日本赤十字九州国際看護大学学術情報リポジトリ
タイトル
看護学実習前演習への模擬患者(simulated patient: SP)導入による学
生の学びの実際 : 学生の体験・気づきから生じた変化に着目して
著 者
小手川良江, 阿部オリエ, 本田多美枝, 柳井圭子, 宇都宮真由子,
中平紗貴子, 田中千晴, 金丸多恵
掲載誌
日本赤十字九州国際看護大学紀要,12 : pp 47-56.発行年
2013.11.29
版
publisher
U R L
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日本赤十字九州国際看護大学. 2014.日本赤十字九州国際看護大学紀要 第12号 (2013年 11月)
看護学実習前演習-の模擬患者
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導入による学生の学びの実際
一 学 生 の 体 験 ・気 づ き か ら生 じた 変 化 に 着 目 して -小手川 良江1) 阿部 オ リエ1) 本田 多美枝 1) 柳井 圭子 1) 宇都宮 真由子1) 中平 紗貴子1) 田中 千晴1) 金丸 多恵 1)報告
本研究の目的は、実習前演習に地域住民がSPとして参加することによって学生がどのような学びを得ているのかを明らかにするこ とである。看護過程の展開実習前演習に参加した学生125名を対象に自記式質問紙調査を実施した。演習に参加した125名のうち、 研究協力に同意が得られた106名の回答を分析対象とし (回収率は84.8%、有効回答率は100%)、質問紙の自由記述について質的内 容分析を行った。その結果、SPが演習に参加することによる学生の体験として 【臨床に近い体験】【模擬患者からの反応をつきつけら れる体験】【思い通 りにならない体験】の3つのカテゴリーと7つのサブカテゴリーが抽出され、体験による学生の気づきとして、【実 体験からの発見】【模擬患者の反応による気持ちの変化】【自己の課題の発掘】の3つのカテゴリーと12のサブカテゴリーが抽出され た。また、SPが演習に参加することによる学生の変化としては、【視野の広がり】【学習意欲の向上】の2つのカテゴリーと5つのサ ブカテゴリーが抽出された。 以上より、学生はSPが演習に参加することによって看護のリアリティを疑似体験し、その体験によって学生は薗情を揺さぶられ、 多くの気づき-とつながっていた。また、これらの体験や気づきから学生には様々な変化が起こることが明らかとなった。今後は本 研究を基に演習の方法と学生の学びの関連について学生にインタビューを行い、SP参加型教育が学生の学びにどのような影響を与え ているのかを明らかにし、本学におけるSP参加型教育の指針を明確化することが課題である。 キーワー ド:模擬患者(
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、 地域住民、 実習前演習、 看護学生 Ⅰ は じめに 近年 、看護基礎教育 にお ける看護 実践能力 の育成 が 求 め られ てお り、様 々な取組 みが行 われてい る。取組 みの一つ として 「模擬患者」 (simulated Patient、 以下 SPとす る)参加型 の教育方法 が取 り入れ られ てい る。本 田 らは、SPの導入 は、再現可能 かつ リア リテ ィ に近い学習状況 を創 り出すため、患者 に関わ る以前の、 段 階的かつ実践的学習 を促す教育方法 として期待 され てい る 1)と述べてい る。 しか し、同時 に、SP参加型教 育 には、課題 が多い ことも指摘 され てい る。 その課題 とは、SP導入 自体、看護基礎教育 においては歴史が浅 い こと、本来、SPとは 「訓練 を受 けた健康人」 と定義 されてい るが、看護基礎教育 にお ける SP導入 は、必ず しも訓練 を受 けた一般市民が SPを担 ってい る状況 に 1)日本赤十字九州国際看護大学 はない こと2)、spである教育ボ ランテ ィア と全 ての学 生が十分 な時間関わ ることができない こと3)な どが挙 げ られ てい る。 しか し、学生 は学 内にいなが ら臨場感 をもって学習 に取 り組 む ことができ、人間関係 の形成 や対象 にあった看護 について考 えることがで きる4)と の報告 もあ り、SP参加型 の教育 には課題 もあるが、学 生 に とって学生 同士の演習 とは違 う学びがで きてい る と考 え られ た。 本学 において も、本格的な実習 の前段階 として、2 年次前期 に看護過程 の展 開実習前演習 を実施 してい る。 看護過程 の展 開実習 は、学生が病院で対象者 を初 めて 受 け持 ち、看護過程 を展開す る とい う実習 である。 こ の実習前 に SPを導入 した演習 をH20年 か ら実施 してい る。SPは、地域 の コ ミュニテ ィを通 して集 まっていた だいた地域住民の方 々であ り、状況 を設定 しSPを演 じ -47-小手川他 :看護学実習前演習-の模擬患者(simulatedpatient:SP) 導入 による学生の学びの実際 て も ら う。SPを導入す ることで地域住民 ・学生それぞ れ に効果 があるのではない か と感 じ、SPと学生双方 に どの よ うな教育的効果 があるのか解 明す ることを 目的 にH23年 よ り研究 に取 り組 んでい る。 H24年 には、看護 学実習前演習 に地域住 民が模擬 患 者 として参加す ることの意義 を明 らかに した 5)が、本 研究 では これ を踏 まえ、看護過程 の展 開実習前演習 に 参加 した学生 を対象 とし、実習前演習 に地域住民がSP として参加す るこ とに よって、学生が どの よ うな学び を得 てい るのか を明 らかにす ることを 目的 とした。
