子宮体癌は子宮体部内膜にできる癌で、子宮頸癌とは全く別の病気として診断・治療が行 われます。子宮体癌は閉経に近づく40歳代後半から増加し始め50歳代に最も発症しや すい病気ですが、最近は40歳未満の患者さんの増加が問題になっています。子宮体癌の 8割以上は類内膜腺癌という組織型です。また、女性ホルモンのエストロゲンが関与する タイプとそうでないタイプに分かれます。また、近年になって子宮体癌の発症に関与する 遺伝子の異常が解明されつつあります。子宮体癌の初発症状は不正出血、月経不順などで あり、そのような症状で受診された場合には子宮内膜細胞診、組織診、超音波検査などで 診断が行われます。子宮体癌は子宮内膜から発生し、しだいに子宮筋層に浸潤します。さ らに子宮頸部や卵巣、腹腔内に進展し、リンパ行性にリンパ節転移や血行性に他臓器に転 移することもあります。このように癌がどこまで広がっているかを評価し治療方針を決め るのに使われる指標が進行期(ステージ)です。子宮体癌の治療の基本は手術です。高齢 や重度の合併症がある場合や癌が全身に広がり手術の効果が期待できない場合などには放 射線療法や化学療法(抗がん剤)が選択されます。術後病理診断より再発リスク分類を行 い、リスクの高い患者さんには化学療法や放射線療法が追加されます。治療に伴う合併症 として、子宮体癌の術後には卵巣の摘出によって女性ホルモンが低下するためほてり、発 汗、頭痛、めまい、いらいら、動悸など更年期障害の様な症状が出現することがあります。 また、リンパ節郭清に伴う下肢のリンパ浮腫が生じることがあります。抗がん剤の副作用 としては吐き気、倦怠感、脱毛、末梢神経障害、骨髄抑制、腎機能低下などがあります。 放射線の副作用としては下痢、倦怠感、皮膚障害などがあります。また、妊娠を強く望む 患者さんには初期の病気に限って、手術ではなくホルモン療法を行う場合があります。プ ロゲステロンというホルモンで治療しますが、副作用として血栓症に注意が必要です。子 宮体癌は早期に発見すれば予後良好な病気です。不正出血などの自覚症状がある場合には 早期の婦人科受診が必要です。
子宮体癌の診断から治療まで
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