単体:
1
種類の元素から成る物質 化合物:2
種類以上の元素から成る物質 化合物と単体を合わせて純物質という 単体のうち、互いに性質が異なるものを同素体というC
(炭素):ダイヤモンド,黒鉛(グラファイト),フラーレン,...
などO
(酸素):O
2(酸素),O
3(オゾン)P
(リン):P
4(黄リン),P
x(赤リン)S
(硫黄):S
8(斜方硫黄:常温で安定),S
8(単斜硫黄),S
x(ゴム状硫黄:CS
2 に不溶)Fe
(鉄):フェライト(α
鉄,体心立方格子),オーステナイト(β
鉄,面心立方格子),デルタ フェライト(δ
鉄,体心立方格子) 熱運動,絶対温度(
ケルビンK)
,0
◦C = 273 K
物質の三態:固体,液体,気体 同位体,中性子数,放射性同位体,α
壊変,β
壊変,ガンマγ
壊変 電子殻,K
軌道,オクテット則,電子の最大収容数= 2n
2,s
軌道,p
軌道 以下の四つは3
族から12
族を除いた周期表で説明する 原子半径:右側ほど小さくなる,希ガスは例外的に大きくなる,下側ほど大きくなる 第一イオン化エネルギー:右側ほど大きくなる,下側ほど小さくなる,最大はHe
,小さいほど 陽イオンになりやすい 電子親和力:ハロゲンで最大,Cl > F > Br
電気陰性度:右側ほど大きくなる,希ガスの値はなし,下側ほど小さくなる 周期表,メンデレーエフ,周期,族,典型元素,遷移元素 イオン結晶:組成式で表す,硬いが割れやすい(へきかい劈開),融点は高い*1,水に溶けやすいものが多 い,電気伝導性;固体×
,ゆうかい融解液(液体)〇,水溶液 〇 イオン結晶の構造:塩化ナトリウム型(6
配位),塩化セシウム型(8
配位), せん 閃 あ 亜 えん 鉛 こう 鉱(ZnS)
型 (4
配位) 共有結合,配位結合 分子間力 ファンデルワールス力:似た構造では分子量が大きいほど強い,同じ分子量では表面積が大きい ほど強い 静電気的な引力:分子量がほぼ同じの場合は極性分子の方が沸点が高い 水素結合:F, O, N (
×Cl)
分子結晶:分子式で表す,融点・沸点は低い,電気を導かない,昇華するものがある;ヨウ素(I
2)
,ナフタレン(C
10H
8)
,二酸化炭素(CO
2)
,ヒ素(As)
, パラp -
ジクロロベンゼン(C
6H
4Cl
2)
共有結合の結晶:組成式で表す,硬い(黒鉛は例外),電気を導かない(黒鉛は導く),融点は高 い*2主な物質:ダイヤモンド
(C)
,黒鉛(C)
,ケイ素(Si)
,二酸化ケイ素(SiO
2)
,炭化ケイ素(SiC)
金属結晶:組成式で表す,金属光沢,電気伝導性(
Ag
が最も高い),熱伝導性(Ag
が最も高い)
, 展性(Au
が最も大きい),延性(Au
が最も大きい),融点は高いものから低いものまである*3 *1具体的には 300◦C~2500◦C くらいと覚えると良い。 *2Si が 1410◦C、ダイヤモンドが約 4000◦C。 *3最低は Hg(水銀)の−39◦C,最高は W(タングステン)の 3410◦C。遷移金属(ランタノイドとアク チノイドを除く)に限ると、Ag(銀)962◦C ~W 3410◦C。典型金属に限ると、Hg−39◦C ~Be(ベ金属結晶の構造:体心立方格子(
8
配位),面心立方格子(12
配位,最密充填),六方最密構造 (12
配位,最密充填)相対質量:12
C
が基準原子量,分子量,式量,物質量,アボガドロ定数アボガドロの法則:同温・同圧・同体積の気体 中には同数の分子が含まれる
標準状態
(0
◦C, 1013 hPa = 1.013
×10
5Pa)
では1 mol
あたりの体積は22.4 L
*4質量パーセント濃度:溶質の質量 溶液の質量
×100
〔%
〕 モル濃度:溶質の物質量 溶液の体積 〔mol/L
〕 質量モル濃度:溶質の物質量 溶媒の質量 〔mol/kg
〕 水和物の水溶液を作る場合は溶質・溶媒の量に注意する 質量モル濃度は沸点上昇・凝固点降下で使用する原子説(デモクリトス),四元素説(アリスト テレス) 化学の基本法則 質量保存の法則(ラボアジエ,1774
年) 定比例の法則(一定組成の法則,プルースト, 1799
年) 例:水は製法によらず水素と酸素の質量比は1:8
倍数比例の法則(倍数組成の法則,ドルトン,1803
年) 例:CuO
とCu
2O
において一定量の酸素と化合する銅の質量は簡単な整数比(1:2)
で表すこと ができる 気体反応の法則(反応体積比の法則,ゲーリュサック,1808
年) アボガドロの法則(アボガドロ,1811
年) 原子説(ドルトン),分子説(アボガドロ) 酸と塩基:アレニウスの定義,ブレンステッド・ローリーの定義pH=
−log
10[H
+]
−log
10a×10
−b=b
−log
10a
主な強酸:
H
2SO
4, HNO
3, HCl
10
倍希釈→pH
は酸の場合は1
上昇,塩基の場合は1
減少 ただし、希釈してpH
が6
~8
になるかpH 7
をまたぐ場合は水の電離も考える 正塩,酸性塩,塩基性塩 ※酸性・塩基性は水溶液の液性を表すものではない 例:酸性塩NaHCO
3の水溶液は弱塩基性 緩衝液:弱酸(弱塩基)とその塩の混合水溶液,少量の酸や塩基を加えてもpH
のあまり変化し ない 酸化:酸素を得る,水素を失う,電子を失う 還元:酸素を失う,水素を得る,電子を得る 主な酸化剤:HNO
3, MnO
4−, Cr
2O
72−, H
2O
2 主な還元剤:H
