• 検索結果がありません。

IRUCAA@TDC : 少子社会における小児期の口腔健康管理 : 8020は小児から 2.無菌期,乳歯萌出期における口腔健康管理

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "IRUCAA@TDC : 少子社会における小児期の口腔健康管理 : 8020は小児から 2.無菌期,乳歯萌出期における口腔健康管理"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title Author(s) Journal URL. 少子社会における小児期の口腔健康管理 : 8020は小 児から 2.無菌期,乳歯萌出期における口腔健康管理 米津, 卓郎; 関口, 浩; 久保, 周平; 薬師寺, 仁 歯科学報, 101(7): 613-621 http://hdl.handle.net/10130/411. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 6 1 3. ―――― 教 育 ノ ー ト ――――. 少子社会における小児期の口腔健康管理 ―― 8020は小児から ―― 2.無歯期,乳歯萌出期における口腔健康管理 米 津 卓 郎. 関 口. 浩. 藥師寺. 仁. 久 保 周 平. 東京歯科大学小児歯科学講座. は. じ. め. に. 誤が発生する危険性が大である。. すばらしいスピードで育っていく子ども達,そ. すなわち,小児期の異常や疾患の中には,. れは飛び立ってから安定軌道にのるまでのロケッ. !増齢的に減少するもの. トや飛行機にたとえられる。小児歯科学とは,そ. "増齢的に増加するもの. れら子どもの“大きな個体差”と“無限の可能. #年齢とは無関係のもの. 性”を十二分に理解した上で,安定軌道にのるま. $ピークの年齢があり,その後減少するもの. でを支援する責務を担っている。安定軌道中に事. %減少したあと再度増加するもの. 故が発生することはほとんどない。安定した軌道. などがあることを忘れてはならない。そして,小. から地上に帰着する際には再び支援が必要となる. 児医療特有の要因として,以下のことを考慮する. こともある。これをライフステージと口腔保健の. 必要がある。. 関わりからみると,最初の部分が発育期の口腔保. !臨床症状が急激に変化することがある。. 健であり,後半が高齢期の口腔保健ということに. "子どもからの情報が得にくく,異常を発見する 時期が遅れる。. なり,歯科医学・医療の中でそれぞれ重要な責務. #初期症状だけで重症度を判定することが困難で. を担っている。. ある。. ところで,子どもは大人を小さくしたものでは ない。この言葉は,子どもの成長と発達における. $診査や検査での協力が得にくい。. 大きな個体差やその過程における疾患や異常の特. %治療の対象は子どもだけでなく,保護者をも含. 殊性を理解していない状態で,子ども達に良質の. めて考えなければならない。. 歯科医療や口腔保健指導は行えないことを言外に. さらに,大きな個体差に対する理解も重要であ. 示している。逆に,健診時においては false posi-. る。最近の母親には「良い子ちゃん」指向と均質. tive(疾患を伴わない陽性者)や false negative(疾. 性指向があり,自分の子どもは「ほかの子」と格. 患を伴う陰性者) を増加させ,育児不安や医療過. 差があってはならないと考えている1)。そんな中. T. Yonezu, H. Sekiguchi, S. Kubo and M.Yakushiji : Child Oral Health Care on the Society Diminished in Child Population Part 2. Pediatric Dental Care for Children from Newborn to Early Infancy(Department of Pediatric Dentistry, Tokyo Dental College) 別刷請求先:〒2 6 1 ‐ 8 5 0 2 千葉市美浜区真砂1−2−2 東京歯科大学小児歯科学講座 米津卓郎 ― 1 ―.

