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Academic year: 2021

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抄 録

会長講演

第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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会長講演

■ 座長略歴 ■ 山中 寿(やまなか ひさし) 医療法人財団順和会 山王メディカルセンター 副院長 リウマチ・痛風・膠原病センター長 1980年 3月 三重大学医学部卒業 1980年 4月 三重大学医学部第3内科入局 1983年 1月 東京女子医科大学付属リウマチ痛風センター助手 1985年 2月~ 1988年 1月 Scripps Research Institute(La Jolla, CA, USA)研究員 1991年10月 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター講師 1997年10月 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター助教授 2003年 5月 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター教授 2008年 8月 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター所長 2010年 2月 東京女子医科大学病院リウマチ科診療部長 兼任 2018年 5月 東京女子医科大学病院膠原病リウマチ内科・診療部長 2018年 6月 東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学講座・教授・講座主任 2019年 5月 医療法人財団順和会 山王メディカルセンター リウマチ・痛風・膠原病センター長 国際医療福祉大学 臨床医学医学研究センター 教授、東京女子医科大学 客員教授 2019年 7月 医療法人財団順和会山王メディカルセンター 副院長 リウマチ・痛風・膠原病センター長 国際医療福祉大学 リウマチ・膠原病内科学 教授 東京女子医科大学 客員教授 ■ 演者略歴 ■ 圡橋 卓也(つちはし たくや) 社会医療法人製鉄記念八幡病院 1980年 九州大学医学部 卒業、同 第二内科 入局 1990年 米国クリーブランドクリニック 研究員 1995年 九州大学医学部附属病院総合診療部 助手 2002年 同 助教授 2003年 国立病院機構 九州医療センター 内科医長 2014年 社会医療法人製鉄記念八幡病院 副院長 2015年 同 理事長・病院長 30 206 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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会長講演

高血圧実地診療における尿酸の位置づけ

社会医療法人製鉄記念八幡病院 ○圡橋 卓也  高尿酸血症は高血圧と高頻度に合併する。約700名の降圧薬服用者を対象としたわれわれの 調査における高尿酸血症の頻度は男性40.6%、女性8.6%であり、特にメタボリックシンドロー ム合併男性では50%が高尿酸血症を有していた。治療抵抗性高血圧あるいは減塩困難者に対 する利尿薬の使用も尿酸上昇の要因となることから、高血圧治療ガイドライン(JSH2019)が 提唱する厳格な降圧目標を達成する治療戦略の中でどのように尿酸管理を行うかは大きな課 題である。  高尿酸血症合併高血圧患者は肥満、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病(CKD)など他の心血 管リスク要因を併せ持っている者が多いことから、高血圧患者における尿酸と心血管病との 関係を検討することは困難である。 改訂された高尿酸血症・ 痛風の治療ガイドライン第3版 では、「高尿酸血症合併高血圧に対して、尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?」という Clinical Question(CQ)に対して「生命予後ならびに心血管病発症リスクの軽減を目的とした 尿酸降下薬の使用は積極的には推奨できない」という推奨文であった。一方、腎障害を有する 患者においては、「腎機能低下を抑制する目的で尿酸降下薬を用いることを条件推奨付きで推 奨」されている。それでは、高血圧の実地診療において、腎障害のない高尿酸血症合併高血圧 患者の尿酸管理をどう考えればいいのだろうか。  JSH2019では、高血圧の発症、重症化予防のための生活習慣の修正(非薬物療法)の重要性 を強調している。高血圧に対する生活習慣の修正項目の多くは高尿酸血症と共通であること から、高尿酸血症合併患者では、問題となっている生活習慣を調査し、実践可能かつ具体的 な指導を行うことが重要である。降圧薬の使用に際しても尿酸に配慮した薬剤の選択が必要 であるが、尿酸の上昇が懸念される利尿薬を使用する必要がある患者は、中等症以上の高血 圧で治療抵抗性になりやすい例であり、腎障害をはじめ臓器障害や心血管病発症の高リスク であることから、腎障害合併者に準じて積極的な尿酸降下薬の投与が望ましいと考えられる。  尿酸は、血糖、脂質、腎機能などに比べて心血管リスク要因としての位置づけは高くないが、 高尿酸血症を放置することは、心血管病の発症予防、生命予後改善という高血圧治療の目的 に対して負の影響を与える要因として認識し、患者の治療に対するアドヒアランスを維持し ながら非薬物療法と薬物療法を駆使して管理に努めることが重要と思われる。 31 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

抄 録

特別講演

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■ 座長略歴 ■ 鎌谷 直之(かまたに なおゆき) 株式会社スタージェン会長、つくば国際臨床薬理クリニック院長、公益財団法人 痛風財団理事長 昭和48年 東京大学医学部卒 昭和48年-54年 東京大学付属病院、日立総合病院 昭和54年(1979) 4月-57年(1982)3月 米国カリフォルニア州スクリプス研究所 昭和57年 4月-58(1983)年12月 東京大学物療内科助手 昭和58年 4月 医学博士(東京大学) 昭和59年 1月-59(1984)年12月 東京女子医科大学リウマチ痛風センター講師 昭和60(1985)年 1月-平成8(1996)年5月 同助教授 平成 元(1989)年 4月-平成2(1990)年3月 米国ミシガン大学内科客員教授兼任 平成 8(1996)年 6月-平成20(2008)年7月 東京女子医大膠原病リウマチ痛風センター教授 平成10(1998)年 5月-平成20(2008)年7月 東京女子医大膠原病リウマチ痛風センター所長 平成20年 8月- スタージェン、情報解析研究所所長 平成20年 8月- 東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター客員教授 平成21年 4月- 平成22(2010)年3月 理化学研究所ゲノム医科学研究センター副センター長 平成22年 4月- 23(2011)年12月 理化学研究所ゲノム医科学研究センター、センター長 平成23年12月- 株式会社スタージェン会長 平成28年 8月- 医療人工知能研究所所長(株式会社スタージェン内) ■ 演者略歴 ■ 林 克彦(はやし かつひこ) 九州大学大学院医学研究院応用幹細胞医科学講座 1996年 明治大学農学研究科修士課程修了 1996年 東京理科大学生命科学研究所 助手 2002年 大阪府立母子保健総合医療センター研究員 2005年 ケンブリッジ大学ガードン研究所・研究員 2009年 京都大学医学研究科 講師 2011年 独立行政法人科学技術振興機構さきがけ研究員(兼任) 2012年 京都大学医学研究科 准教授 2012年 京都大学iPS細胞研究所 特任講師(兼任) 2014年 九州大学大学院医学研究院 教授

特別講演

34 210 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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特別講演

ES/iPS細胞からの生殖細胞作製~技術開発とその意義

九州大学大学院医学研究院応用幹細胞医科学講座 ○林 克彦  生殖細胞系列は次世代の個体をつくる唯一の細胞系列である。言うならば不死の細胞系列 であり、遺伝物質はその細胞系列の中で減数分裂により多様性を付加されながらも、次世代 の個体発生に十分な能力を保つ。生殖細胞系列は種を維持および進化させる源であり、その 発生・分化には減数分裂のほか、エピゲノムリプログラミング、性分化など様々な特殊な過 程が含まれる。  生殖細胞系列の発生・分化過程を体外培養で再現できれば、そのメカニズムの多くにアプ ローチできる。特に多能性幹細胞を起点としてその過程を再現できれば、生殖細胞系列の発生・ 分化メカニズムの解明のみならず、得られる配偶子を用いた個体の作製も可能になる。我々 はこれまでにマウスのES細胞およびiPS細胞から機能的な卵子を分化誘導する体外培養法を 開発した。この培養系ではES/iPS細胞を始原生殖細胞(生殖細胞系列の起源)に一旦分化させ たのちに、胎仔卵巣の体細胞と再凝集して疑似卵巣を作製する。これらの疑似卵巣を培養膜 上に保持することにより、ES/iPS細胞由来の始原生殖細胞は卵母細胞へ分化し、最終的には 第二極体を放出した成熟卵子へと分化する。この培養系における卵母細胞系列の形態的変化 や遺伝子発現変動は体内でのそれらをほぼ踏襲しており、実際に得られた卵子の一部は受精 により個体にまで発生する。  これらの一連の研究により、体外において生殖細胞サイクルを再現できることを証明した が、この培養技術はまだまだ特殊技術の範囲を超えておらず、汎用的な技術への発展や他の 動物への応用には多くの問題を残す。本講演では、これらの研究を通じて見えてきた課題や 生殖細胞の発生・分化メカニズムの新しい知見について紹介したい。 35 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