2S, SnCl
2, KI, SO
2 ※H
2O
2は還元剤、SO
2は酸化剤にもなる 鉄の製錬 鉄鉱石(主成分Fe
2O
3)をコークス(C)
と石灰石(CaCO
3)
とともに溶鉱炉で還元する 溶鉱炉で得られたものはせんてつ銑鉄といい約4 %
の炭素を含む リリウム)1278◦C。 *425◦C = 298K, 1.0×105 Pa では 24.8 Lまた鉄鉱石に含まれる不純物の
Si
はスラグ(CaSiO
3)
として回収され、セメントの原料などに なる 銑鉄は転炉で高圧の酸素を吹き込み、炭素などを取り除き こう 鋼とする 鋼は炭素の含有量によって三つに分類される 軟鋼: 硬鋼: ちゅう 鋳てつ鉄: アルミニウムの製錬 バイヤー法 ボーキサイト(主成分Al
2O
3)を濃NaOH
水溶液に加えると、両性酸化物のAl
2O
3は溶ける が鉄などの不純物は沈殿するAl
2O
3+ 2NaOH + 3H
2O
→2Na
++ 2[Al(OH)
4]
−これを冷却して水を加えると、
OH
−の濃度が低下して平衡が右に移動してAl(OH)
3が沈殿 する[Al(OH)
4]
−⇄ Al(OH)
3+ OH
− 得られたAl(OH)
3を約1200
◦C
で加熱することでAl
2O
3が得られる2Al(OH)
3→Al
2O
3+ 3H
2O
溶融塩電解(ホール・エルー法)Al
2O
3(融点:約2000
◦C
)に氷晶石を加えると約1000
◦C
で ゆうかい 融解するAl
2O
3⇄ 2Al
3++ 3O
2− これを炭素を電極にして電気分解することでAl
を得られる 陽極でCO
とCO
2が発生、陰極でAl
が析出Cu
の製錬黄銅鉱(主成分
CuFeS
2)をコークス(C)
と石灰石(CaCO
3)
とケイ砂(SiO
2)
とともに溶鉱炉で約
1200
◦C
で加熱する4CuFeS
2+ 9O
2→2Cu
2S + Fe
2O
3+ 6SO
2Fe
2O
3はケイ砂と反応してFeSiO
3( からみ 鍰 )となりスラグとして分離されるCu
2S
( かわ 鈹)は転炉で高温の空気を吹き込み純度99 %
の粗銅となるCu
2S + O
2→2Cu + SO
2 電解精錬 粗銅を陽極、純銅を陰極として硫酸酸性の硫酸銅(Ⅱ)水溶液中で電気分解することで陰極で純 銅(純度99.99 %
)を得られる 粗銅に含まれる不純物のうち、Cu
よりイオン化傾向の大きいFe
やNi
は陰極では還元されず、 イオン化傾向の小さいAu
やPt
と水に不溶のPbSO
4は陽極泥として沈殿する ボルタ電池:(
−) Zn
|H
2SO
4aq
|Cu (+)
電池は、負極では酸化反応、正極では還元反応が起こる ダニエル電池:(
−) Zn
|ZnSO
4aq
|CuSO
4aq
|Cu (+)
正極の濃度を大きく、負極の濃度を小さくすると起電力が長く保たれる 鉛蓄電池:(
−) Pb
|H
2SO
4aq
|PbO
2(+)
負極:Pb + SO
42−→PbSO
4+ 2e
− 正極:PbO
2+ 4H
++ SO
42−+ 2e
−→PbSO
4+ 2H
2O
放電により、両極板に難溶性のPbSO
4を生じるため質量が増加する また、硫酸の濃度が低下することもあり鉛蓄電池の起電力は徐々に低下するそこで外部電源の正極を鉛蓄電池の正極に、陰極を陰極に繋ぐことによって放電の逆反応が起こ り、すなわち充電され、起電力が回復する
NaOH
の製造NaCl
水溶液を電気分解すると陽極で塩素が発生、陰極で水素が発生してOH
−が生じる 陽極側のNa
+が陽イオン交換膜を透過して陰極側に移動することで陰極側でNaOH
が濃縮さ れる ファラデーの電気分解の法則,ファラデー定数 電気量〔C
〕=
電流〔A
〕×
時間〔s
〕 物質の状態変化:ゆうかい融解,蒸発,凝固,凝縮,昇華,凝華 物質の状態図:蒸気圧曲線,融解曲線,昇華圧曲線,三重点*5,臨界点,超臨界状態,超臨界流体 二酸化炭素の超臨界流体は、コーヒー豆からのカフェインの抽出などに使われている1
気圧= 760 mmHg = 1.013
×10
5Pa
トリチェリー [1]の真空ボイルの法則(温度一定),シャルルの法則(圧力一定) ボイル・シャルルの法則:P V T=k
(一定) 気液平衡,飽和蒸気圧 ドルトンの分圧法則 理想気体,実在気体 実在気体には体積と分子間力がある 高温低圧で理想気体に近づく 気体の状態方程式:P V =nRT
ファンデルワールスの状態方程式 ドルトンの分圧法則 ヘンリーの法則:溶解度の小さい気体で成り立つ(HCl
やNH
3では成り立たない) ラウールの法則 蒸気圧降下(圧力計の水面は上昇),凝固点降下 過冷却,共晶 浸透圧:水と水溶液を半透膜 [2]で仕切ると水溶液側の液面が高くなる,この時の液面差が浸透圧に 相当する ファント・ホッフの浸透圧の法則:ΠV =nRT
またはΠ=cRT
逆浸透:水と海水を逆浸透膜で隔てて、海水側に圧力を加えると淡水を得ることができる コロイド:粒子の直径は10
−9~10
−7m(1 nm
~100 nm)
程度, ろ 濾紙は通過するが半透膜(セロ ハンなど)は通過しない イオンや分子:粒子の直径は10
−10m(0.1 nm)
