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マイクロスケール化学実験(MC)を組み込んだ授業開発 : 高等学校におけるMCの教育的効果の検証を通して

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Academic year: 2021

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(1)マイクロスケール化学実験(MC)を組み込んだ授業開発   一局等学校におけるMCの教育的効果の検証を通して一                              教育実践高度化専攻                              授業実践リーダーコース.                              学籍番号 P11019B                              氏  名 宇治宮隆文. 1.問題の所在と研究の目的. や研究の目的などについて述べた。.  現任校において,化学Iや化学IIを学習する生.  2章では,本研究の方法やMCの歴史およびそ. 徒は理系クラスである。また,その生徒のほとん. の特徴などについて述べ,研究の流れを示した。. どは大学進学を目指しており,大学入試に対応で.  3章では,兵庫県内全日制公立高等学校144校. きる授業を望んでいる。しかし,現状では,化学. の理科(化学)担当教諭を対象に行ったr生徒実験. の授業に十分な単位数を確保できないため,授業. 等実施状況調査」について述べた。調査の結果,. 用のワークシートを独自に作成して授業の効率. 実施している生徒実験のほとんどが授業の内容. 化を図ったり,補習や週末課題で補ったりしてい. を確認する「検証実験」であり,探究実験や探究活. る。知識を定着させるためには,実験・観察が有. 動はあまり行われていないことが分かった。また,. 効であると分かっているが,実験の時間がなかな. 生徒実験を行っていると回答した高校において. かとれない実態がある。多くの物質を扱う「無機. も,その実施時間は十分に確保できていない状況. 物質」や「有機化合物」の単元でさえ,期末考査. も浮き彫りとなった。さらに,実験を行う上での. 後や長期休業中の補習で実験を行っている状態. 困っていること(自由記述)では,「授業時間が足. である。. りない」や「準備や片付けが大変(実習助手が不在.  本研究では,高等学校化学Iや化学Iの授業に. も含む)」,「施設・器具・薬品などの物品の不足」. おいて,短時間で多種類の化学反応を見ることの. などの記述が多く,現任校の抱える問題点と共有. できるマイクロスケール化学実験(Microsca1e. できるものも多く含まれており,本研究の意義を. Chemistry experiment,以下MC)を組み込んだ. 確認できた。. 授業を計画・実践し,その教育効果の検証を行う.  4章では,第2学年化学1Iの単元r溶液の性質」. ことを目的とする。. において,通常実験とMCを1回ずつ組み込んだ. 2研究報告書の構成. 全11時間の授業計画を示した(表1)。.  本報告書は,以下の6章で構成した。. 1章問題の所在と研究の目的. 2章研究の方法および内容 3章兵庫県内公立高等学校の生徒実験実施状況. 1r;;の  元計画. 1. 涼 のしくみ ’凸実 (20ノ). 2 3 4 5. 溶角度(講義). 6.   調査から 4章実践I単元「溶液の性質」 5章実践1I単元「典型金属元素」. 6章まとめと今後の課題. 授   内 容. 時. 7. 捗角度間. 口水をムむ結日の溶角度(… ) 水和水を含む結晶の溶角度(問題演 ) 気 の溶角度≡ ・出題’ ). 8 9. 沸点上 (… ・睨題“ 凝固点降下(講 ・問題演 ) 予透圧(講 ・田麟  ). 10. コロイド港’(目. 11. コロイド溶液 MC20ノ  実践Iでは,生徒の実態把握が最大の目的であ. 3.研究の概要. ったが,直前に行った質問紙調査によって実験に.  1章では,日頃の現任校の実践における問題点. 対する不安感をもった生徒が少なくないことが.

