• 検索結果がありません。

経営目的監査としての内部監査について : 監査機能の発展過程を通じて

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "経営目的監査としての内部監査について : 監査機能の発展過程を通じて"

Copied!
18
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

経営目的監査としての内部監査について

      レ監査機能の発展過程を通じて一

可 児 島 俊 雄

一 内部監査の問題提起  我が国においては昭和二年三月に﹁計理士法﹂が制定されて、いわゆる﹁計理士会計学﹂の第一歩が築かれて以来既に 三十年余り、この間一つには経済社会の著しい進展と、他面には企業経営の異常なる発展とを背景として、企業経営の会計 制度には極めて顕著なる進歩発展がもたらされて来たことは周知の通りである。特に昭和ご三年七月に﹁公認会計士法﹂ が公布されて以来のこの十年間は、誠に比類なぎ発展の時代といわねぱならない。すなわち公認会計士法に続いて、翌昭 和ご四年には﹁企業会計原則﹂が公表されて我が国企業会計の発展の基軸がすえつけられ、更に二五年にはこれに基づい て﹁監査基準﹂が発表されて、先の会計原則の企業への適用における応用篇ともいうべき実際的会計手続規範が成立し    た。かくしてこれら一連の企業会計制度の発展を基盤として、昭和ご六年に﹁公認会計士監査﹂すなわち法定監査、強制 監査が施行される運びと成ったのである。  このようにして近年我が国の企業会計制度の一連の発展は、先ず第一に会計士会計の展開すなわち新しい意味における           ﹁会計監査﹂の問題に注目することに成り、監査に関する理論的研究は勿論のこと、その実際的実務的研究も極めて著し      経営目的監査としての内部監査について       一一=

(2)

     経営目的監査としての内部監査について      三二 い動向を呈している次第であるg特に第二次大戦後の英米会計思考の導入により、会計監査の斯く最近の発展形態として の公認会計士監査は、一般的に監査論のみならず、会計学の全般領域に亘って重要な問題を幾多投げかけて来ているので ある。けだしこれは少くとも今日では、監査の問題が企業経営の計算制度、会計制度との、密接なる関連なくしては、その         本質的理解は不可能といわなければならないからである。企業会計制度から遊離した監査の問題、その研究は単に事務的 技術的検査処理機構の問題と化して了うであろう。  他面に、近年我が国における会計制度の第この特徴には、経営合理化思考に基づく管理統制機能の重要性が指摘され る。本静的に企業経営には、経営諸活動が記録され計算され、そして観察されていなければならず、更にそれに基づいて        管理統制。計画指導される機構なり制度なりが必要であることは既に明確なるところである。特に本来的企業会計制度は 恐慌・不況の後とか或いは戦時経済の後に来るいわゆる﹁企業の合理化時代﹂には、意識的に極めて重要視されて来たも のである。我が国における第二次大戦後は、特にこの企業会計制度においては、経営学一般における経営管理の問題の重 要性と相関連して、会計制度のもつ管理統制機能が、更には計画指導の機能が極めて重要な問題と成って拾頭して来たの である。これは一連の﹁管理会計﹂の問題、その発展の中によく認識することが出来るのである。  かくて公認会計士監査による会計学への問題提起のうち最も重要なるものが、正に﹁財務会計﹂の悶題領域であるのに 対して、経営計算、会計制度のもつ管理統制機能の問題は、経営内部的、目的的、本来的な問題領域としての﹁経営内部         計算﹂或いは﹁管理会計﹂として重要視され、その展開と成って来ているのである。  以上の如く、近年我が国の企業会計制度に関する重要な問題のうちには、一つは会計監査の問題傾向、他の一つは管理 会計の問題傾向を指摘することが出来る。これは必ずしも我が国においてのみ言い得ることではなく、時代的発展的には 相違があっても、これら問題傾向の展開過程においては、アメリカ並びにドイツについても共通に理解されるところであ

(3)

る。これら二つの問題煩向の考察に当っては、その境界線にも相当するところに多くの重要な問題が提起されて来るが、        ⑥ その中の一つにいわゆる﹁内部監査﹂の問題提起を理解しなければならない。  内部監査は、いわゆる外部監査、その典型としての公認会計士監査の企業における受入体制の整備とかいう名目で、公 認会計士監査の下請に過ぎないものだと初期的には言われることがあるが、果して内部監査の問題は単に監査の問題領域 のみで解決されるべきものであろうか。特に今日その機能的には、監査類型というよりもむしろ、管理会計的類型におい てその意義をもつ内部監査にしてみれば、必ずしも十分に分析されているとは言えない。このような思考から本小稿では、 監査の目的による監査機能の発展過程に関する理解を通じて、 展開過程について、若干考察しようとするものである。 一般的に監査論或いは監査会計論の中に占める内部監査の ① 昭和二四年六月、経済安定本部企業会計基準審議会から、中間報告として、我が国では最初の﹁企業会計原則﹂が公にされ、それ  に基づく﹁財務諸表準則﹂も定められた。昭和二九年七月には、大蔵省企業会計審議会によって先の部分修正として三間報告が公表  されている。また昭和二五年八月には前者基準審議会から、中間報告として、﹁監査基準﹂が公表された。曜和三▲年一二月には、  後者審議会によって先の一部改訂として申間報告が公表されている。 ②一般にアメリカ監査の展開はイギリス監査思想によって多分に影響を受けているが、我が国の監査制度も、正しくそれぞれの時代  における諸外国の監査制度の模倣によって形成されて来た。先ず明治九年の国立銀行条例による検査役の誕生の頃までは、早く中世  紀頃以来の自然発生的或いは時代的要請によるそれぞれの検査、取締機構が存在していた。明治二三年︵更に三二年︶のドイツ的商  法制定によって、我が国にも英独に似て監査役監査制度が法制化された。かくして明治の監査役時代を経て大正時代は、正に会計士  制度論議期であり、昭和に入って計理士法制定によりその初期は計理士制度生成期と特色づけられる。昭和十年代の戦時経済におい  ては軍部官僚による経理の管理統制・監査検査の時代として、当時の会計監査のみならず企業会計制度全般に亘る統制時代である。  かくして監査機能の展開は、第二次大戦後にわいて著しくその進展を見ることが出来る。 ③最近における﹁監査会計論﹂の問題提起によっても、これらの事情を+分に理解することが出来る。例えば青木倫太郎教授によれ  ば、第二次.大戦後の我が国の会計事情、特に監査事情の変遷について、これを三つの会計革命のうちの一つ、つまり監査革命として  特質づけられる。この思考から監査会計論が詳説されている。 ︵同稿、監査会計総論、商学論究、創立六五周年記念号、関西学院大 経営目的監査としての内部監査について 三三