Ⅱ
用語の定義 模擬 患者 (sp):地域 の コ ミュニテ ィを通 して集 まっ ていただいた50-70歳代 の健康 な地域住民。事前 に患 者 の状況 と実際の援助 に対 しての率直な反応 を返 して も ら うよ うに説 明を受 けた人。 Ⅲ 研究方法 1.研究デザイ ン 実習前演習 に地域住 民がspとして参加す ることに よって学生が どの よ うな学び を得てい るのかを明 らか にす るこ とを 目的に質的記述 的研 究 を行 った。模擬 患 者 を導入 した看護 実践やデ ィスカ ッシ ョンについて無 記名 自記式質 問紙調査 を行 い、 自由記述 について質的 内容分析 を行 った。 2.看護過程の展 開実習前演習の方法 看護過程 の展 開実習前演習 は、対象者 のニーズ を捉 え状況 に応 じた看護 を実践 し評価す るこ とと、 自己の 課題 を明確 にす ることを 目的 としてい る。本演習 では 「看護過程」 (2年前期)の授業で学生が看護過程 を展 開 した 「左大腿骨頭部骨折、介達牽引中である70歳代 の女性」の事例 を使 い、看護過程 の 「第一段 階 :アセ ス メン ト」か ら 「第五段 階 :評価 」 までの一連 を実習 前 に学生 が経験 で きるこ とを狙 った。看護過程 の 「第 四段階 :実施」についてはSPを導入 し、臨床 に近い状 況 で看護 実践がで きるよ うに計画 した (表 1)0 今 回の演習 では事例 に 「汗 をかいて気持 ちが悪 い」 とい う場面 を提示 し、「看護援助 について立案 した援助 計画 を基 に、看護 実践場面の ロール プ レイ を行 う」 こ とを学生 の課題 とした。 その ロール プ レイ の場面 に患 者役 としてSPを導入 し、学生 はSPに対 して背部清拭 と寝衣交換 を実施 した。SPには、患者 の状況 と想 定 さ れ る援助 内容 に加 え実習前 の演習 であるこ とを説 明 し、 セ リフが決 まってい るのではな く、学生 の援助 に対 し て感 じたままの率直 な反応 を 自由に返 して も ら うよ う に伝 えた。 また、 ロール プ レイ後 に援助 を受 けて どの よ うに感 じたのか等 の フィー ドバ ックを依頼 した。 表1 SPを導入 した実習前演習 の概要 時間 内容 10分 ガイダ ンス 5分 援 助 の 目的 .内容 .< 1回 目 > 根 拠 に ついて説 明 25分 模 擬 患 者 へ の看 護 実践 25分 ディスカッション 模 擬 患者 か らのフィー ド バック 10分 休憩 5分 援 助 の 目的 .内容 .<2回 目 > 根 拠 について説 明 25分 模 擬 患者 へ の 看 護 実践 25分 ディスカッ ション 模 擬 患者 か らのフィー ドバック 30分 演 習 の 目的 . 目標 に対する振 り返 り 質疑 応 答 (担 当教 員) 技 術 練 習等 3.対象 者 A看護 大学 の看護過程 の展 開実習前演習 に参加 した 学生 125名 に対 して、研究 の 目的や方法な どを 口頭 と 書面で説 明を行 い、研 究 に同意 した106名 を 対象 とし た。4.1)調査デー タ収集方法 時期 平 成23年 7月 29日、演習終了後 に実施 した。 2)方 法 調査 は無記名 自記式質 問紙調査 とし、模擬 患者 を 導 入 した看護 実践やデ ィスカ ッシ ョンについて焦点 を し ぼって調査 を行 った。模擬患者 を導入 した演習 につ い て印象 に残 った体験 、模擬 患者 を導入 した演習 での 体 験 か ら感 じ考 えた事 、学び を どの よ うに活用す るか 等 の項 目について 自由に記述 して も らった。演習終了 後 に、研 究 の主 旨を説 明 し質 問紙 の提 出をもって同意 と した。 5.デー タ分析方 法 自由記述欄 の模擬 患者 を導入 した演習 について印 象 に残 った体験 、模擬 患者 を導入 した演習 での体験 か ら 感 じた日本赤十字九州 国際看護 大学紀要 第12号 (2013年11月) いて記載 している箇所を文脈を損なわないように留意 してデータとして取 り出し、研究者間で質的内容分析 を行った。取 り出したデータは意味内容の類似性 ・相 違性に着 目して、コー ド化、サブカテゴリー化、カテ ゴリー化を行った。その後、カテゴリー間の関連性に ついて分析を行った。分析にあたっては、研究者間で 繰 り返 し検討を行い、結果の信頼性 ・妥当性を確保で きるようにした。 6.倫理的配慮 口頭 と文書にて研究の主旨と本研究が成績 とは無関 係であることを説明 した。個人が特定 されないように 質問紙は無記名 とし、質問紙の提出にて同意 とした。 教員が学生に行 う研究であ り、強制力が働かないよう に質問紙配布後は教室から退室 し回収箱-の提出とし、 学生の自由意思を尊重 した。また、本研究に参加 しな い場合 も何 ら不利益は受けないことの説明を行った。 研究についての質問や異議についての申し出はいつで も受け付けることを説明し、説明文に連絡先を明記 し、 第三者機関である本学研究倫理審査委員会に異議 申し 立てができることも記載 した。本研究は 日本赤十字九 州国際看護大学の研究倫理審査会の承認 (承認番号 1ト11)を得て行った。
