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児童の観察力を高める授業開発 : 小学校第3学年「植物の一生」におけるスケッチ指導を通して

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(1)

児童 の観察力 を高める授業開発

― 第

3学

年 「植物の一生」における

スケ ッチ指導を通 して 一

教 育実践 高度化 専攻

小学校 教員養成 特別 コー ス

P14089E

田村美香

(2)

目次 第I章 問題 の所在 と研究の 目的・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ ・ 。1 第 Ⅱ章 理論的背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。3 第1節 前 田 らによる小 中学生の植物 における観察観点の研究・・・・・・・ 。3 第

2節

清水・ 山浦 による生徒が演繹的に観察学習に取 り組む効果の研究・・・ 3 第

3節

黒 田・ 山本 による微視的な気付 きを促進す る虫眼鏡 を利用 した観察活動 の研究・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。・・・・・・・・・・・ 5 第

4節

寺 島による校庭樹木の観察視点の変容か らみた効果の研究・・・・・・ 6 第5節 観 察の視点の分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・7 第

6節

授 業化の指針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 第Ⅲ章 単元の概要・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。10 第1節 対象 と実施時期・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・ 。10 第

2節

単元 と目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。10 第

3節

単元の指導過程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 第

4節

単元の実際・・・・・・・ ・・ ◆・・・・・・・・

000。

・・・・・13 第

1項

1時

の授業・・・ 。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 第

2項

2時

の授業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。14 第Ⅳ章 授業の分析 。・・・・ 00。 ・ ・・・・・ 。・・・・・・・・・・・・・ 。17 第1節 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 第2節 方法・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 第1項 観察記録 の得′点化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。17 第

2項

児童の事例分析・・・・・・・・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・19 第

3節

結果 と考察 。・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 第

1項

観 察記録 の得点化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 (1)気づ きの数 (項目A)・ ・ ・・・・・・・・・・ ・・ ・・・ ・・・・・20

(2)拡

大 した細部についての記述 (項目B)。 ・・・・・・・・・・・・・21

(3)共

通点及び差異点についての記述 (項目C)。 ・ ・・ ・・・・・・・・23 第

2項

児童 の事例 。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 (1)回を重ね る毎に向上が見 られた児童A・ ・・・・・・・・・・・・・・23 (2)向上が困難であつた児童B・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・ 。25

(3)

V章

総合考察・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ 。・ ・・・・ ・・・・28 引用文献・・・・ ・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・30 謝辞・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・・ ・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・ 。31 資料・ ・・・ ・・・ ・・ 。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・ ・・・・ ・ 。32 資料1・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。33 資料2・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。・・ 。・・・・・・・・・・・ 。34 資料3・ 。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。35

(4)

第I章 問題の所在 と研究の目的 2008年 の中央教育審議会答申『幼稚園

,小

学校

,中

学校

,高

等学校及び特別支援学校の 学習指導要領等の改善について』によると次代を担 う科学技術系人材を育成するために, 教育内容に関する主な改善事項の柱の一つに 「理科教育の充実」が掲げられた。そこで, 観察 。実験のレポー トの作成

,論

,自

然体験などに必要な時間を十分に確保す るため,

理科の授業時数の増加が提言された

lゝ

文部科学省はこの答申を受け

,理

科において観察

, 実験の結果 を分析 し解釈す る活動 を充実す るとい う内容で学習指導要領 を改訂 した。 それ か ら

3年

後の

20H年

に実施 された 「

IEA国

際数学 。理科教育動向調査の

20H年

調 査 (TIMSS20H)」 によると,日 本の小学校第

4学

年 の理科 の平均値 は国際平均 を大き く上 回 る結果 となつた 2、 しか し詳細を見てみると

,生

物領域 における平均値は他の物理 ◆化 学

,地

学領域の平均値 に比べて低い値 となった。中で も

,例

として取 り上げ られた

,図

1‐ 1 に示す植物 のつ くりと働 きを答 える設間の 日本の正答率は 20%と ,国 際平均の

21%を

下回 る結果であつた。植物のつ くりについては小学校第

3学

年で学習す る。身近 に見 られ る植 物 を探 した り育てた りして

,植

物の育ち方 には一定の順序があること

,複

数 の植物の体の つ くりを比較 して観察 し

,共

通性があることをとらえることを目標 としている3、 観察活 動に使える時間は増加 したにも関わらず今回の調査で 日本の正答率が低かつた原因として, 観察をする際に児童が植物の体のつ くりや働き

,共

通性について調べようとい う目的をも って観察活動に取 り組めていない

,あ

るいは

,観

察 した結果か ら分かることを分析

,解

釈 が十分にできてお らず知識 として身についていないことが考えられる。 観察活動は児童が主体的に行 うものであるが

,教

師の観察指導に対する指示の有意性に ついては既に先行研究において明らかになっている。高野 (1957)は

,観

察指示獲得過程 において

,観

察の指示を書いた紙を配布 して観察 させ ると

,児

童の観察対象に対する着眼

点が増し,観察得′

点が向上することを報告している

4ゝ N・ R・

ハンソン

(1986)は

,観

を行 うとは

,対

象 を純粋 に観察す るのではな く

,観

察者が 自分の見てい る観察事実を自分 が持つている知識体系 とい う背景 と合わせてみ ることとしてお り

,観

察対象 に対す る知識 や観察の視点を持 つてお くことが意味のある観察につながると指摘 している5ゝ 理科教育学会編『理科教育学研究』において,過去 10年 間 (2007年 1月 ∼2016年 7月 ) の間に

,植

物の観察指導についての先行研究がいくつか報告 されている。例えば清水・山 浦 (2007)は

,花

の作 りの学習を事例に観察時に生徒が演繹的に学習に取 り組む効果につ いて報告を している の。五島

(20H)は

,教

員養成課程の学生の自然事象への継続観察を 高める継続観察の効果に関する一考察の研究において継続的観察を行 うことで観察観点が 増加することを報告 している7、 しか し

,こ

れ らの報告では観察力が高い児童のとらえ方 は漠然 としてお り

,観

察力を高める一つ一つの観察指導法については提案 されているが, 観察のポイン トは十分に整理 されていない。

(5)

また,これ らの報告の多 くは植物のつ くりの観察指導や観察効果の検証についてであり, たねの観察指導や観察効果の検証についての研究はほとんど行われてきていない。たねの 観察活動は理科教育に重要な意味がある。

1つ

日に理科学習の入門機 に当たる小学校第 3 学年の児童が扱 う初期の観察教材であること

,2つ

日に春に植 えたたねと

,枯

れた後にで きたたねの

2回

観察をさせることが可能であ り

,生

命の連続性を感 じさせることができる 教材であることが

,理

由として挙げられる。 そこで

,本

研究では

,ま

ず観察指導の先行研究から,「観察力が高い児童」を定義すると ともに

,観

察力 を高める授業化の指針 を抽出する。それ らをもとに第

3学

年 「植物の一生 植物を調べよう (3)」 の単元において

,児

童の観察力を高めるたねのスケッチ指導の授業 を開発・評価す ることを目的 とする。 肇 奪`塞総導ヽヽ燕織 塑鑽鸞経営 .4■》籍 輸 総 鸞輌陶☆ つい てヽヽお す 。 ポめ 農=,鞣 れ 第 懇 議 ― 銀 檬 摯轡 オ "峰警 書 き/Fa●、 灘 総0 懸 籍 ぬ 盤 機 率 命 働 数 わ 黎 構 鸞 五 1 1 図 卜

l TIMSs2011植

物のつ くりの設問

(国

際教育政策研究所よ り引用)

(6)

