原発、エネルギー問題を見るときの科学的視点
松 尾 昌 宏
目 次 1.はじめに 2.化石燃料との比較 3.太陽光発電の問題点 4.電気需給ピーク時間帯の不一致と、蓄電コスト問題 5.風力発電の問題点 6.結論1.はじめに
最初にクイズである。1g(1 円玉 1 枚分)の質量エネルギーで、50m プールの温度を、どれくらい 上げることができるであろうか。アインシュタインの有名な E=mc2(エネルギー=質量×光速の二乗)の 式に当てはめると、これは 0.001×(3×108)2=9×1013J(ジュール)=9×1010kJ(キロジュール)、1kcal(キロカロリー)=4.2kJ 弱なので、これは約 2.15×1010kcal である。1kcal は、1リットルの水の
温度を 1 度上げるのに必要な熱量である。他方で 50m プールの水の量は、幅 20m、深さ 2mとして、 50×20×2=2000m3=200 万(2×106)リットル、よって僅か 1 円玉 1 枚の質量で、50m プールの 水を 0 度から 100 度まで、108 杯も沸騰させることができる計算になる。実際には核燃料物質の質量の うち、エネルギーに変換できるのは、全質量の 1100 分の 1 程度であるので、1 円玉 10 枚分余りの核 燃料で 50m プール 1 杯を沸騰させられる程度であるが、それでも核エネルギーがどれほど少量で膨大 なエネルギーを生み出すかがわかる。これだけの熱量を得るのに、他のエネルギー源だと、どれくらい の資源投入が必要であろうか。 東日本大震災以来、原発への風当たりはなお強い。日経新聞の世論調査によると、現在でも原発 再稼働反対者の割合は 56%と、賛成者(29%)の 2 倍近くにも達する1。確かに震災後の原発事故 への東電や政府の対応には、誠意を欠く点があった。しかしかと言って、電気の使用をやめる訳には いかない。問題は、原発以外の他の選択肢をとった場合、原発と比べてどの程度のコストやリスクが 新たに発生するかである。原発反対というのは簡単であるが、それではそう言う人々は実際、それに伴っ て生じる他方面での影響がどれほど大きいか、どこまで科学的かつ具体的に検討したことがあるのだろ うか。
2.化石燃料との比較
例えば石炭の場合、質の良い輸入炭でも 1kg あたり 27MJ(メガジュール)= 2.7 × 104kJ = 6.4 × 103kcal、したがって 50m プールの水 1 杯を 0 度から 100 度まで上げるのに、同様の計算で約 33.3 トン(核燃料の 330 万倍!)もの石炭が必要である。これほどの石炭を燃やすと、その 12 分 の 44 倍2、つまり 122 トンもの二酸化炭素を排出することになる。これを体積に換算すると、1 気 圧の下での 1 モルあたりの大気の体積は約 22.4 リットルなので、22.4 ×(122 トン÷ 44g)=約 6200 万リットル= 62000m(つまり 100m 四方のグラウンドに 6.2m 積み上げた高さ)もの量になる。3 天然ガスの場合は、炭素に加え、水素の燃焼熱も加わるため3、熱量あたりの二酸化炭素排出量 は石炭の半分程度になるが、それでも二酸化炭素排出量は、31000m3にもなる。 日本の電力消費は年間約 1 兆 kwh(キロワット時)=約 3600 兆 kJ(キロジュール)= 3.6 × 1015kJ なので4、上の結果から、核燃料だと(3.6 × 1015kJ)÷(9 × 1010kJ)× 1100=4.4 × 107グ ラム= 44 トン、実際は原発のエネルギー変換効率は 3 分の 1 程度なので、年間 132 トン程度の燃 料で日本の全電力を賄えることになる5。また、燃料に含まれるウラン 235 の濃度は 3% 程度、う ち 3 分の 1 程度は燃え残るので、核廃棄物の量は年 6600 トン程度である。 