抄 録

学会賞受賞講演

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■ 座長略歴 ■ 上田 孝典(うえだ たかのり) 福井大学 学長 昭和51年 4月 財団法人倉敷中央病院医員 昭和59年 7月 ノースカロライナ州立大学薬理学教室Visiting Scholar 平成 7年 8月 福井医科大学内科学(1)講座教授 平成15年10月 福井大学医学部附属病院長(併任) 平成20年10月 福井大学医学部長(併任) 平成25年 4月 福井大学理事・副学長(企画・財務戦略担当) 平成27年 4月 福井大学理事・副学長(企画戦略担当) 平成31年 4月 福井大学学長 ■ 演者略歴 ■ 高田 龍平(たかだ たっぺい) 東京大学 医学部附属病院 薬剤部 平成 7年3月 静岡県立静岡高等学校 卒業 平成11年3月 東京大学薬学部 卒業 平成13年3月 東京大学大学院薬学系研究科 修士課程 修了 平成16年3月 東京大学大学院薬学系研究科 博士後期課程 修了 (平成13年4月 ~ 平成16年3月 日本学術振興会 特別研究員DC1) 平成16年4月 東京大学医学部附属病院 薬剤部 助手 平成19年4月 東京大学医学部附属病院 薬剤部 助教 平成24年7月 東京大学医学部附属病院 薬剤部 講師 平成25年1月 東京大学医学部附属病院 薬剤部 第一副部長(併任)

学会賞受賞講演

38 214 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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学会賞受賞講演

尿酸排出トランスポーターによる尿酸動態制御メカニズムの解析

東京大学 医学部附属病院 薬剤部 ○高田 龍平  私は、学生時代からの専門である薬物動態学のバックグラウンドを活かし、トランスポー ターによる尿酸の全身動態制御機構について研究を進めてきました。以下に、防衛医大、東 京薬科大と東大を中心とした多施設共同研究による研究成果を紹介します。尿酸輸送に関す るin vitro実験、 モデル動物を用いたin vivo実験などの基礎研究部分の解析を私が担当し、 共同研究者の先生方と密に連絡を取りながら研究を進めてきました。

ABCG2のSNPsと高尿酸血症・痛風発症リスク(Science Translational Medicine, 2009)  新規尿酸輸送体としてABCG2を見出し、ABCG2がATP依存的に尿酸を細胞外に排出する ことをin vitro実験により示しました。また、日本人に高頻度に見られるABCG2遺伝子の機 能半減型遺伝子多型(Q141K)・機能欠損型遺伝子多型(Q126X)を持つヒトは血清尿酸値が高 値であること、両多型の組み合わせにより見積もられるABCG2機能が低いヒトほど痛風発症 リスクが高いことを、血液検体を用いた解析により見い出しました。

ABCG2の機能低下と腎外排泄低下型高尿酸血症(Nature Communications, 2012)

 ABCG2が消化管から糞中への尿酸排出を担うこと、ABCG2の機能低下による高尿酸血症 が消化管への尿酸排泄の低下によることを、Abcg2欠損マウスを用いたin vivo実験および臨 床検体を用いた解析により示しました。 これらの結果から、ABCG2の機能低下が 腎外排泄 低下型 高尿酸血症を引き起こすことが明らかとなり、新たな高尿酸血症の病態分類が提案さ れました。

血清尿酸値変動薬とABCG2機能阻害(Frontiers in Pharmacology, 2016)

 ABCG2と薬物との相互作用に着目し、種々のin vitro実験を行った結果、尿酸降下薬の中 には、臨床濃度においてABCG2を介した尿酸輸送を阻害しうる薬物が存在することが示され ました。これらの尿酸降下薬が消化管からの尿酸排泄を阻害しているのであれば、本来の血 清尿酸値降下作用の一部が相殺され、期待よりも治療効果が減弱しているものと考えられま した。  最後になりますが、共同研究でお世話になっている松尾洋孝先生、市田公美先生をはじめ とする多くの先生方、いっしょに研究を進めてくれた同僚、学生たちに深く感謝いたします。 今後も、臨床薬剤師としての視点を大事にしつつ、尿酸動態に関する研究を続け、基礎的に も臨床的にも重要な成果を得られるよう努めていきたいと思います。 39 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

抄 録

教育講演

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■ 座長略歴 ■ 圡橋 卓也(つちはし たくや) 社会医療法人製鉄記念八幡病院 1980年 九州大学医学部 卒業、同 第二内科 入局 1990年 米国クリーブランドクリニック 研究員 1995年 九州大学医学部附属病院総合診療部 助手 2002年 同 助教授 2003年 国立病院機構 九州医療センター 内科医長 2014年 社会医療法人製鉄記念八幡病院 副院長 2015年 同 理事長・病院長 ■ 演者略歴 ■ 二宮 利治(にのみや としはる) 九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野・教授 九州大学大学院医学研究院附属総合コホートセンター・教授(兼任) 平成 5年(1993) 3月 九州大学医学部卒業 平成 5年(1993) 6月 九州大学医学研究院病態機能内科学(旧第二内科)に入局(研修医) 平成 7年(1995) 6月 九州大学医学研究院病態機能内科学・腎臓研究室に入研 平成12年(2000) 3月 九州大学医学博士取得(免疫学) 平成15年(2003) 4月 久山町研究に入研(学術研究員) 平成18年(2006)10月 シドニー大学ジョージ国際保健研究所(海外学術研究員) 平成23年(2011) 4月 九州大学病院 腎・高血圧・脳血管内科(助教) 平成25年(2013) 8月 シドニー大学ジョージ国際保健研究所(上席研究員) 平成26年(2014) 5月 九州大学大学院医学研究院附属総合コホートセンター(教授) 平成28年(2016) 6月 九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野 (教授)

教育講演

42 218 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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教育講演

日本人の心血管病と危険因子の変遷―久山町研究から

九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野 ○二宮 利治  食生活や生活習慣の欧米化が進むわが国では、代謝性疾患の実態も時代とともに変化して きている。本講演では、福岡県久山町で長年継続している疫学調査(久山町研究)の成績を用 いて、わが国における代謝性疾患の時代的推移について検討する。  久山町研究では、1961年、1974年、1983年、1993年、2002年の生活習慣病健診を受診し た40歳以上の住民から心血管病の既発症者を除いた5つの集団を設定した。これら集団の成績 を用いて代謝性疾患の有病率の時代的推移を検討した。  高血圧は心血管病の最大の危険因子といわれている。久山町の40歳以上の健診受診者にお ける年齢調整後の高血圧(血圧≧140/90 mmHgまたは降圧薬の服用)の有病率は、 1961年から 2002年にかけて、男性では40%前後で有意な変化はなく、女性では35.9%から30.8%へとや や減少した。一方、集団全体に占める降圧薬服用者の割合は時代とともに増加し、その結果、 高血圧者における収縮期血圧の平均値は大幅に低下した。久山町研究では、糖代謝異常を正 確に評価するために、1988年以降、毎年の生活習慣病健診40-79歳の受診者に75 g経口糖負荷 試験を実施した。そこで、1988年と2002年の健診受診者を対象に、糖尿病の有病率を算出し た。その結果、糖尿病の粗有病率は、1988年では男性15.3%、女性10.1%であったが、2002 年ではそれぞれ24.0%、13.4%と特に男性で顕著に増加した。40歳以上の久山町住民にお ける肥満者(BMI≧25 kg/m2)の年齢調整後有病率は、男性では1961年の7.0%から2002年の 29.2%と増加したが、女性では1961年の12.9%から1983年の23.5%と上昇後、その頻度はほ ぼ横ばいであった。高コレステロール血症(血清総コレステロール≧220 mg/dL)の有病率は、 1961年の男性2.8%、女性6.6%から1983年の男性23.0%、女性33.5%に増加したが、その後 は男女ともに横ばいに推移した。高尿酸血症(血清尿酸値≧7.0 mg/dL)の有病率は、男性では 1973年から2002年にかけて8%から22%に増加したが、女性では1%から2%とわずかな変化 であった。  わが国では、降圧薬治療の普及に伴い高血圧管理は改善したが、食生活の欧米化や運動不 足の蔓延に伴い、糖尿病、高コレステロール血症、肥満といった代謝性疾患が増加した。今 後も、厳格な血圧管理を推進するとともに、代謝性疾患への対策が重要であるといえよう。 43 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

