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Dose-volume histogram comparison between static 5-field IMRT with 18-MV X-rays and helical tomotherapy with 6-MV X-rays(18MV-X線を用いた固定5門によるIMRTと6MV-X線を用いたヘリカルトモセラピーの線量体積ヒストグラムの比較)<内容の要旨及び審査結果の要旨>

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Nagoya City University Academic Repository

学 位 の 種 類 博士 (医学) 報 告 番 号 甲第1476号 学 位 記 番 号 第1062号 氏 名 林 晃弘 授 与 年 月 日 平成 27 年 3 月 25 日 学位論文の題名

Dose-volume histogram comparison between static 5-field IMRT with 18-MV X-rays and helical tomotherapy with 6-MV X-rays

(18MV-X 線を用いた固定 5 門による IMRT と 6MV-X 線を用いたヘリカル トモセラピーの線量体積ヒストグラムの比較)

Acad Radiol. J Radiat Res. 2015 Jan 20. pii: rru111.

論文審査担当者 主査: 安井 孝周

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 目的 我々は前立腺癌に対する放射線治療として18MV の X 線を用いた固定 5 門による強度変調放射 線治療(IMRT)あるいは 6MV の X 線を用いたヘリカルトモセラピーによる IMRT を行ってい た。照射された線量の分布はX 線のエネルギーにおよび照射方法により異なってくるが、より高 エネルギーのX 線を用いたほうが深部での分布が良好であり、体表面より標的までの距離が長く なる体格の大きい患者と距離が短くなる体格の小さい患者でそれぞれ適切なエネルギーを用いて IMRT を行うことがより適切ではないかと考えられた。そのため同一の患者にそれぞれの治療器 での治療計画を作成し計画標的体積(PTV)および危険臓器(OAR)への線量体積ヒストグラム のパラメーターを導出し、それらを体形ごとにグループ化し比較検討を行った。 方法 名古屋市立大学病院にて過去に18MV-X 線、固定 5 門による IMRT にて前立腺癌の治療を行っ たステージT1-3N0M0 の患者 59 名に対して、同一の CT シミュレーター画像を用いてヘリカル トモセラピーによる治療計画を行い線量体積ヒストグラムのパラメーターを導出、比較を行った。 比較にもちいたパラメーターはPTV に対しては線量集中性インデックス(CI)、線量均一性イン デックス(HI)および D95%(PTV の 95%が照射される線量)、OAR として膀胱および直腸の V10Gy-V70Gy(VxGy は xGy 照射される体積パーセンテージ)を用いた。また患者を BMI を指 標として < 21、21-25 および > 25 kg/m2 の 3 群に分割し比較検討を行った。また実際にトモ セラピーで治療を行った患者18 名についても各パラメーターを導出し比較を行った。 結果 ヘリカルトモセラピーを用いた治療計画では、直腸に関しては中線量域での照射体積の減少が 見られた。一方膀胱ではすべての線量域で照射体積の上昇が見られた。PTV に関しては HI およ びD95%でより良好な値を示したが、CI では劣る結果となった。グループ分けした結果ではグル ープごとに明らかな傾向の変化は見られなかった。実際にヘリカルトモセラピーにて治療が行わ れた群に関しても概ね同様の傾向が見られた。 考察 前立腺のように体深部に存在する臓器に対して治療に用いられるビームのエネルギーと門数が 線量分布にもたらす影響が報告されており、9 門以上を用いれば 6MV-X 線を用いてもより高いエ ネルギーを用いた場合と同等の線量分布が得られるとされている。当研究においてはヘリカルト モセラピーによる線量分布はPTV に関しては線量均一性において優れており、線量集中性につい ては劣っている。この傾向は体形にかかわらず同様に見られているものであり、ヘリカルトモセ ラピーでの線量分布は体形により明らかに異なる状態を示すものではなかった。また直腸の晩期 有害事象の発症は高線量照射された体積と関連していると報告されておりV60Gy や V70Gy など のパラメーターが重要であると考えられている。またV40Gy の関連も示唆されている。ヘリカル トモセラピーで実際に治療を行われた群ではV20-60Gy の値が固定 5 門で治療を行われた群に対 し有意に低い傾向にあり、晩期有害事象の低減に資することが期待される。また8MV 以上の高 エネルギーX 線を治療に用いることにより発生する中性子が二次発癌の確率を上げているとの報 告がある一方、高エネルギーでの治療でも二次発癌の確立は上昇しないとの報告もあり、現時点 では高エネルギーX 線を治療に用いることの得失は明らかではない。以上のことからヘリカルト モセラピーを用いるIMRT は体形にかかわらず固定 5 門による IMRT と比肩するものと考えられ る。