第 Ⅱ章 理論的背景 第1節 前 田 らによる小中学生の植物における観察観点の研究 前 田 らは

,子

どもが理科や生活の授業で遭遇 した植物の名前 を覚 えよ うとす る時に

,単

に名前のみが記憶 され るのでな く

,何

らかの形態的特徴や生育環境 と関連づけて認識 され ると示唆 した8、 そ こで,「草花の名前 を調べ る」 とい う課題 を設定 し

,小

学校第

3学

年か ら中学校第

3学

年 の児童生徒計約700人にアンケー トを行い,植物 を見る時の観察観点[生 え方 (生えてい る場所

,草

花 の高 さ

,全

体の形や様子

),花

,葉

,茎

,実

,そ

れ以外]及び その変容 を導いた。 調査の結果

,児

童生徒が植物 を見る時の着眼率は花が もつとも高 く

,小

学校第

3学

年か ら

70%近

くもあ り,中学校では

100%で

あった と述べてい る。次に生 え方の着眼率が高 く, 特 に小学校第

6学

年か ら場所 とい う観察観点が急激 に上昇 した と言及 している。葉の着眼 率 も高 く

,小

学校第

3学

年 では

30%を

超 え

,第

4学

,第

5学

年 と進むにつれて多少減少 す るが

,第

6学

年か ら多少関心が高ま り

,中

学校第 1学 年 で急激 に伸び る結果 となった。 これは

,小

学校低学年 は直接体験 によって葉に関す る関心が高 く

,小

学校第

6学

年 か らは 単なる葉 のつき方に注 目す るのではな く

,葉

の縁の形や輪生や対生 といった葉のつき方に 着 日してお り

,児

童の観察観点に違いがあるためだ と指摘 されてい る。 一方で茎 と実の着眼率はかな り低 く

,児

童生徒は指示がない限 りほ とん ど関心を示 さな い観察観点であると述べている。根 の着眼率 も茎や実 と同様 に低い着眼率であったが

,水

分の吸水量や養分の吸水量な ど下位観察観点に着眼 している児童生徒がいた と述べている。 この結果か ら,児童生徒は植物 を 目がつきやすい花の形や色で認識 している傾 向にあ り, 特 に低学年 はその傾 向が強 くみ られ る。 しか し学年が進むにつれて

,植

物 の しくみや はた らきについて学習す るよ うになるため

,植

物の葉やそれ以外 の観察観点にも興味を示 し始 める傾向があると推測す る。そのため児童に観察指導 をす る際には

,学

年の特性 に応 じた 指導が大切 である。小学校第

3学

年では植物のつ く りについて学ぶため

,指

導 を行 う際に は茎や根 といつた 目が行 き届 きに くい観点に児童の視点を持たせて観察 させ ることで

,植

物 は花だけではな く

,葉

や茎や根 な どか らも構成 されていることに気づき、それ らの観察 を通 して

,植

物 のつ く りについての気づ きをよ り多 く得 られ るよ うになると考える。 第2節 清水・ 山浦による生徒が演繹的に観察学習に取 り組む効果についての研究 清水・ 山浦 は生徒 が花のつ く りを学習す るときに

,学

習課題 に対 して仮説 を設定 させ, 立てた仮説 についての理 由を説明 させた上で花 を観察 し

,結

論 を導 き出す演繹的に学習を す る群 (以下

,演

繹群 と呼ぶ)と,「いろいろな花のつ くりを調べてみ よ う」とい う学習課

(7)

題 に対 し花 を観察 し,観察 を通 してつ くりの共通性 を発見す る帰納的 に学習す る群(以下, 帰納群 と呼ぶ

)に

分 け

,花

のつ くりにおける概念形成効果についての検証 を行 つた9ゝ 図 2-1は

,学

習 を進 めるにあたつて演繹群 と帰納群が使用 したそれぞれ の ワー クシー ト である。演繹群 と帰納群の大きな違いは

,花

の作 りについて予想 させ 自分の考 えや他者の 考 えをもとに 自らの考 えを ワー クシー トに外化 させ ていない ことである。観察 した花は, 演繹群 と帰納群 ともにツツジ・オオアラセイ トウ。フジ・ トル コキキ ョウの

4種

類 である。 1998年 改訂の中学校学習指導要領 と中学校学習指導要領解説―理科編一の内容 に従い,演 繹的に学習す る方法 を取 り入れた授業 を行 うことの有効性 については

,花

はめ しべ

,お

し べ

,は

なび ら

,が

くの

4つ

の部分か らなるといつた構成 と順序について概念獲得 を した生 徒数 を基準に調査 した。 その結果,演繹群の生徒 は,「他の花 もアブ ラナ と同 じよ うな花 のつ く りを してい るのだ ろ うか」 とい う課題提示 に対 し, ワー クシー トの予想 の欄 に記述 した内容 をみ ると

,花

の 作 りは同 じである とす る生徒 は76人

,同

じでない とす る生徒は32人であ り

,7割

の生徒 が

,花

のつ くりは同 じである と考えたことがわかる。 また

,考

察の欄 の記述 をみ ると

,表

2‐

1に

示す よ うに

,花

の構成 と順序について正 しく理解 している生徒は帰納群 に比べ演繹 群 の方が高 く,花のつ くりの概念 を獲得す るには,学習課題 に対 し自分な りの仮説 を立て, 仮説 について説 明をさせ た演繹的な学習方法の方が帰納的な学習方法に比べ有効であるこ とが明 らかになった。 さらに

,2か

月後 にタンポポの花 を図示 し,「あ と何 をつけたす と完 成 しますか」 とい う質問に対す る正答者数 を調査 した ところ

,言

葉で記述 した正答者数 も 図で記述 した正答者数 も帰納群 よ り演繹群の方が多 く

,演

繹的な学習方法で学習を したほ うが

,花

のつ くりについての概念を長期 にわた り獲得 してお り

,観

察 した ことがないタン ポポに対 しても花の観察で見いだ した花の基本的なつ くりの特徴 を適用す ることができる ことが明 らかになった と述べている。 この結果か ら

,生

徒 は導入 でアブラナの花はめ しべ

,お

しべ

,は

なび ら

,が

くの

4つ

の 部分か らなるとい う基本的なつ くりについて押 さえた上で

,他

の植物の花についても同 じ

4つ

のつ くりか ら構成 されているか どうかを一人一人が仮説 をもち確かめよ うとしたこと が

,視

点を もつた観察活動 につながった ことが明 らかになった。そ して

,観

察す る視点を め しべ

,お

しべ

,は

なび ら

,が

くに絞 つた ことが

,花

のつ くりについて正 しい概念を長期 にわた り獲得できるよ うになった要因になった と推察できる。さらに清水・山浦の研究は, アブラナの花 と他の花のつ くりを

,め

しべ

,お

しべ

,は

なび ら

,が

くが共通 しているか ど うか とい う視点で観察を行わせていたため

,生

徒 はそれぞれ の花 について

4つ

のつ くりが 共通 してい るか否かを比較観察 していた と想定できる。 この視点をもつた比較活動 も

,生

徒が正 しい概念 を獲得す る上で重要な要因である。

(8)

1 巌 量 r鐘舞 花 ち ァ メ ラ十 彗同 じ 上 ラを 花 脅 つ く 」を して い る 脅 だ ろ ラ■・.1 2_テ奪 セ ぜ.モ■ 主 う:■署oたか と1・)と・ ・ く グ ル ー ず で 書 轟 し,1ヽ今 結 果 を 主 を姦 て お こ う, 3_方拳 ● 零意菫れ た4種燎0花 0中二ヽも, 番 外lEli・L蓬を順番こ■15幸 ■. O Tめ目 を春寺 :=し て.壼爆 した も金を外無か ら順番ヒ.セ壼ハ ン テープで匡嶽 こ貼 ろ. 1メ■1=E袋員をきミ =. 4 図