(4)

    経営目的監査としての内部監査について       三四  学商学研究会編、三三七一三六二頁。︶   − ④この点は例えば土岐政蔵教授によって、経営計算制度の職分として既に明確に考察されている。︵同系、﹁損益計算﹂一−一一頁。  同著、 ﹁経営計算論﹂三−一四頁。︶ ⑤一般に財務会計と管理会計の対比的考察、或いは管理会計の考察の第一歩として、既に多く研究成果が見られるところである。 ⑥内部監査の,用語について本小稿では、企業経営内における内部監査部門による監査を意味する。すなわち監査論を大別して外部監  査と内部監査に類型した場合、後者の典型的形態としての経営内部監査部門監査を指すのである。

二検視目的の監査

 会計記録の存するところ監査ありとしてその史実は古いが、少くとも監査の実質、つまり会計責任の変化発達に着目す        べぎは、中世紀のイタリー及びイギリスであろう。ここではリトルトン︵﹀・○。︼U二二①叶O昌︶の所説を中心にして、イギリス の監査事情から概観する。         簿記における帳簿記録の突き合せや試算表検証機構など、つまり今日の内部牽制組織における簿記の自動的検証機構を        経て、監査機能の発展類型の第一には実質的に一四−一六世紀頃が指摘される。当時の監査目的は、管理的責任よりもむ         しろ財務的責任︵穿。巴諺や8珍葭島Φω箋冨コ訂昌日き餌αq9巴︶に関してその誠実性を調べることであり、検視目的の監査と して指摘されるものである。また監査形態には、ω官庁会計の監査、②荘園会計の監査、が見られる。すなわち前者では、 政府官吏のなした財務活動の結果を市民の代表者が公開的に聴取するものであり、また後者では、荘園における家族的吏 員の財務上の責任を明らかにするための検査である。したがって前者では監査の客体は政府官吏の出納行為が主であり、 後者では荘園の役員たる総牧入役の牧入支出勘定がそれであった。また監査主体は、前者では監査の役目を有した別の吏         員や市民或いは利害関係者グループであり、後者では荘園の三吏員の一人たる監査人であった。更に監査方法としては、 ●

(5)

前者では勘定記録を聴取するという極めて単純な方法によっていたが、後者では、前者よりも詳細に牧支勘定を検査し集 計表を作り、更に単純ながら意見の表明を添えて荘園領主に提出する段階にまで至っていた。しかし全般的には当時の監 査は、会計責任者の為した勘定記録に対して験算検査︵①×彗巨ロαq㊤巳8ω含αq︶すること、つまり会計担当者の責任の照査         ︵。冨鐸弓。昌p88三pぽ一週目 ということ以上には出なかったものといわねばならない。換言すれば、当時の監査は公会計         的監査︵薯σ葎鴛8琴けヨσqき導け︶として特色づけることが出来るのである。また当時の監査事情については、パチオリ︵男.        ピ.℃卑9。ざ︶の簿記書にも若干は述べられている。   、  監査発展の第一類型に続く一七、八世紀頃は、企業の出現により受託責務の計算に代って財産計算、損益計算の会計問 題が登場して来た。監査はもはや会計責任者の責任履行を耳で検査すること︵p&富昌胃。8ω。。鼠警①。匠コαq︶ではなく、い         まや目によって記録を吟味追.究する手続と成り、書類上の証拠によって記録を検査証明する手段に変って来た。かような 事情は単なる一時的の監査人から、職業的専門的会計監査業の発生への促進と成った。監査の目的については、やはり第 二類型においても検視目的が主であったが、しかし監査の重点は公会計的監査から、個人的・資本主平更には企業会計的 監査へと移行しつつあったことを見逃すことは出来ない。当時の企業においては、外部依頼の監査人︵企業の他の便用入或 いは記録計算に素養のある外部の人であって、職業会計士ではない人︶によって、企業活動全般に亘って監査が行われ、監査の報        酬は摘発した不正誤謬に比例して定められていた。したがって当時の監査は、全く資本主主体的理論を基盤として、正に 企業主の個人的利益擁護という使命においてのみ存在していたのである。  ①︾・O・匡巳Φ8P>。8毒龍門σq国く9痺δロ8おOO=OωF。冨冥Φ鵠×<一8×曳.片野一郎訳﹁リトルトン会計発達史﹂第一六   −一九章。  ②技術的にみて複式簿記は、記帳の正否を自己点検︵ω①ぎω6急2⇒σq︶することの複雑なる日常取引の処理には、誠に貴重なる機構   と言わねばならない。 ︵土岐政蔵著、 ﹁経営計算論﹂七頁。︶      経営目的監査としての内部監査について       三五

