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最終決定

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Academic year: 2021

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課題 表現活動を取り入れたよりよい生き方を考える道徳学習

柳川市立 三橋中学校 第 3 学年 4 組 道徳学習指導案 1 主題名 自主自律1-⑶「最終決定」(『モラルジレンマ資料と授業展開』明治図書) 2 指導観 ○ 道徳教育は,人間が本来もっている人間としてよりよく生きたいという願いやよりよい生き方を 求め実践する人間の育成を目指し,その基盤となる道徳性を養う教育活動である。よりよい生き方 を目指し自分で考え,自分の意志であるとの自覚に至れば,人間はそれに対して責任をもつように なり,生涯において何かをなすときも,それを実行できるようになる。そのような自分の行動に責 任をもち目標に向かって進むところに達成感や満足感を覚えることができ,またよりよい生き方を 実践できたと感じることができるのではないかと考える。 一方,道徳的価値観の形成を図る上で,「書く活動や語り合う活動など自己の心情・判断等を表 現する機会を充実し,自らの道徳的な成長を実感できるようにする」ことが求められている。しか し,人間は将来の展望を持つことができずに,本能や衝動に押し流され,自分の考えや意見に従っ て行動してしまうことがあったり,自己の心情・判断を周囲の人に表現することに,自信を持つこ とができずに,心の中に押し込めてしまい,道徳的な成長を実感できる機会を逸してしまうことが ある。そこで私は,道徳教育の自主・自律の価値を「周囲の考えや意見を参考にしながら,主体的 に自分が進む方向を決定すること。責任の価値を,自分の決定に後悔することなく自分も周囲も納 得できるように,努力して前向きに取り組んだり行動したりすること」ととらえ,学習することが 大切であると考えた。 ○ 本学級の生徒は,自分の意見や考えをまとめたりそれらを発表したりすることを苦手とする傾向 にある。実際に 4 月の道徳授業での感想部分は,73%の生徒が単文または,未記入であった。7 月 の道徳授業での感想の単文,未記入生徒は 41%に減っているものの半数近くの生徒が自分の気持ち や考えを表現することにためらいを感じていることが伺えた。「道徳の時間は好きですか。」という アンケートの結果によると,「とても好き」が 16%,「だいたい好き」が 34%,「あまり好きではな い」が 37%,「きらい」が 13%と,好き・きらいが半々に分かれている。好きな理由として,「資 料の話が好き・自分の考え方や生き方が分かる」,きらいな理由として,「資料を読むことがめんど うくさい,考えをまとめたり発表したりすることが苦手」などとあげている。また,「自分が行う ことには,結果まで考えて,行動することはできますか。」の質問に対しては,27%の生徒が「あ まりできない・できない」と答えている。実際の学校生活を見ていると,周囲の思いがわからずに, 後先を考えずに,衝動的に行動したことで反省をする生徒や反対に自分の考えに自信を持てずに周 囲の考えや意見に左右され,思い悩む生徒もいる。このことから,生徒は自分の内面をゆっくりと 見つめて考えて行動したり,考えたことを周囲の人と交流することを苦手としていることが伺える。 ○ 本時では,生徒の興味を引きそうな身近な進路選択を題材にした資料「最終決定」を活用する。 本資料の主人公の葛藤を用いて自分が行きたい高校と,親が勧める高校のどちらを選択するべきか 悩む主人公の気持ちに共感させながら,自分自身の内面を見つめなおす場や,少人数からクラスの 中での交流にステップアップする場を設定していけば,自分の気持ちや考えを表現しやすくなり道 徳への関心が高まると考える。その際,周囲の考えや意見を参考にしながら,自主的に考え行動す ることの大切さに気付くことをねらいとする。 そのために,次のような手だてを考える。 ・自己の内面を見つめなおすために,自分ならどちらの高校を選ぶか,またその理由をワークシー トに記入する場を設定する。 ・友だちと考えや意見との交流を深めるために,①クラス内交流をする際に意見や考えを述べやす くするために,また全員が発言の機会を持つことができるようにするために,ペアで自分の考え や意見の交流をし,②クラス全体で交流することができるように,黒板の A 高校,B 高校のいず れかを選び,自分の立場を表明するネームカードを貼り,理由を発表し合う場を設定する。 ・主人公の周囲の考えを理解するために,父が B 高校をすすめる理由を考える場を設定する。 ・自分の決定に自信をもち,進んでいくことができるように「手紙~十五の君へ~」の音楽映像を 見る場,教師の体験を聞く場を設定する。 3 本時 平成 20 年 11 月 13 日(木) 第 5 校時 於 第 3 学年 4 組教室 4 ねらい ○周囲の考えや意見を参考にしながらも主体的に考え,行動することの大切さに気づくことができる。 5 準備 ・資料「最終決定」 ・A高校とB高校のイラスト ・ネ-ムカ-ド ・「手紙」の音楽ビデオ ・ワ-クシ-ト