2-1

生徒が使用 したワークシー ト 清水・ 山浦よ り引用 (左が演繹群

,右

が帰納群) 表

2-1

花のつ くりについての気づき 清水・ 山浦 をもとに筆者が作成 演繹群

N=108

帰納群 N=71 構 成 順 序 構 成 順 序 正 答 64 29 13 10 誤 答 33 20 52 31 無 答 59 6 30 。単位は人数 第

3節

黒 田・ 山本 による微視的な気付きを促進す る虫眼鏡 を利用 した観察活動の研究 黒 田・ 山本 は、小学校第1学年の生活科においてアサガオの栽培活動 を児童に行 わせ, その観察に虫眼鏡 を用 いて低学年の児童が微視的な気付 きを持つ ことができたのかを考察 した10ヽ 方法は

,ア

サガオを栽培 し

,継

続的に世話を行い

,発

芽や成長

,開

花の様子を観 察させた。観察記録は

,ま

ず虫眼鏡を使わずに全体像を描 くように助言 し

,次

に初めて発 見 した ところや前回と変化 した ところを虫眼鏡で詳 しく観察 し

,ス

ケッチを大きく描 くこ とと

,気

付いたことをスケッチの中に短い言葉や文で書き込むことを指示 した。観察活動 は

4回

実施 され

,第

1回 日と虫眼鏡の利用に習熟 した4回目の観察記録に描かれているス ケッチ とスケ ッチに付随 したコメン トについて比較分析 を行つた。 その結果

,第

4回目の観察の方が、第 1回 日の観察に比べ、気付 きの数が増加傾向にあ ることが明らかになった。スケ ッチに付随 した記述を見てみると,アサガオの成長に伴い, こ 方 ニ 1 巌 躍 1メ、1重 緩 を選ざ. 4 法 黒 {荘 分 倖 問 →借 果 き田 き た デ ち′ 花 をi撃して気 付 いた こ と をiとめ ■ う。: 5 考察 (■ 察0結果 を ヽ とに, 1つ0花:三井 通 して い る こ とを班 書 檸 獨 と厳 しさ で ■二 こ う,) ■ 2 0

(9)

第 1回 日では葉 。茎のみの気付 きだけであったが

,第

4回

ではつ ぼみに着 目した気付 きが 多 くなった。スケ ッチの質的評価 をみ ると

,第

1回 日は「絵的」だったが第4回目には「理 科的」になった児童が半数 も増加 した。全体 として虫眼鏡 の使用 によって「絵的」か ら「理 科的」に変容 した児童数の方が多数 とな り, さらに

,つ

ばみ に毛が生えていることや葉の 葉脈や葉 の色の変化な ど

,児

童 の微視的な特徴についての気付 き も生まれたことが明 らか になった。 この結果か ら

,虫

眼鏡 による観察活動は児童につぼみや葉脈の新たな発見な どの微視的 な気付 きを与え

,ま

た微視的な気づきの増加 に伴い観察活動 で得 られ る全体の気づきの数 も増加す る傾 向になった と推察す る。 また

,黒

田・ 山本 はスケ ッチの書き方 を指導す る際に大き く描 くことと

,気

づいたこと をスケ ッチの中に短い言葉や文で書き込む ことを指示 してい る。 この拡大 して書かせ るこ とが

,児

童 の細部 まで見たことを表現 したい とい うこと意欲 につ なが り

,ス

ケ ッチの中に 短い言葉や文で書 き込む ことが

,見

た こと発見 したことをそのまま表現 しやす くよ り多 く の気づきを発見 して表現す るきっかけになった と考えられる。 第

4節

寺島による校庭樹木の観察視点の変容か らみた効果の研究 寺島は

,自

作 の分類の見本 (本の形状

,幹

の色・模様

,葉

のつ き方 。構成 0形・色につ いての見本

)を

用 いて検索 。同定を行わない簡易な校内樹木 の観察活動について高校生を 対象に行い

,観

察の視点の変容か ら観察活動の効果を検証 したHヽ 図2‐

2は

,観

察前後に おける

,観

察対象 (行

)と

それに対する観察視点 (列

)に

関する記述数を集計 した行列で ある。観察前の観察視点は

2点

以下の生徒がほとんどであったが

,観

察後は観察視点が2 点以下の生徒は5割以下に減少 し,6割 以上の生徒が3点以上の観察視点を記述 していた。 さらに

,5点

以上の観察視点を有する生徒の割合がもつとも高くなった。 この結果から , 観察活動によって

,樹

木の複数の器官に着 日し

,多

様な視点から観察できる技能を形成 し た生徒が増えたことが明 らかになった。また

,観

察前に生徒は主に葉 と枝のみに注 目をし ていたが

,そ

れ らに対する具体的な観察の視点は乏 しく

,そ

の他の器官を観察する意識は 低い傾向にあることが確認 された。 この活動を行つた後のワークシー トでは

,幹

や木全体 についての記述 も見 られるようにな り

,記

述の数は

2倍

に増加 した。また

,葉

の形や色や つきかた

,肌

角虫り

,葉

脈など形状についての具体的な記述が増カロしたと述べている。つま

,生

徒はワークシー トに設定された各器官を観察対象 として認識 し

,そ

れに対 して具体 的で多様な観察視点を形成できるようになったことが明 らかになった。 しか し

,観

察項 目 として設定されなかった器官については

,依

然観察 しようとする意識が低いことが確認 さ れた。 この結果から

,寺

島は自作の分類の見本を用いたことで

,樹

木についてどのような形や

(10)

,模

,構

成 があるのか を生徒 に知 らせ ることができた と同時に

,樹

木は葉や枝だけで はな く複数の器官か らできていることを知 らせ ることができたのだ と推察す る。そ して, 見通 しをもつた観察活動 に よつて

,生

徒 は新たな観察項 目や注 目していなかつた観察視点 について も観察の際に主体的に調べた り

,具

体的に記述 した りす ることができたのだ と考 察す る。 寺島の研究か らも清水・ 山浦の研究 と同様 に

,生

徒 にあ らか じめ観察 を させ る前に観察 項 目を設定 してお くと

,生

徒 は具体的で多様 な観察視点 を形成できることが明 らかになっ ている。 ” 40 割 0 ” 0 1 25 な し 一 ︲0 9 ” ‘     8     1 2 3 2 5 : 12 雨

: 力

…2」 bオ ■7 2rl 29 87 243 全体 │ 幹 技 根 栞 イと・果実 その他 なし 嘲 一 1       4 2 大 き さ ¨       1 3 な し そ の 他 手 触 り そ の 他 手 触 り 模 様 色 大 き さ ︲2 2 ”   40 H a 5 12 6 17 1 6 8 38 1 1 1 1 2 8 5 19 3 22 41 118 il 15 4 13 3 図

2-2

観察前後 における

,観

察対象 (行

)と

それ に対す る観察視点 (列

)に

関す る記 述数を集計 した行列

(n=59)(左

が観察前

,右

が観察後

) (寺

島よ り引用) 第

5節

観察の視 点の分析 表2‐

2は

,小

学校第

3学

年の理科の教科書にお ける初 めに紹介 され ている観察の観点 と 観察のポイ ン トを教科書出版社毎にま とめた表である。児童に観察をさせ る観点 としてど の出版社 も共通 して形 。色 。大きさが強調 されていることが確認できる。 。◎は,教科書内に 2回 以上その言葉が記載 されてお り,大きく見出 しにも記載 されているものである。 ・〇は,見出 しなどに言葉が記載 されているが,2回以上は記載 されていないものである。 ・△は言葉は 1回記載されているが,言葉が前面に押 し出されていなく,吹き出 しなどの中に小 さいフォン トで示 され ていたものである。 観 察す る際の ポイ ン トと して 虫眼鏡 を使用 した観 察活動 の方法 につ い て も どの教科 書 も 7

表2-2 第

3学

年理科教科書毎の観察の観点 。ポイント

観 点 ポイン│ 形 色 大きさ 手蝕 り その 他 拡 大 す る 比 較 する その他 A社 ◎ ◎ ◎ ○ 数 ○ ◎ ◎ 聞いてみよう においをかいでみ よう B社 ◎ ◎ ◎ 〇 ◎ ◎ c社 ◎ ◎ ◎ ○ 音 ○ ◎ ◎ D社 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ △ E社 ◎ ◎ ◎ △ ◎ △

