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小学校算数における「空間的思考力」に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)小学校算数におけるr空間的思考力」に関する研究                             教科・領域教育学専攻.                             自 然系 コ ース                             M ユ 0 1 7 0 E                             上  月  幸  代 ①「空間的思考力」の概念規定とその能力を明ら. 1.研究の目的  小学校において立体・空間図形を指導する際,.  かにすること。. 平面図形の指導とは異なる難しさがある。立体・. ②r空間的思考力」に関する児童の実態と課題を. 空間図形の指導においても,図や絵を用いて立.  把握すること。. 体・空間図形を児童にイメージさせることが必要. ③「空間的思考力」を培うための新たな学習教材. であるが,その過程で,どのような手立てをする.  の提案をすること。. か,どのような学習材を用意するかということが. 2.論文の概要. 難しいと感じるのである。それは,平面図形の学.  第1章立体・空間図形の意義と本研究の目的. 習において児童は,提示された図や絵に直接操作. では,まず,立体・空間図形の意義について実用. を加えながら考えることができるが,立体・空間. 的意義,文化的意義,人間形成的(陶冶的)意義. 図形の学習では,見取図や展開図などの図から3. の三つの観点から考察した。そして,立体・空間. 次元像をイメージし,念頭操作して考えることが. 図形指導における課題を示し,本研究の目的を述. 必要となるからである。立体・空間図形の問題は,. べた。. 平面図形のように図を直接操作することだけでは.  第2章r空間的思考力」についての基礎的考察. 解決できず,図から3次元像をつくり出し,「空間. では,研究目的①のために,数学教育における先. 的思考力」を活かして解決することが求められる。. 行研究を概観し,本研究の主題であるr空間的思. 本研究では,このような立体・空間図形に関する. 考力」の概念規定とその明確化を図った。「空間的. 様々な課題を解決するために必要な能力をr空間. 思考力」とは,「直観的思考カ,空間的関係をとら. 的思考力」と呼ぶこととする。. える力,空間的位置をとらえるカの三つの力から.  また,算数・数学科において,「空間的思考力」. 構成されるカ」のことであり,その構成要素は,. は,意図的な教育によって身につけさせていく必. 以下のようになる。. 要があるにもかかわらず,それに関する指導が不. 『空間的思考力」. 十分であるという指摘がある。つまり,立体・空. I:直観的思考カ. 間図形の学習における「空間的思考力」を培うた. ① 空間図形を認識する力. めの指導が不可欠であると考えられる。そこで,. ② 立体を構成する力. 本論文では,この「空間的思考力」について考え.  ③ 空間イメージを操作する力. ていくことにした。.  ④空間図形を見抜くカ.  本論文の目的は,次の3点である。. I 空聞的関係をとらえるカ. 1320一.

(2)  ①立体や空間の広がりをとらえる力. について,実験授業2では円柱,三角柱、四角柱.  ②立体を図で表現したり,図から立体をイ. で構成された立体について,投影図に表したり,.    メージしたりする力. 多方向からの投影図をもとに立体をつくったりす.  ③立体を分類するカ. る活動を行い,2次元と3次元を双方向に行き来. 皿 空間的位置をとらえるカ. する学習を設定した。この実験授業で明らかにな.  ① 位置をとらえる力. った児童の実態は,次の6点である。.  ②空間自由移動能力.  ・立体の正面を固定し,それに対応した図をか.  第3章「空間的思考力」に関する実証的考察で.   くことが難しいこと。. は,研究目的②のために,「空間的思考力」に関す.  ・複合的な立体を一つの図に表すとき,相対的. る調査及び実験授業を実施し,その結果の分析か.   な大きさに調整することが難しいこと。. ら児童の実態を明らかにした。.  ・左右を逆にしてかく児童がいること。.  調査結果においては,次の6点が明らかになっ.  ・視点を斜めにした図をかく児童がいること。. た。.  ・投影図から立体をつくるとき,複数の図をも.  ・2次元の情報から空間イメージをつくること.   とに,総合的に考えることができない児童が.   が難しい。.   いること。.  ・空間イメージを2次元の図に表現することが.  ・図から一つの立体がっくれると,まだ他にも.   難しい。.   立体がつくれるかもしれないという可能性が.  ・念頭操作で立体を回転させることが難しい。.   あることに気がつかないこと。.  ・対象に対する視点の方向があいまいであるこ.  第4章r空間的思考力」を培うための教材例と.   と。. 指導例では,研究目的③のために,第3章で明ら.  ・学年間の変化が見られない問題があること。. かになった児童の「空間的思考力」に関わる困難.  ・有意差が認められた問題は,4∼5年の間に. 性に配慮しながら,r空間的思考力」の能力を培う.   多く見られること。. ための教材づくりを行った。新たな教材,及び,.  また,実験授業においては,r空間的思考カ」の. その教材を通して培う「空間的思考力」を提示し,. うち,次に示すI一④,n一②の能力を培うため. そのうちの2教材についての具体的な指導例を提. に,「立体と投影図」に関する教材を考案した。. 案した。. I一④ 空間図形を見抜くカ.  第5章本研究のまとめと今後の課題では,前章.   図に表現された空間図形を認識し,あるい   は,複数の空間図形の関係を認識する力 I1一② 立体を図で表現したり,図から立体を     イメージしたりする力. までの考察をふまえ,本研究のまとめをした。r空. 間的思考力」に関する研究の成果と,今後の課題 を明らかにした。.   立体を2次元図に表したり,2次元図から   立体をイメージしたりする力.  この実験授業は,2011年3月中旬,兵庫県. 主任指導教員 暗 谷 眞 也. 公立小学校第5学年23名を対象に実施した。実. 指導教員國岡高宏. 験授業1ではキューブ5個により構成された立体. 一321一.

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