(2)

6 指導過程 学習活動・内容 指導上の留意点 1 本時の学習内容を確認する。 ⑴「進路選択」について考える。 教師の中学 3 年生の,三者面談のときの体験を話 す。 【補助発問 1】 「三者面談後に,親が言った言葉を考えよう。」 ⑵めあてを確認する。 2 資料「最終決定」を読み,友子はどちらの高校を 選択すべきか,またその理由を考える。 ⑴資料を読む。 ⑵A 高校と B 高校の違いを確認する。 A 高校 ・演劇部がある。 ・ピアノ練習に通いやすい。 ・校風がすき。 B 高校 ・経済的に楽。 ・大学の進学費用を貯めることができる。 ・父もいとこもみな進学していた。 【基本発問 1】 「友子は A 高校にすべきか,B 高校にすべきか。そ れは,なぜか?」 ⑶選択し,理由を考える。 ⑷ペアで考えを述べ合う。 ⑸自分の選択を表すために,黒板にネームカードを 貼る。 ⑹クラスで交流する。 3 父の思いと友子の思いを考える。 【基本発問 2】 「父は,どうして友子にB高校をすすめるのだろ う?」 ⑴父の気持ちを考える。 ・大学に行かせたい。(経済的事情) ・友子の幸せ。 ⑵友子の気持ちから見た両高校の特徴と,父の気持 ちから見た両高校の特徴の違いを考える。 【基本発問 3】(中心発問) 「友子が進路を決定するときに,何を大切にしたら よいと思いますか?」 ⑴ワ-クシ-トに,記入する。 ⑵アンジェラ・アキの「手紙~十五の君へ~」を聞 く。 4 本時を振り返る。 ⑴教師の体験の続きとして【補助発問 1】の答えを 聞く。 ⑵本時の感想を書く。 ○本時への関心を高めることができるよう に教師の体験を聞く。 ○身近な問題として考えることができるよ うにするために教師の体験談から【補助 発問1】を行う。 ○めあてを認識するために,ワークシート に記入させる。 ○友子の気持ちに共感しやすいように,両 高校の特徴を抜き出し,板書する。 ○自己の内面を見つめなおすために,自分 ならどちらの高校を選ぶか,またその理 由をワークシートに記入する場を設定す る。 ○クラス内交流をする際に,意見や考えを 述べやすくし,全員が発言の機会を持つ ことができるようにするために,ペアで 交流をする。 ○クラス全体で交流することができるよう に,黒板の A 高校,B 高校のいずれかを選 び,自分の立場を表明するネームカード を貼り,理由を発表し合う場を設定する。 ○主人公の周囲の考えを理解するために, 父が B 高校をすすめる理由を考える。【基 本発問 2】 ○両高校ともによさがあることに気づくこ とができるように友子の視点,父の視点 から見た両高校の違いを対比させて,板 書する。 ○周囲の気持ちを大事にしながらも,自分 の決定に責任をもって生きていくことの 大切さに気づくことができるように,【基 本発問 3】を行う。 ○よりよく生きていく心情を高めるため に,アンジェラ・アキがこの歌を作った 経緯と,歌詞の内容にふれ,「手紙~十五 の君へ~」の音楽映像を見,教師の体験 談の続きとして【補助発問1】の答えを 聞く。

友子の進路選択を考えよう。

(3)

道徳ワークシート

「最終決定」

めあて

1.友子は A 高校にすべきか、B 高校にすべきか。それは、なぜか?

2.

3.

4.

3年( )組 ( )番 氏名( )

( ) 高校

理由は・・・

(4)

道徳ワークシート

「最終決定」

めあて

友子の進路選択を考えよう。

1.友子は A 高校にすべきか、B 高校にすべきか。それは、なぜか?

2.父は,どうしてB高校をすすめるのだろう?

3.

友子が進路を決定するときに,何を大切にしたらよいと思いますか?