Ⅳ
結果 1.対象者背景 演習に参加 した125名の うち、研究協力に同意が得 られた 106名の回答を分析対象 とした。質問紙の回収 率は 84.8%、有効回答率は 100%であった。 2.結果 1)SPが演習に参加することによる学生の体験 実習前演習に SPが参加することによる学生の体験 として 【臨床に近い体験】【模擬患者からの反応をつき つけられる体験】【思い通 りにならない体験】の3つの カテゴリー と 7つのサブカテゴリーが抽出された (表 2)0 以下、生成 されたカテゴリーを 【】、サブカテゴリ ーを<>、データを 「」で示す。 【臨床に近い体験】では、<臨場感のある体験 > <イメージとのギャップ><いつもと違 う緊張感 >を 体験 していた。 <臨場感のある体験>では、「浴衣の下が裸だった。」 「相手が女性だったのでプライバシーに配慮すること 表 2 SPが演習に参加することによる学生の体験 カテゴリー サブカテゴリー 臨床に近い体験 臨場感のある体験イメージとのギ ャップ いつもと違 う緊張感 模擬患者からの反応をつきつけられる体験 模擬患者からのリアルなフ ィードバック 思い通 りにならない体験 援助の難 しさを実感計画通 りにいかない体験 援助での失敗体験 を実際に体験できた」「バス タオル 1枚で身体を覆える と思って練習 したが、実際 にやってみるとバスタオル 1枚では足 りずあわててバ スタオル2枚 と小 さいタオ ルを追加 した 」などのデータがあった。 <イメージとのギャップ
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では 「学生 とは違 う皮膚 の感触や体型」「学生の皮膚 とは違いハ リがなかった」 などのデータがあ り、高齢者 の実際の肌を見たことで、 今までイメージしていた肌や体型 とのギャップを 感 じ る体験をしていた。<いつもと違 う緊張感 >では、 「やっぱ り緊張するし、 (普段の)演習 とは違 うと思っ た」「学生同士 とは違 う 緊張感があった」「初めて他 人に対 して本格的な看護だ ったので緊張 した」とい う緊張感を表 現 したデータが あった。【模擬患者からの反応をつ きつけられる体験】では、 <模擬患者からの リアルなフィー ドバ ック>を体験 し ていた。<模擬患者か らの リアル なフィー ドバ ック>では、 「私たちの技術がどうであ ったか詳 しく述べてもらっ た」「熱いや冷たい、聞こえ ないなどの素直な反応や感 想をいただいた」「学生同士 では気づかない指摘をして くれた」など、実際に援助 を行った反応を模擬患者か ら直接聞くとい う、実施 し た援助に対 して模擬患者か ら生の声を返 してもら うとい う体験をしていた。 【思い通 りにならない体験 】では、<援助の難 しさ を実感 ><計画通 りにいかない体験><援助での失敗 体験>を体験 していた。<援助の難 しさを実感 >では 、「患者の気持ちを理解 することは難 しい」「人形だ と足が軽かったので固定の 難 しさを感 じなかったが、 模擬患者 さんのおかげで難 しさを感 じた」など、実際に体験することでの援助 の 難 しさを感 じていた。<計画通 りにいかない体験>では、「小手川他 :看護学実習前演習-の模擬患者(simulatedpatient:SP) 導入 による学生の学びの実際 よりも患者の体が大きくてや りづ らく、思い通 りの援 助ができなかった」「計画 していた時や想像 とは違 うこ とを言われた時にす ごく焦った」「自分が考えていたこ とと違 うことが起こると対応が難 しい」「練習通 りには いかないことを実感 した」など、練習や計画 していた ようにはできなかったとい う体験をしていた。 <援助での失敗体験>では、「自分のことで精一杯で 声かけができなかった」「寝衣の入れ込みが浅 く寝衣を 引っ張 り出す ことができなかった」など、援助が十分 にできなかったことが表現 されていた。 2)体験による学生の気づき 以上述べたような体験から、学生の気づきとして 【実 体験か らの発見】【模擬患者の反応による気持ちの変 化】【自己の課題の発掘】の 3つのカテゴリー と 12の サブカテゴリーが抽出された (表 3)。 表3 体験による学生の気づき カテゴリー サブカテゴリー 実体験からの発見 自分と模擬患者 の捉え方の違い への 気づき 模擬患者の反応へ の気づき 模擬患者の個 別性 の発見 臨床や患者のイメ ージの広が り 目指したい看 護師像 の具体化 看護師に必 要な能 力の具体化 模擬患者の反応による気持ちの変化 模擬患者の言葉による喜び模擬患者と の出会いによる心の動き 自己の課題の発掘 臨機応変な対応の重自己の技術不足の認識 要性 技術の改 善点の明確化 看護過程 の必要性 【実体験から の発見】では、<自分 と模擬患者の捉 え方の違い-の 気づき><模擬患者の反応-の気づき ><模擬患者の 個別性の発見><臨床や患者のイメー ジの広が り> <目指 したい看護師像の具体化 ><看護 師に必要な能力の具体化>とい う 6つのサブカテゴリ ーが抽出された。