長方形管内の気液二相スラグ流 : 傾斜角の影響に
ついて
著者
松村 博久, 井手 英夫, 上薗 秀行, 石川 正義
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
29
ページ
25-35
別言語のタイトル
Gas-liquid two-phase flow in a rectangular
channel : on the influence of the inclination
angle
長方形管内の気液二相スラグ流 : 傾斜角の影響に
ついて
著者
松村 博久, 井手 英夫, 上薗 秀行, 石川 正義
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
29
ページ
25-35
別言語のタイトル
Gas-liquid two-phase flow in a rectangular
channel : on the influence of the inclination
angle
長方形管内の気液二相スラグ流
− 傾 斜 角 の 影 響 に つ い て −松 村 博 久 ・ 井 手 英 夫 ・ 上 薗 秀 行
石 川 正 義 *
(受理昭和62年5月30日)
GAS−LIQUIDTWO−PHASEFLOWINARECTANGULARCHANNEL −Ontheinfluenceoftheinclinationangle-HirohisaMATSUMURA,HideolDE,HideyukiUEZONO andMasayosilSHIKAWA. Theexperimentalstudiesofthemotionoflongbubblesfortwo-phase,air-waterslugflowshaveled toabetterunderstandingoftheinfluenceoftheinclinationangleonbubblebehaviorinarectangular channeL CorrelationshavebeendevelopedforpredictingvoidfractionsinaninclinedchanneLSubsequently, acomparisonbetweenthesimplifiedmodelpredictionsandtheexperimentalmeasurementsshowsa positiveagreementinthefrictionalpressuredrop. 1 . ‘ 緒 巨 気液二相流における傾斜円管内の流動機構について は,これまでに多くの研究') 6)が報告されている。し かし,非円形断面管路の傾斜角をパラメータにした整 理方法に関する報告はほとんどみあたらない。 本研究は,非円形断面管路としての長方形管内にお ける気液二相スラグ流に着目して,管路の傾斜角が気 体スラグの挙動にどのような影響を及ぼすかを調べ, その流動機構の解明を目的としている。 長方形管路内の気液二相流の流動においては,水力 相当直径,アスペクト比,管路断面の縦長及び横長な どの幾何学的形状が問題になる。ここでは管路断面の 縦長と横長の差違による流動機構の影響を取り上げて いる。さらにスラグ流における摩擦圧力損失の定性的 傾向を簡単なモデルより解析し,その解析結果と実験 値の比較を行なっている。 *川崎重工業株式会社 2.実験装置及び実験方法 本研究の実験装置の概略を図lに示している。 ヘッドタンクから供給される水は,水流量調節弁⑧ 及び水流量計⑨を経て気液混合部⑩に流入する。また 空気圧縮機①から供給される空気は,貯気圧力タンク ②,ストレーナ③,減圧弁④,空気流量調節弁⑤,空 気流量計⑥及びサージタンク⑦を通り気液混合部⑩に 流入する。ここで水と空気は混合され,気液三相流と なって測定管路⑫に入る。測定管路⑫から流出した気 液二相流は,気水分離器⑭を経て外部へ排出される。 測定管路は無色透明なアクリル樹脂製で,断面積が 36.4mm×9.4mm,アスペクト比が3.9,水力相当直径 が14.9mmの長方形断面をしており,管路長さは, 2500mmである。測定管路は水平位置より任意の角度 に傾斜することができる。測定管路内の静圧は水銀マ ノメータ⑮及び逆U字マノメータ⑯で測定する。 平均気体体積率は,電磁弁⑪及び⑬による瞬間締切 り法を用いて計測した。空気及び水の温度は,銅一コ ンスタンタン熱電対⑰及び⑱で測定した。⑪⑲ノ 26 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 9 号 ( 1 9 8 7 )
