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地図を通した学習における地域認識形成の論理 : 中学校社会科地理的分野「近畿地方」の授業開発において

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(1)

社会

系教科教育学会

『社会系教

科教

育学研究』第24

号 2012

(pp.31-40)

地図を通した学習における地域認識形成の論理

中学校社会科地理的分野

「近畿地方」の授

業開発において−

Logic of Acquiring Regional Cognitions by Studying with Maps:

Development of a Unit on the

‘'Kmki-Di

strict

” for Junior High School Geography Classes

小 

谷 

恵津子

(橿

橿

I。は

じめに

地理学習のみ

ならず社会科学習において

,地図

に関す

る学習は重要なもの

と位置

づけられ

ている

その根拠については

,地図が持っている特徴や果

して

いる役割という視

点か

,これまで論

じら

てきた

しか

し,それ

が実際の社会科授

業の

,具体的にどのよ

うな意義があるか

らなのかに

ついては

,十分検討され

てはこなかった。この

について高山芳治は

,先行研究のほ

とん

どが地図

学習

・教

育が地理の授

業の

中に当然の位置

を与え

られていると考えてお

,地図

を授

業中に用いる

ことに

よって

どの

うな地域認識が

育て

られ

るか

あるいは地域認識

を育てるのにどのよ

うな援助

るのかについて

,言及

していないことを指摘

ている‰

筆者は

,匚

技能の育成」と

して位置づけられて

きた従来の地図に関する学習を

,匚

地図を通

した

概念の

形成

」という視

点か

らと

らえ直す

ことで改

善できると考える立場に立つ

。これまでに地図を

通して形成する概念と

して

,匚

空間軸」および

スケ

ール認識」の

2つの方法概念と,これ

らの

方法概念

を枠組み

して地図を読み

,説明的知識

の習得を行

うことを通

して形成され

る内容概念

して

「説明的地域認識」かおることを明らかに

した

‰本研究は,地図

を通

した学習によって形

成され

る地域認識であるF

説明的地域認識

」に

いて

,その形成の論理を示すとともに,匚

説明的

地域認識」の形成が社会認識形成に果たす意義を

明らかにすることを目的とする

地図

「説

その

的地域

もの

つい

」の

ての

形成

学習

とその意

,地

学習の

一部の単元に限られ

る。そこでの学習は,空間

をとらえる枠組み

となる匚

空間軸

」の形成と,垂

直方向の空間軸

を基盤と

して地域

をとらえる枠組

となる匚

スケ

ール認識

」の形成が行われ

なけれ

ばならない

。地図記号や

方位,縮尺,等高線など

の地図の約束事

,これ

らの

方法概念の枠組み

位置

づけなが

ら習得

させて

いくことによって

,地

を活用す

る匚

技能

」の育成が可能となる。

しか

,地図を通

して形成され

る概念は

,社会

事象間の因果関係の追究

を通

して社会認識

形成を

行う学習に

おいても形成

され

。それが,方法概

念である

「 ̄

空間軸

」と匚

ケール認識」の両概念

を地図

を読む枠組み

して活用

,地図を読むこ

とを通

して形成され

る内容概念と

しての匚

説明的

地域認識

」である。

「説明的地域認識」の形成と地図

地理学に

おける地図の重要性については

,多く

の研究者が論

じて

いる

。例

えば

,中村和郎は,地

理学において地図が重要視されるのは

,地図が空

間に関

して

,文字や言葉

以上に優れた記述や情報

伝達の手段であ

,同時に分析の

道具となるから

だとして

いる几これ

まで

,社会科における地図

学習の重要性も

,地理学における地図の

重要性を

根拠と

して述べ

られ

てきた恆

地図には二つの側面がある

。一つは,現実世界

をより良く理解するための概念モデルと

しての側

面である

。ボー

ド(C.Board)

は,地図が現実世

界のモデルであるだけでな

,現実に関す

るある

種の総描の本質とする概念モデルでもあることを

指摘

,その役割において研究者

を助ける有用な

分析道具であると

している5

。も

う一つは

,コミュ

ニケー

ョン

・メディア

としての側面である。若

(2)