(3) 6 1 4. 米津, 他:少子社会における小児期の口腔健康管理. で,「おたくのお子さんは歯が 生 え る の が 遅 い ね。」などと不用意にいえば,母親は直ちに劣等 感や孤立感に陥り,育児ノイローゼになる恐れが ある。特に乳幼児期の成長は個体差が大きく,平 均値との比較において,標準偏差やパーセンタイ ルを加味して考えることが大切である。ちなみ に,小児の身長を評価する場合,平均値に比べ2 SD 以下,パーセンタイル法では通常3パーセン タイル(1. 88SD に相当)以下が低身長と定義され ている。3パーセンタイルというのは,同じ年齢. 図2. の子どもを100人並べると,下から3番目に相当. Epstein 真珠. するということである。 さて,本シリーズでは,第1回として少子社会. して生じたものである。一方,正中口蓋縫線に. の保育環境の現状と問題点について概説した。今. 沿って生じるものもあるが,これは口蓋突起の癒. 回からは,歯列・咬合の成長・発達段階に従って. 合の際に残遺した上皮に由来するものであり,. 小児の口腔健康管理について順次解説する。. Epstein 真珠とよばれている(図2)。. 今回は,新生児から最初の乳歯が出齦する生後. 発現状況に関する文献を展望2∼5)すると,新生. 8∼9か月までの乳児期前半:無歯期と乳歯の萌. 児における Epstein 真珠の発現率は55∼85%,上. 出が始まる乳児期後半から乳歯列が完成するまで. 皮真珠は25∼53%であるとされている。また,上. の幼児期前半:乳歯萌出期における疾患と異常の. 皮真珠のほとんどは上顎に発生するとされている 5) (下顎の約4倍) 。しかし,生後3か月以降でこ. 管理の要点を解説する。. れらがみられることは稀であることから,自然消 無歯期における疾患と異常. 失することは明らかであり,処置の必要はない。. 1)上皮真珠. 2)先天性歯と Riga−Fede 病. 乳歯の萌出前に歯槽堤粘膜にあたかも真珠のよ. 出生時すでに口腔内に歯牙が出齦していること. うな小腫瘤が出現することがある(図1)。これは. があるが,これを出産歯という。また,出生1か. 歯堤が歯胚を形成したあとの退縮過程で小さな上. 月以内に出齦したものを新生歯という。一般にこ. 皮巣(Serres 腺)として残存し,それが角質変性. れらをあわせて先天性歯と呼ぶが,中には出産歯 のみを先天性歯と定義する場合もある。部位とし てはほとんどが下顎乳切歯部であり,発現率は日 892人 本人では0. 1%とされている。Leung6)は50, の新生児を調査し,15人(0. 03%)に先天性歯を認 めたとしているが,その内の5人は口蓋裂,Pierre Robin 症候群,Ellis−van Creveld 症候群,その 他内分泌異常が認められたとしている。したがっ て,遺伝的な要因も考えられる。しかし,歯胚の 位置異常,感染もしくは栄養異常,母体の熱性疾 患,内分泌異常,歯胚周囲における破骨細胞の異 常な活性化,ビタミン欠乏症などの要因も考えら. 図1. 下顎にみられた上皮真珠. れており,原因について統一した見解はない。 ― 2 ―.

(4) 歯科学報. Vol.1 0 1,No.7(2 0 0 1). 先天性歯には,. 6 1 5. などが挙げられる。. !形成不全の歯冠が歯齦に付着しているだけで,. 先天性歯は95%が真性の乳歯であり,残る5% が過剰歯であるとの報告7)から,治療方針として. 歯根の形成が全く認められないもの。 "歯冠形態は正常に近いが,歯根の形成はほとん. はできるだけ歯牙の保存を考え,!,"のような 治療法を行うべきであり,実際 Riga−Fede 病が. どなく,歯齦に付着しているもの。 などがみられる。前者の場合,哺乳時に粗造な切. 治癒したとする症例報告8)もある。しかしなが. 端によって舌尖や舌下面が機械的外傷をうけて. ら,その後の経過をみると,歯根がないことから. 種々の大きさの潰瘍を生じ,時には潰瘍の周囲が. 早期に脱落することが多いようである。また,先. 堤防状に隆起して増殖することがある。これが. 天性歯をやむなく抜歯する場合は,ビタミン K. Riga−Fede 病(図3)であり,哺乳障害をきたす. の関係から,生後10日以降に行わなければならな. ことがある。また,先天性歯が母親の乳首に外傷. い9,10)。そして,自然脱落した場合や抜歯した場. を与え,乳腺炎を起こすこともある。. 合は,空隙の狭窄の防止あるいは,狭窄した空隙. 治療方法は,. の再獲得など以後の歯列の定期的な管理が必要で. !鋭利で粗造な切端を削合して滑沢にする。. あることはいうまでもない。. "接着性レジンなどで切端を被覆する。. 3)Bednar のアフタ. #先天性歯を抜歯する。 $対症療法として潰瘍部に軟膏を塗布する。. 乳児の口蓋後方部に対称的に生じる粘膜の表在 性潰瘍である。潰瘍面は灰白色で周囲は発赤して いるが,これは硬いゴム乳首による擦過やガーゼ などによる不適切な口腔内の清掃による外傷性の 変化であり,感染症ではない。治療法としては, 口腔内を清潔にし,機械的な刺激を避ける。 乳歯萌出期における疾患と異常 1)乳歯の萌出時期 この時期の子どもを診るにあたっては,乳歯の 萌出時期を知ることが肝要である。 表1は,全国29歯科大学の小児歯科学講座が協 力して調査した11),我が国の小児における歯牙の. 図3−1. 先天性歯によって生じた Riga−Fede 病. 萌出時期を示したものである。なお,乳歯萌出期 にはちょうど満1歳のお誕生日健診や1歳6か月 健診があるので,生後6か月毎の乳歯萌出率も表 示する(表2)。 表1の最小年月と最大年月,そして標準偏差 (SD)を考えると,先に記載したとおり乳幼児期 における成長率の差の大きいことが一目瞭然であ る。また,萌出順序にも個体差があり,図4のよ うに上顎乳中切歯より乳側切歯の萌出が早いこと もある。したがって,萌出時期,萌出歯数および 萌出順序の説明にあたっては,母親に不安を抱か. 図3−2. 先天性歯抜歯後3日. せないような配慮が必要である。 ― 3 ―.