抄 録

シンポジウム

シンポジウム1:

改訂ガイドラインの評価と今後の課題

~関連学会の立場から~

S1-01~S1-05

シンポジウム2:

多職種協同で取り組む痛風・高尿酸血症患者の

生活指導

S2-01~S2-05

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シンポジウム1

■ 座長略歴 ■ S1 久留 一郎(ひさとめ いちろう) 鳥取大学大学院 再生医療学分野 昭和50年 4月 1日   鳥取大学医学部医学科入学 昭和56年 3月31日   鳥取大学医学部医学科卒業 昭和58年 4月 1日   大分医科大学生理学教室 特別研究生 昭和60年 3月31日   鳥取大学大学院医学研究科博士課程修了医学博士(鳥取大学) 昭和61年11月 1日   米国ノースウェスタン大学医学校内科循環器科研究員採用 昭和63年11月 1日   鳥取大学医学部第一内科 助手採用 平成 5年 6月 1日   米国ペンシルバニア大学分子内科研究員採用 平成 7年 6月 1日   鳥取大学医学部第一内科 助教採用 平成10年 4月 1日   鳥取大学医学部第一内科 助教授 昇任 平成15年 4月 1日   鳥取大学大学院医学系研究科 再生医療学分野 教授就任 平成23年4月~25年3月 鳥取大学大学院医学系研究科(機能再生医科学)専攻長(第一期)を兼任 平成28年4月~29年3月 鳥取大学医学部付属病院 次世代高度医療推進センター 副センター長を兼任 平成29年4月~31年3月 鳥取大学大学院医学系研究科(機能再生医科学)専攻長(第二期)を兼任 ■ 座長略歴 ■ S1 藤森 新(ふじもり しん) 帝京大学医学部附属新宿クリニック 院長 1976年 3月 東京大学医学部医学科 卒業 1981年 4月~1986年12月 帝京大学医学部第二内科 助手 1986年12月~1988年 3月 米国ミシガン大学 研究員 1988年 4月~1990年 3月 帝京大学医学部第二内科 講師 1990年 4月~1997年 3月 帝京大学医学部第二内科 助教授 1997年 4月~2016年 3月 帝京大学医学部内科 教授 2014年 4月~2016年 3月 帝京大学医学部附属病院 病院長 2016年 4月~ 帝京大学医学部附属新宿クリニック 院長(現職) 46 222 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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■ 演者略歴 ■ S1-01 浜田 紀宏(はまだ としひろ) 鳥取大学医学部地域医療学講座 平成 5年 3月 博士(医学)(鳥取大学) 平成 5年 4月~平成 7年 3月 公立香住総合病院 内科医師 平成 7年 4月~平成23年 3月 鳥取大学医学部病態情報内科学分野所属 平成23年 4月より現職 ■ 演者略歴 ■ S1-02 内田 俊也(うちだ しゅんや) 帝京平成大学 1978年 3月 東京大学医学部医学科卒業 1984年11月~87年10月 米国国立衛生研究所 2004年 4月 帝京大学医学部内科 教授 2018年 4月 帝京平成大学ヒューマンケア学部教授・国際交流センター長(現職) 帝京大学医学部内科 客員教授 47 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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■ 演者略歴 ■ S1-03 野出 孝一(ので こういち) 佐賀大学 医学部内科学講座 主任教授 1988年 佐賀医科大学卒業 1997年 大阪大学大学院修了 1997年 ハーバード大学博士研究員 2002年 大阪大学第一内科講師 2002年 佐賀大学循環器内科教授 2016年 佐賀大学内科主任教授 ■ 演者略歴 ■ S1-04 益崎 裕章(ますざき ひろあき) 琉球大学大学院 内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座(第2内科) 1989年(平成元年) 京都大学 医学部 卒業 1996年 京都大学 大学院医学研究科 博士課程修了(第二内科、分子医学専攻) 医学博士 2000年 ハーバード大学医学部 招聘博士研究員・客員助教授(Co:医学部長Jeffrey S. Flier教授) 2008年 京都大学 内分泌代謝内科 講師 2009年 琉球大学 大学院医学研究科 内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座 (第二内科) 教授 2014年 琉球大学 医学部附属病院 副病院長 併任 2015年 琉球大学 医学部 副医学部長 併任 2016年 寄附講座 『糖尿病とがん 病態解析学講座』 教授 併任 48 224 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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■ 演者略歴 ■ S1-05 森 成志(もり しげし) 近畿大学医学部奈良病院 整形外科・リウマチ科 平成 8年 近畿大学医学部医学科卒業 近畿大学医学部整形外科学教室入局 平成14年 近畿大学医学部大学院卒業 同 整形外科教室 助手 平成19年 宝ほうせいかい生会PL病院整形外科 整形外科主任医師 平成22年 近畿大学医学部整形外科学教室 同 医学部講師  平成29年 近畿大学医学部奈良病院 整形外科・リウマチ科 診療講師 令和 元 年 近畿大学奈良病院 整形外科・リウマチ科 講師 49 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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S1-01

改定ガイドライン活用状況に関するアンケート結果報告

鳥取大学医学部地域医療学講座 ○浜田 紀宏 【背景】 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(GL)の発刊後10年以上が経過するが、医師に よる活用状況に関して検討されていなかった。改訂GL(第3版)では、GLに対するモニタリン グの一環として、活用状況に関するアンケート調査を行うことが本文に明記されている。 【目的】 「高尿酸血症・痛風の治療GL活用状況に関するアンケート調査」した医師の集団におい て、本GLが日常診療で役立つと考えている割合と高尿酸血症・痛風患者に対する診療行動を 評価し、日本痛風・尿酸核酸学会所属の有無ならびに医師の専門性による差異を検討する。 【研究デザイン】 横断研究 【方法】 改訂GL上梓前(2018年10∼11月)に本学会員に対して、上梓直後に開催された研究会 参加者(2019年3月∼6月)に対して、高尿酸血症・痛風患者に対する診療行動とGLの使用状況 に関する設問を尋ねる多肢選択式のアンケート調査を実施した。アンケートの中で、改訂GL における7つのクリニカルクエスチョンで対象となっている患者に関する診療行動を尋ねる問 いをそれぞれ1問ずつ設けた。GLが日常診療で役立つと考えているか否か、高尿酸血症・痛 風患者に対する診療行動別に2群に分け(例:CKDに尿酸降下薬を使用するか否か)、各群の 割合を従属変数とした。また、回答者の属性として学会所属の有無ならびに実施場所、医師 の専門性(整形・リウマチ、心・腎泌尿器・代謝、その他)、性別から説明変数を定義し、そ れぞれの従属変数に関するFisher正確確率検定ならびに多項多重ロジスティック回帰分析を 実施した。 【結果】 2019年11月17日現在、医師による回答466件(うち学会員70件)を集計した。GLが日 常診療に役立つとする医師の割合は概ね80%以上で、学会所属を問わず同等であった。腎機 能低下抑制目的での尿酸降下薬使用、無症候性高尿酸血症に対する生活指導を行う医師の割 合も、学会所属を問わずそれぞれ80%以上、75%以上であった。一方、痛風患者にコルヒチ ンを選択する医師は半数未満であった。痛風結節を有する患者に血清尿酸値≦6.0mg/dlを目 指す割合は非学会員の方が小さかった。医師の専門領域別の検討では、整形・リウマチ標榜 医は他の医師と比べて痛風患者へのコルヒチンカバー、高尿酸血症患者への食事指導を高率 に行う傾向がみられた。 【結語】 長年にわたる広報活動などによって、高尿酸血症・痛風の治療GLは医師に広く浸透し て活用されていることが示唆された。 改訂GLでは推奨内容が今までと異なっており、GLの 活用や医師の診療行動の変化を評価するため、本アンケート調査を繰り返し行う必要がある と考えられた。 50 226 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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S1-02