林幹夫は

この点について

,地図は厂

意味と

しての

世界

」6

を記載

し,保存

し,伝達す

るための

媒体

メディアであり

,地図

を共通の

知識と

して供する

ことで

,人々に同一の世界像を受け入れ

させ,

意味と

しての世界

」の共有

を可能にするとして

いる7

。社会科学習において地図

を用

いて学習す

ることの意味

を考える際には

,これ

らの地図が持

二つの側面に着目する必要かおる

桜井明久は

,社会科に

おける地図学

習に

ついて,

地図は現実世界

を空間と

して抽象化

,その

なか

で事象間の関連や位置関係

を考えさせるもの

であ

ることか

,地図学

習の

直接的な目標は

,地図に

よって社会的な現象

を地表

という空間の脈絡か

えるようにする

ことだと述べて

いる8

。桜

井は,

概念モデルと

しての地図の側面に着

目し

,社会科

学習において地図を用いる意味を明

らかに

してい

。桜

井が言う匚

地図によって社会的な現象を地

という空間の脈絡から考

える

」とは,示

されて

いる情報

を読み

取るだけでな

,情報を分析,考

して地域的特色

を把握する

ことである

地域的特色

とは

,その地域

における

,ある

目立っ

た特色である匚

地方的特殊性

」だけでな

く,他の

地域にも広

く認め

られ

るような属性についての特

色である

「 ̄

一般的共通性

」も含んでとらえられ,

地域性

」とも言い表される9

。地域的特色の中

に含まれ

る匚

一般的共通性

」とは

,地域

を分析す

る視点となる地理学の基本概念で

ある

したがっ

,地図

を用

いた学習を通

して地域的特色を把握

することの本質は

,地図の中に具体的な事物の形

を取って現れ

ている地理学の基本概念

を見出す

とである

。地理学の基本概念は

,説明的知識

とし

,地図に

示されて

いる地域の具体

的な姿と結び

ついた形で習得させなけれ

ばならない

。この知識

,地図を通

して形成する内容概念

である匚

説明

的地域認識

」である。

また

,森田喬は

,様々な知識や提

案に対

して,

地図は共通基盤と

してプラッ

トホ

ーム

の役割

を果

たす

ことか

,地図

を共有す

ることで空間に関す

る脳内のイメ

ージも共有できると述べている10

田の指摘は

,コミュニケーシ

ョン

・メデ

ィア

しての地図の側面に着

業において地図

を用

目したもので

いて学習す

る意義を考察す

あり

,社会科

る上で

,示唆を与えるもので

ある。

業に

おいて資料

して地図を用

いることは

どもに

よる地図の

共有に他ならない

したが

,資料

となる地図か

ら得

られた

知識や情報は

子どもが社会事象

を分析

,考察す

る際の共通基盤

となる

。また,地図の共有に

よって

,地図に示さ

れた地域についての

子どものイメ

ージを,ある程

共通

したものにすることができる

。この匚

地域

についてのイメー

ジ」とは,次節で論

じる認知地

図で

ある。

説明的地域認識

」の形成において,説明的知

を習得する際に分析

,考察する対象の中心は

形成され

た認知地図を構成する知識や情

報で

ある

したが

って

,地図

を用いて学習する

ことによって

説明的知識

を習得する基盤となる認知地図の共有

を図ることができる

。そのことは

,匚

説明的地域

認識

」に説明的知識の形

をとって組み

込まれ

てい

る地理学の基本概念を

,子どもが学習集団

として

共有する

ことにつながるの

である。

以上

,本節において論

じたように,匚

説明的地

域認識

」の形成という新たな視点か

ら論

じる

こと

,地図

を通

して子どもに習得させる知識の内容

を明確にできるとともに

,その知識

を学習集団と

しての子

どもに習得

させる論理

を示すことができ

。そ

して

,これ

まで抽象的に

しか論

じられ

てこ

なかった

,社会科学習において地図

を用いる

こと

の重要性

を,授

業の

レベルで具体的に示す

ことが

可能になる。

2.

「説明的地域認識

」の構造

戸井田克己は

地図の見

・考

え方」として,

「 ̄

文字や数字などの情報

を空間的に組織化

して世

界認識を深化させ

るとともに

,擬似的な地図空間

を意識内に作

って

,これ

を自在に使いこなす

こと

ので

きる能

」を挙

げている11

o地図か

ら読み

取っ

た情報は

,地図以外の資料か

ら得た情報や,読み

手の

既有知識や経験からの情報な

どと共に

,認知

地図(cognitive

)を形成する。

もともと

「 ̄

認知地図

」という用語は

,心理学者

ールマン(E.Tolman)

が考案

し,修辞的表現

として用いたもので

ある

。地理学では

,形成過程

から間接的に行われた

ダウンズ(R.Downs)

とス

テア(D.Stea)

による定義が広く受容されてい

32

(3)

る12

。彼らは,認知地図を,匚

個人の日常的な空

間環境における現象の相対的位置および属性に関

する情報の獲得

,コー

ド化

,貯蔵

,想起

,コー

解読という

一連の心理学

的変換か

らなるひとつの

過程

」によって生み

出され

たものと定義す

るとと

もに

,必ず

しも地図と同様の形態

をとらないこと

を指摘

している13

若林

芳樹は

,ダウンズ

とス

テアの定義

をふ

まえ,

認知地図

,地図に似た働

きをもつ心的表象で,

人間が生きてい

く上で欠くことができない環境の

知識を含むものであると定義

している14

。本研究

では

,認知地図を若林

芳樹の

定義に基

づいてと

え,論

を展開す

社会科学習において

,資料と

して用

いられる地

図に示されている位置

,距離,分布,地形,土地

利用などの情報は

,地図以外の資料か

ら得た情報

や知識と共に

,子

どもの認知地図

を形成す

る。こ

の認知地図を構成する情報や知識は

,地図に示さ

ている地域で見

られ

る社会事象の分析

,考察に

用いられ

。その結果,地図の中に具体的な事物

の形を取って現れ

ている地理学の基本概

念が

,社

会事象間の因果関係

を説明する説明的知識の形で

子どもに習得

され

。このような,空間の特徴と

く結びつきを持ち

,認知地図と説明的知識

とが

結びついた地域的特色を説明する知識が匚

説明的

地域認識」である。

説明的地域認識

」の構造の具体例

を,6ペー

ジの

Hに示

した単元匚

近畿地方

」の第

1次第3

時で習得

させる説明的地域認識

1を例

して,図

1に示す

1次第3時では

,授

業の冒頭に二種類の地図

の読図を行

。大和八木駅周辺の地図か

らは,橿

原市内における今井町の位置のほか

,最寄

り駅で

ある八木西口駅が今

井町に隣接

していないことや

ミナル駅である大和八木駅か

ら離れ

ているこ

となどを読み取る

。また,今井町重要伝統的建造

物群保存地区の地図か

らは

,細

い街路に住宅が密

している

ことや

,寺内町と

して形成され

た狭

範囲に多数の

文化財が集中

していることなどを読

み取る

。地図か

ら読み

取った

これ

らの情報は,授

業で地図以外の資料か

ら得た情報や

,既有知識

生活経験

などか

らの知識

と共に

,今井町に

ついて

明的地域

認識

下位の説明的知識

の開

設に

よる交通

網の

化によ

ター

ミナ

ル駅

きた八

木地

区が

しい中心

った

発が

遅れ

て静

な住

宅街

った

い町

家が

ったO

【地域

の景観

を構

に影響

成す

を及ぼす

る要素の変化は

:地理学】

、その地域

構成する情報や知識

,考察

して習得

今井町の認知地図

*多数の

文化財が集中

して

いる。

*細

や工場は少

い街路に住宅が密集

ないO

してお

り、商店

形成

大和

八木

駅周辺の

重要

建造

形成

映像

や景

観写

真な

ど地

図以

外の資料

1説

明的

認識

1の構

(筆

の認知地図を形成する

。そ

して,認知地図

を構成

る要素

となっているこれ

らの

情報や

知識

を分析

考察

して

,子どもは

,今井町が現在も古

い町家が

多く残る地域で

あることと

,鉄道交通網の整備に

ともなって明治

以降に今井町が衰退

した

こととの

間の因果関係に関する説明的知識

(下位の説明的

知識3)を習得する。

この説明的知識は

,子どもに形成

された認知地

を構成する情報や知識

を基盤

して形成され

てお

,今

井町

という空間の

特徴

と強

い結び

つき

を持

ている

。また,地域変化に関する地理学の基本概

念が組み

込まれ

,今井町の

地域的特色

を説明

して

いる

。 

したがって,匚

説明的地域認識

」として,

一般的な説明的知識とは区別され

るもの

である

3.