(5) 6 1 6. 米津, 他:少子社会における小児期の口腔健康管理 表1. 性別 歯種. 上 顎. 下 顎. 乳歯出齦時期と出齦順序(男女,上下顎別). 男 児. 女 児. 最小年月 最大年月 平均年月 標準偏差 出齦順序 最小年月 最大年月 平均年月 標準偏差 出齦順序. A 6か月 B 6か月 C 1 1か月 D 6か月 E 1年1か月. 1年5か月 1 0か月 1年5か月 1 1か月 2年11か月 1年6か月 2年8か月 1年4か月 3年8か月 2年5か月. 1か月 1か月 2か月 2か月 4か月. 1 2 4 3 5. 2 5か月 3 6か月 7 9か月 5 1 1か月 1 0 1年6か月. A 4か月 B 6か月 C 1年1か月 D 1 1か月 E 1年4か月. 1年4か月 1年8か月. 8か月 1年. 1か月 2か月. 1 2. 1 4. 2年8か月 1年7か月 2年8か月 1年5か月 3年1か月 2年3か月. 2か月 2か月 3か月. 4 3 5. 1年6か月 1 0か月 1年8か月 1 1か月 2年3か月 1年6か月 2年 1年4か月 3年8か月 2年6か月. 1か月 2か月 2か月 2か月 4か月. 1 2 4 3 5. 2 3 7 5 1 0. 9か月 1年. 1か月 2か月. 1 2. 1 4. 8 1年 2年4か月 1年7か月 6 1年 1年8か月 1年5か月 9 1年7か月 3年11か月 2年3か月. 2か月 1か月 4か月. 4 3 5. 8 6 9. 4か月 1年3か月 8か月 1年7か月. 1 1) を一部改編) (日本小児歯科学会(1 9 8 8). 表2 年 齢 6か月∼7か月 1歳0か月∼1歳1か月 1歳6か月∼1歳7か月 2歳0か月∼2歳1か月 2歳6か月∼2歳7か月 3歳0か月∼3歳1か月. 人数 1 8 7 2 2 1 4 7 1 2 7 3 2 1 1 3 8 2. A. 各暦齢別にみた乳歯萌出率. B. 上顎(%) C D. 6. 1 5 3. 7 4 0. 5 3 8 8. 9 1 7 8. 7 3 6. 1 1 9 7. 8 8 9 6. 2 8 7 6. 3 8 9 9. 2 7 9 9. 0 8 9 7. 9 9 9 9. 7 6 1 0 0 9 8. 7 6 9 9. 8 7 1 0 0 1 0 0. E. 0. 5 3 0. 0 0 1 1. 3 1 0. 4 5 8 9. 3 8 1. 1 7 9 8. 9 0 1 4. 4 7 9 9. 7 6 6 9. 1 9 9 9. 8 7 9 5. 4 2. A. B. 4 3. 0 5 9 7. 2 9 9 6. 0 7 9 9. 0 8 9 9. 5 3 9 9. 7 4. 1. 6 0 5 9. 9 5 9 3. 9 5 9 8. 9 0 9 9. 0 5 9 8. 9 5. 下顎(%) C D 0. 0 0 2. 4 9 6 6. 7 7 9 7. 6 2 9 8. 3 4 9 9. 7 4. E. 0. 5 3 0. 0 0 6. 1 1 0. 0 0 8 3. 2 3 1. 0 6 9 8. 3 5 3 7. 0 0 9 8. 3 4 8 6. 2 6 9 9. 6 1 9 9. 2 1. 1 1) より抜粋) (日本小児歯科学会(1 9 8 8). ように歯牙の先天性欠如を付随する症候群,軟骨 異栄養症,軟骨外胚葉異形成症のように両者を伴 う疾患が存在することを忘れてはいけない。ま た,骨性癒着などの局所的な原因で著明に萌出が 遅延することもあることから,萌出時期が大幅に 遅れているようであれば,エックス線検査による 診断が不可欠である。 2)萌出性歯齦炎 歯牙の出齦前後に,周囲の歯齦が腫張して発熱 図4. (いわゆる生歯熱) をきたす場合があると,いく. A|A に先行して B|B が萌出した症例. つかの成書に記載されている。しかしながら, Hulland ら12)は乳幼児2 1名の口腔内診査を毎日行. 一方,Down 症候群,くる病,甲状腺機能低下. い,128歯の乳歯について萌出前後から萌出完了. 症および下垂体機能低下症のように歯牙の萌出遅. 時までの期間における歯齦の変化を経時的に観察. 延が特徴的であったり,無汗型外胚葉異形成症の. しているが,出齦に伴う腫張を認めたものは僅か. ― 4 ―.

