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現代日本の文芸関係者のもつ図書館観の一断面・続 : 『図書館の学校』巻頭エッセイの分析II図書館はどうみられてきたか・6

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Academic year: 2021

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(1)現代 日本 の 文芸 関係者 の もつ 図書館観 の一 断面 ・続 一一『図書館の学校』巻頭エ ッセイの分析 Ⅱ 図書 館 は ど うみ られ て きた か ・6-一. 佐. 藤. 毅. 彦. Images of the Library(6). How Have Japanese W五 ters Depicted Libraries? 一一一一― Analysis of Essays Cattried by the Magazine LJtt Scん θθJ―. SATO Takehiko Abstract: This paper exanlines how libraries are scen by Japanese writers in the magazine LJbrα. 〃. ′ Sε ttθ θ ,. continuing the study of last year. The people who are critical of the present condition are concerned about the materials selected by libraries. On the other hand, there are people who believe that public libraries are. being used in various affirmative wayso WATAYA Lisa has talked in an interview about the use of the li― braryo Shouldn't the public library make good use of this fact as an advertisement for itself?. 要約. :前 年 に 続 き,雑 誌 『 図 書 館 の 学 校 』 に 掲 載 さ れ た 文 芸 関 係 者 の エ ッセ イ を分 析 し,彼 らの 「 図. 書 館 観 」 を 明 らか に し よ う と試 み た 。 図 書 館 の 資 料 選 択 の 現 状 に つ い て ,批 判 的 な 見 方 を して い る 人. たちも存在する。一方,現 実の公共図書館には,多 様 な利用者がさまざまな目的で訪れるようになっ てきているが,そ うした利用状況 をむしろ肯定的にとらえる見解 も,今 回のエ ッセイの中には含 まれ ている。現実に「芥川賞」作家の「綿矢 りさ」 は,図 書館 を利用 していることをインタビューで答 え てお り,こ うした実例を,図 書館のがわで も,な んらかの形で活用 してい くことが必要なのではない か。. はあ ま りしないので」「あ,そ うなんですか。ベ ンキ 1。. は じめ に. 一一話題 の「芥川賞」作家 「綿矢 りさ」 と図書館 のこと,な ど 第 130回 ,2003年 度下半期 の「芥 川賞」 は,20歳 前後 の二 人の若 い女性作家が受賞 した ことで大 きな話 題 となった゛。その受賞者 の一 人が,`『蹴 りたい背 中』 の著者 ,綿 矢 りさ (1984年 生 まれ)で あ る'。 綿矢 りさは,京 都市内の高校在学 中,『 イ ンス トー. ョウに使 うだけ じやな くて,読 書 も図書館 の本 で ?」 「はい」 と語 ってお り,イ ンタビュアーが図書館 の座 席 を利用す る「席借 り」的 なものを想定 して発言 して い るのに対 して,作 家本人は,図 書館 の資料 も大 い に 不J用 してい ると回答 してい る. 4)。. また,『 文學界』 に掲載 された「著者 イ ンタビュー」 で も「高校 の図書室 で太宰治や三 島由紀夫 ,そ して村 上春樹や山田詠美 などを次 々と読 み進める うちに,自 然 と小説 を書 きは じめた。『小説 は好 きな作家 の好 き な作家 をたどって芋づ る式 に読 んでい ます。例 えば村. ル』 に よ り,史 上 最 年 少 の 17歳 で,第 38回 ,2001 年度 「文藝賞」 を受賞 してい るが',そ の後 に,雑 誌. 上春樹 の好 きな作家 であ るフイッツジェラル ドを読ん. 『図書館 の学校』 に掲載 されたイ ンタ ビューで「図書. だ り。そ うす ると,は ず れがない んです。英文系 のク. 館 って使 ってますか ?」 「はい。図書館 しか使 ってい. ラスにい るんですが,う ちのクラスは変 わってて,昼. ない と言 って もいい くらいです。本 を本屋 で買 った り. 休 み に 図書 室 に通 いつ め てて も,ほ っ とい て くれ.

(2) 甲南女子大学研 究紀 要第 41号. る』 」 と述べ てい る'。. 文学 。文化編 (2005年 3月. ). 好 きな図書館 だつた」「今 は横浜市 に引 つ越 して きた. さらに,『 wEB本 の雑誌』 に発 表 された イ ンタビ. ので,近 所 の横浜市立 M図 書館 に通 ってい る。M図. ューの 中で も「最近 は図書館 で選ぶ ことが多いです。. 書館 もいい図書館 だ」 としている。 また「書店 に新刊. 図書館 に行 って,そ こで話題 になってい る本 とか,友. がばんばん並んでい るの と対照的 に,図 書館 には古 い. 達 の情報 とかをもとに選んで読 み ます。そ こで気 に入. 本が しんと並んでい る。図書館 に新干Jが ないわけでは. った作家があ ると,そ の 人の もの をどんどん読 む。特. ない。人気 のある新刊 なんかは常 に貸出中で,順 番待. に気 に入った ものは本屋 さんで買 うんです」「一 ケ月. ちなのである。宮部みゆきなんか棚 で見かけた こと一. のお小遣 いが 5000円 しかない」 か ら「本 に使 えるお 金 は,え ― と,マ ン ガ も合 わせ て 2000円 く ら い」. 度 もあ りません もの」 のように,最 近 の図書館状況 に ついて,実 態 をふ まえた記述 も含 まれてい る9。. で,「 す ご く厳選 して,絶 対ハズ レの ない もの を買 い. また,文 芸評論家で,翻 訳 の著作 も多数あ る高橋英. ます。それに,読 んで気 に入った本 は手元 に置 きた く. 夫 (1930年 生 まれ)が ,2004年 5月 に刊行 した 『本. なる, とい う気持 ちもあ りますね。そ して買 ったか ら. の引越 し』 には,「 図書館 とのつ きあ い」 とい う タイ. には何度 も何度 も読 む」「京都市 の 図書館 もよ く行 き. トルの一文が掲載 されてい る。「中学 の図書館 は柔道. ますけど,高 校 の図書室が一番好 き。新刊 もよく入る. 場 の三 階」 にあ り,「 あ ま り自由に利用で きない よ う. し,選 びやすい し。 自分 の本 が置 いてあるのは ちょっ. になっていた。木 の柵があって,奥 の書棚 に行 っては. と恥ず か しいです け ど」 と語 つている. いけない らしかった」 ことや 「高校 ,大 学 となれば. 6。. ,. これ らはいず れ も高校時代 ,京 都在住 であ った頃の ことと考 えられるが,2003年 10月 の 『新刊展望』 に. 学校図書館 とのつ き合いは前 よ りも密 になった」 こと が述べ られてい る。「大学 を出てか らは,図 書館 とは. 掲載 された 「読書 日記」 には「八 月九 日 夏休 みのせ. さして縁がなかったが,現 在 はひんばんに利用 してい. いか,図 書館 では新刊 の本 はどれ も貸 し出 し中。 しよ. る。私 の家の まわ りに,そ れぞれ 自転車で十三分か ら. うがないか ら料理 の本 を借 りようと思 い,検 索機械 で. 二十分 ぐらいの距離 で七つの図書館 がある。練馬区立. 『 りょう り』 を検索 した ら,機 械が止 まって動 かな く. が二つ,豊 島区立 が二つ,板 橋 が一つ,中 野が一つ。. なった。 図書館員 に助 けを求める と,『 料理 だ と引 っ. 各館 によって蔵書が異な り,貸 出方式 も異なるが,い. かかる本 の件数が多 くて,全 部拾 って くるのにす ご く. ま私 の書斎 には七館 か ら借出 した本が十六冊おいてあ. 時間がかか って しまうんです よ。 』 と言 われた。図書. る」 とい う状況が紹介 されてい る"。. 館員 も後ろで順番 を待 ってる人達 も困 り顔。謝 りたか ったけど,謝 れな くて,ふ うん とい う態度 で画面 を見. さらに,第 8回 現代詩手 帖賞 (1967年 度),Fプ ラ トン的恋愛』 で 第 7回 泉鏡花賞 (1979年 度)な どの. てい るだ けだ った 自分 に腹が立 つ」「結局本 は一冊 も 借 りず に図書館 を出た」 とあるア。 これが,ど この 図. 受賞暦 の ある,金 井美恵子 (1947年 生 まれ)が 2004 年 6月 に出版 した 『目白雑録 (ひ びの あれ これ)』 で. 書館 での出来事か は明示 されてい ないが,同 じ日の記. は,自 身が図書館 を利用する ことはな くて も,公 貸権. 述 に「実家 に帰 りた い な と思 った」 とい う部分 があ り,早 稲 田大学 に進学 して首都圏 に居住 してい る時期. をめ ぐる論議 について,「 Fタ ダ』 だか らこそ,そ れで も読んでいただいて もらえる ことを有難 い と思 ったほ. にも,図 書館 を利用 してい ることを うかがわせ る記述. うがいいん じゃあないの」 と,文 藝家協会 の三 田誠広. がみ られるとい うことになる。. に代表 される見解 に対 して否定的な意見が表明 されて. この よ うな図書館 との 関係 につ い ての記述が ,近 年. い る。. 刊行 された文芸 関係 者 の エ ッセ イに収録 されて い るケ. こ う した例 の よ うに, 世代 にかかわ らず , 図書館 を. ー ス は他 に もあ る。『 プ ラナ リア』 で 第 124回 ,2000. 実際 に利用 して い る作 家 の 見解 や ,図 書館 に関す る意. 年 度 下 半 期 の 「直 木 賞」 を受 賞 した 山本 文 緒 (1962. 見が ,最 近 出版 されたエ ッセ イの 中 に描 かれて い るケ. 年 生 まれ )が ,2004年 4月 に刊 行 した 『 日々是作 文』. ー スが 存在 して い るのであ る。. には,次 の よ うなエ ピソー ドが 載 って い る。「私 は 図 書館 が 好 きだ。図書館 も土 日は子供 や学生 が う じゃう. 2。. 雑誌『図書館 の学校』巻頭 エ ッセイの分析 Ⅱ. じゃい て うる さか った りもす るけれ ど,幸 い私 は平 日 の午前 中な んか に図書 館 に行 け る身 なので ,も の す ご. 雑誌 『図書館 の学校』 には ,あ る時期 まで ,巻 頭 に. く幸福 で あ る」「 ち ょっ と前 まで私 は 川崎 に住 んで い. 文芸 関係 者 に よるエ ッセ イが 掲載 されて い た。 同一の. て ,よ く利 用 して い た川 崎 市 立. T図 書 館 は ,す. ごく. 雑誌 に,集 中的 に掲載 されたエ ッセ イを分析 す る こ と.

