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開発のレギュラシオン負の奇跡・クリオージュ資本主義

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全文

(1)

開発のレギュラシオン負の奇跡・クリオージュ資本

主義

著者

佐野 誠

76

発行年

1999

URL

http://hdl.handle.net/10097/14792

(2)

学 位 の 種 類

士(経 済学)

学 位 記 番 号

第76号

学位授与年 月 日

平成11年5月20日

学位 授与 の要件

学位規則第4条 第2項 該当

学 位 論 文 題 目

論 文 審 査 委 員

開 発 の レ ギ ュ ラ シ オ ン 負 の 奇 跡 ・ク リオ ー ジ ュ 資 本 主 義

(主査)

国 と時 代 に よ って 異 な る開 発 途 上 地 域 の多 様 な経 済 進 化 経 路 を 、 政 治 的 ・社 会 的 な利 害 関 係 や そ の 制 度 的 な妥 結 の あ り方 に着 目 しな が ら考 察 す る こ とが 、 学 派 を 問 わ ず 一 般 に開 発 経 済 学 の 先 端 課 題 の1っ とな って きて い る。 「開 発 の 政 治 経 済 学 」 と総 称 で き る こ の ア プ ロ ー チ に も とつ い た 理 論 的 お よ び実 証 的 な研 究 は、 わ が 国 で は未 だ蓄 積 に 乏 しい 。 本 論 文 は、 この 欠 落 を 埋 め よ う とす る数 少 な い 先 駆 的 な試 み の1っ で あ る。 本 論 文 の 主 題 は次 の3っ に 大 別 さ れ る。 第1に 、 「開 発 の 政 治 経 済 学 」 の 潮 流 に 属 す る諸 派 開 発 理 論 の 成 果 と課 題 を 、 レギ ュ ラ シオ ン ・ア プ ロ ー チ ほ か 広 い 意 味 で の ラデ ィ カ ル 派 の そ れ に そ く し て 整 理 ・検 討 して い る。 政 治 経 済 学 的 な 問 題 構 成 を 比 較 的 早 くか ら徹 底 して き た の は ほ か な ら ぬ 同 派 の諸 理 論 だ か らで あ る。 これ は第1部 第1章 に相 当 す る。 第2に 、 以 上 の理 論 的 考 察 を踏 まえ な が ら、 南 米 ア ル ゼ ンチ ン に特 有 の 経 済 進 化 経 路 と そ の 規 定 要 因 を 長 期 的 な視 野 か ら実 証 的 に考 察 して い る。 これ が 本 論 文 の 主 要 部 分 を な す 。 ア ル ゼ ン チ ンを 実 証 研 究 の 対 象 と した の は、 同 国 が 経 済 開 発 史 上 稀 に み る 「負 の奇 跡 」(長 期 に わ た る相 対 的 ・絶 対 的 な 経 済 衰 退)を 演 じて き た一 つ の 特 異 な 「種 」 で あ り、 経 済 進 化 の歴 史 的 個 性 と い う問 題 性 を 劇 的 な 形 で 顕 示 して い るか らで あ る。 ま た、 ほ か な らぬ この 稀 有 の経 済 進 化 経 路 が 現 に す ぐれ て 政

