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産褥期看護における看護過程の展開 -産褥看護記録の検討-

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Academic year: 2021

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(1)

産有期看護における看護過程の展開

   一産祷看護記録の検討−

      2階西病棟 分娩育児部        ○中屋 桂子●下村 愛子●森本 雅子       柴本 純子●山本真由美●井上 美和       武政 香弥●谷脇 文子 I は じ め に  産有期看護は,有婦自身力1著しい身体的変化を理解し,セルフケアができ,育児の基本的 知識,技術が習得できるよう援助する必要があるが,その根底に母と子の関係や家庭におけ る母の持つ意義といった母性意識の促進や母親役割行動の発展がなければ,産有期の看護が 成功するとは考え難い。短期間の入院中にこそ,私達の援助のあり方カi問われるといえる。 当院では,産有期看護の記録について,チェック方式と経時的記録を併用している。しかし, この記録用紙では,問題解決の援助過脛の記録が不十分であった(資料1)。  そこで,今回,私達は,有婦のニードを明確にし,行った援助が適切であったかどうかを 評価できるように,看護過程の展開にそって記録できる看護記録用紙(以下,試案用紙と略 す)を検討し,試用したのでここに報告する。 l 研究対象,方法について  平成3年5月1日∼6月30日,当院において出産した柝婦35名(死産例を除く)を対象に 資料2に示したごとく,  方法1,試案用紙に受け持ちスタッフが出産直後から記載し,毎日カンファレンスにより 援助過程について評価修正を行った。試案用紙はカーデックスにはさみ,援助行為について 申し送りをした。  方法2,赤ちゃんメモの活用  祷婦が不安や疑問,感じた事等を自分の言葉で表現できる用紙を用意した。分娩当日に祷 婦に渡し,児との初回授乳の接触時点から記載してもらい,スタッフが質問に答えたり返事 等を記載したべ資料3)。  方法3,試案用紙を用いた結果について,スタッフヘのアンケート調査を行う。 1)記載        −25−

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の実際はどうであったか,2)看護過程を記載するものとして適切であったかどうか,3) 申し送り時の活用状況,4)試案用紙の改善すべき点の内容で行った。 I 結   果  試案用紙を用いた結果は,次の通りであった。情報収集は,受け持ったスタッフがアセス メントし,さらにカンファレンスを行うことで問題点の認識を深めた。又,赤ちゃんメモか ら得た情報「夜泣き,母乳が出ない」は,裾婦が直面する問題,不安,感情など心理的側面 を知ることができ,アセスメントする際に参考となった。  資料4は,試案用紙試用例35名について,産祷日数別に祷婦の問題点の変化を分類したも のである。問題は,全部で86項目あり,産柝4日目が最も多かった。内容は,①乳房に関す ること,②育児・児に関すること,③疲労などの身体的な事の順となっていた。又,問題点 の内容の約6割は,初産婦が占め退院時においても,母乳栄養が確立していない,退院後の 育児になんとなく不安がある等の問題があった。  カンファレンスでは,情報の分析とともに計画の修正,評価を行った。これにより,スタ ッフの対象への関心を強め,問題点の早期発見につながった。叉,試案用紙をカーデックス にはさむことで,援助行為の計画を周知させ,一貫性を持つことができた。  試案用紙の試用に関するスタッフヘのアンケート調査結果は次の通りであった。全員が看 護過程の展開の記載に役立つが,スタッフ間での記録の表現など統一性がなく書きづらかっ た。問題が複数ある場合は,経時的な経過がわかりにくい。退院時に残された問題がある場 合,アフターケアを含めた記載ができていない。分娩前からの記載が必要である。などの意 見があった。 IV 考  察  獅婦の問題を診断することについて,情報の分析,統合で,青木心)は,「柝婦の生理的側 面については,判断基準となるデータは多くあり,分析,統合しやすいが,心理的側面や行 動に関しては普遍化されたデータが少ない。助産婦自身の親に対する考え方や子ども観,性 意識などが影響しやすい。」と,述べている。  祷婦の問題については,先に結果で述べたように,35例について86項目の問題があり,一 人として問題のない症例はなかった。産櫛の生理的経過がたとえ正常であっても,母性の育 成や母親役割行動などについては,情報収集のあり方力澗われる一方,問題の診断は容易で

