学校設定教科「国際理解」のカリキュラム・マネジメント研究:―高校英語科教員による実践的検討を通して―
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(2) 3つの領域を取り上げ、それぞれが国際理解教育と. 業は講義形式が多く、知識の習得に偏る傾向があっ. どのような関係にあるかについて論じることを通じ. た。生徒の気づきを重視し、参加・体験型の学習活. て、国際理解教育の概念の精緻化を図った。. 動を増やす必要がある。. 第3章では、カリキュラム作成要領についての先行. PDC、つまり「計画・実践・授業評価」までが行. 研究・実践を整理することを通じて、本稿で必要とさ. われるにとどまっていた原因は、Cの視点が多様で. れるカリキュラム作成の手続きを確認した。この作業. あり、教師の出し合い話で終わってしまっていたと. は、学校設定教科目のカリキュラムを作成しようとす. いうことが考えられる。問題点を指摘することで終. る若手教員の参考にもなることが期待される。. わらないためには、第4章で提案した実践分析チェ. 第4章では、学校設定教科r国際理解」のカリキ. ックリストや、第7章で提案したカリキュラム改善. ュラム・マネジメントの現況を示した。実践分析チ. の手立てを考える道具(マトリックスなど)を用い. ェックリストを作成し、それを用いて平成19,20. て、改善案を具体的に示すことが必要である。. 年度の実践をチェックし、分析した。. プロジェクト実習では、評価方法の改善を試みた. 第5章では、プロジェクト実習(平成22年5月. 結果、多角的な評価を行うことが可能になった。た. 25目∼6月24日)の計画と準備の詳細を示した。. とえば、生徒の多様性と評価の信頼性・妥当性を考. 具体的には、単元開発の過程を示すものとして、学. 慮に入れた評価方法を実施したことである。また、. 習内容の選定・単元目標の設定・単元計画などの方. 評価規準についても緻密に考え、より客観性を確保. 法を説明や、学習方法や授業手法の研究などである。. することができるようになった。さらに情意的領域. また、授業評価のための抽出生徒インタビューの準. の評価方法として、従来からあるものに加え、質問. 備内容や、質問紙尺度の構成についてもまとめてい. 紙尺度を導入したことも1つの成果である。. る。. 評価の後に、実際に改善した単元計画を立ててみ. 第6章では、プロジェクト実習の結果、インタビ. た。CからAを起こすためには実践分析チェックリ. ニし一. 燉e、r異文化理解尺度」を用いた調査の結果と. ストを用いることが有効であるとわかった。. それぞれの考察を示した。. プロジェクト実習の1単元において、PDCAサイ. 第7章では、本研究の成果として、学校設定教科. クルのCAに重点を置く実践ができたと考える。以. 「国際理解II」のカリキュラム改善版を提示した。. 上のような成果と課題を反映させて新カリキニ。ラム を編んだ。. 5.研究の結果と考察 過去の実践・プロジェクト実習の結果分析と先行. 6、今後の課題. 研究の知見から、次のようなことが明らかになった。. 本研究では、学校設定教科「国際理解」のカリキュ. 学校設定教科目及び各単元の目標が具体的なもの. ラム改善版を作成するための資料として、プロジェ. でなく、複数の担当教師と生徒の間で到達目標が理. クト実習の1単元というミニ・サイクルを分析対象. 解されにくくなっていた。これは、明確な目標がな. としている。つまり、1年間のサイクルで実施した. いことが原因で評価計画が不十分なものとなってし. 場合とは事情が異なる面があるということである。. まったためである。. そのため、通常の年間カリキュラムを実施する際に. 学習内容の領域を決め、系統性をもたせた年間計. は、新たな課題が見出される可能性が高い。そうい. 画をたてる必要がある。旧カリキュラムの年間計画. った課題に柔軟に対応していくことが求められるで. では、その点が実行されておらず、教育内容の範囲. あろう。. と水準が不確実なものであったといえる。. 修学指導教員 増澤康男・溝違和成. 学習方法についても、過去の「国際理解皿」の授. 指導教員 伊藤博之. 一69川.
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