(6)

    経営目的監査としての内部監査について      三六 ③︾・O・ご巳①8p。﹁・。搾.鴇ワPひP上掲訳書、三七二頁。 ︾.≦.国。臣Φ9諺口島江ロαq導胃ぎ且風Φω⇔巳胃08匹霞ρおqρ  心昏a三〇Pワード ④久保田音二郎著、﹁会計監査﹂=1=二頁。 同著、﹁財務諸表監査﹂二一一二二頁。︵監視目的という用語は佐藤孝一教授  によって使用されている。同著、 ﹁近代監査論﹂二七−二九頁など。︶ ⑤ 荘園における監査人の地位如何によって監査の実質が大きく左右されるであろう。 ⑥︾幽ρ=三①8po℃.。蹄.“℃●口象.上掲訳書、三七八頁。 ⑦久保田音二郎著、﹁会計監査﹂一ニー一六頁。 ⑧諺.○・ご窪①8P。で●。評。鴇℃ワ宝震餌ひひ一ひS上掲訳書、九七−一〇四頁。例えば第七章には商業帳簿の信認に関して、備忘帳  の商務官による認証を述べ、第一七章には会計整理方法について突合せ記号のことを説明している。 ⑨︾.ρ=巳Φ8po℃.9∼づ℃’D宝IDひα・上掲訳書、三七九頁。 諺.芝・山。一日①98・9けこ署ニド ⑩久保田音二郎著、﹁会計監査﹂一三頁。

三清算目的の監査

 イギリスにおいては周知のように、一八世紀後半から一九世紀前半にかけて産業革命が勃興し、経済社会の著しい進展        ① と共に会計業務及び監査業務の芽が次第に明確と成って来た。リトルトンが指摘するように、産業革命並びにそれにひぎ 続いて私的企業の目ざましい勃興を見るに至った一九世紀は、実に商業的にも工業的にも法律的にも大躍進の時代であっ た。簿記を取り巻く各種の外部的与件は、これまで単なる組織的記録方法︵亀。・8日蝕。⇔ξ器8a一口σq︶として留まっていた 簿記を発展せしめて、企業経営上の管理手穀︵Φh出①O叶一くΦ OO旨一目〇一︶たらしめる力を持って来た。換言すれば一九世紀に至って 簿記は会計に発展したのである。このような会計事情において監査機能発展の第三類型を指摘することが出来る。  しかしながら当時の気運にも必ずしも正常な傾向ばかりではなかった。すなわち、当時は自由企業の勃興時代であり、

(7)

正に企業濫立の時代とも言われる。この企業の濫立は詐欺や破産の法律問題を惹起することが屡々であった。当時の法律 問題の中には、企業財務的問題に関係するものが多く、これが専門的会計業務更には監査業務の発生に大いに影響すると ころがあった。一八世紀半頃から次第に豊津事件の場合の計算書類は、法律象の手から会計士へと移行した。勿論当初会 計士といっても簿記に精通している位の条件であった。彼等は企業の依頼を受けて、専門家の資格においてそのサービス        を提供したり、,また時には財産管理人や破産管財人として法律関係の仕事にも従事したのである。かくしてこの殿階は、         法律家兼会計士などのいわゆる兼職会計士の時代であった。当時の特色をリトルトンは次のように指摘している。 ﹁現代 的意義における監査人ではなく、副業的︵。。①邑も垂幕ωωδロ筥︶に監査事務を行っていたのであって、着る意味で過去の監査 と現代の監査とを結びつける中間的存在であった。すなわち封建實族の世帯における中世紀的監査人︵ヨ①旺早く巴窪島8目︶ と、自己の専門的職務をもって世間に名乗りを上げている今日の専門職業的会計士︵。訂奇話島88琶$暮︶とをつなぐ中間 的存在であった。﹂         一般的には一九世紀初め頃までは、イギリス会計業務は無かったことがリトルトンにより例証されているが、およそ専 門職業会計士の発達に著しい要因と成ったものとして、ω企業の発達と工業化、②破産法の影響、㈲会社法の制定、の三 要因を指摘することが出来る。すなわち正常な企業発達は良いが、企業濫立による悪幣に対して取敢えず破産法により法 的処置を採り、次いで恒久的に企業の濫立そのものと同時に企業経営に対する重大責任を法的規制したのである。これを 監査の側面から観れば、破産法の下における監査は清算監査として指摘し、会社法の時代に入っては強制監査として特色 づけることが出来る。清算監査においては、監査主体は一般に兼職会計士であり、監査客体は法律事務、すなわち破産に よる破産者の財産管理及び清算会計報告の作成業務である。したがって言うまでもなくこの監査の目的は、法律処理目的、 清算目的として指摘されるのである。勿論この時代においても正常なる企業の発展による会計並びに監査への積極的な要      経営目的監査としての内部監査について      、 三七

(8)

