研究プロジェクト評価報告書 平成20年度
著者
東北大学未来科学技術共同研究センター
雑誌名
研究プロジェクト評価報告書
ページ
1-73
発行年
2009-03
URL
http://hdl.handle.net/10097/57461
はじめに
東北大学未来科学技術共同研究センター: NICHe は、産業界など外部との連
携により大学の知的資源を有効に活用し、広く国内産業の活性化に資すること
を目的として平成 10 年 4 月に設立されました。その後、平成 12 年 2 月に本館
が竣工し、さらに平成 14 年 1 月には未来情報産業研究館、同年 9 月にはハッチ
ェリースクエアが開所して、それぞれのミッションを遂行すべく本格的な活動
を展開しております。
NICHe の開発企画部は専任の教員とコーディネータにより、プロジェクト企
画と推進調整業務を戦略的に進めるとともに、開発研究部に所属する各研究プ
ロジェクトでは本邦基幹産業の国際競争力を支え新産業分野創出に寄与するコ
ア技術開発を精力的に進めています。
研究プロジェクト評価はこの開発研究部活動を対象として、現在進行中の研
究プロジェクトについて、 NICHe のミッションとの適合性、学術的・技術的評
価ならびに産業応用の可能性に関する中間評価あるいは最終評価をするために
行っております
今回は最終評価 4 件と中間評価 3 件の計 7 研究プロジェクト
を対象として実施いたしました。
評価の手続きとしては、研究担当者による自己評価をベースとして、東北大
学以外の外部有識者による外部評価を書面審査と対面審査の 2 段階でいただく
という方式を採用しております。
本報告書は、評価の結果ならびにいただいた意見を要約したものであり、そ
の内容については今後のフ。ロジェクト推進及びセンター運営に的確に反映させ
ていただきたいと考えております。ご多忙な中で多大な労力と時間を割し、て、
本センター活動に対していただいた貴重なご意見やご提言に対し、心から感謝
申し上げるとともに、今後さらなる努力をいたす決意であることを申し上げて
結びと致します。
平成 21 年 3 月
東北大学未来科学技術共同研究センター長
中島一郎
目
次
1
研究プロジェクト評価結果
2
研究プロジェクト評価書面審査表(まとめ)
(
1
)最終評価フ。ロジェクト①スピンナノ構造体の創製(高橋教授)
1
9
9
②大型ディスプレイに関する研究開発(内田教授)
・・・・・・・・・
15
③微小光学系による画像入出力システムの開発(内田教授)
④金属ガラス微粉末合金の実用化研究フO ロジェクト
(井上ユニバーシティプロフェッサー)
・・・・・ 35
(
2
)中間言平価フ。ロジェクト①微生物ゲノム科学を用いた創農薬および生分解性プラスチック
26
リサイクル技術の開発(阿部准教授)
②超臨界プロセス創製(阿尻教授)
1inuρoqο4
4
5
6
③ダイナミックロボティクス研究プロジェクト(田所教授)
3
研究フ。ロジェクト評価実施要項4
研究プロジェクト評価委員会委員名簿
5
研究プロジェクト評価委員会書面審査委員名簿
6
研究フ。ロジェクト評価委員会スケジュール表
7
未来科学技術共同研究センタ一規程
64
65
67
68
8
未来科学技術共同研究センター研究プロジェクト評価委員会内規
・・・ 71
9
未来科学技術共同研究センター研究フ。ロジェクト評価要項
・・・・・・
72
1
.
研究プロジェクト評価結果
①「スピンナノ構造体の創製」
プロジェクト・リーダー:高橋研教授
1
.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 垂直磁気記録媒体と高d性能ヘッドについては目標以上の研究成果を達成していると言えよう。中 間評価以後の主テーマで、ある「スピンナノ構造体の創製」は,これから,としづ段階だろう。両者を 考慮して,研究成果については上記の評価とした。 11. 成果の社会,経済,産業への貢献および還元 優れた研究業績は挙げているが, I新産業分野創出 j に結びつくには課題を残す。 現在の主テーマは,研究分野としてまだ繁明期だろう。「新産業分野創出」にはまだ距離がある。 しかし垂直磁気記録媒体と高性能磁気ヘッドについては,大きな研究成果を挙げ,磁気記録産業 に多大な貢献をしてきでいる。 ill. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 国からの研究資金だけでなく,民聞から多くの研究資金を獲得している。受け入れ研究者の数も 多い。リソースの獲得・活用とも十分と評価する。 N. 総合評価 中間評価に基づ、く軌道修正後の主テーマとも言うべき金属磁性ナノ粒子の合成・評価と,その電 子デ、バイスへの応用は,これから研究が本格化する段階と考えられる。一方,半導体不揮発性メモ リーが,し、よし、よ本格的にストレージ領域に進出してきている。磁気記録と半導体メモリーの棲み分 けも,従来とは変わってくるだ、ろう。今後の研究継続・展開にあたっては,電子デ、パイス全体の動向 を視野に入れることを期待したい。②「大型ディスプレイに関する研究開発」
プロジェクト・リーダー:内田龍男教授
1
.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 設定した定量的な目標をほとんどクリアしている。目標どおりの成果があがっていると評価できる。 11. 成果の社会,経済,産業への貢献および還元 優れた研究業績は挙げているが, I新産業分野創出」に結びつくには課題を残す。 リアプロジェクション TV の市場が,民生用で、は激減してしまったO その意味では貢献の対象とな る産業分野の構造が変わってしまったO 対応して,業務用超大型ディスプレイに目的を変更してお り,この方針は妥当と評価できる。しかし「新産業分野創出」には至っていなし、。 m. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 プロジェクト開始時からNEDO助成金や民聞からの資金も獲得しており,必要なリソースは確保 していると理解する。人材面でもリソースは充実している。 企業との共同研究に学生を関わらせることは,秘密情報管理の面からは難しい問題もある。しか し大学は本質的に教育機関であり,産学連携には人材育成の面からの期待もある。この点につい ても検討していただきたい。 N. 総合評価 民生用リアフ。ロジェクション・ディスフ。レイ市場は,フO ロジェクト開始時に比べると激減してしまったO その意味で,このフ。ロジェクトの意義を再考せざるを得ない状況だろう。業務用大型デ、イスフ。レイへ の注力は評価できる。しかし,この市場への進出には,まだ時聞が必要だろう。 「潜在競争力を確実に留保するために情報の公開・漏洩には最大限の注意を払う」品、う方針は, 大学における知的活動のあり方としては一考を要する。市場で先行したときに後続との距離確保に は有効なこともあるが,それは大学の仕事ではない。論文・特許で公開していなければ,盗用の糾 弾すらできない。その意味で、は国内特許だ、けとって,海外出願を後回しにすると,海外特許で先行 されるおそれがあるのではないか。 大学は第一に教育機関であり,知的活動の公開は人材育成面でも重要だ。さらに知的成果の 非公開や公開遅延は,ときに利益相反の危険も含むことを考慮すべきである。 また最近は企業においても,オープンソース活動やオープン・イノベーションとしづ方向の努力 がさかんになっている。その知的活動の構造は,むしろ伝統的学術研究に近く公開して敬意と 対価を得る」が基本となっている。「隠して独占」が競争力確保の唯一の道とは言えないのではな し 1 カミ。③「微小光学系による画像入出力システムの開発」 プロジェクト・リーダー:内田龍男教授
1