「説

明的地域認識」の活用

形成された

説明的地域認識」は

,新た

な学習

において地図

を読む際に匚

理解のためのモデル

して活用

され

,子どもの学びの深化や発展に役

立てられ

。この

ことは

,比喩の一種であるメタ

ファー

による関連

づけに基づく理解か

ら説明でき

(4)

。なお,メタファーという語句は

,多様な意味

で用いられ

いる

。本研究

では,

概念

メタファー

ともよばれ

を通

して認識する

,匚

ある種類の概念

しくみ

」15

という意味で用い

を他の種類の概

る。

メタファ

ーは長

らく,単なる言語表現のみ

に関

る現象だ

と見な

されてきた

。しか

し,

レイコフ

(G.Lakoff)

とジ

ョンソン(M.Johnson)

,メタ

ファ

を,本質的に概念の構成に関わ

るものと

て社会的な現実や政治的な現実

を構成する際に

中心的な役割

を果た

している

ことを指摘

した16

つま

,メタファー

とはある物事を概念化

し,認

識するために用いられる認知的な

しくみで

あり

メタファ

によって,すでに持っている知識

を新

しい領域に拡張

して当てはめ

,その領域を類比的

に理解

して

いくことができる17

メタファ

による関連づけの

しくみ

は,地図の

読図においても働

いていると考えられ

。リロイ

(R.

yd

)は地図の読図過程について,最初

の段階で検出

(何か

あるか

)と弁別

(そこはどん

な所か)が行われ

,次にそれ

を解釈する段階で,

地図の情報に基づ

くボ

トムアッ

プ処理と読み

手の

既有知識に基づく

トップダウン処理が統合

される

している18

。 

トップダウン処理

とは概念駆動型

処理とも

いわれ

,パ

ター

ンの検索と同定を行うた

めに

,一般的で構造

化された知識

を利用する情報

処理の形態である19

。読図において

トップダウン

処理が行われ

るときに用いられ

る既有知識とは

地理的事象に関する

一般的な知識である。この一

般的な知識とは

,ある地域の地域的特色

を説明す

る知識である匚

説明的地域認識」に組み

込まれて

いる地理学の基本概念である

このように

「 ̄

説明的地域認識」には説明的知

識の

形で地理学の基本概念が組み

込まれているた

め活用でき

,新たな学習に生かす

ことができる。

.厂

説明的地域認識」の特質と形成の意義

前節までの論をふまえ

,本研究では匚

説明的地

域認識]

を次のように定義する。

説明的地域認識

」とは

,ある地域について,

地図を中心

とする様々な資料か

ら得た情報や知識

に基

づいて形成され

た認知地図と,認知地図

を構

成する知識や情報の

分析

,考察

を通

して習得され

た説明的知識とが結びついた

,地理学の基本概念

が組み込まれた地域的特色を説

明する知識である

説明的地域認識

」とは

,地図

を通

して形成さ

る内容概念であ

,地図

を用

いた学習に

よって

形成

され

る地域認識である

。匚

説明的地域認識]

には

一つめの特質は,匚

,次の

二つの特質が

説明的地域認識」は

ある。

,地域

認識と

してよ

り高次なもの

であるという点である

説明的地域認識]には

,地図の中に具体的な事

物の

形を取

って現れ

ている地理学の基本概念が組

込まれ

ている

。そのため

,地図に示された個別

具体

的な地域に関する地域認識であると同時に

「理解のためのモデル

」と

して別の地域の地図を

読む際に活用できる地域認識であるところか

この特質が導かれる

二つめの特質は

,匚

説明的地域認識」には,説

明的知識を形成する基盤と

して

,学習集団の間で

共有化された認知地図が存在する点てある

。認知

地図とは心的表象であるため

,本来は個人によっ

て幅が存在する

Oしか

,授

業で資料

として地図

を用

いることによって

,その地図が学習集

団にお

ける共通の

プラッ

トホ

ームとなって,匚

説明的地

域認識

」を構成する認知地図の共有化

を図る

こと

可能になる

。そ

して,その

ことは

,学習集団に

おける匚

説明的地域認識

」に組み込まれ

ている地

理学の基本概

念の習得を

,よ

り確か

なものに

して

いく

ことに

つながっていく。

このような特質

をもつ

「説明的地域認識

」の

成は

,社会認識形成に

おいて意義が

ある。なぜ

,形成された匚

説明的地域認識」は,高次の地

域認識であるために

,新たな学習において全

く別

の地域の地図を読む際に

,その地域

を把握す

るた

めの匚

理解のためのモデル

」と

して活用すること

がで

,新たな社会認識の形成へ

とつながるか

である

。また

,厂

説明的地域認識」には説明的知

識の形で地理学の基本概念が組み込まれているこ

とか

,地図を読む場面に隕

らず

,日々の生活の

中で実際に出会

う社会事象

を分析

,考察

した

り,

社会的論争問題について意志決定

した

りする際に

も活用

でき

,子どもの社会認識形成に

生かす

こと

ができる

。これ

らの点か

ら,授

業において地図

34

(5)