(3) 佐藤. 毅彦 :現 代 日本 の文芸 関係者 の もつ 図書館観 の一 断面 ・続. によ り,文 芸関係者 の “図書館観"の 一断面 を明 らか. 47.2002.3. に しよ う と試 みた前年 の分析 で は,『 図書館 の学校』. 約 4,000字 “ ). 巻頭 エ ッセイの うち,2001年 4月 号 まで に掲載 され た ものを対象 とした。今 回 は,そ れにつづい て,「 誌. 48.2002.4. 面 を大幅 にリニ ュー アルす る」以前 の 2003年 3月 号. 49。 2003.4. 50。 2002.5. ). 51.2002.6. たo. 52.2002.7. 左か ら,整 理番号. 53.2002.8. (行 数)の 概算 による。. (前 年分 01∼. 32の つづ き),掲 載. 54.2002.8. 55。. 位以下は切 り捨 て),の 順。 図書館」約 3,500字 D. 56.2002.10 宮沢章夫 1956「 魔物 と旅 に出る」約 4,100 字η 57.2002.H 字. 36。. 2001.7. 37.2001.7 38.2001.8 39.2001.9. 40。. 2001.10. 41.2001.H. 2002.9. 瀬名秀 明 1968「 未 来 の 『博 士』 た ちの. 加藤郁乎. 1929「. 図書館へ の謝意」約 3,300. 58.2002.11. ⊃. 中上 紀 1971「 生 きる糧 が 詰 ま った空 か 間」約 3,200字 松 山 巌 1945「 本 たちの 日常」約 3,500 字") 室井光広 1955「 〈本番 〉の 日々」約 3,500 20. 字. 林あまり 1963「 び くび く」約 3,300字 2' 菅 浩江. 1963「. 図書館 とい う砦」約 3,800. 知. 字. 青柳 いづ み こ 1950「 図書館 で見 た ドビ ュ ッシーの素顔」約 3,300字 の. 59。 2002.12 久世光彦 1935「 〈知 〉の図書館」約 3,000. 長澤 均 1956「 パ ソ コ ンマ ニ ュ アル よ リもパ ソコン考古学 を」約 1,300字 '. 60.2002.12 野 中 柊 1946「 自由 の 天地 へ のステー. 字. 2つ. シ ョン」約 3,300字 知. 荻野 アンナ 1956「 三 つ の対話」約 3,100 字°. 61.2003.1. 図書館 の思 い出」約 3,600. 62.2003.1. 柳父 つ 字. 章. 1928「. 三木. 卓 1935「 学 校 図書 館 とわ た し」. 約 4,000字 2" 白石公子 1960「 背文字 のポエ ジー と ト ィレと」約 3,200字 30. 吉 田直哉 1931「 もう少 しオ ー ラを」約 3,400字 帥. 63.2003.2. 目取 真俊 1960「 原 点 と しての場所」約. 64.2003.2. 柴 田元 幸 1954「 幻想 の 図書館 ・現実 の 劉 図書館」約 3,300字 ). 3,300字 ". 中井久夫 1934「 図書館 に馴染 まざる の 記」約 3,300字 3". 42.2001.H 草森紳 -1938「『規則 の寛大 さ』 につい て」約 3,400字 D. 43.2001.12. 黒 川 創 1961「 不U用 者 へ の 『壁』 に な らないカウ ンター を」約 3,800字 創 ). 年月,作 家名 ,生 年 ,タ イ トル,全 体 の文字数 (百 の. 35.2001.6. 1961「 水曜 日の図書館」約 3,300. 字. 字数 は,(― 行 の文字数)×. 2001.5. 片岡直子 20. 今回 と りあげた ものは,次 の通 り。なお,全 体 の文. 34。. 平出 隆 1950「 わた くし図書館」約 3,600. ttD. 2-1 分析対象. 33.2001.5. 浜 田和 幸 1953「 世界 の ヒーロー たち と 出会 った米議会図書館」約 3,100字 口 鐸 木 能光 1955「 図書館 が 『本』 の 呪縛 か ら解 かれるとき」約 4,800字 博 ). 試みた。 これに加えて,表 紙裏 のページに掲載 された 文章 につい て も,文 芸 関係者 もの を,分 析対象 と し. 堀江敏幸 1964「 此処 に丼戸水 と葡萄 酒 があるよ」約 3,800字 m. までに掲載 された文章 をとりあげ,図 書館が現代文芸 関係者 にどう「み られて」 い るのかについての分析 を. 笙野頼子 1956「 小説 OS倉 極楽図書館」. 鳴海 風 1953「 サ ラ リーマ ン作 家 の 図. 65.2003.3. 日垣. 4,600字. 隆 1958「 原稿 料 と印税 の 話」約 」. 雑誌 『図書館 の学校』表紙 (cover)裏 の 文章 は. 書館利用法」約 3,500字 H). 図書館関連業界 の人物が書 いてい るケース もあるが. 44.2002.1. 吉 田秀和 1913「 図書館 をめ ぐる三 つ の エ ピソー ド」約 3,700字 口. ここでは,文 芸関係者 の もののみ をとりあげた (生 年 の右 に,こ のページに表記 されている肩書 きをカッコ. 2002.2. 佐野真 -1947「 出版 と図書館」 (講 演). 内 に示す)。 これ らのエ ッセイは,ス ペースが表紙裏. 45。. 46.2002.3. 約 17,000字 B). の 1ペ ー ジに限 られて い るため,文 字数 は,す べ て. 米原万里 1950「 ドラ ゴ ン・ア レクサ ン ドラの尋問」約 3,400字 n. ,. ,. 1,ooo字 程度 である。. c 01。 2000。 7. 常盤新平 1931(作 家)「 ある図書館」34.