腎学会の立場から

帝京平成大学ヒューマンケア学部 ○内田 俊也  高尿酸血症がCKDの進行因子であるのかは医学的にも医療的にも極めて重要な課題であ る。多くの観察研究ではYesの解答が示されているが、尿酸以外の交絡因子の影響を十分に除 外できているかを評価することは極めて難しい。一方、ベースラインの交絡因子を制御でき るとされる無作為並行比較試験はいくつかあるものの登録患者が少ない、フォローアップ期 間が短い、腎機能にばらつきがあるなど様々な限界が指摘され、十分なエビデンスとして確 立しているとは言えない。  高尿酸血症は尿酸結晶による機序を越えて、レニン-アンジテンシン系の活性化、糸球体輸 入細動脈の血管障害、酸化ストレス、炎症、腎尿細管細胞の上皮間葉転換などの様々なメカ ニズムで腎障害を引き起こす可能性がある。 実際、 オキソニン酸投与による動物実験では、 血清尿酸値の相対的な上昇により血圧上昇、腎の細動脈・弓状動脈の肥厚、ポドサイト障害 を介した尿アルブミン増加などが認められ、明らかに腎障害を惹起することが報告されてい る。  2018年末に本学会から「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」が9年ぶりに改訂出 版された。リアルワールドで感じる臨床的な疑問すなわちクリニカルクエスチョンを上位7 つに絞ってシステマティックレビューおよびメタ解析が行われた。そのなかで、「腎障害を有 する高尿酸血症の患者に対して尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?」というCQ2に対 して、「腎障害を有する高尿酸血症の患者に対して、腎機能低下を抑制する目的に尿酸降下薬 を用いることを条件つきで推奨する」とした。逆に言えば無条件に推奨するわけではないとい う意味である。その理由は、性別、糖尿病性腎症の有無、尿蛋白の程度、腎機能低下の程度、 他の臓器障害の有無、尿酸降下薬の種類などについては検討できていないからである。  今後の課題としては、試験デザインや介入薬剤、試験期間などが統一されておらずメタア ナリシスでも異質性が高かった点の克服が求められる。さらに、ガイドライン作成時以降に 出版された報告が含まれていないため、それらを追加しての再解析が必要である。腎イべン トについてもアウトカムに異質性が高くさらなる検討が必要と考える。 最も重要なことは、 改訂ガイドラインでは「条件付きで推奨する」としたが、短期間のeGFRの保持が最終的に末期 腎不全を抑制できるかは十分なエビデンスがない。しかし今後RCTで解決すること困難と思 われ、質の高い観察研究を用いて交絡因子を極限まで除外できる統計学的手法を駆使しての 解析結果が望まれる。 51 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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S1-03

日本循環器学会の立場から

佐賀大学医学部循環器内科 ○野出 孝一  コホート研究からは、高血圧症やハイリスク患者において、高尿酸血症の存在は、動脈硬 化、心血管イベントおよび死亡リスク増大との関連性が認められている。さらに小規模ながら、 薬物介入によって炎症マーカーや酸化ストレスマーカー、血管内皮機能などが改善したとす る研究もある。これによって、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版では、尿酸値が脳 心血管死の独立したリスク因子であると報告され、エビデンスレベルE-2として表記された。 大規模な前向き臨床試験は十分に行われておらず、対象者数や脱落数、イベント数の少なさ、 Stevens-Johnson症候群などの有害事象への懸念もあり、また新規XO阻害薬に関してもアロ プリノールを凌ぐ好結果が認められていない現状がある。この結果をふまえ、日本痛風・核 酸代謝学会ガイドライン第3版において、高尿酸血症合併高血圧症患者に対して、生命予後な らびに心血管病発症リスクの軽減を目的とした尿酸降下薬の使用は、その有益性に関するエ ビデンスは非常に弱いと判断され、積極的には推奨できないといった結論に至っている。今 後は、どのような背景の高尿酸血症患者に対して積極的な介入をすべきかという点について 明確にされる必要がある。 52 228 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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S1-04

肥満症・メタボリックシンドロームにおける高尿酸血症の捉え方

琉球大学 大学院医学研究科 内分泌代謝・血液・膠原病 内科学講座(第二内科) ○益崎 裕章  2019 年に改訂された高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第 3 版にも明記されている通り、高尿 酸血症・痛風患者ではメタボリックシンドローム(MetS)や肥満症を高頻度に合併しており、高尿 酸血症そのものは MetS の診断基準には含まれていないものの、肥満症における主要な健康障害のひ とつとして位置付けられている。血清尿酸値は男女いずれにおいても将来の MetS 発症に対する独立 した予測因子であることがほぼ確立しているが、高尿酸血症自体が MetS や肥満症の原因となるか否 かに関しては未だ大規模臨床試験の結果が出揃っていないのが現状である。そもそも、血清尿酸値は 産生側、排泄側の多様な要因に影響される巨大な血中プールの反映であり、時々刻々の血清尿酸値 が特定の病態を鋭敏に捉えるものとは言い難い。従来の種々の臨床研究や薬剤トライアルにおいて、 特に高尿酸血症自体が慢性腎臓病や心血管病のリスクとなるのか否か、に関してクリアな結果が導 き出せなかった最大の理由は まさに この点にある と言える。一方、尿酸生成酵素であるキサンチ ン・オキシダーゼは強い抗酸化力を有する尿酸を産生するのと並行して酸化ストレスを生み出すと いう精妙でユニークな生体システムである。血中のキサンチン・オキシダーゼ活性には約 100 倍の 大きな個体差があり、低値から高値まで、せいぜい 3 ~ 4 倍のレンジで分布する血清尿酸値とは好 対照である。キサンチン・オキシダーゼの遺伝子発現や酵素活性は炎症性サイトカインや低酸素刺激、 リポ多糖やグルココルチコイド、動物性脂肪など、まさしく、MetS や肥満症の病態形成に関わる諸 因子によって強力に誘導され、局所の酸化ストレス亢進を介して種々の臓器機能不全の病態に関与 することが知られている。超高感度の血中キサンチン・オキシダーゼ活性測定系を開発し、2 型糖尿 病や肥満症患者を対象として行った最近の私達の臨床研究からは 血中キサンチン・オキシダーゼ活 性は血清尿酸値とは明らかな相関性を示さず、インスリン抵抗性指標や肝機能異常と血中キサンチ ン・オキシダーゼ活性が強い相関性を示すことが明らかとなっている (Sunagawa S, Masuzaki H et al. J Diabetes Investig 10:94-103, 2019)。さらに、白血病などの血液悪性腫瘍の患者においても化 学療法に伴う肝機能障害の程度を鋭敏に反映して血中キサンチン・オキシダーゼ活性が変動するこ とを見出している (Hokama N, Masuzaki H et al. Hematological Oncology 37:527-530, 2019)。本 講演では肥満症・MetS における高尿酸血症の捉え方・考え方に関して私達のデータも含めて最近の 動向を御紹介したいと思う。