(11)

共通 して記載 されていた。 さらに

,小

学校学習指導要領理科編 に よる と

,第

3学

年理科で は 自然の事物 。現象の差異点や共通点に気づいた り

,比

較 した りす る能力 を育成す ること に重点が置かれている1の ため

,比

較 しよ うとい う説明 もほ とん ど全ての教科書会社 に共通 して見 られた。 第

6節

授業化の指針 これまでの先行研究か ら,「観察力が高い児童」 を次の

3点

であると定義す る。 第 1に

,視

点 をもつて観察す ることができる児童である。前 田ら

,清

水・ 山浦

,寺

島の 研究に共通 しているのは

,視

点 をもつて観察す ることで多様 な気づきを得 られてお り

,こ

の姿が期待 されている。第2に ,細部まで観察できる児童である。黒 田・山本の研究では, 虫眼鏡 による観察活動は児童に微視的な気付 きを与えた。 また

,寺

島の研究では

,分

類の 見本 を用いた ことで

,他

の観察観点にも目を向けるよ うにな り具体的な記述が増加 した。 いずれ も

,細

部 まで観察で きる児童の姿を目指 してい る。第3に

,同

じ所や違 うところに 気づ く児童である。清水・ 山浦の研究では

,視

点 をもつた比較活動 も

,生

徒 が正 しい概念 を獲得す る上で重要な要因であるか ら

,こ

の よ うな姿が求め られ る。 これ らの観察力が高い児童 を育成す るために

,第

3学

年 の 「植 物の一生」の単元におけ る観察のスケ ッチ指導において

3つ

の授業化の指針 を設定 した。 [指針

1]た

ねの形 。大 きさ・色の

3つ

の観察の視点を与えて観察活動に取 り組ませる。 (観察観点の提示) 前 田 らの研 究か ら

,視

点 を もつて観察を行わない と

,児

童は大 きくて色が鮮やかである 花な どに 目が行 きやす く

,茎

や根 な どの観点は低学年の児童はあま り関心を示 しにくいこ とが明 らかにな った。 また

,清

水 。山浦 による研究か ら

,観

察を行 う際に観察の視点をも つて観察活動を行 うことが

,正

しい概念 を長期間獲得できることが明 らかになった。 さら に

,寺

島による研 究か ら

,木

の形状や幹の色や模様 な どの 自作の見本 を用いて観察活動を 行わせ た ことで

,生

徒 は木 の形状や幹の色や模様 な どを見本 と実際 とを見比べなが ら調べ ることがで き,よ り多 くの記述や具体的な記述の増加 につながった ことが明 らかになった。 本単元にお ける学習では

,植

物 のたねの観察

,比

較 を通 してたねの形状の多様性 に気づか せ たい とい うね らいがある。そ こで

,植

物 によつてそれぞれ差異がある

,た

ねの形 。大き さ 。色の

3つ

の観点に絞つて観察

,比

較 を行わせ ることで

,植

物 のたねの形の多様性 に気 づかせ たい と考 える。 また

,そ

れぞれ のたねは運ばれ方に合 つた形を していることに形の 特徴 と運び方 を結び付 けて考 えられ るよ うに本指針 を設定 した。 [指針

2]虫

眼鏡 を用 いることで

,細

部 にまで 目を向け られ るよ うにする。(微視的気づ きへの促進) 黒 田・ 山本の研 究による と

,児

童が虫眼鏡 を用いて朝顔の観察 を した際に

,細

部 を拡大

(12)

して観察す ることができ

,葉

脈や葉の色 の変化 に気づ くな ど

,微

視的な気付 きが増加 した ことが明 らかになつた。そこで,本単元では虫眼鏡 を用いたたねの観察活動 を行 うことで, 児童がたねの形や色 な ど自分が調べたい視点について細部まで観察す ることができるよ う に本指針 を設定 した。 [指針

3]た

ね の比較活動 を通 して

,た

ねにおける共通点 と

,差

異 点 を見出せ るよ うにす る。(多様性 と共通性の比較活動の設定) 第5節で述べ た よ うに

,小

学校学習指導要領理科編 による と

,第

3学

年理科 では 自然の 事物 。現象 の差異点や共通点に気づいた り

,比

較 した りす る能力 を育成す ることに重点が 置かれてい る。 清水・ 山浦 による研 究 よ り

,花

のつ くりを理解できているアブラナ とそれ 以外の植物 の花 のつ く りについて比較観察を行わせ ることで

,花

のつ くりについて正 しい 概念 を獲得 できることが明 らかになった。本単元の教材である植物のたねにおける共通点 として

,子

孫 を残す働 きがある。 また

,差

異点 としてたねの形 。色 。大 きさな どの形状の 観点がある。 これ らのたねの共通点 。差異点 を様々なたねの観察

,比

較 を通 して見いだす ことで

,た

ねの働 きや形の多様性 に気づかせたい とい う思いか ら本指針 を設定 した。

(13)

第Ⅲ章 単元の概要 第 1節 対象 と実施時期 兵庫県下の公 立小学校 の第

3学

年児童33名を対象 とした。実施期間は

,2016年

9月 16 日

,21日

で計

2時

間の授業 を実施 した。 第2節 単元 と目標 単元は

,小

学校第

3学

年理科 の 「植物 の一生植物 を調べ よ う (3)」 である。 ここでは,

3つ

の単元によつて大単元を構成 し,「植 物の一生を調べ よ う(1)(2)(3)」 を合計す ると, 全

14時

間 とな る。大単元では

,児

童が選択 したホ ウセ ンカかマ リー ゴール ドの どちらか の植物 について

,た

ね を植 えてか ら結実す るまでの継続的な観察 を通 して

,植

物の成長の きま りや体 のつ く りについて理解す ることを目的 としている。「植物の一生植物を調べよ う (1),(2),(3)」 の各単元はそれぞれ学習す る時期 と内容が決め られ ている。 まず

,(1)

の学習時期 は 5月 であ り

,児

童 は選択 した植物のたねについて観察活動 を行い、そのたね を植 えてい る。(2)の学習時期 は

7月

であ り

,児

童 はたねが発芽 して成長 した子葉や葉, 根及び茎 についての観 察活動 を行 つてい る。本研究はその続 きの

(3)の

単元 となる。学 習時期 は 9月 であ り

,学

習活動 は花が枯れた後の実の中にできた種の観察活動である。 単元 目標 は,対象が第

3学

年であることと第 Ⅱ章で示 した授業化の指針 を踏 まえ,「様 々 な植物 のたねを形 。大 きさ 。色の観点で細部まで観察

,比

較 を通 して

,植

物 によるたねの 多様性や共通性 について理解す ることができる。」と設定 した。評価規準は表3‐1の 通 りで ある。 第3節 単元の指導過程 単元の指導過程は表3‐

2の

よ うに

,全

2時

間で構成 され る。第1時は

,児

童が選択 した 植物 (ホウセ ンカ も しくはマ リー ゴール ド

)の

たね と

,そ

の植物が成長 して実の中にでき たたね を比較す る活動 を行 つた。第

2時

,第

1時で観察 した 自分が育てた植物 (ホ ウセ ンカ もしくはマ リー ゴール ド

)の

実の中にできたたね と

,そ

の他 の植物のたね (教師が用 意 した コスモスのたね も しくは レング ソウのたね もしくは 自分で持参 したたね

)を

比較す る活動 を行 つた。 スケ ッチを描 く観察記録用紙は

,児

童が初めて見て戸惑 うことがないよ うに

,今

までにたねや芽や茎の観察で使用 した用紙 と同 じ用紙を使用 した。 10

(14)