(4) 甲南 女子 大学研 究紀 要 第 41号. c02.2000.8. 修 1936(画 家 0作 家)「 ア トリエ. 司. と本箱」. 泉 麻 人 1956(コ ラムニ ス ト)「 永 田町 30. の タイムマシーン」. 10町 田. c05。 2000。. 11 柳瀬尚紀 1943(英 文学者)「 イ ンター ネ. 康 1962(作 家)「 お くての俺」. 3■. 当は何する所 ?」 リ. 住 んでい ます』登場人物 の誰かがそんなふ うに口にし た。ほんとはそんなはずはな く,い ま利用 してい るた. 多和 田葉子 1960(作 家)「 夜 の図書館 の. いていの図書館が明 る くて清潔 で きちん と棚が整理 さ. 顔」. れてい るが,劇 のイメージの世界 では,う す暗 くて. 陣野俊史 1961(批 評家)「 街の図書館 の. じめ じめ し,か びやほこりの匂 い,イ ンクの香 り,見. 40. ,. 音源」. てはい けない世界 を感 じさせ る書 名 がそ こには あ っ. 金井美恵子 1947(作 家)「 発見 の場 とし. て,書 名 だけで もどきどきするのに,ペ ー ジを開いた. て」. らとんで もないことが起 きるのではないか とい う夢 の. J. c09。 2001.5. 宮沢 1956「 魔物 と旅 に出る」 「これ までに書 い た戯曲のなかに,何 度 か 図書館 を. 登場 させたことがある」 とい う。「『図書館 には魔物が. 12天 沢退二郎 1936(詩 人)「 図書館 って本. c08.2001.4. 者 たちのために,図 書館 はもっともっと門戸 を開いて. 34。. 3, ッ ト図書館」. c07.2001.3. ある」。「専門資料 は専門家 のためだけにあ るのではな. ほ しい」 とい う。. c04.2000。. c06.2000。. ). い」「未来 の F博 士』 たちのために,ま た創作 を志す. 3,. c03.2000.9. 文学 ・文化編 (2005年 3月. 4■. ような場所 だった。そ れは私 の期待 であ り,夢 で あ. 佐藤洋二郎 1949(作 家)「 夏の約束」 cH.2001。 10海 野 弘 1939(作 家)「 リー デ イング・ ‖ ビ トウィー ン・ザ ・ライア ンズ」. 杢べ ,さ らに「白い ひげを生や した年老 出現 した」 とす. c12.2001.12多 田智満子 1930(詩 人)「 大学図書館 に. いた司書」が登場す る架空のス トー リー をつづ ってい. c10。 2001.9. 4〕. 4' て」. (こ. る。. の後,本 論文中で それぞれのエ ッセ イを取 り上. げ る際 には,整 理番号 ,作 家名,生 年 ,を 示す. り,私 の書 く図書館 はいつ だってそんなふ うに舞台 に. 35。. 加藤 1929「 図書館へ の謝意」. 「図書館 らしい ところに足 を向け るようになるのは. ). 戦後三年 目,大 学 の理科系か ら文科系 に移 って間 もな. 2-2 エ ツセイの概要. い ころ演環1博 物館 に」入 つたのが は じま りで あ り ,. それぞれの内容 について,図 書館 と関連 のあ る部分. 生はほとんどい なか った。 ここで演劇関係 の雑誌 など. を中心 に要約す ると,以 下のようになる。 33。. 「占領軍 の言論検 閲」があ ったころで,閲 覧室 には学 を読 んだことに続けて,森 銑 三が早稲 田で 「書誌学 の. 瀬名 1968「 未来 の 『博士』 たちの図書館」. 「子供 の頃,私 にとつて図書館 とは完全 に小 説 の本 を借 りるところだった。週末 になるとバスに乗 つて市. 講座」 を担当す るようになって大学図書館の書庫 を自 由に利用で きるようになったことによ り『古 い雑誌 か. 立図書館へ行 き, ミステ リーや怪奇小説 を片端か ら借. ら』 とい う「近代文学研究 の上で例がない」書 を刊行. りて読 んだ」 とい う。大学 で も「附属図書館 は もっぱ ら試験勉強 のための机代 わ り」 で「『図書館 は調べ も. した ことを紹介 してい る。最後に「生涯 こよな く図書. のに使 える』 とい うことを知つたのは,恥 ずか しい話. 館 を愛 された柴田宵曲居士」 の句 「図書館 の卓 に新た や夏帽子」 を紹介 している。. だが大学 も四年生 になって研究室 に配属 されてか らの. 36.青 柳. こと」 であったが,「 以来,図 書館 は私 にとつて, も っぱ ら文献検索 や資料収集 の場 になってい る」。 テ レ ビ番組 の収録のため,母 校 の小学校 で授業 をした際 「図書室 には子供向けの図鑑が常備 されてい たが,そ ,. 1950「 図書館 で見 た ドビュッシーの素顔」. 図書館 で コンサ ー トを開い たこともあるが,「 私 自 身 はあまり図書館 には足 を運ばない。理由は,沢 山並 んだ本 をみると頭 が痛 くなるか らである。 これは本屋 さんで も同 じ」 であ り,「 書名や著者名 ,テ ーマ など. れ らは子供たちの好奇心 を満足 させて くれない」。「コ. で検索 しなければならない。読書 に関 しては徹底的 に. ンピュータ室 のパ ソコンはキ ッズヤフーがデフォル ト. 受け身の私 にとって,こ れはとて も憂鬱な作業」 であ. で立ち上がるようになっていた」 が,実 際 に使 ってみ. るとい う。それで も「家のす ぐそばの杉並区立中央図. ると,検 索 に制限がかか っているため,ヒ ッ トしない. 書館 のフランス文学 の コーナーだけは, どんなに長 い. ことが あ った。「本当 に知 りたい と思 った とき,人 間. 時間眺 めていて も,少 しも頭 が痛 くならない。 この図. は好奇心 を止める ことはで きない」「その とき私 たち. 書館 は蔵書が多 く,サ ービス も充実 してい るので知 ら. が真 に必 要 とするのは,優 れた資料 と検索 システムで. れて」 お り,「 本 のことなら何 で もご存 じの Tさ ん と.

(5) 佐藤. 毅彦 :現 代 日本 の 文芸 関係者 の もつ 図書館 観 の一 断面 0続. ッシーの博士論文 を書 くときは,あ る財団の奨学金 を. 悪 いこと, と叱 られた」 とい う。渋谷 区の小学校 の地 下に図書館があ り「放課後 ,区 の職員が一 人や つて き. い ただいてフランスに行 き,資 料研究 のためにパ リの. て書庫 の鍵 を開け,出 納係 りの椅子 に座 る と始 ま り」. 国立図書館 に半年通 つた」 として,こ の図書館 を利用. だった。その後 ,訳 語 の研究 を始 めると「図書館 は私. したときの具体的な閲覧手続 きや,館 内の閲覧室 の様. に とつて もっと も大事 な仕事部屋 になった」。研究 が. い う名物司書 の方が」 い るとしてい る。 また「 ドビュ. 子 を紹介 してい る。 37。. 「言葉 の歴史 を調べ ることか ら始め る」 ので,国 内 に. 長澤 1956「 パ ソ コンマニュアル よ りもパ ソ コン. 何冊 もない書物 が 中心 にな り「図書館 に探 しに」行. 考古学 を」. く。「資料 は図書館 に任せ る,と い う よ うな悟 りがで. 「 日頃,図 書館 を利用す ることは,滅 多 にない。記. きていた」。利用 したのは「都 内 の大学図書館 ,国 会. 憶すべ き箇所 に線 を引かない と憶 えられない, とい う. 図書館 ,都 の公共図書館 や,各 種 の専門図書館」 で 「評論家 とか研究者 として,本 と付 き合 う こ とにな」. の と,装 丁 ・造本 を含 めてフェテ ィッシュに本 を愛す. ,. る ところ もあって所有 せ ず にはい られ なか ったか ら. り,図 書館や読書 との関係が変 わって きた。. だ。それで も必要に応 じて国会図書館 などは利用 して きた」 とい う。著作 の執筆 に際 し,「 パ ー ソナ ル ・コ. 40.吉 田直哉 1931「 もう少 しオー ラを」. ンピュータの歴史や文化史に関するもの」 を図書館 で 調 べ たが,マ ニ ュアル本 しかなか った。「マ ニ ュ アル. の国立図書館」 に撮影 に行 った とき,「 三 百万冊 とい. 本 なんてヴ ァー ジ ョンが古 くなれば,何 の価値 もな. なが ら巡 回 してい くうち,感 動 を通 り越 して気が遠 く. い。 しか もコンピュー タを買 うお金 のある人間ならマ ニ ュアル本 ぐらい当然 自分 で買えるだろ う。 まった く. なるのをおぼえた」。「白髭 をた くわえた老司書 が得意. 「ウイー ンの元 ハ プスブル ク家の宮廷 図書館 ,現 在 う蔵書 の なかの逸品が」書架 に並 び,「 背表紙 を眺め. 無意味 な投資 ,利 用者へ のお もね りとしか思えず唖然. 満面 ,鼻 をうごめか しなが ら秘蔵本 を運んで くる」状 況や,撮 影 した本 について,具 体的 に紹介 してい る。. とする しかなかった」 と感 じてい る。「僕 は図書館 と. また「古代 アッシリア,エ ネベ遺跡 の発掘 を撮影」 し. はあらゆる文化 に関す る一種 『考古学』的 な発掘の場. た とき,粘 土板 に「びつ しり楔形文字が刻んであ り. だと思 っている。そ こで昔 ,お 金がな くて買えなか っ. ここは太古 の 図書館 の あ とだった」 ことにふれてい. た本や旧刊新刊問わず,出 会 いそびれた本 と出合 う場. る。退職後 は 自宅 で書 きものをする ことが多 く,事 前. だ と思 ってい る」 と し,「 司書 の 方 々は何 が 『歴 史』. に集 めた もの以外 に必要な資料が出て くると,近 くの 図書館 へ 行 く。新 聞 は 自宅 で とって い る もの以 外 の. に組 み込 まれるか考慮 して購 入すべ きだ と思 う」「イ. ,. 書館 は, もっと特化 された特殊な文化の場であ って も. 「書評欄や調査記事 を読 みに,歩 いて行 ける小 さな区 立図書館へ行」 き,そ れで用が足 りる。本 は,持 って. いい と思 う。それが平準化 された市区町村立の図書館. い ない ものが「一冊 は区立の 中央図書館 に,他 は都立. の多様化 にもつ ながるのではない だろ うか」 と述べ て. 中央図書館 にあることがわかったので,取 り寄せて も. い る。. らお うとしたのだが,実 に非能率的 なので結局 ,直 接. ンター ネッ トでい くらで も情報が入手で きる現在 ,図. 38。. 荻野 1956「 三つの対話」. 「大学勤務 とモ ノカキ と,二 足 の ワラジ」 を「辞 め られない訳 の ひ とつ は,学 内 の 図書館 で ある」 とい う。「昨夏 は満州引 き揚 げ者 の体験 を小 説 に盛 り込 む 際 に,生 の証言 を補 う資料 の あ りが た さが 身 に染 み た」。「キャンパスの 中央 には,地 上五 階,地 下五階の 『情報 セ ンター』が山 乞立」 してお り,そ こでの資料収 集 の様子 について,具 体的 に紹介 してい る (注 :著 者 は慶應義塾大学文学部助教授 )。. 39.柳 父 1928「 図書館 の思 い出」 「私 の少年時代 ,図 書館 とは,か くれ て こっそ り行 く所 ,恥 ずか しい場所」 で「子供 は一般 に図書館 に行. 行 くことに した」。「こ うい う区立 図書館 の主 な業務 は,新 聞雑誌 の閲覧 と新刊ベ ス トセラーの貸出 しに限 られるらしい」。「図書館 のさまざまな役割分担 はわか っているつ もりだ し, レクリエー シ ヨンとい う一項が その 目的にはいつてい る以上 ,ベ ス トセラーの同一本 を何冊 もそろえる必要がある,と い うの も承知 してい るつ もりだが,図 書館 が新刊 の貸本屋 と化 してい るの は情けない」。「いのちの長 い本」 との交流 もで きるよ うに,復 刻 でいいか ら「小 さな図書館 ほど,明 治大正 の名著や古典文学」 を書架 に並べ てほ しい, と述べ て い る。 41。. 目取 真 1960「 原 点 と して の 場 所 」. くことは,勧 め られて」 お らず,「 父親 は,私 の読書. 「 高 校 の 図 書 館 は ,校 門 か ら入 っ て 一 番 奥 に あ っ. 好 きを咎める様子 だった し, と くに小説 を読 むことは. た」。高三の夏休みには「毎 日のように図書館 に通っ.