53

第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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S1-05

整形外科における痛風管理の現状

1)近畿大学奈良病院 整形外科・リウマチ科、2)近畿大学医学部整形外科学教室 ○森 成志1)、森竹 章公1)、山崎 顕二1)、鳥海 賢介1)、神谷 正人1)、戸川 大輔1)、 赤木 將男2) 【はじめに】高尿酸血症は腎障害や脳・心血管病などの臓器障害に関連する重要な病態である が、急性痛風性関節炎の患者の多くは整形外科を初診する。しかし尿酸代謝や高尿酸血症の 病型、尿酸下降薬の注意点などに関して我々整形外科医の知識が十分であるとは言えず、発 作後の尿酸管理の適否には疑問が残る。今回の高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン改定に あたり、整形外科における痛風管理の現状につきアンケート調査を行った。 【対象と方法】2019年8月、演者の所属する近畿大学医学部整形外科学教室同門会(近整会)会 員を対象に郵送によるアンケート調査を行った。内容は痛風の病態、診断、治療ならびに高 尿酸血症への対処についてガイドラインの記載に基づく17質問を作製し、日常診療に沿った 回答を依頼した。 【結果】156通中84名(53.8%)より回答を得た。 回答者の内訳は診療所45%、 一般病院勤務 41%、大学附属病院勤務14%であった。日常臨床で痛風に遭遇する頻度は1∼数ヶ月に一度 が最多であり、好発部位は第1中足趾節(MTP)関節、足関節、膝関節の順であった。痛風結 節の合併は5%以下が大半であった。痛風の診断には高尿酸血症の既往、第1MTP関節罹患、 関節液中の尿酸Na結晶が重視され、偽痛風、化膿性関節炎、蜂巣炎が鑑別として重要であっ た。 画像診断は主に単純X線と偏光顕微鏡による関節液の検鏡が行われ、 関節エコーやdual energy CT、MRIの使用頻度はわずかであった。痛風の治療は96%が非ステロイド性消炎鎮 痛剤(NSAIDs)であり、コルヒチンの使用頻度は26%、COX-2選択的阻害薬は25%、経口グ ルココルチコイドは13%であった。使用されるNSAIDsはロキソプロフェンNaが71%、次い でジクロフェナクNa21%であった。尿酸降下薬は82%がフェブキソスタット、次いでアロプ リノール52%、ベンズブロマロン18%が続いた。フェブキソスタットとアザチオプリンの併 用禁忌についての認識は31%、メルカプトプリンについては17%であった。尿酸下降薬投与 後の痛風予防には主にNSAIDsとCOX-2選択的阻害薬が使用され、コルヒチンは16%であっ たが、発作予兆時の頓用使用が大半を占めた。また55%が予防を行わないと回答した。尿酸 値のコントロール目標は6.0mg/dl未満が58%、正常上限以内34%がこれに続いた。 【考察】痛風の診断は臨床像と血液検査、 尿酸Na結晶の証明によりほぼ可能である。 治療は NSAIDsが中心で、ガイドラインの記載と異なりコルヒチンやステロイドの使用頻度は低い。 半数強が6.0mg/dl以下を血清尿酸値のコントロール目標としていたが、尿酸下降薬の副作用 や併用禁忌薬についての認識は十分ではなかった。新ガイドライン発刊を機会に整形外科医 に対する重要事項の啓蒙が必要であると言える。 54 230 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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シンポジウム2

■ 座長略歴 ■ S2 谷口 敦夫(たにぐち あつお) 東京女子医科大学 膠原病リウマチ内科学講座 1983年 3月 三重大学医学部卒業 1983年 5月 東京女子医科大学循環器内科研修医として入局 1985年 5月 東京女子医科大学附属リウマチ痛風センター助手 1994年 8月 東京女子医科大学附属青山病院内科助手 1996年 5月 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター助手 1997年 3月 同 講師 2003年 6月 同 助教授(2007年4月~准教授) 2008年10月 同 教授 2018年 5月 東京女子医科大学膠原病リウマチ内科 教授 ■ 座長略歴 ■ S2 金子 希代子(かねこ きよこ) 帝京大学 薬学部 医薬化学講座 臨床分析学研究室 教授 帝京大学 女性医師・研究者支援センター 室長(兼務) 昭和49年 3月 愛媛県立 西条高等学校 卒業      4月 東京大学 理科II類 入学 昭和53年 3月 東京大学 薬学部 薬学科 卒業      4月 東京大学大学院 薬学系研究科 入学(生命薬学専攻) 昭和55年 3月 同 研究科 修士課程 修了      4月 帝京大学 医学部 第二内科学教室 助手 昭和61年10月 東京大学 学位取得 ・ 薬学博士 平成 1年 4月 帝京大学 医学部 第二生化学教室 講師 平成 3年 4月 同 中央機器室 講師 平成15年 4月 帝京大学 薬学部 物理化学講座 薬品分析学教室 講師 平成16年 4月 同 助教授 平成18年 4月 同 教授 平成24年 4月 帝京大学 薬学部 医薬化学講座 臨床分析学研究室 教授 平成29年 8月 帝京大学 女性医師・研究者支援センター 室長(兼務) 55 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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■ 演者略歴 ■ S2-01 児玉 知子(こだま さとこ) 北九州市保健福祉局 健康推進課 国保健診係 平成 7年 九州大学医療技術短期大学卒業 九州大学医学部附属病院勤務 平成12年 滋賀医科大学医学部看護学科3年次編入 平成14年     〃    看護学科卒業 平成14年 九州大学医学部付属病院勤務 平成16年 北九州市入職、保健師として勤務 平成31年4月 保健福祉局保健医療部健康推進課国保健診係に配属 ■ 演者略歴 ■ S2-02 冨永 光裕(とみなが みつひろ) 国立病院機構 九州医療センター 高血圧内科科長 昭和60年(1985年) 3月27日 九州大学医学部医学科卒業 昭和60年(1985年) 6月 1日 九州大学医学部附属病院(内科研修医) 昭和61年(1986年) 6月 1日 北九州市立戸畑病院(内科医師) 昭和62年(1987年) 6月 1日 九州大学医学部附属病院(第二内科医員) 昭和63年(1988年) 6月 1日 公立学校共済組合九州中央病院(内科医師) 平成 3年(1991年) 6月 1日 九州大学医学部附属病院(第二内科医員) 平成 4年(1992年) 4月 1日 新日鐵八幡製鐵所病院(内科医師) 平成 6年(1994年) 7月 1日 国立病院九州医療センター(腎臓高血圧内科医師) 平成11年(1999年) 4月 1日 公立学校共済組合九州中央病院(第四内科部長) 平成25年(2013年)12月 1日 国立病院機構九州医療センター(高血圧内科科長) 平成31年(2019年) 4月 1日 国立病院機構九州グループ 医療担当参事兼任 56 232 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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■ 演者略歴 ■ S2-03 高木 宜史(たかぎ のりふみ) T's energy (両国東口クリニック) 2009年 カリフォルニア州立大学フレズノ校卒業後、全米アスレティックトレーナー協会公認アスレティックト レーナーを取得 2012年 フレズノパシフィック大学大学院卒業、在学時に全米ストレングス・コンディショニング協会認定スト レングス・コンディショニングスペシャリストを取得。アシスタントアスレティックトレーナーとして 大学に勤務 2012年 bjリーグ島根スサノオマジックでアスレティックトレーナーとして2シーズン勤務 2014年 医療法人社団つばさ メディカルフィットネス T’s Energy(ティーズ エナジー)にてパーソナルト レーニングや運動療法を実施 2019年 健康運動指導士を取得 ■ 演者略歴 ■ S2-04 大森 和代(おおもり かずよ) 医療法人如水会 嶋田病院 栄養管理室 管理栄養士 平成 5年       熊本県立女子大学 生活科学部 食物栄養学科 卒業 平成 5年~平成15年 医療法人如水会 嶋田病院 栄養課 平成15年~平成25年 日清医療食品株式会社 事業所チーフ 平成25年       医療法人如水会 嶋田病院 栄養管理室 入職 57 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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■ 演者略歴 ■ S2-05 孰賀 佳冬(つるが けいと) 株式会社フォーラル 栄養関連活動推進担当マネジャー とまと薬局配属 管理栄養士 2006年 3月 東京都立国分寺高等学校 卒業 2008年 3月 日本工学院八王子専門学校 健康スポーツ科学科 卒業 2010年 3月 実践女子短期大学 食物栄養学科 卒業 2012年 3月 女子栄養大学 栄養学部 食文化栄養学科 卒業 2012年 4月 株式会社エポックスポーツクラブ 栄養士兼インストラクター 2015年 4月 株式会社フォーラル 入社 2016年10月 株式会社フォーラル 栄養関連活動推進担当マネジャー 58 234 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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S2-01

