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米の炊飯特性に関する研究 ; 1

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Academic year: 2021

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(1)182. 米 の炊飯特性 に 関す る研 究 彿 1報 ) 子 男. 和 治. 言. 田 島. 由バ  菫ユ. 緒. :. 日本 人 の主 食 は米飯 であ って ,こ れ は白米 お よび各種掲精度 の 精 白米 を水 洗 して ,1.2∼ 1.5倍 容 の水 を加 え て 炊飯 した もので あ る。米飯 は特有 の美味 を有 し常食 して も飽 きな いが,味 覚 の上か らはむ しろ無 味 に近 い もので ,そ の食 味 は炊飯方法 ,炊 飯水 ,米 の種類 によ って 支配 され る。 また吸水量 ,軟 硬 ,粘 りな どの物 理 化学 的要素 によ って も差 を生 じる もので あ る。 岡村 1)に よれ ば米飯 の食 味 は,炊 飯水 の PHと 密接 な関係 を有 し,. PH7. ∼ 8の 水 は米飯 の食 味 お よび 外 観を よ くす るが,酸 性 の 度 が増加す ると食 味 が低下 す る。 また乾燥過度 ,古 米 は食味 が悪 く,葡 萄糖 ,水 溶性窒素質物. ,. 水溶性 1吃 田物 の 多 い程 食味 が よい として い る。 一方米 の主 成分 は澱粉で あ って,そ の 味 は化学 的な 旨味 よ りも舌 ざわ り. ,. 硬 さな どの物 理 的な因子 ,す なわち澱粉 の レオ ロジー 的 な因子 が重要 で あ る とす る説 もあ る。 この よ うな観点 か ら福場2)3), 高 岡4), 竹生 5)ら の研究 が あ り,澱 粉 の Blue value な どか ら内地米 は外米 よ り平 均 鎖長 が短か く ,. ミセル 結合 が弱 くて糊 化 しやす い と報告 し,谷 6), 斉藤 7)ら は早期米 と晩期 米 ,軟 質米 と硬 質米 につ いて 研究 し,澱 粉 の平均鎖長 の小 さい米 が 日本人 に 適 す ると報告 した。 また白米 を希 アル カ リ溶液 に浸漬 した場合 の 崩解性 の相違 と食味 との 関係 につ いて も多 くの研究 があ り, Little 8)ら は印度産 白米 につ いて報告 した。 倉 沢9)10)11)12)ら は新潟 産 白米 の アル カ リ検定 と食 味 との関係 につ いて 研.

(2) 奥. 田 和 子・ 豊. 183. 島 治 男. 究 し,ま た玄米貯蔵 と白米貯蔵 とにつ いて食 味調査 をな し,玄 米貯蔵 の方 が 粘 りがあ って食味 が よ く,粘 りの あ る品種 は炊飯 した場合 ,釜 ぶ え割合 が少 な い と報告 して い る。C00king qualityに 影響 を与 え るもの として米粒 の化 学 的性質 があ り, これ につ いて Julian0 13)14)ら は報告 して い る。 15),ま 玄米貯蔵 にお け る食 味 の変化 につ いて は,す で に多 くの報告 があ り. た低 温貯蔵 にお ける米 の化学 的品質 の変化 につ いて は谷 16)ら. ,竹 生 17)ら. が報. 告 した。 精 白米 の貯蔵性 ,す なわち化学 的特性 に対 す る包装 と貯蔵 温度 の影響 ,お よび特性値 の変動 と官能検査 18)に よる食味 との相 関性 につ いて安松 19)20)ら の報告 ,お よび うるち米 に もち米 を少量混合 す ると食味 が改善 され るとい う こ とか ら,食 味 の変化 を官能 検査 し,PlaStOgram21)に よる硬 さと旨味 の相 関を検討 した報告22)が ぁ る。 米 の食味 に 関 して は レオ ロジー 的性質 が重 要 な囚子 とな る 場合 が多 いの で ,添 加物 によ って食 味を改善 す る方法 も試 み られ ,す で に高 岡23)ら によ っ て報告 され た ア ミラーゼな どによる米 の酵素 処 理 に 関す る研究 が あ り, 松 本24)ら は各種 炊飯用酵素斉Jの 効果 につ いて報告 した。 著者 らは或種 酵素斉Jを 米飯 炊飯 時 に添加す る こ とによ って,米 の C00king. qualityを 改善 しうる もの として ,そ の釜 ぶ え,消 化性 にいつて検討 したの で報 告す る。 実 験 之部. 1試 (J. :. 料 原 料 米 内地米 を用 いた。. 鬱)酵 素 斉1 近 畿 ヤ クル ト製造株式会社 の. KA"を. Macerozymeお よび Cellulase“ ONOZU―. 用 いた。前者 は糸状菌 の一 種 を培養 して得 られ る酵素斉Jで ,植 物組. 織 を強力 に崩壊す る作用 を有 す る酵素 を合有 して い る。後者 は糸状菌 の一 種.