(6) 甲南女子 大学研 究紀 要 第 41号. 文学 ・文化編 (2005年 3月. ). て,受 験 勉 強 もせ ず に詩 や短歌 ばか りを書 い て い. た し,県 立 図書館 も遠 か った。学習室 で ,私 は受験 生. た」。図書館 の一 角 の ソファが生徒 たちの溜 ま り場 に. み た い に机 に向 か って小 説 の勉 強 を して い た」。受 賞. なってお り,「 司書が理解 のある人で生徒 の 自由な活. を機 に著書 が 出版 され る こ とにな り,装 丁 を依頼 した. 動 を尊重 して くれた」。「高校 の図書館 には,た んに学. い画家 の連絡先 を調べ るため「隣町の図書館へ」行 っ. 習 の場 としては収 まらない,生 徒 たちが 自主的 に交流. て住所 を調べ ,依 頼 の手紙 を出 して,題 字 を描 くこと. で きる空間があ って もいい。私が過 ご した高校 の図書. を引 き受けて もらう。 自分 のホームペー ジも開設 して. 館 にはそれがあった」 として,図 書館 で手 に した本 に. い るが,「 イ ンター ネ ッ トで も調べ られない ことはま. 衝撃 を うけたこと,卒 業間近 に友人たちと雑誌 を作 っ. だまだ多い」 としている。. て,短 歌や詩 を書 い たこと,な どを述べ てい る。 1970. 44。. 年代後半 の沖縄 には,利 用可能 な公立 図書館 はな く. 吉 田秀和 1913「 図書館 をめ ぐる三 つ の エ ピソー ド」. 「お そ らく,高 校時代 に図書館 で過 ごす 日々が なか っ. 「昭和 の始 めの旧制高校 に通 った」 が,学 校 の近 く. た ら,こ うして小説 を書 いてい ることもなかっただろ. の寮 に入ったので 「 自由な時間が たつぷ りあ り」図書 館 へ 入 ってみ た。「開放 的 で 自由 な ところだ ったの. う」「高校 の図書館へ の感謝 はつ きない」 としてい る。. 42.草 森 1938「『規則 の寛大 さ』 について」 「田中真紀子外務大 臣が,国 会図書館 に閉 じこ もっ ていたとい うニ ュース」 は「私な りに面 白かった」 と. で,私 は手 当 た り次 第 に棚 か ら本 を と り出 し」 た。 「気 がつ くと,何 時間 もたって しま」 ったが「言葉 に つ くせ ない ほど楽 しい経験」 だった。図書館 の長所 と. い う。国会図書館 は「国会議員の勉強に供するために. して,「 自分 ひと りだった ら買 ったはず の ない本 に出. 書物 を集 めた ところのはず」だが,「 業者 が入 って コ. 会えること」 をあげ,「 古今東西 の無数 の著者 たちの. ピーサ ービスェ場化 していて. 声 の聞 こえて くる巨大な音楽みたい なもの」 だ として. (あ. りがた くもあ るが. ,. しば しば腹 も立 ち,ヒ ヤ ヒヤ,イ ライラもす る),国. い る。 また,「 二〇世紀半ば ごろ」 ニ ュー ヨー クに数. 会議員 のためにあるとい う本来 の趣 旨を忘れがち」 に. ケ月滞在 し,「 セ ン トラル・ ライブラリーの部長 で ニ ュー ヨー クの音楽業界 にも大変顔 の きく人物 に会 う. なっている。「私 は,『 本 のかたち』 で書物 を読 みたい. ,. タイプ」 で,「 で きるな ら自分 の所蔵 してい る本 で ゴロ リ寝転が って読 みたい」 ので,「 二 十代半 ばごろ. ので「入口か ら近 い新聞や雑誌 のおいてある広間」 に. までは」「図書館 に出入 りした ことは なか った」。「閲. 入 り「居心地 の 良 い部屋」 で う と う と して しまい. をひそめた静 か さとい うものが,か えって う 覧室 の虐、. 「気 がつ くと約束 の時間 は大分す ぎて しまって」 い た. る さ く感 じられ」 た。「物 書 きの は し くれ」 にな り. が,そ れ を詫 びる と,親 切 に応 接 して くれた。 さら. 「本 を資料 として読 む」 ようになって,「 買 うことの限. に,ベ ー トー ヴェンについて調べ てい る とき,「 晩年. 界 を感 じるようになった」。古典や雑誌 のバ ックナ ン. の ビアノ・ ソナタの 自筆楽譜」 を「 ロン ドンの大英図. バ ー は,高 す ぎた り,手 に入 らなか った りす るので. 書館 とベ ル リ ンの プ ロ シア文化財 団」 で「旅券 をみ. 「時 に図書館へ行 くしかない」。「コピーは著作権 がか. せ ,申 込書 を書 くだけで,即 時見せて くれ」 た。料金. ,. らむので,め んどうだが,係 員の規則一点 ば りには. ,. なんどか私 も腹 を立てたことがある」 し,大 目に見 て. ことになった」。図書館 に行 き,時 間 に余裕があ った. ,. も取 らず,ゆ っ くり調べ させて くれたことについて. ,. 「こ うい う図書館 こそ,最 高 の文化 は世界 中の 人間に. もらったこともある。 また,国 会議員に,コ ピー禁止. 対 し開かれてい る現場 だ とい う証拠 にほかな らない」. になってい る本 を借 り出 して くれるよう頼 んだことの. のではないか としてい る。. 経緯 について紹介 してい る。規則 は不快 なものだが. 45。. ,. 「状況 の変化 によつて クル クル規則 はかわって い く」 として,コ ピー許可 の状況についての具体例 をあげて い る。 43。. 鳴海 1953「 サラリーマン作家の図書館利用法」. 佐野 1947「 出版 と図書館」 (講 演). この文章 は,2001年 の「図書 館総合展」 での講演 「出版 と図書館」 の抄録 で あるい 。佐野 は 2001年 2月 に 『だれが「本」 を殺すのか』 (プ レジデ ン ト社 )を 刊行 し,出 版界や図書館界 で話題 となっていたが. ,. 「子供の頃から物語を作 るのが好 きで,夢 は小説家 になることだった」。エ ンジエアとして働 きなが ら. 「本 を殺 してい るのは読者 だ」 とする"。 図書館 につい. 結婚 し子供ができても,「 休 日の習慣 のひとつ」 とし て「狭い社宅から逃れて,当 時住 んでいた市の図書館. 十 %を 占めてい る,レ J用 者 とつ なが ってい ない」 な. へ通 つていた。国会図書館などまだ見たこともなかつ. 書館教育 の なさ」 や 「民間図書館 との」「交流が図 ら. ,. ては「非常 にギル ド的」「隠語が多 い」「人件費」 が五 どの問題点 を指摘 してい る。 また,「 日本 における図.

