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万葉集巻十三と巻十一・十ニ--両者間の類歌を通してその所収歌の実態を考える

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Academic year: 2021

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(1)巻 第24号)1998.12 文 学 ・芸 術 ・文 化10巻1号(通. 万 葉 集 巻 十 三 と 巻 十 一 ・十 ニ. 村. 瀬. 憲. 夫. 巻 十 三 長 歌 中 の 一部 分 と 巻 十 一 ・十 二所 収 歌 が. 的とする。. ー 両 者 間 の類歌 を 通 し てそ の所 収 歌 の実態 を考 える ー. 一 はじ め に 万 葉 集 の巻 々の編 纂 と 成 立 を 考 えよ う と す る時 、 そ の 巻 に収 め ら れ た 歌 々の実 態 を 明 ら か にす る こと が ま ず 必. 類 歌 関 係 にあ る 場 合. 本 稿 で対 象 と す る 巻 十 三 と 巻 十 一 ・十 二所 収 歌 中 、 互. 二. げ 、 こ の両 者 の所 収 歌 を 比 較 す る 中 で 、 そ の 所収 歌 の実. い に類 歌 関 係 に あ る 歌 を 列 挙 し 、 そ の 一つ 一つに つ いて. 要 であ る 。 本 稿 で は 、 巻 十 三 と 巻 十 一 ・十 二と を 取 り 上. 態 を 探 り 、 も って 巻 十 三 、 十 一、 十 二編 纂 論 への 基 礎 作. 若 干 の考察 を 加 え て いく こと と す る 。. 言挙不為 国 難然. 月. 吾者事. 業 と し た い。 巻 十 三 、 十 一、 十 二 のよ う に 、 柿 本 人 麻 呂 歌集 以 外 は そ の 殆 ど が 出 典 不 明 の 作 者 未 詳 歌 か ら な る巻 々の 所収 歌. 神柄 跡. 恋烈鴨. 牲影 乃. 胸 不安. 恋乍文. 心不知哉. 生極. 相見天者社 吾恋 八鬼 ( ⑬ 三二五〇). 吾命乃. 念戸鴨. 吾念 日文 累. 正 目君乎. 君丹不会者 犬馬鏡. 末逐ホ. 玉限. 神文甚. 倭之 国者. ] ⑬三 二五〇末尾部分と⑫ 二九七九 上為. ◆蜻嶋. し て考 え る方 法 は 、 す で に 古 来 行 わ れ てお り 、確 か に種. 文経往者. [團. 々の 問題 と 限界 は有 す る も の の 、 今 も って有 効 な 方 法 で. 心痛. の実 態 を 考 え る 場 合 、 互 いに 類 歌 関 係 にあ る歌 を 対象 と. あ る。 本稿 では 、 以 上 のよ う な 意 図 と 位 置 づ け の もと に、. 吾者将度 猷. 天地之. 巻 十 三 と巻 十 一 ・十 二と の 間 に 類 歌 関 係 にあ る歌 を 取 り 上 げ 、 そ の所 収 歌 の実 態 の 一端 を 明 ら か にす る こと を 目.

(2) 歌 思愚. 反 大舟能 王都乎置而. 君 故ホ. 久堅之. 言幸. 水穂 国 者 福座者. 事 挙 不為 国 惹無. ( ⑬ 三 二 五 二). 有毛. 辞挙叙. 二 五 三 ∼ 四番 の柿 本 朝 臣 人麻 呂 歌集 歌 と 共 に 一連 の歌 と. し て並 べ て置 か れ て い る 。 と こ ろ が この 人 麻 呂 歌 集 所 出. の歌 は 海外 へ旅 立 つ者 ( 恐 ら く 遣唐 使 に 関 わ る 者 ) への. は な む け の 歌 で あ って 、直 接 的 に 相 聞感 情 を 述 べた 歌 で. は な い 。 三 二五〇 番 歌 は 、 三 二五 三 番 歌 の冒 頭 部 を 用 い. て 、 そ れ に 相 聞表 現 を 継 い で 相聞 歌 に 仕 立 て た も の であ. ろ う 。番 え ら れ た反 歌 二首 の ﹁大 舟 能 ﹂、﹁王 都 乎 置 而. 錐然 荒礒浪. 草枕. ら の影 響 下 に あ り 、直 接 の長 歌 で あ る 三 二五 〇 番 歌 か ら. 羈 牲 君﹂ な ど と いう 表 現 は 、 三 二五 三 ∼ 四番 歌 か. ( ⑬ 三 二 五 三). は す ぐ に は導 き 出 し に く い表 現 で あ る 。 そ し て三 二 五〇. 番 長 歌 の波 線 部 の 四句 は 、 い か に も 取 って 付 け た 感 を 否. め な い 。文 脈 上 は波 線 部 の前 で終 わ って も 全 く 構 わ な い. 以 上 を纏 め る と 、 三 二 五 三番 歌 を 核 に し て そ れ に相 聞. し 、む し ろ そ の方 が 自 然 で あ る とさ え言 え る 。. 表 現 を 増 補 し塗 り 固 め て 、 ひ と つの 相 聞 長 歌 と し て成 っ. 吾恋 止 目. 直 目ホ 不. 真十鏡. 田辺福 麻 呂歌 集 ). 九 七九 番 歌 の よう な﹂ と述 べ た の は 、 作 者 未 詳 歌 間 の類. い る 二 九 七 九番 歌 の よう な 歌 が あ った ので あ る 。 今 ﹁二. め に 用 い ら れ た 歌 の ひ と つに 、現 在 巻 十 二に 収 め ら れ て. た のが 三 ご五〇 番 歌 であ り 、 そ の 相 聞 表 現 の増 補 塗 り 固. ( ⑫ 二九 七九 ). 命対. ( ⑬ 三 二 五 四). 真福在与具. 言上為吾. 所佐国叙. 何時可将待. 惜 雲梨 ( ⑬ 三 二 五 一). 羈 牲 君乎. 尽 心者 草枕. 神在随. 柿 本 朝 臣 人麻 呂 歌集 歌 日 葦原. 事霊之. 千 重浪 ホ 敷. 真福座跡. 吾為. 倭国者. 歌. 百重波 反. 見登. 志貴嶋. 見者許増. 手ホ取持 而. 下逝水乃⋮. 玉釧. 直 目ホ 君乎. 右五首 ★真 十 鏡. 下桧山. ☆ ⋮ ⋮吾 恋 児  視者. ( ⑨ 一七 九 二. 線 部 ) と 巻 十 二 の ﹁寄 物 陳 思 ﹂ 部 に収 め ら れ た 二 九 七 九. 巻 十 三 ﹁相 聞 ﹂部 に収 め ら れ た 三 二五〇 番 歌末 尾 部 ( 波. 番歌とが類歌関係にある。. い った 、 歌 を特 定 し た直 接 的 な継 承 関 係 を 想 定 す るよ り. 歌 の場 合 は 、 二九 七 九番 歌 が 三 二五 〇 番 歌 に 採 ら れ た と. 三 二 五〇 ∼ 二番 歌 は 、 ﹁右 五 首 ﹂ の左 注 に よ って 、 三. 一2一. 村瀬 万葉 集 巻 十 三 と巻 十 一 ・十 二.

