• 検索結果がありません。

セーフティ・アセスメントにおけるリスク評価

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "セーフティ・アセスメントにおけるリスク評価"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

特集社会的リスクの OR

セーフティ・アセスメントにおける

リスク評価

中野一夫

11川11川11川11川川11川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川11川11川11川11川11川川11川川11川11川11川川11川11川111川川11川11川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川11川川11川川11州11川11川川11川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川11川11川川11川111川11川11川11川11川川11川11川11川11川111川111川11川川11川川11川11川11川川11川11川1111川111川111川11川11川11川川11川川11川11川111川川11川川11川11川11川川11川川11山川11川川11川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川11川11川11川川11川11川11川11川川11川11111川11川11川川11川11川11川11川川11川11川11川川11川1111川111川11川川11川川11川川11川川11川11川11川11川川11川川11川川11川川11川11川11川川11川川11川11川11川11川川11川11川川11川川11川11川川11川11川11川川11川11川11川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川11川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川11川11川11川11川11山11川11川1111川11川川11川11川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川川11川111川11川11川川11川11川川11川11川111i 1.はじめに 石油代替エネルギーの鍵となる原子力発電所の 建設,グリーン・エネルギーとして注目を集めて いる LNG( 液化天然ガス)基地の建設,および,化 学プラントの規模の膨大化.これらプラントは, 万一,事故,災害が発生すれば,プラント周辺の 住民に重大な影響を与える恐れがある.しかし, われわれは,エネルギー・コストの面等から考え れば,非常な便益を得ることになる.すなわち, これら新技術開発にともなうリスクは,便益の代 償ともいえる.そこで, リスクの定量化や,社会 的評価を行ない,総合的な安全性を評価しようと する目的で,セーフティ・アセスメントが注目さ れている.

2

.

セーフティ・アセスメントとは セーフティ・アセスメントは,図 l に示す 3 つ の要素で構成される.ここでリスク同定とは,新 しいリスクの要因,その因果関係を明らかにする ことである. リスク推定とは,ある事象の発生確率の値,そ の結果より生ずる損害を予測することである. 社会的評価とは,個人,団体,社会が,ある使 誌を得るために,どの程度のリスクを受けるかを 評価することである. なかのかずお構造計画研究所 1984 年 9 月号 -事象の発生倒率 リスク l<iJJË 十|公的言、1'1耐 _1Jリ」主主 リぇク -コストーリスク 図 1 セーフティ・アセスメントの J要素 この中で, リスク推定は, リスクの定量化とい う面で重要な要素である.セーフティ・アセスメ ントでのリスクは,通常次の式で定義される. リスク=(事故の発生確率)

x

(その事故が発生した時の災害の大きさ) すなわち, そのシステムの実際の危険度= (システムの信頼度) x (潜在的危険度) と考えられる. システム設計者の努力は,原子力発電や,航空 機のように潜在的危険度の大きなものはシステム の信頼度を向上させ,事故の発生確率を最小化さ せることにより実際の危険度を最小化することに (31)

5

5

3

© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

リスク推定 1/1:射性物質の 枚射性物 'eLtJ J I /.iHIIJ 川~'~グ)桝 tlí 'J~llr{ ンーケ- /, の縫率計算 Phase IV Phase III Phase II Phase 1 原子力発電所のリスク推定プロセス 動・不作動情況によってどのように変化するかを 体系的に同定するためにイベント・ツリー手法が 使用された. 図 2 ある. 各種の分野の技 リスグを定量化するためには, また,系統・施設等の不作動(機能喪失,使用 達成不能など)の原因をさかのぼって基本事象(た とえば,電動弁開失敗) 術が必要となる.たとえば原子力発電所のリスク 推定は図 2 に示すプロセスで実施される. この中で,特に OR と関係するのは,事故の発 生確率を求めるための信頼性評価手法で、ある. (図 システム・モ デリングを行なう手法としてフォールト・ツリー 解析手法が使用された.このアプローチは,その 後の原子力分野の安全性評価法に大きな影響を与 まで調べ, 2 の Phase 1 の部分) システム信頼性解析の手法

3

.