程度,ろ紙も半透膜も通過する 分子コロイド,分散コロイド,ミセルコロイド 透析,チンダル現象,ブラウン運動,電気泳動,エーロゾル(雲や霧),ゾル,ゲル,キセロゲル 凝析:少量の電解質でコロイド粒子が沈殿する現象,凝析しやすいコロイドを疎水コロイドとい う,例;川の水に含まれる粘土は海水によって凝析してデルタを形成する 塩析:多量の電解質を加えるとコロイド粒子が沈殿する現象,このようなコロイドを親水コロイ ドという,例;豆乳は塩析によって豆腐になる 保護コロイド:疎水コロイドに親水コロイドを加えると親水コロイドが疎水コロイドを取り囲み 凝析が起こりにくくなる,例;墨汁は炭素粒子(疎水コロイド)とにかわ膠から成る保護コロイド *5水は 0.01◦C,0.006 気圧反応熱:化学反応において出入りする熱のこと,熱が発生する発熱反応と熱を吸収する吸熱反応 がある 燃焼熱:発熱のみ 生成熱:発熱・吸熱の両方がある 溶解熱:発熱・吸熱の両方がある 中和熱:発熱のみ,約
56 kJ/mol
融解熱,蒸発熱,昇華熱:全て吸熱,大きさは同一の物質では 昇華熱>
蒸発熱>
融解熱 ヘスの法則,結合エネルギー,格子エネルギー 化学発光,光化学反応 反応速度式:v=k[A]
l[B]
m 比例定数k
は反応速度定数、l + m
は反応次数といい実験から求める 遷移(活性化)状態,活性化エネルギー,活性錯合体 触媒:活性化エネルギーの小さな別の経路をつくり反応速度を大きくする,反応熱は変化しない 不可逆反応,可逆反応,正反応,逆反応,平衡状態 化学平衡の法則*6aA + bB
⇄ cC + dD
の平衡状態ではK
(平衡定数)=
[C]c[D]d [A]a[B]b が成り立つ([A]
はA
の濃度を表す)K
p(圧平衡定数)=
PC cP Dd PAaPBb ルシャトリエの原理:温度・体積・圧力を変化させると、その影響をやわらげる向きに平衡が移 動する,式の左右の物質量が等しいときは圧力を変化させても平衡は移動しない,触媒は平衡に影 響しない 電離度:α=
√
Ka c イオン濃度:[H
+] = cα =
√
cK
a 溶解平衡,溶解度積,共通イオン効果H
2:無色,亜鉛や鉄に塩酸や硫酸を加えると発生,水上置換,可燃性,還元性,酸化数は+1
, 金属との水素化物でのみ酸化数は−1
貴ガス:18
族元素,単原子分子,価電子数は0
,He
は全ての物質の中で一番沸点が低い(
−269
◦C
= 4 K)
,Ar
は大気に0.93 %
含まれる*7, ラドンRn
は最も重い気体(空気の約8
倍) ハロゲン:17
族元素,有毒,高い反応性,強い酸化力F
2:常温で気体,淡黄色,水素とは冷暗所でも爆発的に反応,2F
2+ 2H
2O
→4HF + O
2Cl
2:常温で気体,黄緑色,刺激臭,水素と混合し光を当てると爆発,Cl
2+ H
2→2HCl
,Cl
2+ H
2O
⇄ HCl + HClO
,漂白作用Cl
2の製法:MnO
2+ 4HCl
→MnCl
2+ 2H
2O + Cl
2,発生した気体は水(塩化水素を取り 除く),
濃硫酸(水蒸気を取り除く)の順に通じる,さらし粉(CaCl(ClO)
•H
2O)
・高度さらし 粉(Ca(ClO)
2•2H
2O)
に塩酸を加える方法もある,下方置換(水によく溶けるため),工業的にはNaCl
水溶液の電気分解Cl
2の検出:湿ったヨウ化カリウムデンプン紙が青紫色になる,青色リトマス紙が赤色*8になっ *6質量作用の法則は誤訳。 *7これは CO2(0.04 %) の 10 倍以上で、N2(78 %), O2(21 %) に次いで 3 番目に多い。 *8赤色になるのは Cl2が水と反応して HCl を生じるため。た後白色になる
Br
2:常温で液体,赤褐色,高温で水素と反応 酸化力:HF > HCl > HBr > HI
HF
は弱酸、HCl, HBr, HI
は強酸 沸点:HF
≫ HCl < HBr < HI
フッ化銀(水に可溶),塩化銀(白色),臭化銀(淡黄色),ヨウ化銀(黄色)O
2:無色,過酸化水素または塩素酸カリウムに触媒として二酸化マンガンを加えて加熱(2KClO
3 →2KCl + 3O
2)
,水上置換,液体酸素は淡青色で磁性を持つ 酸性酸化物(非金属の酸化物),塩基性酸化物(金属の酸化物),両性酸化物(両性金属の酸化物)H
2S
:無色,腐卵臭,下方置換,可燃性,還元剤SO
2:無色,刺激臭,下方置換,漂白作用,還元剤,H
2S
には酸化剤 硫酸の製法(接触法) 硫黄または黄鉄鉱(FeS
2)
を燃焼して二酸化硫黄を得るS + O
2→SO
24FeS
2+ 11O
2→2Fe
2O
3+ 8SO
2酸化バナジウム(Ⅴ)を触媒として三酸化硫黄を得る
2SO
2+ O
2→3SO
3 三酸化硫黄を濃硫酸に吸収して発煙硫酸とするSO
3+ H
2O
→H
2SO
4 発煙硫酸を希硫酸で薄めて濃硫酸を得る 濃硫酸:酸化作用,脱水作用,吸湿性 濃硫酸を薄める場合は水に少しずつ加えて薄めるN
2:無色,NH
4NO
2→N
2+ H
2O
,水上置換,工業的には液体空気の分留で得るNH
3:無色,刺激臭,NH
4Cl + Ca(OH)
2→CaCl
2+ 2H
2O + NH
3,上方置換,赤色リトマ ス紙を赤変,濃塩酸を近付けると塩化アンモニウムの白煙 ハーバー・ボッシュ法(アンモニアの工業的製法)N
2+ 3H
2⇄ 2NH
3(+ 92 kJ)
触媒はFe
3O
4,低温ほど多くのアンモニアを得ることができるが反応速度が遅くなるため約500
◦C
で反応が行われる 硝酸:揮発性,強酸,酸化作用,光で分解するため褐色びんで保存(4HNO
3→2H
2O + 4NO
2+ O
2)