三
/
⑩Mixingchamber ⑪Quickshutvalve ⑫TestSection ⑬Quickshutvalve ⑭Separater ⑮HgManometer ⑯H露OManometer ⑰Thermocouple ⑱Thermocouple alr − 圭 ①Compressor ②Airreserver ③Strainer ④Pressurevalve ⑤Airflowvalve ⑥Airflowmeter ⑦Airplenum ⑧Waterflowvalve ⑨Waterflowmeter1
⑭⑬〃
〃
Water ⑫〃
〃│⑮
8 ここに砂6は式(2)で与えられ,管路の傾斜角の関数 として式(3)及び図6のように表わされる。図には参考 のために鉛直管上向流について,円管の場合のMck-linら7)及び長方形管の場合の勝原ら8)の実験値を示し ている。’ ‘ = F ( 8 ) 、 /
す 万 百 ( 2 )
妙‘/、/ 而冒=Fγ=F(8)(3)
管路断面の縦長の場合は, F(8)=4.4(28/,r)−3.6(28/汀)2 (4) 管路断面の横長の場合は, F(8)=2.7(28/,r)−1.9(28/,r)2(5) ここに,De:管路の水力相当直径,m Fγ:フルード数,無次元 g:重力加速度,m/s2 81,.:空気相当流速,m/s U2o:水相当流速,m/s β:管路の傾斜角,。 汀:180。 3.実験結果及び考察 3.1気体スラグの平均速度 気体スラグの平均速度は,ストロボ光源を用いた流 しカメラにより撮影した写真及びビデオテープレコー ダの拡大映像の計測から算出した。水平管路における 管路断面が縦長の場合の流し写真について,水相当流 速が1.44m/s,空気相当流速が0.84m/sのときを図2 及 び 図 3 に 例 示 す る 。 図 2 は ス ト ロ ボ 発 光 回 数 が 900rpm,図3はストロボ発光回数が6000rpmである。傾斜する管路内の気体スラグの平均速度恥と二相
流相当流速(21,。+'2。)の関係について,管路断面の
縦長の場合を図4に,管路断面の横長の場合を図5に 示す。図中の線は次式(1)を表わしている。t
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且]⑱ ② ⑨ Water < − − ⑧㈹ 一 > air 図 1 実 験 装 置 の 概 略 気体スラグの挙動は,スラグ流の流動現象を流しカ メラのフィルム及びビデオテープレコーダに撮影し, その拡大映像から解析した。Flowdirection 図2流し写真の例(ストロボ発光回数900rpm) 27 Flowdirection 図3流し写真の例(ストロボ発光回数6000rpm) 松村・井手・上薗・石川:長方形管内の気液二相スラグ流 4.0 & lnll両lFllIlEE 桝撫簿’瀞蝉耐卿珊IIM馴釧卿岬縛獅岬WWI蝋撫iWWWw1iIimwwww州瞬蜘…羅蝋鵬
卿'……鋤#蝉鍵1儲坤
コョサ 零孝豊冴 ・ 凶鋳手索 ,由_LLlA刊占蛸干''一令詞侭ヲ翰輔繭韓?!,-''' 叩¥地鞘ロ判鰹 ,H州諦や,山,1,,,, … 耐 Ifm歩診需藷鋤畿緬印謬画1W叩獅卿聯 噸蝋繍腿
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4.0 、へ屋樟弓画色 _し一一コ 2.0ご蕊
〆28 0.6 E 三 目0.4 畠 目 7.0 6.0 4.0 ②へE・”寺 2.0 0 1.0 2.0 3.0 (u,。+",。),m/s 図5気体スラグの平均速度(管路断面の横長の場合) 4 . 0 4 . 6 2.0 3.2気体スラグ平均長さ及び液体スラグ平均長さ 気液三相スラグ流における気体スラグ及び液体スラ グの形状に使用した寸法記号を図7に示す。気体スラ グ平均長さLs及び液体スラグ平均長さLwと空気相
当流速09o及び水相当流速U2。との関係について,鉛
直管上向流の場合を図8に示している。図中の実線は, 赤川ら9)の鉛直円管上向流における実験結果を表わし ている。図にみられるように,本実験の長方形管にお ける気体スラグ平均長さ及び液体スラグ平均長さは, 円管の実験結果と定性的に一致している。そして液体 1.5 『吟1.0 0.80.5t),。,m/s101.5