資料 と して積極 的 に活 用し, 明確 な意図 に基づ い

て 匚

説明 的地域 認識」 の形 成を 図るこ とは,授 業

におけ る地図 の活用 の推進 とい う視点 から はもち

ろ んの こと,社 会認識 形成 の視点 か らも重要で あ

るといえ る。

Ⅲ 。「 説 明 的 地 域 認 識 」 の 形 成 と 活 用 を 目 指 す 授 業 モ デ ル の 開 発 匚説 明 的 地 域 認 識 」 の 形 成 と 活 用 を 具 体 的 な 授 業 の 姿 で 示 す た め に, 中 学 校 社 会 科 地 理 的 分 野 の 授 業 モ デ ル 「 ̄近 畿 地 方 」 を 開 発 し た。 本 授 業 モ デ ル の 単 元 構 成 は, 表 I に 示 す と お り で あ る。 平 成 20 年 版 中 学 校 学 習 指 導 要 領 の 地 理 的 分 野 大 項 目 ( 2 )ウ 匚日 本 の 諸 地 域 」 の ( カ ) 匚生 活 ・ 文 化 を 中核 と し た 考 察 」 の学 習 を さ ら に 深 め , 発 展 さ せ る 内 容 と な って い る。 単 元 匚近 畿 地 方 」 に お け る 問 い と 習 得 ・ 活 用 さ れ る 知 識 の 構 造 は, 図 n の と お り で あ る。 本 単 元 は, 米 田 豊 に よ る 匚習 得 ・ 探 究 ・ 活 用 」 の 授 業 構 成 理 論20)に 基 づ い て 設 計 さ れ て い る 。 単 元 の 第 2次 匚伝 統 的 景 観 の 保 存 と そ の 活 用 一 今 井 町 と奈 良 町 − 」 の 学 習 過 程 を , 指 導 案 の 形 で 7 ペ ー ジ以 下 に示 すo 第 2 次 匚伝 統 的 景 観 の 保 存 と そ の 活 用 一今 井 町 と 奈 良 町 −」 で は, 匚な ぜ 奈 良 町 は 多 く の 観 光 客 が 訪 れ る 観 光 地 に な っ た の だ ろ う 。」 と い う 学 習 課 題 を 追 究 さ せ る。 こ の 学 習 課 題 は, 第 1 次 に お け る 今 井 町 の町 並 み保 存 に 関 す る 学 習 で 子 ど も が 習 得 し た 知 識 を 活 用 し, 新 た な 学 習 対 象 で あ る奈 良 町 と 比 較 す る こ と に よ って 見 出 さ せ る。 活 用 さ れ て い る 知 識 の 一 つ は , 第 1 次 第 3時 で 習 得 し た, 地 域 変 化 に 関 す る 地 理 学 の 基 本 概 念 が 組 み 込 ま れ た , 今 井 町 の 地 域 的 特 色 を 説 明 す る知 識 ( 下 位 の説 明 的 知 識 3を 含 む 説 明 的 地 域 認 識 1 ) で あ る 。 もう 一 つ は, 第 1次 第 4∼ 5時 に お い て 説 明 的 地 域 認 識 1 を ふ ま え て 分 析 ・ 考 察 を 行 い 習 得 し た , 行 政 サ ー ビ ス と 住 民 の 政 治 参 加 の 関 係 に 関 す る 政 治 学 の 基 本 概 念 が 組 み 込 ま れ た , 今 井 町 の 町 並 み保 存 につ い て の 知 識 ( 下 位 の 説 明 的 知 識 4) で あ るO 第 2次 の 学 習 で は, 3つ の地 図 ( 後 掲 の 地 図 A ∼ C) を 用 い る。 こ れ ら の 地 図 か ら得 た 知 識 や 情 報 に 加 え , 奈 良 町 の 様 子 を 撮 影 し た 映 像 資 料 か ら 得 た 情 報 や, 生 活 経 験, 既 習 事 項 な ど の す で に知 っ て い る知 識 や 情 報 の 分 析 , 考 察 を 通 し て , 厂近 畿 地 方 の 主 要 都 市 か ら の ア クセ ス が 良 く, 世 界 遺 産 と な っ て い る 周 辺 の 文 化 財 や 観 光 ス ポ ッ ト か ら も 近 く, 商 業 施 設 も充 実 し て い て 多 様 な 楽 し み 方 が 可 能 で あ る た め , 奈 良 町 は 多 く の 人 が 訪 れ る 観 光 地 に な っ た。」 と い う 知 識 を 習 得 す る。 こ の 知 識 は , 奈 良 町 の 認 知 地 図 を 構 成 す る 情 報 や 知 識 を 基 盤 と し て 形 成 さ れて お り , 観 光 地 の立 地 に 関 す る 地 理 学 の 基 本 概 念 が 組 み込 ま れ た, 奈 良 町 の地 域 的 特 色 を 説 明 す る 厂説 明 的 地 域 認 識 」( 説 明 的 知 表 | 授 業 モ デ ル 「 近 畿 地 方 」 の 単 元 構 成 (全 9時 間) 次 学 習 段 階 小 単 元 名 賤 各/」ヽ単 元 に お け る ね らい 第 1 次 探 究I A 近 畿 地 方 の 特 色 変 わ る 祇 園 祭 1 * 下位 の 説 明 的 知 識 の 習 得 1 灘 の 酒 造 会 社 の挑 戦 1 * 下 位 の 説 明 的 知 識 の 習 得 2 町 今 並 井 み 町 保 の 存 今 井 町 と は 1 * 説 明 的 地 域 認 識 1 ( 下 位 の 説 明 的 知 識 3 を 含 む ) の 形 成 町 並 み 保 存 に 向 け て の動 き 2 * 下 位 の 説 明 的 知 識 の 習 得 4 近 畿 地 方 の 特 色 を 見 つ け よ う 1 * 説 明 的 知 識 A の習 得 第 2 次 探 究I B 伝 統 的 景 観 の 保 存 と そ の 活 用 一 今 井 町 と 奈 良 町 − 2 * ス ケ ー ル 認 識 の 活 用 * 説 明 的 地 域 認 識 2 ( 説 明 的 知 識 B を 含 む ) の 形 成 第3 次 探 究 且 町 並 み 保 存 の こ れ か ら 1 * 説 明 的 知 識 ・ 説 明 的 地 域認 識 の 活 用 に よる 合 理 的 意 志 決 定 ( 筆 者 作 成)

