成と応用に関 する研究 主査 岐 阜 大 学 教 授 副査 岐 阜 大 学 助教授 副査 静 岡 大 学 教 授 副査 信 州 大 学 教 授 副査 静 岡 大 学 教 授 眞治 男 紘 市 秀 美 泰 骨 田 藤 原 水 木 石 衛 茅 堆 論 文 の 内 容 の 要 旨 分子中にq-シアリル結合を有する糖鎖は細胞の分化、癌化、増殖等に深く関係しており、 その重要性からこれらシアロ糖鎖め合成が活発に行われている。 化学合成法は糖鎖の自在な構築が可能であるが、それ故に反応のコントロールを行うた めに、多段階の保護、脱保護の手順を必要とする。糖転移酵素を用いた合成で化学一酵素 法の報告はすでになされているが、その限定された反応性故に目的の反応を触媒する酵素 の入手は困難を要する。また糖受容体の構造にもかなり制限を受ける。J.ThiemらはV. cboleraeのシアリダーゼを用いて、叫2→6)結合を主生成物とするシアリルラクトースの合 成を行った。またK.AjisakaらはNeⅧaStlediseaseviruSのシアリダーゼでシァル酸ダイマー を糖供与体として使用し、シアリルα(2→3)ラクトース、シアリルα(2→3)ラクトサミンの 合成に成功した。 本研究ではシアロ糖鎖の化学一酵素法による効率的な合成を目的として、最も基本的なガ ングリオシドでガラクトースやラクトースから合成できるGM4、GM3ガングリオシドの 糖鎖エピトープ、そして癌関連抗原、白血球接着分子セレクチンファミリーの糖鎖リガン ドとして重要な役割を果しているシアリルルイスⅩ(丸eX)、シアリルルイスA(SLea)とその 類縁体を選択し、それぞれシアリダーゼによる位置及びムー選択的シアリル化を鍵反応とし て検討を行った。 化学法においては酵素反応に用いる3糖アクセプターをチオグリコシル体をドナーとし
て用いた縮合により合成した。一方酵素反応物の標準物質として、また化学法、酵素法そ れぞれの合成効率を比較する目的でsLeX、SLea4糖体も合成した。3糖体合成の中間物質 を用いて適度に水酸基の保護を行い、シァル酸のフェニルチオグリコシド体、及びNIS (脾iodosuccinimide)-TfOH(trifluoromethanesulfonicacid)をプロモーターとして用い、ア セトニトリル溶媒下で縮合を行って位置及び立体選択的にシアリル化を行った。その後脱 保護によりそれぞれ目的の4糖体(SLeX、SLさa)を得ることが出来た。 酵素法においてはまず位置選択性を得るために酵素の選択を行った。シアリダーゼの中 でサルモネラ菌体由来のものは高い基質特異性を持つことから糖転移についても目的の結
合を得られることが期待される。そこで本研究ではこの酵素を選択し、糖供与体に均一ニ
トロフェニルシァル酸を用いて縮合を行った。まずガラクトースについて反応を行ない、 標識化合物を結合させHPLC分析を行ったところ酵素反応物のピークが検出され、その溶 出時間は化学合成品のそれと一致した。またシアリダーゼによる加水分解の影響を減少さ せるためにラクトースとの酵素反応においては有機溶媒の効果についても調査し、それぞ れアセトニトリル、DMSO(dimethylsulfoxide)、アセトンの3種で検討を行ったところ、 同様に酵素反応物のピークが検出されこの溶出時間も合成品と一致した。またそれぞれの 有横溶媒についてはアセトニトリルで収率が最高値を示した。これらの結果をもとに合成 3糖についてもシアリル化を行い良好な結果を得た。更にその応用として、反応スケール を上げて標識化合物を使わない分取法の検討を行い、全ての化合物について標的化合物の 単柾、構造決定に成功した。-85-Gal′■ La。;
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るシアリルラクトースの合成を行った。またKAjisakaらはNewcastlediseaseviruSの シアリグーゼでシァル酸ダイマーを糖供与体として使用し、シアリルα(2→3)ラクトース、シアリルα(2→3)ラクトサミンの合成に成功した。本研究ではシアロ糖鎖の 化学一酵素法による効率的な合成を目的として、最も基本的なガングリオシドでガラ クトースやラクトースから合成できるGM4、GM3ガングリオシドの糖鎖エピトー プ、そして癌関連抗原、白血球接着分子セレクチンファミリーの糖鎖リガンドとし て重要な役割を果しているシアリルルイスX(SLeX)、シアリルルイスA(SLea)とその 類縁体を選択し、それぞれシアリグーゼによる位置及びα一選択的シアリル化を鍵反 応として検討を行った。 化学法においては酵素反応に用いる3糖アクセプターをチオグリコシル体をドナーと して用いた縮合により合成した。一方酵素反応物の標準物質として、また化学法、酵 素法それぞれの合成効率を比較する目的でSLeX、SLea4糖体も合成した。3糖体合 成の中間物質を用いて適度に水酸基の保護を行い、シァル酸のフェニルチオグリコシ ド体、及びNIS(NiodosuccinimideナTfOH(trifluoromethanesulfonicacid)をプロモーター として用い、アセトニトリル溶媒下で縮合を行って位置及び立体選択的にシアリル化 を行った。その後脱保護によりそれぞれ目的の4糖体(SLeX、S事Jea)を得ることが出来 た。 酵素法においてはまず位置選択性を得るために酵素の選択を行った。シアリグーゼの 中でサルモネラ菌体由来のものは高い基質特異性を持つことから糖転移についても目 的の結合を得られることが期待される。そこで本研究ではこの酵素を選択し、糖供与
体には♪ニトロフェニルシァル酸を用いて縮合を行った。まずガラクトースについ
て反応を行ない、標識化合物を結合させHPLC分析を行ったところ酵素反応物のピー
クが検出され、その溶出時間は化学合成品のそれと一致した。またシアリグーゼによ る加水分解の影響を減少させるためにラクトースとの酵素反応においては有機溶媒の 効果についても調査し、それぞれアセトニトリル、DMSO(dimethylstllfbxide)、アセ トンの3種で検討を行ったところ、同様に酵素反応物のピークが検出されこの溶出時 間も合成品と一致した。またそれぞれの有機溶媒についてはアセトニトリルで収率が 最高値を示した。これらの結果をもとに合成3糖についてもシアリル化を行い良好な 結果を得た。更にその応用として、反応スケールを上げて標識化合物を使わない分取 法の検討を行い、全ての化合物について標的化合物の単離、構造決定に成功した。 以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論 文として十分価値あるものと認めた。 R=0ⅠもNⅡAc Chemicaland enzymaticsialylation † GM4卵eひGal);GM3岬eu心c):こご…
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ノ Hαl′・-87-1)Y・Makimura・H・Ishida・M・KisoandA・Hasegawa,J・Carbohydr.Chem.,15,(9), 1097-1118(1996)・(MarcelDekker,国際糖質学会)
2)Y・Makimura,H・[shida,A・Kondo,A.HasegawaandM.Kiso, J・Carbohydr・Chem・,17,inpress.(同上)