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治 的 ・社 会 的 な 利 害 関 係 と そ の制 度 的 調 整 の あ り方 に依 存 して お り、 ま さ に 「開 発 の政 治 経 済 学 」 の 典 型 的 な 例 解 に な り う る と考 え た か らで あ る。 実 際 、 本 論 文 で は、 特 に 戦 後 に お け る ア ル ゼ ンチ ン経 済 の 退 行 の 原 因 を、 さ ま ざ ま な レベ ル の 諸 制 度 とそ こ に 導 い た 利 害 関 係 と の総 体 に求 め て い る。 ア ル ゼ ンチ ンの 場 合 、 内 外 に わ た る コ ン フ リク トが 必 ず し も経 済 合 理 的 に 妥 結 しな か っ た か 、 あ る い は そ もそ も安 定 的 な形 で 制 度 化 す る に さえ 至 らな か っ た の で は な いか 。 これ が 本 論 文 の 第H部 第 2章 ∼ 第5章 の 主 要 仮 説 に ほか な らな い。 第3に 、 以 上 の理 論 的 ・実 証 的 考 察 の結 果 が 日本 の 国 際 開 発 政 策 の 方 向 性 に対 して もち う る イ ン プ リケ ー シ ョ ンを簡 単 に 論 じて い る。 関 連 して 、 日本 の 開 発 経 済 学 の あ り方 につ い て批 判 的 に 考 察 して い る。 第 皿 部 終 章 に 相 当 す る。 以 下 、 各 章 の 内 容 を順 に要 約 す る。 序 論 本 論 文 の 課 題 を論 じ、 論 文 の構 成 と 内容 を 略 述 して い る。 第1部 方 法 論 の 抽 出 第1章 開 発 の 政 治 経 済 学 従 来 の 開 発 理 論 の 再 検 討 を 通 じて 本 論 文 の方 法 論 を抽 出 す る こ とが 、 こ こで の 目的 で あ る。 まず 1970年 代 ま で の 諸 派 開 発 理 論 は い ず れ も方 法 論 的 普 遍 主 義(オ ミナ ミ)に 陥 って お り、 い わ ゆ る近 代 化 論 も これ に 対 抗 した 従 属 理 論 も同 断 で あ る、 と批 判 す る。 さ ら に、 開 発 途 上 国 の経 済 進 化 の 多 様 性 を 捉 え よ う と し た、 そ の 後 の 研 究 成 果(と りわ け 日本 の 開 発 経 済 学 に よ る そ れ)を 検 討 し、 そ の 限 界 を 乗 り越 え る もの と して 「開 発 の政 治 経 済 学 」 を 位 置 づ け る。 レギ ュ ラ シオ ン ・ア プ ロ ー チ ほ か 諸 派 の 成 果 と、 そ こ に残 さ れ た課 題 を 整 琿 した6次 章 以 下 で は、 これ らを 踏 ま え た 実 証 研 究 を 展 開 して い く。 第H部 ク リ オ ー ジ ョ 資 本 主 義 ア ル ゼ ン チ ン の 政 治 経 済 進 化 第2章 黄 金 時 代 か ら構 造 的 危 機 へ19世 紀 末 ∼ 戦 間 期 温 帯 農 業 国 ア ル ゼ ンチ ンが 世 界 の 富 裕 国 の1っ に 数 え られ て い た、19世 紀 末 か ら20世 紀 前 半 まで の 時 期 を 対 象 と して い る。19世 紀 末 か ら第1次 大 戦 ま で は文 字 ど お りの 黄 金 時 代 だ った が 、 戦 間 期 に は成 長 率 も低 下 し、 戦 後 の 「衰 退 」 の 兆 候 が 現 れ て く る こ と を 、 内 外 に わ た る利 害 関 係 や 制 度 構 造 と の 関 連 に お い て 実 証 的 に 考 察 した。 こ こで は国 際 体 制 の あ り方 と'それ が 成 長 軌 道 に 与 え た影 響 が 中 心 的 な論 点 と な る。 第2章 補 論 外 向 的 な 成 長 体 制 の モ デ ル 第1次 大 戦 ま で の 外 向 的 な 成 長 体 制 に お い て 輸 出 と外 国 投 資 が 果 た した 役 割 を、A・G・ フ ォ ー ドの 古 典 的 モ デ ル に し たが っ て解 説 して い る。

