• 検索結果がありません。

A STUDY ON DAMAGE EVALUATION OF ASPHALT PAVEMENT IN THE JAPANESE EXPRESSWAYS

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "A STUDY ON DAMAGE EVALUATION OF ASPHALT PAVEMENT IN THE JAPANESE EXPRESSWAYS"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

【土木学会舗装工学論文集 第 13 巻 2008 年 12 月】

高速道路舗装の損傷評価方法に関する研究

神谷 恵三

1

・風戸 崇之

2

1正会員 ㈱高速道路総合技術研究所 舗装研究室長(〒194-8508 東京都町田市忠生 1-4-1) 2㈱高速道路総合技術研究所 舗装研究室(〒194-8508 東京都町田市忠生 1-4-1) 高速道路舗装の補修設計の開発に向けて,コア採取を要さない効率的な損傷評価方法の開発を試みた. FWD データと現場コアを分析した結果,たわみ差(D0-D90)をアスファルト層厚さで除した指標の可能 性が確認された.また,当該指標とコアの物理試験の分析結果から,高機能舗装の基層にはレジリエント モデュラスと共に圧裂強度が大きくする等の混合物要件が得られた.

Key Word:repair design, asphalt pavement, damage, evaluation of structure, resilient modulus

1.はじめに 東日本高速道路㈱,中日本高速道路㈱,西日本高 速道路㈱(以下「NEXCO」という)では,平成 10 年以来標準的な舗装路面として,高機能(排水性) 舗装を採用している.NEXCO における高機能舗装 の中には 10 年を越えるストックも増えつつあるが, その一方で老朽化した密粒度舗装も存在しているの で,費用対効果に優れた舗装を実現できる補修設計 手法を開発することは急務な課題である.高機能舗 装については,基層上面に滞留した雨水が混合物の 剥離を誘発させるので,損傷の進行過程及び形態が これまでの密粒度舗装とは大きく異なる 1).写真-1 は基層以下の損傷が著しい高機能舗装の路面とコア を示したものであるが,外観だけでは路面下の損傷 評価が困難であることがうかがえる.補修設計の一 環として,損傷評価方法の開発を進める必要がある ことは言うまでもない.一方,長期間供用中の密粒 度舗装については,クラックが発生した後,路面下 はどのような損傷状態にあるのかについて把握して おく必要がある. ㈱高速道路総合技術研究所(以下「NEXCO 総研」 という)では,NEXCO からの依頼に応じて FWD を 活用した舗装健全度診断を全国的に実施している. この全国測定により,現場において損傷が懸念され る箇所から膨大なたわみデータを蓄積している.ま た,特に損傷が顕著な箇所においては,FWD 測定に 併せてコア採取も行っており,層内の状態観察の他, 混合物の物理性状の評価に役立てている. 本文は,これまでの FWD データと共に採取コア から得られたデータを解析することにより,コア採 取を要さない損傷評価方法の開発と共に,補修設計 における混合物の性能検討を試みたものである. 2.調査の方法 高速道路舗装の補修設計方法の確立に向けて, 効率的な損傷評価方法を提案すると共に,高機能 舗装の基層混合物の要件を考察することを目的と して,以下の検討を行った. ① 路面及び層内損傷の把握 ② たわみ差による構造評価 ③ 路面評価に捕われない新たな損傷評価指標の 提案 ④ 高機能舗装対応の基層混合物の耐久性評価 写真-1 高機能舗装の層内損傷例 採取コア写真

(2)

