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投資決定理論の問題について

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Academic year: 2021

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(1)Title. 投資決定理論の問題について. Author(s). 亀畑, 義彦. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. B, 社会科学編, 22(2): 92-100. Issue Date. 1972-01. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4372. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . Vo l .22 No .2. i i t lof Hokka ido Uni i s t Journa t on I B) on (Sec ver y of Educa. 】a l luary ,1927. 投資決定理論の問題について 亀. 畑. 義. 彦. 北海道教育大学旭川分校経済学教室. YoshihikO KAPIEHAr ・ ’A ; A stady on the severaI ion. Phases of lnvestment Determinat. 目. 序 第一章 加速度原理の否定 第二章 加速度原理の修正. 次 1 . チ H ′リー理論 2 . グッ ドウ ィソの犠論 結びにかえて. 序 前稿において論 じた乗数と加速度原理との結合によるヒッ クスの景気循環モデルの日的は, ハロ ッ ドに よ っ て 示 さ れ た GN と Gw との爺難および Gw をめ ぐる G の変動を一つに統一すること によって不安定性の本質を究明することにあ った, そこにおい て示された加 速度因子の変換による 制約された循環モデルの主要部分についての理論構成は, きわめて非現実的 かつ機械的であ った, この欠点を除却するために, 投資理論と しての加速度原現を否定 し, これにかわる利潤 原理を提案 する立場と加速度原理を修正することによってこれが投資理論として 有効であると考える立場とに iaI Case で あ る こ と か ら, こ れ わ か れ, さ らに は 加 速 度 原 理 お よ び 利 潤 原 理 は い ず れ も A spec. らを共に包含する投資理論の提案がなされるな ど, ケイ ンズの貯蓄と投資の 関係による産出量の短 期的変動を出発点と して, その長期化の過程の中で多くの試みがなされてきた. それでは一体, そ れらの理論の中のいずれを中心として理論を展開させることが経済変動理論に ア プローチするため により有効となるであろうか. このことについて考えて行くために, 本稿では, 上記のそれぞれの 理論について検討 していくことにする. 第一章. 加速度原理の否定. ヒックスのモデルにおいて主要な役割を演 じた加速度原理が持つ単純な仮 定は, 完全能力のもと での資本の価値が産出量に対 して一定の比率関係をたもっということであ った, しかしヒッ クスに よる乗数加速度原理の結合作用によって発生した産出量の変動は, 完全雇用天井と純投資は負にな りえないという二つの防柵によ って固有の発散的循環は一定の大きさの循環に変えられた. このこ とは単純な加速度係数の代りに V. ,……Vp という部分係数の系列を持 っていると考えるに等 , V2 1 ) しい. これによ って加速度原理の持つ本来の単純な性質は克服されたかにみえる, しかしなが ら それは, 二つの防柵を想定することによ って技術的に決定されたものであるにすぎない. - 92 一.

(3) . 第 22 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要(第一部B). 昭和47年1月. 加速度原理が常に批判の対象とさ れてきたのは, 完全能力との関 係においてである これはあき , らかに暗黙裡に投資の有効需要効果 のみを考え, 産出能力効果については考慮していないことを意 味 す る, こ の 点 に つ い てノ ッ ク ス は, 完 全 能 力 と い う も の が 現 実 に どの よ う な 状 態 を さ す の か は 明. 日ではないが, 一応 それが加速度原理には必要な仮定 であるとみなした上で2 ) 次の二つ批判をおこ な っ て い る,. 1 . 純投資と更新投資の区別が明確にはなされ得ないにもかか つらず, 加速度原理を純投資のみ に依存するものとみなした. 2 . 需要予想がまったく考慮されていない ために, 価格および利潤についての考慮がなされてい な い.. 以上の理由からノ ックスは加速度原理を否定 し次のような投資決定式をさだめる 3 ,) 1=a(KD一 KA). (1). ここで各記号は a= 懐妊期間, KD=適切な資本設備 存在量, KA= 有効な現存資本設備量を示す も のと す る. 従 っ て KD は所得と利潤率に依存 し KA は無効にな った設備の更新運 動を 考慮 していることに な る. こ こ でノ ッ ク ス が 利 潤 の 水 準 で は なく 利 潤 率 を 採 択 して い る こ と に つ い て の 理 由 は 明 白 で は. ないが, いずれてしてもノ ックスのこの考え方は, 加速度原理を否定 し利潤と投資との関係を重視 してい るものとみなすことが出来よう, つ い で チ ャ ソに お い て も ドマ ‐ Y Y 一 o. .. 