電子冷却装置の冷却効率の向上
著者
佐野 勇司
著者別名
Yuji Sano
雑誌名
東洋大学研究シーズ集2019-2020
ページ
63-63
発行年
2019-08-29
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00011116/
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http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja
装置・デバイス・ものづくり・情報
63
東洋大学研究シーズ集2019-2020
① 熱電素子駆動装置(特開 2016-115691)(特許査定)
② ペルチェ素子のゼーベック効果を考慮した熱等価回路と冷却効率を向上させる駆動方式,
電気学会論文誌 C Vol.138 No.1 (2018 年)
電子冷却装置の冷却効率の向上
理工学部 電気電子情報工学科
佐野 勇司
教授 Yuji Sano
研究
概要
電流による熱輸送ができる熱電素子(ペルチェ素子)の自己発熱を低減することにより、冷却効
率を向上できるパルス制御直流駆動方式と駆動回路を開発しました。本方式の適用により、従
来装置の冷却性能の向上と小型低コスト化が期待できます。
研究シーズの内容
ホテルの客室の静穏化や撮像素子の高感度化、手術部位の集中冷却に
おいて、ペルチェ素子を用いた冷却装置が多用されています。しかし、従来の
冷媒方式による装置に対する冷却効率の低さが課題となっていました。
そこでペルチェ素子を正確にパルス制御しながらも直流電流で駆動すること
により、駆動電流の平均値は維持したまま実効値を減らして、同じ吸熱量に
おける素子の自己発熱を大幅に低減できる冷却方式を開発しました。
駆動回路を試作して冷却効果を測定した結果、ペルチェ素子の直流駆動時の自己発熱を、従来の
チョッパ駆動時に対して 30.6%以上低減できました。そして、冷却効率を示す成績係数 COP は、従来方
式と比べて 1.68 倍以上に増加しました。ペルチェ素子の熱等価回路を考案することにより、冷却効率
の向上効果も精度よく解析することができました。
研究シーズの応用例・産業界へのアピールポイント
バッテリーによる携帯型電子冷却装置、さらに電流方向により温熱から冷却まで可能な自動体温維持
装置などの実現が期待できます。
特記事項(関連する発表論文・特許名称・出願番号等)
図1 実験に用いたペルチェ素子
50.8mm 角
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5
自己発熱
[W
]
ペ ル チ ェ 素 子の平 均電流[A]
直流駆動
台形波駆動
図 3 ペルチェ素子の自己発熱の特性
従来駆動
図 2 ペルチェ素子の駆動電流波形
D
駆動電流
[A]
0
1
時間 [arb.]
直流駆動
従来駆動
同じ平均電流(吸熱量に比例)の直流電流により吸熱量低下をデューティサイクルD倍に低減
図 5 ペルチェ素子の新しい熱等価回路
放熱面
温度
ペルチェ効果
放熱増加
吸熱量
吸熱面
温度
放熱量
自己発熱
θP /2/2 θP /2
直流駆動
従来駆動
図 4 成績係数 COP の特性
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