図-1 に示すように,FWD の測定位置は走行車線 では外側軌道部,追越し車線では内側軌道部とした. FWD の測定に際しては,荷重載荷位置周辺の路面の 損傷形態を目視により観測した.表層からアスファ ルト安定処理上層路盤までを含めたアスファルト層 のコア採取(図-2)に際しては,荷重載荷位置周辺 から当該コアを採取することとした.その後,採取 したアスファルトコアの損傷状態を観察すると共に, 荷重 49kN 及び温度 20℃に補正を施したたわみ量を 用いることにより,①∼③の検討を行った.④の実 施方法については,以後の章で述べる. 3.アスファルト層内の損傷評価指標 (1) 路面及び層内損傷の把握 舗装の損傷過程とたわみ量の関係を詳細に究明す るためには,FWD 測定位置の直近から採取したコア の状態観察や強度試験等が必要である.表-1 は FWD 測定後に荷重載荷位置の直近から採取したコアの一 覧を示している.ここでは,たわみ量に影響を与え る主な要因として,交通量及び車線区分の他,表層 工種と下層路盤の種別を付した. 図-3 は今回のコア採取調査に先立って得られた 最大たわみ量と,これまで高速道路本線から得られ た値を対比させたものである.今回調査の最大たわ み量の平均値と標準偏差は,全ての構造においてこ れまでの調査の値を上回るものであった.これより, 今回の調査箇所は損傷が進行した箇所を多く含んで いると共に,損傷形態も多様であることが推察され 75cm 約 100m レーンマーク 測定位置 温度センサー たわみセンサー 重錘 たわみ曲線 D0 D45 D30 D20 D120 D90 D75 D60 D200 D150 載荷板直径 (30㎝) 図-1 FWD の測定位置(外側軌道部の例) 図-2 コア採取位置 表-1 FWD 測定及びコア採取の属性 重・中・軽 高機能 粒状 90 中・軽 高機能 セメント安定 28 中・軽 密粒度 粒状 73 中・軽 密粒度 セメント安定 76 重交通 高機能 粒状 39 中交通 密粒度 セメント安定 42 コア採取 位置 コアの個数 走行車線 荷重載荷 位置直近 追越車線 軌道部内側 FWD測定 位置 表層工種 下層路盤 車線区分 交通量 区分※ 外側 軌道部  ※ 軽交通は大型車交通量1,500(台/日/方向)未満,中交通は1,500台以 上5,000台未満,重交通は5,000台以上 0.000 0.050 0.100 0.150 0.200 0.250 0.300 0.350 0.400 粒状 セメント 粒状 セメント 粒状 セメント 粒状 セメント 粒状 セメント 粒状 セメント 高機能 密粒度 高機能密粒度 高機能 密粒度 高機能密粒度 走行車線 追越し車線 走行車線 追越し車線 コア採取調査 (348点) これまでの調査 (15030 点) 最大 た わ み量 D 0 ( m m) 平均値 標準偏差 下層路盤 表層工種 図-3 最大たわみ量の比較 コア採取位置直近 測定位置

(3)