気体スラグ及び液体スラグの平均長さ (鉛直管上向流の場合) 0.5 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 9 号 ( 1 9 8 7 ) (齢
0 0.2 図6 0 . 4 0 . 6 0 . 8 1 . 0 28/,r 管 路 の 傾 斜 角 の 影 響 02 0 図8 17 1乱
÷ − F l o w d i z e c t i o n (a)Lon9itudinal 図7:
副
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そ 一 F ユ o w d i r e c t i o n (b)TEansverse スラグ形状の寸法記号 lnclination ○β=0° ④ 3 0 ° ① 5 0 ° ④ 7 0 ° ● 9 0 ° ‐ 守剛 Akagawa l eta1.9) U’o,m/s Ls Lw 0.96 ● ○ 1.45 ● $ ○ ”。=0.6m/s 一 ・Ufo D=0.8m/s − ④ 、巧
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6 Lwへ (u,。=0.2∼0.8m/s) 1 1 ○Longitudinal ●Transverse Auther −①Katsuharaetal. eNicklinetal.7) 8 )、
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〆 629 || ’| |, スラグ平均長さは,空気相当流速及び水相当流速にあ まり依存せずにほぼ一定の値をとっている。 図9及び図10は,それぞれ管路断面の縦長及び横長 の場合におけるスラグ平均長さL=(Ls+Lw)とL$
の比にたいして,空気と水の質量流量比Wb/Wgの関
係で表わしてある。これらの図には管路の傾斜角の影 響がみられる。同一の質量流量比において,管路断面 の縦長及び横長ともに傾斜角が50・から70。付近でL≦ /Lは最も小さくなっている。また同一の傾斜角において,Ls/LはWb/W‘が増加すると大きくなってい
る。管路断面の縦長及び横長の両者について,同一の 曲線で表わしてみると式(6)の関係で整理できる。 図中の実線は式(6)の関係を表わしている。気体スラグ平均幅比Bs/Bと質量流量比Wg/W‘
との関係は,管路断面の縦長及び横長についてそれぞ れ図11及び図12に示す。これらの図によると,管路断 1. 0 . 4 α 5 1 . 0W
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図12気体スラグ平均幅と平均厚さ (管路断面の横長の場合)1
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図l0Ls/LとVWWgの関係 (管路断面の横長の場合) 0. 3.3気体スラグ平均幅及び平均厚さ 気体スラグ平均幅Bsは管路断面の長辺Bとの比Bo /B,気体スラグ平均厚さZsは管路断面の短辺Zとの 比Zs/Zの無次元で表わす。 2ozユ 0. 2p2」 1 . 0 1 . 5側
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Ls/LとW6/W1,の関係
(管路断面の縦長の場合) 0.40.5 8 面の縦長及び横長のいずれの場合も,同一質量流量比 において液体レイノルズ数Regoが大きくなると,気 体 ス ラ グ 平 均 幅 は と も に 小 さ く な っ て い る 。 ま た 管 路 傾 斜 角 の 影 響 は 管 路 断 面 の 縦 長 の 場 合 に は ほ と ん ど み られない。 管路断面の横長の場合における液体レイノルズ数と 管路傾斜角の関係を図13に示す。図中の実線は気体ス ラグ平均幅と液体レイノルズ数の関係であり,管路断 面の縦長及び横長の両者ともに同一の関係式で表わし てみるとつぎの近似式(7)となる。 Bs/B=1−C(8)Regdo5(7) ここに管路断面の縦長の場合は, C ( 8 ) = 0 . 0 0 2 ( 8 ) 管路断面の横長の場合は, C(8)=1.9×10−3(28/,r)+1.0×10-4(9) 気体スラグ平均厚さZsは,次式(10の関係から得ら れる。 6 」 ● ● ︵叩︾︽叩︾ 目へ、叩自 0. 0. 2.02.1∼:
。40.5 1.0 1.5 2.02W
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(7) 閏 。 1.4xlO4 2.lx104 2.90〔104 lrYcLlnaにlCm 0● 3 . 5. ● 7 0'90。 e ① @● ロ 白 田 回 ■ △ ▲ ▲ ▲ ▲ 正、 字二 △ 皆呈一呈蕊
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30 1.0 らの場合においても,管路傾斜角が大きいときZs/Z は,0.9から1.0の間の値をとっている。 0 0 . 2 0 . 4 0 . 6 0 . 8 1 . 0
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0.9 3.4平均気体体積率平均気体体積率んと質量流量比wb/wlの関係に
ついて,管路傾斜角βをパラメータとした場合,水相 当流速が0.96m/s,1.45m/s,1.94m/sならびに管路 断面の縦長及び横長のそれぞれについて図14から図19 に示している。なお図中の記号は流動様式の区分を表 わし,破線は流動様式のおおよその境界を示している。 流動様式は肉眼及び写真観察で判別し,区分したも のであり,ここではスラグ流〔s〕だけを示せばよいが, 参考のために気ほう流〔B〕,気ほうスラグ流〔BS〕, フロス流〔F〕も表わしてある。 水平管内流では気相部分が管路頂上部に偏って流れ る傾向にある。鉛直管上向流においては,円管内スラ グ流のように気体スラグが管路断面全体を満して流動 することは少なく,先行気体スラグの後流の影響によ り,いくらかとがった気体スラグの頭が左右にふれな がら上昇していくのが観察された。傾斜管内上向流で は,水平管と比較して管路傾斜角が50°から60.の時, 気体スラグの頭は一番細くなる傾向がみられた。 これらの図によれば,平均気体体積率は,管路傾斜 0.8弓
国 0.7 0.6 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 9 号 ( 1 9 8 7 ) 邑弓 0.5 0.2 図13液体レイノルズ数と傾斜角の関係 (管路断面の横長の場合)ん
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(10)ここに,あは液体スラグ中に小気ほうを含まないと
仮定したときの平均気体体積率である。図11及び図12 にはZs/Zの値を破線で表わしている。これらの図 に示しているように,管路断面の縦長及び横長のどち 0.82Wb/W‘4
0.6 0.4 2 4 6 8 1 0 − 3 図14平均気体体1漬率(管路断面の縦長の場合) 10-‘ 0.1 0.08 0.06 0.05寺
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ReR,o ○ ユ・4xlO句 lel2.’×10 | ’ 1 0 ● 2.9xlOOL 11 〔F〕 、 、 〔BS〕 、 I 1 へ 〃 8=0. 90. 50° 〔B〕/
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諺
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00
● ● ︽恥叩叩︾︽、叩︾︾ −4 2 4 −3 4 0.8 0.6 0.4 ‘・身 0.2 8 0.08 0.06 0.05 10−‘ 2 4 6 810−3 wb/W’ 2 2 4 2 4 6 8 1 0 6 05 10 、1 08 0( 〔F〕 〔B〕 8=0。 @. 帥印 の ジ/三/
己① / /∼ I一一一
秒、。=1.94m/s lnclination ○①e①①①ee④● ︿〃﹀ 一一 0m加釦仙別印和訓卯 。◎●◎。。。。●、 〔F〕 〔B〕=ず
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しβ=0°'−90.