(7) 佐藤. 毅彦 :現 代 日本 の文芸 関係者 の もつ 図書館 観 の一 断面 。続. れてい ない」 ことも述べ てい る。 さらに「無料貸 し本. 48.堀 江 1964「 此処に丼戸水 と葡萄酒があるよ」. 屋状態」 になっていることついて,「 強 くこれは言 つ. 「早稲田大学 の本部図書館 にはじめて足 を踏み入れ. てお きます」 として「宝 くじに当たる本 とか競馬 に勝 つ本 とか,そ れまで貸 してやる必要はあるんで しょう. たときに感 じたのは,高 校の小 さな図書室では味わっ たことのない,書 物 を取 り巻 く空間 とのある種の共生. か。そんな本 ぐらいてめえで買 えよと,な ぜみなさん. の思 い だった」。文学部 には「専 門の学生 に使 い やす. 言えない んで しょうか」 と主張 してい る。なお,佐 野. い書籍 と翻訳 の全集ばか り効率 よくならべ た学習室が. の見解 に対 しては,元 岡山市立図書館 ・田井郁久雄 に. あ り」講義 の間の調べ物や知 り合 い を誘 うのに便利 だ. よる詳細 な反論 が発表 されてい る. った。利用回数 は学習図書室が多 かったが,過 ご した. J。. 米原 1950「 ドラゴン・アレクサ ン ドラの尋問」. 46。. 「在 プラハ・ ソビエ ト学校小学部 二年 に編入 して四. 時間 は本館 の方が なが い。「この図書館 の 閲覧室 で. ,. 何冊 も印象深 い本 に出会った」 として,あ る詩の作品. ケ月」「ようや くロ シア語 の簡単 な単語 な ら」読 み書. を取 り上 げて紹介 してい る。そ して 「大学図書館 の. きがで きるようになってい た筆者 は,「 比較的活字 の. 虚飾 を廃 した大閲覧室 とい うどこか宗教的 な厳粛 さを. 少 ない,絵 の多 い本 を図書室か ら借 り」「読 み終 えた. たたえた空 間」 で生 じる思 い入れに言及 してい る。. 本 を,図 書室 の受付 カウンターの ところで返却 しよう とした」 とき,カ ウ ンター にいた女′ 生か ら,本 の内容 につい て話 してみるようにと言 われる。「何 とか本 の. 49。. ,. 浜 田 1953「 世界 の ヒーロー たち と出会 った米議 会図書館」. ワシ ン トンを訪 れて も「議会 図書館 に足 を運ぶ人. あ らす じを最後 まで話 し,さ らに作者 のメッセージを. は」あ まりい ない。地元 で も「古色蒼然 とした書物 の. 曲が りな りに も言 い 当 て る こ とが で きた」。やが て. 山 とい う地味 な印象 をもたれてい るのではないか」 と. 「語 り聞 かせ る こ とを想 定 しなが ら読 む よ うにな」. す る。「図書館 の地下通路 は」「米議会 の主要な ビルヘ. り,「 内容 をで きるだけ簡潔 にかつ面 白 く伝 えよ う と. もつ ながってお り,核 シェルターの役割 を果 た してい. 腐心 して」読 むようになった。「そ の方が面 白 く,集. ると思 えるほど頑丈 な作 り」 になってい ることを紹介. 中力が増すのか,そ れ ともロシア語力がイ 申びていた時. し,仕 事 の気分転換 がで きた ことを述べ て い る。「寄. 期 と重 なっていたせ いか,読 む速度が どんどん速 くな. 贈品保管部 と映像 ・写真保存 セ ンター」 に入 り浸 り ,. っていった」。そ うしたことを くりかえ してい る と. 「その都度 ,何 らかの新 しい発見があ」 った としてい. 「いつの まにか,わ た しの表現力 の幅 と奥行 きは広が. る。なぜ ,い つ,誰 が,ど んな 目的 で「寄贈 したの. ,. つて」 いて,図 書室担当の女性 に心の中で感謝 した こ. か」。それ らの資料 には,「 未公開情報が埋 もれたまま. とを紹介 してい る。. 眠 っている」。「その存在 に気づ かせて くれた米議会図. 笙野 1956「 小説 OS倉 極楽図書館」. 47。. 書館 に心 よ り感謝 してい る。 と同時に,資 料保存 と公. 猫 のことで,賃 貸 マ ンシ ョンを追 い出され,千 葉 に. 開の重要性 を改めて考 えさせ られる」 と述べ られてい. 家 を買 って引 っ越 したが,そ の経過が出て くる著書の. る。. 一冊 『渋谷色浅川』は「図書館の買 い上げ数が新潮社. 50.鐸 木 1955「 図書館 が 『本』 の 呪縛 か ら解 かれ る. の調査 でほぼ 2千 冊」 だ とい う。「普通 は数百冊 とも その時 に聞 い たか ら実 に 『図書館作家』,リ クエ ス ト が多 い とい う証拠」 だ とする。出版社か ら手渡 される 読者 カー ドにも,図 書館 の本 か らとった ものがあ り 「殆 ど例外 な く,『 ッボを心 得 た絶賛』 」 で,中 には ,. ,. 年金生活者や失業 中の 人 もい た。 また,「 鴎外 の娘. ,. 異端 の女天才森茉莉 をモデル」 に した作品 を執筆 した 際 に,「 森茉莉全集」力れヽ るので,「 東京 での執筆 中私. とき」 「実 は,図 書館で 『本 を借 りた』記憶がほとんどな」 く,そ こは「緊張感のある勉強部屋を与えてくれる施 設」であったとする。図書館には三つの機能があると して,「 一つ 日は,資 料. (デ ー タや情報)を. 提供」す. ることたが,「 今ではインターネットに主役 を完全 に 奪 われている」 とい う。インターネットは,た しかに. は森鴎外図書館 と文京区大塚 の都電す ぐ近 くの,中 央. 「玉石混交」だが,今 は「間違 った情報が載 っている 本 は山のようにある」 し,イ ンターネットは更新 され. 図書館 を交互 に利用 し,ま た別の資料 を求め豊島区要. るが,印 刷物 は訂正が効かないのが欠点だとする。. 町の図書館 に も行 った」。要町の 図書館 では,処 分す. 「二番 目に,娯 楽や趣味の一環 として,書 籍 を一般人 に貸 し出す」 ことをあげているが,「 図書館 でベ ス ト. る棚 にあった本 の 中の一 冊 につい て,そ の著者 との 「縁」があ ったことにまつ わるエ ピソー ドを紹介 して いる. 4)。. セラー商品を貸 し出す必要があるだろうか」 といい. ,. 「公的な機関としての図書館 は」「質の高い書物を末永.

(8) 甲南女子 大学研究紀 要第 41号. 文学 。文化編 (2005年 3月. ). く提供 し続 ける ことにこそ使 命 が あ るはず」 だ とす. 繰 り返 し借 りた詩 の本 に,所 沢図書館 の本館 で再会で. る。「三番 目は,文 化 の保管庫」 であ り,「 売 れない作. きた ことを述べ てい る。「最近 ,図 書館 に足 を踏 み入. 家 にとっては,著 作 が 図書館 に入 ることは」「絶版 に. れると,少 し異様 な感 じがすることがある。以前は. なった後 も作品の命 を長 らえさせて くれる」 ことだ と す る。「図書館 で本 を貸 し出す ことに意味 がある とす. 本 を探 す ,借 りる,何 か を調 べ る,勉 強す る とい っ た,目 的を体現 してい るような人だけで 占め られてい. れば,書 店 に並 んでいない本 をいかに多 く提供 で きる. た気がするのだけれ ど,こ の頃 は少 し違 う。無 目的 と. か とい うことに尽 きる」 とする。 この ように「図書館. までは言わない けれ ど,手 持 ち無沙汰そうなひと,本. の機能 は どれ もことごと く落 ちて い る」 ので,「 図書. 嫌 い とは言 わないけれ ど,本 が好 きとい うのではなさ. 館 自身 が,『 本 とい う呪縛』か ら逃 れ るこ とが必 要」. そ うなひとが,行 き場 を無 くした ように,図 書館 の椅. で あ る。「これか らの公共図書館 の 使 命 は,ま さに. 子 に腰掛けてい る。私 はそ うい うひとがそこにい るこ. 『青空文庫』 と同 じものではないだろ うか」。「本 とい. とを,プ ラスの感情 で 眺 めて い る」。「年齢 に関 わ ら. う形 に こだわる必要 はな」 く,「 デ ジタル技術 の導 入. ず ,ど うや らまだ生 きてい る,け れ ど,す ることがな. は必須」 である。「図書館 は『新 しい文化の発信基地』. い,何 をしたら良いかわか らない,そ うい う人のまわ. として生 まれ変 わることも可 能」 であ る。「商業資本. りを,人 の手 を何度 も渡 って柔 らか くなった本 が取 り. とは別 の ところか ら本 を作 り出す とい う発想」 で,郷. 囲 んで い る風景 は,な かなかだ と思 う」 とい う よ う. 土史研究 ,専 門分野 の本 ,文 藝娯楽な ど 〈図書館 ネッ. に,多 様 な利用者が存在 してい る最近の図書館 の状況. トブラ ン ド〉を考 えた らどうか。「本 にはな らない貴. を肯定的 にとらえてい る。「 どこもか しこ も機能的で. 重な情報や作品」 を「埋 もれ させず,発 掘 し,届 ける. ある必要 はない」「現役 の 人に対 しては,機 能的な カ. ことこそ これか らの図書館 の使命 ではない か」。そ れ. ウンター もあ り,超 人的なスピー ドで,書 物 を揃 えて. には「本当 に本 を愛 して い る図書館員,つ ま り『人』. あげ られる職員の方がい らっ しゃった りして,そ うい. を育て られるか どうか」 が鍵 になる, と主張す る。. う,ち ゃきちゃきな コーナー もあるならば,図 書館 の. 51.平 出 1950「 わた くし図書館」. 隅で発酵 してゆ く人の存在 も許 されるだろう」 として. 私小説 ,私 小説家,の あ り方 を「私の日前 に示 して くださつた川崎長太郎 さん」 の「図書館 との簡潔 な付 合 い」 につい て「家 には蔵書 の類 い をほ とん ど置 か. ,. い る。 53。. 黒 川 1961「 利用者 へ の 『壁』 にな らない カウ ン ター を」. ず ,必 要 なときは図書館 に通 つた」 と紹介 してい る。. 「私 は小説や評論 を書 いて暮 らして きたけれ ど,図. また, ドイツ,ベ ル リンの『焚書図書館』 と呼 ばれる. 書館 との関わ りの上では,著 作者 である以前 に,一 人. モニ ュメン トが 「本 のない図書館」 であることをあげ てい る。. の利用者 であ る。 これは,作 家である以前 に,一 人の 市民 であるとい うことと変 わ らない」。「いま住 んでい. 52.片 岡 1961「 水曜 日の図書館」. る地域の図書館 にも,か な り頻繁 に通 っている。図書. 「私 の好 きな図書館」 は「所沢図書館椿峰分館。や は り図書館 は分館 で しょう」 とい う。「居 なが らに し. 館 とい う空間が好 きだ し,私 の よ うな民 間 の物書 き は,調 べ ものや本探 しで も,多 くを公共図書館 に頼 る. て,本 が安心 して死んでゆける場所 とい うのは,限 ら. ことになる」 とい う。最近 「新聞な どのメデ イアで. れてい る。永遠 の書物 などとい うものは無 い。 ひとと. 図書館 をめ ぐる議論 をときお り見 かける。一―公貸権. 同 じにほ とん どの書物 も死 んで ゆ くもの だ と思 う」 「書物 の集積場所 である図書館 が,甘 美 な堕落指南 の. とか,コ ピーの規制 とか,複 本 の制限の要求 とか。あ るいは,公 共図書館 の図書購入費 の削減 とか,旧 蔵書. 場所 であって悪 い はず はない」 とす る。「私 が もし図. の 『廃棄』 (除 籍 )の 加速化 とか」 が話題 になってい. 書館員 になることを希望す るとしたら,採 用試験 の面. るが「 こうした議論や報道 のなかでは,案 外 ,利 用者. 接 で は 『地域 の情報発信基地 の一 員 と して. とか. が実際 に本 を借 り出す 『図書館 カウンター』 とい う具. 『地域文化 の リー ダー として !』 などと言 うか もしれ ないけれ ど,本 当の ところは古 びてゆ く本 の匂 い を嗅. 体的局面 の現状 が,論 者 たちの日か ら,す っぽ り抜 け 落 ちたまま」 だ と感 じてい る。「東京 に住 む私が,日. ぎなが ら,本 と一緒 に,あ るいは本 に埋 もれて死 んで. ごろ利用 してい る近所 の区立 図書館 には,イ ンターネ. ゆ きたい,そ うでなければ腐 ってゆ きたい,そ うい う. ッ トに接 続 で きる来館者用端末 は置 かれてい ない」。. 願望 しかないだろ う」 とい う。 また,「 私 の詩 は図書 館 か ら始 まった」 として,小 学校 の図書館 で出会い. 来館者 は区内の図書館 での状況 しかわか らず,職 員用. !』. ,. ,. 端末 だけが,都 立図書館 にも接続 してい る。区立図書.

