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昆布森および武佐産玄能石中の沸石類

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(1)Title. 昆布森および武佐産玄能石中の沸石類. Author(s). 伊藤, 俊彦. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. B, 生物学,地学,農学編, 31(1): 47-54. Issue Date. 1980-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6378. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (第2部B) 第31巻 第1号 lo fHokka idoUn J ive i fEduca our na i t Sec i t r s t l on( )Vo onl IB yo .31 .1 ,No. Sep t 9 80 embe r ,1 昭和5 5年9月. 昆布森および武佐産玄能石中の沸石類. 伊. 藤. 俊. 彦. 北海道教育大学釧路分校地学教室. Zeol itesin the Genn 副shi(Ca lcite Pseudomorph) f i Area and Musa rom Konbumor Areain Kushiro Hokkaido Japan , , Tosh ih i koITO Ear i thSc i l l ido Un iver ence Labor i ion at o ry r tyofEduca oCo ege t s ,Kush ,Hokka , Kush i r o085. Abstract Auth igen i l inopt i l l i i te and analcime occurin some Genn6‐ he paleogene mud cc o rom t shi f - stonebed i ido l i sat Konbumoriand Musain Kush i l l i lp l te euhedra ro 40- te( nopt o a . Thec ,Hokka. , l izesi 140g) lcalcite,granularcalciteand clearsparry calcite, ntheboundary betweenradia ,crystal Thec inopt l i l l i i l l tef o ththeeuhedra lana l ime(max stheopeningtogether wi c .2mm)andthe clear lc i l izess te wh ich crystal l l ight h ca l t t h l i t i l l i y a er an ec nopt o te , A. he dataofzeo l i ic bur ia ldiagenesis,cl inopt l ccording tot t i l i l te-ana ion beg ins at o cimereact 0C at a bur 80一90 ia ldepth ofl. 5k 7km to 3 l b inopt i lo l i te transformedi nto , m.工nthe a oratory,cl l imein a Na ana c. oC (Bo 03-NaOH so l i l ) ut onatloo es . ,1971. According ly c inopt i l l i i te l l ized o shi musthaVecrysta ,l ,analcimeand clearcalciteinthe Genna-. oC atabur ia ldepth of2-3 km, Tocrystal ataboutloo l izeaseuhedra lcrysta l an openspace may , , be prepared bythe disso lving ofgranularandradia lcal i teorthestoppingofthecrysta l l izat iono c f i lcalcite. PH valuesofinter i ia rad l waterof mudstone containing Genna‐ t t a i iare,therefore, s sh l i l t t 8(Limes tone Fence elowerthan7 inandR.M,Gar probab l y al rom W.C.Krumbe ) re s , ,f . ,1952 The occurrence of py i i h i t l i h t l l i i i l l i t i t t d rew i tesi c nop o e n cates e crysta zaton of zeol n the ion environment reduct .. ま. え. が. き. 玄能石の中に自生鉱物として斜 プチロル沸石と方沸石が見い出された 玄能石とは主成分鉱物が . 方解石 l i 897 ) により gay t ‐で us s eの方解石仮像とされたものである. その後, 玄能 , 古くは比企 (1 (47 ).