それが、石炭の場合は(3.6 × 1015kJ)÷(2.7 × 104kJ )=1.33 × 1011kg = 13300 万トン、石炭 火力発電のエネルギー変換効率は高くて約 45% 程度なので、実際は約 3 億トン、体積にして約 5500 億 m3(つまり 10 キロ四方×高さ 5500m)もの二酸化炭素を生み出すことになる6(ちなみ に天然ガスの場合は、上の約半分の量)。震災前の日本の発電量の約 30% が原子力であったので、 これが火力に置き換わっただけで、二酸化炭素排出量がどれほど増えたか想像がつく。よく原発は、 その廃棄物処理の問題ゆえ、「トイレのないマンション」と揶揄されるが、廃棄物の量的大きさを 考えれば、この例えは原発よりもむしろ火力によく当てはまることがわかる。ちなみに世界全体の 電力消費量は年間約 23 兆 kwh なので、上記の数字を約 23 倍にした値が、世界全体のそれぞれ の値となる。原発は事故の際は、局所的には甚大な被害をもたらすが、人類全体の生存を脅かす ものではない7。それに比べ、化石燃料による発電は、「ゆでガエル」にも例えられるように、大き な事故はなくとも、長期的には全地球レベルでの環境変化を引き起こし、人類の生存を脅かしか ねない。「原発反対!」と唱える人々は、果たして上記の数字を頭に描いたことはあるのであろうか。 また、原発設備なら日本の重電メーカーによる自前の設備製造も可能であるが、化石燃料は燃 料の輸入に伴う、毎年約 20 兆円ものコストが掛かる。現在は資源安でこの問題は収まっているが、 ひとたび資源価格が上昇に転じれば、巨額の外貨流出とインフレ圧力が高まってくるかも知れない。 加えて化石燃料には、資源の偏在からくる、供給停止のリスクもある。実際、2014 年にロシアは ウクライナ問題を有利に運ぼうと、欧州諸国にガス供給停止の圧力を掛けた。3.太陽光発電の問題点
一方で、原子力や火力を使わなくとも、太陽光や風力など、自然エネルギーがあるではないか との反論もあるかも知れない。ではそれらの発電には、どの程度の資源投入が必要なのであろうか。まず太陽光から見ていこう。毎日地球に降り注ぐ太陽の熱量は、1m2あたり 1.36kw、つまり 1.36kJ /秒である。このうち約 30% が宇宙に反射されるので、地表に届くのは 0.95kJ /秒となる。1 日 の昼間時間は 12 時間あるが、太陽の高さは変わるので、実質値は 36% ほど減る。さらに日本は 北緯 35 度付近にあることと、季節ごとの地軸の傾きの変化、さらには曇りや雨といった天候の影 響も考えると、結局真上からの日照量に換算して、全国平均で 1 日 3 時間程度の日照時間にしか ならないという8。よって、日本全国平均の 1m2あたりの年間太陽光エネルギー量は、0.95 × 3 × 365=1040kwh となる。したがって日本の年間電力消費量 1 兆 kwh をこの値で割ると、9.6 億 m2 = 960km2の土地が必要なことになる。但し太陽電池のエネルギー変換効率は普及品では高くても 20% 程度である。よって実際には 960 ÷ 0.2 =約 4800km2もの土地が必要となる。さらに太陽光 発電の電気は直流で、送電に不向きなので、これを交流に変換する際、約 20% のロスが発生する という問題もあるので、これらを加えると必要面積は 6000km2に拡大する。日本の国土面積は約 37 万 km2であるが、平野部は全体の 2 割、7 万 km2余りであるから、その 8.6% ほど必要である。 一方で、日本の総世帯数は 6000 万世帯ほどであるので、仮に 1 世帯平均 30m2(かなり無理のあ る数字である)太陽電池を設置するとしても、総面積は 1800km2にしかならない。寒冷地の場合 は積雪の影響も考えられる。不可能な面積ではないが、かなり大変である。加えて太陽光パネル の経年劣化による、変換効率の低下という要因もある。 加えて太陽光発電は、現在でも発電コストがかなり高い。ネット上の太陽光発電設備の価格を 見ると、安いものでもメーカー希望小売価格で 1kw あたり 30 万円ほど、20 年償却として金利も 含め年 16500 円ほどのコストである。