特定健診受診者の高尿酸群の実態

1)北九州市保健福祉局健康医療部健康推進課、2)社会医療法人製鉄記念八幡病院 ○児玉 知子1)、仲山 智恵1)、藤島 慎一郎2)、圡橋 卓也2)  本市は健診データやレセプトデータによる医療費分析の結果から、健診有所見者が非常に 多く、さらには人工透析の件数、医療費が増加していたことから、特定健診開始時(平成20年度) より、厚生労働省が定める検査項目にない尿酸、血清クレアチニン検査を独自に実施している。  今回、 平成29年度に本市の特定健診を受診した54,278人のデータについて、 尿酸値が7.0 ㎎/dlを超える者及び高尿酸血症と診断されたことがある者(以下、「高尿酸群」という)と、その 他の者について、各リスクとの関連を比較した。連続変数の群間比較ではt検定を、割合の比 較ではχ二乗検定を用いた。  高尿酸群は全体の14.7%だった。高尿酸群はその他の者に比べ、特定保健指導の階層化で 使用するリスク(血圧、血糖、脂質、腹囲、BMI、メタボリックシンドローム)の保有率が有 意に高く(p<0.001)、高血圧症、糖尿病、脂質代謝異常症の診断基準に該当する者(診断を受 けたことがある者も含む)も多かった。また、尿酸値が高いとe-GFRが有意に低下しているこ とも明らかとなった(p<0.001)。  今回、高尿酸群は、特定健診の階層化のリスクや、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロー ム等に該当する割合が高いという結果が得られた。本市では独自の取り組みとして、特定保 健指導に該当しない血圧、血糖、脂質、e-GFR等の有所見者にも、関係学会のガイドライン 等に基づき保健指導を行っている。この取り組みが高尿酸血症のリスクに対する働きかけに もなっていることが確認できた。  これらの結果について、専門職(保健師、管理栄養士、看護師)で共有し、今後の保健指導 に活かすとともに、 本市の腎機能低下予防対策であるCKD予防連携システム(特定健診受診 者から腎機能低下者を適切に医療機関につなげるための仕組み)の運用、糖尿病重症化予防の ための糖尿病連携手帳を活用した多職種連携の取り組みを今後も充実させ特定健診有所見者 や新規透析導入者の減少、さらには市民の健康寿命の延伸を目指して行きたい。 59 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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S2-02

高血圧患者における尿酸管理状況と尿酸チェックシートを用いた

指導

国立病院機構 九州医療センター 高血圧内科 ○冨永 光裕  当科は、高血圧専門外来において600名以上の定期通院者をデータベース化し、2年毎に一 斉調査を実施して、厳格な血圧管理のみならず、高尿酸血症等合併する代謝異常に対しても 積極的な介入を行っている。高血圧に合併する高尿酸血症には、慢性腎臓病や降圧薬として 使用する利尿剤との関連も認められる。2018年における644名の患者(平均年齢68歳、 女性 53%)を対象とした調査では、高尿酸血症(血清尿酸値>7mg/dlあるいは尿酸降下薬服用)を 29%(男性45%、女性15%)に認めており、この頻度は2012年以降、徐々に増加傾向にある。 血清尿酸値6mg/dl以下の達成率は64%であり、この割合はほぼ一定であるが、処方された尿 酸降下薬の内訳は大きく変化している。2012年ではアロプリノール53%、ベンズブロマロン 42%、フェブキソスタット5%であったが、2018年にはそれぞれ20%、17%、60%となって いる。  外来での生活指導においては、減塩に関して短時間で繰り返し実施できる塩分チェックシー トを以前より活用している。今回、2018年の調査時に、血清尿酸値に影響を及ぼすと考えら れる食習慣を中心とした生活習慣を評価する簡易食事調査票「尿酸チェックシート」の妥当性 について検証した。尿酸チェックシートは肉類、レバー・白子、魚の干物、野菜、果物、海藻、 牛乳・乳製品、揚げ物、食事量、アルコールの摂取頻度、水分摂取量、肥満度、運動頻度を 加えた全13の質問項目からなる。 総得点は2点から28点まで正規分布し、 平均13.7点であっ た。若中年者(65歳未満)の得点は前期・後期高齢者より高く(15.8 vs 前期13.1、後期12.2、 p<0.01)、男性の得点は女性より高かった(14.8 vs 12.7、p<0.01)。各項目も年齢、性別によ る生活習慣の違いを明確に反映しえたが、総得点と血清尿酸値との相関は有意ではあるもの の、その程度は低かった(r=0.10)。高プリン体食の摂取頻度が必ずしも血清尿酸値に反映さ れず、その要因として慢性腎臓病の存在や利尿薬の使用など病態や薬剤の影響が挙げられる。 患者の特性や病態を考慮した上で尿酸チェックシートを用いた指導を行うことが重要と考え られる。 60 236 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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S2-03

高尿酸血症患者に対する運動療法 Tsubasa/Tsufu Interval

Training(TIT)

1)T’s Energy(両国東口クリニック)、2)帝京大学医学部附属新宿クリニック ○高木 宜史1)、大山 博司1)、大山 高史1)、田代 優輝1)、松本 匠平1)、片岡 秀人1)、 原口 晃1)、韓 宗煜1)、作山 春香1)、大山 恵子1)、諸見里 仁1)、藤森 新2)  『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版』では、運動は肥満を是正し、メタボリッ クシンドロームを改善することにより血清尿酸値を低下させることが期待されるとしている。 また、短時間の激しい運動では血清尿酸値が上昇するが、有酸素運動ではそれほど上昇しな いとも報告されている。激しい運動による血清尿酸値の上昇が痛風発作のトリガーとなるこ ともあるため、高尿酸血症・痛風患者には低強度の有酸素運動が推奨されてきた。  しかし、無酸素運動として避けられがちであるレジスタンストレーニング(筋力トレーニン グ)にも利点がある。成人の筋肉量は20代をピークに徐々に減少する。筋肉量の減少はADL やQOLに大きな影響を及ぼすとともに、基礎代謝量の低下や血糖値上昇を促す。レジスタン ストレーニングは筋肉に負荷をかけてトレーニングをするため、有酸素運動では達成しにく い筋肉量の維持・増加に繋がりADLやQOLの維持・改善をもたらし、基礎代謝量の増加も期 待できる。そのため、肥満や糖尿病の改善を目的とした場合、有酸素運動とレジスタンストレー ニングの併用が最も効果的であることが報告されている。  2017年に実施した「高尿酸血症患者と健常者に対して、3種類の運動(有酸素運動、低強度 レジスタンストレーニング、高強度レジスタンストレーニング)を実施し、運動直後と運動翌 日の血清尿酸値への影響を観察した」我々の研究では  ① 高尿酸血症患者では運動の種類や強度にかかわらず血清尿酸値が上昇しやすい可能性が 示唆された。  ② 高尿酸血症患者に対する低強度(3Mets・20RM)レジスタンストレーニングの血清尿酸 値への影響は有酸素運動と同程度と考えられた。  ③ 高強度(6Mets・10RM)レジスタンストレーニングは、血清尿酸値の上昇を認めること から痛風・高尿酸血症患者に対してレジスタンストレーニングを実施する際には低強度 に留めることが望ましいと考えた。  そこで、今回の研究では高尿酸血症患者と健常者に対して、レジスタンストレーニングと 有酸素運動を組み合わせた低強度のインターバルトレーニング(TIT)の血清尿酸値への影響 を検討した。  インターバルトレーニングとは運動を実施後、回復を行うことを間欠的に繰り返すトレー ニング方法で、最大酸素摂取量を増加させ、安静時血圧を低下させ、インスリン反応を増加 させるなどが期待できる。  高尿酸血症・痛風に対するインターバルトレーニングの具体的な実施方法を提案する。 61 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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S2-04