     経営目的監査としての内部監査について      三八 請は無視すべきではない。何れにしても発展の第三類型は、ω正常なる企業発達による会計業務への要請、②破産処理に おける財務的問題解決の為の会計業務への要請、 ㈲兼職会計士時代の里謡としての自称会計士︵の藻−。。巳a88琶けきけ︶へ         の積極的対策などの特徴を示しながら、専門的会計士制度への展開と成った訳である。  ①﹀曾O.=巳①8poワ。詳.堕弓二ひ9上掲訳書、二五五頁。  ②久保田音二郎著、﹁会計監査﹂一五−一七頁。 同著、﹁財務諸表監査﹂二二i二五頁。 近沢弘治著、﹁外部監査と内部監   査﹂一六−一七頁。  ③︾●O●空気。8Po9。評齢鴇℃℃’まα一ま。・上掲訳書、三七九1三八四頁。 ︾・≦・出。巨Φ90唱・鼻こ℃ニドホルムズによれ   ば、一八世紀後半の兼職会計士時代を経て、一九世紀に入って専門的会計士︵..舞究腎、”げoo犀げΦ①℃霞︶が登場した。専門会計士の主   要な機能は、詐欺的虚偽的活動の追究と誤謬の摘発であった。  ④諺.O.団巳Φ8poP。騨・℃弓℃.悼ひひi悼$・上掲訳書轟三八一頁。  ⑤ ︾.ρ=庄Φ8Po℃。o蹄・嘲℃O・Pひ刈ーミO●上掲訳書、三八一一三八四頁。 ︵一七二〇年の企業破産にかかる監査報告書がイギリス   の会計士による最初の外部監査であると言われる。︶  ⑥︾・ρ=巳①8p。℃・。騨・鴇署・悼。。凹一悼。。G。.上掲訳書、三九五一三九六頁。

四保全目的の監査

 大企業の発展、特に株式会社の制度は、簿記から会計への発展について会計の損益計算機能において大きな影響を与え て来たことは確かであるが、それと同時に監査の機能においても見逃がし得ない要素がある。すなわち株式会社形態にお、 ける所有と経営の分離から、株主が自ら経営に接触しないということは、経営を尾入に委託することを意味するものであ         り、委託経営は外部からの統制手段を如何にしても必要としたのである。この﹁外部的統制﹂︵O口叶ω一山① OO⇒け同〇一︶とは正に 監査機能のことであり、いわゆる監査機能によって遂行されることを要請して来たのである。このような監査機能は、企

(9)

業濫立並びに不正行為による多くの幣害を経験した後、積極的に要請されて来た取締法としての会社法の成立 ︵一八四四 年︶によって始めて顕在的と成ったのである。  先ず一八四四年の会社法では、会社発起人及び取締役の放漫行為を抑制して株主を保護する趣旨から、会社設立から決 算に至るまで詳細に監査の必要を義務づけた。すなわち取締役の行為を監督する意図から、取締役に記帳義務、取締役以 外の第三者による監査役監査などを規定したのである。続いて一八四五年の改正会社法では、これらについて更に詳細に 規定した。例えば監査役の資格を限定して、株主たること、会社に何ら職を有せず、また会社に利害関係ある職にもつく ことを禁止した。また監査の機能を十分果たす為に、専門職業的外部会計士を委嘱することを認めた。  かくして荘園時代の監査にその根本精神をひくイギリスの監査は、一九世紀半ばにして法律により監査が義務づけられ、 ここにイギリス法定監査、強制監査が成立したのである。ここにおいて監査目的は正に取締役の監査であって、明かに株 主の保護であり、企業財産について保全目的の監査として指摘することが出来るであろう。監査主体はこの目的から、名 目的には会社の帳簿であるが、実質的には取締役の経営業務活動全般に亘っていたものと考えられる。また監査主体は法 文的には株主の代表者たる監査役であるが、その実際の監査業務は多く専門職業的会計士によって行われていた。この場 合、監査役自身は監査については全くの素人であることが多く、若し外部会計士を委嘱しなければこの時の監査は全く形 式的、法律的な監査となり、不徹底をまぬがれ得ない。全く監査内容の無い監査という欠陥に落ち、リトルトンの指摘す     る如く、帳簿残高の照合という全く単純な監査手続に終止して、正に茶番劇︵8ヨ巳①δ甘﹁8︶に過ぎぬことと成る幣害がな いでもなかった。けれども一般的には、たとえ株主監査が素人監査であっても一応は取締役への牽制と成り、またこの制        度は他面、専門職業的会計士更には職業的監査人の発展すべき実質的基盤を形成したことと成るのである。          一八六二年の改正会社法では会社会計の規定を更に詳細にした。要点は以下のように摘出され得るであろう。ω監査一      経営目的監査としての内部監査について       三九

(10)

