高校生の生物学習に対する意欲を高める授業実践 : 日常生活での有用感に焦点をあてて
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(2) 授業について分析,考察を行った。結果,生徒. 6章では,実践全体を通して,生物Iの学習. は学習内容への興味関心が高まったものの,日. の日常生活における有用感が高まったかどうか. 常生活での有用感を感じるには至らなかった。. を質問紙調査から検証した。. それは,第4時の映像を見て生徒に質問を作成. 実習前後で行った『生物』に対する意識調査. させる際,学習内容と質問が合うように十分な. では,実践授業を行った組を実習組,行わなか. 指導ができていなかったことと,授業内での生. った組を通常組として,データを比較した。回. 徒の質問に関連した内容の補足説明が生徒に定. 答は「そう思わない」「どちらかといえばそう思. 着しなかったことが原因であると考えられる。. わない」「どちらかといえぱそう思う」「そう思. これをふまえて,実践nの改善を行った。. う」の4件法で尋ねた。. 【表1】視点を入れた単元計画(実践I). 授業内容. 時 1. 2. 質問項目27項目のうち,日常生活での有 用感を問う質問12「『生物』を勉強すれば,私. 体液・循環系のはたらきについて. の普段の生活や社会生活に役立っ」(表3)におい. ヒトの心臓の構造について. て,実習組では実習授業によって「そう思う」. uタの心臓の観察(実験) 3. 4. 循環系・実験のまとめ 『はたちの献血キャンペーン 映像を見て,. 「どちらかといえばそう思う」と答えた生徒が 有意に増加した。. その他の質間の回答とあわせて総合的に分析. ソ問を考え,友人の質問に答える 血液について 5. 赤血球のはたらき,酸素解離曲線について. 6. 血液凝固,体液性免疫について. 7. 細胞性免疫について. し,生物学習の日常生活での有用感が高まった という結果が得られた。 【表3】 質問12『生物』を勉強すれば,私の普段. の生活や社会生活に役立つ。 ^周1」. 後. 対応あるt検定. 平均. 2.37. 2.94. n=87. S.D.. 0.73. 0,65. 煤i86)= 7.74**. 平均. 2.50. 2,50. n=18. S.D.. 0.86. O.71. 煤i17)= 0100. 謔S時に作成した質問に対する答えを考える 5章では,実践11(8∼10時)について単元の構 実習組. 造と,2章で示した視点および実践Iから改善 点をふまえて教材を作成し,単元デザインを提. 通常組. 案した(表2)。波線部は,視点から具体化した教 材である。. 舳Pく.01. 第10時には「このプリントを読んで,今ま. また,前期中間考査の結果から,実習組と通. で,ただ『勉強』だった生物が自分の健康や,. 常組で平均点に差はなく,実践授業によって生. これから生きていくことに役立つものだと思っ. 徒の知識の習得を妨げるようなことはなかった。. た。もし,病気になりかけたり,なったりした. 4 まとめと今後の課題. ときに,知識があるのとないので違うと思った。. 各実践と実践全体での結果と考察から,本研. (男子)」といった,受験のための学習ではなく. 究においては,日常生活の文脈を導入すること. 日常生活のために学習することの意義を感じて. で,生徒にとって生物Iが日常生活につながる. いる生徒の記述が得られた。. 学習として捉えられ,日常生活での有用感を高. 【表2】視点を入れた単元計画(実践1I). 10. めることができ,生物学習への意欲が高まった. 授業内容. 時. という結果が得られた。. 水生動物の浸透圧調節について. 今後,直接ヒトを教材にしていない単元(例え. 腎臓のつくりとはたらき 腎臓の解剖(演示実験の映像). ば「生殖と発生」)についても,同様の研究を行い,. 日常生活での有用感に焦点をあてた授業を実践. 濃縮率の計算. していきたいと考えている。. NHK『ためしてガッテン の資料から慢性. 修学指導教員 加藤 明 長澤憲保. 腎臓病について考える. 指導教員松本件示 一47一.
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