ることから,損傷過程とたわみ量の関係を論じるの に適していると判断された. 図-4 はコア採取に先立って得られたサンプル数 が多かった代表的な区分の最大たわみ量を対比させ たものである.ここでは,表層からアスファルト安 定処理上層路盤までのアスファルト層厚さが,構造 評価では重要である 2)3)ことから,当該層を付した. アスファルト層厚が 200mm 未満では,最大たわみ量 (以下「D0」という)が全体的に増大する傾向を示 した. 重交通において粒状路盤を採用した高機能舗装の D0 は中交通のものよりも大きな傾向を示したので, 大型車の交通荷重が構造に与える影響が窺い知れる. また,重交通の高機能舗装において,走行車線の D0 は追越し車線よりも大きかった.大型車の車線分担 比率が交通量によらず概ね 7:3 であるという報告 3) を踏まえると,これについても交通荷重による影響 であるものと思われる. 図-5 は高機能舗装と密粒度舗装について,FWD 測定の際に実施した目視観察による路面損傷の有無, 並びに採取したコアの剥離と最大たわみ量との関係 を示したものである.層内剥離「有」とは,コアの 何れかの層において剥離が確認された場合を指す. 高機能舗装については,路面損傷「有」の数は「無」 に比して希少である.また,層内損傷「有」につい ては,舗装厚 200mm 未満の D0 が突出して大きい ことが分かる.これらは,高機能舗装の損傷過程を 外観から把握することの困難さを示すものである. 一方,密粒度舗装については厚さごとに比較する と,路面損傷並びに層内剥離共に,「無」よりも「有」 の D0 の方がそれぞれ大きくなる傾向を示している. また,路面損傷「有」よりも層内剥離「有」の方が 概ね大きな値を示しているのは,路面に発生したひ び割れから雨水が浸入し,混合物の剥離を誘発する こと等によるものと思われる。 このように,層内の剥離状態を適正に評価するこ とは極めて重要であることが再確認された.目視に よる損傷の健在化以外に有効な損傷評価方法は未だ ないことから,表面損傷だけに捕らわれない新たな 評価方法が必要である.これは高速道路を管理する 現場から切望されている課題であり,コア採取を要 さない FWD 測定だけによる効率的な損傷評価指標 を開発することとした. (2) たわみ差の評価 高速道路舗装の構造評価に関するこれまでの研究 から,各層の構造強度は図-6 に示すたわみ差との関 連付けが報告 3)4)されている.これは,たわみ差 D0-D20 がアスファルト層の特性を示すという既往 の報告5) 6)と乖離するものである。そこで,以降の構 0.000 0.100 0.200 0.300 0.400 0.500 0.600 0.700 セメント セメント 粒状 セメント 粒状 セメント 粒状 粒状 密粒度 密粒度 高機能 密粒度 高機能 高機能 走行 追越し 走行車線 走行 追越し 軽交通 中交通 重交通 最大た わみ 量 D 0 ( m m ) 180 mm 未満 180-200 mm 200-220 mm 220-240 mm 240-260 mm 260 mm以上 下層路盤 表層工種 車線区分 交通区分 0.000 0.100 0.200 0.300 0.400 0.500 0.600 0.700 0.800 0.900 無(23) 有(3) 無(16) 有(10) 無(32) 有(24) 無(37) 有(19) 路面損傷 層内剥離 路面損傷 層内剥離 高機能・粒状 密粒度・粒状 最大た わみ量 D 0 ( mm) 180 mm 未満 180-200 mm 200-220 mm 220-240 mm 240-260 mm 260mm 以上 (データ数) 図-4 構造分類別の最大たわみ量 図-5 最大たわみ量と損傷の関係 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0 50 100 150 200 載荷点からの距離(cm) た わ み 量 (m m) As層の強度 を示す範囲 下層路盤の強 度を示す範囲 路床の強度 を示す範囲 路床強度 D150 下層路盤強度 D90-D150 As層強度 D0-D90 図-6 たわみ曲線と舗装各層の強度との関連6)7)

(4)