4.感想を書きましょう。

3年( )組 ( )番 氏名( )

A:親の気持ちを大事にしながら,自分の意志で決定する。

B:親の気持ちを大事にして考える。/自分の意志で考えて決定する。

C:A/Bどちらでもない。

・友子の幸せを考えている。

・大学に行かせたい。

・もっと勉強させたい。

・お金のため。

(A/B) 高校

理由は・・・演劇部があるから、ピアノの練習に便利だから、

校風が好きだから

/経済的に楽、父もいとこも通っている、大学資金を貯めること

(5)

「最終決定」

(『モラルジレンマ資料と授業展開』明治図書)

明日は進路決定の最終確認書を提

出しなければならないという日,友子

はまだ迷っていた。そう,友子は入試

を直前に控えた受験生なのである。

親友の尚子は,私立のA高校を受験

することに決定していた。友子も自分

の性格に合うのはA高校だと思って

いた。大好きな演劇もできるし,毎週

通っているピアノの練習場所にも近

い。また,何よりも「受験,受験」と

勉強ばかりにしばられない校風が好

きだった。それだからこそ,できれば

親友の尚子と同じ高校に進学したい

と以前から考えていた。

しかし,家庭の経済的事情が私立高

校進学を許さないことも承知してい

た。友子はすぐ下に 2 人の弟妹をもつ

長女という立場であり,家も新築した

ばかりであった。

両親は,県立のB高校を強く希望し

ていた。それは経済的な事情というこ

ともあったが,友子の大学の進学資金

を貯めておきたいということ。また,

父親がB高校の出身であり,いとこた

ちもみなB高校に進学していたこと

も大きな理由であった。両親にしてみ

れば,わが子も同じB高校に行くこと

を切望していたのである。

この数週間,友子は父と進路希望の食

い違いで,険悪な仲になっていた。父

は,

「どうしてもA高校への進学は

認めない。

」と言う。友子がA高校へ

の進学をあきらめずに訴えるので,母

は,

「私がパートに出るから。

」と,応

援してくれるようになった。けれど,

父は頑として同意しない。父の言うこ

とはわかる。確かに自分も我がままだ

とは思う。

しかし,

「受験受験」でしばられる

B高校への進学には,どうしても応じ

られない。入学以前に課題を出され,

入学早々から早朝と放課後に課外授

業が始まるのだ。それに,

「今の状態

だとB高校への進学が難しい。頑張ら

ないと…。

」と担任に言われた言葉も

気になっていた。

最終の三者面談は両親共々参加し,

担任と四者面談となった。話し合いが

行き詰まったとき,なげやりに突然,

友子は「A高校がだめなら,県立のC

商業高校にする。

」と言い出した。担

任は,

「自分のやりたいことにつなが

るのかよく考えてのことか。

」とたし

なめている。父は,

「B高校にしなさ

い。

」と言い張り,結局,その場では

結論はでなかった。

友子は,父と険悪な仲になってしま

っていたものの,自分も家族も納得で

きる進路選択をしたいと悩み続けて

いた。

【いよいよ今日は,最終確認書の提出

日である。友子はA高校にすべきか。

B高校にすべきか。それはなぜか?】

(6)

教師の体験談

私は,あなたたちと同じ中学 3 年生のときに,自分の進路について悩んでい

ました。

人とかかわることが好きだったので,そういったことを勉強することができる

ところに,進学したいと思っていました。看護師・保育士・介護福祉士・フラ

イトアテンダント…

どれにも興味がありました。そのために,看護科のある高校に進むか,普通

科に進学してから,保育士や介護福祉関係の勉強をする道に進むか・・・

悩む私に,両親はあることを言いました。

【補助発問 1】

「なんと言ったでしょうか?」

答えは,授業の最後に話しますので考えておいてください。

実は私は,この友子さんと似たような経験をしています。

私立高校の衛生看護科にすすんで,看護師になることもいいなぁと思いなが

ら,そのころ父親の仕事がうまくいっていなかったので,普通科のある公立高

校に進学したほうが経済的には楽になることもわかっていました。

悩む私に両親は,

「お金は,働いてどげんでんするけん心配するな。本当に自

分がやりたいことができる道に進むことが大切だ。その代わり,一度決めたら

自分が決めた道でがんばる事が大切だ。

私は,自分で決めた道で努力することが大切。

そしていつでも,応援してくれる家族や周囲の人がいる。ということに感謝

しなくてはいけないということを学びました。

(7)

高校のイラスト

高校のイラスト

参照

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