4 ) ルの ごとき立場に依拠しなが ら次のような式を設定 している,. =1 ,十 CYo- Yo. =1 .-(1-C)Yo. ここで Y=所得叉は有効需要, 1=投資, C=限界消費性向, 添字は期間を示すものとする 5 ,)ま た今期の産出能力の増大は独立投資と誘発投資との 両方を含んだ純投資のすべての産出能力に寄与 する平均率を示す係数 (q) によって乗じられた前期の純投資 (1) に等しい これを今 ql o とお . ) 6 き次式を設定する, 1.-(1ー C)Yo>,ql o. (3). ここで左辺はある期間の有効需要の前期を超える分を示す, 従 って資本設備の能 力が過剰でも不 足でもない均衡状態から出発した時, 有効需要の成長を超えない産出能力の拡大のための条件は, 7 ) それゆえこの係数が逆であるならば 資本設備 右辺の増加が左辺の増加を超えないこ ・とである. , の不足の状態から出発したとしても, やがてその過剰をもたらすことになる, そしてそのようにな ) る こ と へ の条件 をノ ッ ク ス は 次 の 三 つ に 求 め る,8. 1 . 投資率(~ キ)がブームの高い段階において信用の逼迫が増大すること, 2 , 消費性向が低下すること. 3 , 産出能力の増加率が q の増大によ って速度を早め る場合, このニつの事情のいずれかが発生するならば, 過剰能力の発生がみられることになる, 6 ) 以上のことか らチャ ソも叉ノ ックスと同様, 投資決定理論としての加速度原理を否定す る, そ し て過剰能力の発生の説明と結びついたカ レッキー=カル ドアモデルの 景気循環理論がより有効であ o ) る こ と を 強調 して い る,l. このように加速度原理を否定 して新しい投資理論を採用 しようとする考えとは逆に, 単純な加速 度原理を修正することによ っ て, それをも っ て投資決定理論とすることが出来るという考え方があ 一 93 -.

(4) . i ion (Sec t i i do Uni t on IB) lof Hokka s ver Journa y of Bducat. Vol .22 No .2. january ,1972. る, こ の 立 場 に 立 つ も の と し て, 次 章 で は チ ェ ネ リ ー と グッ ドウ ィ ソの 理 論 を と り あ げ る こ と に す る,. 註 “ say on Econon i rom Bcono- nt repr edf ic St i l i l ty and Growthr l960 I ab 1) Ni cho as Kaldor ,201( , pp , Es l b D 9 1 1 m e 5 e c e r mi cJourna , , .. , 季節 2 ) ノ ックスは完全能力という意味を次の4通り考えている. a . 平均総費用が 垂直になる産出量の点, b ▲ 最小平均総 量 る産出 c 的期間 ることが出来 維持す 一企業が一定の設備で合理 的変動, 修繕等を考慮しての . . ‘ d TheTheory l i Pi il 費用の産出量, d .MC=MR の点での産出量. A,D. Knox三 The Acceeraton rncpe an. t tment: A Survey” oflnve s ,pp ,277-278, . Augus , Bconomica ,1952 ” i A D t“ 3) . , Knox .c . 295, , op ,p l l ・Acce l i er l e“ nes y journa s Cyc rm and The Bus or erat 4) S. C. Tsiang.‘ , The Quat , Theory of The Fi l s Vo c of Economi .p .65 .1951 .339 . “ i i t“ ang 5) S. C. Ts .336 , op ,c ,p . ‘ ’ ‘ iang i t’ 6) S .340 . C. Ts , op ,c ,p . ’ “ ’ i S C i 7) . . Tsang .ct , p .340 , op . ” i iang t“ 8) S .c .340. , C. Ts ,p , op ” ’ p 341 i i t’ 9) S ang . C. Ts .c , op , . , “ “ i T S i t C 10) . . sang .341. . op ,c ,p. 第二章 1.. 加速度原理の修正. チェ ネ リー の理論. チェ ネリーは, 加速度原理の基本である資 本の価値が産出量に対 して一定の比率をもたね ばなら. ない とい う こと すなわち K=vX. の仮定から, 純投資 が産出量の変動によ ってみちびかれるという. ) をより現実に近づ けるために, 今過剰能力が存在しておりかつ, 需要の一定の比 なる単純な関係1 率によ って誘発された投資は新 しい能力の大きさを満た すのには少ないものと考えた上で, 単純な 2 ) 加速度原理に対 して次の二つの修正をおこな っている. まず第一の修正は, 新投資と需要の変化に対 する企業家の反作用係数 b の導入であり, 第二の 修正は産出量の変化と投資との間のラ グの導入である, これらの二つの修正をおこなった加速度原 3 ) 理は次のように定式化される, (6). 