(3) も 、 二九 七九 番 歌 の よ う な 表 現 が 三 二五 〇 番 歌 に 付 着 し. ﹁のよ う な ﹂ の部 分 を 省 略 す る が 、 意 図 す る と ころ は 同. て い った と考 えた 方 が よ いか ら であ る。以 下 の叙 述 で は 、. じ であ る 。. ★ 足常. 右 二首 眉隠. 眉隠. 柿本人麻呂歌集). 見依鴨. ( ⑫ 二九 九 一). 馬聲蜂 音石花蜘蛎荒鹿. ( ⑪ 二四 九 五. 隠在妹. 母 我養 蚕 乃. 母養 子. ☆垂 乳根 之. 大夫跡. 敷妙乃. 柿本人麻呂). 念有 吾毛. ▽ ⋮⋮天伝. ( ② = 二五. 及 び 巻 十 二 の出 典 不 明 の作 者 未 詳 歌 に そ の ま ま の形 で見. 通 而 浩奴. 入 日刺 奴 礼. 関 わ って い る こ と 、 つま り 巻 十 三 の 所 収 歌 と 巻 十 二 のそ. 衣袖 者. 異 母 二不相 而. れ と が 、そ の成 り 立 ち に 共 通 の 基 盤 、 共 通 の 世 界 を 有 し. 長 歌 中 の波 線 部 の表 現 は 、巻 十 一の 人 麻 呂 歌 集 所 出 歌. と も あ れ 三 二 五〇 番 歌 の生 成 に 巻 十 二所 収 歌 の 基 盤 が. て いた ことを 確 認 でき る ので あ る。 な お 、巻 九 の 一七 九 二番 歌 に 見 ら れ る類 似 表 現 は 、 田. ら れ る 。 ま た 二重 傍 線 部 の表 現 は 、 人麻 呂 の 石 見 相 聞 歌. 天伝. 玉梓之. 日之闇者. 使之 不来者. 霞立. 吾衣袖裳. 母之養蚕之 物 西不有者 白木綿之. 長 眉 松. 可 有 々来. ( ⑬ 三 二五 八). 外衣 君 者. でき る。. 山 田道乎. 浪 雲乃 愛 妻跡. 馬自物. 不語. 凹 ⑬三 二七六の末尾部分と⑫ 三〇〇 二 ◆百 不足. 衣挟笑. [團. 牲文 不知. 反裳不知. 速川之. 立而. 別之 来者. と 巻 十 一 ・十 二の 歌 と が 世 界 を 共 有 し て い た こ と を 確 認. 〇 番 歌 の 場合 よ り も さ ら に漠 と し た 状 況 で 、巻 十 三 の歌. と が 想像 さ れ 、 そ の意 味 で、 さ き に対 象 1 で 見 た 三 二五. 歌 に も 見 え る こと か ら 、 こ の表 現 は 広 く 流布 し て いた こ. 波 線部 の表 現 は 、 人 麻 呂 歌 集 歌 に も巻 十 二の 出 典 不 明. ( ② 一三 五) に 類似 した 表 現 を 見 出 す こと が でき る 。. 辺 福 麻 呂 歌 集 所 出 と いう 新 し さ か ら判 断 し て 、巻 十 二、 巻 十 三 の表 現 に依 った も のであ ろう 。. 年者来去而. ] ⑬ 三 二五八 の 一部分 と⑪ 二四九 五 ・⑫ 二九九 一. ◆荒 玉之. [團. 松事遠. 春 日乎 天地丹 思足椅 帯乳根笑 鰍 気衝渡 吾恋 心中少 人丹言 根. 相不思有者 天雲之. 歌. 通手浩沼 反 如是耳師. ( ⑬ 三 二 五九 ). 一3一. 巻 第24号)1998.12 文 学 ・芸 術 ・文 化10巻1号(通.

(4) 田付乎白粉. 為須部乃. 爪衝. 物部 乃 何常 間者 色出. 立留. 君来益 八跡. 玉相者. 君待吾乎. 道来人乃 君 名 日者. 玉桿乃. 天地 二 念足橋. 人者 云而. 嵯 散釣相. と も 出 来 よ う 。前 野貞 男 ﹁万 葉 集 巻 十 三 管 見 ﹂ ( ﹃上 代 文. 末 尾 部 が 分 離 独 立 し て 、 単 独 の短 歌 と な った と 考 え る こ. か であ り 破 綻 は な い 。 そ の意 味 で 、 こ の場 合 は 、 長 歌 の. 田付. 八尺之. 八十乃心叫 吾嵯. 学 ﹄ 第 一 一号 、 一九 六 一 ・五 ) も ﹁長 歌 の 一部 が 短 歌 に. 答遣  . 立而爪衝﹂あたりま. て い る 。ま た 女 の 立 場 に 転 換 す る ﹁為 須 部 乃. 田付 乎 白. 一首 の中 に男 女 双方 の 立 場 が 混 在 す る と いう 様 相 を 呈 し. い て 、は っき り と し た 問 答 と いう よ う な 形 を 取 ら ず に 、. でが 男 の立 場 の歌 で 、 そ れ 以 下 が 女 の立 場 の 歌 と な って. も は っき り しな い も の の ﹁馬 自 物. た だ そ の 一方 で 、 こ の 長 歌 は 、 そ の区 切 れ 目 は 必 ず し. 変 形 し た も の﹂ と し て い る。. 足日木能. (⑫ 三 〇 〇 二). 妹 待吾 乎. (⑬ 三 二七 七). 難待 不来. (⑬ 三 二七 六). 人可知. 月待跡. 人ホ 波 言而. 今 夜 誰与 可. 乎不知. 歌 吾思君者. 月待 登. 何処辺. 山従出 反 眠 不睡. 従 山出流. 右 二首 ★ 足 日木乃. 長 歌 の冒 頭 部 と 同 じ で あ る 。 さ ら には ま た ﹁立 而 爪 衝 ﹂. 粉 ﹂ の表 現 は 、後 掲 (対 象 W ) の巻 十 三 の三 二七 四番 の. 歌 と 言 って よ い。 ﹃萬 葉 集 全 註 繹 ﹄ が 、巻 十 二 の 三 〇 〇. は 笠 金 村 の神 亀 元年 紀 伊 国 行 幸 時 の作 (④ 五 四三 ) に見. 長 歌 の末 尾 部 の 五句 と 巻 十 二 の歌 と は 、 ほ と ん ど 同 じ. 二番 歌 は 巻 十 三 の三 二七 六番 歌 か ら ﹁独 立 し た 一首 の短. のは 、 巻 十 二 の短 歌 のみ では 、月 の 出 を待 つ のを 口実 に. と し て、 歌 い伝 え ら れ て いた も の で あ ろう ﹂ と 指 摘 す る. 歌 詠 の状 況 に 即 し て 、 劇 的 な 場 面 設 定 を し て い て 、そ の. こ の両 者 の影 響関 係 は 両様 に考 え ら れ るが 、金 村 の歌 が 、. 村 の志 貴 皇 子挽 歌 ( ② 二一 二〇 ) に同 様 の表 現 が 見 ら れ る 。. 何常間者﹂は、同じく笠金. ﹁玉桿 乃. え 、男 女 の立 場 は 逆 な が ら よ く似 た 発 想 を有 し て いる し 、. 男 が 女 を 待 つと いう 状 況 の説 明 が 不 十 分 で あ る と いう と. 表 現 が 臨 場 感 と 独 自 性 ・個 別 性 を 有 し て いる 点 か ら 言 っ. 立留. 歌 に な つて いる 。 しか し 歌 意 は 、独 立 し た 一首 と し て は 、. ころ にあ ろ う 。 確 か に長 歌 では 、波 線 部 の 前 の部 分 が 波. て 、金 村 の表 現 と 発 想 を 取 り 込 み 継 ぎ 接 ぎ し て膨 ら ん で. 道来 人乃. 表 現 が 不 完 全 であ り 、 原 形 と し て は か よ う な 長 歌 の 一部. 線 部 の行 動 に至 る 状 況 の説 明 にな って い て 、 文 脈 は 滑 ら. 一4一. 村瀬 万 葉 集巻 十 三 と巻十 一 ・十 二.

