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学校設定教科「国際理解」のカリキュラム・マネジメント研究:―高校英語科教員による実践的検討を通して―

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Academic year: 2021

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(1)学校設定教科「国際理解」のカリキュラム・マネジメント研究     一高校英語科教員による実践的検討を通して一 教育実践高度化専攻 授業実践リーダーコース. P090351 森 美樹. 1.問題の所在. 実践を客観的に見直し、学校設定科目r国際理解皿」.  現在、公立高校において様々な特色化が奨励されて. のカリキュラム改善版を提示することが本研究の目. いる。現任校では、我が校に魅力を持たせるための方. 的である。. 策として、他校にはないユニークな授業を始めるとい う提案が出され、特色ある学校づくりを目指した教育. 31研究方法. 活動が行われている。.  まずは、平成19,20年度2年間の実践を省察し、.  平成16,17年度に実施したr生徒実態調査」の結. 旧カリキュラムのPDCAサイクルのうち、PDC、. 果分析や教員の専門分野などを持ち寄って議論した. つまりr計画・実践・授業評価」までが行われるに. 末、学校設定教科「国際理解」(選択・2単位)を置く. とどまっていた原因と、その時点での改善方策を仮. ことが決まり、準備期間を経て平成19年度から授業. 説的に明らかにする。. はスタートした。これまでのところ、英語科が擾当す.  次に、上記で得られた仮説的知見をもとに、教育. るr国際理解I」の授業が活性剤となり、英語の学習. 実践研究課題プロジェクト実習で扱う単元「異文化. 態度や成績の向上が見られ、カリキュラムの成果が上. 理解」の再計画を練った上で、4週間の実習におい. がりつつある。しかし生徒の授業感想を詳細に見ると. て小さなPDCAサイクルを回し、改善策の有効性を. まだ改善の余地が残されている。. 検証するとともに、計画段階では予想できなかった.  このような問題を解決する必要が担当教員には自. 課題の析出を図る。. 覚されていたものの、現在に至るまで部分的な改善.  最後に、先行研究・実践から得られた知見及び過. を場当たり的に施すだけに終わっていて、十分な解. 去の実践とプロジェクト実習の成果・課題を基にし. 決策が講じられているとは言い難い。言いかえれば、. て、CからAへの捧続に重点を置くカリキュラム・. 組織性・系統性をもって行われていないのである。. マネジメントの視点を備えた「カリキュラム改善版」. そうなっている最大の原因として、実際には1日カリ. を策定する。. キュラムのPDCAサイクルのうち、PDC、つまり「計 画・実践・授業評価」までが行われるにとどまって. いたことが挙げられる。抜本的改善のためには、 PDCAサイクルを組み込んだカリキュラム・マネジメ ントのシステムを構築し、実践とその評価を踏まえ たモデル・カリキュラムを作成する必要があると考 えた。. 4.研究の概要.  第1章では、本研究の目的を踏まえ、国際理解教 育の歴史的変遷を概観し、この教育の意義について の先行研究を整理した。また、プロジェクト実習の 単元開発の具体的な方策を探るため、先行実践の検 討を行った。. 2 研究の目的. 学校設定教科r国際理解」の平成19,20年度の. 第2章では、多様な学習領域の中から、国際理解教 育と関連性が高いために同一視されることさえある. 一68一.

(2) 3つの領域を取り上げ、それぞれが国際理解教育と. 業は講義形式が多く、知識の習得に偏る傾向があっ. どのような関係にあるかについて論じることを通じ. た。生徒の気づきを重視し、参加・体験型の学習活. て、国際理解教育の概念の精緻化を図った。. 動を増やす必要がある。.  第3章では、カリキュラム作成要領についての先行.  PDC、つまり「計画・実践・授業評価」までが行. 研究・実践を整理することを通じて、本稿で必要とさ. われるにとどまっていた原因は、Cの視点が多様で. れるカリキュラム作成の手続きを確認した。この作業. あり、教師の出し合い話で終わってしまっていたと. は、学校設定教科目のカリキュラムを作成しようとす. いうことが考えられる。問題点を指摘することで終. る若手教員の参考にもなることが期待される。. わらないためには、第4章で提案した実践分析チェ.  第4章では、学校設定教科r国際理解」のカリキ. ックリストや、第7章で提案したカリキュラム改善. ュラム・マネジメントの現況を示した。実践分析チ. の手立てを考える道具(マトリックスなど)を用い. ェックリストを作成し、それを用いて平成19,20. て、改善案を具体的に示すことが必要である。. 年度の実践をチェックし、分析した。.  プロジェクト実習では、評価方法の改善を試みた.  第5章では、プロジェクト実習(平成22年5月. 結果、多角的な評価を行うことが可能になった。た. 25目∼6月24日)の計画と準備の詳細を示した。. とえば、生徒の多様性と評価の信頼性・妥当性を考. 具体的には、単元開発の過程を示すものとして、学. 慮に入れた評価方法を実施したことである。また、. 習内容の選定・単元目標の設定・単元計画などの方. 評価規準についても緻密に考え、より客観性を確保. 法を説明や、学習方法や授業手法の研究などである。. することができるようになった。さらに情意的領域. また、授業評価のための抽出生徒インタビューの準. の評価方法として、従来からあるものに加え、質問. 備内容や、質問紙尺度の構成についてもまとめてい. 紙尺度を導入したことも1つの成果である。. る。.  評価の後に、実際に改善した単元計画を立ててみ.  第6章では、プロジェクト実習の結果、インタビ. た。CからAを起こすためには実践分析チェックリ. ニし一. 燉e、r異文化理解尺度」を用いた調査の結果と. ストを用いることが有効であるとわかった。. それぞれの考察を示した。.  プロジェクト実習の1単元において、PDCAサイ.  第7章では、本研究の成果として、学校設定教科. クルのCAに重点を置く実践ができたと考える。以. 「国際理解II」のカリキュラム改善版を提示した。. 上のような成果と課題を反映させて新カリキニ。ラム を編んだ。. 5.研究の結果と考察  過去の実践・プロジェクト実習の結果分析と先行. 6、今後の課題. 研究の知見から、次のようなことが明らかになった。.  本研究では、学校設定教科「国際理解」のカリキュ.  学校設定教科目及び各単元の目標が具体的なもの. ラム改善版を作成するための資料として、プロジェ. でなく、複数の担当教師と生徒の間で到達目標が理. クト実習の1単元というミニ・サイクルを分析対象. 解されにくくなっていた。これは、明確な目標がな. としている。つまり、1年間のサイクルで実施した. いことが原因で評価計画が不十分なものとなってし. 場合とは事情が異なる面があるということである。. まったためである。. そのため、通常の年間カリキュラムを実施する際に.  学習内容の領域を決め、系統性をもたせた年間計. は、新たな課題が見出される可能性が高い。そうい. 画をたてる必要がある。旧カリキュラムの年間計画. った課題に柔軟に対応していくことが求められるで. では、その点が実行されておらず、教育内容の範囲. あろう。. と水準が不確実なものであったといえる。.      修学指導教員  増澤康男・溝違和成.  学習方法についても、過去の「国際理解皿」の授.      指導教員    伊藤博之. 一69川.

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