(3) . 伊 藤. 俊・ 彦. 石については 多くの研究がなされているが, その成因・原鉱物などについて未だ意見の一致をみて いない. 今回, 沸石類が玄能石中に 産したことは, 玄能石の生成後のいずれかの時期にこれらの沸 石の晶出の条件が満たされたこと であり, 玄能石の成因について新たな手がかりを与えるものと考 え る.. 本小論 では斜 プチロル沸石・方沸石の産状, X線回折結果について報告する. さらに, 沸石の産 出から見た玄能石の生成環境について若干の考察を行ない。 諸学兄の御批判 を仰 ぐものである.. 1. 含沸石玄能石 これま で, 玄能石から主成分鉱物 である方解石以外に石英(含玉髄質石 英)・黄鉄鉱・菱鉄鉱(池. 上, 1965・1967 渡 辺, 1974・1976. 渋 谷, 1977 島 内 ら, 1977) ・ ドロ マ イ ト 及 び粘 土 鉱 物 (渋. ) が微 量成分鉱物として報告されている. 昆布森・武佐の両地域の玄能石からは方解石の 谷, 1 977 ほか, 石英・黄鉄鉱・沸石を産する. 沸石の産出の報告は, 今回が初めてである. 昆布 森及 び武佐地域の含玄能石層はいずれも古第三紀漸新世舌辛層の泥岩である, 昆布 森産の含. 沸石玄能石は2個と少ないが, 武佐産の玄能石はその大半が沸石を含む. 昆布 森産含沸石玄能石は 紡錘形 で伸 びの方 向 で長さは約 9cm あり,沸石を含ま ない玄能 石(伊 )と大きさや 形態上の相違はほとんど認められない.しかし,この含沸石玄能石はノジュール 977 藤,1 に含まれては産せず, また, 一般的に見られる滑らかなガラス光沢のある表面は認められず玄能石 の表面全体に黒灰色の泥が付着すること, 横断面 での玄能石と泥との境を観察した場 合, 他の玄能 石に見られる直線的境界をもたず, 小さな凹凸に富む不規則な境界を示すなどの点 で沸石を含まな い玄能石と相違する. また, 玄能石内部の方解石集合の色も, 前者は後者に比べて淡く, 淡褐色を 呈することから容易に両者を区別出来る. 武佐地域 (第六若草) からの玄能石の産出はこれが初めて である. これは宅地造成工事に伴ない 現 れ た も の であ る. 玄 能 石 は 紡 錘 形 で,10~15cm の 大 き さ の も の が最 も 多く 産 し, そ の ほ か X 字 形. などの数個の集 合体からなるものもいくつか産した. 玄能石と共に直径3cm 前後のピン ポン玉様 の ノ ジ ュ ー ルや 貝 化 石 も 多産 す る.. 武佐産の含沸石玄能石は 昆布 森産のそれとは多少外観が異なり, 濃い褐色 を呈し空隙に富む脆い 玄能石に沸石を含むものが多い, しかし, 通常沸石の認められないガラ ス光沢・ 暗 褐色の玄能石 の空隙部 分にも沸石の産することがある. また, 沸石類は全般に微少 で肉眼的に識別することはほ とん ど困難 である. 斜 プチロル沸石は両地域産の玄能石に 含まれるが, 方沸石はこれまでのところ 武佐産のものにだけ見い出されている.. 2. 顕微鏡下での性質 沸石を含む玄能石と含まない玄能石とでは第1図の様に 顕微鏡組織に違いが認められる. 沸石を 977 ) した様に, 四つの異 含まない玄能石の組織は, 既に 昆布 森産の玄能石について報告 (伊藤, 1 なる形態の方解石からなる.最も卓越する方解石は放射状集合方解石 であり, 開放ニコルの下では, その放射状組織や方解石相互の関係は明確 でないが, 直交ニコルの下では容易に確められる. その 他の方解石としては, 内部に不純物を含み汚れた感じの粒状方解石, 雰開が発達し自形性の強い無 (4 8 ).

(4) . 玄能石中の沸石類. 回. 5 0 i L 0 1 」. J豊山. 200. 200 P. u”. .4 mm1 LD.

(5) . 伊 藤 俊 彦 P1 atel i l i i A:Phot ‐ sh co extureofcommon Genno omic rogr aphshowingthet . . openn i l C d d i t to n r o s s e c o s . .. B:. i ibear ingo fzeo l i ico l t C:Phot e r extureofGenno ‐ sh omic ogr aphshowingthet . openn . ico l d i Cr t to D: os s edn s . .. l l l i l i l i t ic l inopt i l te wi th c te between granu E:Phot a r ca c e o ear spa r ry ca c o r n r ograph of c . i i l l i l open n i l t t Z n co. ; c op o e . l i i l l i ingofr i lca l inopt t t F:Phot a c e omic rographofc o eintheopen ad . inopt i l l i l l i openn i l l t t o e c a c a c e co ; . Z;c . , fc l inopt i l l i ter te G:Phot o os eographo . fana l i ter H:Phot c n 〔 l e os eographo .. 