えている. セーフティ・アセスメントで使用されている信 システム・モデリング手法としてのフォールト -ツリー解析の利点は次のとおりである.

[

3

J

①あらゆる故障を探し出すことができる. ②輿味の対象とする故障に限って重要な箇所を 頼性解析手法の比較を図 3 に示す [C 1974年 8 月当時の米国原子力委員会が「米国に おける原子力発電所の事故リスク評価」の研究成 果として発表した WASH-1400[2] の中では,想 システムの中からぬき出すことができる. 定した事故(起因事象)の経過が系統・施設等の作 E T A A F T

F

l¥1

ECA

法 納 十詰 が〈 きえ 」 え t量i t 納 1'11J !料相 í 1以*'1', FMECA: 故障モ}ド ・影響・致命度解析 FTA: フォールト・ツ リー解析 ETA: イベント・ツリ ー解析 信頼性解析手法 の比較 図 3 小災害 中災害 (大災害) (1サ ,~. 申 定 nサ 凶) 'H (原 し )1::-:,:: Fl'j -,~:~

)

f じ " ¥ .I~ シ J 渋川のにりと‘ 1 ¥ 't>l ~( Ij 'j ,ì: t-べ,~ (仙し /I})) の受動 i、 f:i ~べ )c 171'-.;丁、ン 7\ ¥ C'),\"{防/ f'J'(11 ,卒ii

*

u:

,

c \ ' 0 オベレーションズ・リサーチ

5

5

4

(32) © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(3)

表 1 リスクに対する人間の態度 (WASH-1250) 一般公衆に対する 死亡リスク・レベル 人間の態度 10-8/年 え動 考行) とのん か〆へ Jv ,刀 ス山 YI 、 リ減気 なク病 大ス一 過リ回 10-'/年 出は行なうリスク減少のための支 ex. 突通事故 気にはしている. リスク を避けるために注意はす る. ex. 溺死 10-~/年 , M 道 。鉄 p , •.

,

o 故 C 量守 A 機 n 空 何航 災・故 天昭事 年

,,,

n u ③システムの設計変更にともなって生じる 信頼性上の問題の検討を目視できる形で 提供できる. ④システム信頼性解析の道具として定性的 にも定量的にも使用できる. ⑤一時的にある特定のシステム故障だけに 注目して解析を進めることができる. ⑥システムのふるまいに対して洞察力を与え る. この他,つけ加えなければならないことは,1970 年以後,各種のプログラムが開発され,計算機を 用いたフォールト・ツリー解析が容易になったこ とであろう.

4

.

リスク許容レベル リスク推定値の評価を行なうためにはリスク許 容レベルの設定が重要で、ある.米国で実施されて いる原子力, LNG基地のリスク評価では,社会に すでに在存しているリスクの調査・分析を行ない “許容リスクレベル"の考え方から,原子力, LNG 基地の建設によるリスクと比較し評価している. WASH-1250[ 4J には, リスクに対する人間の 態度の調査結果がまとめてあり,許容リスクに対 する l つの基準を設定している. それを整理すると表!のようになる. 1984 年 9 月号 10-1

lij-i-

ー寸一一ーーー寸 a

~咋機事故匂十

!