<自分 と模擬 患者の捉え方の違い-の気づき>では、 「差恥心に配 慮 したが、模擬患者 さんからは気にしな いから正確な援助 をしてほしいと言われた」「私たちに は苦痛ではな い事 も高齢の人には苦痛に感 じる事 もあ る」など、 自分 と模擬患者では捉え方 が違 う事に気づ いたデータであった。<模擬患者の反応-の気づき>では、「寝衣交換をす る際に、少 しきつ そ うにしていた」「患者 さんの表情が こまめに変化 して いる」「少 しつ らそ うに肩を動か して いた。患者 さ んに負担をかけていると感 じた」などの データであ り 、模擬患者 として対象の反応を観察 しな がら援 助 した事による気づきを表現 していた。 <模擬患者の個 別性の発見>では、「体型に合わせた 浴衣選びは今まで していなかったが必要だった」「人に よって感 じること は異なる」「人それぞれ感 じた り考え が違 うので、 患者一人ひ とりに対 して考えなが ら看護 を実践 しなけ ればならない」などのデータであった。 個別性につい ては必要性を学んでいても、実感するこ とはなかった が、今回の演習にて模擬患者-の援助を 行 うことで、個別性を実感 する体験ができていたよう であった。<臨床や患者の イメージの広が り>では、「本物の患 者 さんはもっと質 問があるのではないか」「自分が して いるだけでは 分か らない現場の雰囲気も分かった」な ど、演習を通 して臨床や患者について具体 的にイメー ジすることができていた。<目指 したい看 護師像の具体化>では、「患者 さんの 微妙な表情の 変化に先生は気づいていたので、自分も そ うな りたい」 「今後も患者 さんに喜んでもらえるよう な看護師を目 指 したいと思った」など、今回の体験か らどんな看護師にな りたいのかとい う将来像を考える ことができていた。<看護師に必要 な能力の具体化>では、「患者 さんの 動き、言動、 すべてを観察することが大事だとい うこ とと共に、看 護師間のコミュニケーションも大切だと い うことがわ かった」 と表現 してお り、看護師にどの ような能力が求められて いるのかを考える機会になっ ていた。【模擬患者の 反応による気持ちの変化】には、<模 擬患者の言葉 による喜び><模擬患者 との出会いによ る心の動き>とい う 2つのサブカテゴリーが抽出され た。<模擬患者の言 葉による喜び>は、「模擬患者 さんが 気持ちいいと言っ てくれて うれ しかった」「学生同士で 言われ るよ りも一般の人に言われ るほ うが勇気が出 た」等のデー タであった。学生は模擬患者からの直接 の反応を得ることができてお り、その反応から看 護の 喜びを感 じることができていた。<模擬患者 との 出会いによる心の動き>は、「応援 し てくれている気持 ちが伝わ り、頑張ろうと思った」「ま た、こんなふ うに言って
日本赤十字九州 国際看護 大学紀要 第12号 (2013年11月) のもいいかなと思いま した」など、模擬患者からの反 応か ら頑張 りたい とい う気持ちや看護師にな りたい等 のポジティブな気持ちの変化をもた らしていた。 【自己の課題の発掘】としては、<自己の技術不足 の認識 ><臨機応変な対応の重要性 ><技術の改善点 の明確化 ><看護過程の必要性 >の4つのサブカテゴ リーが抽出された。 <自己の技術不足の認識 >では、「一つ一つの技術が あいまいだった」「今回の演習を通 して、自分の技術が 不足 していることを実感 した」など、失敗体験か ら自 分の技術不足について振 り返 りを行っていた。 <臨機応変な対応の重要性 >では、「患者 さんの状態 はいつ どのように変化するか分か らないので臨機応変 に対応」「状況に応 じて臨機応変に対応 していきたい」 など、模擬患者による体験から臨機応変に対応するこ との重要性が表現 されていた。 <技術の改善点の明確化 >では、「説明を求められた ので、看護介入の根拠を十分に理解 してお く必要があ った」「知 らない人 とのコミュニケーションをとる時に 緊張 して しま うので改善 しようと思った」などの表現 があった。技術について単に技術を実施するだけでは なく、相手に説明 した りコミュニケーシ ョンを行 うこ とも技術の一部であるとい う認識ができてお り、その 改善点を見出す ことができていた。 <看護過程の必要性 >については、「患者 さんがどこ までできるのか判断が重要」「その時その時の患者 さん の様子をしっか りアセスメン トしなが ら行えたらいい なと思った」「本当に求めているケアは何なのかをよく 考えて実行 していきたい」などのデータであった。患 者に適 した看護を提供するためには患者にとって何が 必要なのかを明らかにすることが重要であ り、その手 段 としての看護過程の必要性に気づいていた。 3)spが演習に参加することによって生 じた学生の変 化 spが演習に参加することによって生 じた学生の変化 としては、【視野の広が り】【学習意欲の向上】の2つ のカテゴリー と5つのサブカテゴリーが抽出された (表4)0 【視野の広が り】では、<自己を捉える視点の広が り><自己を捉えなおす機会>の 2つのサブカテゴリ ーが抽出された。 <自己を捉える視点の広が り>は、「自分では気づ く ことができない事に気づいた」など、今までよりも自 己を捉える視点の広が りを実感 していた。 表 4 SPが演習に参加することによって生 じた学生 の変化 カテゴリー サブカテゴリー 視野 の広が り 自己を捉 える視 点の広 が り 自己を捉 えなお す機 会 学習意欲 の 向上 看護技術 に 対する意欲 演 習へ の意欲 実 習 にむけての意欲 <自己を捉えなおす機会>では、 「自分の特徴がわか った」「作業ばか りに集中してはい けない」等、自己や 自分の技術について振 り返る 機会になっていた。 【学習意欲の向上】では、<看 護技術に対する意欲 ><演習-の意欲 ><実習にむけ ての意欲 >の3つの サブカテゴ リーが抽出された。 <看護技術に対する意欲 >では、 「技術を習得 したい と思った」「しっか り練習 して安心 をあたえられるよう な援助ができるようにな りたい」「 答えられないことも あったので、もっと勉強 したい と 思った」など、技術 を練習 した り学習をした りするこ とで、看護技術を身 につけたいとい う意欲が増 して いる状況があった。 <演習-の意欲 >では、「上手 く いかないことも想定 した うえで余裕 を持って演習に取 り組んでいきたい」 「今後も模擬患者 さんが来 られる 場合には、とても集 中して真剣に取 り組んでいきたい」など、演習-の意 欲 も向上 していた。<実習にむけての意欲 >では、「 今後の実習で活かし ていきたい」「実際の臨地実習で、 緊張するかもしれな いが、模擬患者で事前の心の準備 ができたので実習に 活か したい」など、実習にむけての意欲 も向上 してい た。
Ⅴ
SP考察が看護学実習前演習に参加す ることによって学生 には 【臨床に近い体験】【模擬患者 からの反応をつきつ けられる体験】【思い通 りにならな い体験】が起 こり、 【実体験からの発見日模擬患者の 反応による気持ちの 変化】【自己の課題の発掘】とい う 学生の気づき- とつ ながっていた。また、これ らの体 験や気づきか ら学生 には 【視野の広が り】【学習意欲の 向上】とい う変化が 生 じていた (図 1)。 以下、SPが演習に参加すること による学生の体験、 spが演習に参加することによる学生の 気づき、SPが演 習に参加することによって生 じた学生の変化につ いて 考察小手川他 :看護学実習前演習-の模擬患者(simulatedpatient:SP) 導入 による学生の学びの実際 図 1 SPが演習参加す ることによる学生の学びの実際 1)SPが演習に参加することによる学生の体 験 実習前演習に地域住民が SPとして参加す るこ とに より、学生は 【臨床に近い体験】【模擬患者か ら の反応 をつきつけられる体験】【思い通 りにならな い体験】を していた。これ らの体験は、演習に SPを導入 したか ら こそ得 られた体験であると考えられた。最近 の学生の傾 向として、ライフスタイルの大きな 変化に よる生活体験の不足があげられている6)。その よ うな状 況の中で、看護技術の演習でお互いに肌を露 出す るこ とに対する抵抗感 も大きく、下着やTシャツ を着用 して 肌を露出させずに演習を行 う学生も多い。 しか し今回 の演習では、SPが寝衣の下にTシャツなど を着用 し ていなかったため、学生の驚きも大きかった と考えられ る 。こうした状況下では、プライバシー保 護についてよ り意識 して実施する必要があ り、「バスタ オル 1枚で身体を覆え ると思って練習 したが、実際に やってみるとバスタオ ル 1枚では足 りずあわててバス タオル2枚 と小 さいタ オルを追加 した」などの<臨場 感ある体験>ができた と 考えられた。年代の違 う対象 の肌を実際に清拭 したこと で、「学生の皮膚 とは違いハ リがなかった」など<イメ ージとのギャップ>を体験 した と考えられた。また、 世代の違 う初対面の相手に 対 して説明を行い、看護援 助 を実施するとい うことに より<いつもと違 う緊張感 >を感 じていた。 これ らの 学生同士の演習では得 られ ない体験は、SPを導入 し【臨 床に近い体験】をした ことで得 られたものであると考 えられる学生は。 今回の演習を通 して、「私たちの技術がどうで あっ たか詳 しく述べてもらった」「熱いや冷たい、聞こ えないなど素直な反応や感想 をいただいた」 と表現 し ているよ うに<模擬患者か らの リアルなフィー ドバ ッ ク>を受 けなが ら援助を実施できていた。普段の演習 では学生同士 で実施 しているため、お互いに反応 を伝 えることに蹟 跨 し何 も反応 を伝 えない とい う姿を見る。 また、普段の 演習では、習ったことを実施す ることで 精一杯になっ ていた と思われるが、SPを導入 した演習 で、S Pか ら直接反応を得てフィー ドバ ックを受けるこ とができ てお り、反応 を確かめなが ら援助 を実施する 体験をす ることができていた。藤崎は、SPが参加する ことの利 点を模擬患者か らのフィー ドバ ックが得 られ るとい うこと である7)と述べている。フィー ドバ ック を得 ること で、具体的にどこに問題があるかを考える ことができ るため、今回の演習でもSPか らのフィー ド バ ックによる学生