色の方解石, 玄能石の外周部を形成する最末期の方解石がある. これらの晶出順序 は, 粒状方解石・ 放射状方解石・無色目形方解石・最外周方解石の順である. 他方, 含沸石玄能石を構成する方解石の形態およ びそれらの晶出順序は同じである. しかし, 全. 体的な組織では違いが見られる, それは, 各方解石の量比と集合状態の違いに基づくもの である. 即ち, 含沸石玄能石と一般的玄能石との比較 では, 前者は後者に比べて粒状方解石が多く, 放射状 方解石が少ない. また, 集合状態 では, 後者の全ての部分で各方解石が前述の晶出順序に合っ た集 合が見られるのに対して, 前者 では部分的に放射状方解石を欠き, 粒状方解石に無色方解石が直に 接するなど複雑に集合しており, かつ各方解石粒間の境界は明確 でない. この組織の違いは放射状方解石の粒状方解石に対する交代の程度の差 によるものと考えられる.. 即ち, 先に述べた様に沸石を含まない玄能石中の粒状方解石の量が少ないことや粒度が小さいこと は粒状方解石が放射状方解石により強く交代されたことによると考えられる. また, 粒状方解石と 無色方解石 が直に接することがないのは, 粒状方解石の周囲が全て放射状方解石 で交代された後に. 無色方解石が晶出したことを示すものと解される. 以上のことから, 沸石は粒状方解石が放射状方 解石に交代されることの少なかっ た玄能石に晶出したこと, 放射状方解石の晶出条件と沸石の晶出 の条件は相反する関係にあっ たことが推測される.. 3. 沸石の産状 沸石は斜 プチロル沸石・方沸石の2種 である. これらは全般に微小 で肉 眼的にこれを認めること は困難 であるが, 方沸石には粗粒のもの (2mm 前後) も一部 の空隙に認められる. 鏡下 では, 斜. プチロル沸石は粒状方解石や放射状方解石の粒間やその周辺部に無色方解石と共に板状結晶として. 産し, 粒径は4 0~1 40g で平均80g である. 無色方解石と斜プチロル沸石の晶出順序はほぼ同時か, 多少斜 プチロ ル沸石の方が早いことが鏡下 で確められる. 方沸石は斜 プチロル沸石より遅れて晶出 し, 粒度は一般に斜 プチロル沸石より大きく, 実体顕微鏡下 では結晶面の美しい偏菱形三八面体 の. 自形結晶として認められる. 量は斜プチロル沸石よりもかなり少ない. 方沸石と斜 プチロル沸石と の共生関係はあまり密 でなく, 方沸石が単独 で空隙に産することがある. 直交ニコルの下 で, 方沸 石は弱い複屈折を示し, 累帯構造が見られる. 以上の様に, 各沸石は方解石の粒間や空隙に自生鉱 物として溶液から直接晶出した ことを示す. (50 ).

(6) . 玄能石中の沸石類. 玄能石の中 で方解石のほかに沸石と共生する鉱物に黄鉄鉱がある, 黄鉄鉱と沸石の共生はあまり 認められず, 黄鉄鉱そのものも量的に少ない. その粒径は20~5 0” のものが多く, 正六面体の一部 の面が良く発達したものが認められる. これらは単結晶としても, また集合体としても産する. 石英はX線的には確認されているが, 鏡下ではその産状は明らかでない. 4. X線分析 沸石の同定は光学的には困難の為, X線回折によっ た. X線回折による方沸 石の同定は容易 であ るが, 斜 プチロル沸石は, その結晶構造が輝沸石と類似する為, 加勢による結晶構造の変化を検討 する方法が行われている.・X線粉末回折法による結果を第1表に示す. これま でに報告されている 斜 プチロル沸石の回折図形(本多ら, 1 96 8 968など) では, 特に3.96A 近くの回折線が , 後藤ら, 1 8.9A のものとほぼ同じかより強いことが示されて いる 今回折線図は3 .96A 近くの回 折線は弱 . く, 輝沸石のそれにほぼ一致する. しかし,50ぴC 5時間の加熱後のX線粉末回折 では, 回折線の消 滅は認められず, 輝沸石が25 0~3 0びC の加熱で示す 輝沸石B″ へ の 転 移 (Mumpton,1960 , 湊 ら, 1 968 ) は示さなかっ た. 