.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 微小光学素子の光学特性をシミュレーションするとともに,微小光学素子を用いたリアプロジェク ション用スクリーンを実際に作成し,光学性能を実証した。研究成果としては,ほぼ当初の目標ど おりの性能を得ている。また本プロジェクトの成果である低消費電力技術は,他のデ、イスプレイ製品 にも寄与するものと思われる。 「潜在競争力を確実に留保するために情報の公開・漏洩には最大限の注意を払う」のが方針だと しても, 3年間で論文が 0件,特許出願が l 件とし 1 う数値は,評価を難しくする。 11. 成果の社会,経済,産業への貢献および還元 優れた研究業績は挙げているが, I新産業分野創出」に結びつくには課題を残す。 高画質の大画面ディスプレイの要素技術として優れた研究業績を挙げていると理解する。しかし リアプロジェクション・デ、イスプレイによる業務用大型デ、イスプレイとしづ新産業分野が創出されるか どうかは,他のデ、イスプレイとのコスト競争など,技術面以外の要因も含めた競争下にあると考えら れる。 本プロジェクトの成果で、ある要素技術を,個別要素ごとに産業化することにプロジェクト・リーダー は抵抗があると理解した。要素・部品レベルで、は,買いたたかれてしまうとしづ過去の実状があり, その観点からは,わからないではない。しかしデ、イスプレイ全体での応用に営利企業が障賭すると き,個別要素ごとの実用化も,休眠よりはまし,としづ考え方もあるのではないか。 ill. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 必要な資金と研究人材は,主として共同研究先の企業から得ている。リソースを十分に獲得し, 活用していると判断する。今後の研究の拡大・加速には,資金源を増やすことも視野に入れるべき カも知れない。 IV. 総合評価 本フOロジェクトの成果は,低消費電力や低価格下の潜在的可能性により,新しい産業分野を開く 可能性がある。今後の発展を期待する。「潜在競争力を確実に留保するために情報の公開・漏洩 には最大限の注怠を払う」としづ方針については,フOロジェクト②へのコメントを参照して欲しい。3
-④『金属ガラス微粉末合金の実用化プロジェクト』
プロジェクト・リーダー:井上明久ユニパーシティプロフェッサー1
.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 金属ガラスを直径 7μm の球状に微粉末化すること,その性質を活かして体積比 1/2 以下・損失 1/2 以下のチョークコイル (CPU 電源用)を実現すること,ハイブリッド車用リアクトルを開発すること, の三つが目標として挙げられている。この三つは研究成果としては達成されていると言えよう。チョ ークコイルはさらに量産に達している。 論文や特許も,研究期間の短さを考慮すれば,ほぼ十分と言えよう。 ll. 成果の社会,経済,産業への貢献および還元 優れた研究業績を挙げ,かつ「新産業分野創出 J ~こ結びつく成果をあげている。 研究成果の一部(チョークコイル)はすでに量産に貢献しており 「新産業分野創出」に結びっく 成果をあげていると評価できる。電力損失の低下は省エネルギーにも貢献する。 ill. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 ]STの産学共同シーズ、イノベーション化事業を利用し, NEC トーキンと共同研究を行うことで,十 分な研究資金と研究者を獲得し,活用している。 N. 総合評価 本フ。ロジェクトは,大学と民間企業の役割分担が明確である。大学は求められる研究成果を着実 に達成している。その成果は民間企業において実用化段階に達している。これらは産学連携の成 功事例として高く評価できる。 またバルク金属ガラスは大きな潜在能力を持っと考えられるO 今後も研究を基礎・応用両面で主 導し, 5郎、産業分野へと発展させていただきたい。⑤「微生物ゲノム科学を用いた創農薬および生分解性プラスチックリサイクル技術の開発」
プロジェクト・リーダー:阿部敬悦准教授
1
.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 「糸状菌ゲ、ノム科学に基づく抗真菌剤創薬パイフOラインの開発」に関してはかなり順調に進捗し ていると見受ける。その他のゲノム解析技術を駆使しての技術と研究体制も十分に構築されてい る。 特許出願による知的財産の確保については少しもの足りない点もある。ただ本プロジェクトの場 合,特許出願戦略とともに,データベース著作権とし、った他の知的財産の発信と保護のバランスを 考え,大学の使命を果たしつつ,どう新技術の創出に結びつけてしくかが重要であると考える。 ll. 成果の社会,経済,産業への貢献および還元 優れた研究業績を挙げ,かっ「新産業分野創出」に結びつく成果をあげている。 本フ。ロジェクトによる創薬ターゲ、ット探索システムは今後新たな創薬技術として発展が期待でき る。バイオベンチャーのファームラボ、を創設したことも,アウトカムのーっとして評価できる。生分解 性プラスチックリサイクル技術は,当初目標を達成できれば,新産業分野創出のインパクトは大き い。今後の進展に期待したい。 ill. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 リソースの獲得・活用は十分と評価する。 N. 総合評価 本プロジェクトは,創薬のための探索システムとしづ,いわば産業界に新たなインフラストラクチャ を提供する仕事と,生分解性フ。ラスチックリサイクル技術の実現品、う二つの面を持っている。前者 については基盤が出来,産業界の活用を促進する段階と考える。後者はビジネス・パートナーを確 保して実証をはかるべき段階だろう。いずれも新産業分野創出に向け,発展的な継続が望まれる。- 5
⑥『超臨界プロセス創製」
プロジェクト・リーダー:阿尻雅文教授
1
.研究成果について 目標以上の研究成果を達成した。 研究アウトプットは十分で、ある。ナノ粒子生成メカニズ、ムの解明,ナノ粒子生成装置の実用化,ナ ノ粒子設計のための熱力学物性評価など研究成果も多岐にわたる。 また特許出願も十分になされている。ただ知的財産については,特に本プロジェクトに関しては, 大学として戦略的に進めていただきたい。重要特許は海外でも権利化を進める必要がある。本プ ロジェクトは海外でも注目されており,生み出される新産業は全世界を対象とするものだからであ る。 ll. 成果の社会,経済,産業への貢献および還元 優れた研究業績を挙げ,かっ「新産業分野創出」に結び、つく成果をあげている。 2 件の技術移転の成立, 3件 11 杜が検討中と,新産業分野創出に結びつく成果をすでにあげ始 めている。特許の移転も出始めており本プロジェクトの成果が大型の新産業に発展することが期 待できる。 ill. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 資金,人材とも必要リソースを十分に獲得し,活用している。民聞からの資金獲得実績は,産業 界の期待の高さと理解できよう。民聞からの研究員やポスドクも多数活用しており,人材交流の観 点カ瓦らも評価できる。 N. 総合評価 NICHe フ。ロジェクトを超えて,東北大学を起点とした超臨界技術と新産業の世界的拠点への発 展が期待される。今後は,その方向に向けての活動も加えて欲しい。もちろん民間移転の促進も大 いに期待したい。なお「有機無機ノ\イブリッド、ナノ粒子の生成」だけでなく特定物質の抽出 J,
「環境汚染物質の分解 J , I 均一微粒子の生成」なども,将来の重要技術となろう。⑦「ダイナミックロボティクス研究プロジェクト」
プロジェクト・リーダー:田所諭教授
1