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論文審査の結果の要旨 【目的】 我々は前立腺癌に対する放射線治療として 18MV の X 線を用いた固定 5 門による強度変調放射線治 療(IMRT)あるいは 6MV の X 線を用いたヘリカルトモセラピーによる IMRT を行ってきた。照射され た線量の分布は X 線のエネルギーおよび照射方法により異なるが、より高エネルギーの X 線を用いた ほうが深部での分布が良好であるため、体表面より標的までの距離が長くなる体格の大きい患者と距 離が短くなる体格の小さい患者でそれぞれ適切なエネルギーを用いて IMRT を行うことがより適切で はないかと考えられた。そのため同一の患者にそれぞれの治療器での治療計画を作成し計画標的体積 (PTV)および危険臓器(OAR)への線量体積ヒストグラムのパラメーターを導出し、それらを体形ご とにグループ化し比較検討を行った。 【方法】 名古屋市立大学病院にて過去に 18MV-X 線、固定 5 門による IMRT にて前立腺癌の治療を行ったステ ージ T1-3N0M0 の患者 59 名に対して、同一の CT シミュレーター画像を用いてヘリカルトモセラピー による治療計画を行い、線量体積ヒストグラムのパラメーターを導出し、比較を行った。パラメータ ーとして PTV に対しては線量集中性インデックス(CI)、線量均一性インデックス(HI)および D95%(PTV の 95%が照射される線量)、OAR に対しては膀胱および直腸の V10Gy-V70Gy(VxGy は xGy 照射される体積パーセンテージ)を比較に用いた。また患者を、BMI を指標として < 21、21-25 お よび > 25 kg/m2 の 3 群に分割し検討した。また実際にトモセラピーで治療を行った患者 18 名につ いても各パラメーターを導出し、比較を行った。 【結果】 ヘリカルトモセラピーを用いた治療計画では、直腸に関しては中線量域での照射体積の減少が見ら れた。一方、膀胱ではすべての線量域で照射体積の上昇が見られた。PTV に関しては HI および D95% でより良好な値を示したが、CI では劣る結果となった。グループ分けした結果ではグループごとに 明らかな傾向の変化は見られなかった。実際にヘリカルトモセラピーにて治療が行われた群に関して も概ね同様の傾向が見られた。 【考察】 前立腺のように体深部に存在する臓器に対して治療に用いられるビームのエネルギーと門数が線量 分布にもたらす影響が報告されており、9 門以上を用いれば 6MV-X 線を用いてもより高いエネルギー を用いた場合と同等の線量分布が得られるとされている。当研究においてはヘリカルトモセラピーに よる線量分布は PTV に関しては線量均一性において優れており、線量集中性については劣っている。 この傾向は体形にかかわらず同様に見られているものであり、ヘリカルトモセラピーでの線量分布は 体形により明らかに異なる状態を示すものではなかった。また直腸の晩期有害事象の発症は高線量照 射された体積と関連していると報告されており V60Gy や V70Gy などのパラメーターが重要であると考 えられている。また V40Gy の関連も示唆されている。ヘリカルトモセラピーで実際に治療を行われた 群では V20-60Gy の値が固定 5 門で治療を行われた群に対し有意に低く、晩期有害事象の低減に資す ることが期待される。また 8MV 以上の高エネルギーX 線を治療に用いることにより発生する中性子が 二次発癌の確率を上げているとの報告がある一方、高エネルギーでの治療でも二次発癌の確立は上昇 しないとの報告もあり、現時点では高エネルギーX 線を治療に用いることの得失は明らかではない。 以上のことからヘリカルトモセラピーを用いる IMRT は体形にかかわらず固定 5 門による IMRT と比肩 するものと考えられる。

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【審査の内容】 上記の論文要旨が申請者より発表された後、第一副査の竹山教授から強度変調放射線治療の解説、 X 線エネルギーと分布の関連、前立腺癌治療方針の選択についてなど、主査の安井から前立腺癌に対 する放射線治療技術の進歩と治療成績の概要、放射線治療後再発する症例の特徴、臨床研究を行う際 に必要とされる手続きなどなどの質問があった。また第二副査の芝本教授から粒子線治療の概説、体 幹部対する定位放射線治療についてなど専門領域について 2 項目の質問があった。これらの質問にお おむね満足するべき回答が得られ、学位論文の主旨を十分理解していると判断した。 本研究は近年導入が進んでいるトモセラピーの線量分布の特性を示したものであり、今後臨床での 応用が期待される。よって本論文の筆頭著者は博士(医学)の学位を授与されるにふさわしいと判定 した。 論文審査担当者 主査 安井 孝周 副査 竹山 廣光、芝本 雄太

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