+--一一一ートー一ーーー+一一一ーー 航空機事故によもる地上人 l 全事故合計 N を 10ー 2 辛苦 :' -る ! jilr 1支 ー「一ーー十ー一ーーー

l

、ム/ダム棋

1 、 1\!i 10-3トー一一千一一、いーーミー一一L 一一一1',・ 1

1 1 X 1 . V l

/

,\

年ぃ、 10-4 トーーー一十一一十ーー --7--- 十一一­

..1¥

山一ー一代弁--j一一 -T

一一-,1100原子yj発電所

i

日ーーー-「アk--7一ーオーナー

10-7 10 100 1

,

000 10 ,∞o 100

,

000 1

,

000

,

000 死者数 N 図 4 名種の社会災害と原子力発電所事故による死者数の比較 (WASH-1400) WASH-14∞では各種の社会災害と原子力発電 所事故による死者数の比較を行なっている. (図的 これは原子力発電所による死亡リスク・レベル は,既存の種々の社会リスクに比較して非常に小 さく, 100基の原子力発電所の運転を行なっても社 会リスクに有意な増加をもたらすことはないこと を示している. 5. おわりに セーフティ・アセスメソトの最終目標は社会的 評価である.社会に容認されるリスクの限度を求 めるには,それにともなう利益,すなわち, リス クと便益, リスクと費用の関係を考慮し,個人, あるいは団体,社会が,ある便益を得るためにど の程度のレベルのリスクを受け入れるかという問 題を解決しなければならない.この問題は一般的 tこ t土, ①リスクを最小化する. ②便益を最大化する. (33) 555 © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(4)

5

5

8

(34) ③費用を最小化する. とし、う複数の目標を考慮した最良な意思決定を行 なわなければならないという多目標問題となるで あろう.この問題を定量的に評価する手法の確立 が今後のセーフティ・アセスメントの残された課 題であろう. 最後に,本テーマに関して,日頃,ご指導,ご 援助いただいている岡山大学佐山隼敏教授,日本 原子力研究所安全解析部リスグ評価解析室,飛岡 利明室長をはじめとする諸研究員方および,構造 計画研究所 OR 研究室,三矢直披,清回三紀雄, 本田龍也の 3 君に心から感謝するしだいである. 参芳文献 [ 1 ]佐山隼敏:システム信頼性解析.電気学会誌 100 巻 7 号(昭和 56年 7 月), 11 ー 14

[2] U. S. Nuclear Regulatory Commission :

Reactor Safety Study-An Assessment of Accident Risk in U. S. Commercial Nuclear

Power Plants (WASH-1400). NUREG-75/

014

,

1975

[3 J 石井博司,飛岡利明,中野一夫:信頼性予測の ためのプオーノレト・ツリー手法の有効性.オベレ

ーションズ・リサーチ, Vo

l

.

28. No.l (1983年

1 月) 32-40

[4] Atomic Energy Comission: The Safety Nuclear Power Reactor and Related Facilities(WASH-1250). AEC, 1973

オベレーションズ・リサーチ

表 1 リスクに対する人間の態度 (WASH-1250) 一般公衆に対する 死亡リスク・レベル 人間の態度 10- 8 /年 え動考行)とのんか〆へJv ,刀ス山YI 、リ減気なク病大ス一過リ回 10-'/年 リスク減少のための支出は行なう ex

参照

関連したドキュメント

転倒評価の研究として,堀川らは高齢者の易転倒性の評価 (17) を,今本らは高 齢者の身体的転倒リスクの評価 (18)

2018年 5月 6月 9月21日 2019年 1月 2020年 12月 2021年 2月 4月 9月. 富士ゼロックスお客様価値創造センター内にSmart

2 E-LOCA を仮定した場合でも,ECCS 系による注水流量では足りないほどの原子炉冷却材の流出が考

 リスク研究の分野では、 「リスク」 を検証する際にその対になる言葉と して 「ベネフ ィッ ト」

統制の意図がない 確信と十分に練られた計画によっ (逆に十分に統制の取れた犯 て性犯罪に至る 行をする)... 低リスク

学期 指導計画(学習内容) 小学校との連携 評価の観点 評価基準 主な評価方法 主な判定基準. (おおむね満足できる

・ 津波高さが 4.8m 以上~ 6.5m 未満 ( 津波シナリオ区分 3) において,原

化管法、労安法など、事業者が自らリスク評価を行