(6) 歯科学報. Vol.1 0 1,No.7(2 0 0 1). 6 1 7. 16歯(12. 5%)であり,しかもいずれも軽度であっ. もに自然に消失することから,感染していなけれ. たとしている。また,乳歯が出齦直前で歯冠の輪. ばあえて処置する必要はない。. 郭が触知できるほどになった時点から,切端や咬. 4)乳歯先天異常. 頭の一部が出齦するまでの期間は発赤などの所見. 著 者 ら の 講 座 で は,2, 733名 の 幼 児 に つ い. を伴いやすいが,その後,歯の萌出に伴って速や. て,1歳6か月から3歳まで長期的な観察を行. かに消退していくと報告している。したがって,. い,乳歯先天異常の発現率に関する研究を行っ. 出齦時における切端や咬頭周囲歯齦の発赤は生理. た14,15)。その結果は表3に示すとおりである。す. 的なものであり,口腔内における処置の必要はほ. なわち,日本人小児における乳歯の先天異常は決. 13). とんどないものと考える。一方,Macknin ら は. して稀ではなく,特に癒合歯と先天性欠如の発現. 乳歯萌出時における小児の全身的徴候を観察し,. 率が高率である。その発現部位は表4と5に示す. 何ら症状がみられない小児が多く,出齦に伴って. とおりで,癒合歯も乳歯の先天性欠如もともに下. 重篤な全身症状を示した小児は皆無であったとし ているものの,出齦4日前から出齦3日後にかけ. 表3. て,流唾,不機嫌,不眠,顔面の紅潮,固形食品. 各種乳歯先天異常の発現率. 乳歯先天異常の種類. に対する食欲減退および軽度の体温上昇などの所. と,歯槽堤粘膜に限局した膨隆がみられ,波動性. 癒合歯 先天性欠如 形成不全 矮小歯 過大な切歯舌面結節 過剰歯 色調異常歯 過大な臼傍結節 過大なカラベリ結節 その他の形態異常 巨大歯. である。粘膜表面は滑沢であるが,組織液中に血. 調査対象小児数. 見や,手指を口腔内に入れる小児も在存するとし ている。したがって,乳歯萌出期の小児に上記の ような所見がみられた場合,口腔内の診査を怠っ てはならない。 3)萌出性嚢胞と萌出性血腫 萌出性嚢胞とは,萌出しつつある歯牙の歯冠周 囲と歯槽部粘膜との間隙に組織液が貯留したもの であり,含歯性嚢胞の一種である。臨床的にみる. 発現小児数. 発現率(%). 1 1 2 6 5 4 1 1 5 1 0 2 2 1 1 1 1. 4. 1 0 2. 3 8 1. 5 0 0. 5 5 0. 3 7 0. 0 7 0. 0 7 0. 0 4 0. 0 4 0. 0 4 0. 0 4. 2, 7 3 3. 液が混じると青紫色,暗紫色を呈するが,この状. (米津ら14)より抜粋). 態を萌出性血腫と呼ぶ。発現部位としては図5の 表4. ように乳臼歯部が多い。これらは歯牙の出齦とと 歯 種. 発現率(%). 4 7. 3. 3 ( 3. 6) 5. 8 ( 6. 4). 1. 0. 8 ( 0. 9). B ̄ A|  ̄ A ̄ B 下 | ̄. 3 1 2 3. 2 5. 6 (2 8. 2) 1 9. 0 (2 0. 9). C ̄ B|  ̄. 2 7. 2 2. 3 (2 4. 5). 2 8. 2 3. 2 (2 5. 5). B ̄ C | ̄. 計. 上顎第一乳臼歯部にみられた萌出性嚢胞. 発現歯数. B_ A| _ 上 |_ A_ B 顎 C_ B| _. 顎. 図5. 乳歯癒合歯の発現歯種. 1 2 1歯. 1 1 0名(4. 0 2%). ※発現率は発現歯数を発現歯総数で除した ( ) 内は発現歯数を1 1 0名で除した (米津ら14)より抜粋) ― 5 ―.