他方で 1kw に日本の平均日照時間 3 時間×365日を掛けると、 年間発電量は 1095kwh ほど、したがって 1kwh あたりの発電コストは 15 円と、原子力の 10.3 円(福 島の処理コスト含む)、石炭火力の 10.8 円、LNG 火力の 11.0 円と比べて割高である。一般家庭用 の電気代が 1kwh あたり約 23 円であるから、これに 4 円程度の上乗せが必要である。しかもこれ に加えてメンテナンスのコストや、パネルの経年劣化の問題もある。しかも上の試算は設置費用を 含んでいない。これらを含めれば、実質コストは優に上の 1.5 倍を超えるであろう。 また、現在太陽光発電の普及がある程度進んでいるのは、固定価格買い取り制度のおかげであ るが、これは火力など他の安定した発電方法がバッファーとなって、太陽光の不安定性を吸収し てくれているためであり、太陽光の比率が高まれば、停電の危険が増すとともに、コスト負担も耐 えられないものとなるであろう。実際、ドイツでは再生可能エネルギーによる発電比率が 24% と 非常に高いが、その一方で家庭に上乗せされる賦課金は、年間約 28400 円にもなるという9。これ がもし 100% になれば単純計算で年 12 万円近くにもなる。これを日本の世帯数 6000 万にあてはめ ると、年約 7 兆円余り、消費税 3% 分にもあたる巨額のコスト負担となる10。 但し技術革新は進んでおり、内閣府の予測では、2030 年頃には 1kwh あたり 10 ~ 12 円と、原 子力や火力と、ほとんど遜色のない水準になりそうである11。ではその時には太陽光発電の普及が 一気に進むかと言えば、なかなかそうもいかない。
4.電気需給ピーク時間帯の不一致と、蓄電コスト問題
太陽光は夜は発電できず、また天気によって発電量が変わるなど不安定であるので、これをベー スロード電源とする場合、充放電設備との組み合わせが欠かせないが、これが結構高価である(同 様の問題は、風力にも存在する)。筆者は先日、車のバッテリーが上がったので交換したが、その 際に 8000 円の交換費用を要し、また耐用年数は 3 年であるという。自動車程度の僅かの電力の充 放電で、これほどの費用を要するのだから、その何十倍もの電力を要する家庭用バッテリーの場合、 はるかに多くのコストが掛かるであろう。実際、トヨタのプリウスは、購入の 5 年後にバッテリー 交換が必要であるが、約 20 万円(年平均 4 万円)ものコストが掛かると聞く。プリウスに使われ る電気の量がどれくらいかは把握していないが、恐らく家庭用電力よりは、はるかに少量であろう。 したがって電気を貯めるには、従来型の電池を使うよりも、余った電気を別の化学物質、即ち 水素に変え、それを再び電気が必要になった時に反応させて電気を得るという、「燃料電池」を使 うのが現実的であろう。これは水の電気分解の反対の化学反応過程であり、既に家庭用燃料電池「エ ネファーム」や、最近売り出されたトヨタの新型車「ミライ」で使われている。しかしエネファー ムの価格は下がったとは言え、なお 160 万円もする。これを日本の 6000 万世帯全てに設置すると、 100 兆円近い投資額になる。 さらに充放電の際のロス(電気の水素への変換効率 60%、水素の電気への変換効率 83%)を考 慮すると、充電後の放電量は 0.6 × 0.83=0.498 と、発電時のほぼ半分になってしまうため、実質 的な発電コストは名目上のそれの 2 倍となる。したがって原子力や火力と競争するには、おそらく 1kwh あたり 5 円程度にまでの発電コスト削減が必要であろう。さらにエネファームの固定費をカ バーするには、更なる発電コスト削減が必要となる。また、上で述べた日本の年間全電力を賄うの に必要な面積も上記の 2 倍、約 12000km2にまで広がってしまうであろう。これは費用的にも面積 的にも大変である。 