4Kt ,;bv(Xt- × ”) 十リニ Kt十クー Kt十o-. このように修正された第3式においても 単純な加速度係数の仮定と観察された行動とのあいだの相 違についてすなわち資本はその拡大と同じ速さで収縮することは出 来ない し 叉そのようなことはあ りえないということについ ては考慮されていない, つまり資 本の耐久性, 陳腐化等に依存した退化 ) i (ret red) の 比 率 に は 資 本 の建 設 期 と は こ と な っ た 一 定 の 制 約 が あ る の で あ る.4. 今均衡から出発 して資本と産出量がそれらのノーマルな関係 (正常な ラ グを持つという 意味にお ) い て) に あ る な らば 次 の よ う に か け る,5 Kt=Vxt--. /v 第7式では産出量の変化に比例 した投資が示されている が, ここでこれに代 っ て正常産出量 Kt i t a からの実際の産出量の罪難 (devi on) に対する比率としての投資本を考えるな らば (81). Xt- F Kt /v. - 94 -.

(5) . 2号 第 22 巻 第●. 北海道教育大学紀要 (第一部B). 昭和47年1月. くじ 4Kt ) - - 十クー1 十リード bv(為 一×七 +”= Kt K b x /β) = v( t一 o =bvXt-bKt. (9). ) =b(vXt- Kt. とおくことが出来る, ここでもし反作用係数 b が1以外の時には加速度原理が無視した過剰能力 6 ) すなわちその場合企業は 期間毎の需要の変化に等 や過少能力の程度を考慮していることになる. しい投資をしない ことになるなる, b<1なる時は投資は需要の変化以下におさえられる. このよ うな状態について, チェネリーは, 「企業が将来の投資を予言する場合, 失敗に終ることを考慮す 7 ) と考える, しかしこの場合でも, 企業の目的は冬期間における完全能力での操業 るからである」 8 ) だが企業が生産費を 極大にするという目的からするならば, 規模の経済が存 を前提にしている. ) この関係を考 慮 に 入 れ て, 9 在する限り需要に先がけて正常な程度の過剰能力 を持つであろう, ) に対 して必要とされる資本量と現存資 本 の 最 適 利 用 度 資本ストッ クの増大は経常産出量 (VKt スKt ) の間の差に比例するものと考 えるならば, 第9式は次のように変形することが出来る, ( dK け ニb り. (10). xcースKt ). ) l o ty factor の最適利用度を示す, ここでは設備叉は Capaci 以 上 が チ ェ ネ リ ー に よ る 加 速 度 原 理 の 修 正 で あ る が, グッ ト ウ ィ ソも 叉 チ ェ ネ リ ー と 同 じ 立 場 に. たって単純な加速度原 理を修正し景気循環理論へと発展させている, 註 ” i i l l i t i r t nc ca t era e“ l i on 凸雲 p capac s B. Chenery〆‘over y and Arcce .volume20January 1 , ) Hol ,Econome N b 1 2 r l 9 2 1 5 , um e , pp , , ’ 1952 p 12 ‘ i t’ 2) H,B. Chene ly, ‘op .c . . . , ’ ’ ‘ ‘ i 3) H, B, Chenery .p ,12 . ,ct ,1952 , op ” ’ 1952 pp 12‐13 i t’ 4) H. B. Chene iγ, op . . .c , , ’ 1952 “ i t’ 5) H.B. Chenery ,13 .p , , , op ,c i t” ・γ,”。p 6) H, B. Chene .13. ,1952 ,p ,c ’ ”o c ’ 1952 p 14 i t 7) H. B, Chene p 1γ, . . . , , “ ’ 1952 p 14 i t’ ry 8) H. B. Chene , . , ,c , , op ‘ ‘ ’ 1952 p 14 i t’ 9) H. B. Chenery . . , .c , , op ’ 1952 ”o c ’ i t 10) H,B. Chenery p .15 .p . . , ,. 2.. グッ トウ ィ ソの 景 気 循 環 理 論. グッ トウィ ソは, ヒックスの景気循環モデルの主要部分についての非現実的かつ機械的な理論構 成を一歩進めて, 非線型体系の構築をお こなっている, 加速度原理の仮定では, 現実の資本設備 量は所得の変化に適応している, しか し現実の経済にお いては, 常にかかる比例関係が保証されているわけではなく, 過剰設備ないしは過少設備の状態が 多く存在する, このような加速度原理 の欠点をおぎなうために. まず最初にグッ トウィ ソは現実の 資本設備量 K と必要資本設備量 Ks (所得と技術の状態に比例した)とに区別する. そしてC=消 費, Y‐所得, K‐投資 (K は資本存在高の変化率 著 でぁる) . 1 ) とおくと線型消費函数は次の ごとくなる.. d. および v をコ ンスタント. Ks=vY. (10). C=αY 十β. ( 11). Y=C十 K. ( 12 ). 今, Ks= K とおくなら投資は所得に等 しいから, - 95 -.