.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 論文や特許とし 1 う形の研究成果だけでは評価できないプロジェクトと言えよう。 3 年間で論文 34 編のほか,講演も多数行われており,アウトプットは十分と判断するO 特許出願が 3 年で 1 件をどう評価すべきか。公共的な意味合いの強し、本プロジェクトの場合,特 許権で独占すべきでないとし、う考え方もある。一方,誰かに特許権を取得される前に,大学が特許 を取得し,誰にでも使用許可を出すとしづ形で公益性を確保するとしづ方針もあり得るだろう。 レスキュー・システムとしづ新産業分野を育ててしくためには参加企業の知的財産を整理し,円 滑に利用し合う関係を構築することが重要である。中立の立場である大学の役割は大きい。本プロ ジェクトのパテント・ポリシーを明確にし,それを参加企業に受け入れてもらうことが重要だろう。 11. 成果の社会,経済,産業への貢献および還元 優れた研究業績は挙げているが新産業分野創出」に結びつくには課題を残す。 技術的課題が解決されたら,確実に新産業分野が創出されるだろう。しかし求められる技術的水 準は高く,新産業分野創出までには数多くの課題が残っている。しかしユーザー(消防員)による 技術的課題の洗い出しなどによって,研究を適切な方向へ向けることを可能にしており,この点, 高く評価できる。 ill. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 5 年間の NEDO 助成金を受けるなど,研究費に関しては十分なリソースを確保している。人材面 では,公共性の強し 1本プロジェクトの場合,民間企業や消防署など,数多くの組織からの参加が望 ましいと考えられる。 N. 総合評価 いわゆる「研究」とは,やや違う性格を持つフ。ロジェクトと言えよう。災害時のロボ、ット活用に焦点を あてたフ。ロジェクトで,大きな社会的意義を持つ O 消防やレスキューなどの公共機関とも密接に連 携しながら研究活動を進めており,この点を高く評価する。今後は国際的な標準化に向けての活 動も必要となろう。7
-研究プロジェクト評価書面審査表〈まとめ〉 (@印は、書留審査委員の代表の方を褒します〉 (研究プロジェクト評価書面審査委員氏名: 逢坂哲輔、田中厚志、。二本正昭
)
プロジェクト名
|スピンナノ構造体の創製
プロジェクトリーダー名|高橋
研
I. プロジェクトの開発研究成果の社会(地域・日本・世界)、経済、産業への還元状況1
.民間企業への技術移転進 1 (優れている点) 捗状況について |垂直磁気記録媒体 (B) および高性能ヘッド (C) サブ、テーマで、は、研 究成果の民間企業への技術移転が速やかに行われており、産業の 活性化と高度化に有効な寄与がなされている。 磁性ナノ粒子 (A) に関するテーマは、先行性とリスクの極めて高い テーマであり、技術移転は早くても 2'"'"'3 年先と考える。このテ ーマでも有望な成果が出始めており、将来の産業界への技術移転 を期待する。 (不十分な点) 本 PJ の民間企業への技術移転実績・寄与は大きいが、公式に技 術移転件数としてカウントはされていなし、。 (改善のポイント) プロセス技術などノウハウが絡む場合の技術移転をどのように客 観評価するのか、評価システム上の問題改善も検討頂きたい。評価:
⑪五古ミ)/他に劣る
2. 発明、特許権その他の知 1 (優れている点) 的財産権の状況につい 17 年間で 41 件、年平均 6 件の出願は、大学の研究 PJ として極め て て活発な出願が行われているものと考える。出願内容は、薄膜の 粒形制御、磁気交換結合制御、あるいは新構造の磁性材料提案に 関するものなど、基本性、新規性に優れたものが含まれている。 出願後の特許メンテナンスを行って、権利化を着実に行って頂き たい。 (不十分な点) リストに外国出願特許の記載が無い点が気になるが手続きが進行 中ならば問題ない。 (改善のポイント) 発明の筆頭者がすべて PJ リーダである点が多少気になる点であ る。発明は主要提案者が筆頭発明者となるのが通常であろう。若 手メンバーからの発明提出が無いとすれば、ぜひ改善頂きたい。評価:
領主~/他に劣る
- 9
3. 各種表彰・賞・新聞報道、 I (優れている点) 招待講演の状況につい|本 PJ の成果として、文部科学大臣賞 (H19) 、市村産業賞 (H20) が て 4. 論文・著書の状況 ある。これ等は業界トップクラスの表彰であり、本 PJ の研究成 果が極めて高い客観評価を得ている証と考える。学会関連の表彰、 招待講演の件数も多く、高いレベルの実績を上げているものと認 める。 (不十分な点) (改善のポイント)
P
J 終了後も表彰を受けられるよう継続的に P J 成果をアピール し続けて欲しい。評価:
⑪高古~/他に劣る
(優れている点) ドライプロセスのみならず、化学的な手法も含めて、広範囲に亘 り、最先端の材料プロセスの開発を論文としてまとめている。ま た、材料評価に関しでも、最先端の手法を取り入れて、徽密な議 論を重ねている。 7 年間で 161 件の論文実績がある。年平均 22 件となり、 PJ メン ノミー全員が平均で年 1 報以上の論文実績を上げていることにな る。優れた実績である。 (不十分な点) (改善のポイント) この研究グループは世界でもトップレベルの研究成果を長年に亘 って学会で報告していることを考慮すると、関連分野の技術を著 書(単著)として出版し、より広い分野の研究者に成果の一端を 知らしめる時期にきていると考える。 PJ リーダ、あるいはサブリ ーダの今後の努力に期待したい。評価CJti五ら/他に劣る
総指 I (優れている点) 上記 1. -3. までの評価に基|本研究 PJ が関与するのは情報記録(磁気デ、イスク分野)であり、 づき、「新産業分野創出」に結び|高度情報化社会における基幹技術である。世界レベルで厳しい技 つく開発研究成果が出ているか|術開発競争が行われている中で、産業界で実用化される技術提案 (研究のアウトプット)、また現|を行うことは容易ではない。この点、本研究 PJ はこの基幹技術 実に『新産業分野の創出 J (研究|の将来発展に向けた技術シナリオの幾っかを提示し、分野を実質 成果に基づく産業活動のアウト|的に発展させる具体的な寄与を行っている。高く評価する。 力ム)に結び付いているか、を中| 心に評価すること。 I (不十分な点) 磁性ナノ粒子の新産業創出に関しては、研究分野として未だ察明 期にあり、実用化にはもう少し年数を要する状況である。 (改善のポイント) 評価: 1. 優れた研究成果を挙げ、かつ、「新産業分野創出」に結びつく 成果をあげている o
r
r
2:\ 優れた研究成果は挙げているが、「新産業分野創出」に結びつ トJそくには課題を残す。 3. 優れた研究成果を挙げているとは言えないものの、「新産業分 野創出」に結び付く可能性は高い。 4. 研究成果は他に優れたとは言えず、「新産業分野創出」に結び っく成果も期待出来ない。E. プロジェクトの研究費の実績
総括 nI
(優れている点) 外部資金の獲得状況と、その資 I 7 年間の PJ 期間中、民間資金 225.9 百万円および国家資金 222.3 金が十分に活用されているかの|百万円、合計 448.2 百万円の獲得は大変立派な実績である。また、 観点から評価すること。 I 前述のようにこの獲得資金に見合った立派な研究成果も挙げてい る。十分な外部賞金によるプロジェクトの活性化が行われている。 (不十分な点) (改善のポイント)評価:
伍主主ジ/他に劣る
E プロジェクトの開発研究計画に照らした開発研究の進捗状況に係る評価等
1
.開発研究の進捗状況(当 I (優れている点) 初の開発研究計画に照|初期設定目標は、産業界の進展が当初予想、よりも速かったため、 らした開発研究の進捗|振り返ってみると必ずしも妥当とは言えない面もあるが、本 PJ 状況では産業界の進展に合わせ、より先の目標へとターゲットを再設 2. 研究者の育成状況 定して開発調整を行ない、臨機応変な対応を行っている。 (A) , (B) , (C) の 3 つの研究サブテーマのそれぞれで掲げている技術 開発課題に対し、 A:2/3.B
:
3
.