3-1

単元の評価規準 自然事象への 関心・ 意欲・ 態度 科学的 な思考・表現 観察 。実験 の技能 自然事象 についての 知識 。理解 。実の中にできたた ね と様 々な植物 のた ね を観察 して気づい た ことをた くさん絵 や言葉 で表現 しよ う としてい る。 。実の中にできたた ね と様 々な植物 のた ね を観察、比較 して、 気づ いた こ とをスケ ッチ に絵 と言葉 で表 現 している。 。たねの形 。大きさ・ 色 に注 目を して

,観

察 す る こ と が で き る。 ・ 虫眼鏡 を使 って細 部 まで観 察す るこ と ができる。 ・植 えたたね と同 じ たねが実の中にでき る ことを理解 してい る。 ・ 植物 に よつてたね の形 な どに違いがあ り、運 ばれ方に も違 いがある。 表

3-2

単元の指導過程 時 限 児童 の学習活動 デザイン指針 2 (本時) ○植 えた ときのマ リー ゴール ドとホ ウセ ン カのたねの様子 を思い出す。 ○調べ る観点、観察のポイ ン トを知 る。 ○実の中のホ ウセ ンカ (マリー ゴール ド

)の

たね を観察 してスケ ッチす る。 ○ 自分の観 察結果が観 察の観点 を取 り入れ られ てい るか 自己評価す る。 ○本時のふ りかえ りをす る。 ○マ リー ゴール ドや ホ ウセ ンカ以外 の植物 のたね はマ リー ゴール ドや ホ ウセ ンカ と 同 じよ うな形 を しているか考 える。 ○調べ る観点、観察のポイン トを確認す る。 ○用意 したたね (レング ソウかコスモス)も しくは児童 が持参 したたね を観察 してス ケ ッチす る。 ○ 自分 の観 察結果が観察の観点 を取 り入れ られ てい るか 自己評価す る。 ○班で観察 した結果を交流す る。 ○本時のふ りかえ りをす る。 [指針 1]観察の観点提示 [指針21微視的気づ きの促進 [指針 1]観察の観 ′点提示 [指針2]微視的気づ きの促進 [指針 3]多様性 と共通性 の比 較活動 の設定

(15)

まず 1つ目の指針 「観 察の観 点提示」を具現化す るために

,矢

印を使 って言葉 をそえて 書かせ るよ うに した。 この 「矢印を使 つて言葉 をそ えて書 く」 ことは

,児

童が気づいた こ とについて矢印 を使 つてスケ ッチの中に どん どん書 き込 めるよ うにす るための工夫であ り, 観察観 点 について調べた ことや発見 した ことをよ り多 く引き出せ るよ うに した。 そ して, 板書 に観察のポイ ン トの一つ として常に掲示す るよ うに した。観察記録用紙 には見つけた ことや考 えた ことを下線 に書き込む欄 もあるので、その下線 には発見 した色々な気づきを 総合 してわかつた ことや考 えた こと

,感

想 を書 くよ うに指示 を した。観察の観点 をよ り児 童 に意識 させ るために色分 けを した観察観点を示 したカー ドも用意 した。 それぞれのカー ドの色 は,「形」は緑,「大 き さ」は ピンク,「色」は黄色である。この観察観点を示 したカ ー ドを板書に貼 ることで

,児

童 が常に板書を見て観察観 点を確認 しなが ら観察活動に取 り 組 めるよ うに した。それ に加 え

,観

察活動が終わつた後 に

,児

童が

3つ

の観察観点を取 り 入れなが らスケ ッチを描 くことができたかを自己評価 できるよ うに

,カ

ー ドの色 と照 らし 合わせ なが ら

,図

3‐1のよ うにスケ ッチ内の言葉の中か ら 「形」 に関す る言葉 には色鉛筆 で緑色の下線 を引 くよ うに、同様 に「大きさ」にはピンク色の下線、「色」には黄色の下線 を引 くよ うに指示 を した。 ヽ_… … Ⅲ……_,11■■.._ち基 、_……1′ 1・

_■

11玉

:‐

│'み

ン■

t′ 1■

・チ

:■て

,I

3-1

児童が描 いたスケ ッチ例 次に

,2つ

日の指針 「微視的 な気づ きの促進」 を具現化す るために

,虫

眼鏡 を使用 させ て拡大 して書かせ るよ うに した。 虫眼鏡 を児童一人一人に用意を し

,観

察活動 を行 う前 に 虫眼鏡 の使い方 について再確認 を行 うことで

,常

に児童が気 になる ところやみたい ところ を拡大 して描 くことがで きるよ うに した。 また

,板

書 に観察す る時のポイ ン トと して 「か く大 して大き く書 く(大きさも書 く)」 と提示す ることで児童が意識 を して大き くスケ ッチ を描いた り

,虫

眼鏡 を使 つて気 になる ところを細部 まで観察 した りできるよ うに した。

一 ・ 一 一 一一 ・ 一 一 一 二 ´だ織 1・ 1: ヽ,,1 11,,1■ :

t17

9 “

(16)

さらに

,3つ

目の指針 「多様性 と共通性の比較活動の設 定」は第

2時

にのみ相 当す る指 針である。 この指針 を具現化す るために

,比

較活動 を通 して 「同 じところや ちが うところ を書 く」 よ うに させ た。具体的には

,第

1時の授業で観察 したマ リー ゴール ドやホ ウセン カのたね と第

2時

で観察す るそれ以外の植物のたねを比較す る活動 を取 り入れ ることによ り

,児

童が視点 をもつて比較活動に取 り組 めるよ うに した。 さらに

,比

較 して気 づいた共 通点 と差異点 を分か りやす く表現できるよ うに

,例

えば どち らのたね も同 じ茶色であつた な ど比較 して両方の結果が同 じだつた場合 にはスケ ッチの言葉の横 に 「お」の文字 を、片 方のたねは黄色で も う片方のたねは茶色だったな ど比較 した結果が両方で異なる結果の場 合 には 「ち」の文字 をスケ ッチの言葉の横 に記述 させ るよ うに した。 また

,板

書 に

,観

察 す る時のポイ ン トとして 「同 じところや ちが うところを書 く」 と提示す ることで

,児

童が 意識 を して比較活動 を行 い

,気

づいたことを表現できるように した。 第

4節

単元の実際 第 1項 第 1時の授業 まず第1時は

,導

入 で児童が 5月 に描 いた

,ホ

ウセ ンカやマ リー ゴール ドのたねの観察 記録 か ら何 がわかつたのかを発表 させ

,観

察の観点が主に形 。大 き さ・色に分類 され るこ とを確認 した。発表では

,形

については 「にん じんの よ う」な どと比喩 を用いて表現 をす る児童が多 く

,大

き さについては実際に測 つた測定値 を述べ る児童が多 く見 られ た。色に ついては 「茶色」,「白」 といつた よ うに単色で表現 をす る児童が多 く見 られ た。発表が一 通 り終わつた後 は教科書を読み

,た

ねは実の中にできた ことを確認 した。そ して

,実

の中 にできたたね と植 えたたねは同 じたねか ど うかを調べ るためには どのよ うな方法があるか 尋ね、実の中にで きたたね を形・大きさ・色の視点で観 察 して

,植

えたたね と比較をすれ ば確かめられ ることに気付かせ 、学習問題 を設定 した。 そ して観察においては

,調

べ る形 。大きさ 。色の

3つ

の観察観点 と

,指

針 1を具現化 し た 「矢印を使 つて言葉 をそえて書 く」

,指

2を

具現化 した 「拡大 して大 き く書 く (大き さも書 く)」

,の

2つ

の観察のポイン トを確認 した後

,実

の中のホ ウセンカもしくはマ リー ゴールのたねを観察 してスケ ッチ させた。児童は虫眼鏡 を使 つてたねを細部まで よく見な が ら観察を行 つていた。「よく見た ら模様が見える」,「粉 つぽい ものがある」な ど新 しい こ とに発見 した よ うな姿が見 られ た。その後スケ ッチを書 き終わつた後 に 自分の観察結果が, 板書にある