(7) 6 1 8. 米津, 他:少子社会における小児期の口腔健康管理 表5. 乳歯の先天性欠如の発現歯種. 歯 種 上 顎. 発現歯数. 顎. !. 発現率(%). 上唇小帯. 上唇小帯の異常が問題になるのは,上顎永久中. B |_ B| _. 7 3. 8. 7 (1 0. 8) 3. 8 ( 4. 6). A | ̄. 2 2 6. 2. 5 ( 3. 1) 3 2. 5 (4 0. 0). 3 6. 4 5. 0 (5 5. 4). ところで,Ceremello20)によれば,上唇小帯は. 3. 3. 8 ( 4. 6). 胎生約3か月頃に発生し,発生時は上唇結節と切. 3. 3. 8 ( 4. 6). 歯乳頭を連結しているが,その後歯槽骨の発育に. 8 0歯. 6 5名(2. 3 8%). B | ̄. 下. 5)小帯の異常. B|  ̄ C | ̄ C|  ̄. 計. 切歯部の正中離開との関連性である。また成書の 中には,上顎中切歯の萌出障害,哺乳障害,発音 障害などを記載しているものがある19)。. より,付着部位は相対的に齦唇移行部方向に位置 するとされている。佐々木ら21)は付着位置に関す. ※発現率は発現歯数を発現歯総数で除した ( ) 内は発現歯数を6 5名で除した(米津ら14)より抜粋). る研究を行い,2歳児では乳中切歯歯間乳頭歯齦 縁頂部から小帯の起始部までの距離は3mm であ. 表6. 癒合歯の歯種別にみた後継永久歯先天 性欠如の有無 (歯数 %). 癒合歯 後継永久歯 後継永久歯 後継永久歯 歯 種 先天性欠如 存 在 癒合歯. り,4歳になると4mm に達し,その後は6歳ま でほとんど変化しないとしている。 しかしながら,野坂ら22)は,上唇小帯にはさま ざまな形態があり,付着位置が低位で短く,しか. A ̄ B  ̄. 8 1 1. 1% 6 38 7. 5% 1. 1. 4%. も口唇へ幅広く移行している場合は,付着位置の. B ̄ C  ̄. 5 47 1. 1% 2 12 7. 6% 1. 1. 3%. 先端の形態にかかわらず,3歳や3歳半まで異常. A_ B _. 2 47 0. 6% 1 0☆ 2 9. 4% 0. 0. 0%. 形態を保つと報告している。これらの障害として. 合計. 8 64 7. 3% 9 45 1. 6% 2. 1. 1%. 永久中切歯の萌出障害や正中離開が考えられる. ***. ***. ***. 欠如率に有意差あり(p<0. 0 0 1) :うち8例(2 3. 5%) は形態不全歯 後継歯2歯の先天性欠如はみられなかった (辻野ら16)より抜粋). ☆. が,正中離開の原因は上唇小帯だけでなく多岐に わたっている。したがって,口唇運動の著しい抑 制などがない場合は,幼児期における上唇小帯の 処置は避け,混合歯列まで経過観察すべきであ る。 ". 顎に多いことがわかる。. 舌小帯. ところで,乳歯が癒合歯であった場合,後継永. 舌小帯の異常で問題となるのは短縮であり,哺. 久歯に何らかの影響を及ぼすことについては,あ. 乳障害との因果関係が未だに論議され,乳児の舌. まり知られていないようである。本講座では,小. 小帯の切除を積極的に推奨するむきもある。しか. 児歯科臨床で癒合歯を有する小児を長期間観察. しながら,Berg23)は文献展望の中で哺乳や吸啜に. 16). し,表6に示す結果を得ている 。すなわち,下. 問題はないと考察し,小児科領域の成書も,早期. 顎乳側切歯と乳犬歯の癒合歯や上顎乳中切歯と乳. の切除に否定的な記載がなされている。 ところで,今村24)は5, 512名の小児について舌. 側切歯の癒合歯の場合,約7割の症例において同 部の後継永久歯が1歯先天的に欠如している。. 小帯の付着位置を調査し,舌の前方1/3に舌小帯. また,乳歯に先天性欠如がみられた場合におい. が付着していた小児の割合は,0∼4か月児で. ても,後継永久歯が先天的に欠如する頻度が高. 2. 2%,9∼1 2か 月 児 が0. 2%,そ し て3歳 児 が. い17,18)。したがって,これらの乳歯先天異常が認. 0. 2%であったことから,乳児の小帯短縮は成長. められた場合,健全な歯列,咬合の完成に向けた. とともに認められにくくなるとしている。しかし. 長期的な管理が必要である。. ながら,0∼4か月児2, 602名の中で,小帯が舌 ― 6 ―.