(5) い った のが 三 二七 六番 歌 であ ると 考 え る ほ う が よ いと 思. 語都我部等. 吾背 子之. 始而之. 偲丹為与得. 夕庭. 千世ホ物. 人之宿. 万代ホ. 伊多母為便. 偲渡 登. 過莫 呼. 味. 出座. 田度伎 乎不知. 人罧. 朝庭. ( ⑬ 三三二九). 吾媒夜 等者. 黒髪敷 而. 根延門ホ. 思乍. 恋無乏. 欲嘆. 或本歌. ( ⑫ 二八七七). 得田直比来 恋之繁母. 公 目尚. 恋将渡. 白拷 乃. 石床笑. ( ⑫ 二九六三). 味宿者不罧哉. ( ⑪ 二三六九 柿本人麻呂歌集 ). 早敷 八四. 難不有. ( ⑪ 二一 二七三 柿本人麻呂歌集). 夕方任. 行良行良ホ. 烏 玉之. 石床之. 将為須部 乃. 此九月之. われる。. 入座恋乍. 月乃易者 石根之. 荒 玉之. が 混 在 し て いる こと 、 類 似 し た 表 現 が 他 に も 見 ら れ る こ. 而嘆. 大船之. 無見. と 等 の点 か ら 判 断 す る と 、 こ の長 歌 は か な り の 流 動 性 を. 辣者 不宿ホ. 三 二七 六番 歌 は 、 こ のよ う に文 脈 上曖 昧 に 男 女 の立 場. 有 し 、 種 々の 相 聞表 現 を 取 り 込 み 継 ぎ 接 ぎ を し な が ら膨. 許凝敷 道之. ら ん で い った 歌 と 思 わ れ 、 そ の意 味 では 巻 十 二の 歌 が 長. 右 一首 難不有. 味宿 不罧. 不恋有登者. 不恋時. ▲人所繰. ☆何時奈毛. ★何時. 数物不敢鴨. 歌 に取 り 込 ま れ て い った 可 能 性 も 十 分 にあ る。 結 局 こ の場 合 も 、 ど ち ら か か ら ど ち ら か への 一方 的 な 影 響 と 断 定 す る こと は 難 し い 。確 か に言 え る のは 、巻 十 三長 歌 の末 尾 部 と 巻 十 二の短 歌 が流 動 的 に交 流 し あ う と いう 両 者 の世 界 の共 通 性 であ る 。 ち な み に 長 歌 の波 線 部 が ﹁君 ﹂ と な って いる の に対 し て 、巻 十 二 の方 は ﹁妹 ﹂. 手本寛久. 云 公 思ホ 暁来鴨 △白細之. 入居而思. 夕庭. 人罧. 興凝敷道乎. 出居而嘆. 石根乃 朝庭. 田付 叫不知 根延門叫. ◇為須部 乃 天雲. 下有 人. 向伏 国乃. 野干 玉 黒髪布而. 青雲之. 独之 媒者. 棚曳国之. 凶 ⑬ 三三 二九 の 一部 分と⑪ 二一 二七三 ・⑫ 二八七 七等. 折反. と な って いる のも 、 これ ら の歌 の自 在 な 流 動 性 を 思 わ せ る。. [閣. 吾衣袖叫. ◆白 雲之. 天地. ( ⑬ 三二七四). 吾睡夜等呼. 夫君ホ恋礼薄. 君ホ恋 濫. 吾耳鴨. 妾 耳鴨. 者. 意之痛. 是九月乎. 牲良行羅 二 思乍. 日ホ. 念鴨. 不有友. 大舟 乃. 妾恋叙. 満 言 恋鴨 旬目之病有. 不恋時等者. 読文将敢鴨. 味眠不睡而. 異ホ 益 何時橋物. 一5一. 巻 第24号)1998.12 文 学 ・芸 術 ・文 化10巻1号(通.

(6) ま た 人 麻 呂 歌 集 所 出 の 二三 六 九 番 歌 に は ﹁或 本 歌 ﹂ と の. る 。巻 十 一の も の は いず れ も柿 本 人麻 呂歌 集 所 出 で あ る 。. 波 線 部 、 二重 傍 線 部 の 表 現 が 、 巻 十 一、 十 二に 見 ら れ. 々 であ る 。古 い歌謡 ば か り では な い。新 し い歌 謡 も あ る 。. が 適 切 であ ると 思 わ れ る 。 巻 十 三 に収 め ら れ た 歌 々は 様. 世 界 が 、同 時 代 的 に、 同 空 間 的 に関 わ って いた と 見 る の. の形 成 に 、巻 十 一、 十 二 に代 表 さ れ る よう な 裾 野 の広 い. あ る場 合. 巻 十 三反 歌 と巻 十 一 ・十 二所 収 歌 が 類 歌 関 係 に. 巻 十 三 の 長 歌 に付 せ ら れ た 反 歌 は 、 長 歌 に 原初 か ら 付. 三. 成 った 歌 と 言 えよ う 。. わ れ る 。巻 十 一、十 二 の歌 と ほぼ 同 時 並 行 的 に膨 ら ん で. 本 節 で対 象 と した 歌 々は そ の新 し い歌 に 属 す る よ う に思. 異 同 が 付 せ ら れ て お り 、 こ の歌 が 広 く 流 布 し て いた こと が分かる。 注 目 さ れ る の は 、 当 該 三 三 二九 番 歌 は 巻 十 三 の挽 歌 部. 田度 伎 乎 不 知 ﹂ 以 下 は 、. に収 め ら れ て い る が 、 相 聞 表 現 を 多 分 に含 ん でお り 、 と り わ け 後 半 部 の ﹁将 為 須 部 乃. 巻 十 三 の相 聞 部 に 収 め ら れ て い る 三 二七 四番 歌 と 表 現 ・. せ ら れ て いた の で は な く 、 長 歌 に 遅 れ て後 に付 せ ら れ た. 内 容 ・発 想 共 に 酷 似 し てお り 、 ほと ん ど 同 一と 言 って よ い 。 お そ ら く 三 三 二九 番 歌 は 、挽 歌 であ る こと を 念 頭 に. 場 合 が多 い こと は 、す で に広 く 具 体 的 に指摘 さ れ て いる 。. おき つ つも 、 三 二七 四番 の相 聞 歌 を 主 と し て 、巻 十 一、 十 二 に 見 え る よ う な 相 聞 表 現 を 吸 収 し つ つ、 出来 上 が っ. ( 品 ト つ. [團. 曽. 抱人之. 間無曽. 無間之如. 年魚道之水乎 人老飲云. ◆小治 田之. ⑪ 二四 一五等. 飲 人之. 時自久. 不時之如. 人者抱云. ] ⑬ 三 二 六 一、 二 と⑫ 二 八 八 一 ・⑫ 二 八 九 二 ・. 巻 十 二 の歌 と が 類 歌 関 係 に あ る 例 を 具 体 的 に 見 て み よ. そ の こ とを も 念 頭 に置 き な が ら 、巻 十 三 の反 歌 と 巻 十 一、. こ こ に も 三 三 二九 番 長 歌 の形 成 に 、前 掲 の 四首 に 代 表. た歌 であ ろ う 。. さ れ る よ う な 巻 十 一、 十 二の広 い裾 野 を も つ世 界 が 関 わ. 以 上 、 長 歌 中 の 一部 の表 現 と巻 十 一、 十 二 のそ れ と が. って い る こと を 確 認 でき る 。. 類 似 し た 歌 を 対 象 と し て 見 て き た 。 こ こに 対 象 と し て掲 げ た 四 例 に関 す る限 り 、 巻 十 三 の表 現 が巻 十 一、 十 二 へ と いう 一方 向 の流 れ を 考 え る よ り は 、巻 十 三 長 歌 の表 現. 一6一. 村瀬 万葉 集 巻 十三 と巻 十 一 ・十 二.

