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Apc遺伝子欠損マウスにおける高脂血症と腸発がんとの関係に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

Apc遺伝子欠損マウスにおける高脂血症と腸発がんとの関

係に関する研究( 内容の要旨 )

Author(s)

仁保, 直子

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(獣医学) 乙第071号

Issue Date

2006-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/3144

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月日 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 仁 保 直 子(神奈川県) 博士(獣医) 獣医博乙第71号 平成17年9月16日 学位規則第3条第2項該当 月即遺伝子欠損マウスにおける高脂血症と腸発がんとの関係に関 する研究 主査 東京農工大学 副査 帯広畜産大学 副査 岩 手 大 学 副査 東京農工大学 副査 岐阜 大 学 敏 峯 治 珍 昭 国 高 修 浩 利 森 井 田 田 木 三 松 津 松 柵 授 授 授 授 授 教 教 教 教 教 論 文 の 内 容 の 要 旨 大腸発がんに食生活習慣が大きな影響を与えていることはよく知られていることであり, 高脂肪食の摂取は大腸がんのリスクを高めることが疫学研究及び動物実験によって示され ている。また,血清トリグリセリド値あるいは総コレステロール値の高い人は大腸がんの リスクが高いという報告もある。大腸がんの発生過程では複数の遺伝子に変異が起きるこ とが重要であり,がん抑制遺伝子であるdタC(α虎〃0研〟J抑叩∂み卯∫ねCOJf)の変異は腫瘍化 の初期に関与していると考えられている。dPC遺伝子は家族性大腸腺腫症匝milial adenomatous polyposis:FAP)の原因遺伝子として同定され,その変異は散発性大腸がんに も広く認められる。ヒトと同様の発がん過程を進むモデル動物として,これまで数種類の dクC遺伝子欠損マウスが樹立された。これらは4Ⅳ遺伝子にヘテロ接合性の消失が生じる ことにより,小腸を中心に腺膿または腺がんが発生する。これらのことから,脂質代謝異 常の改善作用を有する薬剤をdクC遺伝子欠損マウスなどに投与して血清脂質値を正常化さ せることにより,大腸がんの発生を予防できるのではないかと考えられ,以下の実験を行 った。

dクC欠損マウスである」〆309マウスとMinマウスを長期飼育したところ,血清脂質,特

にトリグリセリド値が適齢とともに上昇し,野生型マウスに比較して10倍以上高くなり, 高脂血症状態を呈することを見出した。その原因として,脂質代謝関連酵素の発現量を計 測した結果,トリグリセリドを加水分解する酵素であるリボ蛋白リパーゼ(LPL)の mRNA発現レベルが野生型マウスに比較して著しく低下していることがわかった。 6適齢の雄Apc1309マウスに,血清脂質低下作用を有するPPAR†(peroxisomeproliferator activatedreceptor†)アゴニストのピオグリタゾンまたはPPARqアゴニストのベザフィブラ ートを1doまたは200ppmの濃度で6週間浪餌投与した。その結果,4Ⅳ1309マウスの高脂

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血症はピオグリタゾンまたはベザフィブラートの投与により改善し,腸ポリープ数は非投 与群の67%にまで減少した。次に,6適齢の雄Minマウスに100,200,4OO及び1600ppm のピオグリタゾンを14週間混餌投与した結果,Minマウスの血清脂質値は野生型マウスの レベルまで低下し,小腸及び大腸のポリープ数も非投与群の63"9%まで減少した。これ らのマウスのLPL mRNA発現レベルはピオグリタゾン及びベザフィブラートの投与によ り野生型マウスのレベルまで回復した。 LPLの低下は血清脂質値の上昇と腸ポリープの発生の両方に関与している可能性が考え られたため,7適齢の雄Minマウスに400または800ppmのLPL選択的活性化剤 卿0-1S86:PPARを介さずにLPLmRNA発現レベルを上昇させ,LPL活性を上昇させる化 合物)を13週間混餌投与した。その結果,MinマウスのLPL発現レベルは野生型マウスの レベルまで回復し,高脂血症が改善された。また,腸ポリープ数は非投与群の42%にま で減少した。更にNO・1各島6はCOX-2mRNAの発現を抑制したことから,このポリープ形 成抑制メカニズムのひとつにCOX・2の制御も考えられた。これまでLPLの異常は高脂血 症,糖尿病,動脈硬化を促進させることが知られていたが,以上の結果は,LPLの発現の 上昇が腸がん発症の抑制にも重要な役割を担っていることを強く示すものである。