(8) 歯科学報. Vol.1 0 1,No.7(2 0 0 1). 6 1 9. 先端に付着していたものが5例(0. 1%)存在した. 成長と調和して発達しているとすれば,人工栄養. とし,切除を行うとすればこの5例であろうと述. だからといって咀嚼機能の発達不良,あるいは顎. べている。. の成長不良を招来することはない。. 舌小帯は舌の伸展,後退および挙上を調整制御. しかしながら,日本小児歯科学会が行った小児. することから,舌尖を用いて発音するラ行,タ. の咀嚼機能に関する総合的研究30)をみると,3∼. 行,サ行の構音障害をきたすとされている。とこ. 5歳児で“よく噛んでいる”と答えた保護者は. ろで,舌小帯の切除は単に短縮部を切離するだけ. 18. 9%にすぎず,“弾力があり噛みにくいものを. ではない。切離後の伸展を確認したうえで,適切. いやが っ て 食 べ な い”と い う 保 護 者 の 回 答 が. な縫合を行う必要がある。したがって,小帯切除. 10. 3%存在している。したがって,小児の摂食機. にあたり乳幼児に精神的なストレスを与えること. 能の発達について,歯科医師は専門的立場から,. なく,完全な手術を行うとすれば,全身麻酔下の. 個々の子どもの発育段階に応じた助言や指導を行. 手術が望ましいことになる。一方,発音の完成は. う役割が課せられている。. 5∼6歳といわれており,発達過程における構音. ところで,二木31)は,咀嚼能力の標準的な発達. 障害は,発音訓練のみで改善したという報告25)も. 過程を舌,口唇および下顎の動きと関連づけ,離. ある。したがって,舌小帯短縮にともなう発音の. 乳の進行にともなう調理形態を表に纏めて示して. 問題については,経過観察を続け,小帯切除手術. いる。しかしながら,前述のとおり乳幼児は個体. は,小児の心身の発育が進み,局所麻酔下でも安. 差が大きく,月齢から考えた「計画離乳」ではな. 全に手術が行える5∼6歳になった時点で施術す. く,その子の実際の能力にあわせた「自律離乳」. ることが望ましいと考える。. が望ましい。. 6)咀嚼機能の発達. すなわち,吸啜は先天的に備わった反射による. から幼児期に 1985年3月 に,TBS(東 京 放 送). 運動から始まる。そして吸啜に関わる原始反射が. おける咀嚼の発達状況に関する報道がなされた。. 消失する頃から随意運動が主となる咀嚼運動に移. そ れ に よ る と,噛 め な い 子 が2∼3歳 児 で. 行して行く。したがって,離乳はこの頃から開始. 1. 7%,4∼5歳児で0. 8%存在したという。これ. するのが適切である。咀嚼運動は,学習によって. を契機に,授乳法,離乳の進め方,咀嚼機能の発. 獲得される随意運動で,二木が離乳初期として記. 達など様々な研究が小児歯科領域で行われるよう. 載している生後5∼6か月というのは,あくまで. になった。そして,人工栄養児は咀嚼機能の発達. 参考月齢である。また,咀嚼の発達には口腔内の. 26). が悪く,歯列の発育も悪いとする報告 もなされ. 変化も考慮する必要がある。口腔は哺乳に適した. たことがある。これは,母乳がでない母親や共働. 形態から,咀嚼に適した形態に拡大する。次いで. きといった理由で母乳から人工乳にかえた母親を. 上下顎の乳切歯が萌出することによって舌が後退. 大いに悩ませ,不安がらせた。. し,歯槽堤の内側に収まることから,口唇は閉鎖. しかしながら,二木ら27)は,約2, 000名の幼児. しやすくなる。乳歯の萌出時期に“大きな個体. の咀嚼発達調査において,母乳群と人工乳群間の. 差”があることは先に記載した。したがって,離. 咀嚼発達に有意差は認められなかったと報告して. 乳中期から後期にかけても,個々の子どもの乳歯. 28). い る。ま た,Bishara ら は 授 乳 方 法 別 に 歯 槽. 萌出状態や運動機能を見極めることが重要であ. 堤,歯列の成長変化を生後6か月から1歳6か月. り,月齢はあくまで参考である。実際,二木31). までの累年口腔内石膏模型で比較し,有意差は認. は,咀嚼発達阻害要因として,不適切な離乳の進. められなかったとしている。また,同様に4∼5. め方を挙げ,咀嚼の健全な発達には適切な離乳の. 歳時における歯列の大きさを比較してもなんら有. 進め方が最も大切であるとしている。. 意差は認められない29)。すなわち,機能は形態の ― 7 ―. ところで,子どもの咀嚼発達障害は我が国特有.