(6)

【下位の問

い工

なぜ祇園

祭では、

一部で女性の参加

が認められるよう

にな

ったの

だろう

【第

1次

をつ

らぬ

く問

い】

(探究

IA)

近畿地方はどの

ような特色かおる地域

なのだ

ろう

lj

いるのだ

ろうO

い宍

知識

の社

会進

るようにな

ったO

【伝統的な文化

社会の変化にとも

って変容する

:社

認 

ヽな

【第

1次

を通

近畿地方は日本の

中でも長い歴

いて

おり、それ

らの文化は全国

化に対応

しなが

ら、伝統

を守

り育

【地域の歴史や伝統

分や要素は長い時間にわ

から生み出

たって存

明的知識2】

の消費量の

1を参照

【下位の説明的知識

4】

今井町の住

民が日常生活

と町並み保存

を両立できる

存のおり方を追究

し、行

政も住民が納得できる形で

の町並み

保存

を進めたため、

ヽ向

●- = 一 一 =-

一 一 一 一 一 一ll

る説

知識

(説

的知

A)

と伝統

って

るの

々の

活の

化が

く知

られ

る一

、社

や生

々の

方の

夫が

いる

、社

もな

って

変容

る一

定の

して

:社

【第

2次の

問い】

(探究

IB)

なぜ奈良町

は多

くの観光客が訪れ

る観光地に

なったのだ

ろう

にも様々な支

出をするため

、観光地

して繁栄す

るためには、地

良さと共に、

光客

が余暇

を楽

しめる要素が必要

である

:地理

学】

る情

知識

を介 分

,考

して

戸に√

京都

・奈

(地

の1

/ − 一

奈良町の認知地図

<認

を構

る情

知識

*奈

良町

今井

近鉄

電車

で結

ばれ

るが

大和

西

り換

必要

るO

*近鉄

良駅

R奈

駅が

良町

り駅

*奈

良町

、東

興福

、奈

良公

どか

ら歩

いて行

る距

して

いる

*奈

良町

その

、飲

や土

どが

*奈

良町

、鉄

高速

道路

り、

・京

・神

戸か

らの

いO

京阪

神大都市圏

(地

図帳

の50万分の

1一般

図)

霧 回│

`\を成

町やその

周辺地域に関

既有

知識

や生活経験

【第

3次で考

える社会

的論争問題】

(探究

H)

じ橿

原市

内にある八木町の

町並み

を、今

井町

と同

じように保存す

るべ

きだ

ろうか

H授

業モ

デル

「近

」に

問い

と習得

・活

され

る知

の構

36

−−−

『 回

(筆者作成)

(7)

識Bを 含 む説 明的 地域認 識 2) で あるO

さ らに, この説 明的地 域認識 2は, 説明 的地域

認識 1や下 位の説 明的知 識 4と共 に, 第 3次 匚

並 み保 存 のこ れから」 において 活用 さ れる。

第 3次で は, 八 木町周 辺 の地 図や八 木町 の町並

み の映 像資 料 から得 た情報 や知 識 を もと に, 匚

じ橿原 市 内にあ る八 木町 の町並 みを, 今井 町と同

じ よう に保 存す る べき だろ う か。」 とい う社会 的

論争問題 を設 定し, 合理 的意志決 定を 行わ せる。

意志決定 を行 うに あたっ て, そ れまで の学習 で形

成さ れた説明 的知識 や「説 明的地 域認識 」を 活用

して,子 どもたち に八木 町の町並 み保存 につ いて

様々な 角度 から検討 させて い く。

例え ば, タ ー ミナル駅で あ る大 和八水 駅 との位

晨 関係 と大阪 や京都 から のア クセス, 今井 町お よ

び橿原市 内 の他 の文化 財 との距離 や位置, 明 日香

村 など周 辺の観 光地 との結 びつ き, 八木 町周辺 の

商業 施設 の種類 や分布, 町並 み保存 に対 する八木

町 住民 の意見や 保存 のた めの住民運 動 の状 況な ど

に つ い て , 子 ど も た ち は検 討 す る で あ ろ う 。 こ れ ら の検 討 の 視 点 は, 第 1 次 や 第 2 次 で の 学 習 を 通 し て 形 成 さ れ た 説 明 的 知 識 や 「 説 明 的 地 域 認 識 」 に 組 み込 ま れ て い る, 地 理 学 や そ の 他 の 社 会 諸 科 学 の基 本 概 念 か ら見 出 だ さ れて い く の で あ る。 な お , 本 授 業 モ デ ル で は, 学 習 活 動 の 展 開 に お い て, 授業 で 用 い ら れ る 資料 が 示 し て い る 情 報 と, 子 ど も が す で に 持 っ て い る 経 験 と を 結 びつ け る工 夫 が 行 わ れ て い る 气 そ う す る こ と で , 形 成 さ れ る 「 説 明 的 地 域 認 識 」 は , 納 得 を と もな っ た形 で 理 解 さ れ て 子 ど も の 経 験 の 一 部 を 形 づ く り , 匚理 解 の た め の モ デ ル 」 と な っ て, 他 の 地 域 の 学 習 や 日 々 の生 活 の 場 面 に おい て ,近 畿 地 方 に限 ら ず 様 々 な 地 域 の地 図 を 読 む 際 に 生 か さ れ て い く も の と な る。 単 に 授業 の 中 で 資 料 と し て 地 図 を 用 い る だ け で は, 社 会 科 授 業 や 日 常 生 活 の 中 で 活 用 で き る 「 説 明 的 地 域 認 識 」 は 形 成 さ れ な い こ と に 留 意 し な け れ ば な ら な い 。

【 第 2次 「 伝 統 的 景 観 の 保 存 と そ の 活 用 一今 井 町 と 奈 良 町 − 」( 2 時 間 ) の 指 導 過 程 】

※指導 案 中の資料 の表記 につい て, 囚 ∼ 回

は資 料 の抽象度, 口 ]