オストワルト法(硝酸の工業的製法) 約800
◦C
で白金触媒を使いアンモニアを酸化 ①4NH
3+ 5O
2→4NO + 6H
2O
冷却するとさらに酸化される ②2NO + O
2→2NO
2 水に吸収させて硝酸を得る ③3NO
2+ H
2O
→2HNO
3+ NO
[3] (①+
②×3 +
③×2
)÷4
よりNH
3+ 2O
2→HNO
3+ H
2O
黄リン*9:P
4,淡黄色,固体,発火点35
◦C
,自然発火する,可燃性,有毒 赤リン:P
x,暗赤色,固体,発火点260
◦C
,可燃性,無毒 *9実際には赤リンなどが不純物として含まれる。純粋なものは白リンとよばれる。4P + 5O
2→P
4O
10P
4O
10+ 6H
2O
→4H
3PO
4CO
:HCOOH
→H
2O + CO
,水上置換,可燃性,還元性,石灰水とは反応しないCO
2:CaCO
3+ 2HCl
→CaCl
2+ H
2O + CO
2,下方(水上)置換,常圧では昇華,石灰水 を白濁SiO
2:水晶,石英,ケイ砂,組成式で表す シリカゲルの生成SiO
2+ 2NaOH
→Na
2SiO
3(水ガラス,組成式,ゾル)Na
2SiO
3+ 2HCl
→2NaCl + H
2SiO
3(ケイ酸,組成式,ゲル,SiO
2•nH
2O(0 < n < 1)
とも表される) ケイ酸を加熱・乾燥することでシリカゲル(キセロゲル)を得られる 有色気体:
F
2(淡黄色), Cl
2(黄緑色), O
3(淡青色), NO
(赤褐色) においのある気体:Cl
2, HF, HCl, NH
3, SO
2, NO
2(刺激臭),O
3(特異臭),H
2S
(腐卵臭) 上方置換:NH
3のみ(HF
は常温で二量体として存在するため不適) 水上置換:H
2, O
2, N
2, NO, CO, CH
4, C
2H
2 酸性の気体:Cl
2, HCl, SO
2, H
2S, NO
2, CO
2 気体の乾燥剤P
4O
10:酸性の乾燥剤,塩基性のNH
3には使えない 濃硫酸:酸性の乾燥剤,塩基性のNH
3と還元性のH
2S
、不飽和炭化水素(C
2H
2など)には使 えないCaCl
2:中性の乾燥剤,NH
3とはCaCl
2•8NH
3となるため使えない シリカゲル:中性の乾燥剤CaO
:塩基性の乾燥剤,酸性の気体には使えない ソーダ石灰(CaO + NaOH)
:塩基性の乾燥剤,酸性の気体には使えない 典型元素:金属元素と非金属元素の両方がある 遷移元素:全て金属元素 超アクチノイド元素:104
番のラザホージウムRf
以降の元素,全て放射性元素で詳しい性質は分かってい ない アルカリ金属:水素を除く1
族の元素(
リチウムLi , Na, K,
ルビジウムRb ,
セシウムCs ,
フランシウムFr )
,灯油中に保存,Li, Na,
K
は水に浮く,Li
は灯油にも浮く,炎色反応 単体や水素化物は水と激しく反応して水素を発生するNaOH
:潮解性があるため湿気を避けて保存,強塩基Na
2CO
3•10H
2O
:風解性(結晶水の一部を失う),風解するとNa
2CO
3•H
2O
になる アンモニアソーダ法(ソルベー法):安価な食塩と石灰石から炭酸ナトリウム(ガラスの原料)を 製造できる 飽和食塩水にアンモニアを通じた後二酸化炭素を通じる ①NaCl + H
2O + NH
3+ CO
2→NaHCO
3+ NH
4Cl
NaHCO
3を熱分解してNa
2CO
3を得る ②2NaHCO
3→Na
2CO
3+ H
2O + CO
2 ②で発生したCO
2は回収され①で再利用される この時Na
2CO
31 mol
あたりCO
2が1 mol
減少するので不足分を石灰石の熱分解することで 補う ③CaCO
3→CaO + CO
2 ③で生成したCaO
に水を加える④
CaO + H
2O
→Ca(OH)
2得られた
Ca(OH)
2を①で生成したNH
4Cl
と反応させることでNH
3を回収して①で再利用する
⑤
2NH
4Cl + Ca(OH)
2→CaCl
2+ 2H
2O + 2NH
3①
×2 +
②+
③+
④+
⑤より2NaCl + CaCO
3→Na
2CO
3+ CaCl
2アルカリ土類金属:
2
族元素(
ベリリウムBe , Mg, Ca,
ストロンチウムSr
,
バリウムBa ,
ラジウムRa)
*10,炎色反応,常温の水と活発 に反応するため水気を避けて保存CaO
:せい生石灰,乾燥剤Ca(OH)
2:消石灰,水溶液は石灰水, しっくい 漆喰CaSO
4•2H
2O
: せっこう 石膏CaSO
4•
12H
2O
:焼き石膏CaCl
2:乾燥剤,融雪剤(凝固点降下と溶解時の発熱による) 石灰水と二酸化炭素の反応Ca(OH)
2+ CO
2→CaCO
3+ H
2O
さらに二酸化炭素を通じると白濁が消えるCaCO
3+ CO
2+ H
2O
→Ca(HCO
3)
2 上の式の逆反応によってつらら石(いわゆるしょう鍾にゅう乳せき石)やせき石じゅん筍が形成される さ ら し 粉(CaCl(ClO)
•H
2O)
:酸 化 作 用 ,漂 白・消 毒 に 用 い ら れ る ,Ca(OH)
2+ Cl
2 →CaCl(ClO)
•H
2O
硬水:Mg
2+やCa
2+を多く含む水,セッケンと反応して沈殿を生じるため泡立ちが悪くなるBaSO
4:X
線検査(レントゲン写真)の造影剤Be
・Mg
とアルカリ土類金属の違い [4]Be
とMg