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,),。=1.45m/s ○①○④①①ee④● lnclination β=0° 10° 20. 30° 40。 。。。。⑨ 卵帥祁帥卯一一一
0.8 32 10-‘ 0.8 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 9 号 ( 1 9 8 7 ) 0.6 0.4 0.2 0.1 0.08 0.06 0.05 4 6 8 1 0 − 3
Wb/w‘2
2 4 図17平均気体体矛責率(管路断面の横長の場合) 2 0.2 4 0.6 0.4 -号 0.1 0.08 0.06 0.05 2 4 6 8 1 0 − 3 Wb/W‘ 図18平均気体体積率(管路断面の横長の場合) 10−4 〔BS〕1, 一r-戸 、 」② 〔F〕 β=0° 90. 50° 〔B〕 ○〆 ⑦ 111 ④岩
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一 一 一 "。=0.96m/s Inclination ○②①$①④● 8=0. 5 . 10. 30° 50. 70° 90。 / 111ノ〆さ
101で’鋪一一一一
− 8 = 0 ° 夕 ●● 卯印一一一
砂,。=1.45m/s ○②①④①④● lnclination β = 0 5 叩犯卵沌卯 ●●●●●●●10-‘ 33
”“00
0.8 ここに,Deは水力相当直径(=2BZ/(B+Z)), ソgは水の動粘性係数である。 スラグ流における管摩擦係数入は,上述の仮定によ り,水単相流における管摩擦係数地。に比較して気体 スラグの管路壁面に接する面積分だけ小さくなるとし ているので, 入=(S‘/S)肋。 (12) ここに,Sはスラグ長さLの接している管壁面積で, S = 2 L ( B + Z ) ( 1 3 ) 0.6 0.4 守0.2 0.1 0.08 0.06 0.05 42 4 6 8 1 0 − , W b / W ‘ 2
図19平均気体体積率(管路断面の横長の場合) 松村・井手・上薗・石川:長方形管内の気液二相スラグ流 8 1 『 角の増大にともなって減少し,管路傾斜角が50・から 60.で最小となる。さらに管路傾斜角がこの角度から 鉛直に近づくにつれて平均気体体積率は逆に増加し, 鉛直の場合は管路傾斜角が20.から30.の値と同じに なっている。同一質量流量比における水相当流速の影響は,水平管の場合にみられないが,傾斜管及び鉛直
管の場合には明らかに認められる。とくに管路傾斜角 が50・か勺ら60。でこの影響は顕著となっている。 0.04 ●﹄ベ 0.02 3 . 5 摩 擦 圧 力 損 失 図7に示した気体スラグの形状モデルを用いて,つ ぎの仮定によるスラグ流における摩擦圧力損失の算定 を試みた。 (1)空気相と管路壁面による摩擦抵抗は,水相と管 路壁面による摩擦抵抗に比較して著しく小さい。 (2)気体体積率は平均気体体積率とし,液体スラグ 中に含まれる小気ほうは無視できる。 (3)液体スラグ平均幅は近似的に管路幅と等しい。 (4)水相の管摩擦係数Agoは図20に示しているよ うにBlasiusの式(11)で表わされる。 肋。=0.316(’goDe/"g)−025 =0.316Rego−025 (11) 0.01 5 8 l 0 P Z 6 Ref・ 図20水単相流における管摩j察係数 101 〔F〕呉
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〔BS〕 、、 _no 。●● 0卯印 = 8///
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”。=1.94m/s ○②①④①e● Inclination 8=0. 5 。 10. 30。 50. 70° 90. ∼ ∼ 0 − ○−○ 泌oo− ∼ ∼)
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34 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 9 号 ( 1 9 8 7 ) S2は水相の接している管壁面積で, 管路断面の縦長の場合は, S , = S − L s ( Z + 2 B 昼 ) ( 1 4 ) 管路断面の横長の場合は, S ‘ = S − L s ( B + 2 Z s ) ( 1 5 ) とする。管路長さ△Lの区間における摩擦圧力損失△日を求
めると, 管路断面の縦長の場合は, K = l / T + 2 ( B s / B ) ( 1 8 ) 管路断面の横長の場合は, K=l+(2/T)(Zs/Z)(19)図21は式(17)により算出された計算値(△B/△L)cal