造評価に先立ち,構造強度とたわみ差の関係を考察 する.図-7 はアスファルト層厚 25cm の舗装構造に ついて,表層から下層路盤までに適当な弾性係数を 与え,FWD 測定を仮定した GAMES による順解析を 実施した結果である.たわみ曲線は下層路盤の強度 差により大きく区分される傾向にあること,またア スファルト層の強度差はセンサー位置 90cm の辺り から顕著になる傾向にあることが分かる. 図-8 は今回の調査区間と図-7 を比較する目的で, アスファルト層厚が同等でかつデータ数が多かった 同一路線における高機能舗装区間のたわみ曲線を示 したものである.図-7 に比べると,曲線の分布幅は 広いものの,センサー位置 75cm∼90cm 辺りで変局 点が確認される.センサー位置 20cm 付近について は,図-7 及び図-8 において変局点は確認されない. これは,高速道路ではアスファルト層厚を 18cm 以 上に規定していることや,下層路盤の種別がセメン ト安定と粒状のみという特有の設計条件によるもの と思われる.たわみ差 D0-D20 とアスファルト層の 関連を調査した報告 5)では,一般道を対象としてい たので,アスファルト層厚 20cm 未満が大多数であ ることや,上下層路盤の種別が異なっていること等 が設計条件の差に上げられる. アスファルト層厚を変えた場合についても調べた が,図-7 及び図-8 と同様の傾向が確認された. 以上から,図-6 に仮定したたわみ差が高速道路の 構造評価に適しているものと判断した. (3) 損傷評価指標 たわみ差が大きい場合,それが当該層厚さによる ものか,または層内の損傷によるものかを識別する ことが重要であると考える. 図-9 はセメント安定処理下層路盤を採用した高 機能舗装について,コア層さとたわみ差 D0-D90 と の関係を示したものである.両者には右下がりの傾 向が認められ,剥離無しの凡例が層厚に対して下方 に位置することから,層内の剥離有無を区分できそ うである. 図-10 は,たわみ差 D0-D90 をアスファルト層の厚 さで除したものを縦軸に示したものである.この無 次元の指標はアスファルト層の単位厚さ当りの構造 強 度 に 補 正 す る と 考 え , こ こ で は 補 正 た わ み 差 D0-D90 と定義した.図-9 と同様の傾向を示してい るものの,層厚さとの相関は向上している.これは, 層厚さの影響を縦軸に取り入れたことで,たわみ差 の説明力を向上させたものと考える.層厚さの影響 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30 0.35 0.40 0 50 100 150 200 センサー位置 (cm) た わみ量 ( m m ) 表基層 2000MPa, Asb 1000MPa 表基層 4000MPa, Asb 2000MPa 表基層 5000MPa, Asb 5000MPa 表基層 5000MPa, Asb 5000MPa 表基層 8000MPa, Asb 8000MPa 表基層 10000MPa, Asb 10000MPa 路床 100MPa × Subbase 500MPa ○ Subbase 1000MPa 重交通・走行車線 粒状路盤・高機能舗装 240-260mm 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30 0.35 0.40 0 50 100 150 200 センサー位置(cm) た わ み 量 ( mm) 図-7 順解析で得られるたわみ曲線 図-8 実路で得られたたわみ曲線 y = 3.1036e-0.0145x R2 = 0.1576 0.000 0.050 0.100 0.150 0.200 0.250 0.300 0.350 0.400 0.450 100 12 0 14 0 1 60 18 0 2 00 2 20 24 0 2 60 2 80 30 0 アスファルト層厚さ(mm) た わみ差 D 0 -D 9 0 ( m m) 剥離無し(重交通) 基層剥離(重) アスファルト安定処理層剥離 高機能舗装 セメント安定処理路盤 走行車線 片側大型車交通量 4,000-5,500台/日 y = 45124e-0.0198x R2 = 0.2579 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 1 00 12 0 14 0 1 6 0 1 80 2 00 22 0 24 0 2 6 0 2 80 30 0 アスファルト層厚さ(mm) 補正た わみ差 D 0 -D 9 0 ( ×1 0 -6) 剥離無し(重交通) 基層剥離(重) アスファルト安定処理層剥離 高機能舗装 セメント安定処理路盤 走行車線 片側大型車交通量 4,000-5,500台/日 図-9 たわみ差とアスファルト層厚さの関係 図-10 補正たわみ差とアスファルト層厚さの関係 ‴‴‴‴‴‴‴ 路床 100MPa 表基層 10cm Asb 15cm Subbase 25cm

(5)

を的確に評価することは重要であるので,以降では 当該指標を使用して,層内の剥離有無を区分できる か否かを考察する. 図-11 は,粒状路盤を採用した密粒度舗装につき, 補正たわみ差 D0-D90 と層内剥離(左図),及び表面 損傷(右図)との関係を示したものである.両方の 損傷の凡例は,層厚に対して共に上方に散布する傾 向を示している.しかし,層内剥離の凡例の殆どが 回帰曲線の上方に位置しているのに対して,路面損 傷の数点は下方に位置している.これは,図-5 で述 べたように,路面損傷「有」に比して層内剥離「有」 の方が大きな最大たわみ量を与えることに符号する ものである.これより,図-11 においては,補正た わみ差によって層内剥離を推定できる可能性がうか がえる. 図-12 は,重交通下の高機能舗装について,補正 たわみ差(D0-D90)と層内剥離の関係を示したもの である.ここでは,剥離無しが回帰曲線の上方に散 布し,層内剥離の凡例が回帰曲線の下方まで散布し ているので,層内の損傷有無を区分仕切れていない. 当該調査現場では全体的に損傷が進んでいたので, 図中には中交通の追越し車線のデータを付した.こ のデータの殆どが回帰曲線の下方に位置したこと, また層内剥離が無かったことから,交通履歴の途中 過程として推察される.この意味では,今後のモニ タリングにより,補正たわみ差による説明が可能な 供用条件を研究して行くこととしたい. 補正たわみ差 D0-D90 と損傷との関係については, この他の交通量及び車線区分,表層工種と下層路盤 の種別毎に調査したが,サンプル数が少ないことや, 混合物層が劣化していること等により,層内剥離の 有無を明確に区分できない場合もあった.また,剥 離がどの層にまで達しているかについても,剥離の 位置を区分できるように解明して行く必要がある. 中交通・走行車線 密粒度・粒状路盤 y = 14319e-0.0145x R2 = 0.4414 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 アスファルト層厚さ(mm) 補正 た わ み差 D 0 -D 9 0 ( ×1 0 -6) 剥離無し 表層剥離 基層剥離 アスファルト安定処理層剥離 全層破損 中交通・走行車線 密粒度・粒状路盤 y = 14319e-0.0145x R2 = 0.4414 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 アスファルト層厚さ(mm) 補正た わみ差 D 0 -D 9 0 ( ×1 0 -6) ひび割れ無し 横断クラック 縦断クラック 亀甲クラック 図-11 補正たわみ差と層内剥離及び路面損傷の関係(中交通・密粒度舗装) 重交通・追越し車線 高機能・粒状路盤 y = 4315.2e-0.008x R2 = 0.355 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 アスファルト層厚さ(mm) 補 正た わみ差 D 0 -D 9 0 ( ×1 0 -6) 剥離無し 表層剥離 基層剥離 アスファルト安定処理層剥離 中交通・追越車線 図-12 補正たわみ差と層内剥離の関係(重交通・高機能舗装)