は炎色反応がない,常温の水と反応しない,水酸化物が水に溶けにくい,硫酸塩が水 に溶けやすいAl
:両性金属,濃硝酸とは不動態をつくる2Al + 2NaOH + 6H
2O
→2Na[Al(OH)
4] + 3H
2テルミット反応:
Al
の粉末と酸化鉄(Ⅲ)の粉末を物質量比1:2
(質量比約1:3
)で混合して点 火すると多量の熱を発生しながら激しく反応して融解した鉄を得られる2Al + Fe
2O
3→Al
2O
3+ 2Fe (+ 852 kJ)
Zn
(亜鉛):両性金属,ZnS
(白色),ZnO
(白色)は絵の具などの顔料に用いられるSn
(スズ):両性金属,SnS
(褐色),低温では構造が変化(β
スズ→α
スズ*11)してぼろぼろ になる(スズペスト) トタン:Fe
にZn
を鍍金したもの,屋根などに使われるめ っ き ブリキ:Fe
にSn
を鍍金したもの,缶詰などに使われるPb
(鉛):両性金属,塩は沈殿しやすいFe
(鉄):強磁性体,濃硝酸とは不動態をつくる 赤さび:Fe
2O
3,湿った空気中で酸化されると生成する 黒さび:Fe
3O
4,高温の水蒸気を吹き付けることで生成する,内部が酸化するのを防ぐFe
2+(淡緑色)の検出 *10Be と Mg は除くことがある。 *11α スズと β スズは同素体。+ NaOH
→Fe(OH)
2(緑白色), ヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸カリウム+ K
4[Fe(CN)
6]
→青白色沈殿, ヘキサシアニド鉄(Ⅲ)酸カリウム+ K
3[Fe(CN)
6]
→濃青色 沈殿(ターンブルブルー),+ H
2S
(塩基性)→FeS
(黒色),+ H
2O
2→Fe
3+(酸化される)Fe
3+(おう黄褐色)の検出+ NaOH
→Fe(OH)
3(赤褐色),+ K
4[Fe(CN)
6]
→濃青色沈殿(こん 紺じょう青),
+ K
3[Fe(CN)
6]
→暗 褐色沈殿,+ H
2S
(酸性)→Fe
2+,+ H
2S
(塩基性)→FeS
(黒色), チオシアン酸カリウム+ KSCN
→けっせき血赤しょく色コバルトCo
: 強磁性体,塩化コバルト紙(青色)は水の検出に使われる(赤変する) ニッケルNi
:強磁性体,濃硝酸とは不動態をつくるCu
:炎色反応(青緑色),Ag
に次いで熱・電気伝導性が高い,CuO
(黒色),Cu
2O
(赤色)は1000
◦C
以上の高温で熱すると生成する,希硫酸とは反応しないCu+2
(熱濃)H
2SO
4→CuSO
4+ 2H
2O + SO
2(H
2は発生しない)3Cu+8
(希)HNO
3→3Cu(NO
3)
2+ 4H
2O + 2NO
Cu+4
(濃)HNO
3→Cu(NO
3)
2+ 2H
2O + 2NO
2Ag
:金属の中で最も熱・電気伝導性が高い,銅と同じく熱濃硫酸・希硝酸・濃硝酸と反応するAgNO
3やハロゲン化銀は光によって分解するため褐色びんで保存するハロゲン化銀は感光性
(AgBr > AgCl > AgI)
を持ち写真のフィルムに使われる クロムCr
:両性元素,濃硝酸とは不動態をつくる,Cr
3+(緑色),CrO
42−(黄色),Cr
2O
72−( せきとう 赤橙しょく色 )Cr
2O
72−は酸化剤(Cr
2O
72−+ 14H
++ 6e
−→2Cr
3++ 7H
2O)
酸性下:2CrO
42−+ 2H
+→Cr
2O
72−+ H
2O
塩基性下:Cr
2O
72−+ 2OH
−→2CrO
42−+ H
2O
2CrO
42−+ H
+⇄Cr
2O
72−+ OH
− マンガンMn
:主な酸化数はMn(0), MnCl
2(+2), MnO
2(+4), KMnO
4(+7)
MnO
4−(赤紫色)は酸化剤 硫酸酸性下:MnO
4−+ 8H
++ 5e
−→Mn
2++ 4H
2O
(酸化数:+7
→+2
)中性・塩基性下:
MnO
4−+ 2H
2O + 3e
−→MnO
2+ 4OH
−(酸化数:+7
→+4
,酸化力は酸性時より弱くなる) 金属イオンの沈殿
NO
3−は全て水によく溶けるSO
42−:CaSO
4, SrSO
4, BaSO
4, PbSO
4硫酸で泳ぐステキなカバ(全て白色)Cl
−:AgCl
(過剰のNH
3水に溶ける), PbCl
(熱水に溶ける), Hg
2Cl
2(一価の水銀)銀のナマハゲCrO
4−:BaCrO
4(黄色), PbCrO
4(黄色), Ag
2CrO
4(赤褐色) バナナを銀で買うのに苦労したOH
−:アルカリ金属・アルカリ土類金属以外は沈殿(Ca(OH)
2とSr(OH)
2はあまり溶けない),AgOH
はただちにAg
2O
へと変化する,白色以外のものはCu(OH)
2(青白色), Fe(OH)
2(淡緑色)
, Fe(OH)
3(赤褐色), Ag
2O
(褐色),過剰にNaOH
水溶液を加えると両性元素は錯イオンを 形成し溶解するH
2S
:塩基性下では1
•2
族以外は硫化物が沈殿,Al
3+はAl(OH)
3で沈殿,酸性下では カドミウムCd
とSn
~Ag
が沈殿,Fe
3+はFe
2+に還元される,黒色以外のものはCdS
(黄色), MnS
(淡赤色),
ZnS
(白色), SnS
(褐色)NH
3水:水酸化物が沈殿する,Ag
+はAg
2O
が沈殿,過剰にNH
3を加えるとAg, Cu, Zn, Ni
は錯イオンを形成して溶解する 金属イオンの系統分離 ①HCl