痛風患者の体重減量を目的にした外来栄養・運動療法指導の

取り組み

医療法人如水会 嶋田病院 ○大森 和代  痛風・高尿酸血症患者では体重過多が多いため、減量が必要である。しかし生活習慣の改 善は容易ではない。そこで当院では、肥満患者に対し食事療法と運動療法をセットにし複数 回行う生活指導を始めた。初年度は思うような体重減量には至らなかったが、次年度になり 体重減量の結果が現われてきた。この指導内容を振り返り、見えてきた指導効果及び問題点 を明らかにした。 【指導方法】外来通院中の痛風・高尿酸血症患者で体重減量及び生活指導が必要と医師が判断 した患者に対し、管理栄養士による栄養指導と理学療法士による運動指導をセットで実施し、 経過を見るため3回の継続指導を行った。初回は聞き取り調査を行い生活習慣の把握に努め、 問題点を患者と共有し、取り組むべき目標を立てた。2回目、3回目は立てた目標の実施状況 の確認と、目標の修正を行ったり追加の目標を立てたりし、生活習慣の改善が継続できるよ う支援を行った。 【効果】 ・ 指導をすることで、患者は目標のうち何らかの取り組みを始めるようになって、それが体 重減量に繋がってきたと思われる。 ・ 実績が出来てくるに従って、医師からの指導依頼件数が増えてきた。また肥満だけでなく、 高脂血症、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、などの指導依頼にも繋がってきた。 【問題点】 ・ 患者自身が行う食事療法は、何らかの取り組みを行い易いと思われたが、運動療法には取 り組めない人が多かった。 ・ 生活スタイルに個人差が有り、食事時間や外食の頻度や料理技術など、それぞれに合わせ た食事改善のための提案力が弱いと思った。 【まとめ】対象者の病態が高尿酸血症、肥満に加え、高脂血症、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病 を有する人が増え、より病態の把握と食事療法を含む治療方針の確認が必要になった。 62 238 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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S2-05

保険薬局における「栄養」と「運動」に対する取り組み

株式会社フォーラル ○孰賀 佳冬  医薬分業率は70%を超え、それに伴い薬局数はコンビニエンスストアよりも多い59,000軒 以上になっている。薬を渡す、という薬局の機能に加え、健康サポート薬局、かかりつけ薬 剤師、服用薬剤調整支援、居宅療養管理指導など、患者さんの健康づくりや疾病の重症化予防、 在宅医療に向けた役割を担うことが国から保険薬局に求められている。  それに向けた活動を行うために、健康の維持・増進に欠かせない「運動」「栄養」「休養」のうち、 「栄養」の専門家である管理栄養士を雇用する保険薬局が増えてきている。弊社は、健康日本 21が掲げられたことをきっかけに、保険薬局として地域に貢献するため管理栄養士の採用を 開始した。13年間の歩みの中でどのように地域と関わり、活動を行ってきたか紹介する。  弊社は、薬剤師107名、管理栄養士80名、事務職を合わせ全社員200名の保険薬局チェーン であり、全社員中93.5%が国家資格を取得している。これは全員が専門性を持ち、専門家集 団として地域へ貢献したいという想いのあらわれである。管理栄養士は各店舗に平均約4名配 属されており、医療事務業務に加え管理栄養士の知識を活かした活動を薬剤師と連携しなが ら行っている。例えば店舗内では無料の栄養相談、ホームセミナーの開催、店舗外では地域 で行うアウトリーチセミナー、特定保健指導、介護予防事業、訪問栄養指導などがある。こ れらの活動の中には、様々な取り組みから保険薬局に管理栄養士が在籍していることが少し ずつ認知され、外部の方から機会をいただき広がってきた活動もある。今回は店舗内無料栄 養相談の症例と、私が所属している店舗で開催している運動セミナーについて紹介する。  各活動に取り組む中で、保険薬局における管理栄養士の活動について課題と感じることも 多くある。例えば、「栄養」の専門家である管理栄養士の存在はまだまだ知られていない。その 管理栄養士が保険薬局に在籍していることはさらに知られていない。メディアで聞いた内容 を信じ、誤った食生活を送っている方の相談に乗ることがあるが、相談相手に管理栄養士と いう選択肢がなかった、と言われたこともある。地域の身近な存在となり、地域全体の健康 づくりを推進することで、薬局管理栄養士の存在意義が証明できると考えている。また、医 療機関との連携が取りづらいという課題もある。主治医の意向や検査結果など、栄養相談を 行うにあたり必要な情報は患者さんから聞くことが多く、正確な指示や検査値が伝わらない ことも少なくない。より治療の効果が出るよう「栄養」の専門家として積極的に多職種と連携 していかなくてはいけないと考える。  全国の様々な場所で働く管理栄養士と協力し、「栄養」で日本を健康にできるよう、取り組ん でいきたい。 63 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

抄 録

共催セミナー

ランチョンセミナー1

LS01

アフタヌーンセミナー1

AS01

モーニングセミナー

MS

ランチョンセミナー2

LS02

アフタヌーンセミナー2

AS02

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■ 演者略歴 ■ LS01 西澤 均(にしざわ ひとし) 大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学 1989年 大阪府立北野高等学校卒業 1995年 金沢大学医学部医学科卒業 同年 大阪大学医学部第二内科入局 1995年~98年 市立伊丹病院内科医員 2002年 大阪大学大学院医学系研究科(松澤佑次教授)修了 2005年 日本学術振興会特別研究員 2008年 市立豊中病院 内科・糖尿病センター 医長 2012年 大阪大学大学院医学系研究科内分泌代謝内科学 助教 2017年 大阪大学大学院医学系研究科内分泌代謝内科学 講師 2018年 大阪大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・代謝内科 病棟医長(併任) ■ 座長略歴 ■ LS01 山本 徹也(やまもと てつや) 大阪暁明館病院検診センター センター長 昭和48年 3月 奈良県立医科大学 卒業 昭和50年10月 兵庫医科大学第3内科学講座助手 昭和62年 4月 同講師 平成12年 1月 同助教授 平成15年 8月 1日 内科学講座内分泌・代謝科教授 平成17年 4月 1日 内科学講座 部門長 平成23年 4月 1日 同大学 副学長 平成25年 4月 1日 同大学 名誉教授 平成27年 4月 1日 同大学 健康医学クリニック 院長 平成29年 4月 1日 大阪暁明館病院検診センター センター長

ランチョンセミナー1

134 242 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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LS01

内臓脂肪蓄積とXOR・高尿酸血症

~地域での予防から高度肥満症まで~

大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学 ○西澤 均  内臓脂肪蓄積は、糖・脂質代謝異常、血圧高値を惹起し、動脈硬化性疾患に至る(メタボ リックシンドローム)。高尿酸血症は、メタボリックシンドロームによく随伴する疾患である。 当教室では、肥満に伴う高尿酸血症は尿酸排泄低下が基本病態であること(Yamashita S et al. Int J Obes 1986)、内臓脂肪型肥満では相対的に産生過剰型の高尿酸血症が増加すること (Matsuura F et al. Metabolism 1998)、保健指導による1年間の内臓脂肪減少により尿酸値 が低下する(Tamba S et al. Intern Med. 2008)ことを臨床的に示してきた。高尿酸血症に伴 う痛風発作は30歳代前後より起こり、メタボリックシンドロームの警鐘と捉えることができ、 この世代からの予防活動は重要である。