     経営目的監査としての内部監査について       四〇 般基準、年一回一人以上の監査役による監査義務。②監査主体基準、監査役は株主総会において選定され、株主であって もよい。 ︵一八四五年の株主条件の修正。︶㈹監査客体基準、貸借対照表及び関連帳簿記録と証ひょう書類の検査。㈲監査目 的基準、貸借対照表の合法性と会社財政状態の真実性確認の報告と意見。㈲監査委嘱基準、会計士などの会社費用による 委嘱の可能性。一九〇八年の会社法では、先の監査役の株式所有条件は全く削られ、更にまた会計士の委嘱の条項も除か れて、監査役のうち少くとも一名は専門職業的会計士たることが規定された。かような発展過程を経て、ご○世紀に至っ てイギリスでは、監査の機能は株主から経営管理者に対して行使されることが明確となった。すなわち監査機能の発展の        一方向が確立されたのである。換言すれば、これまでのような所有者から会計責任者に対する直接的な監査機能方向とは 別に、いわば株主から経営管理者に対して監査機能が向けられることによって、実際的企業経理担当者の企業財産保全活 動における会計責任を監査批判しようとする方向である。かくして第四類型は、監査機能の発展において特に重要なる意 義を占めることと成ったのである。      、  ① ︾●O・=け些卑。炉。唱・o潔.鳩℃.MOひ● 上掲訳書、三〇九.頁。  ② ﹀.○’い葺冨8戸oO・o津●矯℃●悼OP 上掲訳書、四〇三頁。  ③︾.毛9出。一日①。・鴇。や鼠けこ℃二Nホルムズによれば、一九世紀末から二〇世紀初にかけて会計業務とその研究が認識された。す   なわち、企業規模の増大や経営活動の複雑化による会計理論並びに会計実務の急速なる発展をその実質的基盤として、企業をとり巻   く法律経済に亘る広範囲に深き理解をもついわゆる公認会計士︵8日唱①8巨O勺︾︶が登場し、彼はやがて企業経営における財務的   会計的相談役︵巴くδ霞碧山8霧巳叶§叶︶として機能するに至ったのである。  ④﹀.O.=巳簿op8・。即.堕唱・Nε1口露.上掲訳書、四〇四−四〇五頁。  ⑤ 一例として、一八九五年のい8匙。戴き匙O①ロ霞巴ヒd出陣事件の判決において、監査役は帳簿記録と財産在高との関係から、明確   に企業財産の保全という点を確認するのが主たる任務であって、したがって企業経営に立入って、経営業務活動に対して批判するこ   とは監査役の職責に非ずと公表されている。これはイギリス監査役の機能に対してのみならず、監査機能一般に関して、一つの法的

(11)

規制による方向づけであると理解することが出来る。詳じくは久保田音二郎教授著、 ﹁会計監査﹂一九頁を参照願い酷い。

五投資目的の監査

 イギリスにおいては以上のような背景をもちながら、一九世紀後半に専門職業的会計士制度として会計士協会の設立を 見、特に特許会計士︵9畏臼①傷諺88艮面差︶ の制度として発展したのである。当時の監査研究は、ピックスレー︵閃’芝■ 臣匹Φ団︶︵一八八一年︶やディクシー︵い。菊・U8訂①の︶︵一八九二年︶の監査論において明かである。 このようなイギリスに おける会計並びに監査に関する実務的・理論的研究態度は、必然的に他国に伝播する傾向があった。例えばアメリカにお いて、一九世紀末頃の大企業化並びに工業化の要請としてのイギリス資本の導入は、正にその典型的な一例を示すもので ある。すなわちアメリカにおける巨額のイギリス資本の導入とそれに伴う会計的調査分析は、イギリスの専門職業的会計 士の渡米を中心として、璽アメリカ会計事情に新しい刺戟を与え、アメリカ会計士制度の発展の崩芽を移植することと成っ たのである。つまりイギリス資本の導入は附随的にイギリス会計並びに監査の輸入として結果した訳である。げだし一九 世紀末のニューヨーク公認会計士法の公布︵一八九六年︶や、モントゴメリー︵閃・閏.ζ8δ。ヨ①曼︶の﹁ディクシー監査論      む のアメリカ版﹂の公刊などその例証と成るであろう。  しかしながらイギリス会計並びに監査の導入は、移植そのままの形で実質的に発展し﹁たのではなかった。特に監査の内 容に関しては単なるディクシーのアメリカ版ではなく、やがて全く異ったアメリカ監査論の発達と成ったのである。先ず 第一の監査機能の発展方向は投資目的の監査である。これはアメリカ当初の保全目的監査から信用目的監査に移行し、更 に一九三三−四年頃からの強制監査としての投資目的監査に及んで正に確立されたものと言わねばならない。  この方向への発展については、先ずωイギリス会計士の迅速なる監査手続、②十分なる内部牽制組織を前提にしたイギ      経営目的監査としての内部監査について       四一

(12)