3つ

の観察の観点を取 り入れ られているか確認 させ

,特

にこれ らの観 点を取 り 入れて書 くことが出来てい る児童 を紹介 した。 最後 に

,観

察 の結果 を基 にふ りか え りと して植 えた時 のたね と実の 中にできたたね を 。大きさ 。色の観点で比較 をし

,植

えたたね と同 じたねが実の中にで きることを確認 し 形 た 13

(17)

図3‐

2は

1時

の授業 の板書である。図中

aは

本時の学習問題 「実の中のたねは

,ど

ん な形 。大 き さ 。色 を してい るだろ うか」 を表 した短冊である。図中

bは ,指

針 1「観察の 観点提示」に基づ き用意 を した

,色

分 けを した観察観 点 を表 したカー ドである。観察観点 のカー ドの項 目と色は

,上

か ら順 に 「大 きさ」で ピンク,「色」で黄色,「形」で緑色であ る。図中

bで

大 き さ 。色・ 形の観点を与 え

,こ

れ らの観点について

,図

中 cで 矢印 を使 つ て言葉 を書 くことを促 した。図中cの下は指針 2「微視的気づ きの促進」 を具現化 して短 冊に示 した観察ポイ ン トであ り,「か く大 して大きく書 く (大き さも書 く)」 と提示 してい る。図中

dは

児童 がスケ ッチに書いた言葉 をま とめた ものである。5月 に植 えたマ リー ゴ ール ドとホ ウセ ンカのたねの特徴 と

,本

時で観察 した実の中にできたマ リー ゴール ドとホ ウセ ンカの特徴 を分 けて表 に した ものである。植 えたたねについては何人かの児童が発表 した ことを教師がま とめて板書 を し

,実

の中のたねについては観察観点や観察ポイン トを 押 さえて書 くことができている児童 を指名 し

,そ

の児童 に板書をさせた。図中

eは

本時の ま とめ 「植 えたたね と同 じたねが実の中にできる」 を表 した短冊である。 第

2項

2時

の授業 第

2時

,児

童か ら手 ざわ りとい う声があつたので

,手

ざわ りの観点 を追加 した。導入 でホ ウセ ンカやマ リー ゴール ド以外の植物のたねは

,ホ

ウセ ンカやマ リー ゴール ドと同 じ 形 を しているのか投げかけた。 そ してそれ を確 かめるためには形 。色 。大きさの観点で観 察 して比較すれ ば確かめ られ ることに気付かせ て学習問題 を設定 した。 その後観 察の観点 や ポイ ン トをよ り意識 させ るために、観察の観点や ポイ ン トをお さえられていたスケ ッチ を見本例 として紹介 し、児童に どの よ うにスケ ッチを描 けばよいか見通 しを持 て るよ うに した。 観察時 には

,前

時 と同 じ

3つ

の 「形」,「色」,「大 き さ」の観察の観点 と

,前

時の 「矢 じ 14 図

3-2

第 1時 授業の板書

(18)

る しを使 つて言葉 をそ えて書 く」,「か く大 して大 きく書 く (大き さも書 く)」

,の

観察のポ イ ン トに加 え

,新

しく指針 3「多様性 と共通性 の比較活動の設定」 を具現化 した観察のポ イ ン ト「おな じところや ちが うところを書 く」 を追加 した

3つ

の観察のポイ ン トを確認 し た。前回の授業 の終わ りに家の回 りで植物のたねが見つかれ ば持 つて くるよ うに児童に伝 えていたため、持参 した植物 のたねがある児童 はそのたね を

,た

ね を持 つて来ていない児 童には教師が用意 した レンゲ ソウか コスモスのたねをスケ ッチ させ るよ うに した。 図 3‐3 は

,た

ね を観察 し

,ス

ケ ッチす る児童 の様子で ある。児童 は前時 と同様

,虫

眼鏡 を使 つて たねを様 々な角度 か ら観 察 を行 っていた。特 に

,今

回の授業では第 1時で観察 したホウセ ンカ とマ リー ゴール ドのたね と本時で観察す るたね と比較す る必要があるため

,前

回のス ケ ッチ と本時で描 いたスケ ッチ を見比べ なが ら同 じところや ちが うところを記載す る姿が 見 られ た。 レンゲ ソウを書いてい る児童か らは,「米つぶみたい」といつた発言,コスモ ス を観察 している児童か らは「バナナみたい」,「勾玉みたい」といつた発言が多 く見 られた。 また

,た

ねを持参 した児童 は

2割

ほ どお り

,お

じぎそ うを持参 した児童か らは虫眼鏡を使 った ら 「たねの回 りに四角形が見える」 といつた発言が見 られた。大きさについてはどの 児童 も定規 を使 つて浪1つていた。 図

3-3

たね を観察 しスケ ツチする児童の様子 スケ ッチを書 き終わつた後は前時 と同様に,自分の観察結果が板書 にある

3つ

の観察の 観点を取 り入れ られているか確認 させ た。その後

,班

でそれ ぞれ 自分が書いたスケ ッチに ついて交流をさせ て

,特

に観察の観点や ポイン トをつかみ よく書 けていた児童 を推薦 させ て、紹介 を行 つた。最後にふ り返 りとして

,た

ねの形

,色 ,大

き さは植物 によつて さま ざ まであることを確認 した。 図3‐

4は

2時

の授業の板書である。図中

aは

本時の学習問題「植物 によつてたねの形 。 大きさ 。色 。手 ざわ りにちがいはあるのだろ うか」を表 した短冊である。 図中

bは,前

時 で使用 した色分 けを した観察観点を表 したカー ドである。観察観点のカー ドの項 目と色は, 上か ら順 に 「形 」で緑色,「大 き さ」で ピンク,「色」で黄色,「手 ざわ り」で青で ある。図 中cは観 察す る ときの観 察ポイ ン トを示 した短冊である。上段 と中段の短冊は前時で使用 した もの と同 じで,「か く大 して大き く書 く (大きさも書 く)」,「矢 じる しを使 って言葉 を そえて書 く」 と示 され ている。 一番下に位置す る「同 じところやちが うところを書 く」 と 15

(19)

い うポイ ン トは第

2時

で新 しく加 わったポイン トである。図中

dは

一番左 の列に縦 に観察 の観点 を並べ、その隣に本時に児童が調べた植物について観点別に植物のたねの特徴を表 した表である。導入で観点を確認 して中が空の表 を残 してお くことで、児童が形。大きさ・ 色 。手 ざわ りに意識 を して観察す ることをね らい とした。図 中

eは

本時のま とめ 「たねの 形・色・手 ざわ りは植物 によつて さまざまである」,「運 ばれ方 にもちがいがある」 を表 し た短冊である。 図

3-4

第2時 授業の板書 16

(20)