(3) 184. 米 の炊飯特性 に関す る研究. で あ る Trichoderma宙. rideを 培養 して 得 られ る酵素剤 で , 繊維素 分解酵. 素 で あ る Cellulaseを 主 体 とした酵素 で あ って 植 物性食 品 の細胞膜 を分解 す る作用 を有 す る。 に)生 米 の 吸水試験 炊飯前 に原料米 を浸漬す るので ,酵 素添加炊飯 ,無 添加炊飯 の場 合 と同様 の 条件 で 浸漬 して ,お のおのの場合 の 吸水状態 を測定 した。 す なわち米50g を300ml容 ビー カに秤取 し,酵 素斉」 を米 に対 して 0。 05%,0。. 1%の 割合 に添. 加 して ,水 75ml(加 水量150%)を 加 え, さ らに無添加 の もの も調製 して 15 分、25時 間 に各 浸漬米 を 2∼ 3 g ttl又 して ,沖 紙 上ですみやか に表面 附着水 を除去 して 常法 の ごと く水分 を定量 した。 第 1表. I M. 05% │. 15分. 28。. 60. 27.28. 25時 間. 31。. 29. 31。. M:Macerozyme. 2. C+M. M O.1%. O。. 05% 95. 28.08. 31.21. 31.68. 29。. 47. M %. 素. 1浸 漬時ぼ \\\ 1 0・. +1 C O。. │\ \ぜ孝. (%). 生 米 の吸水試験. 31。. Ctt M:Cellulastt Macerozyme. 91. ¬. 実験方法. (J. 釜 ぶ え割 合 の 測定. 炊飯 した場合 の米飯 の増量 を求 めて 釜 ぶ え割合 とした。 原料米 35gを 目盛付 ガ ラス製長 円筒 (35mm× の水 (加 水 量 120%と. 150%)を 加 えて,. 120mm)に 秤取 し,所 要量. 電気釜 (直 接式 ナ シ ョナル SR―. 181 100V600W)に 各試験長 円筒を同時 に入 れ ,釜 水量 を500mlと. なし. ,. 15分 浸漬 したのち30分 炊飯 した。 15分 蒸 らして直 に米飯 容積 を測定 し,次 式 に よ り増加率 を算 出す る。. 増 加 率=讚 霧 集3賽4× 100 (米 飯 容積 =π r2h. r:円. 筒半 径. h:炊 飯 後 の 高 さ).

(4) 奥. (2. 田. 和. 子 ・豊. 島. 治. 185. 男. 炊飯米 の 消化試験25). 原料米 50gを ビー カー に秤 取 し, 水 75ml(加 水量 150%)を 加 えて ,前 記 電 気釜 にて,15分 浸漬 したの ち30分 炊飯 した。15分 蒸 らして 直 に消化試験 を行 な った。酵素添加炊飯 には,酵 素斉」 をお のおの原料米 に対 して0.01%,0。 02. %,0.05%,0。 1%秤 取 して予 め炊飯水 に溶解 せ しめて 使用 した。 米飯 5gを 秤取 し,. 1%タ. カヂアス ターゼ液50mlを 加 えて恒 温槽. (37°. C). の 中で15分 ,30分 ,45分 ,60分 作用 せ しめ IN― HClで 酵素作用 を止 めて この 沖液 につ いて. BERTRAND法. ,. によ り還元糖量 (葡 萄糖 として)を 求 め. た。 消化作用 中 は 5分 毎 に振 盪 した。消 化率 は次式 によ って算 出す る。 消化率 =. 3. 生 成糖 量 × 100 米飯 (無 水物 として). 結 果 お よび考察. (J. 釜 ぶ え割合. 加水 量 ,酵 素濃度 の 相違 による釜ぶ え割 合 の変化 は次 表 の通 りであ る。 第 2表. 加水量 ,酵 素濃度 の相異による釜 ぶえ割合 (%) 150フび. 0.02% 酵. Macerozyme. 262.9. (M) Cellulase 239。. 02. 236.58. 236.58. │. 1. 258.6. 264.1. 260.5. 258.6. 262.1. 260。. │. 231.70. 5. この結 果 よ り考察 す ると,酵 素添加炊飯 の場合 は無添加 の場合 に比 べ て. ,. 増加率 はよか った。 この膨脹 容積 の 増加率 は,加 水 量120%の 方 が150%の も の よ り概 して 良結果 を示 した。 これ は加水 量 が多 くな る程 ,酵 素添加 の効果.