(6) . Vo l .2 .22 No. i lof Hokka ido Uni i ion (Sect Journa t r on I B) ve s y of Educat. january ,1972. 1 ( 10 ). K =vY. となり基本的な加速度原理を示す, しかし現実の経済においては Ks と K は常に等 しくはならな い であ ろう. 従 っ て Ks> K (資本不足) なる時には投資 は増大して純投資は プラスとなり均衡の (Ks=K) に復帰する. 逆に KsくK (資本過剰) であるな らば純投資はマイナスに減少 してやは り均衡 (Ks=K) に復帰するであろう, この均衡からの逸脱を グッ トウィ ソは乗数と加速度因子 2 ) 結 合 に 求 め る の で あ る,. ) 3 今消費ラ グを導入した動態乗数をとれば次のようになる. Cも= βYt十eYt一 十β. (13). Yも= Cも十 K. (14). こ こ で α= β十8 と おく と, 夕=α一8 か ら, Ct. は. Ct= @ -e)Yt十8Yt --十β =αYt-8Yt十8Yt-,十β. )+β =αYt-8(Yt- Yt -- ′) (13. ′ ・ G =αYt-eY 十β. ′式を第1 次に第1 4式に代入 して整理すると 3 (1一α)Yt=β十 K-8Y. Yt‐ 一 三(β十 脹 8Y). (1 5). さ らに投資 K を誘発投資 の(Y) 独立投資 L (t) とにわけると K =≠(Y)十L(t). (16). となる, このうち誘発投資は一定の範囲内では所得の変動に比例 して変動し, その範囲外において ・ては) 非伸縮的になるものと仮定すると は (すなわち上限と下限におし. となる. 叉第15式より第14式は次のようになる,. Yに て三言 帆 か L ①)+ 島 ,. き. “. ⑩. こ こ で、. (Y) の(Y)=の(Y)一8. (1 8). 6式は とおくと第1. Yにて三言火 事 .g“. (1 9). ) と な る,4. 叉. )(第1図参照) V > e と仮定 して第1 7式を図示すると次のようになる5. 6式から 告 次に, 趨勢を考えず, Yを均衡値からの泰離と考え れま, こ ねま第1. L(t). ,- “. をと. りのぞいた ものであ るか ら. ( 20 ) 4 ) この図は次のように説明される 今 である. それ故第19式を乗数倍すると第2図のようになる, . 原点から出発するものと仮定する. ここで所得の増大があれば誘発投資が発生して運動はA点にむ - 96 -.

(7) . 第 22 巻 第 2 号. 昭和47年1月. 北海道教育大学紀要(第一部B) 第 1. 図. く 1. PY. 第. 2 図. Y. かう, すなわち所得 が増大すれば加速度原理が作用 して必然的に純投資が存在し, それが国民所得 を乗数倍だけ高 め, その所得の増加が再び加速度原理を作用させて一層の投資を必要とし, 累積的 拡大がA点にいたる まで続け られるであろう. しかし今A点を必要資本設備の臨界点とすれば, こ の 点をこえた資本設備は必要とされないために投資は停止する, ここで純投資の停止は国民所得を. 減少させるか ら Ks> K の状態をもたらす, その結果径路はAからBに飛躍する の で あ る. こ こ でYは負となるから, Yの動きは乗数と加 速度原理の 相互作用によ ってBからCにむかって運動す る. すなわち現存資本設 備量が必要資本設備 量に調整されるのである, C点にいたると所得の減少 一 97 一.