第Ⅳ章 授業の分析 第1節 目的 分析 の 目的は

,単

元前後の児童の観察記録 (スケ ッチ

)を

比較 し

,授

業化 の指針 をもと に作成 したルーブ リックによる得点化

,及

,児

童の事例か ら

,そ

の状況や変容 を明 らか にす ることである。 第2節 方法 第1項 観察記録の得点化 児童は

,こ

れ までに本研究の授業を行 う前の 5月 にマ リー ゴール ドもしくはホ ウセンカ のたねの観察

,本

研 究の第 1時に 5月 で観察 した植物 と同 じ実の中にできたマ リー ゴール ドもしくはホ ウセ ンカのたねの観察

,第 2時

にその他の植物のたねの観察を行い、それぞ れ観察記録 (スケ ッチ

)を

残 してい る。 これ らの観察記録 (スケ ッチ

)を

第 Ⅱ章の授業化 の指針 を基に作成 したルーブ リックによ りそれぞれ得点化 し

,変

容 を分析 した。 表4‐

1は

,授

業化 の指針 を基 に作成 したルーブ リックである。評価項 目は

,指

1「 察の観点提示」に基づいた気づ きの数 (項目

A),指

針2「微視的気づ きの促進」に基づい た拡大 した細部 についての記述 (項目

B),指

針3「多様性 と共通性 の比較活動の設定」に 基づいた共通点及び差異点についての記述 (項目

C)の

3項

目で ある。気づきの数 (項目

A)の

5段

階評価

,拡

大 した細部についての記述 (項目

B)と

共通点及び差異点につい ての記述 (項目

C)に

ついては

4段

階評価 である。共通点及び差異点についての記述 (項 目

C)に

ついては

,第

2時

の授業で描いた観察記録 (スケ ッチ

)の

みが評価対象である。 この観察記録 (スケ ッチ

)の

評価 は独立 した

2者

で半J定作業 を行 い

,不

一致点は協議 して 決定 した。一致率は95。

1%で

あった。 児童の観察記録 (スケ ッチ

)を

1つ例 に挙げて評価 の方法 を説 明す る。図4‐1は第

2時

の授業におけるある児童の観察記録 (スケ ッチ

)で

ある。 この児童の観察記録 を表4‐1の 気づきの数 (項目

A)の

評価項 目でみ る と,「黒色」,「お うど色」 といった色の記述が 2 つ見 られ る (図中a)。 また,「′lヽさい」とい う大きさの記述 (図中

b)と

「バナナみたい」 とい う形の記述 (図中 c)力 `それぞれ

1つ

ずつ見 られ る。 これ らの ことか ら

,色

・形 。大 き さ全ての項 目について記述があ り

,色

については

2つ

以上記述 してい るため

,気

づきの 数 (項目

A)は

4点

となる。 次に

,拡

大 した細部 についての記述 (項目

B)の

評価項 目でみ ると

,図

4‐1の中央にあ る四角形のよ うな枠がスケ ッチエ リアであるため

,こ

の児童の描いた絵 は言葉の説明 も合 わせ るとスケ ッチエ リア全体のお よそ1/4を占めるといえる。また,「黒いはんてんがある」 17

(21)

4-1

観察記録のルー ブ リック ・項 目

Aの

評価について

,上

と下で分けて色を書いている場合や○色や△色が混 じつている といつた

2色

の記載がある場合は

,

色に関して

2つ

の記述があるとみなす。小さいとい う表 現は大きさについての記述 とみなす。具体的な測定値 と小 さいとい う表現が並記 されている場 合は

,大

きさは 1つ のみの記述 とみなす。ふさふ さしているとい う表現は形についての表現 と みなす。 ・項 目

Bの

評価については

,つ

るつる

,か

たい

,ふ

さふ さ

,ば

さぱさといった手触 りの表現 や

,○

○みたいといつた比喩的な表現については

,虫

めがねでないと気付かないよ うな詳細な 記述 とはみなさない。ぎざぎざしている,こなのようなもの

,も

ようがみえるといつた表現は 虫めがねでないと気付かないような表現 とみなす。 とい う虫眼鏡で しか分か らないよ うな詳細な記述が見 られ,「9mm」 とい う実際の大きさ についての記述 もある (図中d)。 そのため

,拡

大 した細部についての記述 (項

B)は

ての条件 を満たすため

3点

となる。最後 に

,共

通点及 び差異点についての記述 (項目C) の評価項 目でみ ると,「黒色」 と「お うど色」の色に関す る記述の隣には

,前

回観察 したた

A気

(観づ きの数察観 点)

B拡

大 した細部 について の記述 (大きさも含む)

C共

通点及 び差異点 についての記述 4 色・ 形 。大 き さ全 ての 項 目に つ い て 記 述 が あ り

,2つ

以 上記述 し てい る項 目もあ る。 3 色 。形 。大 き さ全 ての 項 目につ い て1つず つ 記述 が あ る。 ・ スケ ッチエ リアの 1/4 以上描いている。 ・ 虫めがねでない と気付 かない よ うな詳細 な記述 がある。 。実際の大きさを測つて 記入 してい る。 上記の項 目について 全て満た している

3点

2つ

満 た している

2点

1つ満た してい る 1′点 1つも満 た さない

0点

・ 色・ 形 。大 き さにつ い て比 較 して共 通 して い る か異 な るか を全 て の項 目 につ いて記述 して い る。 2 色・ 形 。大 き さの うち どれ か

2つ

記 述 が あ る。 色・ 形 。大 き さにつ いて 比 較 を して共 通 してい る か異 な るか を どれ か

2つ

記 述 してい る。 色 。形・ 大 き さの うち どれ か

1つ

記 述 が あ る。 色・ 形 。大 き さについて 比較 を して共通 している か異なるかを どれか

1つ

記述 してい る。 0 色・形 。大きさについ ての記述が 1つ も見 ら れない。 色・形 。大 き さについて 比較 を して共通 している か異な るかについての記 述が1つも見 られ ない。 18

(22)

ね と比較 して同 じ結果であつた ことを表す 「お」の文字が見 られ る。また,「小 さい」とい う大 き さの記述 の隣に も同 じく「お」の文字が見 られ る。また,「バナナみたい」とい う形 の記述の隣には

,前

回観察 したたね と比較 して違 う結果であつた ことを表す 「ち」の文字 が見 られ る。そのため

,色

・ 形 。大きさについて比較 して共通 しているか異なるかを全て の項 目について記述 しているといえるため

,共

通点及び差異点についての記述 (項目C) は

3点

となる。 よつて

,こ

の児童の観察記録 (スケ ッチ

)は

項 目

A,B,C全

てについて 一番高い評価であ り

,理

想 とす る観察記録 (スケ ッチ

)例

であるといえる。

,ス

モズのた

3年

_

=[imゴ

.旦

ご藝彊汀雇互釜垣互

1生

二重生畳

:ォ,ち(ち

Lで

_ ___

___E.lぉ

2董

L

`∠

(′

Rャ

1述

4-1

児童の観察記録例 第

2項

児童 の事例分析 ルーブ リックによる得点化の結果か ら

,児

童の中で回を追 うごとに向上が見 られた事例 と回を重ねて も向上が困難であつた事例 を取 り上げ

,各

回で描いた

3枚

の観察記録 (スケ ッチ

)を

比較 し

,向

上 した要因及び向上が困難であつた原因の分析 を行 つた。 略

′出 」螂 調べた日

:_9月

4日

l嘲

`亀

19

(23)

3節

結果 と考察 第1項 観察記録の得 点化 (1)気づ きの数 (項目

A)

図4‐

2は

気づ きの数 (項目

A)の

得点別人数分布である。本研 究における授業 よ り前の 事前の観 察記録(スケ ッチ)では

,気

づ きの数 (項目

Alの

4点

の割合 は12人と少 なかった が

,本

研 究の1回目の観 察記録 (スケ ッチ

)で

,倍

以上の

26人

の児童が

4点

に分布 し ていることが確認 できる。回を重ね る毎に

4点

の人数 は増加 し

,2点

1点

の人数 は減少 してい る。 さらに

,2回

日の観察記録 (スケ ッチ

)で

3点

の児童は

3人

,2点

の児童が1 人であ り

,そ

4人

を除 く全ての児童が

4点

に分布 していることが確認で きる。 詳 しい変移 について図4‐

3気

づ きの数 (項目

A)の

児童の遷移図を基 に分析 を行 った。 その結果

,事

前 の観察記録 (スケ ッチ

)で

1点

,2点 ,3点

だった児童の うち半分以上が1 回 日の観察記録 (スケ ッチ

)で

4点

に向上 したことが確認 できる。 また

,2回

目の観察 記録 (スケ ッチ

)で

,1回

目に

4点

に分布 していた児童は1人を除 き

4点

のまま点数が 下がつていない こ とが確認 できる。Wilcoxonの 符号付順位和検定によると

,事

前か ら1 回 目にかけて有意 な向上が見 られ たし年

3.297,メ

.001)。 ただ し

,2回

日か ら

3回

目につ いては有意な差はなかった (ra)。 この変容の要因 として以下

2点

が考 えられ る。1つ目として

,矢

印 を使 つて直接絵 に言 葉 を書 き込 ませ ることによつて

,た

ねについて色・形 。大き さの観点で調べたことを児童 が積極的に書 こ うとす る姿勢につながった。

2つ

目として

,自

己評価 を取 り入れた ことに よ り

,児

童が 自分 の観察記録 (スケ ッチ

)と

観察観点 とを見比べ

,観

点を取 り入れて書 く ことができてい るかを確認 しなが ら観察活動に取 り組 めた。 これ ら

2つ

の効果が児童の積 極的な気づ きや その表現 を促 した と推察 できる。 ■事前 ■1回 目 髪2回 目 2 点数 図

4-2

気 づ きの数 (項目

A)の

得 点別人数分布 20

(24)