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第3章 戦 後 の 退 行 的 進 化1945年 ∼1975年 第2次 大 戦 後1970年 代 前 半 ま で の 時 期 を 扱 って い る。 ペ ロ ン政 権(1946∼55年)以 降 、 ア ル ゼ ン チ ンが い わ ゆ る輸 入 代 替 工 業 化 の 道 へ と本 格 的 に乗 り出 し、 絶 対 的 に は そ れ な りに 内 包 的 な 成 長 を 遂 げ な が ら も、 他 の 多 くの 国 々 との 関 係 で は相 対 的 に 「衰 退 」 して い っ た の は な ぜ か 。 この 点 にっ い て 賃 労 働 関 係 を 中 心 に考 察 して い る。 農 牧 業 を含 む そ の他 の諸 制 度 にっ いて も補 足 的 に考 察 した。 こ の 時 期 の 制 度 構 造 総 体 は、 不 完 全 だ が 一 応 は 独 占 的 な賃 労 働 関 係 とそ の他 さ ま ざ ま な諸 制 度 と の 退 行 的 な 異 種 交 配 に よ って 特 徴 づ け られ る。 こ の ペ ロ ニ ス タ ・パ ラ ダ イ ム こ そ が 問 題 な の で あ って 、 輸 入 代 替 工 業 化 戦 略 そ れ 自体 の 限 界 や 「誤 り」 を 強 調 す る従 来 の 見 方 は、 一 面 的 にす ぎ るの で あ る。 第3章 補 論1973年 産 業 連 関 表 に よ る 構 造 分 析 1973年 産 業 連 関 表 の 構 造 分 析 結 果 を紹 介 す る こ とに よ り、 本 論 の成 長 体 制 分 析 を補 足 して い る。 分 析 手 法 は ご く簡 単 な もの だ が 、 管 見 の 限 りで は 、 この 程 度 の も の で も類 似 の研 究 成 果 の 数 は限 ら れ て い る。 第4章 レ ギ ュ ラ シ オ ン の 昏 迷1976年 ∼1989年 … 1976年 ∼1989年 の 時 期 を 扱 う が、 最 後 の部 分 で1990年 代 へ の 展 望 も簡 潔 に 論 じて い る。 こ こで は 絶 対 的 な衰 退 や 高 率 の イ ン フ レが 問 題 とな るが、 これ を もた ら した の は レギ ュ ラ シオ ンの昏 迷 で あ っ た 。 ペ ロ ニ ス タ ・パ ラ ダ イ ム へ の攻 撃(1976∼83年 の長 期 軍 事 政 権)の 後 、 そ れ は部 分 的 に再 生 し たが 、 同 時 に 債 務 危 機 等 の 新 た な要 素 と の結 合 が み られ る よ うに な り(1983∼89年 の 急 進 党 政 権)、 結 局 、 持 続 可 能 な レギ ュ ラ シオ ンは 構 築 さ れ ず に 終 わ る。 そ の 帰 結 と して 、1989年 に は為 替 投 機 主 導 の 未 曾 有 の ハ イ パ ー ・イ ン フ レが 暴 発 す る。 こ の 「経 済 的 ク ー デ タ ー」 の 社 会 的 な 規 律 づ け効 果 を 前 提 と して1990年 代 に は ネ オ ・ リベ ラ ル革 命 が 断 行 さ れ、 ペ ロ ニ ス タ ・パ ラ ダ イ ム は最 期 を 迎 え た 。 しか し一 定 の経 済 回 復 の 一 方 で20%近 くの高 失 業 率 が 記 録 され る な ど、 真 に 持 続 可 能 な レギ ュ ラ シオ ンが 確 立 さ れ た の か 否 か 、 予 断 を 許 さ な い 。

第4章

補 論

重 債 務 開 発 途 上 国 の マ ク ロ政 治経 済

重債務開発途上国特有の政治経済的諸制約 をマ クロ的に定式化 し、本論 の叙述的分析を補足 して

いる。

第5章 「日 本 化 」 の 政 治 経 済 一 雇 用 関 係 か ら み た 生 産 性 問 題 一 特 に 第3章 で 明 らか に した よ う に、 ア ル ゼ ンチ ン資 本 主 義 の 弱 点 の1つ は生 産 性 問 題 に あ っ た。 こ の 問 題 に 関 して、 こ こで は 雇 用 関 係 に そ く した 考 察 を 行 って い る。 労 働 ・生 産 編 成 を め ぐ る労 使 妥 協 が 歴 史 的 に脆 弱 で あ った 経 緯 を 改 め て 振 り返 り、1980年 代 以 降 の 日本 的 な生 産 方 式 の 導 入 が そ こ に い か な る 影 響 を 及 ぼ して い るか を 解 明 した。 大 量 解 雇 を 厭 わ な い 、 権 威 主 義 的 な 「日本 化 」 の 政 治 経 済 に 光 を 当 て て い る。