(9) 佐藤. 毅彦 :現 代 日本 の文芸 関係者 の もつ 図書館観 の一 断面 0続. 館 の蔵書数 は限 られてお り,所 蔵 しない本 について利. 会 も増 え,図 書館 が ます ます必要になった」。「図書館. (不 慣 れなパー トタイマーなのか もしれ. の館長 はただ一人い る日本人の修道女 で,彼 女 は私 も. ない けれ ど)が 『うちの 図書館 で ご利用 になれ るの は,区 内の図書館 で所蔵 されてい るものだけです』 と. 含 む 日本か らの生徒 たちの相談役で」「いつで も心 の こ もったア ドバ イス を して くれ」 た, とい う。「ハ ワ. “ 説明"」 してい るのを見 かける。都立図書館や国会図. イの大学 に進んで も「放課後は必ず図書館 に籠 もって. 書館か ら借 りることは,説 明 されず,掲 示 もない。別. 数時間 を過 ご した」。. の区で も,強 く要求 しない と,取 り寄せて くれなか っ. 55。. 用者 に「職員. 松山 1945「 本 たちの 日常」. た り,手 続 きをして も予約が “ 立ち消 え"に されて し. 「私 は仕事柄 よ く図書館 を利用 して い る。多 くの場. まうこと もあ った。「地域 の住民 にとって,図 書館利. 合 は歩 い て行 ける都立図書館 と区立図書館」「と きに. 用 のいっ さいの窓口 となるのは,カ ウンターの職員 で. は国会図書館や近代文学館 など」「平均 す れば週 一 回. ある」。それが「来館者 に十分な利用上 の情報 を与 え. ぐらいで どこかの図書館へ足 を運んで い る」。家 は狭. て くれない と,ご くふつ うの子 ども,主 婦 ,勤 め人. い し,「 近 くに図書館があ ることは本当 に助かる」「引. ,. 老人か ら成 っている地域住民 は,図 書館利用 の手 だて. っ越 し難 い理由は図書館が近 くにあ ることが一番大 き. を奪 われる」 ことになる。「地域図書館 で利用者 に情 報格差 (デ ジタル・デバ イ ド?)を もたらすのは,ま. な理由だ とさえ考 えてい る」。「ここには本 たちの 日常 があるとつ くづ く思 う」。 は じめて入 った大 きな図書. ず第一 にカウンター職員 の十分 ならざる対応である」. 館 は,都 立 日比谷図書館 で,「 子 どもの ときは円形 の. として,行 政担当者 ,地 域図書館 の当事者にも理解 を 求 めてい る。 また,都 立図書 館 の OPACか ら提 供 さ. 図書館 だった」「あ ま りの本 の量 に驚 き, しか もい ろ い ろな人がず らりと坐 って本 を読み,調 べ てい る姿 に. れてい る情報 の不確実 さについて,具 体的な事例 をあ. も圧倒 され,す ぐに図書館 を出て しまった」。「図書館. げて紹介 してい る。 さらに,公 共図書館が 「文化的な. はい まで も非 日常 の読書空間」 である。図書館 に行け. 共有財産」 として機能 してい くために「図書館 自体が. │ゴ. 利用者住民 による提言懇談会 のような仕組 みを取 り入. 学 も,紀 元前 の詩 も棚 に並んでい る。 これが本 たちの. れてい くべ き」 としてい る。. 日常 である」。同時多発テ ロ事件 の後 ,新 聞 の書評委. 54。. 中上 1971「 生 きる糧が詰 まった空間」. 「百年前 どころか,五 百年前 の物語 も,千 年前 の哲. 員 をしていて,関 連書 の書評が並 ぶ と知 って「全 く無. 「子 ども時代 を過 ご した家 は,図 書館 の よ うに大量 の本 で溢 れて い た」 とい う。「父親が文筆業」で 「本 がいたる処 にあって も気 にならず,む しろそれが 当た. 機 を問 う本が一方 にあれば,他 方 ではのんび りと愉 し. り前」 と思 っていた。やがて,「 本 で埋めつ くされた」. い 趣 味 を語 る本 もあ る。 これが 本 た ち の 日常 で あ. 関係 の美術 の本 を書評 して紙面 に載せた」。「本 たちの 日常 を守 って欲 しい と希 ったか らである」「世界 の危. 「居 間 を狭 苦 しく感 じる ようになってい った」。「親. る」。「図書館 で私 たちが出会 うのは,こ の じつ にいろ. は,子 どもの読書 に関 してはほとんどノー タッチで. いろな表情 をし,い ろい ろな物語や発見や知識や記憶. ,. 読書 しなさい と言 われた記憶 もな」 く,「 幼 い 頃 の私. や思考へ と導 いて くれ る雑多 で,渾 沌 した本 の世界 で. は本 が大好 きで,絵 本 で も児童書で も,手 当た り次第. ある。たとえ私が考 える ことに反対 の意見 を綴 った本. に読 んでいた」。「中学生 になったあた りか ら,本 と聞. であ って も図書館 の書棚 には置 かれてい る。 これが本. くだけで うんざ りす るよ うになった」。そ の ころ「図. の世界 の 日常であ」 るとの思 いがあつた。「図書館 に. 書館 は,本 を借 りた り読 んだ りす るところでは決 して. は本当 に沢山の本 があ り,多 くの人 々が本 を読 んでい. な く,休 み時間や放課後 に友 だちと喋 った りくつ ろい だ りする場所」 だった。高校 一年 か らロサ ンゼルスの. る。あの雑多 な本 と人々の表情 に,圧 倒 されなが らも 私 はつ くづ く本 たちの 日常が ここにあると思 う」。. 女子校 に入 ったが,学 校 で出されるラ ンチが高 カロ リ. 56.室 井 1955「 〈本番 〉の 日々」. ーす ぎたため,「 昼休み は必ず図書館で過 ごす よ うに. 筆者 は「元図書館員」 であ った。二十代半 ば,就 職. なった」。「図書館員か ら死角 になってい る本棚 にもた. 試験 に失敗 し「某私 立 大学 の 図書館」 で「嘱託職員」. れて座 り, しば しば昼寝 をした」 り,試 験前 にはそこ. になった。「図書館員 になるのが夢 だったわ けではな. で勉強 し,「 ホーム シックになった時 は,日 本 を紹介. い。 たまたまわ りふ られた場所 を特別視す るような性. す る写真本」 を見た。「それか らは,本 を通 じて出会. 向」 がある。職 に就 いた夏に「速成 の講習 に通 い司書. うさまざまな世界 の文化 が 楽 しみで 図書館 へ 向 か っ. の資格 を得 た後 ,図 書館 業務 を一通 り体験」 した。. た」。「学年が上 になるにつれて調べ物 をした りする機. 「和書 ・洋書 の分類整理係 ,雑 誌係 ,レ ファレンス ・.