→ 口

は手 だ てを行 ったこ とによ る抽

象度 の変化, 【 】 は資 料 の抽象度を 下げ る具 体的な手 だて の内容を示 す。

学 習 活 動 ○ お も な 発 問 ◇ お も な 呼 び か け 指 導 上 の 留 意 点 (★地図に関する もの) ○ 資 料  ☆ 評 価 ▽ 準 備 物 学 習 課 題 の 発 見 把 握 ・ 今 井 町 の 町 並 み が 文 化 財 と し て 貴 重 で あ る こ と は 全 国 的 に 知 ら れ て い る に も か か わ ら ず 、 訪 れ る 観 光 客 数 は 、 奈 良 町 の 方 が 圧 倒 的 に 多 い こ と を 知 る 。 ◇ あ る テ レ ビ 番 組 で 「懐 か し い 風 景 が 残 る 町ベ ス ト フフ」 が 選 ば れ ま し た 。 今 井 町 は 何 位 だ っ た と思 い ま す か 。 ○ 今 井 町 と奈 良 町 に は ど の よ うな 違 い が あ る か を 比 べ て み よ う。 ・ ラ ン キン グ は − テ レ ビ 番 組 内 で の 結果 で あ り 、 絶 対 的 な も ので はな い こ とを 押 さ え て お く 。 ・ 今 井 町 と 奈 良 町 の位 置 を 地 図 で 確 認 し 、 近 く に あ る 寺 社 や 遺 跡 , 最 寄 り 駅 な どを 確 認 す るo ・ 奈 良 町 の歴 史 は 簡 単 に説 明 す る に と ど め る。 ・ こ れ ま で に今 井 町 に つ い て 学 習 し た こ とを 想 起 さ せ 、 そ れ ら と 対 比 させ な が ら 、 資 料 か ら奈 良 町 の特 徴 を 読 み 取 らせ る 。 ⑩ テ レ ビ 番 糸 の ラ ン キ ン グ 結 果Jy → 回 【 予 想 ・ 仮   の 一 致 ・ 不 一 致 】 ⑨ 地 図「 京 都 ・ 奈 良」 地 図 蝉 【 生 活 経 験 の活 用 【 既 習 事 項 の活 用 】 ▽ フ ー ク シ ー 資 料 1 ⑩ 今 井 町  奈   の 雌 次 七 【既 習   の   】 な ぜ 奈 良 町 は多 く の観 光 客 が 訪 れ る 観 光 地 に な っ た の だ ろ う。 学 習 課 一 題 の 探 究 ・ 奈 良 町 の 町 並 み の 様 子 を 知 り 、 こ れ ま で 学 習 し た 今 井 町 と比 較 す る 。 ・ 縮 尺 の 大 き な 地 図 か ら 、 奈 良 町 に は ◇ 映 像 で 奈 良 町 の 町 並 み の 様 子 を 見 て 今 井 町 と 違 う所 を 見 つ け 、 ワー ク シ ー ト に 書 き 入 れ よ うo ○ 縮 尺 の 大 き な 地 図 か ら 奈 良 町 に つ い て ど の よ ・ 今 井 町 と 比 較 し 、 両 町 の 違 い に 着 目 さ せ る 。 ★ 実 際 に 地 図を 読 ま せ る 前 に 、 縮 尺 の 大 き な 地 図 か ら ど の よ 町W 産WW) 町 並 み の ▽ ワ ー クシ ー ト 考 え よ う 川 ⑤地 図「 奈 良 中心 図 」 (1:6,000)

(8)

学 習 活 動 ○ お も な 発 問 ◇ お も な 呼 び か け 指 導 上 の留 意点 (★地図 に関するもの) ○ 資 料  ☆ 評 価 ▽ 準 備 物 学 習 課 題 の 探 究 心 説 明 的 地 域 認 識 の 形 成 心 が多 く 、 奈 良 公 園 周 辺 の 文 化 財 や 観 光 ス ポ ッ ト か ら も 近 い 位 置 に あ る こ と を 知 る 。 ・ 縮 尺 の 小 さ な 地 図 か ら 、 奈 良 町 は 鉄 道 の 便 が 良 く 、 近 畿 の 主 要 都 市 か ら 訪 れ や す い 場 所 に 位 置 に し て い る こ と を 知 る 。 ・ 奈 良 町 の 認 知 地 図 の 共 有 うか 。 ◇ 読 み 取 っ た こ とを フ ー ク シ ー ト に 書 き 入 れ よ フ。 ◇ 地 図 を 見 て 気 づ い た こ と を 発 表 し よ う。 ○ 縮 尺 の小 さ な 地 図 か ら 奈 良 町 につ い て ど の よ うな こ と が 分 か る だ ろ う か。 ◇ 読 み取 っ た こ とを フ ー ク シ ー ト に 書 き 入 れ よ っ。 ◇ 地 図を 見 て 気 づ い た こ とを 発 表 し よ う。 ◇ 観 光 地 とし て 、 奈 良 町 に は ど の よ う な 地 域 的 特 色 が あ る だ ろ うか 。 表 に整 理 し よ うo させ る 。 ★ 縮 尺 の 大 き な 地 図 を 読 む こ と に よっ て 、 町 全 体 の 様 子 な ど 映町 の 情 報 や 、 奈 良 町 周 辺 地 域像 だ け で は 分 か ら な い 奈 良 の 様 子 が 分 か る こ とに 気 づ か せ る。 ・ 地町 並 み の 映 像 と を 関 連 付 け さ図 か ら 読 み 取っ た 情 報 と 、 せ る。 ★ 必 要 に 応 じ 、 凡 例 の 見 方 に つ い て 補 足 説 明 を 加 え る 。 ★ ス ケ ー ル バ ー を 使 い 、 他 の 主 要 な 観 光 ス ポ ッ ト と のお よ そ の 距 離 を 把 握 させ る 。 ★ 実 際 に 地 図 を 読 ま せ る 前 に 、 縮 尺 が 小 さい 地 図 で は 、 よ り 広 い 範 囲 の情 報 が 得 ら れ る こ と をお さ え る 。 ★ 縮 尺 の/jヽさな 地 図 を 読 む こ と で 、 奈 良 町 が 他 の 地 域 と ど の よ う に 結 び つ い て い る の か が わ か る こ と に 気 付 か せ る。 ・ 奈 良 県 を帰 り 客 も 宿 泊 客 も 近 畿 圈 か ら訪 れ る 観 光 客 は 、 日 が 中 心 で あ る こ と に 触 れ るo ・ 地 図 か ら 鉄道 に よ っ て 、 近 畿 の 幸 尊 剖 市 片つ か がゃ てい ろ 【資 料 が 提 示 す る 情 報 の整 理 【 写 真 や 映 像 の提 示 ? ▽ ワ ー ク シ ー ト 考 え よ う21 ⑩ 地 図 「京 阪 神 大 都 市 圈 」(1:500,000) r拙 函 鯔j C → 面 【貸 料 が 提 示 す る 情 報 の整 理 】 ▽ ワ ー ク シ ー ト