日本赤十字九州 国際看護 大学紀要 第12号 (2013年11月) 2)spが演習に参加することによる学生の気づき 今回の演習で学生は、【実体験からの発見】【模擬患 者の反応による気持ちの変化】【自己の課題の発掘】と い う気づきがもた らされた。 【実体験からの発見】では、【模擬患者からの反応を 突きつけられる体験】や 【臨床に近い体験】をしたこ とによって多 くの気づきを得ていた。学生は、【模擬患 者か らの反応を突きつけられる体験】で<模擬患者か らの リアルなフィー ドバ ック>を得ていたが、SPから 直接 フィー ドバ ックを受けることで 「差恥心に配慮 し たが、模擬患者 さんは気にしないから正確な援助をし てほしいと言われた」などの<自分 と模擬患者の捉え 方の違い>に気づ くことができていた。また、【臨床に 近い体験】により、模擬患者の表情や反応を観察 しな が ら援助することができてお り<模擬患者の反応-の 気づき>につながっていた。嶋根 らは、SPを導入 した 演習は患者を知 り患者の思いを受け止めなが ら援助を 実施するとい う基本に立ち戻る機会 となる8)と述べて いる。今回の演習でも、学生は模擬患者の表情や反応 を観察 しながら援助することができてお り、SPを導入 した演習は患者の反応を受け止めなが ら患者を理解 し 援助を実施するとい う機会 とな り、<模擬患者の反応 -の気づき>を促す と考えられた。その他にも 【臨床 に近い体験】での<イメージとのギャップ>や 【模擬 患者からの反応を突きつけられる体験】での<模擬患 者からの リアルなフィー ドバ ック>により、「体型に合 わせた浴衣選びは今まで していなかったが必要だっ た」「人によって感 じることは異なる」などの<模擬患 者の個別性の発見>につながったと考えられた。また、 【臨床に近い体験】をすることで、今までは分か らな かった実際の臨床や患者について考えるきっかけにな ってお り、<臨床や患者のイメージの広が り>にもつ ながっていた。更に、<目指 したい看護師像の具体化 >や<看護師に必要な能力の具体化 >についても考え る機会になっていた。以上より、【模擬患者からの反応 を突きつけられる体験】や 【臨床に近い体験】は、生 活体験の乏 しい学生に対 して、実際の臨床や患者 ・看 護師について具体的に考える機会にな り、【実体験から の発見】に基づ く多 くの気づきを得ることにつながっ ていた。 【模擬患者の反応による気持ちの変化】には、【模擬 患者からの反応を突きつけられる体験】の<模擬患者 か らの リアルなフィー ドバ ック>が大きく関係 してい ると考えられた。「模擬患者 さんが気持ちいいと言って くれて うれ しかった」「学生同士で言われるよりも一般 の人に言われるほ うが勇気が出た」 と学生が表現 して いるように、模擬患者からのフィー ドバ ックによって <模擬患者の言葉による喜び >を感 じていた。また、 「応援 してくれている気持ちが伝わ り、頑張ろ うと思 った」などの<模擬患者 との出会いによる心の動き> もあった。 【思い通 りにならない体験】か らは 【自己の課題の 発掘】につながっていた。<計画通 りにいかない体験 >や<援助での失敗体験>などか ら 「一つ一つの技術 があいまいだった」などの<自己の技術不足の認識 > ができてお り、自己の看護を振 り返 り、「状況に応 じて、 臨機応変に対応 していきたい」 とい う<臨機応変な対 応の重要性 >の認識につながっていた。また、技術に ついて振 り返ることで<技術の改善点の明確化 >にも つながっていた。 これ らのことか ら、多 くの失敗体験 は、単に失敗 したとい うことに留まらず、 自己の課題 や技術の改善点などの認識につながっていることが明 らかになった。また、失敗体験は、<臨機応変な対応 の重要性 >や<技術の改善点の明確化 >のためには、 「本当に求めているケアは何なのか、よく考えて実行 していきたい」などの<看護過程の必要性 >にもつな がっていた。本田らは SPの活用によって、学生は看護 の リア リティを疑似体験 し、SPの創 り出す現実に否応 なく巻き込まれ、感情を揺 さぶ られる体験をする9)と 述べている。学生は リア リティを疑似体験することで、 【臨床に近い体験】【模擬患者からの反応をつきつけら れる体験】【思い通 りにならない体験】をし、これ らの 体験が学生の感情を揺 さぶ り、その結果、【実体験から の発見】【模擬患者の反応による気持ちの変化】【自己 の課題の発掘】といった、多 くの気づきをもた らして いると考えられた。 3)spが演習に参加することによって生 じた学生の変 化 上記のような体験や気づきによって、学生には 【視 野の広が り日 学習意欲の向上】といった変化が見 られ た。 【視野の広が り】では、【模擬患者からの反応を突き つけられる体験】での<模擬患者か らの リアルなフィ ー ドバ ック>を受けることで 「自分では気づ くことが できない事に気づ く」ことができてお り、演習前より も自己の課題や改善点が具体的に見えてお り<自己を 捉える視点の広が り>を実感 していた。城戸 らは、SP とい う限 りなく患者に近い存在を相手に複数の看護活 ー53