(10) 40. 甲南女子大学研 究紀 要第 41号. 文学 0文 化編 (2005年 3月. ). ツール (参 考図書)係 ,貸 出 ・閲覧係 ,そ れに蔵書点. 生 の姿 を通 して,世 間や現実 とい うものをあか らさま. 検等 々,図 書館員なら誰で もや らされる仕事 を私 もし. に突 き付けて くる気 さえす る」。「図書館 とネッ トの ど. ご くまじめにこな したつ もり」 である。洋書係 で「外. ちらかを選ぶのではな く,現 状 は うまく使 い分けるの. 国語学部 の新設」 によ り,「 中国語 ,ロ シア語 ,朝 鮮 ・韓国語 ,ア ラビア語, ヒンデ ィー語文献」 のテキス. が よさそうだ」 とい う。 59。. 久世 1935「 く知 〉の図書館」. 館』 の邦訳が出ると,「 元図書館員 のモ ノカキが座 右. 「図書館 と聞 くと,か ならずペ ギー葉山の歌」『学生 時代』 蔦 のか らまるチ ャペ ルで 〉〈秋 の 日の 図書館. に置 くべ きミニ ライブラリーの ような気が したので無. の,ノ ー トとインクの匂 い〉 )を 思 い 出す。昭和三十. 理 して買 いそろえた」 とい う。. 九年 (1964)の 「ペ ギー葉山の出身校 の青山学院がモ. 57.林 あまり 1963「 び くび く」. デル」 だ とい う。「私が出入 りしたのは本郷 の東大図. ト群 の整理 に取 り組 んだ。 ボルヘ ス『バベ ルの 図書. (〈. 「子 どもの頃,そ して少女時代 ,『 本が好 き』 と明 る. 書館」 で「あのころの図書館 と言えば,暗 かった。寒. い笑顔 で言 い切 つたことがなかった」。「当時の図書室 には」「子 どもたちは寄 りつ か」ず,そ こそ こ広 くて. かつた。田舎の土蔵 の中に似た,ち ょっと酸 っぱい空 気が籠 もっていた」。「その代 わ り,一 本 の銀 の糸のよ. きれいだが,ガ ラ ンと したそ こに「泥棒 のようなび く. うな冴え冴え とつ よい ものが,輝 きなが ら高 い天丼か. び くした気持 ちで」入 り,「 物語 の棚 の前 で しば ら く. ら降 っていた。それを私 たちは 〈知 〉の光 だと思 って. 迷 つてか ら一冊 を抜 いてカー ドに記入 し,借 りて帰 っ. い た」。「本郷 の 図書館」 に「週 に十 時間 ほ どは」「い. た」。「学校 の調べ ものか何 かで必要にな り,中 学二年. たような気 がす る」。調べ もの を した記憶 はな く,画. くらい になって,電 車 で」図書館 に行 った。「い まで. 集 を机 に広げ,「 ただぼんや りと眺 めているだ け だっ. も,図 書館 で本 を借 りる ことは して も,館 内でゆっ く. た」。それで も「青春時代 の 中で い ちばん 〈知的 〉な. りと読書 して過 ごす習慣 を持たない。 まわ りに人のい. 時間 だつたよ うな気がす る」。「このごろの 図書館 は」. る ところで 本 が 読 め な い」 とい う。「図書館 に行 く と,私 はい まで も少 しび くび くして しまう。ちょっと. 整備 され,機 能的にも変 わったらしいが「私 はこの何 十年 の間,大 きな図書館へ も,街 の図書館へ もいった. で も感 じの悪 い応対 をされると泣 きた くなる し, じ―. ことが ない」。必要な資料 は,編 集者 の人に頼 む。「私. っと見つめ られると逃げ出 した くなる」。「本,そ して ヽ の奥深 くにかかわって くる問題」 な 亡 読書 は,個 人の′. は図書館 の幻影が崩 れるのを見 た くないの だ。それは 〈知 〉の幻影 と言 って もいい」。「流行 のベ ス トセ ラー も結構だが,古 典 とのバ ラ ンスは どうなっているのだ. ので「図書館 のス タッフの方 々は」「口か ら出るひ と 、 ことひとこと,ち ょっとした表1青 や態度にまでぜ ひ″ 亡. ろ う」。「文化 とはほどよい均衡 のことを言 う」が,出. を砕 い てい ただ きたい」。「『 しずかなほほえみで優 し. 版界ではわが国の近代文学作品が絶版 になってい く。. く』接 していただけたら」 とい う。. 58.菅. 1963「 図書館 とい う砦」. 「小学校 か ら高校 まで,ず っ と図書委員」 で「読書 で現実逃避す る毎 日」だ つた。「書架 でで きた本 の砦 の 中へ 籠 るの も好 き」で 「本 を手 に取 らず」「ぼんや りするだけの時間 も,私 はこの上な く愛 して い た」。 小説家 となってか らも「自宅近 くの図書館 にはたいへ んお世話 になった」。特 に「アイデ イアをシノプシス ヘ と練 り上 げる段 階」 で,自 然科学 や百科 事典 か ら. 「それがその まま図書館 の書架 とイ コール になって し まった ら,わ が国の く知 〉の領域 はどうなって しまう のだろ う」 と述べ てい る。 60。. 野中 1946「 自由の天地へ のステーシ ョン」. 「子供 の頃か ら,図 書館 は,お 気 に入 りの場所 のひ とつ だった」。放課後に「私 だけがひとりで図書館へ」 行 って「興味 をそそ られた本 を読 み耽 る」。両親 は子 供時代 に「で きるだけ多 くの本 を読 んでお くべ きだ ,. とい うことを教育方針 のひとつ に して」 お り,本 をプ. 「使 えそ うな専 門用語 を芋蔓式 に調べ て い く」。「百科. レゼ ン トして くれたが,そ れは子供 にとってハー ドル. 事典 だけに限って着 目しても,複 数種類 を常備 した図. の高 い ものが 多かった。「活字 の大 きな,ち ゃん とル. 書館 に幾度救 われたか知れない」 とい う。「近 ごろで. ビの振 ってある,夢 に溢れた物語」「幼 い 人たちのた. はめ っ き り図書 館 へ 行 く機 会 が 減 って しま ってい. めに書 かれた綺麗 な絵本」 など「親 に買 って もらえな. る」。代替 は「もっぱらインター ネッ ト」 で,「 書架 を 渡 り歩 き芋蔓式 に拾 い読 みする行動 は」 ネッ トサ ー フ. い,そ う した本 を図書館 で探 し求 め た」。図書館 は 「現実 を超 えた自由の天地へ 出かけるためのステ ー シ. ィンと「感覚的 に近 い」。 しか し「イ ンター ネ ッ トは. ョン」 だった。二 十代 の一 時期 ,ア メ リカで暮 ら し. 私 を現実か ら守 って くれ は しない」 し,「 筆者 たちの. た。その町の大学 は「アジア研究 の盛んな学校」で. ,.

(11) 佐藤. 毅彦 :現 代 日本 の文芸関係者 の もつ図書館観 の一断面 。続. 41. 図書館に「 日本語の本や雑誌,新 聞」があ り「日本の. にい ると,嘘 じゃない か, と思 う」「魅力的な本 を提. 活字を貪るように読 んだ」。「母国の言葉にとても, と. 供 で きない まま,た だゃみ くもに新 しい本 を出 し続け. て も飢 えて い」 て , 日本 の作 家 の本 も読 み ,日 本文学. る出版社 の愚痴 の ように しか聞 こえない」「本 の こと. の名作 に も触 れ た。「 そ ん な 日々の 中 で ,私 は,自 ら. を考 えると図書館 のほ うが,可 能性 に満ちてい る気が. も小 説 を書 き始 めた」 とい う。. す る」 とい う。. 61。. 三木. 卓 1935「 学校図書館 とわた し」. 63。. ある学校 の図書館 で,司 書が本 の整理 をしてい る中. 柴田 1954「 幻想 の図書館 ・現実 の図書館」. 小説 の中の図書館 について,リ チャー ド・ブローデ. に「半世紀 ほ ど前 には若 い人にとて も愛 されて い た」. ィガ ン『愛 の ゆ くえ』 をと りあげ,「 そ こは とて も変. 翻訳書が入 っていた。古 いだけで手 にとって もらえな. わった図書館だ。名 もない人 々が,自 分 にとって本当. いこ ともあ り,廃 棄予定 の本 の山は,背 が黒 く変色 し. に大切 な ことを書 き,書 き上が った ら,世 界 にたった. てお り,「 廃棄 は今時,当 然 のことなのか もしれない」 が,好 奇心 をもって調べ る生徒 がい るか もしれない。. 一冊 しかないその本 を,こ の図書館 に持 って くる」 と 紹介 してい る。 また,ユ ーゴス ラヴイアの作家 ダニロ. 新 しい本 を入れるとスペースがな くなるなら「学校図. 0キ シユの短編 『死者 の百科事典』 にある「詳細 な伝. 書館 を,拡 充 して」 は どうか。「高名 な文学者が,公. 記的記述 を集 めた本 が 『中世 の図書館 のように,太 い. 共図書館 にサ イ ン入 りの 自著 をた くさん贈呈」 した. 鎖 で書棚 の鉄 の輪 につ ながれて』 い る」例 をあげてい. が,古 ぼ けて きた ら捨 てて しまった。サ イ ン本 な ど. る。現実 の図書館 では大田区立大田図書館 を「蔵書量. は, どこの図書館 で も気 をつかってほ しい。学校図書 館 では「生徒が何 を調べ た くなるのか,何 を読 みた く. は抜群」随官員 の人 も」「親切」 で,「 この 図書館 まで 行 って調べ ものや捜 しもの をするのは僕 にとって最高. なるのか,本 来予期 で きない ものではないのか」。「死. の贅沢」 としてい る。「図書館 の予算 が年 々減 ってい. 蔵 に近 い状態になる本が増 えるに して も,図 書館 とし. る」「司書 の数 が減 っているとかいった記事 をみ るた. てそれに応え得 る 〈可能性 〉を自ら捨 てるべ きではな い」。今 の「新刊書店 には時間の堆積 ,文 化 の堆積が. びに胸 が痛 む。大田区内の図書館 の利用者 は年 々増 え て い る とい うの に……」。 また,都 知事 選 の候 補 者. 