以上のように,一正309及びMinマウスは,腸発がんと高脂血症との関連性あるいは腸が

んの発現機序を解析する上で非常に有用なモデルであることが示唆された。一方,イヌ, ネコやゲッ歯類においても高齢動物では大腸・小腸がんが自然発生することが報告されて いるが,その発がん機序はほとんど解明されておらず,今回の研究はと卜のみならず,動 物の腸発がん研究にも貢献できるものであると考えられた。また,LPLはがん予防の新た な標的分子である可能性があり,PPAR(羊アゴニスト,PPARγアゴニスト及びLPL選択的活 性化剤は,がん化学予防剤として有用である可能性が示唆された。 審 査 結 果 の 要 旨 本研究は、郎c遺伝子欠損マウスの一種である如c13㈹マウスとMinマウスにおいて、リボ蛋白 リパーゼ(LPL)のmRNA発現レベルの低下により高脂血症状態を呈することを明らかにし、PPAR アゴニストまたはほL活性化剤の投与実験を行い、LPLの低下と高脂血症及び腸発がんとの関係 を明確にした内容である。 第1章では、郎ぐ朋マウス及びVinマウスにおいて、血清脂質、特にトリグリセリド値が週齢 とともに急激に上昇することを明らかにした。高脂血症を発症する原因として、これらのマウス の肝臓及び小腸ではトリグリセリドを加水分解する酵素であるLPLのmRNA発現レベルが野生型 マウスに比較して低下していることがわかり、LPLm郡A発現レベルの低下と高脂血症はポリー プの増殖を促進させる因子として影響を及ぼしていると考えられ、郎C朋マウス及びMinマウス はヒト及び動物の腸発がん機序を解析する上で有益なモデルであることを示した。 第2華ゃは、Apc欠損マウスの高脂血症及び腸発がんに対するPPARα及び†アゴニストの抑 制作用をみるために、雄郎♂甲マウスにピオグリタゾンまたはべザフィブラートを-100または 200ppmの濃度で6週間混餌投与した。その結果、4犯13㈲マウスの血清トリグリセリド値はピオ グリタゾンまたはべザフィブラートの投与により非投与群の値の45%まで減少し、腸ポリープ 数は非投与群の67%まで減少した。次に、6週齢の雄肌nマウスに100-1600ppmのピオグリタ ゾンを14週間混餌投与した結果、Minマウスの血清脂質値は野生型マウスのレベルまで低下し、 ′ト腸及び大腸のポリープ数も非投与群の由一9%まで減少した。これらのマウスのu軋Ⅱ劇偶発 現レベルはピオグリタゾン及びベザフィプラートの投与により野生型マウスのレベルまで回復

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した。これらのことから、LPLの低下は血清脂質値の上昇と腸ポリープの発生の両方に関与して いる可能性が示唆された。 第3章では、高脂血症及び腸ポリープ形成に対するLPLの役割を明らかにするために、阻nマ ウスに400または800ppmのLPL選択的活性化剤(NO-1886)を13週間混餌投与した。その結果、 MinマウスのLPL尭現レベルは野生型マウスのレベルまで上昇し、高脂血症が改善された。また、 腸ポリープ数は非投与群の42%まで減少した。 以上の実験結果から、郎c13脚及びMinマウスは腸発がんと高脂血症との関連性、また腸がんの 発生メカニズムを追求する上で有用なモデルであることが示唆され、また、本研究はヒトのみな らず、動物の腸発がん研究にも貢献できるものであると考えられた。LPL発現レベルの上昇は腸 がん発症の抑制にも重要な役割を担っていると考えられ,PPARaアゴニスト、PPARTアゴニスト 及びLPL選択的活性化剤はがん化学予防剤として有用である可能性が示唆された。 以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究科の学位論文として十 分価値があると認めた。 基礎となる学術論文 1) 題 目: 著 者 名: 学術雑誌名: 巷・号・頁・発行年: 2) 題 目: 著 者 名: 学術雑誌名: 巻・号・貢・新年: 3) 題 目: 著 者 名: 学術雑誌名: 巻・号・頁・新年: 既発表学術論文 1) 唐 目: 著 者 名: 学術雑誌名: 巻・号・頁・祈年: 2) 題 目: 著 者 名: 学術雑誌名: 巻・号・頁・発行年: ConcomitantSuPpreSSionofhypedipidemiaandintestinalpolypformationin 4pc-deRcientmicebyperOXisomeproliferatoトaCtivatedreceptorligands Niho,N.,rtbkahぉhi,`M.,Kitamura,T,Shqii,Yl,ltoh,M.,Noda,Tl,Sugimura, 抽dW故地町おbi,K, Cancer Rcsearch 63(1$):6090-6095,2003 Dose-depcndentsuppressionofhyperIipidemiaandintestinalpolypformationin Minmicebypioglitazone,aP臥R†ligand Niho,N.,Tbkahashi,M.,S叫i,Y,Thkeuchi,Y,Matsubara,S・,Sugimura,Tland W址曲ayぉ札K. Can£erScience 94(11):960-964,2003 ConcurrentsuppressionofhyperlipidemiaandintestinalpolypformatioTlby NO-1886,increasinglipoprotein)ipaseactivityinMinmice Niho,N.,Mut血,M.,Thkahashi,M.,恥utsumi,K.,S頑mura,T and W故曲野おbi,K.