を加えるAg
+, Pb
2+, Hg
22+②
H
2S
を通じるPb
2+*12, Sn
2+, Cd
2+, Cu
2+, Hg
2+ ③煮沸後、HNO
3を加えてFe
2+をFe
3+に酸化してNH
3とNH
4Cl
*13を加えるFe
3+, Cr
3+,
Al
3+(三価のイオンだけが沈殿) ④H
2S
を通じるZn
2+, Ni
2+, Mn
2+, Co
2+ ⑤(NH
4)
2CO
3を加えるCa
2+, Sr
2+, Ba
2+(アルカリ土類金属の炭酸塩が沈殿) ⑥残りは炎色反応によって確認するMg
2+, Na
+, K
+ 黄銅(しん真ちゅう鍮):銅と亜鉛の合金,楽器や五円硬貨に使用されている 青銅:銅とスズの合金,銅像や十円硬貨に使用されている 白銅:銅とニッケルの合金,五十円硬貨や百円硬貨に使用されている ジュラルミン:アルミニウや銅などの合金,軽くて強い,航空機などに使用されている ステンレスこう鋼:鉄やクロムなどの合金,さびにくい ヒドロキシ基:—OH
エーテル基:—O
— カルボニル基:—CO
—,ホルミル基:—CHO
*14 カルボキシ基:—COOH
エステル基:—COO
— ニトロ基:—NO
2 アミノ基:—NH
2 スルホ基:—SO
3H
有機化合物の表し方(らくさん酪酸の場合) 組成式(元素分析ではこれが求まる):C
2H
4O
分子式:C
4H
8O
2 示性式(官能基(ここではカルボキシ基)を明示する):C
3H
7COOH
簡略構造式(省略の仕方はいくつかのパターンがある):CH
3CH
2CH
2COOH
構造式(ベンゼン環を除き省略はしない):ページの都合上省略 不飽和度:(C
原子の数)+ 1
−
H 原子の数 2+
N 原子の数 2 構造異性体:骨格異性体,位置異性体,官能基異性体 立体異性体:シス-
トランス(幾何)異性体,鏡像(光学)異性体,ジアステレオ異性体(ジアス テレオマー),メソ体 アルカン(C
nH
2n+2)
:正四面体構造,分子量が大きくなると沸点が高くなる,枝分かれが少な い方が沸点が高い,ハロゲンと混合して光を当てると置換反応が起こる,n
≧4
で骨格異性体、n
≧7
で鏡像異性体が存在する メタンの製法:CH
3COONa + NaOH
→Na
2CO
3+ CH
4(要加熱),水上置換 シクロアルカン(C
nH
2n)
:アルケンの構造異性体,性質はアルカンに似ている アルケン(C
nH
2n)
:二重結合している炭素とそれに結合している原子は同一平面上にある,n
≧4
ではシス-
トランス異性体がある アルケンの反応 付加反応:臭素は容易に付加する,臭素水では—Br
と—OH
が付加する,H
2はNi
やPt
触媒 で付加する) 酸化反応:KMnO
4水溶液に通じると水溶液が脱色する 付加重合:二重結合の片方が切れて次々とつながり高分子になる エチレンの製法:エタノールに濃硫酸を加えて160
~170
◦C
で油浴する(C
2H
5OH
→C
2H
4+
H
2O)
,水上置換 *12PbCl2は比較的水に溶けやすいため①では不完全にしか沈殿しない。 *13NH4Cl を加えることで NH3 + H2O⇄ NH4+ + OH−の平衡が左に移動して他のイオンが沈殿す るのを防ぐ。 *14— COH としない。シクロアルケン
(C
nH
2n−2)
:アルキン・アルカジエンの構造異性体,性質はアルケンに似ている アルキン(C
nH
2n−2)
:Pt
やNi,
パラジウムPd
を触媒下でH
2が付加して最終的にアルカンになる,触媒 によってはアルケンで水素付加を止められる,臭素付加はアルケンに比べて起こりにくい,水を付 加するとアルデヒドが生成する アセチレンの製法:カーバイドに水を加える(CaC
2+ 2H
2O
→Ca(OH)
2+ C
2H
2)
,水上置換 アセチレンを赤熱した鉄管に通すと三分子が重合してベンゼンが生成する アセチレンまたは末端に三重結合を持つアルキンをアンモニア性硝酸銀水溶液に通じるとA
銀 ア セ チ リ ドgC
≡CAg
が沈殿する1
価アルコール:第一級・第二級・第三級アルコールに分けられる,分 子量が同じ時沸点は 第一級>
第二級>
第三級 の順になり、同じ級では 直鎖>
分岐あり の順に なる2
価アルコール:エチレングリコール(不凍液)などがある3
価アルコール:グリセリンなどがある2
価・3
価アルコールを多価アルコールという メタノール(CH
3OH)
:有毒,20 g
摂取すると失明し30
~50 g
摂取すると死亡すると言われて いる,工業的にはCO
とH
2を合成してつくる エタノール(C
2H
5OH)
:アルコール飲料や消毒液などに使用される,工業的にはリン酸触媒で エチレンに水を付加してつくる アルコールに水素を加えると水素が発生する アルコールの酸化:第一級→アルデヒド→カルボン酸,第二級→ケトン,第三級は酸化されない アルコールの脱水:濃硫酸を加え130
~140
◦C
に熱すると分子間脱水が起こりエーテルが生成 し、160
~170
◦C
に熱すると分子内脱水が起こりアルキンが生成する エーテル(R
1—O
—R
2)
:アルコールの構造異性体,同分子量のアルコールと比べて沸点が低い, ジエチルエーテル(C
2H
5OC
2H
5)
は有機溶媒として使用される アルデヒド(R
—CHO)
:第一級アルコールを酸化して得る,ホルムアルデヒド(HCHO)
,アセ トアルデヒト(CH