5
/
4
.
C:3.5/4 、合計 9111 と約 90 0/0 程 度の目標達成率を上げている。 UC プロセス技術を用いた磁性膜 形成技術において、世界的に優れた研究成果実績をあげている。 研究サブテーマ仏)には、必ずしも目標を達成していない項目も含 まれるが、着実な成果が出始めており、近い将来に目標達成が期 待される。 (不十分な点) (改善のポイント)評価:
伍高砂/他に劣る
(優れている点) (各種研究員の受入れ状|本 PJ 期間で、 40 名の修士、 5 6 人の博士を育成している。ま 況等を含む。た、共同研究員も多数受け入れており、産学を含めた活発な交流 が行われてきたものと認める。研究者の育成において極めて高い レベルの成果を上げている。 (不十分な点) (改善のポイント)評価:
σ五内/他に劣る
3. 国際交流の状況 総括 E (優れている点) アジア地区で開催された国際会議で特別講演、招待講演あるいは 基調講演を行うとともに、韓国の大学から留学生を受け入れるな ど活発な学術交流を行っている。 PJ リーダは Journal
P
h
y
s
i
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D
(英国)のボードメンバーを務めるなど国際交流アクティビティ は高い。 (不十分な点) (改善のポイント) アジア中心で活発な国際交流を推進中であるが、これに加えて欧 米で開催される主要国際会議でもさらに活発な交流活動を展開す ることが期待される。 また多くの国際交流が行われているが、共同プロジェクト等のよ うな見える形で残すのが望ましい。評価~古言)/ 他に劣る
(優れている点) 上記 1. -3. までの評価に基|開発研究の進捗状況、研究者の育成、および国際交流の状況のい づき当初の開発研究計画の進捗|ずれも良好である。 状況を中心に評価すること。 (不十分な点) ただし、産業分野の性格上、また研究テーマの性格上、技術移転 という形が明確に特許等の使用という形で出にくいので何らかの 工夫をして、その実績をより見える形にすることが望ましい。 (改善のポイント)分
い十
良不分
変い通や十
.大良普や不
輔の
:43
- 1
3
-W. 総合評価
総括 I-m を踏まえ、本プロジェクトを総合的に評価すること。
本 PJ のリーダが 90 年代初めに提唱し、研究を開始した"
Ultra Clean
Process" によるスバッ タ製膜技術は、技術潮流を先取りした先見性に富んだ、素性の優れた研究テーマで、ある。さらに、 研究設備として産業界で用いられているレベルに近いスバッタ製膜装置を導入し、さらに産業界 から積極的に研究員を受け入れてきたこと、産業界と頻繁な技術討論の機会を設けてきたこと、 熱心に粘り強く研究成果の学会発表を続けてきたこと、は本 PJ を効果的に推進する上で極めて 有効な要因となっている。このような背景で研究開発を進めてきたため、本 PJ で得られた研究 成果が速やかにしかも幅広く産業界で活用されることとなり、本 PJ は磁気デ、イスク関連産業の 発展に寄与しているものと認める。 人材の育成においても産学の連携を背景に、産業界や学界で活躍できる有能な人材を送り出して し、る。 本 PJ は、産学連携が有効に働き、技術開発および人材育成他で優れた実績をあげた例として、 高く評価する。 (全体に対するコメント) 媒体材料フO ロセス、再生ヘッド関係材料成膜フO ロセスに関して、超高真空を作ることから始まり、 製膜の個々のプロセス条件をリファインし、実際の産業に適用できる知見と技術を研究開発した 点を評価する。また有能な研究者を多数育成し、又、広く産業界からも研究員が参加し、実質の ある産学連携を推進してきた点もプロジェクトのソフト面での貢献として高く評価したい。 本分野における技術移転は磁気記録における記録密度の向上という形をとらざるを得ないため、 学術的に目に見える形で貢献を示すのは容易ではない。このため特許等の導入が具体的な数値と して必ずしも表れていないが、本 PJ の進展は確実に産業界へ貢献をなしたものと認められる。 ただし、このような貢献を何らかの形で、そのアウトプットがわかる形を工夫することも今後の ためには必要であろう。研究プロジェクト評価書面審査表〈まとめ〉 (@印は、書面審査委員の代表の方を表します〉 (研究プロジェクト評価書面審査委員氏名:。関 秀康、福田一郎、若生一広
)
プロジェクト名 プロジェクトリーダー名 大型ディスプレイに関する研究開発 内田龍男 I. プロジェクトの開発研究成果の社会(地域・日本・世界)、経済、産業への還元状況 1民間企業への技術移転進 I (優れている点)
捗状況について 本プロジェクトの技術移転に関わる成果を下記に列挙する。1
.
I 平成 16 年度大学発事業創出実用化研究開発事業」では、基本原 理の動作確認、材料・製造技術・評価装置の構築など幅広い要素 技術を確立するとともに、化学メーカーと連携して高画質化の基 盤技術である高性能リアプロジェクション用スクリーン(光散乱 フィルムスクリーン)を開発した。2
.
I 平成 18 年度大学発事業創出実用化研究開発事業」では、過去 2 年間の成果をベースに、新たに民間 2 社との共同研究プロジェク トを発足させ、以降、毎年 7 名の民間等共同研究員が参画してい る。3
.