(6)

これらについては,今後の課題としたい. 4. 基層混合物の耐久性評価 補修設計における高機能舗装対応の基層混合物の 性能を検討することを目的として,1 箇所当り採取 した 6 個のコアを各層に切り出した後,表-2 に示す ように 2 区分のうえ,試験に供した. 粒状路盤を採用した高機能舗装が最も損傷し易い こと,また採取したコア数が最も多かったことから, 以下には当該コアの試験結果を示す.損傷が顕著で あったコアは採取時点で破損する場合や,試験の過 程で自立できなくなる場合等に遭遇したので,室内 試験の評価に当たっては,現場の供用性を踏まえる ように留意した. レジリエントモデュラス(以下「MR」という)の 試験条件と加圧促進試験条件を表-3 と表-4 にそれ ぞれ示す.加圧促進試験の条件7)は,現場から採取 した基層コアの水密性を評価できるように開発され たものである. (1) レジリエントモデュラス 図-13 は基層の損傷状態が構造強度に影響を与え るという視点から,アスファルト層厚さが同程度で ある現場から採取した基層コアの MR と,コア採取 前の補正たわみ差を対比したものである.A 路線の 一部ではコアを採取したものの,MR 試験が実施で きず補正たわみ差しか表記できない箇所が多かった. これらの中には,特に補正たわみ差が著しく大きな 箇所もあったが,補正たわみ差と基層 MR との間に 負の相関は確認されなかった.この負の相関は B 路 線においても確認されなかった. また,B 路線の採取コアから剥離は全く確認され なかったが,A 路線の採取コアの大半から何れかの 層において剥離が確認された.これは,B 路線の補 正たわみ差が A 路線に比べてやや小さい値であった と共に,全てのコアから MR を得ることができたと いう事象に符合するものである. 何れにしても,基層の MR のみで構造強度を捉え るのは困難であるので,アスファルト全層でこれを 捉える必要があると判断した. 図-14 は,昨年の研究3)を踏まえて,MR に各層の 厚さを乗じたものの総和(以下「Σ(MR*層厚)」 という)と補正たわみ差の関係を示したものである. ここでは,A 路線において,第三層目のコアが破損 していた場合,当該 MR を0と見なした.当該コア のΣ(MR*層厚)は B 路線に比べて小さな値を示 したが,その一方で補正たわみ差はやや大きな値を 示した.これらの結果として,右下がりの傾向が得 られたものであるが,この傾向は MR の大きな材料 の使用またはアスファルト層厚さの増大により構造 の強化を示すものである. これより,アスファルト層厚さを変えない場合の 補修設計では,剥離等の損傷により MR が低下した 表-2 現場コアの物理試験(高機能舗装・粒状路盤) 試験項目 試験目的 コアの対象試験 対象コア レジリエントモデュラス FWD 構造評価との相関評価 ○ ○ 表・基・アス処理 標準圧裂試験 最大密度試験 疲労耐力の評価 空隙率の推定 ○ ○ − − 基層 加圧促進後の圧裂試験 最大密度試験 加圧促進後の疲労耐力の評価 加圧促進後の空隙率推定 − − ○ ○ 基層 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 栗東 (管) 栗東 (管) 栗東( 管) 栗東 (管) 栗東 (管) 彦根 (保) 彦根 (保) 彦根 (保) 彦根 (保) 彦根( 保) 彦根 (保) 第三 京浜 第三 京浜 第三 京浜 第三 京浜 MR ( M P a) 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 補 正 た わ み 差 D 0 -D 90 (× 10 -6 ) 基層 MR       △:A路線-R地区 □:A路線-H地区 ○:B路線 破線:単位たわみ差 図-13 基層の MR と補正たわみ差 表-3 MR 試験の条件 試験温度 25℃ 載荷周波数 1Hz 波形 ハーバーサイン 載荷時間 0.1秒 繰り返し荷重 735N 表-4 加圧促進試験の条件4) 項目 設定値 透水圧 100, 250kPa 側圧 375kPa 水温 60℃ 試験時間 4時間 透水・側圧水 10分 × 24サイクル 備 考 1サイクル各5分 最大透水圧の 1.5倍