3CHO)
,還元作用 加熱した銅線(CuO)
をエタノールに近づけると酸化還元反応が起こりホルムアルデヒドが生成 する フェーリング反応:アルデヒドがフェーリング液に含まれるCu
2+を還元しCu
2O
の赤色沈殿 が生じる 銀鏡反応:アルデヒドがアンモニア性硝酸銀水溶液を還元して銀が析出する ケトン(R
1—CO
—R
2)
:第二級アルコールを酸化して得る,触媒を使いH
2を付加すると第二級 アルコールに戻る,アセトン(CH
3COCH
3)
ヨードホルム反応:CH
3CO
—を持つケトンとアルデヒド、CH
3CH(OH)
—を持つ第二級アル コールで見られる反応,カルボン酸・エステルでは起こらない,特有の匂いを持つヨードホルム(CHI
3)
の黄色沈殿を生じる カルボン酸(R
—COOH)
:水溶液は弱酸性を示す,水素結合によって二量体を形成する,同分子 量のアルコールに比べて沸点が高いHOOC
—HC
=CH
—COOH
:マレイン酸(シス型),フマル酸(トランス型) 酸無水物:酢酸を十酸化四リンで脱水すると無水酢酸((CH
3CO)
2O)
を得られる,マレイン酸 を加熱すると無水マレイン酸を得られる,フマル酸では脱水は起こらないエステル(R
1—COO
—R
2)
:カルボン酸とアルコールに濃硫酸を加えて加熱すると縮合してエステルが生成する,エステルに希硫酸を加えると加水分解してカルボン酸とアルコールになる*15,エステルに
NaOH
水溶液 を加えるとカルボン酸の塩とアルコールを生じるけん鹸化が起こるか —COOH
を一つ持つものを1
価カルボン酸(脂肪酸),二つ持つもの(シュウ酸など)を2
価カ ルボン酸という 硝酸エステル(
—ONO
2)
と硫酸エステル(
—OSO
3H)
も広義のエステルに含まれる 油脂:3
価アルコールのグリセリンと高級脂肪酸(炭素数の多い1
価の鎖式カルボン酸)のエス テル 鹸化価=
56×3×1000 油脂の分子量:油脂1 g
を鹸化するのに必要なKOH
の質量〔mg
〕, あたい 価 が高いほど油脂 の分子量は小さい ヨウ素価=
254×100×n 油脂の分子量:油脂100 g
に付加するI
2の質量〔g
〕,価が高いほど油脂に含まれる二 重結合の数(n)
が多い セッケン(R
—COONa)
:油脂を鹸化して得られる脂肪酸のナトリウム塩,界面活性剤,親水基(
—COONa)
,疎水基,乳化作用,ミセル,浸透作用 合成洗剤:アルコールを硫酸でエステル化することで得られる,中性洗剤,硬水中でも洗浄力を 失わない ベンゼン(C
6H
6)
:特有の匂い,発がん性物質,構造はケクレによって明らかにされた,アルケ ンやシクロアルカンと違い付加反応や酸化反応は起こらない ベンゼンのハロゲン化:鉄粉を触媒としてCl
2と反応させるとクロロベンゼン(C
6H
5Cl)
が生 成する ベンゼンのニトロ化:ベンゼンに混酸(濃硝酸と濃硫酸の混合物)を加えて約60
◦C
*16に熱する とニトロベンゼン(C
6H
5NO
2)
が生成する ベンゼンのスルホン化:ベンゼンに濃硫酸を加えて熱するとベンゼンスルホン酸(C
6H
5SO
3H)
が生成する ベンゼンの付加反応:条件を整えると付加反応が起こる,Pt
やNi
触媒下で高温・高圧でH
2を 反応させるとシクロヘキサン(C
6H
12)
を生じる,光を当てながらCl
2を作用させるとC
6H
6Cl
6 を生じる 芳香族炭化水素:トルエン(C
6H
5CH
3)
,キシレン(C
6H
4(CH
3)
2)
,スチレン(C
6H
5CH
=CH
2)
,ナフタレン(C
10H
8)
フェノール(C
6H
5OH)
:弱酸,ナトリウムと反応する,フェノール類は塩化鉄(Ⅲ)赤紫や青紫 色を呈色する フェノールの合成法:クメン法・クロロベンゼン経由・ベンゼンスルホン酸経由がある フェノール類:クレゾール(C
6H
4(CH
3)OH)
,ナフトール(C
10H
7OH)
芳 香 族 カ ル ボ ン 酸:安 息 香 酸(C
6H
5COOH)
,フ タ ル 酸(C
6H
4(COOH)
2)
,サ リ チ ル 酸(C
6H
4(OH)COOH)
サリチル酸の合成C
6H
5OH + NaOH
→C
6H
5ONa + H
2O
C
6H
5ONa + CO
2(高圧)→C
6H
4(OH)COONa
C
6H
4(OH)COONa + HCl
→C
6H
4(OH)COOH + NaCl
サリチル酸メチル
(C
6H
4(OH)COOCH
3)
:サリチル酸とメタノールをエステル化,鎮痛塗布薬アセチルサリチル酸
(C
6H
4(OCOCH
3)COOH)
:サリチル酸を無水酢酸でアセチル化,解熱鎮*15水だけでも加水分解するが酸を加えることによって反応が促進される。 *16温度を上げすぎるとベンゼン(沸点 80◦C)が蒸発する。
痛剤
オルト・パラ配向性:—
OH
,—NH
2,—CH
3,—Cl
メタ配向性:—
NO
2,—SO
3H
,—COCH
3,—CHO
,—COOH
アニリン
(C
6H
5NH
2)
の合成2
ニ ト ロ ベ ン ゼ ンC
6H
5NO
2+ 3Sn + 14HCl
→2C
6H
5NH
3Cl + 3SnCl
4+ 4H
2O
C
6H
5NH
3Cl + NaOH
→C
6H
5NH
2+ NaCl + H
2O
アゾ染料の合成 ジアゾ化C
6H
5NH
2+ HCl
→C
6H
5NH
3Cl
C
6H