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ないと自覚させられた。又,問題点については,裾婦の訴えから,これが派生された問題な のか,中心にあるものは何かという認識の必要性も感じさせられた。 V お わ り に  今回の試用により,情報収集,アセスメントから評価までー-連の系統的経過を記録するこ とは,看護の展開においていかに大切であるかを認識した。又,チーム間での連携を密にし, 問題解決のための看護計画を周知させ,ヶアの一貫性と問題点の早期発見に役立った。さら に,有婦のもつ問題の傾向を知ることができた。今後は,当院の産有期看護基準を見直し, 心理的側面からも産有期診断が査定できるような基準をもち,母性意識の促進や,母親役割 行動に関する研究をすすめ,次回に望みたい。そして,従来の産有期記録用紙に検討を加え 看護過程の展開が記載できるものにしていきたい。 引用・参考文献 1)青木康子他:助産学体系4,助産診断学,産祷期の診断, p.121,日本看護協会出版会。  1991. 2)訳・新道幸恵,三浦育子:看護診断にもとづく,母性看護ケアプラン,医学書院, 1988. 3)横尾京子・訳:母性・新生児のケア計画,HBJ出版局, 1990. 4)ドロアーズE.リトル,ドリスL.カーニヴァリ著:看護計画の技術,臨床看護の展開。  現代社, 1980. 5)江本愛子・監訳:基本から学ぶ看護過程と看護診断,医学書院, 1989. 27

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【資料1】

産祷記録(従来の記録)

月日(入院日数) 月   日(  ) 月   日(  ) 月   日(  ) 産獅日数 時   刻 子宮収縮 良不良 良不良 良不良 良不良 良不良 良不良 良不良 良不良 良不良 子 宮 底 後 陣 痛 一  十 −  + −  + −  + −  + −  + 一  十 −  + −  + 悪 露 性 状 赤褐黄 赤褐黄 赤褐黄 赤褐黄 赤褐黄 赤褐黄 赤褐黄 赤禍黄 赤褐黄 量 多中少 多中少 多中少 多中少 多中少 多中少 多中少 多中少 多中少 臭 気 一十廿 −+升 −+升 一十升 −+升 一十升 一十升 一十升 一十廿 乳 房 緊 満 一十升 一十升 −+升 一十升 一十升 −+升 一十廿 一十廿 一十廿 痛 一十升 −+廿 一十升 一十廿 −+廿 一十升 −+廿 −+廿 一十升 乳 汁 初移成 初移成 初移成 初移成 初移成 初移成 初移成 初移成 初移成 分 泌 良不良 良不良 良不良 良不良 良不良 良 不良 良不良 良不良 良不良 乳管開通 乳   房 マッサージ 乳 嘴 亀 裂 一  十 −  + 一  十 −  + −  + 一  十 −  + −  + 一  十 痛 −+升 −+升 一十升 −+廿 一十廿 一十升 一十升 一十升 一十升 外 陰 部