(7)

材料をより高い MR を有する材料で置き換えること により,構造改善を図り得るものと推察される. (2) 圧裂強度 図-15 は基層コアの MR と標準圧裂強度の関係を 示したものである.B 路線のコアは,A 路線に比べ て大きな圧裂強度を示したので,当該基層はより耐 久的であることが推察される.これは,図-13 にお いて,B 路線の補正たわみ差が低い値を示している ことに符号するものである. これより,補修設計に際しては,MR に加えて圧 裂強度の高い材料を採用すべきであるという方向性 が確認された.今後はデータ数を増やすことにより, 規定値の設定を検討して行くこととしたい. (3) 空隙率 図-16 は基層コアの圧裂強度と空隙率の関係を示 したものである.H 地区のコアに着目すると,加圧 促進後の圧裂強度が標準圧裂強度よりも低下する傾 向を示している.試験のばらつきを考えると,これ が加圧促進に伴う空隙率の増大であるとは断定でき ない.促進前後の空隙率と共に損傷過程の把握につ いては,今後の課題としたい. 今後は,現場データを蓄積すると共に,混合物の 劣化性状も加味した検討を加えることにより,補修 設計における材料と混合物の性能検討を進めて行く こととしたい. 5.まとめ 今回の研究で得られた考察を以下に示す. ① 大型車交通量,車線区分,下層路盤,表層工種 別に分類した場合,アスファルト層厚が 200mm 未満の構造では,最大たわみ量が全体的に増大 する傾向が確認された.また,大型車の交通荷 重が最大たわみ量に与える影響も確認された. ② 高機能舗装,密粒度舗装共に,路面損傷「有」 よりも層内剥離「有」の方が大きな最大たわみ 量を示した.これより,層内の損傷状態を適正 に評価することは極めて重要であることが確認 された. ③ 調査区間では,最大たわみ量は主たる損傷層で あるアスファルト層の構造強度と高い相関を有 しているものと考え,当該層の構造強度を仮定 した数種類のたわみ差と最大たわみ量との相関 分析を実施した.その結果,たわみ差 D0-D90 が最も高い相関を示した. ④ たわみ差 D0-D90 をアスファルト層厚さで除し た 無 次 元 の 指 標 を こ こ で は 補 正 た わ み 差 D0-D90 と定義した.この指標により,アスファ ルト層内剥離の有無を推定できる可能性が確認 された. ⑤ 粒状路盤を採用した高機能舗装において,MR に各層の厚さを乗じたものの総和と補正たわみ 差の間に相関を確認した.これより,補修設計 では,より高い MR を有する材料で置き換える ことにより,構造改善を図り得るものと推察さ れる. ⑥ 補正たわみ差が小さな現場の基層コアは,より 大きな圧裂強度を示した.これより,補修設計 に際しては,MR に加えて圧裂強度の高い材料 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 空隙率(%) 圧 裂強度( M pa ) 標準圧裂(A路線-I地区) 標準圧裂(A路線-H地区) 促進圧裂(A路線-I地区) 促進圧裂(A路線-H地区) 図-16 圧裂強度と空隙率の関係(基層コア) 追越し車線・高機能・粒状路盤 y = 853.73e-1E-06x R2 = 0.5448 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 Σ(MR*層厚) MPa・mm 補正 た わみ 差 D 0 -D 9 0 (× 1 0 -6 ) A路線-R地区 A路線-H地区 B路線 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 標準圧裂強度(MPa) MR ( Mp a) A路線-H地区 A路線-R地区 B路線 図-14 FWD 構造評価と MR との関係 図-15 MR と圧裂強度の関係(基層コア)

