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JVRSJ Vol. 26 No. 1 Mar. 2021 日本バーチャルリアリティ学会誌第26巻 1 号2021年 3 月 電気通信大学書評:研究室の本棚
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本企画は書評の一形態として,研究室の本棚を紹介す る試みと伺いました.初回とのことで恐縮しています. 研究室の本棚の役割は 3 つほどあると考えています. 第一に研究上のリファレンスとなる教科書や辞典で, 私の研究室ではカンデル神経科学(メディカルサイエ ンスインターナショナル),人間の許容限界事典(朝倉 書店)などを置いています.また触覚を中心とした研 究 を 行 っ て い る の で,Human Hand Function (Oxford University Press)など洋書のリファレンス もいくつか置いています.これらは輪読に使うことも ありますし,論文執筆時の引用で活躍することもあり ます. 第二に研究を支える技術に関してリファレンスとな る資料で,電子回路であればオペアンプ回路集や,定 期購読しているトランジスタ技術(CQ 出版)等,ソ フトウエアであればリーダブルコード(オライリー・ ジャパン)や,Unity や iOS 開発関係の本をある程度 そろえています.ただこうした本は技術の入れ替わり も激しく,どこまで本として買うべきか迷う面もあり ます. 研究室の本棚の第三の役割は,一般的な本屋の本棚 と同様に,本との出会いを演出するものです.ごく狭 いスペースで限界はありますが,研究室 SNS や wiki システムでお互いになるべく紹介するようにしていま す.教員の好みが一番反映される,ある意味恣意的で 恥ずかしい部分でもあるかと思います. この第三のカテゴリの本との出会いをうながすとい う目的もあり,ここ数年は研究室配属予定の学生に, 春休みの間に何冊か指定した本を読んでもらっていま す.同時に研究分野に親しんでもらうことや,本を読 む習慣をつけてもらうことも狙っています.経験上, 本から情報を得る習慣のある学生は論文指導に苦労が ない場合が多いので,読書習慣づけはかなり大切と考 えています. 今年の配属予定学生の課題図書をいくつか紹介しま す.なお私の研究室は現在小泉直也先生の研究室と一 緒に講習会を行っており,半分ほどは小泉先生のご紹 介です. ・リモートワークの達人 (早川書房):コロナ禍中の意識合わせのため,特に 今年の課題図書としました. ・統計学が分かる (技術評論社):統計の初歩を知ってもらうための有 名な「ハンバーガー統計」です. ・だまされる脳 (講談社):日本 VR 学会 VR 心理学研究委員会がま とめた錯覚に関する本です.錯覚系では以前は 「Mind Hacks」(オライリー・ジャパン)を勧めて いましたが,やや大著なのでこちらに変えています. ・トコトンやさしい VR の本 (日刊工業新聞社):VR に関する常識をおさえても らうためです. ・図解 つくる電子回路 (講談社):はんだ付けをしたことのない学生にまず 読んでもらうという位置づけです. ・ビジュアル情報処理 -CG・画像処理入門 (画像情報教育振興協会):視覚 VR のための基盤知 識を得るためです. ・図解でわかる ! 理工系のためのよい文章の書き方 (翔泳社):ライティングのための本です.以前は 「論理トレーニング101題」(産業図書)を輪読してい ましたが,一人で読むにはややハードルが高いため 変更しました. ・イシューからはじめよ (英治出版):研究上の視点に関しては多くの名著が ありますが,その一つです.