I 平成 18 年度大学発事業創出実用化研究開発事業」では、「リア プロジェクションディスプレイに残された最後の課題である薄型 化 J を実現するために必要な超薄型光学系に関する高度で独自の 基盤技術を、共同研究プロジェクトで目標のほぼ 100% を開発し、 62 型 ~148 型の薄型大画面リアプロジェクションを試作して、 62 型では 20cm 、 80 型では 25cm の薄型化を実現するとともに、画 像特性の各項目でも目標の 100%~80% の性能を達成している。 4. 上記プロジェクトで開発した拡散光制御技術をベースに、フィル ム製造企業との間で「大画面デ、イスプレイ用新規光学フィルム・シ ート」の共同研究をスタートさせている。 5. 業務用ディスプレイとして幾つかの企業群からの問い合わせや試 作機借用依頼がなされていることから、今後は実用化のプロセス をとおして、本プロジェクトの参画企業のみならず広く民間企業 への技術移転が加速されるものと思われる。 高性能薄型大画面リアプロジェクションディスプレイの開発にあ たり、東北大の基盤技術をベースに各共同研究企業への技術移転を図 りながら具現化しており評価される点である。また本プロジェクトに おいて培った上記技術を用い、各企業が商品化検討を着実に進めてい る点も大きな成果であるといえる。さらに助成事業者の 1 社と次プ ロジェクト(省エネルギー型デ、イスプレイ)の共同研究を進める形で 研究開発を継続・発展させており、現在各分野にて最重要項目となっ ている「高性能・低消費電力」を念頭においた中核技術の開発が行わ れることが期待される。 一般消費者向けリアプロジェクションは液晶やプラズ、マの直視型 の大型化に伴い、急激な市場縮小に見舞われている。しかし、本プロ ジェクトの目的である高画質の業務用リアプロジェクション・ディス プレイが実現されれば、従来のフラット・パネル・ディスプレイでは 実現できない超低消費電力での大画面映像表示が可能となる。今後の 我国および世界的に課題となる省エネルギー問題を克服する極めて 戸 hu有力な技術として期待される。 (不十分な点) プロジェクトでは基礎技術の確立に注力しプロトタイプまで実現し ている。今後、生産性・コストについて各企業との更なる調査検討を 行うことにより、実用化への道程がより確実なものとなり、生産に直 結する技術移転が行われることを期待したい。 (改善のポイント) 中間評価の段階では効率的・効果的な研究展開・技術移転には、化 学、高分子および光学系メーカー以外に最終プロトタイプを試作する 上でプロジェクター開発メーカーである我国の総合家電メーカーと の連携が不可欠と思われた。その後、光学メーカーが中心となり商品 化につなげる試みが行われていることで、各基盤技術について企業と の連携が密接に行われ、製品化に弾みがつくものと期待される。 これら基盤技術がそれぞれ事業化に発展可能であるといえるが、統 合することにより更なる付加価値を有すると考える。そのため有効性 を最大限発揮可能な各企業間の連携モデ、ルについて今後明確化でき れば他に例を見ない成果となると考える。なお、進展の速い技術分野 ではあるが、拙速に技術を表出するのではなく、技術の充実度を高め、 その技術の将来性・魅力を市場が展望できるように状況判断を行う配 慮をすべきであろう。 評価 o 他に優れる
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他に劣る2
発明、特許権その他の知 I (優れている点) 的財産権の状況について 技術の安易な流出を極力抑え、蓄積に務めるとの特許戦略が明確に 示されており、大いに評価される。平成 16 年度に 5 件、 17 年度に 7 件、 18 年度に 1 件、 19 年度に 3 件(内 1 件は PCT) 計 16 件の特許 を国内外に出願しており、その中には「新産業分野創出」に結実する と期待できるものが多く含まれている。また、最近の 4 件はいずれ もプロジェクトに参画している民間企業との共同出願であり、プロジ ェクトとして高い成果を挙げている。 (不十分な点) 共同研究企業との共同出願が 1 社との間のみと少ない。プロジェ クトへの参画民間企業が 3 杜であること、商品開発まで、に至ってい ないことなどから、現在のところ技術移転が必ずしも十分広い範囲に 及んでいるとは言えない。 (改善のポイント) 特許出願件数は、現時点では基盤技術に集約してなされている。今後、プロジェクションシステム・画質評価技術等の多くの開発成果が 期待されることから、一層の出願・取得に努めて欲しい。本研究開発 が該当するディスプレイ分野は、特許をはじめとする知的財産権にお いて急速かっ蛾烈な競争が世界の企業・大学にて行われている。その ため本研究開発においてノウハウとして扱った非公開技術について、 ①事業化の際の取り扱い(連携企業への技術移転等)、②出願特許と の戦略的かっ有効な連携・方策の検討が事業化における基盤確立につ ながると考える。 大学が法人化されたことから、連携先との共同出願を増大させるこ とで、大学における産学連携が着実に進められていることが示せれ ば、大学および産業界の活性化につながると思われる。 評価 o 他に優れる
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他に劣る 3. 各種表彰・賞・新聞報道、 招待講演の状況について (優れている点) わずか 5 年の短期間で、材料、デバイス、システム開発までと非 常に広範囲の研究領域を効率良く推進することで、実際の画像表示シ ステムを試作し、「国際ディスプレイワークショップ 2005J での招待 講演、また CEATEC2008 において完成した試作機によるデモ展示、 イベント出展等の具体的なプロモーションによる借用依頼等の反響 を得ており、市場に対する着実な進展を図っている点が評価できる。 また、プレス発表を意欲的に実施しており、大いに評価できる。 (不十分な点) 本プロジェクトに関する各種表彰・賞は得られていない。新しい技 術の研究開発段階であることと、国際競争力・潜在競争力を確実に留 保するために、情報公開を最小限に抑えたためであることから止むを 得ないと考えられる。 (改善のポイント) 本研究のプライオリティ確保のために、展示会等でのプロジェク タ一実機の公開を行っている。同時にプロジェクション・ディスプレ イの復活に大きな力となっている。業務用としての展開を想定してい ることから、潜在的な業種・市場への特別なアプローチが効果的と考 える。業種を絞らない各種展示会での公開を積極的に行うことで潜在 市場の掘り起こしを行い、また一般紙だけでなく業界新聞等への掲載 を行うことで新規需要を開拓する取り組みが望まれる。 評価 o 他に優れる/
