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高校生の生物学習に対する意欲を高める授業実践 : 日常生活での有用感に焦点をあてて

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Academic year: 2021

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(1)高校生の生物学習に対する意欲を高める授業実践     一目常生活での有用感に焦点をあてて一                           教育実践高度化専攻                           授業実践リーダーコース.                           学籍番号 P10022B.                           氏名小嶋睦子 1 問題の所在と研究の目的. Context’1ed approachを採用しているイギリ.  生物Iは,現任校の生徒にとって,進路実現. スの教科書Sa1ters・Nu舶e1dAdvanced Bio1ogy. のために学習するという意識が強い科目である。. 缶r EdexceIAS Bio1o甑で行う授業の特徴と従. そのため,生物Iが入試科目に該当しない生徒. 来の生物I(東京書籍)で行う授業の特徴を整理. の中には,学習に対する意欲や授業内容への興. し,Context・1ed approachから得た日常生活の. 味関心が著しく低下する場合がある。生物Iの. 文脈を通して生物Iを学ばせるための視点につ. 学習は,進路希望を達成するための道具としか. いて述べた。. 考えられていないように思える。. ①日常生活の諸問題を理解するための基本.  生徒の刊こは,高等学校を卒業すると生物分. 的知識となる教材を用いる。. 野に限らず理科を学習する機会が減る者も少な. ②日常生活の諸問題について,学んだことか. くない。場合によっては高等学校が最後の学習. ら科学的な視点で判断する場面を設定する。. の場になる。生徒には,受験のためではなく,. ③学習内容への興味関心を高める実験実習. 日常生活で将来にわたって活かすために生物I. を行う。. の知識を身につけさせたい。.  そこで,高等学校生物Iにおいて,日常生活.  3章では,研究仮説と実践全体の概要とその. での有用感を持たせることに焦点をあてて単元. 検証方法を示した。また,実習前の『生物』に. (授業)をデザインし,その実践を通して,生. 対する意識調査から生徒の実態を明らかにした。. 物学習に対する意欲を高めることを本研究の目.  平成17年度教育課程実施状況調査と現任校. 的とする。. の実習前の生徒をほぼ同じ内容の質問項目で比. 2 研究報告書の構成. 較すると,現任校では入試のために『生物』を.  本報告書は,次の7章で構成した。. 学習しているが,将来『生物』を活かした仕事. 1章 問題の所在と研究の目的. にっくことや『生物』が好きな仕事につくのに. 2章 研究の方法と内容. 役立つと考える生徒は少ない。・生物学習に対す. 3章 検証計画. る有用感に関しては,全国調査に比べると『生. 4章 実践I. 物』への日常生活での有用感を持っていると答. 5章 実践1I. えた生徒の割合が高かった。また,「内部環境と. 6章 結果と考察. 恒常性」の単元には,興味を持っていること, r役立つ」という期待感が高いことがわかった。. 7章 まとめおよび今後の課題. 3 研究の概要.  4章では,実践I(1∼7時)について単元の構.  1章では,現任校での日頃の実践から,問題. 造と,2章で示した視点から教材を作成し,単. の所在および研究の目的を述べた。. 元デザインを提案した(表1)。波線部は,視点か. 2章では,本研究の方法と,日常生活の文脈 を導入することについて述べた。さらに,. ら具体化した教材である。.  この単元計画にもとづいて授業を行い,実践. 一46一.

(2) 授業について分析,考察を行った。結果,生徒.  6章では,実践全体を通して,生物Iの学習. は学習内容への興味関心が高まったものの,日. の日常生活における有用感が高まったかどうか. 常生活での有用感を感じるには至らなかった。. を質問紙調査から検証した。. それは,第4時の映像を見て生徒に質問を作成.  実習前後で行った『生物』に対する意識調査. させる際,学習内容と質問が合うように十分な. では,実践授業を行った組を実習組,行わなか. 指導ができていなかったことと,授業内での生. った組を通常組として,データを比較した。回. 徒の質問に関連した内容の補足説明が生徒に定. 答は「そう思わない」「どちらかといえばそう思. 着しなかったことが原因であると考えられる。. わない」「どちらかといえぱそう思う」「そう思. これをふまえて,実践nの改善を行った。. う」の4件法で尋ねた。. 【表1】視点を入れた単元計画(実践I). 授業内容. 時 1. 2.  質問項目27項目のうち,日常生活での有 用感を問う質問12「『生物』を勉強すれば,私. 体液・循環系のはたらきについて. の普段の生活や社会生活に役立っ」(表3)におい. ヒトの心臓の構造について. て,実習組では実習授業によって「そう思う」. uタの心臓の観察(実験) 3. 4. 循環系・実験のまとめ 『はたちの献血キャンペーン 映像を見て,. 「どちらかといえばそう思う」と答えた生徒が 有意に増加した。.  その他の質間の回答とあわせて総合的に分析. ソ問を考え,友人の質問に答える 血液について 5. 赤血球のはたらき,酸素解離曲線について. 6. 血液凝固,体液性免疫について. 7. 細胞性免疫について. し,生物学習の日常生活での有用感が高まった という結果が得られた。 【表3】 質問12『生物』を勉強すれば,私の普段.     の生活や社会生活に役立つ。 ^周1」. 後. 対応あるt検定. 平均. 2.37. 2.94. n=87. S.D.. 0.73. 0,65. 煤i86)= 7.74**. 平均. 2.50. 2,50. n=18. S.D.. 0.86. O.71. 煤i17)= 0100. 謔S時に作成した質問に対する答えを考える  5章では,実践11(8∼10時)について単元の構 実習組. 造と,2章で示した視点および実践Iから改善 点をふまえて教材を作成し,単元デザインを提. 通常組. 案した(表2)。波線部は,視点から具体化した教 材である。. 舳Pく.01.  第10時には「このプリントを読んで,今ま.  また,前期中間考査の結果から,実習組と通. で,ただ『勉強』だった生物が自分の健康や,. 常組で平均点に差はなく,実践授業によって生. これから生きていくことに役立つものだと思っ. 徒の知識の習得を妨げるようなことはなかった。. た。もし,病気になりかけたり,なったりした. 4 まとめと今後の課題. ときに,知識があるのとないので違うと思った。.  各実践と実践全体での結果と考察から,本研. (男子)」といった,受験のための学習ではなく. 究においては,日常生活の文脈を導入すること. 日常生活のために学習することの意義を感じて. で,生徒にとって生物Iが日常生活につながる. いる生徒の記述が得られた。. 学習として捉えられ,日常生活での有用感を高. 【表2】視点を入れた単元計画(実践1I). 10. めることができ,生物学習への意欲が高まった. 授業内容. 時. という結果が得られた。. 水生動物の浸透圧調節について.  今後,直接ヒトを教材にしていない単元(例え. 腎臓のつくりとはたらき 腎臓の解剖(演示実験の映像). ば「生殖と発生」)についても,同様の研究を行い,. 日常生活での有用感に焦点をあてた授業を実践. 濃縮率の計算. していきたいと考えている。. NHK『ためしてガッテン の資料から慢性.      修学指導教員 加藤 明 長澤憲保. 腎臓病について考える.      指導教員松本件示 一47一.

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