-小手川他 :看護学実習前演習-の模擬患者(simulatedpatient:SP) 導入 による学生の学びの実際 動を展開 した経験か ら、より多角的に患者を捉え、計 画も具体的に考えることができるようになった10)と述 べている。今回、SPを演習に導入することで学生同士 では再現できない 【模擬患者からの反応を突きつけら れる体験】ができてお り、この事が、学生の視野を広 げることにつながったと考えられた。また、肥後 らは、 SPからのフィー ドバ ックは直接、自分の励みや気づき になる11)と述べている。今回の演習でも、<模擬患者 か らの リアルなフィー ドバ ック>により自分だけでは 気づけない多 くのことに気づ くことができていた。ま た、SP を導入 したことでの体験や気づきか ら、「自分 の特徴がわかった」などの<自己を捉えなおす機会> にもなっていた。 今回の演習では、多 くの学生が<計画通 りにいかな い体験>や<援助での失敗体験 >などをしていた。ま た、失敗だけでなく<模擬患者か らの リアルなフィー ドバ ック>から<模擬患者の言葉による喜び>を得て いた。その結果、失敗 したとい う体験で落ち込む とい う事だけではなく、喜びを感 じてお り、次はもっと上 手にな りたい とい う今後-の意欲につながったと考え られた。SPを導入 した演習を行 うことによって 【自己 の課題の発掘】にも気づけてお り、その結果、<看護 技術に対する意欲 ><演習-の意欲 >などにつながっ ていた。 このことか ら 【思い通 りにならない体験】を するからこそ 【自己の課題の発掘】につなが り、【学習 意欲の向上】につながっていると考えられた。また、 SPを導入 した演習を行 うことで、<臨床や患者のイメ ージの広が り>ができたため、実習についても考える 機会 となっていた
。
【思い通 りにならない体験】は、「今 度の実習で活か していきたい」「今回の学びを、今後の 実習につなげ、より良い看護ケアを目指 していきたい と思 う」など、今回の学びを実習で活か していきたい とい う思いを引き出していた。その結果、<実習にむ けての意欲 >につながったと考えられる。 Ⅵ 研究の限界と今後の課題 本研究は、SPが実習前演習に参加することによる学 生の学びの実際を明 らかにすることを目的 とした研究 である。今回の研究では、無記名 自記式質問紙調査の 自由記述に対する質的内容分析であ り、学生の学びの 概要を明らかにすることはできたが、個々の学びの詳 細については明らかになっていない。今後は本研究を 基に演習の方法 と学生の学びの関連について学生に対 してインタビューを行い、SP参加型教育が学生の学び にどのような影響を与えているのかを明らかにしてい く必要がある。また、演習の方法 と学びの関連につい て更に分析を進め、本学におけるSP参加型教育の指針 を明確化することが今後の課題である。 Ⅶ 結論 本研究では、SPが演習参加することにより以下のよ うな学びの実態があることが明らかになった。 1)spが演習に参加することによって学生は 【臨床に 近い体験】 【模擬患者からの反応をつきつけられる体 験】 【思い通 りにならない体験】をしていた。 2)学生は SPが演習に参加することによって 【実体験 からの発見】 【模擬患者の反応による気持ちの変化】 【自己の課題の発掘】といった気づきを得ていた。 3)これ らの体験や気づきか ら学生には 【視野の広が り】 【学習意欲の向上】といった変化が生 じることが 明らかとなった。 Ⅷ 謝辞 ご多忙の折、快 く研究にご協力いただいた、SPの皆 様や学生に感謝申し上げる。 なお、本研究は平成23年度 日本赤十字九州国際看護 大学奨励研究費助成を受け実施 した。 2013.8.7 2013.ll.20 文献 1)本田多美枝、上村朋子 :看護基礎教育における模擬 患者参加型教育方法の実態に関す る文献的考察 -教育の特徴および効果、課題に着 目して ∴ 日本赤 十字九州国際看護大学IntramuralResearchReport、 7:67-77、2009. 2)前掲 1) 3)江川幸二、グレッグ美鈴、沼本教子、二宮啓子、岩 本里織、登喜和江、吉田こずえ :看護大学における 地域住民ボランティアを導入 した授業の評価 一学 生の感想 ・意見か ら -.神戸市看護大学紀要、15: 57-66、2011. 4)加悦美恵、飯野矢佳代、河合千恵子 :基礎看護学に おける SP参加型の授業 と臨地実習の連繋一学生の 臨地実習の体験のふ りかえりから∴ 日本看護科学 会誌、26(2):67-75、2006. 5)阿部オ リエ、小手川良江、本 田多美枝、吉村恵、堀 ー54-日本赤十字九州 国際看護 大学紀要 第12号 (2013年11月) 井聡子、柳井圭子 :看護学実習前演習 に地域住民が 模擬患者
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として参加す る ことの意義 に関す る研究.日本赤十字九州 国際看護 大学紀要、ll:49-58、2012. 6)軸丸勇士、伊藤安浩、大森美枝子、田代恵、照 山勝 哉、洲崎洋昭、藤谷将誉 :児童生徒や学生の生活体 験不足 と今後の実践的課題 体験の調査 を通 して. 生活体験学習研究、6:29-42、2006. 7)藤崎和彦 :アメ リカの医療教育にお ける模擬患者 の 導入 の現状 とその理論.看護展望、18(8):892-896、 1993. 8)嶋根久美子、纏額 美保子、榎本 康世、瀧泉、牧 田 ま り子、渡辺陽子 :看護教育にお ける学内技術演習 の検討一模擬患者-の基礎看護技術演習の効果-.冒 本看護学会論文集 看護教育、36:12-14、2005. 9)前掲1) 10)城戸滋里、猪又克子、本戸史子、岡崎寿美子 :看護 基礎技術演習- の模擬 患者(