(5) 米 の炊飯特性 に関す る研究. 186. が表 はれ難 い結果 とな った。 この原 因は おそ ら く米粒 の物 理 ,化 学的性質 と 酵素 ,水 との相 関関係 にあ る もの と 思 われ る。 これ よ り加水 量 120%で ,酵 素濃度0.02%の 場合 が有利 で あ る。 唸)消 化試験 酵素添加 ,無 添加 による炊飯 米 の 消化試験 の結 果 は次 の通 り (第 3表 ∼ 第. 6表 お よび第 1図 ∼ 第 4図 )で あ る。 この結果 よ り考察 す ると,全 般 的 に酵 素添加 の効果 が認 め られ た。 しか し. Macerozyme(以. 下 Mと 記 す)単 独使用 よ りも, Cellulase との等量 混合. C+Mと 記 す)使 用 の方 が効果 が大 きいよ うで あ る。 また比較的低濃 度 (原 料米 に対 して 01%,0。 02%)の 場合 よ り, 0。 05%お よび 1%使 用 した場合 の方 が消化率 の 向上 が顕著 であ った。特 に C+M使 用 の場合 は 05 (以 下. 0。. 0。. 0。. %,0。 1%添 加 で確 実 な消化率 の 向上 が見 られ た。 これ は Cellulaseに よ っ て 細胞膜 が分解 され る 結果 , 消化酵素 と澱 粉分子 との 接触 が よ くな った結 果 , この よ うな効果 が示 され た もの と思 われ る。酵素 の米粒 に対 す る作用機 構 につ いては,不 明 の点 が多 く今後 の研究 にまつ 所 が 多 い。著者 は今 回,米 の 品質 の要 因 のなかで ,食 味 に密接 な関係 を有 す る特性 の一 部 と,炊 飯米 の 消化性 につ いて ,酵 素添加 が どの よ うな影響 を与 え るか に関 して若千 の結論 を得 た。 約. 要. 著者 らは米 の 炊飯 に際 し,Mお よび C+Mな る酵素斉Jを 添加す る こ とによ って :炊 飯米 の特性 を向上 せ しめ る こ とがで きた。すなわち次 の よ うな結果 を得 た。. (J. 酵素添加炊飯 によ り,炊 飯米 の膨脹容積 の増 量 が認 め られ た。. 9)酵 素添加炊飯 による炊飯米 の 消化性 において,原 料米 に対 し0.01%, 0.02%使 用 の場合 よ り0.05%,0.1%使 用 の場合 の方 が効果 が大 きか った。 椰)M単 独使用 よ りも,C tt Mと して 使用 した方 が有 効 で あ った。 終 りに,本 研究 に対 して 貴 重 な る酵素斉Jを 恵 与 された近 畿 ヤ クル ト製造株.

(6) 田 和 子・ 豊. 奥. 酵素0.01%添 加炊飯 の消化率 (%) 45分. 1計. 迎. 1助. 熙. 29。. 64. 62。. 04. 25.68. 31.87. 63。. 66. 迎 饗. 92. 1. 29。. 1鋤. 1働. 酵素0.05%添 加炊飯 の 消化率. 15分. 47. 62.69. 02%添 加炊飯 の消化率 (%). 1跡. 第 5表. 計. 酵 素 0。. 水. 60分. 24.49. 24。. 第 4表. 1. 一分. 第 3表. 島 治 男. 30分. │. 1. 分. ]水. (%) 60ぅ ). 45分. M. 32.35. 36。. 35. C+M. 33.17. 37。. 71. 水. 1 1. 分. 61。. 40. 63.09. 1. -―. ― 一. 一. 一. 一. ―. ―. ―. 一. ―. ― │. 無. 添. 加. 五. %. 第 6表. │. 25。. 13. 31。. 36.30. 38. 62。. 88. 1. 酵素0.1%添 加炊飯 の消化率 (%). 1麟. _1働. 1水. 分 │. 「瓦耳 「 丁 yl y房 可T「 「T戸 l τ 三」 ¬. I M I螂. 「. 1卿. 1郷. 1郷. │ │. 1円. │.

