• 検索結果がありません。

浮屋根付き石油タンクの地震時スロッシング解析ソフトの開発

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "浮屋根付き石油タンクの地震時スロッシング解析ソフトの開発"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)主要な研究成果. 浮屋根付き石油タンクの地震時スロッシング解析ソフトの開発 背 景 石油タンクの液面は揮発防止のために薄肉の柔な鋼板(浮屋根)で覆われているものが多く、例えば 2003 年十勝沖地震時には、石油タンクの浮屋根が過大に揺動し、浮屋根の損傷・沈没やタンク火災などに至った事 例がある。このような被害が起こる可能性を数値シミュレーションで評価するには、流体と柔な薄肉構造物の 相互作用を考慮した連成解析が必要となる。既往の手法では連成条件を満たすための膨大な繰り返し計算が必 要となり、計算時間が非現実的なものとなる。このため、実用的な連成解析ソフトの開発が望まれる。. 目 的 石油(粘性流体)と浮屋根(薄肉構造物)の連成運動を効率的に解析できる数値解析モデルを新たに考案し、 地震時における石油タンク内スロッシング現象を再現しうる流体構造連成解析ソフト SMART-slg を開発す る。このソフトによって浮屋根の変形挙動をコンピュータ上で予測・評価する。. 主な成果 1.浮屋根モデルの考案 既往のモデルでは、図 1(a)に示すように構造物と流体を接触面を介して分離して取り扱うため、両者の 接触面で変位と応力の連続条件を満たすための膨大な繰り返し計算が必要となる。一方、考案した新しいモ デルでは、浮屋根が薄肉構造であることを利用して、図 1(b)に示すように流体表面と浮屋根とを一体化し て取り扱う点に特徴がある。このような取り扱いによって、変位の連続性を自動的に満たすことができ、さ らに、浮屋根運動の影響(つまり、浮屋根質量に起因する慣性力と曲げ剛性に起因する復元力)を、浮屋根 運動に応じた応力を流体表面に与えることで模擬することができる。このようなモデル化によって各時間ス テップでの繰り返し計算が不要となり、計算時間の大幅な短縮を可能とした。また、浮屋根モデルを含む流 体運動は、全て有限要素法にて定式化しており、実際の石油タンクの連成解析を実用的な計算時間で行うこ とができる。 2.解析手法の妥当性評価 考案した浮屋根モデルを検証するために、当所で実施した浮屋根付き矩形タンク模型の加振実験* 1 を対 象として、浮屋根有り/浮屋根なしの 2 ケースを解析した。解析の入力波としては加振台で測定された加速 度(図 2)を用いた。解析の結果、図 3 に示すような各時刻のスロッシング挙動が得られ、浮屋根なしの ケースで得られた液位の時刻歴と浮屋根有りのケースで得られた浮屋根変位の時刻歴はそれぞれ図 4(a)、 (b)に示すものとなった。浮屋根有りの場合(図 4(b))には、容器壁との摩擦力がモデル化されていない ことから浮屋根変位の振幅が実験に比べて大きくなる傾向がある。しかし、スケールの大きい実機石油タン クにおいては、摩擦力(接触面積に比例)の影響は地震力(体積に比例)に比べて相対的に低減するので、 本モデルによって合理的かつ安全側の実機解析が行えるものと考えられる。. 今後の展開 今後は、実際の石油タンクに対する地震時スロッシング評価、浮屋根の設計合理化に本ソフトを適用する。 主担当者 関連報告書. 地球工学研究所 流体科学領域 上席研究員 江口 譲 「流体粘性・乱流を考慮したタンク内液体スロッシング解析コード SMART-slg の開発」電 力中央研究所報告: N06027(2007 年 5 月). * 1 :佐藤雄亮、酒井理哉、佐藤清隆、東貞成、浮屋根付タンクにおけるスロッシング挙動把握のための 2 次元による 検討、土木学会第 62 回年次学術講演会論文集、pp.1133-1134(平成19年 9 月). 130.

(2) 10.先端的基礎研究. 流体境界に一体 化させた浮屋根 (数値モデル). 浮屋根 (薄肉構造). 接触面 石油 (粘性流体) 図1(a)従来モデルの概念図 30. (b)本モデルの概念図. 自由液面のみ(浮屋根なし) 浮屋根有り. 加振加速度(gal). 20. 10. 0. -10. -20. -30. 0. 10. 20. 30 時間 (sec). 40. 50. t = 60.750sec (c)CRIEPI2007. 60. 図3 矩形タンク加振実験解析で得られた スロッシング挙動の一例 (朱色部は浮屋根の外周を、格子状の線 は六面体有限要素の形状を表す。). 図2 解析に使用した入力波[加振台での測定加速度] (実験では、2003 年十勝沖地震の苫小牧地区での観測 波の南北成分 [ 時間軸を 0.455 倍に、加速度振幅を 0.5 倍に加工したもの ] を入力波として使用している。) 200. 200 実験(佐藤ら, 2007) SMART-slgによる解析結果. 150. 浮屋根の変位(mm)  . 150. 水位 (mm). 100. 100. 50 0. 50 0. -50. -50. -100. -100. -150. 実験(佐藤ら, 2007) SMART-slgによる解析結果. 0. 10. 20. 30 40 時間 (sec). 50. -150. 60. (a)浮屋根なしの場合の液位変化. 0. 10. 20. 30 40 時間 (sec). 50. 60. (b) 浮屋根有りの場合の浮屋根変動. 図4 容器端での液面変位(液位)と浮屋根変位の時刻歴 (解析で得られたスロッシング振幅は実験値よりも大きくなる傾向にある。その原因として、浮屋根なしの場 合は流体と容器壁との流動摩擦力が考慮されていないことが考えられる。浮屋根有りの場合は、さらに浮屋 根と容器の間の接触摩擦力が考慮されていないことも原因として考えられる。). 131. 10.

(3)

参照

関連したドキュメント

重回帰分析,相関分析の結果を参考に,初期モデル

うのも、それは現物を直接に示すことによってしか説明できないタイプの概念である上に、その現物というのが、

このような情念の側面を取り扱わないことには それなりの理由がある。しかし、リードもまた

3.5 今回工認モデルの妥当性検証 今回工認モデルの妥当性検証として,過去の地震観測記録でベンチマーキングした別の

手動のレバーを押して津波がどのようにして起きるかを観察 することができます。シミュレーターの前には、 「地図で見る日本

解析モデル平面図 【参考】 修正モデル.. 解析モデル断面図(その2)

2 次元 FEM 解析モデルを添図 2-1 に示す。なお,2 次元 FEM 解析モデルには,地震 観測時点の建屋の質量状態を反映させる。.

7 号機原子炉建屋(以下「K7R/B」という。 )の建屋モデル及び隣接応答倍率を図 2-1~図 2-5 に,コントロール建屋(以下「C/B」という。