神戸常盤大学紀要 第 5 号 2012 52 − − − −53 Ⅰ.研究目的 在宅療養要支援・要介護者(以下、要介護者等)が口腔関連サービスを受けるためには、介護支援専門員と 歯科関係者が口腔に関する情報を共有する必要がある。本調査は、介護支援専門員の口腔機能管理に関する認 識および口腔関連サービスの受給状況の把握を目的として実施した。 Ⅱ.研究結果 アンケート配布数460通、回収数121通(男性10名、女性111名/回収率26.3%)。 口腔機能関連研修会受講経験と口腔ケア効果認知度は、受講複数回のもので「効果を知っている」と答えた のは90.9%、受講1回では68.2%、未受講では30.0%であった。口腔の観察と研修会受講経験の比較では、「必ず みる」は未受講が5.0%、受講1回が4.5%なのに対し、受講複数回では12.1%と倍増している。また、「みない」 は、未受講で35.0%、受講1回29.5%に対し、受講複数回では18.2%に減少している。「みる場合がある」の観察 理由では〈訴えや報告〉によるものが63.6%で、「みない」理由としては〈みてもわからない〉が45.8%であっ た。食事の観察と研修会受講経験の比較では、「必ずみる」は未受講で2.5%だが、受講1回6.8%、受講複数回 6.1%と増加する。また、「みない」は未受講25.0%、受講1回18.2%、受講複数回12.2%と減少する。「みる場合 がある」の観察理由は〈訴えや報告〉によるものが38.0%、〈ムセや食事摂取量の低下〉など変化に気づいて実 施したものが48.1%であった。 Ⅲ.考察・結論 口腔ケア関連研修会の受講で知識は得られるが、それを行動に結びつけるためには複数回の受講が必要であ る。口腔の観察は63.6%が訴えや報告をもとに実施。観察しない理由の45.8%は「みてもわからない」で、これ は専門的知識がないためと考えられる。食事観察は、意図的に実施している者が48.1%で、これは本人に断ら なくても実施可能で、変化に気づきやすいためと考えられる。また、観察しない理由には「介護度が低い・問 題がない」が46.7%あり、予防的な口腔機能管理への意識が低いと考えられる。 介護予防の視点で、早期から在宅要介護者等の口腔の問題をとらえるためには、日常的に口腔や食事の状態 を把握し、自覚症状が現れるより早く変化に気づく観察力と知識が必要である。そのためには、介護支援専門 員だけでなく、看護・介護職および家族を含めた研修会の実施が有効と考える。研修会は、介護支援専門員と 歯科関係者の接点となり、顔の見える関係を築くことができるため、連携を取りやすい環境を整えると考え る。
介護支援専門員の口腔機能管理に関する意識調査
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