考 え よ う31

こ と を お さ え た 上 で 資 料 2 を 提 不 し 、 特 に 鉄 沍 に よ る ア ク セ ス が 良 い こ とに 気 づ かせ る 。 ・「ア ク セ ス ( 最 寄 り 駅 か ら ・ 近 畿 主 要 都 市 か ら )」,「 町 の 中 の 様 子 」,「観 光 地 と し て の 楽 し み方 」 を 視 点 とし て 、 資 料 か ら 分 かっ た こ と を 表 に 整 理 し て い く。 ・ 意 見 が 出 に く い と き は 、 今 井 町 と比 較 し て 考 え て み る よ う 助 言 す る。 ・ 同 じ 伝 統 的 な 町並 み を 保 存 し て い る 地 域 で あ っ て も 、 今 井 町 と奈 良 町 で は 立 地 条 件 や 町 の様 子 が 異 な るこ と に 気 づ か せ る 。 |  要 時 間 C → 圈 【資 料 が 提 示 す る 情 報 の整 理 】 【 予 想 ・ 仮 説 と の 一 致 ・ 不 一 致 】 ▽ ワ ー クシ ー ト 陬T 珂 近 畿 地 方 の 主 要 都 市 か ら の ア ク セ ス が 良 く 、 世 界 遺 産 とな っ て い る 周 辺 の 文 化 財 や 観 光 ス ポ ッ ト か ら も 近 く 、 商 業 施 設 も充 実 し て い て 多 様 な 楽 し み 方 が 可 能 で あ る た め、 奈 良 町 は 多 く の 人 が訪 れ る 観 光 地 に な っ たo        【 説 明 的 地 域認 識 2( 説 明 的 知 識 B を 含 む )】 眥 蹴 乱 配 膳 鬪 葫 ・「な ぜ 奈 良 町 は 多 く の 観 光 客 が 訪 れ る 観 光 地 に な っ た の だ ろ う。」 と い う 本 時 の 問 い の 答 え を 文 章 で 表 現 す る 。 ◇ 今 日 の 授 業 で 学 習 し た こ とを も と に 考 え て 、 奈 良 町 が 観 光 地 と し て 発 展し た 理 由を 文 章 で 説 明し よ う。 ・ 本 時 で 学 習 し た こ とが らや 使 用 し た 資 料 の 内容 を ふ ま え て 説 明 文 を 考 え る よ 引 こ指 示 す る。 ・ 説 明 文 は 評 価 の 対 象 とす る こ と を 伝 え る。 ☆ 本 時 で 使 用 し た 資 料 を 根 拠 と し て 用 い て 説 明 で き て い る か。 ☆ 因 果 関 係 を 明 ら か に し て 文 章 を 表 現 で き て い る か。 38

(9)

地 図 A 厂京 都 ・ 奈 良 」( 部 分 ) (帝 国 書 院 「 ̄新 編 中 学 校 社 会 科 地 図 帳 」 よ り) .地 図 C 「 奈 良 中 心 図 」(部 分) 地 図 B 厂京 阪 神 大 都 市 圏」( 部 分 ) (帝 国 書 院 「 新 編 中 学 校 社 会 科地 図 帳 」 よ り ) 亠 . - ?? I " . . . 4 . 亠 ……こ ] ' , X - X ・ 匚 ・  ̄……‘ ……… : j ' ! y ・ ' X I ._ご ̄ I . ' ・ ・ _j ・ ; I . ' , j S諞 (昭 文 社 厂 都 市 地 図 奈 良 市 ) よ り ) 承 認 番 号 : 昭 著 第 1 2 E 0 5 1 号 ま た, 本 授業 モ デ ル に は, 方 法 概 念 で あ る ス ケ ー ル認 識 を 活 用 す る 場 面 と し て, 縮 尺 の 異 な る二 種 類 の 地 図 か ら 奈 良 町 に 関 す る 情 報 を 読 み取 ら せ る 学 習 活 動 を 組 み 込 んで い る。 具 体 的 に は , 大 縮 尺 の地 図 ( 縮 尺 6子 分 の 1 厂奈 良 中 心 図コ と 小 縮 尺 の地 図 「 縮 尺50 万 分 の1F  ̄京 阪 神 大 都 市 圈 」) で は, そ れ ぞ れ 奈 良 町 に 関 す る ど の よ う な 情 報 が 得 ら れ る か を , 実 際 に地 図 を 読 ませ る 前 に考 え さ せ る 学 習 活 動 が そ れ に 当 た る。 こ の 学 習 活 動 に よ り , 縮 尺 に よ る地 図 の 解 像 度 の 違 い と い う地 図 学 的 ス ケ ー ル だ け で な く, 垂 直 方 向 の空 間 軸 に つ い て 視 点 を 移 行 し な が ら子 ど も に 奈 良 町 を と ら え さ せ る こ とで , 方 法 論 的 ス ケ ー ル23 ) へ の 理 解 も 深 め る こ と がで き る た め , ス ケ ー ル 認 識 の 活 用 を 図 るこ と が 可能 と な る。 ま た, 併 せて , ス ケ ー ル バ ー を 利 用 し た 距 離 の 把 握 や 凡 例 の 使 い方 な ど, こ れ まで の 地 図 学 習 で 習 得 し た 学 習 内 容 の 復 習 も適 宜 行 っ て い る。 IV. お わ り に 地 図 を 読 む こ と は , 単 にそ の 地 域 に つ い て の 情 報 を 得 る こ と だ け に と ど ま らな い 。 地 図 を 中 心 と す る 様 々 な 資 料 か ら 得 た 情 報 や 知 識 の 分 析 ・ 考 察 を 通 し て , 地 域 的 特 色 を 説 明 す る 地 理 学 の基 本 概 念 が 組 み 込 ま れ た 厂説 明 的 地 域 認 識 」 が 形 成 さ れ る。 授 業 に お い て 地 図 を 用 い て 学 習 す る こ と が 重 要 で あ る の は, こ れ ま で 多 く の 先 行 研 究 で 指 摘 さ れ て き た 理 由 に加 え て ,「 ̄説 明 的 地 域 認 識 」 の 形