(9) 6 2 0. 米津, 他:少子社会における小児期の口腔健康管理. の問題のようである。これには,少子化,核家族 化,情報の偏りなど我が国の社会環境と密接な関 係があると考えられる。小児保健の現場では,独 りで食べる(孤食)子どもの増加, “お袋の味”な らぬレトルト食品といった“袋の味”の増加や食 事の強要などの問題こそが,噛もうとする意欲に 乏しい子ども達を増加させているのではないかと 考えている。すなわち,咀嚼発達の指導を行う場 合は,機能面のみならず,家庭環境などの背景因 子まで考慮する必要がある。 ま. と. め. 今回は,無歯期,乳歯萌出期においてみられる 疾患や異常について,その時期の子どもの成長・ 発達の特徴を加味しながら解説した。ところで, BMJ(British. Medical. Journal)が出版している. “Clinical Evidence”には“We supply the evidence, you make the decisions.”と記載されて いる。情報が優れていても,すべての子どもに当 てはまる訳ではない。最善の処置方法を判断し, 自らが行うか,診診連携あるいは病診連携するか は,子ども達を目の前にした術者が判断すること である。 なお,齲蝕,咬合状態の異常,口腔習癖および 歯牙の外傷などは,乳歯萌出期からみられるもの であるが,これらは子どもの成長・発達を加味し た時系列的な考察が必要であり,次回の乳歯列期 における口腔健康管理で解説する。. 参. 考. 文. 献. 1)藥師寺 仁,関口 浩,米津卓郎,久保周平:少子 社会における小児期の口腔健康管理 ― 8020は小 児から ―,1.少 子 化 社 会 に お け る 保 育 環 境 の 状 況,歯科学報,1 0 1,4 8 5∼4 9 0,2 0 0 1. 2)Friend, G., Harris, E., Mincer, H., Fong, T. and Carruth, K. : Oral anomalies in the neonate, by race and gender, in an urban setting, Pediatr Dent, 1 2: 1 5 7∼1 6 1,1 9 9 0. 3)Monteleone, L. and McLellan, M. : Epstein's pearls (Bohn's nodules) of the palate, J Oral Surg, 2 2:3 0 1 ∼3 0 4,1 9 6 4. 4)Jorgenson, R., Shapiro, S., Salinas, C. and Stefan, L. : Intraoral findings and anomalies in neonates, Pedi-. atrics,6 5:5 7 7∼5 8 2,1 9 8 2. 5)Cataldo, E. and Berkman, M. D. : Cysts in the oral mucosa of newborns, Am J Dis Child, 1 1 6:4 4∼ 4 8,1 9 6 8. 6)Leung, A. K. C. : Natal teeth, Am J Dis Child, 1 4 0:2 4 9∼2 5 1,1 9 8 6. 7)Howkins, C. : Congenital teeth, Br dent Assoc, 5 3:4 0 2∼4 0 5,1 9 3 2. 8)Baghdadi, Z. D. : Riga−Fede disease : report of a case and review, J. Clin. Pediatr Dent., 2 5:2 0 9∼ 2 1 3,2 0 0 1. 9)Bodenhoff, J. : Natal and neonatal teeth, Dental Abstr, 5:4 8 5∼4 8 8,1 9 6 0. 1 0)Rusmah, M. : Natal and neonatal teeth : A clinical and histological study, J Clin Ped Dent, 1 5:2 5 1∼ 2 5 3,1 9 9 1. 1 1)日本小児歯科学会:日本人小児における乳歯・永久 歯の萌出時期に関する調査研究,小歯誌,2 6:1∼ 1 8,1 9 8 8. 1 2)Hulland, S. A., Lucas, J. O., Wake, M. A. and Hesketh, K. D. : Eruption of the primary dentition in human infants : a prospective descriptive study, Pediatr Dent,2 2:4 1 5∼4 2 1,2 0 0 0. 1 3)Macknin, M. L., Piedmonte, M., Jacobs, J. and Skibinski, C. : Symptom associated with infant teething : A prospective study, Pediatrics, 1 0 5:7 4 7 ∼7 5 3,2 0 0 0. 1 4)米津卓郎,林 芳裕,佐々木純子,町田幸雄:乳歯 形成異常の発現状況について,歯科学報,9 6:2 2 9∼ 2 3 6,1 9 9 6. 1 5)Yonezu, T., Hayashi, Y., Sasaki, J. and Machida, Y. : Prevalence of congenital dental anomalies of the deciduous dentition in Japanese children, Bull Tokyo dent Coll,3 8:2 7∼3 2,1 9 9 7. 1 6)辻野啓一郎,黒須美佳,片根智子,望月清志,米津 卓郎,町田幸雄:乳歯癒合歯の歯種と後継永久歯先天 性 欠 如 と の 関 連 性 に つ い て,小 歯 誌,3 6:8 6 1∼ 8 6 6,1 9 9 8. 1 7)Grahnen, H. and Granath, L. E. : Numerical variation in primary dentition and their correlation with the permanent dentition, Odont Revy, 1 2:3 4 8∼ 3 5 7,1 9 6 1. 1 8)Ravin, J. J. : Aplasia, supernumerary teeth and fused teeth in the primary dentition, An epidemiologic study, Scand J Dent Res,7 9:1∼6,1 9 7 1. 1 9)真柳秀昭:乳幼児歯科診療の実際,乳児期における 口 腔 疾 患 の 問 題 点,ク イ ン テ ッ セ ン ス 出 版,東 京,1 9 9 8. 2 0)Ceremello, C. P. J. : The superior labial frenum and the midline diastema and their relation to growth and development of the oral structures, Am J Orthod,3 9:1 2 0∼1 3 9,1 9 5 3. 2 1)佐々木仁弘,守口 修,野坂久美子,甘利英一:上 唇 小 帯 の 付 着 位 置 に つ い て,小 歯 誌,2 0:1∼. ― 8 ―.