(2) 判明し,比較的簡易な実験を行うことにした。. 通常実験で行い,多種類の化学反応を一度に確認.  実践I直後に再度質間紙調査を行った結果か. したい実験はMCで行うなど,実験の使い分けを. ら,実験に対する不安感をある程度緩和すること. 試みた上で通常実験とMCの違いについて質問. ができたように感じる(表2)。. 紙調査を行い分析した(表4)。全体的な傾向とし. 2ヒ 1二 る意識・ への取り み の≡査  法〕 の  1ωt (応 【〕. 践I前 蹟I   一検定 舳           平均    324  3i9 化学の勉強で.実婁をすることが好きだ。              せ54)・060. ては,多数の生徒がMCの方がr集中できる」, 「観察しやすい」と答えており,実験に取り組む.           S,D−     O.82    0.i6.            平均    2−0  2jo  実堕器具の操作は簡単だ。                    t{54):2.39‡            S.D−  O、川 O.11. 上では有効であると思われる。 表4各項目のλ里検定搬 .1  一    ■   I 1 ■    一  ■ ,    ■I I I 一  , ■ ■ I I. N・55.‡は,Pく旧5である。.  また,実践I直後に行った1学期期末考査 (N=55)の平均点は50.8点(S.D=17.3)であった。. ほぼ同じ問題で考査を行った3年前の生徒 (N・74)の平均点は47.3点(S.D・17.O)と比較して. も大きな差は見られない。全く同じ問題ではない. MC. 常. 項目17どちらが実験しやすいか. 項目18どちらが実験1=集中できるか. 項目19どちらが実験を行った充実感があるか. 項目20どちらが実験の様子を観察しやすいか. 項目21どちらが実験結果を理解しやすいか. 16. 28. (29.1”. 150.洲. ’吉趾也岨岨 l l. 120.O締. 2. 47. 6. (3.6”. 185.5締. ㈹.舳〕. 23. 20. (41.洲. 136.州. 一〇. 35. ㈹.州. ㈹.O”. 12 (21、舳〕. io (1目.2別. 15. 15. 25. 21.3”. 2丁.3”. (45.5締. パ12〕洲28 ‡. パ(2〕・6τ舳. 榊 北㌣2〕・3,52a. n5 λ’(2〕・22.730. 榊 X2ω・3.637 nS. N=55.,く.05.榊く.ol N・55、,く.05.榊く.O1. ため正確な比較はできないが,少なくとも例年並. みの知識の定着度を保つことができたのではな いかと思われる。さらに,実践Iから約2ヶ月後 に実施した遅延テストの結果から,実際に実験に よって確認した内容の定着度が,非常に高いこと も確認できた。.  5章では,第2学年化学Iの単元「典型金属元. 4.結論および今後の課題  学力層による意識の違いが見られたのは,質問. 項目17「どちらの方が理解しやすいか」におい てであった(表5)。 表5学力上位摂下位醐こ分けてのパ検定倍黒.              MC   削趾伽舳1’. 項目1丁どちらが実験しやすいか. 舳・3. @18 9κ・{。〕。1州.   {5.5締 {32.州 {16.側.   13   10   2 ,カ1=目1,                   ‡‡,C声O.419   {23.6帥 {18,2”  {3.6、). 素」において,通常実験1回とMC2回を組み込.        調整された残差  _3.4    1.5   2,031. んだ全11時間の授業計画を示した(表3)。.  全体の半数以上の生徒はMCの方が実験しや. 3 「 型金 元   元号画 授   内 容 1 元素の分 と性 (講). 時 2. 4. 元素の∠ と性 (言 アルカリ金属・’ (講 ・映 ) アルカリ金 ・ヒ合物(講 ). 5 6. アルカリ土 金属・単体(講 ・映像). 3. 7. 8 9. 10 11. 1・2族単体の性質 通常実験. アルカリ土金・ヒ合物(講) !・2族ヒ合物の性  MC. Zn・Al・Sn・Pbの単体(言 ・映{) Zn・A1・Sn・Pbのヒ合物(講 ・映像). Zn・A1の性  MC.            榊    m     “. すいと回答している中で,学力下位群の生徒の過. 半数は通常実験の方が実験しやすいと答えてい る。下位群の生徒は,実験の目的や操作方法を理. 解できないまま実験を行うことに対する不安感 が強い。事前に実験の目的や操作方法を,いかに. 分かりやすく丁寧に行うかが今後MCを行う場 合には必要となる。しかし,遅延テストの結果を.  実践2においては,実践Iの反省から授業ワー. 見ると,学力下位群においても,知識が確実に定. クシートに書き込む量を減らしたり,授業用パワ. 着しており,学習効果を確認することはできた。. ーポイントの文字情報を減らしたりして,生徒が. 個人で実験を行い自分の五感で感じることで,記. 理解するための時間を確保するよう努めた。また,. 憶に残りやすくなるようだ。より効果的に実験を. 実験では時間のかかるNaOHの潮解やCaC03の風. 行うためにも,通常実験とMCの効果的な使い分. 解などの現象を,映像を用いて説明するなど,視. けについて今後検討したい。. 覚的な補助としてI C T機器を活用するように.     修学指導教員 佐藤 真・伊藤博之. も気をつけた。そして,インパクトのある実験は.     指導教員松本件示.

(3)

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