(8) . vo . ・22 NO .2. l。 f H0kka i do Univer Journa i i ion I B) t s on (Sect y of Educat. January ,1972. はやむ. つまり現存資本設備量が十分減少 した時 粗投資は減価償却費に等しく なる すなわ ち粗 , , 投資は正 となる, このことは乗数効果による所得の増大を導く そして所得 の増大は加速度原理に , よ って必要資本設備量の増大を導くから, 径路はC点からD点に飛躍 してA点にむかぅ このよう . に して 所 得 の変 動 は A と C と い う 二 つ の 臨 界 点 を 持. っ た リ ミ ッ ト・ サ イ ク ル A B C D と い う 循 環 を. え がく こ と に な る の で あ る ,. これまでの論述では趨勢の問題については無視されてきた しかし現 実の資本主義経済において . は不況の底と好況の天井における 資本設備の大きさは常に同じではなく 上向きの趨勢 を 持 て い っ る. 第16式はこの趨勢を考慮 したものである 第1 L 6 式に t は技術革 ( ) おける 政府支出を 新 . , , β は 人 口 増 加 叉 は デ ュ ー ゼ ソ ベ リ ー の 考 え る よ う な 消 費 函 数 の 性 質 を 示 して い る そ して こ の 一 つ .. が経済における趨勢を構成することに なる L (t) およびβが与件であると考えると その乗数 . , 倍の所得 の増大を導く, それ故 少 曲線は右方に移動する (第3図)7 .) それ故国民所得は, 第2図の ごとくABCD線上 の循環運動をく りかえすの ではなく 第3図のDE F……の循環をくりかえす , えとに なる. ここでDか らE点にいたるあいだに三つの 少 曲線が存在しているが これは好況期の , より高い技術進歩と 消費函数と結びついている それ故好況の期間はより長期化する傾向にあるこ . 第. 3 図. Y チ ( )+β十L( t ) 1ー て (. と を 示 して い る. そ れに ‐対 して C か らD へ の 変 動 で は 一 つ の 夢 曲 線 が 存 在 す る に す ぎ な い.. これ. は技術進歩の採用と消費の増大が好況期よりも小さいことを示 している しか しそれにもかかわ ら . ず不況期においても 技術進歩が存在 しかつデュ ーゼソベリーの仮定に したがい消費の低下はそれほ ど大きくはない, このことは過剰資本設備が存在 (KB〉K) してもなお粗投資 が再開されることを 意味しているか ら, 不況期間, C, Dは, 好況期間A, B に比して短く なるであろう 。 以上がグツ トウィ ソの景気循環 モデルの素描である. 彼のモデル を簡単にまとめると, 何らかの 事情によ って所得の増大がもた らされた時, 純投資が発生 し, それがさ らに乗 数倍の所得をもたら すという乗数と加速度の相互作用によ る累積的拡大が必要資本設備量の臨界点まで進められ 純投 , 資の停止はこれとは逆の累積的縮少が現存資本設備量を必要資本設備量に 調整されるまで続け られ る と い う も の で あ っ た.. 加速度原理をもって投資決定理論とみ なされるものを 一般にヒ ックス・グッ トウ ず ソ型 と よ ば れ - 98 -.