     経営目的監査としての内部監査について      四脚 リス的精細監査の限界、㈹アメリカ金融資本主義的機構から銀行による企業財政状態と牧益力の検査要請、などの要因が モントゴメリーをして貸借対照表監査の概念を展開させたのである。︵一九=年︶これはアメリカ会計士協会における ﹁貸借対照表の作成方法﹂︵一九一八年︶などの研究と相侯って、アメリカ監査の第一の特色としての﹁貸借対照表監査﹂ を築き上げるところと成ったのである。これは監査機能の発展の第五類型として信用目的の監査と特徴づけることが出来 るのである。  換言すれば、監査の目的から観て、イギリス監査思想としての検視目的監査、保全目的監査を経て、企業の現実の財政        状態及び牧益力を確証せんとするいわゆる信用目的監査の成立と成るのである。リトルトンの指摘するように、イギリス における財政状態の吟味は必要な場合における株主醸出資本の償還能力︵⇔匡身8器℃市営Φω訂H筈。匡霞ω、。8三訂ま霧︶の 検査であったが、アメリカにおける企業財政状態の監査は、信用授与の問題に関連して債務弁済能力︵Qげ旨曙8話冨≦。8。。︶ 如何という意味である。つまり当時のイギリスの監査は、法的要素としての株主のもつ取締役監督手段という特質を呈す るのに対して、アメリカ監査は経済的要素として、信用拡大、財務的流動性、或いは特等性の検査という意義が強く指摘 されるのである。  この傾向は更に発展して、証券投資に対する一般的関心の向上、 一般投資家に対する詐欺的被害︵例えばクロイゲル事件 など︶の防止、そして円滑な証券流通の意図から公布された一九三三年の有価証券法、 三四年の証券取引所法によって全 く明確と成り、ここにアメリカ強制監査が戒果すると同時に、企業の所有者や債務者のみならず、一般投資家全体の保護        を目的とするいわゆる投資目的の監査が確立したのである。これは同時に監査の客体においても、ペイトン︵ノ︿・﹀.℃9けO⇒︶         及びリトルトンの指摘するように、会計は経営者のみならず、企業の内外利害関係者一般に広く奉仕すべきであるという 祉会的重要性を帯びるに至って、特に監査はこの社会的要請に応ずるべく貸借対照表のみでなく損益計算書をも含めて、

(13)

いわゆる﹁財務諸表監査﹂へと発展し、ここにアメリカ監査の第二の特色を理解することが出来るのである。         他方に、監査主体及び監査方法についても、イギリスやドイツの強制監査と異って、いわゆる監査基準は法律規定では         なく、会計士の準拠すべき標準、手続として発達した。すなわち一九一八年の貸借対昭⋮表作成方法、ご九年の財務表の検証、 三六年の公認会計士による財務表の検査、三九年の監査手続の拡張、そして四七年の監査基準、として一連の発展段階を経    て、その実際的要求と併せて会計・監査思考に基づいて築き上げられて来たものである。ここにアメリカ会計界独特の会 計士制度と会計士監査が展開されたのである。換言すれば、この会計士監査を実質的基盤として、アメリカ会計学、会計 士会計学、投資家のための会計学が見事に結実するに至ったのである。とにかくこれは監査機能の発展における第六類 型、つまり﹁投資目的の監査﹂として、また同時に監査機能の発展過程における一方の典型的形態として特徴づけられね ばならないのである。  ① ヵ.頃・]≦o巨σqo旨巽ざ︾信二目ぎぴqLo8齢この点については、久保田音二郎教授著、コ会計監査﹂四六頁以下などに詳しい説明がある。  ② ﹀﹂ρご巳⑦εpoワ。#●鴇bワ悼。ひ一慧。。● 上掲訳書、四〇九−四一〇頁。  ③ この点については、久保田音二郎教授著、 ﹁財務諸表監査﹂特に第三章前半のアメリカ財務諸表監査の展開︵四八一六八頁︶にお   いて明確に説述されている。  ④芝“諺.勺讐8Q巳諺◆O・いぎ一68p諺5冒貯。出自二。ロ叶oOo愚。冨g>80コ艮冒σqGっ一碧匿aω=£ρ℃℃=1ひ・中島省吾訳、﹁会   社会計基準序説﹂一一一〇頁。  ⑤各国の強制監査について多くの興味ある問題が残るが、後日改めて考察しなければならない。ここではただ監査基準の観点から若   午触れている。  ⑥諺・≦・=o冨①ω矯。℃・9叶G℃℃・¢1§アメリカの監査基準はアメリカ会計士協会によって、一九四七年忌﹁監査基準試案﹂、一九   五四年号コ般に認められた監査基準しが発表されている。アメリカの監査基準については、岩田厳教授著、 ﹁会計士監査﹂一三七   i一三九頁に明確に紹介されている。      経営目的監査としての内部監査について       四三

(14)

   経営目的監査としての内部監査について ⑦アメリカ監査の﹁連の発展については、特に財務会計との関連において、  詳述されている。 山桝忠怒教授著、   四四 ﹁アメリカ財務会計﹂第二章第三節に

六経営目的の監査

 監査機能の第二の発展方向は﹁経営管理目的監査﹂である。前述の如く、会計士監査の発展は正にアメリカにおいてそ         の典型を理解することが出来る。しかしながらこのように発展しだ会計士監査にも常に反省すべき限界はある。既に一九         三八年の顕在的なマッケスン・ロビンス事件はその一例である。しかし更に重要な要因がある。それはいわゆる﹁管理思         考﹂という背景が早くから培われて来ていたことである。すなわち科学的管理法に基づく管理思考である。管理思考は会 計や監査の面にも浸透しており、既に当時において内面的監査︵ぎの箆①⇔民三づαq︶を受けることが経営政策⊥、管理⊥有益        なることが認められていた。また会計機能について、本来会計は経営の業務状態とその結果とを経営管理者に示すもので ある。故にこれは経営⊥の欠陥があれば是正する役割をつくすところまで会計上の職務領域を向上せねばならないと考え        られて来た。ここに当時のアメリカにおいては、財務監査的側面と管理会計的側面のそれぞれの発展基盤が存在し、正に         両問題が混在のままであったと見ることが出来る。久保田音ご郎教授の指摘されるように、この傾向は一つは前述の如く 信用監査から財務監査へと展開し、他方は内部統制組織や管理会計的方面へ発展したのである。  かような事惰において企業経営の内部的管理思考は、監査における潜在的機能としての内面的監査を重要視して、一九         四一年の内部監査人協会の設立を好機として内部監査部門の監査を指摘した。内部監査部門監査は正に監査の概念におけ る会計なる意味を、会計業務からその本源としての経営業務活動に求めたものである。したがって監査目的としては、会 計学一般における経営実体理論に基づいて、経営実体的、経営目的的監査と成り、また監査客体は経営業務活動全・般に及