人 数

評価 項 目 点 数 事 前 1回目 2回目

A気 づきの 数(観点)

4 12 12

i;;;りiタ

i'1 翡

28 3 5 一 2 一 2 9

.1

>3

2 1 61 7: 11 2 一 1 一 → 1 1 3 4 1 0 0 0 0 0 0 図

4-3

気づきの数 (項目

A)の

児童の遷移図 (2)拡大 した細部 につ いての記述(項目B) 図4‐

4は

,拡

大 した細部 についての記述 (項目

B)の

得点別人数分布である。拡大 した 細部 についての記述 (項目

B)に

ついて も事前の観察記録 (スケ ッチ

)で

3点

の児童が わずか

2人

であつたのに対 し,本研究の授業の1回目の観察記録 (スケ ッチ)で は 15人,

2回

目の観察記録 (スケ ッチ

)で

20人

と半数近 くも しくは半数以上を占めていることが 確認で きる。また

,点

数 が

0点

の児童 も事前の観察記録 (スケ ッチ

)で

3人

いたのに対 し

,1回

日及び

2回

目の観察記録 (スケ ッチ

)で

0人

と減少 している。 さらに

2回

目の 観 察記録 (スケ ッチ

)に

おいては

2人

をのぞ くほ とん どの児童が

3点

2点

に分布 してい ることが確認できる。 詳 しい変移 について図4‐

5拡

大 した細部 についての記述 (項目

B)の

児童 の遷移 図によ る と

,事

前の観 察記録 (スケ ッチ

)で 2点

であった児童の約半数は1回日の観察記録 (ス ケ ッチ

)で

3点

に向上 してい ることが確認できる。その一方で残 りの約半数の児童は 2 点のまま変化は見 られない。

1点

であった児童及び

0点

であった児童は事前か ら1回目に かけてほ とん どの児童が 1点も しくは

2点

上の点数に向上 した ことが確認できる。 1回 目 か ら2回目にか けては1回目で 1点 お よび

2点

であった児童の大半が

2点

も しくは3点ま で向上 した。一方で

,1回

目で

3点

であった児童の うち

4人

2点

に下がつて しま う結果 となった。Wilcoxonの 符号付順位和検定によると,事前か ら1回目にかけて有意な向上が 21

(25)

見 られ彰卜

4.130,メ

.001),1回

日から

2回

目にかけても向上が有意であつた (1参2.045, ノく,05)。 この変容 の要 因 と して

,虫

眼鏡 を与 えて観 察活動 に取 り組 ませ た こ とに よ り

,児

童 は調 べ たい箇所 を拡 大 して調 べ るこ とがで き

,た

ね の表 面 にあ る模 様 に気 づ いた り

,1つ

のた ね にお い て もそ の形状や 色 は全 ての箇所 で 同一 で はな く

,変

化 が見 られ る こ とに気 づいた りす る こ とがで きた と推 察 で き る。 30 25 豪 20 A 15 数 10 5 0 ■事前 日1回 目 鶏2回 目 図

4-4

拡大 した細部についての記述 (項目

B)の

得点別人数分布 人 数 評 価 項 目 点 数 事 前

1回

2回

目 B拡大 した 細部 について (大きさも含 む) 3

2:2

4

20

2

18ビ

14 6

一一 ヱ 7 1 3 1 1 ・ ︲ ン L ノ ノ .¨¨一¨一一      ´ ¨ 一      一  一  一       ^ヽ .¨一一一一一一一 3

61

0 1/

3 2/

0 0 図

4-5

拡大 した細部 についての記述 (項目

B)の

児童の遷移 図 22

(26)

(3)共通点及び差異点についての記述 (項目

C)

46は

,共

通点及び差異点についての記述 (項目

C)の

得点別人数分布 である。共通 点及び差異点についての記述 (項目

C)に

ついては書 き忘れた と思われ る

0点

の児童が5 人いたが

,半

数以上の児童 が

3点

に分布 していることか ら

,前

回のたねの観 察記録 (スケ ッチ

)を

基 に観察観点を比較 して共通点や差異点を見つけ られていることが確認できる。 この要因について

,ス

ケ ッチに表現 した各言葉の隣に 「お」や 「ち」の文字を書かせた ことで

,児

童は色や形

,大

き さな どの観点を表す言葉 を基に比較す ることができ

,共

通 し ているか も しくは異なるかの判断を行いやすかつた と考 える。 30 25 層: 20 数 人 15 数 10 5 0 図

4-6

共通点及び差異点についての記述 (項目

C)の

得 点別人数分布 第

2項

児童の事例 (1)回を重ね る毎 に向上が見 られた児童

A

図4‐

7は

回を重ね るごとに結果が向上 した児童

Aの

3回

にわた る観察記録 (スケ ッチ) である。左上か ら事前

,そ

の右が1回日

,下

2回

目の観察記録 (スケ ッチ

)で

ある。 事前の観察記録 (スケ ッチ

)で

,気

づ きの数 (項目

A)に

ついて

,色

と形については 「茶色」,「ほ うれ んそ うみたい」 とそれぞれ 1つずつの記述 が見 られ る (図中

a)が ,大

き さについての記述は見 られなかった。拡大 した細部についての記述 (項目

B)に

ついて は

,た

ねのスケ ッチは小 さく書かれてお り

,大

きさについての測定値が記 されてお らず, 虫眼鏡でないとわか らないよ うな細部に関す る記述 も見 られなかった。 しか し

,本

研 究の1回目の授業 における観察記録 (スケ ッチ

)で

,気

づ きの数 (項目

A)に

ついて

,前

回記載がなかった大きさについて

18mmと

い う実際に沢1つた測定値が記 されていた (図中b)。 色 については

,前

回は一色のみの記述であったが

,上

は自で下は黒

(27)

マリープルドο″んでつ

0

マソーコ`一ル ト` n tt l錮 仏前{■■■■■■ 間だぃ_t生三L」整И笙菫」塵L 3年

:場

ヵ暑匙

1:男

裏票男黒頭

KttTぎ

2

調べ″11 月二 ` fl 闘べた日:_■_月 ll 日 、もヽつ´

bの

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t

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種でぃ

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グロ

α

ttAた

れθ

oFむ

ぁャ

)φlプt亀

tr享 些 ! ]4 図

4-7

児童

Aの

観察記録 (スケ ッチ) (左上が事前

,右

上が 1回 日

,下

が2回日) いtミ 0 ■ソtヽ 24

表  4‑1  観察記録のルー ブ リック ・項 目 Aの 評価について ,上 と下で分けて色を書いている場合や○色や△色が混 じつている といつた 2色 の記載がある場合は ,  色に関して 2つ の記述があるとみなす。小さいとい う表 現は大きさについての記述 とみなす。具体的な測定値 と小 さいとい う表現が並記 されている場 合は ,大 きさは 1つ のみの記述 とみなす。ふさふ さしているとい う表現は形についての表現 と みなす。 ・項 目 Bの 評価については ,つ るつる ,か たい ,ふ

参照

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