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第 皿 部 何 を な す べ き か 終 章 異 端 派 総 合 ア プ ロ ー チ の た め に 以 上 に お け る 「開 発 の 政 治 経 済 学 」 の 理 論 と応 用 を踏 ま え た と き、 国 際 開 発 政 策 の あ り方 に っ い て何 を 示 唆 で き るか 、 そ の理 論 的 側 面 を論 じて い る。 日本 の 開 発 経 済 学 は 近 年 、 国 家 の 市 場 介 入 や 諸 制 度 の 重 要 性 を 強 調 す る な ど新 古 典 派 批 判 の ス タ ンス を 鮮 明 に して い るが 、 よ り本 源 的 な 問 題 で あ る社 会 的 ・政 治 的 コ ン フ リク ト とそ の妥 結 過 程(と りわ け賃 労 働 関 係)を 真 正 面 か ら見 据 え て い な い点 で 、 未 だ 現 実 感 覚 に欠 け て い る。 ま た コ ン フ リク トの 民 主 的 な 調 整 に つ い て も、 しば しば 消 極 的 で あ る。 多 様 な利 害 ・価 値 観 の民 主 的 な妥 結 とそ の 制 度 化 に セ ン シテ ィヴ な 異 端 派 総 合 ア プ ロ ー チ こ そ、 今 後 の 課 題 な の で あ る。

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

1980年 代 後 半 以 降 、 開 発 経 済 学 で は 新 た な研 究 潮 流 が 有 力 に な って き た 。 従 来 の 「政 府 」 あ るい は 「市 場 」 の 過 大 評 価 の 反 省 に 立 った 「開 発 の 政 治 経 済 学 」 で あ る。 こ の ア プ ロ ー チ で は、 個 々 の 途 上 国 の 歴 史 的 、 政 治 的 、 制 度 的 な 要 素 に 注 目 し、 「政 府 」、 「市 場 」、 「制 度 ・組 織 」 の相 互 関 係 を 総 合 的 に把 握 す る こ とが 重 視 さ れ て い る。 本 論 文 は、 レギ ュ ラ シオ ン ・ア プ ロ ー チ を 中心 とす る ラ デ ィ カ ル 派 ア プ ロ ー チ に 依 拠 しっ っ 、 こ う した 「開 発 の 政 治 経 済 学 」 の 展 開 を 試 み た もの で あ る。 論 文 は 、 方 法 論 に つ い て 述 べ た 第1部(第1章)、 ア ル ゼ ンチ ンを 対 象 に 実 証 分 析 を 行 っ た 第 皿部 (第2章 ∼ 第5章)、 そ して 国 際 開 発 政 策 の あ り方 に言 及 す る と と もに 、 わ が 国 開 発 経 済 学 に つ い て 批 判 的 に 考 察 した 第 皿 部(終 章)か ら構 成 さ れ て い る が 、 中 心 を な して い る の は第 皿部 で あ る。 本 論 文 の主 た る貢 献 は 以 下 の よ うな 点 に あ る。 第1に 、 第1次 大 戦 直 前 に は フ ラ ンス と並 ぶ 所 得 水 準 に あ った ア ル ゼ ン チ ン経 済 が そ の 後 、 相 対 的 ・絶 対 的 に 衰 退 して い っ た過 程 を 、19世 紀 末 か ら 1980年 代 ま で の長 期 に わ た って 実 証 的 に考 察 した こ と、 第2に 、 こ の 近 現 代 史 に稀 な 退 行 経 験 を レ ギ ュ ラ シオ ン ・ア プ ロ ー チ を 中 心 と し た接 近 方 法 、 す な わ ち 政 治 的 ・社 会 的 な 利 害 関 係 の調 整 の あ り方 を軸 と した分 析 手 法 で 解 明 した こ と、 で あ る。 ア ル ゼ ン チ ン経 済 の 長 期 的 な 分 析 は わ が 国 で は 乏 しか っ た だ け に 貴 重 で あ る が 、 第2の 点 は さ ら に重 要 で あ る。 特 に著 者 の 分 析 手 法 が 光 彩 を 放 っ て い るの は 、 第3章 「戦 後 の 退 行 的 進 化 」 で あ る。 そ こで は、 戦 後 多 くの途 上 国 に お い て 資 本 蓄 積 の 基 軸 が 工 業 に移 っ た こ とで 重 要 性 を もつ に至 っ た 賃 労 働 関 係 を 真 正 面 に据 え た 分 析 が な さ れ て い る。 賃 労 働 関 係 は レギ ュ ラ シオ ン様 式 の 核 心 を な す もの で あ る が 、 従 来 の 開 発 経 済 学 で は相 応 の 考 慮 が 払 わ れ て こ な か っ た と い う。 著 者 は、 こ う した 賃 労 働 関 係 を 中 心 に、 寡 占 的 企 業 構 造 、 集 権 的 金 融 制 度 、 国 内 工 業 保 護 な ど か らな る 「独 占的 レギ ュ ラ シオ ン」 の制 度 群 と、 大 土 地 所 有 に 制 約 され た 農 牧 業 の 制 度 ・組 織 、 分 裂 的 な権 力 バ ラ ンス な ど ア ル ゼ ン チ ン独 自(=ク リオ ー ジ ョ的)の 諸 制 度 と が 異 種 交 配 した と こ ろ の レギ ュ ラ シオ ン、 す な わ ち ペ ロ ニ ス タ ・パ ラ ダ イ ム に、 経 済 衰 退 の根 源 を み て い る。19世 紀 末 か ら第1次 大 戦 ま で の 「黄 金 時 代 」 と

