音楽を用いた子どもの「心理的居場所感」促進に関する研究
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(2) 年生のうち1クラスを統制群もう1クラスを実. きっかけが与えられたのではないかと推察され. 践群として,実践群にr療法的音楽活動による. た。. 心理的居場所感促進プログラム」を実施した。. 第四に,本研究における介入の効果が明確に. 効果測定には研究Iで作成した小学生版心理的. 認められた充実感水準L群の子どもの特徴とは. 居場所感尺度および自由描画を用いた。. 何であるのかを自由記述の分析を通し検討した ところ,作品制作に対する姿勢に特徴が見られ,. 3.結果と考察. すべての子どもが作品に自己を投影することを. まず小学生版心理的居場所感尺度の因子分析. 肯定的に捉えているく内的作業型タイプ〉であ. の結果,小学生の心理的居場所は,被受容感,. った。つまり介入により外在化や自己洞察が深. 充実感,自己肯定感,安心感の四次元から構成. く行われ,それが肯定的に働き,効果的に充実. されることが明らかにされた。. 感を高めていることが示唆された。加えて事例. 次に,居場所感尺度における下位尺度得点を. 分析を通し,その特徴についてさらに検討を行. 説明変数,「心理的居場所イメージ」描画の形式. った結果,充実感水準L群の子どもは介入によ. 分析における各分析項目得点を従属変数とした. り他者からの受容体験を味わいながら,心的な. 重回帰分析の繰り返しによるパス解析を行った。. エネルギーを育んだ結果,自分の殻から一歩踏. その結果小学生の「心理的居場所」は,r否定的. み出して他者との関係・距離を適切に維持でき. な感情を認めることができる強さ」やr自分や. る力を得ることができ,教室を「居場所」とす. 他者への親しみ」を持て,「自分が環境に馴染ん. る基盤を創り得た可能性があるのではないかと. でいく力」,加えて「『居場所』を見出していく. 推察された。. よう環境に働きかけられるカ」が持てるような. 以上のことより,本研究における介入が明確. 場所であると明らかになった。. に効果的であったのは〈内的作業型タイプ〉の. 第三に,本研究で行った介入の効果を検討す. 特徴を色濃く持った児童であることが明らかに. るために,介入前後の居場所感および各下位尺. なった。総じて,小学生の学校におけるr心理. 度得点の変化を検討したところ,充実感水準L. 的居場所感」の促進には子どもたちが自己洞察. 群において実践群に肯定的な変化がみられ,教. を深めることができるような「内的作業の場」. 室で生き生きと自分に満足できるといった感情. を提供できるような教育実践が効果的であるこ. を持ちにくい子どもには,介入の効果によりそ. とが示唆された。. れらが実感できるようになることが明らかにさ. しかしながら本実践プログラムはすべての子. れた。また介入前後の描画の変化について検討. どもに肯定的な変化が明確に示されたわけでは. したところ,描画形式分析得点に変化が認めら. なかった。そのため,明確な効果が見られなか. れた。具体的に,建設的に使用しうる心的エネ. った児童についても内的作業の場を提供できる,. ルギーが開発され,心的な安定度が高まり,心. さらなる実践プログラムの改良が必要であると. の自由な動きや柔軟性の成長が促進され,問題. 考えられる。. と向き合いそれらを解決しようとする姿勢,お. 主任指導教員 淺川潔司. よび自らの殻から出てみようとする姿勢が育つ. 指導教員 藤原忠雄. 一79一.
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