圧倒的に薄い」。「図書館 は,必 要な本 はどんんなに汚. が,都 立 図書館 の合理化 を訴 えてい るのをみて愕然 と. くなって も,古 くなって も,こ どもが手 にとらな くな. した ことを紹介 してい る。図書館 について望む ことと. って も,残 しておかなければならない ところで ある」. して,「 本 が一回貸 し出 されるたびに著者 になにが し. とい う。. かの額が支払 われるようにす る」 こと,「 本 の揃 え方」. 62.白 石 1960「 背文字 のポエ ジー と トイレと」. は「少部数 の本 をきっち り揃 えて」 こと,「 書庫 はで. 「本 の ことを思 う と,ち ょっとブルー になる ときが. きる限 リー般利用者 に開放 してほ しい」 こと,を あげ. ある」 として,ふ えてい く本 とその整理 について述べ. てい る。. てい る。「本が昔 の ように貴重品 ではな く,消 耗 品 の. 64.中 井 1934「 図書館 に馴染 まざるの記」. ようになったか ら」書店 の雰囲気が変わ り,小 さな書. 「戦時中の小学生 に学校図書館 はなかった」。「敗戦. 店が消 え,「 大 きな書 店 に目的意識 を持 って行 くよ う. の翌年 ,旧 制高等学校尋常科 に入学」 し「図書室が高. にな り,欲 しい本 を買 った らお しまい」 になった。. 等科 と共通」 で,「 図書館 の受付 の女性 に可愛 が られ. 「図書館 をと りまく空気だけは変 わらない」「図書館 は. て書庫 に入れて もらった」。九鬼周造 の蔵書が寄贈 さ. いつ行 って も, どんな状態 で も受け入れて くれる し. れ「九鬼文庫」 となっていて「著者 のサイン入 りの豪. 発見がある し,本 っていい なあ, と素直 に思 う」。「書. 華本」 を手 に取 った。大学入学当初 には「大 阪駅 に近. 店 だったなら絶対 に行 かない ジャンルの本棚や海外文. い ビルの一階を使 っていた米軍の CIE」 の図書館 を利. 学 の ところに立 ってぼ―っと眺 めるのが大好 き」「閲 覧 の コンピュー ターで調べ るの も好 き」「全 ス ポ ー ッ. 用 していた。本がみつ けやす く,盗 難や切 り取 りもな い。 また「米国人司書 のプロ らしい采配 と利用者へ の. 新聞の芸能欄 ,読 み比べ も楽 しい」。「私 の場合 ,図 書. あふれる好意 も忘れ られない」 としてい る。「今 の私. 館 に行 くとい うのは,あ んま り気負 わず に,な んとな. は図書館 の よい利用者 ではない」「図書館 の本 はいつ. く行 ってみ ようか」「ふ らりと行 くのが一番 いい みた. もあるとい う保証がないので困 る。なるべ く買 う。大. い」「あるときは買 ったばか りのぶ厚 い本 を持 って. 学 の図書費 を使 わず ,私 費で買 う。懐 をいためた本 で. 図書館 で読み きろう,と 決 めて行 く」「 とにか く本 だ. ない と真剣 さが足 りな くなる」 とい う。 また,蔵 書 を. けの世界 に浸 る」。「『若者 の活字離 れ』 なんて図書館. 寄付す る行為が迷惑 となるケースがあることについて. ,. ,.

(12) 甲南女子大学研究紀要第 41号. 文学 。文化編 (2005年 3月. ). は,小 さな図書館 を運 営 した経験 か ら知 ってお り. なかった」 とい う。「住 んで い たのは大阪 の市 中で図. 「図書館 が多 くの本 を廃棄せ ざるをえないこ とは了解. 書館 はい くつ もあ った」 が,同 級生が「 ノー トを写 し. で きる」 とする。一方,あ る調査事項 について,明 治 大学が古 い雑誌 を保存 してい ることで,事 実が確認 で. あ っていたのが公共の図書館」 でその ような態度が厭 だった。「仕事 に行 き詰 ま り,一 切 の活動 を停止 して. きた伊Jを 紹介 してい る。. 蟄居」 していた時期 ,買 い物 の帰 り,普 段行 かぬ道 を ふ らふ らしてい ると,見 なれぬ立派な建物があ り,そ. ,. 65.日 垣 1958「 原稿料 と印税 の話」 作家の具体的な氏名 をあげなが ら,原 稿料 と印税 に. こは図書館 だった。「図書館 では万巻 の書物が無料 で. ついての歴史的な流れを中心 に記述 してい る。. 読 めるのである。そ んなことはちっ とも知 らなか っ. c01.常 盤 1931「 ある図書館」. た」。「以 降,三 年 間,自 分 は毎 日図書館 に通 っ」 て. 「ニ ュー ヨー ク・パ ブ リック・ライブラリー」 中央. 「当時 の 自分 にとってはパ ラダイスの よ うな場所 で あ. 館周辺 の状況か ら連想 して,「 図書館 をテーマ に した. った」 とい う。. 短編小説 のアンソロジー を読 んだ」中に「ユ ダヤ系作 家の少年時代 を回想 した一遍」があ ったことを紹介 し. c05。. てい る。その作家 の本 を「読 みかえすたびに」「戦 中. てい る」 が,難 点 は「不要な情報が,あ まりにも大量. の 中学一年 のころ,学 校 の帰 りに図書館 で鞍馬天狗 を. に混 じって い る」 こ とで あ る。調 べ もの の 際 は. 読 んだことを思 い出す」 とい う。 c02。 司 1936「 ア トリエ と本箱」. 柳瀬 1943「 インター ネッ ト図書館」. 「インター ネッ トとい う図書館が超高速度 で膨張 し. ,. 「wwworObotwisdomocom」 か ら入 るのが 「最 善 で あ る よ うに思 う」。 ジェ イムス・ジ ョイ ス 『ユ リシ ーズ』. 「図書館へ行 くことが まった くな く長 い間過 ご して. について インター ネッ トが有効 であるような具体的事. いた」 が 「小説 を書 くようになって,あ ちこちの図書. 例 を紹介 し,「 イ ンター ネ ッ ト図書館 はこんなふ うに. 、 亡 地 よさを知 っ 館へ走 るようになった。図書館 にい る′. す │ゴ らしい」「 しか しやは り『本』 はな くな らない こ. て しまった」 とい う。「特 に司書 の方 と虐、 が合 う と とことんまで調べ が進む。予想 もしない本 に出会」 っ. とを固 く信 じてい る」 と述べ てい る。. ,. た例 として,ウ イー ンの図書館 で銅版画 を見 たところ 「近 くにい た司書 は,ボ クが関心 を示す絵 か ら,関 連. c06。. 天沢 1936「 図書館 って本当 は何す る所 ?」. 「図書館 とは何 か ?. 図書 が た くさん つ まった建. 物。 では,図 書館 とは,何 をしに行 く所 ?. これが よ. ある版画 を持 って きて見せて くれた。その ような こと. くわか らない」 とい う。小学校四年の秋,初 めて入っ. は 日本 の 図書館 で い まだ経験 す る ことが ない」 とい. た町立 図書館 で 『アラビア ンア イ ト』 を読 んだが. う。 c03。. ,. 「途中で本 を閉 じて図書館 か ら逃 げ出 し」 て しまう。 泉 1956「 永田町の タイムマシーン」. 町一番 の本屋 が母の実家で「一言 い えば何で も貸出 し. 「永 田町 の 『国立 国会 図書館』 に初 め て 入 つたの は,十 年 ほ ど前 の こ と」 で,当 時 『B級 ニ ュー ス 図. て くれ」「私 にとって便利な新刊図書館」 で,「 暗 く怖. 鑑』 とい う「新聞の隅 つこの方 に,大 事件 とまではい. の とき「図書委員会 の常任委員」 で「学校図書館 は私. かない,け れど妙 に味 のある内容 の」記事 をまとめた. の住 む場所であ り,仕 事場 で もあ った」。「沢山の本 を. 本 を作 ってお り「国会図書館 の 『新聞閲覧室』 に日夜. 借 出 しては読破」 し,「 授 業 をさぼって友 人 と将棋」. 通」 って い た。「あ の 頃,国 会 図書館 の 新 聞 閲覧室. をさ した り,貸 出 し事務 を し,購 入図書 を選 定 し. は,僕 にとって 『タイムマ シー ン』 の ような部屋 だっ. 『館報』 を編 集発行 を して,そ こに「エ ッセ イや文学. た」 とい う。なお,泉 の別のエ ッセ イでは,国 立国会 図書館職員 の対応 について「本館四階の地図室。寡黙. 時評 や書 評や総合雑誌評 を書」 い た。「 自分 の大学図 書館 にはなぜかほとんど足 を踏み入れなか った。必要. なその部屋 の空気 に見合 った,お そ らくこの何 ケ月か. もなか った し,と くに関心 もなか った」。次 に図書館. 頬 の筋肉 を緩めた ことが ない ような趣 の婦人が受付 に. にハマ ったのは「留学 以降の パ リ国立 図書館」 で. 座 っていた」。「頬 の筋肉の凍結 した婦人は,シ レッと した乾 い た声 で言 った。『一 度 に五冊 までです !』 ロ シアのパ ンの配給 を受けるように,僕 は五冊 の住宅地 図 をもらい受け,席 についた」 と描写 されている'。. c04.町 田 1962「 お くての俺」 筆者 は 「二十七歳 くらい まで図書館 に入った ことが. ろ しい町立図書館 には三度 と行 かなかった」。高校生. ,. ,. 「研 究 テ ーマ の ための必 読文献」「最新専 門誌 の 論」 「中世写本」 などを読んだとい う。 c07。. 多和 田 1960「 夜 の図書館 の顔」. 著者 は,ハ ンブル グ中央 図書館 を利用 して い る。 「学問的 な調べ もの なら大学図書館 へ 行 くが,借 りて 読 んでみたい本 がある時 には,市 の 中央 図書館 に寄.

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