(7) 歌. 吾恋 良 久 波. 於 君不 相而. 已 時 毛無. 今 者無. 吾帯緩. ( ⑬ 三 二 六〇 ). 年 之 歴去者 ( ⑬ 三 二六 一) 宜言. ▼. 今 時者 四. 名之惜雲. 名惜雲.  吾者 無 吾者無. 妹丹因者. 久時 従. 千 遍 立 十方. ( ④ 七 三 二). 年之経去礼者. ( ④ 六 一六). 憶寸吾者. 人麻 呂 歌 集 ). 念来吾等. ( ④ 五 〇 一 人麻 呂). 久時 由. 止 時裳 無. ( ⑫ 二 六 一二). 吾恋落波. ( ⑪ 二四 一五. 吾背 子 ホ. 水垣乃. 水 垣之. 君ホ不相而. 山 口女 王 贈 大伴 宿 祢 家 持 歌 五首 ( 内の一首) 劔大 刀. 袖振山. 袖 振 山乃. 口庭女等乎. 袖鰯而夜. ◇未 通 女 等 之 朝 夕毎 ( ⑬ 三 二六 二). ■白細布乃. 妹 ホ不相 而. ( ⑫ 二 八 八 一). (⑫ 二八 九 二). 月之 経 去 者. し て いた こと を 示 す 例 と し て よ く 引 用 さ れ る歌 で あ る 。. 多くあり、歌謡性を有した長歌が広く伝諦享受 され流布. 皇 の巻 一の 二五 、 二六 番 、そ し て巻 十 三 の 三 二九 三番 と. 月 之 経 去者 不相 数 多. 年之 経行 者. と いう こと も広 く 指 摘 さ れ て い る と こ ろ であ る 。. そ し て こ の長 歌 に付 せ ら れ た 反 歌 が 、後 の付 加 物 で あ る 年之経 去者. ( ⑫ 二九 四 一). 八 一、 二 八九 二 、 二九 四 一) 存 在 す る 。 一字 一句 ま で 全. そ の反 歌 (三 二 六 一) に 、掲 出 の類 歌 が 三 首 ( ⑫ 二八 年 之 経者. く 同 じ と いう わ け では な く 、 そ れ ぞ れ が 微 妙 に 異 同 を 有. し 少 し ず つず れ て いる と ころ が 、 か え って こ の 一連 の類. ( ⑫ 二 八七 九 ). ( ⑫ 二九 六〇 ). 妹 乎不相 見而. 不相 日数 多. 掲 出 の三 二 六〇 番 長 歌 と 類 歌 関 係 に あ る 歌 は 、 天 武 天. 月 之経去 者. 此 反 歌 謂之 於 君 不相 者 於 理 不 合也. 恋為者. 今者 無. 吾 者無. 今 者無. 吾者 無. 妹 二不相 而. 君之目不見而. 跡状 毛我 者. 宇都思 情毛. 吾者無. 為 便 乃 田時 毛. 或本 歌 日. 為 便乃 田時毛. 右三首. 久時従. 或本反歌 日. 於妹 不相 也. 今案. 為 便 乃 田付 毛. 反. 吾妹子ホ. 思遣. 楴垣. ★ 立 而居. ☆思遣. ○念 八流. △虚 蝉之. 名之 惜 毛. 又 大伴 宿 祢 家 持 和 歌 三 首 ( 内の昔 ). ▲ 三空 去. ▽. 一7一. 巻 第24号)1998.12 文 学 ・芸 術 ・文 化10巻1号(通.