斜 プチロル沸石と輝沸石のX線回折 による研究では, 両沸石に違 いがない l (M,H.Heyet ,a .1934) と す る も の と, 顕著 な 差 異 があ る (F.A. Mumpton ,1960) と す る も の が. あり, 未だ一致した考え が得られていないので, 今回は熱的性質 (加熱による構造変化) に基づい て, 本沸石を斜 プチロル沸石とした.. 5. 方沸石・斜 プチロル沸石の 晶出条件 堆積岩中の方沸石は成因上, 堆積時または続成作用初期のものと, 続成作用後期 のものとに分け ) られる (飯島ら, 1 965 . 前者はほぼ常温常圧のアルカリ性環境下 で溶液から直接晶出するか, 火山. ガラスな どと溶液とが反応して生成する. 後者は少なくとも地下lkm 以上の深さに 埋没した堆積 岩中に見られる. 斜 プチロル沸石も続成作用初期(原田, 19 68 ) から続成作用後期 (飲島ら, 19 ) 65. の範囲 で晶出する, また, 深海底 で生成したマンガン団塊中からも斜 プチロル沸石が報告さ れてい る (臼井ら, 1 97 8 ) 965 ) によると斜 プチロル沸石-モルデン沸石帯の埋没帯の埋没深度 . 飯島ら (1 i imaand Utada (1971) は 新 潟 は約 1 ~ 3km, 方 沸 石 - 輝 沸 石 帯 は約 3 ~ 5km とさ れ, ま た, 工 i. と秋田の油田地帯の試錘孔から得られたデータからアルカリ斜プチロル沸石, モルデン沸石(1 1帯) 0 o と方沸石・輝沸石 (1 1 1-a帯) の境界の温度と深度を 84 ~9lC, 1.7~3.5km と し, 各 沸 石 の 反応 では温度が主たる役割をはたし, 全圧や水圧の違いによっ てさほど大きな変化を生じないとしてい l る. ま た, Bo es (1971) は 実 験 的 に 10びC で斜 プチロル沸石を方沸石に変えた.. ia l i l l i i l i te te te 堆積岩中の斜 プチロル沸石はしばしば Adul ar on adon , opa , Montmor , Ce , , Cac Pyr i t eと共生することから, その生成に関係した溶液は弱ないし中位のアルカリ性とされる (飯島 ら, 1965) .. (51 ).

(7) . 伊 藤. 俊. 彦. Tabl ・1 e I. d(A) 10.0. 8.92 7.62 6.80. 2. 1月。 100 5 3. 5,24 5.12. 3. 4,67. 12. 3.973 3.913. 26. 3.750 3.544 3.424* 3.336. 3.173 3.129. 3. 5 2 27 4 3 7 7 6. 3.076. 3. 2.985 2.919*. 27. 2.798 2.740 * 2,688 、 2,5370. 2.4531 2.4212 r. 7. 5 4 3. d(A). 1月。. 8.90 7.94 6.80. 10. 9.00 7.94. 10. 5,91. 1. 6.63 5,92. 1. 5,24 5,11. 1. 5.58 5,24. 1. 4. 6,77 6.64. 2 2. ・I. 4.69 4.48. 2 2. 4.34 3.96. 2 10. 2 1 1. 1. 5.09 4.89. 1. 4,45 4.36. 2. 4.69. 3.97 3.89. 1 2 1 2. 3.90 3.83. 8. 3. 55. 2. 3.56. 1. 3,46 3,42. 2. 3,47 3.40. 1. 1. 3.73. 1. 6. 12 3. 3.07. 3 2. 3.04 ,2,97. 2 5. 2,87. 13. 3. 1月 。,. 2. 5.60*. 4.50 4.381. d(A). 3,83 3,71. 3.12 3,07 3,03 2,97. 3 1 1. 2 1 1 1 4. 1. 2.82 2.80. 3 1. 2,73 2,68. 1 1. 2,44 2.42. 1 1. 1; C1 i i l l i t t i i nop r o ef om Genn6 ‐ sh . i i l l i 2; C1 l i f i t nopt o r om Hect r rn ef o o a . , Ca (Mump t ) on , F. A. ,1960 l i 3; Heu t r and ef om Pr r ospectPark sey . , New Je F A (Mump t on , . . ,1960) *; Ana l ime c .. (5 2 ). 2.80 2.72 2.67. 1 1. 2.48 2.43. 1. 1. 1.