(9) . 第 22 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要(第一部B). 昭和4 7年1月. ていた. しかし以上のグッ トウィ ソの論述からすれば, 彼の現存資本設備量と必要資本設備量との 不 一 致 に 景 気 循 環 の 原 因 を 求 め る 考 え 方 は, ハ ロ ッ ドに よ っ て 名 づ け られ た サ ミ ュ ル ソ ソ・ ヒ ッ ク ス 流 のラ グ理 論 で は な い. む し ろ ハ ロ ッ ドのG と G・ v をそれぞれグッ トウィ ソの現存資本設備量お よび必要資本設備量との関係としてとらえるな らば, G を Gw と の 齢 難 に よ る ア ンチ ノ ミ ー 理 論 は, グッ トウ ィ ソの 景 気 循 環 の 理 論 と き わ め て よ く 類 似 して い る,. 次にヒ ックスの景気循環モデルが循環と成長を かさねあわせるという方法を と っていたことにつ い て は グ ッ トウ ィ ソも 同 じで あ る. しか しそ の 内 容 に お い て は 異 っ て い る, ヒ ッ ク ス の 場 合 に は 独. 立投資の成長による動的な均衡径路を与件として, その上に完全雇用天井と加速度原理の変形によ る現実の産出量の循環がかさねあわされるというものであ った. この独立投資の存在とそれの系統 的成長をもたらす要因については不問にふされていた. この点についてグッ ドウィ ソは技術進歩 L -的な消費函数の性質 βに依存するものと考え, 第3図にみ られるごとき (t) とデュ ーゼ ソベリ′ 資本需要曲線の右方シフ トという型によ ってこれを示した, 叉循環については非線型加速度因子が ) とによ って 示 さ れ て い 8Y‐ 非伸縮的になるということおよ び消費のラ グを導入した動態乗数 ( ー る, そしてこの循環と動的均衡水準とをかさねあわせることによっ て グッ トウィ ソの循環理論が形 成されている. そしてさらに景気の回復はヒックスの ごとく独立投資による下位均衡 線が上昇する 結果ではなく, それがない場合においても自動的におこなわれる, 従 ってグッ トウィ ソの循環理論 は ヒ ッ ク ス の そ れ か ら一 歩 進 ん で お り か つ 簡 潔 な も の に な っ て い る と 考 え て よ い で あ ろ う. しか し. ながら前述の ごとく グッ トウィ ソの技術進歩と消費函数の性質に依存した長期投資は, 現実の産出 量の循環か らは独立している. しかるに技術進歩およびデュー ゼ ソベリー的消費函数の導入は循環 と成長の同時存在と相互関連 づけが意図されているものとみなされうる. そのために グッ トウィ ソ の理論がヒックスの理論の一 層の詳細な説明をおこな っ て い る と して も, 「変動 の 内 在 的 因 果 8 ) の問題が依然として説明されてし ・ない, すなわち 「サイクル内の問題を説明することは出来 性」 ) を 説 明 す る こ と は 出 来 な い の で あ る, 9 ても サイ ク ル 間 の 問 題」. 註 i ines i t inear Acce s r ca l t t s Cycl e“ enceofBus s era orand The Per 1 , ) R, M. Goodwin,”The Nonl ,Econome Vo lumel9 .4 ,PP , ,January l951. ・op c t“ 2 ) R. M Goodwin,‘ .5‐6 ,i .pp ,1951. ” i t“ 3) R, M. Goodwin .9 ,pp ,1951 ,c , op i t“ n,”op 4) R. M. Goodwi .pp ,9-10 ,c ,1951 ‘ ‘ i t“ 5) R. M. Goodwin ,7 ,pp ,c ,1951 , op “o c ” 1951 pp 1 i t 6) R. M, Goodwin p , . 9 , , , ’ 1951 pp 10 i t’ 7) R. M, Goodwin,”op , . ,c ,. 2頁 6年, 19 8) 早川泰正 『経済変動理への途』 昭2 ) 早川泰正 『前掲書』192頁 9. 結 びにかえて これまで投資理論として加 速度原理を否定する二つの理論 (ノ ックス, チャ ソ) と加速度原理を 修 正 す る こ と に よ っ て 投 資 理 論 と して 有 効 で あ る と み な す 二 つ の 理 論 (チ ェ ネ リ ー, グッ ドウ ィ. ソ) について論じてきた, それらのいずれの場合においても過剰能力は経済進歩を はばむ要因とし て 作用 して きた. しか しこ の こ と に つ い て ゴ ー ト ソは, 「一 切 の 投 資 は 単 に 現 状 に と っ て の み な ら. ず将来において期待される状 況にとっても適切である資本在庫高の方向へ現存資本の 在庫高を修正 ) と述べ, さ らにウ 「ルソンは, 「投資は巨大な総量が組立てら 1 しようと する計画とみなされる」 一 99 円.