なお、発電パネルをもっと低緯度で天気の良い地域、例えばサハラ砂漠など砂漠地帯に持って 行けば、1 日平均 6 時間程度の日照時間は確保できるので、発電コストは半減できる計算になる。 したがって発電は砂漠地帯で集中的に行い、これを水素に変えて、高緯度地域に運んで利用する というのがより効率的であろう。これなら今後 20 年程度で、世界のかなりの地域でコスト的に見 合うようになる可能性もある。 但し、日本に限って言えば、島国であることから、パイプラインでの輸送は不可能で、液化して 運ぶ必要があるが、水素の沸点は- 253 度と絶対零度に限りなく近いので、水素をこのまま運ぶ のは難しい12。5.風力発電の問題点
最後に風力発電の可能性についても検討しよう。前の Newton 記事によれば、毎日地球に降り 注ぐ太陽エネルギー 173 兆 kw のうち、風力・波力に変換されるのは 3700 億 kw とある13。これ に 1 日 24 時間と 365 日を掛けると、年間総エネルギー量は 3240 兆 kwh、したがってこの僅か 0.7%、風力発電の変換効率を最高 40% としても 1.7% ほどで、地球の全電力エネルギーを賄える計算に なる。 但しコスト面で合うかどうかはまた別である。風力発電には、1 年中安定して風が吹く立地条件 が低コスト化の鍵となるが、そうした適地は限られている。桜美林大学に設置されている「さくら かぜ」(風力と太陽光の併用施設)がコスト的に話にならないことは、以前にも論じた14。よって 日本の場合、風力利用は洋上風力発電が前提となる。しかも日本の周りの海は深いので、海底へ の固定式ではなく、浮体式設備が前提となる。ではそれに掛かるコストはどれくらいであろうか。 ここでノルウェーの国営石油会社が 2009 年に設置した実験施設を参照すると、まずその大きさ は直径 82.5m、総重量 5300 トンと巨大なもので、そのコストは 4 億クローネ(当時のレートで約 62 億円)という15。30 年償却として(かなり甘い前提である)金利負担も考えると、年間 25000 万円程度であろう。他方でその発電量は、2011 年で年間 1009 万 kwh であったので、1kwh あた りの発電コストは約24.8円と、かなり高価なものになる。これにメンテナンスコストが上乗せされる。 しかも風力は太陽光と同様、発電量が安定しないため、蓄電設備が前提となるが、これによる変 換のロスを考えると、そのコストは倍増し、これに蓄電設備のコストが上乗せされる。現時点でコ スト的に到底合わないであろう。 さらにこれで日本の年間全電力消費量 1 兆 kwh を賄おうとすると、必要な風車の数は、1 兆÷ 640 万= 15.6 万基、蓄放電で電気量が半減するロスも考えると 31.2 万基(計 16.5 億トン:世界最 大級のタンカー(30 万トン)5500 隻分!)もの風車が必要となる。これは世界の全商船の船腹量 の 1.5 倍、日本の鉄鋼生産量の 15 年分にもなる。30 年更新として年 5500 万トン、これほどの鉄 を生産するのに、どれほどのエネルギーが必要となるであろうか。加えて日本は台風や雷が多いと いう問題もあり、メンテナンスのコストや手間も、相当のものになろう。どう考えても非現実的で ある。
6.結論
以上で検討したように、太陽光、風力とも、既存の電力エネルギーに全面的に置き換わることは、 少なくとも現時点ではコスト面にも物的投入量の面でも無理があることは明らかである。すなわち 発電量の不安定性を、火力や原子力といった他の伝統的発電手段による出力調整でカバーできる 範囲ならば、発電コストのみを考慮すれば良いが、それが許容されるのは、せいぜい総発電量の 1割程度、多くとも2割までであり、それを超える発電を行うと、先にも述べたように蓄電に伴う コストの急上昇を招くことは明らかである。以前に選挙で某政党が、「原発を即刻廃止し、自然エ ネルギーに」と訴えていたが、いかに感情論に訴えたいい加減な主張かがよくわかる。