(15)

ぶのである。更にまた監査の概念における意見の表明について、内部監査においてはこれが助言勧告という形で、すべて の経営活動面に亘る批判的且つ建設的な見解の表明として理解されるのである。かくして監査機能の第二の発展方向にお ける典型的形態として、同時に監査発展の第七類型として、正に経営目的監査としての企業内部監査部門監査を指摘する ことが出来るであろう。  このような事惰は最近我が国の会計事情についても理解できるところである。しかし我が国の場合必ずしも問題は単純 ではなく、経営目的監査の顕在化は確かに弱く、且つ時代的おくれは否定出来ないのである。戦前我が国では商法の制定 によってイギリス並びにドイツ的監査事情を呈し、特に監査役制度をその特徴の一つとしていたが、戦後は商法の改正や 公認会計士制度の導入により全くアメリカ的会計情勢と成ったのである。つまりアメリカ的会計士監査と極めて類似した        形をとって発展して来たのである。実際に我が国の場合、監査の実質は極めて弱く、そのために数段階を経て確立されて        来たものといわねばならないのである。  すなわち昭和二五年の監査基準をスタートにして、翌二六年には初度監査として会計制度監査に始まり、次年度監査は 会計制度の運用、第三次監査は内部監査の充実、そして二八年第四次監査は制度監査から貸借対照表の項目監査、すなわ ち部分監査に移り、基礎監査と正常監査に発展した。続いて三〇年第五次監査は貸借対照表監査として全部監査に進展し た。かくして三ご年からいよいよ正規監査としての財務諸表監査に発展し、一応実質を併って、強制監査としての会計士 監査の確立と成った訳である。この中で第三次監査の内部監査充実は、企業会計制度の発展過程における内部監査制度の 確立であって、ω会計制度の維持改良、②制度監査の継続性、㈲一般的監査の経済性、この三点において特に会計士監査 の実質的基盤としての内部監査の確立に意義が多かったのである。かくして我が国の場合に内部監査確立の意義は、必ず しも経営目的監査としてのみ単純に位置付け得ない要素が内包されていたのである。      経営目的監査としての内部監査について      四五

(16)

経営目的監.査としての内部監査について 四六 ① 各国の会計士監査、つまリアメリカ公認会計士監査、イギリス勅許会計士監査、ドイツ決算検査士監査などそれぞれ.特異性をもつ  .ている。此の点については他日考察しなければならない、 ② 決算監査としての会計監査は、合法性と適法性の監査内容をもつものであるが、その能力限界として企業経営の合目的性に対する  批判と指導については、経営監査の要請と成る訳である。 ︵久保田音二郎稿、会計監査と経営監査の交渉﹁経営経理と公認会計士﹂  平井泰太郎編、一四五頁以下。︶ ③久保田音二郎著、﹁財務諸表監査﹂六一一六二頁。 ④溝口一雄著、﹁管理会計﹂二四−二七頁。 ⑤久保田音二郎著、﹁会計監査﹂四五頁。 ⑥ グレゴリイ︵寓■国■O肖①αqoq︶の監査的観点と経営管理的観点の分析は、既に明確である。︵溝口一雄著、上掲書、一六−一九頁。︶ ⑦久保田音二郎著、﹁会計監査﹂四五一四六頁。 ⑧拙稿、管理会計の発展と業務監査の意義、彦根論叢、第五五号、五二頁。 ⑨内部監査については私は既に若千老察した。前掲拙稿、内部監査の本質と業務監査機能について、四一一五七頁。 拙稿、内部  監査の基礎概念、ブリンク内部監査論の一考察、滋賀大学経済学部品周年論叢集、二一七−二一一コ頁、 ⑩此の点は、旧監査基準︵昭和二五年公表の中間報告︶の﹁監査基準設定について﹂の第二条、及び新監査基準︵昭和三一年改訂中  間報告︶の﹁監査基準設定について﹂の結論部分において、特に明確に述べられている。 ⑪ 故岩田厳教授は、我が国の﹁監査基準﹂の制定を始めとして、会計士監査の確立のた、めに多大の努力を捧げられた一人である。我  が国の戦後の監査事情については、岩田教授著、 ﹁会計士監査﹂に特に詳述されている。

七内部監査の意義

 以上の老察から、監査の目的による発展類型と監査機能の発展過程を次の二表のように要約することが出来る。  監査発展の第六類型は、投資目的監査として、外部的監査機能の発展形態であると特色付けるならば、これに対してその 第七類型は、経営管理目的監査として、内部的監査機能の展開形態であると指摘することが出来る。それぞれ典型的には

(17)

(第一表)

監査目的の発展類型

経営目的監査としての内部監査について

翻年

代匿査の醐降査の主体降査の客体

1 14世糸己一16世糸己 2 17世紀一18世紀 3 4 5 6 7 18世紀後半一19世紀前半 19世紀後半一20世紀初期 20世紀初期一20世紀30年代 20世紀30年代後 20世紀40年代後 検視目的監査 検視目的監査 清算目的監査 保全目的監査 信用目的監査 投資目的監査 経営目的監査 公会計的監査 資本主主体的 監    査 法律的監査 企業主体的 監   査 企業主体的 監   査 社会的監査 経営的監査 算三三査 ヒ    しイ  一 綷氈p口検 と  と 筆算料発 資験資摘 査 検 産 財