(8) . 玄能石中の沸石類. 6。 考. 察. 斜 プチロル沸石・方沸石はその産状から, 溶液から直接晶出したものであり, その時期は玄能石 生成後 である. 特に, 斜 プチロル沸石は粒状方解石が放射状方解石に交代された後の時期 で, 無色. 方解石と同時期か多少早期に晶出したと考えられる. 97 ) と考えられる 7 他方, 玄能石はその産状から堆積物中 で生成および生長していっ た (伊藤, 1 思わ れ る. よ っ て, 以後 両沸石の晶出は続成作用の後期と 即ち である。 ので, 沸石の晶出はそれ ,. 00~3, ooomの深さま で埋没 前述の堆積岩中の沸石の晶出条件に従うと, 玄能石を含む泥岩が2,0 o 玄能石に含まれる無色方解 C前後の条件下に置かれたとき 即ち し, 温度が10 o , 沸石が晶出する. , 環境下 で晶出したものと考えられる. 石はその様な- その時のpH については, 方解石の堆積物が安定であるpH の境界(石灰岩境界 rumbein et al ,. 19 52 ) )は pH7. 8土とされ, 一般に堆積岩中に炭酸カルシウムが含まれるとき, その堆積物を支配し ていた境界のpH はおよそ8以上と考えられていることから次の様な値が推測される, 斜 プチロル沸石が自形結晶で晶出する為の空間は放射状方解石晶出後のものであり, それには放. 射状方解石の晶出の中断あるいは溶解が起っ たと考えられる。 放射状方解石と無色方解石の色や形 態の明らかな相違は, 放射状方解石に続いて無色方解石が晶出するまでの間に時間的遅 れを含めた 条件の変化があっ たことを物語るもの であろう.よっ て, その時の間隙水のpH は8よりも小さな値. をとる必要がある. しかし, 引き 続き無色方解石が晶出していることから, 全体を通じて間隙水の pH は方解石の溶解と晶出の境界付近にあっ たものと考えられる. こ れは既に示されている堆積岩 中の斜 プチロル沸石の晶出条件とほぼ一致する.. 同一地域に産する沸石を含む玄能石と含まない玄能石との差は どこにあるのであろうか. 鏡下の 性質の項で述べた様に, その内部組織に相違が見られる. 既ち, 沸石を含まない玄能石は放射状方. 解石によっ て 粗粒方解石の一部または全体およ びマトリックスの大半が交代されているのに対 し て, 含沸石玄能石 では放射状方解石による交代が局部的にしか 行なわれていない場合が多い. 放射. 状方解石による交代が完全に行なわれずに沸石と無色方解石の晶出に変っ た原因は明らか でない. しかし, 玄能石は全て同一層準からのもの であるから, 温度・圧力などの物理的条件の差によるも のではないだろう. 武佐産含沸石玄能石にみられる空隙に富むという特徴は, 地表付近 での地下水 の働きによる溶解 で生じたと考えることも出来るが, 本来空隙に富む玄能石が沸石の晶 出の条件を. 備えていたとも考えられる. また, 含沸石玄能石で無色方解石が 多いということは, 沸石の晶出時 には空隙 (現在無色方解石で埋っ ている部分) に富ん でいたことになる。 このことは沸石の主成分 i である S ,AIの供給源が玄能石の外にあり, これらを含む間隙水の通路としての空隙に富む方が沸 石の晶出には好条件 である事とも合致する.. 既述の昆布森産含沸石玄能石の肉眼的特徴も, その生成条件の反映と考えられるが, 詳細は不明. であ る.. 以上, 要約すると, 玄能石が舌辛層泥岩中に生成後, 現在玄能石を構成している粒状方解石が放 射状方解石に交代さ れた時期に, 地下2~3km の深部に埋没し, 続成作用 で一部の玄能石の空隙に o C 前 後, 間隙 水 の pH は 7 ~ 8 であ 沸石と無色方解石がほぼ同時期に晶出した。その時の温度は1 0o. り, 黄鉄鉱との共生 からは還元的環境にあっ たと考えられる。 終りに, 本研究を行なうに当り御指導を頂き, また, 本稿の御校閲を賜わっ た本学の岡崎由夫教 授に深甚 なる感謝を申し上げる。 また, 北大工学部・牛沢信人教授・佐藤寿一助教授にはX 線回折 (5 ) 3.