Pn芳eCdingsoftheNationalAcademy ofScienccs ofthe United States of Amedca lO2(町:2970-2974,2005 Assessmentofrenaltoxicitybyana]ysisofregenerationoftubularepitheliumin ratsgivenlow-dosecadmiunchlorideorcadmium-pO11utedricefor22months Shibutani,M.,Mitsumori,K.,Niho,N.,Satoh,S.,Hiratsuka,H.,Satbh,M., SumlyOShi,M.,Nishiiima,M.,Katsuki,Y,Suzuki,J.,Nakagawa,J・andAndo, M. ArchivesofTbxicology 74(10):571-577,200O Subchronictoxicitystudyofgal1icacidbyoraladministrationinF344rats Niho,N.,Shibutani,M.,T加Iura,Tl,Tbyoda,K.,Unqama,C・,職kahashi,N・and Hirose,M. F∝追卸dChemi血1恥xicolo訂 39(11):1063-1070,2001

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3) 題 目: 著 者 名: 学術雑誌名: 巻・号・頁・発行年: 4) 昏 目: 著 者 名: 学術雑誌名: 巻・号・頁・発行年: 5) 題 目: 著 者 名: 学術雑誌名: 巻・号・貢・発行年: 6) 題 目: 著 者 名: 学術雑誌名: 巻・号・貢・発行年: 7) 題 目: 著 者 名: 学術雑誌名: 巻・号・貢・発行年: Tbxice晩ctsofbenqlanda11ylisothiocyanatesandben可l-isoformspccific metabolitesintheurJnaJybladdera鮎rasingleintravesicalapplicatiQntOratS Masutomi,N.,Tbyoda,K・,Shibutani,M・,Niho,N・,Uneyama,C・,Thkdhashi,N・ andHirosちM. TbxicologicP血0lo訂 29(6):617-622,2001

Dose-andtime-reSPOnSe Studiesofsodium o・phenylphenateunnarybladder Caminqgenicityinrats Niho,N・,Shibutani,M・,Tbyoda,K・,Sato,H・,Hirose,A・,lmaida,K・,Thkahashi, M.,Hayashi,YandHirose,M. FoodandChemicalTbxicology 40(5):715-722,2002 Priminge飴ctsofnovelnonsteroidalprogesteronereceptormodulatorsCP8$16 andCP88630nthedeveIopmentofadenomyosisinthemouseuterus Mori,T,Kurata,Y,Tbbata,Y,Niho,N.,Matsuda,M.andZhou, Li鎚Science 71(5):527-535,2002

Lack of slgniGcant elbts of genistein on the progression of

7,12⊥dimethylbenz@)anthracene-inducedmammary tumorsin ovariectomized Sprague-Dawieyrats Ueda,.M・,Niho,N・,Imai,T,Shibtrtani,M・,Mitsumori,K・,Matsui,Tand Himse,M. N血itionandCancer 47(2):】41-147,2003 Suppressionofazoxymethane-inducedcoloncancerdeve)opmentinratsbya prostaglandinEreceptorEPl-Selectiveantagonist Niho,N.,Mutoh,M.,Kitamura,T.,Takahashi,M.,Sato,H.,Yamamoto,H・, Maruyama,T.,Ohuchida,S.,Sugimura,T.aJldWakabayashi,K・ CamcerScience 96(5):260-264,2005

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