5NH
3Cl + NaNO
2+ HCl
→C
6H
5N
2Cl + NaCl + 2H
2O
カップリングC
6H
5N
2Cl + C
6H
5ONa
→C
6H
5N
=NC
6H
4OH + NaCl
C
6H
5N
=NC
6H
4OH
は布を橙色に染色する 酸の強さHCl, HNO
3, H
2SO
4>
ベンゼンスルホン酸>
カルボン酸>
炭酸>
フェノール類 塩基の強さNaOH > NH
3>
アニリン 有機化合物の分離 試料を含むジエチルエーテル溶液にHCl
を加えると塩基性のアミン(アニリンなど)が水層(下 層)に移動する エーテル層(上層)を取り出してNaHCO
3水溶液を加えるとカルボン酸が水層に移動する エーテル層を取り出してNaOH
水溶液を加えるとフェノール類が水層に移動する 残ったエーテル層にはニトロ化合物や炭化水素(トルエンなど)が含まれる 単量体(モノマー),重合体(ポリマー),重合度 平均分子量,結晶領域,非結晶領域 付加重合:不飽和結合が開いて連続的に付加反応して重合する反応,ポリエチレンなど 縮合重合:単量体の分子間から水のような簡単な分子が撮れて縮合反応しながら重合する反応, ナイロン66
など 開環重合:環状の単量体が環を開きながら重合する反応,ナイロン6
はイプシロンε
-
カプロラクタムが 開環重合したもの 付加縮合:付加反応と縮合重合が繰り返される,フェノール樹脂や尿素樹脂など 熱可塑性樹脂:熱を加えると軟らかくなる,鎖状構造をとるものが多い 熱硬化性樹脂:熱を加えると硬くなる,付加縮合で合成されるものが多く、立体網目状構造をと るものが多い 合成繊維 ナイロン66
:アジピン酸(HOOC
—(CH
2)
4—COOH)
とヘキサメチレンジアミン(H
2N
—(CH
2)
6—NH
2)
が縮合重合してアミド結合で繋がったもの ビニロン:酢酸ビニル(CH
2=CH
—OCOCH
3)
を付加重合した後、鹸化してポリビニルアル コールにしてホルムアルデヒド(HCHO)
でアセタール化することで得られる 再生繊維:銅アンモニアレーヨン,ビスコースレーヨン 半合成繊維:アセテート イ オ ン 交 換 樹 脂:置 換 基 は 陽 イ オ ン 交 換 樹 脂 が —SO
3H
、陰 イ オ ン 交 換 樹 脂 が —CH
2N
+(CH
3)
3OH
−ヘキソース(六炭糖),ペントース(五炭糖),自然界に存在するのは
D
体 単糖(C
6H
12O
6)
グルコース(ブドウ糖):還元性あり,水溶液中では3
種の異性体が存在する フルクトース(果糖):還元性あり,水溶液中では五員環を含む5
種の異性体が存在する 二糖(C
12H
22O
11)
マルトース(麦芽糖):二分子のα-
グルコースが1
位と4
位でグリコシド結合したもの,還元性 あり セロビオース:二分子のβ-
グルコースが1
位と4
位でグリコシド結合したもの,還元性あり スクロース(ショ糖):α-
グルコースの1
位と五員環フルクトースの2
位でグリコシド結合した もの,還元性なし 多糖 デンプン:アミロースとアミロペクチンの混合物 アミロース:α- 1, 4 -
グリコシド結合,枝分かれが少ない,分子量はやや小さい,マルトース単位 アミロペクチン:α- 1, 6 -
グリコシド結合,枝分かれが多い,分子量は大きい,デンプンの約8
割を占める グリコーゲン:アミロペクチンよりさらに枝分かれが多い,動物デンプンとも呼ばれ肝臓に多く 含まれる ヨウ素デンプン反応:アミロースは青紫色、アミロペクチンは赤紫色を呈色する,加熱すると色 が消失するが冷却すると再び呈色する セルロース:β- 1, 4 -
グリコシド結合,セロビオース単位,植物繊維に多く含まれる タンパク質の構成元素:C, H, O, N, S
脂質の構成元素:C, H, O, P
核酸の構成元素:C, H, O, N, P
α-
アミノ酸:20
種類,必須アミノ酸が9
種類,自然界にはL
体が存在 酸性アミノ酸:アスパラギン酸とグルタミン酸の2
種類 塩基性アミノ酸:アルギニン,リシン,ヒスチジンの3
種類 アミノ酸の等電点:pH6.0
前後,酸性アミノ酸はpH3.0
前後,塩基性アミノ酸はpH9.0
前後 ニンヒドリン反応:アミノ酸にニンヒドリン水溶液を加えて加熱すると赤紫~青紫色に呈色する ペプチド結合,ジペプチド,トリペプチド,ポリペプチド タンパク質の構造 一次構造:ペプチド(アミド)結合で繋がった一本のポリペプチド鎖 二次構造:右巻き*17のらせん状構造(α-
ヘリックス)と二本の並行なポリペプチド鎖によるシー ト状構造(β-
シート)がある,いずれも水素結合によって形成 三次構造:二次構造をとったペプチド鎖がさらに複雑に折りたたまれた構造,イオン結合やジス ルフィド結合によって形成,例;ミオグロビン 四次構造:三次構造のポリペプチドがいくつか集合してできる,例;ヘモグロビン ビウレット反応:トリペプチド以上を含む水溶液にNaOH
水溶液を加えた後、少量のCuSO
4 水溶液を加えると赤紫色呈色する キサントプロテイン反応:タンパク質水溶液に濃硝酸を加えると黄色になり、冷却後にNH
3水 を加えると橙黄色になる,芳香族アミノ酸を検出する 硫黄の検出:酢酸鉛(Ⅱ)水溶液加えるとPbS
の黒色沈殿を生じる,メチオニンかシステイン *17反時計回りに上る螺旋階段に同じ。の少なくとも一方が含まれる 酵素の特徴:基質特異性,最適温度(一般に体温付近),最適