(8) 歌 が 広 く 享 受 さ れ 流 用 さ れ流 布 し て いた こと を 示 し て い. 二 四 一五番 歌 の 前 後 関 係 に つ い て は 両 様 の 見 解 が あ る. 次 に 三 二 六 二番 歌 と な った と 考 え て いる 。 五 〇 一番 歌 と. え 、そ れ が 巻 十 一の 二四 一五番 歌 の ﹁民 衆 の歌 ﹂ と な り 、. が 、 少 な く と も 三 二六 二番 の或 本 反 歌 は 、 人 麻 呂 歌 、 人. る 。他 にも 二九 六〇 、 二 八 七 九 番 歌 のよ う に 一部 類 似 し. そ し て さ ら に注 目 さ れ る の が 三 二 六 一番 歌 の左 注 であ. た 歌 が あ る こと も 、 そ の こと を 一層 保 証 す る 。. を ﹁妹 ﹂ に す べ し と 述 べ て い る 。 ﹁君 ﹂ と ﹁妹 ﹂ の 異 同. 伝 し 変 化 を見 せ て いる こと 、 さ ら には 第 二節 で みた 具体. あ り 方 も 幾 通 り か に 想 定 でき る が 、 こ の長 歌 が 様 々に流. が 、巻 十 二 の 二六 = 一番 歌 に見 ら れ る 。 こ の影 響 関 係 の. な お 長 歌 の末 尾 部 (破 線 部 ) と 類 似 の表 現 を 有 す る歌. 麻 呂 歌集 歌 が 元 にな って いる こと は確 か であ る 。. ・変 換 と いう 問 題 は 、 こ の三 二 六 一番 歌 と 類 歌 関 係 に あ. 例 か ら の結 論 に 依 れ ば 、両 者 の共 通 基 盤 か ら 生 じ た類 似. 一が と れ て い な い こ と に 疑 義 の念 を 持 ち 、 反 歌 の ﹁君﹂. る 。長 歌 が男 の 立 場 、 反 歌 が 女 の立 場 で詠 ま れ て いて統. る 掲 出 の 二八 八 一番 歌 に も そ のま ま 見 ら れ る 。 本 文 歌 は. 表 現 であ ろ う 。. 所格. ﹁妹 ﹂ を 詠 み 、 或 本 歌 は ﹁君 ﹂ を 詠 ん で いる 。 これ は 、. 破薦乎敷 而. こ の 一連 の類 歌 が 、 そ れ ぞ れ の状 況 に応 じ て ﹁君 ﹂ ﹁妹 ﹂ を 使 い分 け つ つ広 く 作 ら れ 、享 受 さ れ て いた こと を 意 味. 掻将棄. ◆刺将 焼. [河象W] ⑬ 三二七 一と⑫三〇 二五 小屋之 四忌屋ホ. す る 。 こう い った か な り 自 在 な 伝 説 流 用 流 布 の同 種 の世. 昼. 比師跡鳴左. 赤根 刺. ( ⑬三 二七〇). ( ⑬ 三二七 一). 我之心柄. 此床 乃. 指易 而 将宿 君故. 君ホ恋毛. 夜者須柄ホ. 愛 八師. 野干玉之. 鬼之四忌手乎 者終ホ. 将折. 界 の中 に、 三 二 六〇 長 歌 に付 加 さ れ た 反 歌 も 、巻 十 二 の 歌 々も 置 か れ て いた も のと考 えら れ る 。. 右 嘆鶴鴨. 三 二 六〇 番 歌 の ﹁或 本 反 歌 ﹂ と し て 置 か れ て い る 三 二 六 二番 歌 に つい ては 、 二重 傍 線 部 のよ う な 類 似 表 現 が 、. 右 二首. 焼毛吾有. 歌. 反 我情. 掲 出 の人 麻 呂 歌 及 び 人 麻 呂 歌集 歌 に 見 ら れ る 。 こ の 三首 の関 係 を 、 土居 光 知 ﹁萬 葉 集 第 七 、 十 一、 十 二、 十 三巻 の編 集 年 代 と各 巻 の特 質 ﹂ ( ﹃東 京 女 子 大 学 論集 ﹄ 第 六巻 二号 、 一九 五 六 ・三 ) は 、 巻 四 の 五〇 一番 歌 を 原 歌 と 考. 一8一. 村瀬 万 葉 集 巻十 三 と巻十 一 ・十 二.

(9) ★ 石走. 垂 水之 水 能. 早 敷 八師. 君ホ恋良久. 吾情柄. 或本歌 日 吾背子者. 動 而寒. 烏 玉乃 宵 文. 今更君来 目八. 吾衣袖ホ.  . 凍渡奴. 現庭. 立待ホ. 思愚 . 君者 不. 大舟乃. ( ⑬ 三 二 八 一). 床辺不離. 眠夜乎不落. 君不来者. 天之足夜ホ. 鷹音文. ( ⑫ 三 〇 二五). 深去来. 待跡 不来. 吾情熾. 落雪母. 阿下乃吹者. 焼不足香文. 左夜深跡. 焼 人者. 氷 丹左叡渡. 春 乃大 野 乎. 置霜文. ☆冬 隠 ( ⑦ 一三 三 六). 後文将会常 歌. 夢谷 相所見欲. 左奈葛 相. 長 歌 の冒頭 部 の ﹁焼 ﹂と 反 歌 の ﹁焼 ﹂と では 、同 じ ﹁焼 ﹂ でも 、そ の対象 も そ れ に 込 めら れ た 心 情 も 相 異 し てお り 、. 反. 山下吹而 寒 夜乎. 恋友君 二 相目八毛. そ の意 味 で こ の反 歌 は 原 初 か ら のも の では な い と判 断 で. 今更. 右四首. ★従今者 錐恋妹ホ 将相哉母. 新夜. 夢 所見 欲. ( ⑬ 三 二八 三). 夢ホ所見乞. 夢 所 見欲. ( ⑫ 二九 五七 ). ( ⑫ 三 一二〇 ). ☆今更 将辣哉我背子 荒 田夜之 全 夜毛 不落 △我 心 等望使念. 黒玉之. ㊥ 鴨1 二 勲. 夢所見与. 柿本人麻呂歌集). 夢見与. 一夜 不落. 床 重 不去. じ. 衣袖丹. 振左 気見者. ^独. 面影不去. 夢所見社. ( ⑪ 二五〇 一 柿 本 人 麻 呂 歌集 ). 恋和備ホ家 里 真十鏡. 春浦経 真鏡. ( ⑫ 二 八四 二. ▲ 里遠 ▽里遠. △. き る 。 こ の反 歌 と類 似 し た 表 現 を 持 つ歌 は 掲 出 の 二首 程 度 で 、 し か も類 似 表 現 が 一首 全体 に 及 ぶ と いう ほど の類 歌 で は な い。 そ れ ぞ れ に 独自 の情 と 景 を 詠 む 、 巻 十 二と 巻 七 の 二首 の表 現 を 合 成 す る よう な か た ち で、 三 二七 一 反 歌 が 出来 上 が って い る 。 こ の場 合 の 関 係 は 、 今 ま で 見 てき た よ り も 緩 い繋 が り を も って 、巻 十 三 と巻 十 二及 び. 天原. ⑬ 三二八三と⑫ 二九五七 ・⑫三 一二〇 難待 来 不益. 立待留. 君ホ. 後毛相得 卯管庭. 左奈葛. 荒風乃吹者 公来座哉. 床打払. 天之足夜乎 ( ⑬三 二八〇). 二袖持. 吾袖﹂ 小. 巻 七 の所収 歌 が そ の基 盤 を 共 有 し て いる と言 えよ う 。. [團 ◆妾背 児者. 左夜深而 心乎持而. 凍渡奴 今 更. 夜毛深去来 零雪者 名草武類. 波不相 夢谷 相跡所見社. 一9一. 巻 第24号)1998。12 文 学 ・芸 術 ・文 化10巻1号(通.