原発に反 対するなら反対するで、実現可能な代案を出すべきであろう。多くのメディアでも再生可能エネル ギーへの過大な期待を煽るような記事が後を絶たない。 加えて、今後数十年以内には、プラズマ核融合や、レーザー核融合といった新たな核エネルギー 技術の進歩によって、人類が抱えるエネルギー問題が、半永久的に解決される可能性もある。前者については 2020 年から欧米主要国に日中韓を加えた国際実験施設 ITER(イーターと読む)の 稼働が始まる16。これによって核融合エネルギーの実現可能性が高まれば、太陽光や風力になさ れた膨大な物的投入が、一挙に無駄となり、大量の不良資産と化す可能性すらある。 なお、本稿ではバイオマス発電については論じなかったが、これはコストの関係から、太陽光や 風力以上に可能性が低いためである17(使われるとしても、局地的なものに留まるであろう)。実 際メディアで紹介されている「○○町の取り組み」といった事例で、キロワット時あたりの発電コ ストを計算してみると、かなり割高なものとなる。さらに原料の安定調達や原料の絶対量の問題、 および燃料の輸送コストの問題も加わる。また、日本に特有の有望なエネルギー源としては、あと は地熱発電があるが、これは発電量は安定しているが、利用可能な資源量の問題と、国立公園な どの環境規制等も含めた立地制約から、仮に規制を緩めたとしても、カバーできるのは電力需要 の一部にしかなり得ない18。 高齢化が進む中、国の財政は逼迫している。そうした中で、感情論に流されれば、今後、毎年 数十兆円単位の国民負担を増やすことにもつながりかねない。その点、コスト負担面で見ても、原 発の優位性は明らかである。例えば欧州諸国の中で、最も電気代が安いのは、フランスとフィンラ ンドであるが、これらはいずれも原発依存度が極めて高い国々である。他方でドイツの電気代はフ ランスの 2 倍もするという。しかもフランスから多くの電気を買い取っての結果である。東日本大 震災後、世界の原発建設の動きは一時的に中断したが、近年再び中国やインドなど新興国を中心 に加速し始めたのも、こういう事情による。そうした中で、日本だけが原発依存を忌避し続ければ、 アジアとの産業発展競争に取り残されてしまわないか、筆者は危惧している。 エネルギー政策を考える時、いかなる選択肢にも、他の選択肢にはないコストやリスクがある。 経済学用語で言うところの「機会費用」である。そうしたなかで筆者には、原発の問題点だけが 突出して強調され過ぎているようにも思われる。そうした批判の中には、科学的知識の欠如に基づ く部分も多いのではなかろうか(特に文系の人々は、具体的計算能力を持たないが故に、こうした 批判に流される傾向が強いように思われる)。原発反対派の人々の中には原発を絶対悪視し、推進 論を唱えると「金儲け主義」とのレッテルを貼り、聞く耳すら持たない人も数多くみられる。 しかし実際に計算してみると、以上で見てきたように、確かに原発にはリスクもあるが、他方で 他の発電に掛かる物的投入やコストにも膨大なものがあり、批判はバランスを欠いているようにも 思われる。正直、筆者には、他のエネルギー源と比べて原発はかなり魅力的な選択肢に思えるが、 読者の皆様方はどのように判断されるであろうか。 注 1 『日経新聞』2015 年 9 月 21 日、p.2。 2 1 モル当りの質量は、炭素 12g に対して二酸化炭素は 44g。 3 例えば天然ガスの主成分であるメタン(CH4)は、酸素分子(O2)2 個と結びついて CO2+2H2O となる。 4 キロワットとは、1 秒あたり何キロジュールの仕事をするかという仕事率の単位である。キロワット時とは、1 キロワットの仕事率で 1 時間仕事をした時のエネルギー消費量である。したがって 1 キロワット時= 3600 キロ