と本実験値(△B/△L)expの比較を行なっている。計
算値がいくらか大きくなっているのは,液体スラグ中 に小気ほうを含まないと仮定していることなど,実際 の流動現象と気体スラグの形状モデルによる解析との 差によるものであるが,単純なモデルとしては比較的 良好な一致をみている。 1luBL
△△
logUm2 (16) (17) 2ここに,U,"は平均流速(=tbo+吻・),Jo2は水の密度
である。 したがって, 4 . 結 自 長方形断面管路における空気一水二相流の傾斜管内 上向流について,管路断面の縦長及び横長の幾何学的 形状ならびに管路傾斜角が気体スラグ及び液体スラグ の挙動に及ぼす影響を実験的に解析した結果,つぎの ようなことがわかった。 (1)気体スラグ平均速度は,管路傾斜角に依存して おり,管路傾斜角がほぼ50。から70。付近で最も大きく なる。器
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700 ここに,Tは管路断面のアスペクト比B/Z,Kはつ ぎの関係式で与えられる。 100 知 Eへ園自画二・一8コdへ蛍。︶ 300 3 0 0 5 0 0 7 0 0 (△B/△L)exp,kg/my、 図21摩擦圧力損失の計算値と実験値の比較 』 ① ‐松村・井手・上薗・石川:長方形管内の気液二相スラグ流 35 (2)スラグ平均長さにたいする気体スラグ平均長さ の比は,同一質量流量比において管路断面の縦長及び 横長ともに管路傾斜角の影響を受け,管路傾斜角が 50°から70。付近で最も小さくなる。 (3)液体スラグ平均長さは,空気相当流速及び水相 当流速にあまり依存せず,ほぼ一定の値となる。 (4)気体スラグ平均幅は,管路断面の縦長及び横長 の管路において液体レイノルズ数の影響がみられ,同 一質量流量比において液体レイノルズ数が増加すると 小さくなる。また,管路断面の横長の場合は管路傾斜 角に依存しており,鉛直管上向流における気体スラグ 平均幅が最も小さい。 (5)気体スラグ平均厚さは,管路断面の縦長及び横 長のいずれにおいても,管路傾斜角が大きい時には管 路短辺長さにほぼ等しい値となる。 (6)スラグ流の摩擦圧力損失について,スラグ流モ デルからの計算値と実験値とを比較した結果は良好な 一致をみた。 文 献 1)赤川浩爾,気水混合物の流動(第2報),(第3報), 日本機械学会論文集,23巻,128号,pp285-298 (1957) 2)E、EZukoski,Influenceofviscosity,surfaceten‐ sion,andinclinationangleonmotionoflongbub-blesinclosedtubes,J・FluidMech.,Vol、25, Part4,pp821-837(1966) 3)GSinghandP、Griffith,Determinationofthe PressureDropOptimumPipeSizeforaTwo− PhaseSlugFlowinanlnclinedPipe,Trans, ASME,J・Engineeringforlndustry,pp,717-726 (1970) 4)R・HBonnecaze,W・ErskineJr・andE.J・Gres‐ kovich,HoldupandPressureDropforTwo-PhaseSlugFlowinlnclinedPipelines,AIChE J.,Vol、17,No.5,pp,llO9-lll3(1971) 5)林太郎,長方形流路内の気流二相流の流動と圧 力損失,流体工学,Vol,10,No.4,pp,28-33(1974) 6)EJ、GreskovichandW.T・Cooper,Correlation andPredictionofGas-LiquidHoldupsinlnclined Upflows,AIChE.J、,Vol,21,No.6,pp・’189-1192 (1975) 7)DJ、Nicklin,J、O・WilkesandJ・F・Davidson, Two-PhaseFlowinVerticalTubes,Trans・Inst・ Chem、Engrs.,Vol、40,No,1,pp,61-68(1962) 8)勝原哲治,安田嘉明,垂直長方形管内の気液二相 流の流動に関する実験的研究,九工大研究報告, No.32,ppll-l9(1976) 9)赤川浩爾,坂口忠司,気液二相流のボイド率変動 特性に関する研究(第2報,小気ほうを考慮した 流動状況の解明),日本機械学会論文集,Vol、31, No.224,pp,594-600(1965)