(10) ▼大原 ◇ 吾恋. 妹置. 故載於薙. ( ⑨ 一六九 三. 袖 可礼 而. ( ⑨ = ハ九 二. 衣片敷. ( ⑪ 二六 一 二四). 一 ・十 二、 人 麻 呂 歌集 所 出 の 歌 々は 、 傍 線 を 付 し た よ う. こ のよ う な 状 況 を概 括 す る な ら 、 掲 出 の巻 十 三 、 巻 十. 間貫垂. 竹珠乎. 妹ホ縁而者. 無. 何則反. 公之随意. 倭文幣乎. 手. ( ⑬三 二八五). 君ホ 依者. 神叫曽吾乞. 心者縦. 応謂之縁 君也. ( ⑬ 三 二八四). 甚毛為便無見. 石相穿 居. 吾念有. ⑬三 二八五と⑪ 二五三 七、及び 長歌 三 二八四 の 一部 分 と ⑪ ⑫ 等. 齊戸乎. 神祇乎曽吾祈. 無在乞常. 根毛 一伏三向凝呂ホ 天地之. 言之禁毛. ◆菅根之. [團. が ら 成 った歌 と 考 え られ る。. 九 五七 、三 一二〇 番 歌 は 、 同 一基 盤 上 で相 互 に 関 連 し な. え る 。 と り わ け 巻 十 三 反 歌 の三 二 八 三番 歌 と 巻 十 二 の 二. な 相 聞 表 現 を 共 通 の 基 盤 と し て 、 出 来 上 が って いる と 言. 但以句 々. 柿 本 人麻 呂歌 集 ). 一鴨 将 罧. 柿 本 人麻 呂 歌 集 ). 一鴨 将 辣. 夢所 見 乞 ( ⑪ 二 五 八七 ). 右 一首 上 見 柿 本 朝 臣 人 麻 呂 之 歌 中 也 相換. 怯夜 . 玉浦丹. 吾 稲金 津. 古郷. 開巻惜. 妹相佐受. 紀 伊 国 作 歌 二首. 玉匝. 三 二 八〇 番 の長 歌 に は 、 三 二八 一番 の或 本 歌 の 長 歌 が 並 べ て置 か れ て いる が 、 表 現 は 極 め て 類似 し て お り 広 く 流 布 し 享 受 さ れ て いた こと を 思 わ せ る。. 不可言之 因妹者. 今案. 反 歌 を 中 心 に 長 歌 も 含 め て、 四種 の傍 線 を 付 し た よ う な類 似 表 現 が 見 ら れ る 。 反 歌 の三 二 八三 番 歌 は 、 巻 十 二. 或本歌 日. 吾念有. 天地之. 足千根 乃 母ホ毛 不謂 怯 有之. 歌. 歌云公之随意焉 反. の 二九 五 七 番 歌 と 三 一二〇 番 歌 を 合 成 し た か のよ う な 類 似 表 現 を 持 つ。 こ の他 にも 一部 分 が 類 似 表 現 を 有 す る 歌 は 、 幾 種 か の傍 線 を 施 し た よう に 、巻 九 の柿 本 人 麻 呂 歌 集 所 出 歌 も 含 め て多 く 見 ら れ る 。ま た 長 歌 の部 分 的 な 表. 玉手次. 之自 二貫垂. 不懸時無. 見 ら れ な い表 現 も あ る も の の、 ほぼ 反 歌 が 出 来 上 が る と. 取持 而 竹珠叫. 現 を 繋 ぎ 合 わ せ て いく と 、 ﹁独 鴨 罧 ﹂ のよ う な 長 歌 に は. い った 側 面 も持 つ。. 一10一. 村瀬 万葉 集 巻 十 三 と巻 十 一 ・十 二.

(11) 反 神乎祷而. 歌. 痛 毛 須 部奈 見. 乾坤乃. 或本歌日. 言之故毛. 吾恋. 木 妨己. 恋西. 公以必. 弥遠長. ( ⑬ 三 二八 六). 君ホ 依 而 忌戸. ハ   . い る。 長 歌 の傍 線 部 ﹁菅 根 之. 根 毛 一伏 三 向 凝 呂 ホ ﹂ の. 表 現 は 、掲 出 し た巻 十 一の 二七 五 八番 歌 、巻 十 二の 二八. 五 七番 歌 、 そ し て ■ 印 の も と に 歌 番 号 の みを 記 し た が 、. れ る相 聞 表 現 であ り 、巻 十 三 の 歌 も こう し た 基 盤 の 上 に. 巻 十 一 ・十 二 を中 心 に巻 四 、 巻 二十 の歌 々にも 広 く 見 ら. 成 って いる と 言 えよ う 。. そ し て反 歌 に つい て は 、 三 二八 四 番 長 歌 が 、そ の 左 注. で 、 三 二 八 五番 反 歌 と 男 ・女 の 立 場 が 異 な る こと を 問 題. と し て い る 。 同種 の左 注 は 先 に も 見 た 通 り で 、 こ の種 の. る 。さ ら には こ の発 言 は 、 三 三 八 五 番 反 歌 は 長 歌 の 原初. 歌 が 伝 諦 流 用 流 布 の世 界 に 属 し て いた こと を 示 し て い 君之随意. 編 者 の考 えを 前 提 と し て な さ れ た も の であ ると 見 る こと. か ら備 わ って い た も の で は な く 、 後 の付 加 であ る と いう 不所 念 亮. こ の反 歌 に 、酷 似 し た類 歌 が 巻 十 一の 二 五 三七 番 に存. が出来る。 於妹不相為. ( ⑪ 二七 五 八). ( ⑪ 二五 三 七). (⑬ 三 二八 八). 甚毛為便無見. 肩荷取懸. 我念有. ( ⑬ 三 二八 七). 不 相在 目 八. 木綿手次. 心者吉 恵. 乾 哉 吾袖. 益卜男心. 吾持留. 神 祇 二衣 吾 祈. 無有 欲得. 思愚 而. 齊穿居. 大船之 者 玄黄之. 乎. 慰妹 ﹂ 小. 母ホ 不所知. 右 五首 ★ 足千根 乃. △菅 根 之. 照日. 在 す る 。 これ は 三 二八 四番 長 歌 に 反 歌 が 付 着 す る に際 し. 側隠 々 々. ( ⑫ 二八 五 七). ▽菅根 之. し て い るし 、も う 少 し踏 み込 ん で 言 え ば 、 こ の場 合 は 、. て 、巻 十 一所 収 歌 の基 盤 が 預 か って 力 のあ った こ と を 示. 巻 十 一の 二 五 三 七番 歌 が 、 三 二八 四 番 歌 の反 歌 と し て活. ■ ④ 五 八〇 、④ 七 九 一、⑪ 二四七 二、⑪ 二四 七三 、⑫ 二 八 六 三、⑫ 三〇 五三 、⑫ 三〇 五四、⑳ 四四 五四. 用 さ れ た も のと 考 え ら れ る 。. 恋 の成 就 を 神 に祈 る と いう 内 容 の歌 が 、反 歌 を 伴 う も の 二組 、伴 わ な いも の 一組 、計 三組 が 並 べら れ て いて 、 これ ら の歌 が 広 く 享 受 流 用さ れ て いた こと を 今 に伝 え て. 一11一. 巻 第24号)1998。12 文 学 ・芸 術 ・文 化10巻1号(通.