ジュールとなる。 5 ウランの比重は 19 程度なので、体積に換算すると 7m3ほどに過ぎない。 6 ちなみに大気中の二酸化炭素濃度は 0.4%程度である。 7 実際、原発事故直後によく耳にした、福島第一原発から僅か 20km 弱のところにある楢葉町では、事故から 4 年後に早くも住民の帰還が始まっている。 8 科学雑誌 Newton、2014 年 8 月号。 9 日経新聞 2014 年 10 月 24 日、p.6。 10 なお、現在の日本の太陽光発電による電気の買い取り価格は 1kwh あたり 27 円と、原子力や火力の 10 ~ 13 円前後と比べると、14 ~ 17 円上回る。これに日本の年間電力消費量 1 兆 kwh を掛けると、そのコストは 15 兆円前後と巨額なものになる。 11 Newton 上記号参照。 12 これについては千代田加工建設が、水素をトルエンに結合させて運ぶ技術を有しているが、その際には水素の トルエンとの結合、分離の処理費用がどれくらい掛かるかが問題となろう。 13 風力、波力の内訳は不明。 14 『産研通信』2006 年 11 月 30 日号参照。 15 WEBRONZA ホームページ (http://webronza.asahi.com/global/articles/2911041400011.html) および日本再生可能エネルギー総合研究所ホームページ参照。 (http://jrri.jp/report_201203_statoil.html) 16 なお、太陽の核融合は水素であるが、地上では水素に核融合を起こさせるのに必要な温度を得るのは困難なた め、重水素(水素の原子核に、中性子1個が結合したもの)やトリチウム(三重水素:同じく中性子が2個結 合したもの)が使われる。また、ヘリウム3(ヘリウムの原子核から中性子を1個減じたもの)も有望であるが、 地球上にはほとんど存在しない一方で、月面には豊富に存在する。近年中国が月面開発に力を入れているのは、 これが一因である。 17 雑誌『AERA』2015 年 5 月 5 日号、p.25「電気は自分の力で作る」という記事によると、筆者の試算では設備 費と燃料費を合わせて 1kwh あたり 20 円ほどの発電コストになる。 18 なお、ニューズウィーク 2015 年 8 月 11、18 日合併号の河東哲夫氏による「脱原発に必要な抑止力とは」とい うコラムで、「日本と同じ火山国のニュージーランドでは、地熱発電が発電設備容量全体の約5%を占めている」 とあるが、同国の人口は僅か 424 万人と、日本の 30 分の 1 しかない中でのこのシェアである。同記事の主旨は、 原発反対論であるが、むしろ同記事からは、地熱発電の可能性がいかに小さいかが伺われる。 参考文献 クリフォード・スワルツ(2013)『物理がわかる実例計算 101 選』講談社 松尾昌宏「生産力の増大と投資の効率性:「さくらかぜ」の経済学」『産研通信』 2006 年 11 月 30 日、p.11 ~ 14 新聞、雑誌 『日経新聞』2015 年 9 月 21 日朝刊、p.2 『日経新聞』2014 年 10 月 24 日朝刊、p.6 『日経新聞』2015 年 2 月 10 日朝刊、p.15 『AERA』2015 年 2 月 2 日号 『Newton』2014 年 8 月号 特集「クリーンで無尽蔵新エネルギー」 『ニューズウィーク日本版』8 月 11 日、18 日合併号、p.15
ウェブサイト 各燃料の単位発熱量表 http://www.ecofukuoka.jp/image/custom/data/santei/hatunetu.pdf#search='%E5%A4 %A9%E7%84%B6%E3%82%AC%E3%82%B9+%E7%9F%B3%E7%8 2%AD+%E7%9 9%BA%E7%86%B1%E9%87%8F' WEBRONZA ホームページ(ノルウェー風力発電記事) http://webronza.asahi.com/global/articles/2911041400011.html 日本再生可能エネルギー総合研究所ホームページ http://jrri.jp/report_201203_statoil.html