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大 戦 間 期 の 「構 造 的 危 機 」 を対 象 と した 第2章 、 そ して1976∼89年 の 「ネ オ ・リベ ラ ル革 命 の 挫 折 」、 「レギ ュ ラ シォ ンの 昏 迷 」 を 扱 った 第4章 が そ の 前 後 に配 置 さ れ て い るが 、 い ず れ も構 造 ・制 度 の 諸 形 態 に 目配 り しっ つ有 機 的 な総 体 と して の レ ギ ュ ラ シオ ン様 式 が 分 析 され て い る。 決 定 的 な要 因 を 判 別 しに くい 印 象 も受 け るが 、 そ れ は有 機 的 な総 体 を 示 す こ と に本 ア プ ロー チ の 力 点 が 置 か れ て い る た め で あ ろ う。 この よ う に して 、 諸 種 の 制 度 的 構 造 が 経 済 進 化 を 規 定 す る こ と を解 明 す る と と も に、 そ う した制 度 的 構 造 の 形 成 を 内 外 に わ た る コ ン フ リク トの 妥 結 の あ り方 に 関 連 付 け て 説 明 し て い る。 こ こか ら導 か れ る 国 際 開 発 政 策 に と って の 含 意 は 明 白 で あ ろ う。 そ れ は途 上 国 の 開 発 を 単 な る経 済 開 発 と捉 え るの で は な く、 広 く政 治 経 済 開 発 な い し は社 会 経 済 開 発 の 観 点 か ら理 解 す る こ とで あ る。 そ こか ら、 多 様 性 、 制 度 、 政 治 経 済 を 重 視 す る 日本 の 開 発 経 済 学 に 対 して も、 制 度 や 政 策 を、 背 後 に あ る コ ン フ リク トや 政 治 経 済 の動 態 と の関 連 か ら客 観 的 に把 握 す る こ と を求 め て い る。 本 論 文 は 、 「開 発 の 政 治 経 済 学 」 を レギ ュ ラ シオ ン ・ア プ ロ ー チ を 基 軸 と す る分 析 視 点 か ら実 証 的 に考 究 した わ が 国 で は先 駆 的 な研 究 で あ り、 アル ゼ ンチ ン経 済 の 長 期 的 な分 析 と して も貴 重 で あ っ て 、 高 く評 価 で き る。 よ って 博 士 論 文 と して 「合 格 」 と判 定 す る。

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