(10)

とい

う点か

ら社会認識形成に果たす役割が大

いか

らである。

本研究の成果は

,次の三点である。

一に

,地図を通

して形成

され

る地域認識と

「 ̄

説明的地域認識」かおる

ことを指摘

,その

構造と特質を明らかに

した

こと

第二に

,匚

説明的地域認識」の形成が社会認識

形成に意義が

あることを明らかに

した

こと

第三に

,厂

説明的地域認識」の形成とその活用

を目指す授業モデルと

して

,中学校社会科地理的

分野

「 ̄

近畿地方

」を開発

し,社会認識形成おける

説明的地域認識」形成の意義を

,具体的な授業

形で示

した

ことである。

今後は

,本研究の理論に基づき,中学校社会科

地理的分野に

おける授

業モデルの

開発

をさらに行

て実践のふるいにかけるとともに

,匚

説明的地域

認識」の評価に関する研究を行

う。

<註>

1)高山芳治

「地理学習指導の研究

,全国社会科教育

学会

『社会科教育学研究ハン

ドブック』

,明治図書,

2001,

p.205

2)地図

を通

して形成する3つの概念である匚

空間軸

スケ

ール

認識」

「説明的地域認識」について詳細

は,

小谷恵津子厂

スケ

ール認識の活用を通

した説明的地

域像の習得

一概念探究型社会科地理授業

『伝統的景

観の保存

とその活用

∼今井町と奈

良町

∼』の

開発−」

第23

回社会系教科教育学会研究発表大会発表資料

2012

を参照

3)中村和郎厂

地理学にとって地図はなぜ重要か

村和郎

・高橋伸

夫編

『地理学への招待』

古今書院,

pp.1-20

など。

4)例

えば

,秋本弘章匚

地理教育の方法」

,村山祐司編

『21世紀の地理一新

しい地理教育−』

,朝倉書店,

2003,

p.123

など。

5)金窪。

『現代理論地図学の発

達』

,大明堂,

1991,

pp.68-69

6)若林

幹夫は

,地図に表現

された世界は

「世界その

もの

」ではなく,人間によって見られ

,読み

取られ

解釈

され

た匚

意味と

しての世界

」であると

している。

詳細は

,若林幹夫

『地図の想像力』

,講談社,

1995,

pp.52-53

を参照。

7)若林幹夫前掲書PP.56-57

8)桜井明久

『地理教育学入門』

,古今書院,

1999,

pp.174-175

9)梗井明久

一般的共通性と地方的特殊性」

,日本地

理教育学会編

『地理教

育用語技能辞典』

,帝国書院

2006,

p.25

10)森田喬匚

いつでも

,どこでも,淮に

でも地図

を」

村越真

・若林芳樹

編著

『GIS

と空間認知』

,古今書院

2008,

pp。16-17

n)戸井田克己

「地図の見方

・考

え方」

,井上征造

・相

澤善雄

・戸井田克

己編

『新

しい地理授

業のすすめ方』

古今書院,

1999,

p.179

12)若林芳樹

『認知地図の空間分析』

,古今書院,

1999,

p.10

13)詳細は

R.

ダウンズ

・D.

ステア匚

認知マップと空

間行動

R.

ダウンズ

・D.

ステア緇

(吉武泰水監訳曾

田忠宏

・林章

・布野修司

・岡房信訳)

『環境の空間

イメージ』

,鹿島出版会,

1976,

pp.9-31

を参照

14)若林芳樹前掲書p.9

15)高尾享幸

「メタファ

ー表現の意味と概念化」

,松本

曜編

『認知意味論』

,大修館書店,

2003,

p.198

16)

G.

レイコフ

・M.

ョンソン

(渡部

・楠瀬淳三

下谷和幸訳)

『レトリック

と人生』

,大修館書店,

1986,

p.230

17)高尾前掲論文p.198

18)若林芳樹

「地理空間の

認知における地図の役割

『認知科学』

,第15

1号,

2008,

p.42

19)村越真F

入試問題か

ら見た読図の認

知過程

,村越

若林前掲書,

pp.99-100

20

)詳細は

,米田豊匚

習得

・活用

・探究の授業構成と

学習課題

,岩田一彦編著

『小学校社会科学習課題の

案と授

業設計』

,明治図書,

2009,

pp.37-51

を参

21

「協働」(co-production)

には

,地方自治において住

民を行政サ

ビスの

「共同生産者」と

してとらえ直

,行政と住民は共同事業の担い手であるという関

係が含意

されている

。詳細は,中道實匚

地域社会に

おける政策決定過程

,間寿一編

『政治』

,東京大学

出版会,

2000,

pp.196-198

を参照

22)工夫の具体的な手だてについては

,小谷恵津子

概念探究型社会科に

おける納得をともなう概念

の獲

と経験

『社会科研究』第62

号,

2005,

pp.13-16

参照

23

)方法論的スケ

ールとは,ある地域やそこでおこっ

ている社会事象をとらえた

り考察

した

りする際の適

切なスケールの

ことである。

一40−

参照

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