他に劣る 4. 論文・著書の状況 (優れている点) 本事業において 4 件、また関連する内容として 8 件の発表を行っ ており、情報の漏洩を抑える戦略の中で厳選し積極的に発表を行った として大いに評価できる。プロジェクトメンバーは、関連の電子ディ スプレイ分野において国内外でアクティブに活動しており、これまで 多くの論文・著書を発表している。主要なディスプレイ関連の国際学 会における招待講演が多いこともその証左である。 円i総括 I 上記 1. -3. までの評価 に基づき、「新産業分野創出」 に結びつく開発研究成果が出 ているか(研究のアウトプッ ト)、また現実に「新産業分野 の創出 J (研究成果に基づく産 業活動のアウトカム)に結び 付いているか、を中心に評価 すること。 (不十分な点) 本プロジェクトに関する論文は 4 件であり、関連の論文、学会発 表が少なく、また著書は出版されていない。ただし、これは、報告書 に記述されているように、潜在競争力を確実に留保するために、情報 公開を最小限に抑えたためであると考えられる。 (改善のポイント) この項目での実績については、潜在競争力を確実に留保するため に、情報公開を最小限に抑えた戦略によるものである。特許出願など 知的所有権を担保したものから速やかに成果を公表し、その分野の市 場開拓につなげていくことが望まれ、今後、事業化に向けた後多数の 発表を大いに期待したい。特許出願済み、また連携企業等での実用化 目処がついた技術については、戦略的に公開して需要拡大に繋げてい くことが望ましいと考える。今後、完成した試作機の最大限の活用を 期待する。 評価: 他に優れる
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他に劣る (優れている点) リアプロジェクション TV は、当初目標にしたコンシューマ・向けの TV としての展開は、この間におけるリアプロジェクション TV の市 場からの撤退、液晶、プラズマ、有機 EL の急速な発展など、環境の 変化で極めて難しい状況になっていると思われる。このような背景の 下、本プロジェクトの主な目標を高画質・高精細画像を実現しうる業 務用超大画面ディスプレイとし、それの難点となる膨大な消費電力と 本体重量を解決しうる方式として研究方針を修正しつつあることや 空中ディスプレイ、デジタルサイネージなど新たなディスプレイの市 場開拓を目指していることは高く評価できる。 当該プロジェクトでは、高性能リアルプロジェクション用スクリー ンおよび薄型光学系などのオリジナリティある独創技術を提案・開発 し、さらにその基本性能評価手法を確立するなど、実用化に向けての 課題やそれを解決する手段が明確である。さらに、メーカーとの外部 連携も積極的になされており、新産業分野の創出につながる道筋が形 成されている。今後の早期の技術移転により、我国におけるディスプ レイ産業を担う大きな柱として期待される。 リアプロジェクションディスプレイの大画面化・高画質化技術は、 世界の映像情報分野を牽引する我国における重要なテクノロジーで ある。国内における液晶ディスプレイやプラズマディスプレイの生産 が空洞化しつつある状況のなか、我国が次世代ディスプレイ技術の主 導権を取って行く上でも、時機を得たプロジェクトとして評価する。 本プロジェクトは、今後の情報家電の省エネルギ一対策としても大い に期待される。 (不十分な点) 潜在競争力を確実に留保する目的で論文・著書等の情報公開を最小 限に抑えてきた。現状では、限られた企業に限定した事業となってい る。(改善のポイント) 国際戦略の一環として、外国特許出願・取得を重視して進める必要 がある。一方では、我国の国際競争力の向上ならびに産学連携の良き モデルとなるよう、連携先との特許共願の増加に努めて欲しい。本件 のように、我国における産業技術の国際競争力確保のために情報公開 を極力抑える等の手法はひとつの戦略として尊重されよう。 新産業分野創出においては、情報の漏洩を極力回避する方策と潜在 的・新規需要の発掘との両立が大きな課題であるが、これまでの取り 組みを更に発展させ、戦略的な事業化展開を図ることを期待する。知 的財産権における非公開技術(ノウハウ)の取り扱いを考慮しながら、 各企業聞の連携・事業化モデルを今後更に検討することが新産業分野 における事業化の基盤確立において重要と考える。その際に改めて本 研究開発成果(性能、消費電力、コスト等)を客観的に定量評価し明 確化することが優位性・独自性の強化に繋がると考える。 新産業分野の創出の観点から本事業の課題は大きな可能性を秘め ている。また、限られた企業連携に加え、市場の拡大に伴い、他の企 業連携も促進することが肝要である。固としてもこの分野の活性化を 図るべく重点的な配慮、が求められよう。 評価:
1
1. 優れた研究成果を挙げ、かつ、「新産業分野創出 J に結びつく成果 をあげている。 2. 優れた研究成果は挙げているが、「新産業分野創出」に結びつくに は課題を残す。 3. 優れた研究成果を挙げているとは言えないものの、「新産業分野創 出」に結び付く可能性は高い。 4. 研究成果は他に優れたとは言えず、「新産業分野創出」に結びつく 成果も期待出来ない。 E. プロジェクトの研究費の実績総括 n
I
(優れている点)
外部資金の獲得状況と、そ|
本研究開発においては新方式のスクリーン、光学系、フレネルレン
の資金が十分に活用されてい|ズの開発・試作をふまえ高品位リアプロジェクションディスプレイのるかの観点から評価するこ|試作を行っている O これらはイニ、ンヤルコストを含め通常多額の費用
|を要するが結果として改良を重ねながら多種の試作品を実現していと。
I る。 5 年間における研究費は国、民間ともに前半の 3 年間に集中して
いる。研究予算と得られた研究成果を考えると非常にコストパフォー マンスの高い研究推進がなされていることから資金は十分に活用さ れたと言える。また民間からの資金も開発が進むにつれ増額されてお り、研究開発が効果的に推進されたものとして大変評価できる。当初、 最終プロトタイプを試作し表示性能を実証するには、予算が不十分で はなし、かと懸念されたが、共同研究企業との提携により、その課題を 払拭している。 本プロジェクトで開発した拡散光制御技術をベースに、フィルム製 造企業との問で「大画面ディスプレイ用新規光学フィルム・シート」 の共同研究がスター卜していることも含め、 2008 年度以降について - 19-も十分な研究予算確保の見通しが立てられている。 (不十分な点) 新産業創出に向けて、特許調査(パテントマップ作成等)、市場調 査、ニーズ、発掘調査等の事業化における基盤調査に対して十分な費用 を充当し、更なる戦略的な研究開発を行うことを期待する。 (改善のポイント) 試作機の完成にまで、至っていることから本プロジェクトにおいて 資金は十分活用されている。本研究開発分野は技術進歩が著しい分野 であるため、最終的な実用化の出口、市場動向について柔軟かっ迅速 に対応していくことが肝要である。費用面においても十分な措置をと りながら今後更なるプロジェクト発展・推進が行われることを望む。 評価 o 他に優れる
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他に劣るE. プロジェクトの開発研究計画に照らした開発研究の進捗状況に係る評価等
1
.開発研究の進捗状況(当 I (優れている点)
初の開発研究計画に照ら|
高画質・薄型超大画面プロジェクションディスプレイを開発する非