 上記臨床研究から肥満脂肪組織におけるプリン代謝について基礎医学的に検討を行った。 マウスを用いた検討では、XORが脂肪組織で高発現し、肥満で活性が上昇し尿酸産生・分泌 が亢進することを報告した(Tsushima Y et al. J.Biol.Chem. 2013)。一方、ヒトにおいては 脂肪組織におけるXORの発現は限定的で肝臓・ 小腸・ 肺などに比較的限局していた。 それ を反映してヒト脂肪組織ではヒポキサンチンとしてプリン代謝物を分泌しており、肥満状態 を模倣する低酸素刺激でその分泌は亢進していた( Nagao H et al. Obesity 2018)。これらの 研究は脂肪組織が密接に個体のプリン代謝に影響を与えることを示唆している。最近、血中 XOR活性を比較的高感度で測定できるようになっており、関連する臨床研究が報告されてい る。当科糖尿病入院患者を対象に、三和化学研究所との共同研究で血中XORを測定している データをお示しし、血中XOR活性を測定する意義について考察させていただきます。  BMI35以上の高度肥満症例では、二次性肥満の鑑別や精神心理的背景を有する例が相当数 存在する。また合併症も痛風・高尿酸血症をはじめとする代謝異常や動脈硬化症のみならず、 心不全・呼吸不全など特有の重篤な合併症が存在する。内科的治療に抵抗性を示すものが多く、 外科治療も念頭に外科医、管理栄養士、臨床心理士、看護師など多職種の連携が必須である。 当院での高度肥満症の外科治療例を、特に食行動の観点から分析しているデータをご紹介さ せていただきます。 135 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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■ 演者略歴 ■ AS01 細谷 龍男(ほそや たつお) 東京慈恵会医科大学 1974年 3月 東京慈恵会医科大学医学部 卒業 1979年11月 東京慈恵会医科大学第2内科学教室 助手 1989年 6月 同上教室 講師 1996年11月 東京慈恵会医科大学内科学講座第2 助教授 1997年 4月 同上 教授 2000年 4月 東京慈恵会医科大学内科学講座(腎臓・高血圧内科)教授 2013年 4月 東京慈恵会医科大学 名誉教授、慢性腎臓病病態治療学 教授 2018年 4月 東京慈恵会医科大学 名誉教授 ■ 座長略歴 ■ AS01 山中 寿(やまなか ひさし) 医療法人財団順和会 山王メディカルセンター 副院長 リウマチ・痛風・膠原病センター長 国際医療福祉大学 リウマチ・膠原病内科学 教授 東京女子医科大学 客員教授 1980年 3月 三重大学医学部卒業 1980年 4月 三重大学医学部第3内科入局 1983年 1月 東京女子医科大学附属リウマチ痛風センター 助手 1985年 2月~1988年 1月 Scripps Research Institute(La Jolla, CA, USA)研究員 1991年10月 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター 講師 1997年10月 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター 助教授 2003年 5月 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター 教授 2008年 8月 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター 所長 2010年 2月 東京女子医科大学病院リウマチ科 診療部長(兼任) 2018年 5月 東京女子医科大学病院膠原病リウマチ内科 診療部長 2018年 6月 東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学講座 教授・講座主任 2019年 5月 医療法人財団順和会 山王メディカルセンター リウマチ・痛風・膠原病センター長 国際医療福祉大学 臨床医学研究センター 教授 東京女子医科大学 客員教授 2019年 7月 医療法人財団順和会 山王メディカルセンター 副院長 リウマチ・痛風・膠原病センター長 国際医療福祉大学 リウマチ・膠原病内科学 教授 東京女子医科大学 客員教授

アフタヌーンセミナー1

136 244 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

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AS01

高尿酸血症治療薬の進歩

東京慈恵会医科大学 ○細谷 龍男 MEMO 137 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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■ 演者略歴 ■ MS 古波蔵 健太郎(こはぐら けんたろう) 琉球大学医学部附属病院 血液浄化療法部 1993年 琉球大学医学科卒業 1998年~2001年 東北大学医学部第二内科(国内留学) 2015年 4月~ 琉球大学医学部附属病院 血液浄化療法部 現職 ■ 座長略歴 ■ MS 内田 俊也(うちだ しゅんや) 帝京平成大学 1978年 3月 東京大学医学部医学科卒業 1984年11月~87年10月 米国国立衛生研究所 2004年 4月 帝京大学医学部内科 教授 2018年 4月 帝京平成大学ヒューマンケア学部教授・国際交流センター長(現職) 帝京大学医学部内科 客員教授

モーニングセミナー

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MS

慢性腎臓病進展機序における高尿酸血症の意義

琉球大学医学部附属病院 血液浄化療法部 ○古波蔵 健太郎  慢性腎臓病(CKD)の進展に伴い尿酸排泄が低下し高尿酸血症の合併率が高くなる。 した がってある時点で高尿酸血症を合併した CKDでは高尿酸血症は結果としてもたらされた側面 が少なからずある。一方で高尿酸血症に関わる病態は個々の患者ごとに異なっており、腎障 害進展における高尿酸血症の関わりも病態によって異なる可能性がある。実臨床の現場では 高血圧や糖尿病のほか高尿酸血症が合併することが多く、それらが同時に併存することも少 なくない。高尿酸血症と腎障害進展の関連を考える場合、併存症とのinteractionを考慮に入 れる必要がある。本セミナーではCKD患者における腎障害進展抑制をいかに効果的に行って いくかという観点から様々な腎障害進展機序における高尿酸血症の意義とそれぞれに対する アプローチについて考えてみたい。 139 第53回 日本痛風・尿酸核酸学会総会

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■ 演者略歴 ■ LS02 小島 淳(こじま すなお) 川崎医科大学 総合内科学3教授 1987年 4月 1日 熊本大学医学部医学科 入学 1993年 3月25日 同 卒業 1993年 4月 1日 熊本大学医学部附属病院医学実地研修開始 1993年 6月 1日 熊本大学医学部附属病院循環器内科研修医 1994年 4月 1日 熊本市民病院内科研修医 1994年10月 1日 熊本地域医療センター医師会病院内科研修医 1995年 4月 1日 済生会熊本病院心臓血管センター内科レジデント 1996年 5月 1日 国立循環器病センター内科心臓血管部門レジデント 1999年 5月 1日 国立循環器病センター内科心臓血管部門専門修練医 2001年 4月 1日 熊本大学医学部附属病院循環器内科医員 2003年 4月 1日 熊本大学医学部附属病院循環器内科助手 2007年 4月 1日 熊本大学医学部附属病院循環器内科助教 2008年 7月 1日 熊本大学医学部附属病院救急外来助教 2008年12月 1日 熊本大学医学部附属病院救急外来診療講師 2010年 4月 1日 熊本大学医学部附属病院救急・総合診療部診療講師 2011年 6月 1日 熊本大学医学部附属病院高度医療開発センター 心不全先端医療寄附講座特任准教授 2016年 4月 1日 熊本大学大学院生命科学研究部 心不全先進医療共同研究講座特任准教授 2018年 4月 1日 川﨑医科大学総合内科学3教室(循環器内科・腎臓内科)主任教授 ■ 座長略歴 ■ LS02 野出 孝一(ので こういち) 佐賀大学医学部内科学講座主任教授 1988年 佐賀医科大学卒業 1997年 大阪大学大学院修了 1997年 ハーバード大学博士研究員 2002年 大阪大学第一内科講師 2002年 佐賀大学循環器内科教授 2016年 佐賀大学内科主任教授

ランチョンセミナー2

140 248 痛風と尿酸・核酸 第44巻 第 2 号(令和 2 年)

参照

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