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導入 に関す る学生 の評価 .北里看護学誌、8(1):38-47、2006. ll)肥後すみ子、奥 山真 由美、太湯好子 :S
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導入 によ るコ ミュニケー シ ョン演習 に基づ く学習効果 と教 育技法 の評価 .岡 山県立大学保健福祉 学部紀要 、 12:33-43、2005. ー5 5-Bull of The JRCKICN No. 12 November, 2013
Report
Nursing students learning outcomes after the introduction of simulated patients (SP)
in preparation for clinical practicum: Focusing on nursing students perceived
experiences
Yoshie KOTEGAWA, RN, MNl)
OrieABE, ORN, MSEd
1)Tamie HONDA, RN,
n.n»
Keiko YANAI, RN, PhDl)
Mayuko UTSUNOMIYA, RNl)
Sakiko NAKAHIRA, RNl)
Chiharu TANAKA, RNl) Tae KANAMARU, RNl)
The present study aimed at clarifying the learning outcomes of nursing students who
experienced interaction with community residents acting as simulated patients (SP) during
pre-clinical laboratory practicum.
Self-administered questionnaires were distributed to 106 out of 125 students enrolled in the
nursing process laboratory practicum, who consented to participate in the study (response rate:
84%, valid response rate: 100%). We conducted qualitative content analysis of responses provided to
open-ended questions.
Three general themes were identified from the results: 1) 'students experiences of SP
participation in laboratory practice', which included 4 categories: "experiencing closeness to clinical
settings", "experiencing simulated patient's responses", and "experiencing that things don't go just
as we expect" and 7 subcategories, 2) 'students' perceptions of self' was extracted from 3 categories:
"experience led discoveries", "emotional changes due to SP patients reactions", "realizing one's
learning tasks/difficulties" and 12 subcategories; 3) 'changes experienced by the students', was
extracted from 2 categories: ''broadening one's perspective" and "increasing one's motivation to
learn" and 5 subcategories.
Based on the present study, we plan to conduct further research with a larger sample size to
improve reliability and appropriateness. We expect these results to contribute to the draw up of
guidelines for SP participation-based education in our institution.
Key words: simulated patient, community resident, pre-clinical practicum, nursing student
1)