(10) . vo l .22 No ・2. l of Hokka Journa ido Uni i i ion I B) ver t s t on (Sec y of Bducat. January ,1972. れている財に対する現存資本の適合性によっ て発生する. 例えばシュ ムペーターのイノベーショ ン が新生 産方法の改善を意味すると同時に新製品の導入を意味することがそれ である 従 っ てそこに . おいては, ブームの過程での過剰能力の存在が 進歩の当然の帰結ということになる」2 ,)と述べてい る. この両者 の指適は,適正な資本の在庫高が単にそ の水準において変化するのみでなく その構成 , 内容においても変化するということを意味してい る, そ して適正な資本在庫 高の変化は投資機会に 影響をあたえることになる. このことは過剰能力は常に投資のマイナス要因として作用するのでは なく叉投資が単に産出量の変化によっ て誘発されるものでも, カル ドア=アカ レッ キー型のごとく 投資が総産出 高の水準な らびに総資本存在高の函 数として示されるのでも ないことをものがた て っ いる. 従 っ て両者の指適からするならば, 投資理論と しての加速度原理叉は利潤原理は A SpeciaI ) Case で あ っ て 9 ,. 本来その両方を含 むような投資理論を確立することがのぞましいということが. 出来よう, さて本研究がケイ ンズ体系の長期化をとりあげて以来, 常 に 問 題 と してきたことは, 資本スト ッ クの増大と完全雇用との 関係であ った. すなわちクライ ンにおいては, 資本設備の 既 存 存 在 量 (Z- ) の増大による自生的投資の不 足を政府の補足的投資と貯蓄性向の引上げ政策の 同 時 適 応 に - よ り 完 全 雇用 の 達 成 を も く ろみ, つ い で ドマ ー ル に お い て は, βs (ハ ロ ッ ドの Gw) の成長にみあ. ) を引上げて, βs=βぴ の完全雇用均衡 って技術的改善をおこなうことにより βび(ハロッ ドの G。 発展率を維持 し不況を回避しようとするものであ った. さ らにハロッ ドは生産能 力よりも有効需要 を重視し, 非生産部門への長期投資により高貯蓄を吸収 し, G\ v を GN ま で 低 下 さ せ る こ と に よ り 長期沈滞を回避させるものであ った, そ してヒ ックスにいた ってはじめて, きわめて機械的なかた ちにおいてではあったが, 経済動学の目標である循環と成長の結合の模型が示されたのである. そ の 他 グッ トウ ィ ン, カ レ ッ キ ー お よ び カ ル ドア も ひ と しく 循 環 と 成 長 の 結 合 に 関 心 を は ら っ た そ .. して投資理論として加速度原理を採用するものをヒ ッ クス= グッ トウィ ソ型, 利潤原理を採用する も の を カ ル ドア = カ レ ッ キ ー 型 と よ ば れ て き た, しか しか か る 観 点 を は な れ て 経 済 の 循 環 と 成 長 と い う 点 か らみ る な らば, グ ッ ト ウ ィ ンの 理 論 は ヒ ッ ク ス の 理 論 と は 別 個 の も の と み な さ れ る で あ ろ. う, む しろ循環と成長というかかわりあいから資本 ストッ クの存在量を分析の中心に す え る な ら ば, グ ッ トウ ィ ンの 理 論 は カ レ ッ キ ー = カ ル ドア 型 に 接 近 してく る, そ こ で 今 た と え ゴ ー ト ソお よ. びウィ ルソ ンによる指適のごとく加速度原理と利潤原理が投資 決定理論と しての A Spe i I Case c a であると しても, 資本ストック存在高ない しはその能力を中心とした循環と成 長の同時とりあつか い と い う 面 か らす れ ば, そ れ を と り 入 れ な か っ た ヒ ッ ク ス の モ デ ル に 比 し て, そ れ を と り 入 れ た グ ッ トウ ィ ンお よ び カ レ ッ キ ー = カ ル ドア 型 の モ デ ル の 方 が, こ れ か ら経 済 変 動 理 論 の 考 察 を お し進. めていく上でより優位にあるものとみなすことが出来るであろう, それ故次回はカ レッキー=カル ドアの理論について検討をすることにする. 註 1 ). ‘lnves ’ The Revi ine l tmentBehaviorand Bus R, A, Gordon,‘ i i s s Cyc e’ t eW ofEconomi csand St at s s c ,. Feb .1955 .p .28. ” ’ oxford Economi l l l and Aut i t’ 2 son ca onomous inducement sto lnves ) T, Wi s ch c Paper , Cyc , . Mar l953 .P .82 ‘ ‘ i t” 3) R, A. Gordon ,c ,p.33 , op. 一100一.

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参照

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