(9) . 伊 .藤. 俊. 彦. 装置の使用 を許可して頂き, 厚く 御礼申し上げる.. 献. 文. l inopt l lheu l i i l i l imef Bo l 1971 i fana t te the r ) and eandc o c r om natura s so es ,1724一 , Ame , Min , ,P ,R ,( ,57 ,Syn ,J 1734 .. ) 後藤義昭・佐藤満雄・松田俊治 (1 9 68 , 鉱雑, 第9巻, 第1 , シャ プチロルフッ石及びキフッ石の熱的性質 (1) 号, P .51-60 .. 44 9~2 原田一雄 (1 -とくに地層の埋没深度による分布に関して-, 地質雑, 74巻, 4号, p 9 68 ) .23 . , 沸石相- ”l ” i -Hey M H andBann i f inoPt l l i 員ca ichva l i 1 i te tyo i tV江 t r t ) ‐ r e r o esonthezeo es s er . Pa .c , as ,F.A.(1934 ,Stud , . . i d in heu l te ag and . .△1 . .556-559 .ハ ,23 ,p. 比企. l 忠 (1897) .4, p .139-141 . , 信 濃 国 ゲンノ 一 石, 地 質雑, vo.4, No. l工,No ) 本多朔郎・根岸敏雄(1 96 8 .22- .3・4,P , 秋田県山本郡ニッ井町産のクリノ プチロル沸石, 粘土科学,vo 34 .. i teE i i l i 1 i i l t t r on eその他の沸石類, 地質雑, 飯島 東・歌田 実 (1 96 5 ) nopt o e Heulandite Morden , 堆積岩中の C. l vo .834 .138一147 .71 ,p , No . i lf l ina ldePos i i l iagens i fthegeocync d i i t t t l i ima 1 9 sinthe Niga ao so e 71 j ) cd , .( ,M ,A.andUtada ,Presentdayzeol 4 2 4 i h 1 0 1 3 9 Japan l i 1 A d M l l S i Z -3 t nc s e r ‐, vances em. . r eve eo es . . oecua . , ,p .of Zeo l i ine env i I Zeo l i t l i l OCCur tur l i ima t e- 1 97 6 r r oment s a j r ein Ma ences ) og ca .P .179一189 , Na , A.( , Geo P i U P P occur - e r a m o n r e s s r ence r e r e s s e- o g p . , , , l 池上 茂雄 (1965) .16 .1, p ,69一78 , No , 玄 能 石に つ い て, 北 教 大 紀要, vo .. l 17 1一1 73 ---- (19 ) 7 67 . .1 .2, p , No . , 玄能石の結晶学的一考察, 北教大紀要, vo l 9 ) 伊藤俊彦 (1 977 .29一3 .2a No ,1, p . , 北海道・釧路昆布森地域より産する玄能石について, 北教大紀要, vo i f h i l d i o i i 1 i f i l R M 1 9 5 2 dC Kr b i C d G t ( ) W no e m c a s e m ent sint ermsofpH and a ss ca o c r um en es , rgnan , . .an ar ,. . i l l ida i ionpo t t tent s ox oルr educ a ,26 , .Jour ,Geo , ,60 ,p. 湊 秀雄・歌田 221 .. 21 3- 0巻, 6号,p 968 ) 実(1 . , 輝沸石と斜プチロル沸石の化学処理と加熱変化について, 岩鉱,6. i l l i ined Mumpt 1960 inopt ter ) o edef on .351一369 . .Amer ,Min , ,45 ,p ,F,A.( ,C1. 9~2 6 ) 玄能石の産状・形態・組織に関する研究, 地質学雑, 第83巻, 第1号, p 渋谷正雄 (19 77 .1 . 77年年会 講演会要旨集, 島内哲哉・渡辺晃二. (1 97 ) 7 , 日本鉱物学会19 , 玄能石とその共生鉱物について 行寅旨) p .16 .. 臼井 朗・武内寿久爾・正路徹也(1 ) 9 7 8 ,深海産マンガン団塊の鉱物学的研究およびマンガン酸化物の合成 成因 お よ び地 球 化 学 に関 連 して, 鉱 山地 質, 第28巻, No .405一420 .152 ,p .. 31 07一1 4 ) 渡辺富士男 (1 97 .1 , 大阪府教育委員 , 長野産の玄能石について, 昭和48度府立学校教員研究論文集, p ・.. 6 ) 0年度府立学校教員研究論文集, p 渡辺富士男 (1 97 6 .55一7 , 大阪 , 福島県いわき市産の玄能石について, 昭和5 府教育委員会.. (54 ).

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