(12) [團 日者. 言跡云. の 上 に成 った も のと 考 え られ る。. 道行去毛. 青山乎. 振放見者. [対象X] ⑬ 三三〇 六と⑪ 二五九七 ◆物 不念. 香未 通. 汝心勤. 吾 八思益. ( ⑬ 三三〇 五). 余所留跡序云. 汝乎曽 母 吾丹依 云 吾叫毛 曽. 天地乃 神乎祷 . 人師依老. 盛未通女. 菌花. 歌 の広 範 な 享 受 のも と 、 こう した 巻 十 二 の歌 と 同 一基 盤. 二九 七番 歌 に 付 せ ら れ た 三 二九 八番 反 歌 も 、人 麻 呂歌 集. 以 上掲 出 し た 四 首 の こ のよ う な あ り 方 か ら 推 す と 、 三. のと 考 え ら れ る 。. 呂歌 集 所 出 歌 を も 取 り 込 み咀 囑 し た か た ち で詠 ま れ た も. 十 二の 二首 に 加 え て、 掲 出 の巻 十 一、 二 三 五 五番 の 人麻. ま た 掲 出 の巻 四 、 六 八 四番 の大 伴 坂 上 郎 女 歌 は 、 こ の巻. の幅 広 い享 受 と 流 用 の有 り よ う を 物 語 って い る。 そ し て. 兄 ﹂ と 、男 女 別様 の立 場 で歌 わ れ て いる 点 が 、 こ の 二首. に表 現 を 異 に し て い る点 、ま た それ ぞ れ が ﹁吾 妹 ﹂と ﹁我. と 二九 三 六番 歌 と は 、 一首 の歌 の構 造 は 同 一の歌 であ る.  . 恋 度 七目. 安毛無. ( ⑬ 三 二九 八). 各墾社吾. ( ⑬ 三二九七). 妹恋丹. 赤根刺. と 言 ってよ い が 、 同 一の構 造 を 持 ち な が ら 、 各 句 で微 妙. 妹西不会波. コ にじロ. 生友.  . ( ⑫ 二八六九) 安毛 無 人云名 国. 吾 二 可縁 跡. 柿 本 人麻 呂 歌 集 ). 吾遡 応依. ( ⑫ 二九 三 六 ). 一夜 一日毛. 不相而 念渡者.  . 夜者酢 辛 二 眠不睡ホ. 吾念. ⑬ 三二九八と⑫ 二八六九 ・⑫ 二九 三六 ・⑪ 二. くノぎ. 二 々火 四吾 妹. 烏 玉之. 不懸時無. 三五五 之弥 良ホ. ◆玉田次. 歌. 生流為便無 反 縦 恵 八師.  . 右 二首. ★今者吾者 将 死与吾妹.   恋為者 錐生. 生 十方.    ロ   . ( ⑪ 二一 二五 五. 早 裳 死耶. 指南 与 我 兄.  . 将 死与 吾背. 吾 念妹者. ☆ 今 者 吾者 ▲ 恵得. 口今者吾波. 桜花. 女 大 伴 坂上 郎 女 ). 汝丹依 云 荒山毛. ( ④ 六八四. 恋止物序. 歌. こ こに 掲 げ た 歌 に は そ れ 程 多 く の類 似 表 現 は見 ら れ な. 何為而. 反. 莫 苦荷. い。 ﹁死 な む よ吾 妹 ( 吾 背 )﹂ と いう 万葉 集 中 数 少 な い言 い方 が 共通 し て いる程 度 であ る 。 と ころ で こ の共 通 表 現 を 有 す る巻 十 二 の 二八 六 九番 歌. 一12一. 村瀬 万 葉 集 巻十 三 と巻十 一 ・十 二.

(13) ◇然有 社 乎過而 反 天地之. 鐙髪 乃. ( ⑬ 三三 〇 六). 三〇 九番 歌 で あ る と 考 え た 。 そ し て長 歌 に付 せ ら れ た 二. 二首 を繋 い で 一首 に 仕 立 てた のが 、 人麻 呂 歌集 所 出 の三. 橘. 首 の反 歌 に つい て は 、 二首 相 互 が 付 き過 ぎ る ほ ど に 相 関. 末枝. 吾同子叫過 ( ⑬ 三 三〇 七). ほど に滑 ら か に前 歌 が 後 歌 を 承 け て い る点 か ら し て 、 こ. 連 した 内 容 を 持 ち 、 し か も 見 方 によ っては 平 板 に過 ぎ る 都 不止 来. の反 歌 は 初 め か ら 二首 の 長 歌 に 付 せ ら れ て いた の で は な. く 、後 に 二首 が 一組 と し て 一緒 に 作 ら れ て、 二首 の長 歌. ( ⑬ 三 二〇 八). そ の三 三 〇 六番 反 歌 に 、 類 歌 と し て巻 十 一、 二 五九 七. に 一首 ず つ付 さ れ た も のと 考 え た 。. 吾ホ依 云. 番 歌 が 存 在 す る 。 こ の 二首 も 、 同 一歌 で は あ る が 、 細 部. ホ. 汝乎叙 母. 歳 八年 乎. 都追慈花. 念社. で は 微 妙 に差 異 が あ り 、 ど ち ら か が ど ち ら か に ス ライ ド. 此川之. ( ⑬ 三 三〇 九 ). 所忘莫苦 二. 末枝乎須具 里. 恋 益跡. の基 盤 のう え に成 ったも のと 考 えら れ る 。. 十 二所 収 歌 と の間 の自 在 な 流 用流 布 の 世 界 と いう 、 共 通. で 見 て き た よ う に 、 こ の 二首 は 、巻 十 三 反 歌 と 巻 十 一 ・. さ せ た と いう よ う な 単 純 な 関 係 で は な い。 や は り これ ま. 下. 振酒見者. 恋 云物 者. 汝情 待. 祷 而寸. 下文長. 年 乃 八歳 叫 此 河能 歌 神尾母吾者. 橘之. 汝者如何念也. 佐可遥越売. 青山乎. 柿 本朝 臣 人 麻 呂之 集 歌 路行去裳 作楽花. 物 不念 太遥越売 汝ホ依云. 与知子乎過. 吾乎叙物 斬髪. 吾妹子丹. 汝心待. 忘物. 右 五首. 母長久. ☆ 何為 而. ( ⑪ 二 五九 七) ﹁問 答﹂ 部 に収 め ら れ た 掲 出 ﹁右 五 首 ﹂ の成 り 立 ち に. ﹁万葉 集 巻 十 三 長 歌 の実 態 1 ﹁里 人 の我 に告 ぐ ら く ﹂ 歌. にあ る 歌 に つい て具 体 的 に 見 てき た 。 巻 十 三所 収 の歌 々. 巻 十 三と 巻 十 一 ・十 二所 収 歌 のう ち 、 両者 が 類 歌 関 係. おわりに. の原 初 形 態 の想 定 を め ぐ って ー ﹂ (﹃シ ュソポ シオ ソ﹄ 第. は 、 歌 の古 新 と いう 面 で 言 って も 種 々多 様 であ って 一律. 四. 二号 、 一九九 七 ・三) で は 、 三 三〇 五 番 と 三 三〇 七番 の. に そ の性 格 を 規 定 す る こ と は 出 来 な いが 、 少 な く と も 巻. つ いて は 、種 々の 場合 を 想 定 す る こと が で き る が 、 前 稿. 二 つの長 歌 が 問 答 形 式 で歌 われ た の が 原初 形態 で 、 こ の. 一13一. 巻 第24号)1998.12 文 学 ・芸 術 ・文 化10巻1号(通.