財産監督

貸借対照表 監   査 財務諸表監査 業務・能率 監   査 (第二表)

監査機能の発展過程

過劃監査の目引

監査の主体

監査の客体

工 皿 検視目的監査 保全目的監査   (A機能) 五 保全目的監査   (B機能)

’m

ヒ鵬監査

経営目的監査(B機能)

要某重

→会計責任者

覆一重

→経  営  者 経  営 管  理 者 者…

   会計責任者

………

ィ業務責任者

所有者・債権者

社会一般

→企業財産

経営管理者

→経営業務

 また監査機能の発展過程につ いては、第豆過程では必ずしも 明確に顕在的でなかった保全目 的のB機能が、第皿過程におい ては経営管理目的の監査機能と して経営業務監査に発展したの である。すなわち第皿過程A機 能では、貸借対照表を中心とす る財務諸表を通じて、企業財産 の流動性から更には牧益性に亘 ってその重点が置かれているの   四七 のである。 務監査、能率監査が指摘される. 監査、監査客体について経営業 主体において企業内部監査部門 務諸表監査があり、後者は監査 計士監査、監査客体について財 前者は監査主体において公認会

(18)

経営目的監査としての内部監査について 四八 に対して、第皿過程B機能では損益計算書を中心とする経営業務管理室表を通じて、経営業務の経済性、能率性或いは生 産性に亘って監査の焦点が指摘されるのである。いわば会計機能において、前者は財務会計目的であり、後者は管理会計        ①      ② 目的である。 ここに将来的監査︵会計︶論における財務目的監査、      管理目的監査及び税務目的監査の立論の基盤が理解さ れるのである。  以上要するに内部監査は、第一に企業経営内部的管理思考の発展として、内部統制組織或いは管理会計制度⑳確立整備 とその前提要件を為すという意義において、第二に企業経営外部的報告責任を担う企業会計制度或いは財務会計理論の実        ③ 質的発展形態としての会計士監査制度の確立整備とその前提要件を為すという意義において理解されるのである。勿論内 部監査は、第一の意義において、管理会計的監査として本来的特質を蔵するものといわなければならないのである。 ①監査論は、本質的に会計機能に応じて、財務目的監査、管理目的監査及び税務目的監査の三部分から構成されるものと考える。 ② 例えば今日会計士業務を大別して、ω固有の意味の会計業務或いは監査、②内部監査或いは経営監査、⑧税務代理業或いは税務監  査に類別されるところがらも理解出来る。更にホルムズによれば、 ︵諺’芝.口2日。。段鳩。づ・9け二噴●ω魯︶今日会計士業務には、ω一般  的監査業務、②各種会計業務に関する補佐と忠告、︵⇔霧聾磐。Φ雪曇⇔匹く8①︶、㈹販売購売、販売分析、予算の作成業務に亘る調査機  能︵ぎ<$謀αq帥口。コ。。。晃ざΦ︶、㈲税務や証券業における代理機能、︵器層窃Φ昌$島。昌ω興話。①︶、㈲経営活動全般に亙る管理コンサルタン  ト機能︵日き簿σqΦ日①巨。8巴§σqのΦ三8ω︶の五つの基本的機能類型が包括されている。このような見解は以下の交献にも見られる。  ︾HO勺︾カ①。。窪昏U①当量ヨΦ昌ρζ碧茜ΦヨΦ艮ω霞三8ω冨○勺﹀ゴ︸〇二毎巴。粘︾80巨富昌。ざ一§Φ一8メ署●島ーミ●︵中西旭稿、  外部監査・対・内部統制、 ﹁会計﹂第七五巻第四号、四一−四二頁。︶○・妻・切①昌p①ρζ碧煮①ヨΦ簿の臼く一〇①σ団O.勺・︾’、9諺。o㌣  口口剛毛σQ菊①<冨ヨOo8σ七一8c。堕℃幽ひ8.︵富山忠三稿、監査概念拡大化への反抗、 ﹁会計﹂第七五巻第六号、九七!一〇八頁。︶ ③内部監査の固有の問題は第一の意義において、そして例えば会計士監査と内部監査との協調の問題などは、第二の意義において理  解することが出来る。 ︵附記︶ 本小稿は昭和三三年度文部省科学研究費、綜合研究の 分担による研究成果の一部である。 ︵一九五九・一一・二五︶

参照

関連したドキュメント

一五七サイバー犯罪に対する捜査手法について(三・完)(鈴木) 成立したFISA(外国諜報監視法)は外国諜報情報の監視等を規律する。See

対象自治体 包括外部監査対象団体(252 条の (6 第 1 項) 所定の監査   について、監査委員の監査に

〔付記〕

 PCV内部調査時に、常設監視計器の設置に支障となる干渉物

2 学校法人は、前項の書類及び第三十七条第三項第三号の監査報告書(第六十六条第四号において「財

さらに, 会計監査人が独立の立場を保持し, かつ, 適正な監査を実施してい るかを監視及び検証するとともに,

この設備によって、常時監視を 1~3 号機の全てに対して実施する計画である。連続監

2. 本区分表において、Aは発注者監督員、Bは受託者監督員(補助監督員)の担当業務区分とする。.