(8)

を採用すべきであるという方向性が得られた. 6.今後の課題 NEXCO 総研では,FWD の全国測定と共に,舗装 構造別に代表的な現場から採取したコアを用いて, 混合物の性状把握を継続している. 今回の研究では,補正たわみ差 D0-D90 によって 層内剥離の有無を確認できた現場もあったが,粒状 路盤を採用した高機能舗装のように,損傷が顕著な 区間では,当該損傷指標では説明できない現場も確 認した.このような現場では,コア採取を要さない 手段として,基層の供用年数を考察する等の判定方 法も考慮する必要がある.これは,劣化を受けた場 合,補正たわみ差は大きくならないものの,混合物 としては脆弱化して剥離に至り易くなるという可能 性が推察されるからである. また,本質的なニーズとして,剥離の発生位置を 推定できるように解明して行く必要がある.これに ついては,採取コアの詳細な状態観察と共に,混合 物の劣化性状の把握に努めることにより,対応して 参りたい. 参考文献 1) 神谷恵三,山本忠守:高速道路における高機能舗装の 構造評価,土木学会舗装工学論文集第九巻,pp.171-176, 2004. 12 2) 神谷恵三,田中敏弘,風戸崇之:高速道路舗装の補修設 計手法に関する一考察,土木学会舗装工学論文集第十 二巻,pp.1-7, 2007. 12 3) 阿部勝義,神谷恵三,佐藤正和:高速道路舗装の構造的 損傷に関する一考察,土木学会舗装工学論文集第九巻, pp.179-180, 2004. 12 4) 阿部勝義,神谷恵三,佐藤正和:FWDのたわみ曲線を 用 い た 健 全 度 評 価 , 第 25 回 日 本 道 路 会 議 論 文 集,CD-ROM 論文番号 09P09, 2003 5) 阿部長門他:たわみ評価指標に基づく舗装の構造評価, 土木学会論文集 No.460/V-18, pp.41-48, 1993. 2 6) 道路保全技術センター:FWD 運用マニュアル,平成 8 年 3 月 7) 本松資朗,神谷恵三,松本大二郎,山田優:既設基層混合 物のはく離抵抗性の評価方法に関する研究,土木学会 舗装工学論文集第九巻,pp.73-79, 2004. 12

A STUDY ON DAMAGE EVALUATION OF ASPHALT PAVEMENT

IN THE JAPANESE EXPRESSWAYS

Keizo KAMIYA and Takayuki KAZATO

For the purpose of establishing a repair design method of asphalt pavements for the Japanese expressways, an efficient method of damage evaluation that does not need core sampling was studied for development. According to analyzing FWD data and sampled cores near the falling point, deflection difference (D0-D90) divided by asphalt layers’ thickness was found practically distinguishable from safe layers to those damaged. From materials testing of the cores, it was also found binder course mix for porous asphalt is to be with higher resilient modulus and splitting resistance.

参照

関連したドキュメント

電気集塵部は,図3‑4おに示すように円筒型の電気集塵装置であり,上部のフランジにより試

(第3図:B)でも略ヒ同様の位置を示すが,ヒの

左側の例では、 MSFC またはルータは VLAN 201 、 301 、 302 、および 303 の間をルーティングしま

本検討で距離 900m を取った位置関係は下図のようになり、2点を結ぶ両矢印線に垂直な破線の波面

(1) 建屋海側に位置するサブドレンのポンプ停止バックアップ位置(LL 値)は,建屋滞留 水水位の管理上限目標値 T.P.2,064mm ※1

運航当時、 GPSはなく、 青函連絡船には、 レーダーを利用した独自開発の位置測定装置 が装備されていた。 しかし、

RPV 代替温度計は N-10 ノズル内、 RPV 外側壁面より 5cm 程度内 側に設置→既設 RPV 底部温度計と同様に、 RPV

工事用車両の走行に伴う騒音・振動の予測地点は、図 8.3-5 に示すとおり、現況調査を実施し た工事用車両の走行ルート沿いである道路端の