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本学所蔵「女子用往来」の画像データベース化と翻刻の試み

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Academic year: 2021

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― ― 268 大阪樟蔭女子大学論集第 45 号(2008)

本学所蔵「女子用往来」の画像データベース化と翻刻の試み

西 端 幸 雄

本学図書館には、1990年代に収集された、江戸時代の、近世庶民の女子教育用の教科書である 「女子用往来」が所蔵されている。(1996年に『樟蔭女子短期大学蔵女子用往来目録』が刊行され ている) その内容は、慶安3年(1650)5月刊「女鏡」の初刊本をはじめとして、1600年代刊5種、1700年代 刊19種を含む83種(合計172冊)にも及び、「女子用往来」全体を見通すには貴重な資料である。 さらに、その資料的価値としては、これまで、「女子用往来」は、家政学や教育学の側面から研 究されてきたが、源氏物語・伊勢物語・百人一首などが引用されている点で、国文学・国語学の 面からも注目すべき資料である。それに加えて、本学が、女子大学であるという点で、現在の女 子教育、また、これからの女子教育のあり方を考える上で、過去の女子教育の歴史の跡付けを辿 る点で、貴重な資料であると言えよう。 ただ、この「女子用往来」は、これまで、それほど注目された資料として扱われてこなかった 経緯がある。そのため、インターネット上のホームページで、「女子用往来」を公開している機関 は、きわめて少ない。私見の範囲では、東京家政学院大学・奈良女子大学・奈良教育大学だけで あると思われる。 こうした現状を鑑みると、83種(合計172冊)にも及ぶ、幅広い「女子用往来」を所蔵している点 で、それらを死蔵することなく、画像データおよび本文翻刻データとして、積極的に、世に公開 して、多くの研究者の研究に資することに意義があると思う。 そこで、平成18年度には、83種(合計172冊)の内、刊行年の早い「女鏡」(1650)「女誡」(1656) 「和国百女」(1695)「女実語教女筆」(1695)「壷の石文」(1698)「女世寶用袋」(1741)「女諸礼綾錦」 (1755)「女教訓綱目」(1769)「女今川宝種」(1774)の、9種合計25冊をデジタルカメラで撮影し、画 像データ化を行った。さらに、その画像データの良否を判定した後、翻刻作業を行い、テキスト データ化した。 なお、本年度は、画像データ化するにあたっての問題点の解明と、翻刻するにあたっての問題 点の抽出に重点を置いたため、当初予定していた、1年間で60冊のデジタル画像データ化とテキス トデータ化という年間計画は達成できなかった点が悔やまれる。 ただ、さまざまな問題点は、一応解明されたので、今後は、作業グループの体制を整えて、着 実に作業を進めていく予定である。そして、作業の半ばにおいて、何らかの形で、画像データと 本文の翻刻データを、Webサイト上で公開したいと考えている。

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