(10) 歯科学報. Vol.1 0 1,No.7(2 0 0 1). 8,1 9 8 2. 2 2)野坂久美子,山田聖弥,守口 修,佐々木勝忠, 丸山文孝,松井由美子,甘利英一:1歳6カ月児歯科 健 診 に 関 す る 研 究 ― 上 唇 小 帯 に つ い て―,小 歯 誌,2 2:2 6 2∼2 7 1,1 9 8 4. 2 3)Berg, K. L. : Tongue tie(Ankyloglossia) and breast feeding ; A review, J Human Lact, 6:1 1 1∼ 1 1 2,1 9 9 0. 2 4)今村榮一:母乳保育と舌小帯付着,NICU(増) :1 3 2 ∼1 3 5,1 9 9 2. 2 5)佐藤耕一,村木祐孝,吉岡千尋,曽我部浩一,福田 仁一:乳児期に舌小帯短縮症と診断された6歳児の機 能性構音障害の1例,口科誌,4 6:1 9 1∼1 9 4,1 9 9 7. 2 6)峰野泰久,桑原美代子,後藤明久,渡辺洋三,服部 基一,簑原美奈恵,大谷元彦,筧 錦子,木造博貴, 佐藤公治,山内隆之,村井 猛,青山立子,岡 達: 哺乳形式と乳歯咬合形態に関する研究,口科誌,3 7: 8 5 5∼8 6 1,1 9 8 8.. 6 2 1. 2 7)二木 武,庄司順一:幼児期における咀しゃく発達 の 研 究,日 本 総 合 愛 育 研 究 所 紀 要,2 8:5 7∼ 6 9,1 9 9 1. 2 8)Bishara, S. E., Nowak, A.J., Kohout , F. J., Heckert, D. A. and Hogan, M. N. : Influence of feeding and non−nutritive sucking methods on the development of the dental arches : longituidinal study of the first 1 8months of life, Pediatr Dent, 9:1 3∼2 1,1 9 8 7. 2 9)Warren, J. J., Yonezu, T., Bishara, S. E., Steinbock, K. L., Nowak, A. J., Kanellis, M. J. and Levy, S. M. : Effects of feeding methods on dental arch parameters, J Dent Res,7 9 (Special Isuue) :4 9 8,2 0 0 0. 3 0)日本小児歯科学会:小児の咀嚼機能に関する総合的 研究,― 食生活,食べ方,生活環境について ―,小 歯誌,3 6:1∼2 1,1 9 9 8. 3 1)二木 武:小児の発達栄養行動, ― 摂食から排泄 ま で/生 理・心 理・臨 床 ―,医 歯 薬 出 版,東 京,1 9 9 5.. ― 9 ―.

(11)

参照

関連したドキュメント

て当期の損金の額に算入することができるか否かなどが争われた事件におい

事務用品等 コピー機、マーカー(有機溶剤)、接着剤 堀雅宏: ALIA NEWS , 37 , 30-39 ( 1997 )を改変..

(注)

[r]

□一時保護の利用が年間延べ 50 日以上の施設 (53.6%). □一時保護の利用が年間延べ 400 日以上の施設

巣造りから雛が生まれるころの大事な時 期は、深い雪に被われて人が入っていけ

原田マハの小説「生きるぼくら」

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児