(14) も の、 相 互 に広 く 流 用 し 享受 し て そ の表 現 ・内 容 を膨 ら. 新 し い歌 が 多 く 、巻 十 一 ・十 二と基 盤 を 共 有 し て成 った. 十 一 ・十 二と 類 歌 関 係 にあ る歌 に限 って言 えば 、比 較 的. も の は 、民 謡 、 口調 に そ の 理 由 を 求 め る事 は 出 来 ず 、後 期. も のが あ り 、後 期 万葉 歌 人 及 び 巻 十 一、 十 二と 類 歌 を 持 つ. のも 存 す るが 、原 初 的 と 見 え る そ の中 に も 、 原 初 的 で な い. が 、 も ち ろ ん これ も 古 い ﹁民 謡 ﹂ を 意 味 し て い る わ け で は. 万葉 歌 人 と 同系 列 の 歌 と み る こと が 出来 る と 考 え る の で あ. な い。た だ当 代 で の 口論 と いう 側 面 は否 定 でき な いと 思 う 。. る。 ﹂ と 結 論 づ け て い る 。本 稿 も ほぼ 賛 成 で あ る 。 本 稿 で は. な お 、巻 十 三 、 十 一 ・十 二 に収 め ら れ た 歌 々 の成 り 立. ( 2 ) 遠 藤 宏 ﹁万 葉 集 巻 十 三 に お け る 異 伝 - 後 期 的 文 学 営 為 検. ま せ て い った も の で あ ろ う こと を見 た 。 と り わ け第 三節. ち に つい て は 、 以 上 み てき た よ う に 、 各 歌 相 互 に 交 流 し. 討 のた め の 一視 点 と し てー ﹂ ( ﹃大 久 間 喜 一郎 博 士 古 稀 記 念. し ば し ば ﹁自 在 な 伝 諦 流 用 流 布 ﹂ と いう 言 い方 を し て いる. 合 う よう な 共 通 基 盤 を 想 定 でき る が 、 一方 これ ら の巻 に. 古 代伝 承 論 ﹄ 一九 八 七 ・ 一二、 ﹃ 古 代 和 歌 の基層 ﹄ 所 収 ) は 、. で見 た よ う に 、長 歌 に 後 に 付 さ れ た反 歌 に は 一層 そ の傾. 採 録 さ れ る 際 の編 纂 資 料 と い った 面 か ら 言 え ば 、 編 纂 資. 向 が 顕 著 で あ る こ と が確 か め ら れた 。. 料 と し て の存 在 場 所 は 別 個 であ った と 考 える のが よ い だ. こ の三 組 の長 歌 に は 、 共通 の 原 核 と な る短 歌 形 式 の歌 が あ. 加 され て 、 三組 の 長歌 と な った と 説 いた 。 橋 本 達 雄 ﹁万葉. った と 考 えら れ る こ と 、 そ し て そ れ にそ れ ぞ れ 修 飾 句 が 付. ハ ヨリ. ろ う 。 巻 十 三 のよ う な長 歌が 歌 わ れ 、享 受 さ れ 、そ し て. であ った であ ろ う と 考 え ら れ るか ら であ る。. 記 録 さ れ た 場 は 、 や は り巻 十 一 ・十 二 の歌 の それ と は 別. 集 巻 十 三 の 反歌 ・或 本 歌 の 一考 察 ﹂ ( 尾 畑 喜 一郎 編 ﹃記 紀 万. 葉 の新 研 究 ﹄ 一九 九 二 ・ 一二所 収 ) は 、 こ の遠 藤 論 文 を 踏. ま え 、 さ ら に進 め て 、 二組 の ﹁或 本 歌 ﹂ 長 歌 のう ち 、第 一. 注 (1) 巻 十 三反 歌 と 巻 十 一、十 二所 収 歌 と が 類 歌 関 係 にあ る 歌. 八 八番 歌 ) は 金 村 か 周 辺 の誰 か の作 で あ ろ う と の論 を 展 開. 或 本 歌 (三 二八 六 番 歌 ) は 金 村 の新 作 、 第 二或 本 歌 (三 二. ( 3 ) 巻 十 一 ・十 二 には 、 柿 本 人麻 呂 歌 集 所 出 の歌 と 出 典 不 明. し て いる 。. に つ いて 、真 正 面 か ら考 察 を 加 えた 論文 に、小 野 寺 静 子 ﹁万. ・九 ) が あ る 。 本 稿 で は論 述 上 直 接 引 用す る こ と が で き な. 葉集巻十 三反歌論﹂ ( ﹃国語 国文 研 究 ﹄ 第 四 一号 、 一九 六 八. か った が 、 小 野 寺 論文 は ﹁巻 十 三 の反 歌 に は 、 原 初 的 な も. 一14一. 村瀬 万 葉 集巻 十 三 と巻十 一 ・十 二.

(15) 九 八 ・九 ・ = 二、 於 中 京 大 学 ) にお い て発 表 し ま し た 。席. ︹ 附 記 ︺ 本 稿 の 骨 子 は ﹁万葉 集 の編 纂 と 成 立 を 考 え る 会﹂ (一九. 上 皆 さ ま か ら貴 重 な質 問 と 助 言 を 賜 り ま し た 。 厚 く 御 礼 申. の 歌 と が収 め ら れ て いる 。 両 者 の関 係 に つい て は 、 様 々な. 類 ﹂ の ﹁古 ﹂ を 人 麻 呂 歌集 所 出 歌 と 見 、 ﹁ 今﹂を出典不明歌. し 上 げま す 。. 見解 が あ る が 、 本 稿 では 、 巻 十 一 ・十 二 ﹁古 今 相聞 往 来 歌. と見 る伊 藤 博 著 ﹃萬 葉 集 の構 造 と成 立 上﹄ (一九 七 四 年 ) の 万葉 集 編 纂 構 造 論 の 立 場 に 依 り 、 ま た 表 現 ・内 容 面 で も 、. 一﹄ (一九 九 八年 ) の見 解 に ほぼ 依 った 。 た だ 、 本稿 の よう. 人 麻 呂 歌集 歌 を ﹁古﹂ と見 る 稲 岡 耕 二著 ﹃萬 葉 集 全 注 巻第+. に、 そ れ ぞ れ の 所 収 歌 の 成 り 立 ち 、 或 いは 成 り 立 ち に関 わ る 影 響 関 係 を 考 え る 場 合 は 、 人麻 呂 歌 集 歌 が 古 いか ら と い って、 即 人 麻 呂歌 集 歌 か ら 巻 十 三 或 いは 巻 十 一 ・十 二出 典 不 明 歌 へと い った 直 接 的 単純 な 図式 を 描 く こと は で きな い。 人 麻 呂 歌 集 も 、時 間 的 に も空 間的 に も も う 少 し 広 範 な 広 が り を持 つ享受 ・流 用 の相 と し て捉 え た。 ま た 巻 十 一と 十 二 の所 収 歌 に つい て は 、 厳 密 に は 両 者 を 区 別 し て考 え る べき であ るが 、 こ の場 合 も 、 や は り 享 受 ・ 流 用 の 相 と し て 捉 えよ う と す る本 稿 に お い て は 、 あ ま り に 厳 密 に 区 別 す る こと に意 味 は な いと 考 え 、巻 十 一 ・十 二と 大 雑 把 に ひ と ま と め にし て扱 った 。 た だ し結 果 と し て 、巻 十 一よ り も巻 十 二所 収 歌 の方 に、 巻 十 三所 収 歌 と の関 わ り が 深 い こと が 数 のう え で の傾 向 とし て出 てき た 。. 一15一. 巻 第24号)1998.12 文 学 ・芸 術 ・文 化10巻1号(通.

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