した開発研究の進捗状|常に挑戦的なテーマに取組んでいる。リアプ口、ジェクターにおける従 況) 2. 研究者の育成状況 (各種研究員の受入れ状況 等を含む。) 来の課題やその解決策を明らかにし、「高性能スクリーン J 、「薄型投 写光学系 j のそれぞれの基盤技術の新規提案・試作、基本動作の確認 まで行い、順調に成果をあげている。 新技術に対する 13 件の課題(要素技術)についてついては、過去 5 年間で既に 11 課題が達成されており、実際にそれらの技術を取り 入れた完成度の高いリアプロを試作して高い評価を得ている。また、 未達成の 2 課題についても、 1 つは代替技術で解決、 1 つは解決の見 通しを立てている。その後、対角 80inch 、奥行き 25cm の大画面薄 型リアプロジェクションの試作機を完成させている。また、スクリー ンの製作においては、従来にない独自の材料・デバイス設計、その評 価装置開発まで一貫して研究し、高画質化に重要な特性となる広視 野・高コントラストの基本性能を得ており、実用化の可能性を見出し ている。さらにリアプロジェクターの戦略的な市場開拓に向け、超薄 型光学システム開発の高い目標を新たに設けて見直しを図るなど、外 部動向と実用面も考慮して計画を進めている。 (不十分な点) 本プロジェクトで扱っている大画面薄型リアプロジェクションを 製品化に向けていく事、スクリーン技術・薄型化技術の優位性を明確 に示すための技術評価や、最終段階でのシステム化、画質評価の研究 が今後求められる。民生用途から業務用途へ事業化方針を転換した が、業務用途において求められる性能が設定目標と合致しているかが 一部不明瞭である。 (改善のポイント) 個別の要素技術が高い完成度を得ていることから、ディスプレイ以 外の分野への当該要素技術の適用可能'性について更に検討し技術改 良を行うことで新たな展開に繋がると考えられる。なお、今後、開発 技術の優位性を示すためにもスクリーンの MTF 評価においては、従 来スクリーンとの比較、厚み依存性、多層構造の評価を確認する必要 があろう。また、色シェーディング評価も必要と思われる。 評価 o 他に優れる/
他に劣る (優れている点) 大学発のプロジェクションディスプレイ関係のプロジェクトと しては先駆け的な取組であり、若手研究者の育成が大きく期待される プロジェクトである。最終報告書では記されていないが、中間評価で はプロジェクトに加わった博士課程後期 3 年生は、特許出願(発明 者の一員) 12 件、博士課程後期 1 年生は、特許出願(発明者の一員) 9 件の業績を上げていることなどが報告されている。このように若手 研究者がプロジェクトに関わり、種々のアイデアを基に知財権を獲得 している点、若手研究者の養成は評価できる。 平成 18 年度以降、毎年民間等共同研究員が 7 名参画していること、 - 21-3. 国際交流の状況 更に平成 19 年度、 20 年度にはポスドクがそれぞれ 2 名、 3 名参画し ていることは百平イ面できる。 上述のように、若手研究者が材料開発・電気電子デ、バイス・光学設 計・評価技術等、各自の専門分野のみならず多分野にわたる総合的な 知見が本研究開発遂行により各研究者に蓄積されたことは大きな意 義を持っと考える。また本プロジェクト中での特許出願、市場調査等 により、事業化における特許の重要性、研究開発成果の市場での位置 付け等を学んだことは、研究者としての器を大きく成長させる糧にな ったと考えられ、大きく評価できる。 (不十分な点) 本プロジェクトによる修士号取得者は平成 18 年度 1 名、平成 19 年度 2 名でああり、博士号取得者が出ていなし、。早期における若手 研究者の育成の点で少ない。 (改善のポイント) 研究者の実績を作る観点からも、論文・学会発表を多く行うことが 必要である。ただし事業化戦略においては情報の早期漏洩も適切では ないことから、技術の確立(特許等)と外部への成果公開を戦略的に 行う仕組みを考える必要がある。若手研究者自身が学術の振興へ貢献 していくには、ある程度知財化が行われたところで公開することが望 まれる。学生の場合、学位取得に際して、大学側が公表実績だけでな く、学生自身の能力や実績の評価関数を有している必要があろう。ま た、受け入れる社会でも知財権を始めとする多様な評価関数を有する とともに、人材としての有用性を判断する評価基準の明確化が求めら れる。そうした取組みに果敢に挑戦していることは高く評価される。 現在、修士課程および博士課程の学生がメンバーとして参加してい るが、人材育成の観点から、若手研究者の論文・学会発表は不可欠で ある。教育機関である大学という観点からもプロジェク卜開発スケジ ュールと学生の研究機関とを整合を取り推進する必要がある。 一方、企業からの研究員については評価項目としてスキルアップ、 特許、論文、事業化等が考えられる。所属企業において認められる成 果が何であるかについて、優先度を付け個別に育成・評価する必要が あると思われる。 評価 o 他に優れる
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他に劣る (優れている点) プロジェクトのメンバーは、関連分野の国際会議での招待講演、学 会講演を積極的に行っており、画像ディスプレイの分野では、内外に 非常に高いアクティビティを有している。 (不十分な点) 「国際ディスプレイワークショップ 2005J における招待講演、一 般講演ならびに学術討論があるものの、本プロジェクトの研究内容に 関しては、国際会議等での外部発表はないのが現状である。これは研 究開発課題の特質、および潜在競争力を確実に留保するために、情報総括 E 上記 1. -3. までの評価 に基づき当初の開発研究計画 の進捗状況を中心に評価する こと。 公開を最小限に抑えてきたためと思われる。 (改善のポイント) 本プロジェクトは、日本の国際競争力を飛躍的に高める目的をもっ てなされるために、海外への情報流失を抑える政策を取っており、評 価される。今後は特許出願など知的所有権を担保したものから、しか るべき時期に、本プロジェクトの情報発信を戦略的タイムリーになさ れることを希望する。 評価: 他に優れる
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他に劣る (優れている点) 非常に挑戦的な研究テーマにもかかわらず、限られた予算と人員の 中で、その開発目標・課題を明確にして取組んでおり、研究成果も中 間目標を十分に達成していると評価する。開発計画も外部動向・実用 化を考慮して巧く変更されている。また、個別要素技術のそれぞれが 確立されており、新しい技術領域を開拓することを期待させる成果で ある。 市場動向が急激に変化し、かっ統合的な技術を要する困難なテーマ に対し、各要素技術の確立から統合・評価までのプロセスを綿密に計 画し実行しており、複数種の試作機を作製することで具現化、実証を f了っている。また事業化としてのターゲットを情勢にあわせながら適 切に選択し、高い目標値でありながらほぼ目標を達成したことは大き く評価できる点である。さらに各要素技術が高い完成度を得ているこ とから、ディスプレイ以外の分野への新規展開も期待できる。 大学発のプロジェクションディスプレイ関係のプロジェクトとし ては先駆け的な取組であり、若手研究者の育成が大きく期待される。 プロジェクション技術は、材料・デバイス・光学・映像信号処理・シ ステム設計・視覚評価までと幅広い分野を網羅しており、将来の映像 情報分野における研究者育成に好適である。 (不十分な点) 過去 5 年間、潜在競争力を確実に留保するために、情報漏洩の防 止を目的とした戦略からやむを得ない状況であるが、国際的な学術成 果の発信(学会発表、論文)が少ない。 (改善のポイント) 学術成果の国際発信を行う上での戦略的な重要技術の確保手段 (特許、ノウハウ等)・実施体制を確立し、時期を逸せず有効な形で 発表できる体制作りを今後期待したい。また研究者の育成においては 大変有効なテーマ設定、運営手法であるため、本方式の更なる展開を 望みたい。また市場動向をふまえながら製品ターゲットに合わせた目 標値の設定変更を随時行うことが更なる価値の向上に繋がると思わ れる。 評価:1