(7) 米 の炊飯特性 に関す る研究. 188 ,箋. θ 多│[三]`ロ タデ たθθ/%ゞ 季汐 り. 1. 第r図. ::`耽. /∫. ケ贋 とθ イ. ) な素 ′ο2%ゞ 呑″θ. “≡ケ. 脇碗 ≡サ. )カ. (ル. リ. ク5 フθ 消イと″ β ζ分 '. '(分. 第4図. 夕%ジシθ, θθ 第3』 ζ `%紫. :素. θ/%添 汐θ). `廃. ― ― …M θ/% ε+解 θ/% 一 ―・-3. ――――M θθ∫% ″θθJ% 一 一 ‐εチ ―・-3. 。 ″浄花琢 一 ス %. ”消 化玄十 ︵ Z /5ヽ '浄. フ0 イと′. ク5. イと時 間 (分 ). 7ζ 分 リ 'ど. 'F。. Zθ.

(8) 189. 奥 田 和 子・豊 島 治 男. 式会社 に対 して謝意を表す るとともに,種 々有 益 な御教示 を戴 いた近 畿 ヤ ク ル トの佐瀬勝 氏 に深 謝致 します 。 なお,実 験 に協力 され た本学 山 田宙子 ,香 月静子両 助手 に感 謝 します 。. 文. 献. 1)岡 村 保 :米 穀 の 品質 に関す る研 究 (1940) 2)福 場博保 :農 化 28 38(1954) 〃 : 〃 28 41(1954) 3) 4)高 岡研 一 ,藤 本 園子 :酸 工 34 344(1956) 5)竹 生新 治郎 ,岩 崎哲也 ,谷 達雄 :栄 養 と食 糧 13 137(1960) 6)谷 達雄 :栄 養 と食糧 11 45(1958) 7)斉 藤 昭三 :新 潟食研報告 (1962) 8) ReR.Little,G.BoHilder,E.H.Dawson:Cereal chem。 , 35 111(1958). 9)倉 沢文夫 ,早 川利郎 ,伊 賀 上郁夫 :栄 養 と食糧 12 369(1960) 〃 :栄 養 と食糧 12 373(1960) ″ ″ 10) 11)倉 沢文夫 ,金 井美代 ,伊 賀上郁夫 ,早 川利郎 :新 潟大学 農学部学 術報告 11 159(1959). 12)倉 沢文夫 ,早 川利郎 ,伊 賀 上郁夫 ,金 井美 代. :栄 養 と食糧 12 377(1960). 13) B。 0。 JulianO,G.B.Cagalmpang,L.J.CruZ,and R.G.Santiago:Cereal chem. 41. 275 (1964). 14) BoO.JulianO,GoM Bautista,J.C.Lugay and A.Co Reyes:Ag.and Food chem。. 12 131(1964). 15)竹 生新 治郎 :食 品工 業 8 No.2 50(1965) 16)谷 達雄 ,竹 生新 治郎 ,岩 崎哲也 :栄 養 と食糧 16 436(1964) 17)竹 生新治郎 ,岩 崎哲也 ,堀 内久 弥 ,谷 達雄 :栄 養 と食糧 18 204(1965) 18)吉 川誠次 :食 糧 4 24(1961) 19)安 松克治 ,森 高真太 郎 ,石 井清文 ,島 薗平 雄 ,藤 田栄 一 郎 :栄 養 と食糧 18. 123 (1965).

(9) コθθ. 米 の炊飯特性 に関す る研究. 20)安 松克治 ,森 高真太郎 ,備 中住 ,石 井清文 ,島 薗平雄 ,藤 田栄一郎 1・. :. 栄養 と食糧 18 130(1965) 21) K.Yasumatsu and E.Fujita:Cereal chem。. 39 364(1962). 22)安 松克治 ,森 高真太郎 ,島 菌平雄 ,藤 田栄一郎 :栄 養 と食糧 18 169(1965) 23)高 岡研一 ,藤 本園子 :醸 工 34 342(1956) 24)松 本企世子 ,松 浦宏之 :家 政学雑言 ′ ど 11 452(1960). 25)尾 崎直臣 :農 化 34 1054(1960).

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