1. 大変良い 23-N. 総合評価 2. 良い 3. 普通 4. やや不十分 5. 不十分 総括 I-m を踏まえ、本プロジェクトを総合的に評価すること。 0 プロジェクトの背景と位置づけ 高品位大画面ディスプレイとして、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイが急激な成長を遂げ 市場に展開している。その中、リアプロジェクションディスプレイのシェアが低下している。この主 な理由は視野角が狭いことと解像度が十分でないことに加え、奥行きが厚いことである。このような 背景の下、本プロジェクトは、独自の要素技術を開発することでこれらの課題を解決し、大型適性・ 低消費電力といったリアプロジェクションディスプレイ本来の特長を最大限生かした高画質(高精 細)・広視野角・省電力の薄型・大画面ディスプレイの開発に挑戦している。 0 プロジェクトの成果 本プロジェクトでは 平成 16 , 17 の 2 年間に 民間企業と共同で、高精細・広視野角のスクリー ンの開発をほぼ完成するとともに、薄型化に不可欠な光学系の要素技術についても独自の技術を開発 して多くの特許出願をしている。また、実際にそれらの技術を取り入れた完成度の高いリアプロジェ クションディスプレイを試作して好評を博し、その結果として平成 18 年より、薄型化技術を有する 高分子メーカー、光学系メーカ一民間 2 社との新規共同研究プロジェクトを発足させた。平成 18 年 度からは「リアプロジェクションディスプレイに残された最後の課題である薄型化を実現する」こと を主な目標とし、これを達成するために必要である超薄型光学系に関する高度で独自の基盤技術を、 共同研究プロジェクトで目標のほぼ 100% 開発し、 62 型 '""82 型の試作機では薄型化の目標値を達成 するとともに、画像特性の各項目でも目標の 100%'""80% の性能を達成している。当初目標としたコ ンシューマー向けの TV としての展開は、この間におけるリアプロジェクション TV の市場からの撤退、 液晶、プラズ、マ、有機 EL の急速な発展など環境の変化で極めて難しい状況になっていると思われる。 このような背景の下、プロジェクトの主な目標を高画質・高精細画像を実現しうる業務用超大画面デ ィスプレイとし、その難点となる膨大な消費電力と本体重量を解決しうる方式として研究方針を修正 しつつあること、また、業務用を目指した 148 型の超大画面リアプロジェクションの試作に成功して いることなどは高く評価される。 研究開発に関しでも、原理・原則をふまえたアプローチを各要素技術開発から統合・評価まで複数 企業と有機的な連携を取りながら一貫して行っており、適切に資金を活用しながら複数種の試作機作 成・評価を行うことにより実証し、高い目標値を達成している。また各要素技術は高い完成度を実現 しており、ディスプレイ以外の多分野への展開が期待される。プロジェクション・ディスプレイ市場 にとっては厳しい情勢の中、液晶ディスプレイ・プラズマディスプレイでは優位性を発揮することが 困難な業務用の高品位超大型ディスプレイ分野や、近年急速に認知されてきているデ、ジタルサイネー ジ分野への方針転換を適切かっ有効な方法で、行っており、市場動向を見据えた実効的な研究開発がな されたことが大きく評価できる。また、本研究開発へは企業研究員、ポスドクが多く携わっており、 多岐にわたる知見が各研究者に蓄積されたことにより即戦力としての育成効果が期待できる。 0 国際競争力の醸成と戦略 本プロジェクトに関わる東北大学の研究者は、この分野では種々の研究成果を挙げてきており、そ の実績から海外企業も注目している。その上で非公開の戦略を立てていることは評価に値する。研究 テーマが実用化に直結しやすいことから、大学の存在を高める意味において、また、共同研究企業に とっても研究途上でのこの戦略は重要と思われる。また国際的な潜在競争力の確保から、情報公開を 適正に判断し調整しつつ、着実に特許を出願し技術保有を進めている点は急激な進歩を遂げるディス
プレイ分野での研究開発において大変有効な戦略であると評価できる。 なお、これまでは研究課題の特質および潜在競争力を確実に留保するために、情報公開を最小限 に抑えてきたことから、本プロジェクトに関する論文・著書の発表、各種表彰・賞・招待講演、国際 交流などについてのアウトプットが少ない。今後し、かに技術力保持と公開による地位向上・市場ニー ズ発掘とを両立するシステムを構築できるかが課題である。 また市場調査・技術分析による生産性・コスト面における優位性検証についてもプ口、ジェクト早期 から検討することにより実用化がより確実なものとなると考える。現在「省エネルギー型デ、イスプレ イ」として進行している次プロジェクトにおいて、助成事業者 1 社と共同研究を継続・発展している ことから、上記課題の解決に向け、今後の成功モデ、ルとなるよう取り組んで頂きたい。 0 プロジェクト評価 以上の観点から、上述の過去 5 年間の成果を基に、今後の新規のプロジェクトで、目標としている 知的所有権で守備された新規・次世代業務用リアプロジェクションディスプレイを実用化し、我が国 の産業技術の国際競争力に大きく貢献する可能性は大きいと判断される。本研究開発において実現し た大画面高品位薄型リアプロジェクションディスプレイは高い完成度を持ち、新産業分野創出におい て大変有効な成果であるといえる。同時に相対的に競争力が低下している日本のディスプレイ技術産 業において人材面を含め大きな貢献ができると判断する。 (全体に対するコメント) 0 戦略に関する評価手法 各項目において他との比較において 2 者択一評価を求める項目については判断に臨時することが多 かった。 4 段階、あるし、は 5 段階程度の幅を持った選択肢の方が馴染むのではないだろうか。 書面審査は、主に研究成果の公表などの客観データを基づき行われる。本件のように、国際戦略上 機密情報を考慮したプロジェクトの場合には、通常の評価項目によらない何らか別の手立てが必要で あろう。現状の評価方法では、達成度の評価が暖昧になる懸念がある。別途、評価項目・方法を検討 する必要がある。その評価に当つては、本フォーマット以外の客観評価手段を整備する必要があろう。 本プロジェクトのように、我国の国際競争力を高めるためには、ロイヤリティ重視の戦略フO ロジェク トがあっても良い。既存の評価基準にこだわらない新規の取組が望まれる。 0 研究開発プロジェクト成果の事業化への展開 産学連携プロジェクトでは要素技術の確立や製品化プロトタイプ製作による具現化・実証が一つの 目標であるが、事業化、製品化には信頼性評価、販売スキーム確立、(設計・製造)責任体制明確化 等の次なる課題が待っており、大きな障害となっている。本テーマに限ったことではなく全体の問題 として、実用化への道程を確実にするために大学・企業の役割を明確化しつつ新たな連携を模索し、 上記課題を早期に検討できるようなスキームの構築がなされることにより、有益な技術が広く日本か ら発信され普及できる環境が整備されることを望む。 F h u つ山
研究プロジェクト評価書面審査表〈まとめ〉 (@印は書面審査要員の代表の方を褒します〉