保健指導

経 過 記 録 高知医科大学医学部附属病院 看護部 助産記録用紙3

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柵 槨 祷丿 知 齢 e 翁 ロコ (自 知 聡 (呂) 珊 暁 ふ6祠s い ・ヽ(゛∃EIトノ J 他S他 り p4p 4 衆口徊 J 4《弟智 夜 むい当 ト トQ盛 巾、 々ヽ徊J ムー rL〕趾癩 悛石 ■nn'O S4 Ks ^ S   ,ヽQ扁lJ八丿 :;s^N Kii  劇勁安宿S配り 趾砿1碗  喩べjG G S> ■^o^K8 ^ t? <N 0 徊栄司劇配な?'US 1 J°にQ 智屁ゴ陶趾司^ 1^ -AJ h! its C^ 都殴QφJ治趾ヽミsJ佃v 察口呂弼ト」碩・4)綜-QりG 0 妬一句ヨ4JJべJ ^ CQ K3 -り祷丿 殴 (り    e ら  1       1    C`づ`Q 眠 壇 ^infejK? 忿  り蕨 嶮 itBSavliW 涵  柵㈹ 乙 gP柵趾 珊  ’りゃ い Q訟Qや e  噸こ.ニ,崔 回鯛剱弓 心こ,趾丿抑趾 Qヽaふ柵嶮 螺抑 .4)促心巨 91Q心 発心 丿和必Q 齢今ヽロり 坂り J聡他屁 ロニlrヽ至心 啄心 胴司忿怒 呑    ら  ら   P珊ya y-yet? 回 肺恥砿v AJK? sv 泌峨柘刺り■HV≪cl:!-i^-Sy 品碩仙石必J器升吻ロ]も I mm-i、2帛ヽ^AJ-.5)filEts^3i §φ回J奪硲4、2劇乙召他 収t唄にQ禍s屁鴉趾以 崔屁味MS涵萄い収S匈但Q (り ②    (g ユ £     £ 輔 弼 U7゛ 冶  に)゛r``柵JS・rヽ碧 滅尽劇{践  Uり。必4こ.べ ゛λ劇屁唸  ΞJ聡いとこ |唸収φ  Eい4j Q享¬弟心 中ヽφロ祠  輦pcヽ座怒乙φJ tヽ屁スゴ  ャ6必碗暦ヽミ4ヽ2碧べJ M4き砺゜9 ^ZyP乙9・他べ司 勁回昨畳句 1碗個。φ4Jり 屈一−cヽ■JAJ α]趾脚-く鳶口昏噸 (り     ら 洲崎 ふ毎 |命 中ヽ奪 回L] ト佃 陶.、 屁U7 (り ふ 画 尨 痢 和 H 々ヽ 怒尼公ヽ私 印 面 布 ?ヽ  ͡口や温 石  。細 H   O UQや ト ふ 澗 か  ゛Ξ-Lド6 いヽQ I が 迦  Lャ6ゴQ nj私今ヽ糖 願͡ −刄巨認 知§iヽ私倒 倅奮 ≪v-effi'AjQm [r SGKSQcv:・郭召・石 聡や聡迦聡私廠ヽノ e。忿当 面弓面口面々ヽ啄・ヽQ 巨々柵崖 ͡Q.-、、巨し、゛.-、、私 何翠堀口噸 y一一i  N  CY) 々   N 瓶 服 巨 HK>!1 S*ia  餉 必J sり乙 lIli^4S^y G  部 J吻 べそ抑 s石ゼニ.ぐ  -Q 趾毫 趾J・き 弓必ぃぃ癩  4、! S-<<1 お廓怒 趾螺妬Q朕  e ’爾心 巨脈巨 儒Q%卯屁こ,痢 面部 価e鉱 脈徊eり忿怨 な :^^ksiih:ぐ石 GffiiK-R。石 知s座心こ,暇暇Q き9屈丑一石郭 e怨 Jぃ忿歌心 屁抑(Ξ)    暇聡彦 (s) μ         Cヽj 柘 □ 草 頻 球=  m 頻・っ 葦回  □ 頻々 BSy9     HgW-&       S@       6Z蜜廿 ○ ○ ○ ○ 奸 田 ﹁N霖撫﹂ 29−

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【資料3】 御出産おめでとうございます     母氏名 ちゃんのメモ 出生年月日 月日 時間 栄     養 尿 便 体重 ぉ母さんの身体の事や赤ちゃんの事で 心配な事,困った事があれば,何で もぉ書き下さい。

ミルク 5/25 16:00 19:00 22:00 12 6 6 10 10 10 20 30 30 一 一 T 一 一 2,860g 5/26 1:00 4:30 7:30 10:00 14:00 15:30 19:00 22:00 6 4 8 14 18 16 20 18 12 16 10  5 20 20 10 15 30 25 40 40 20 20 30 30 -一 一 一 一 -一 一 − T − 一 一 2,864g o黄だんは病室に来ても定期的にチ  エックはしてもらえますか。 ei]゛黄疸の検査はしています。治療   も済んでいますので,安心して   下さい。   看護婦が訪室した時には,赤ち   やんの皮フの色や,おっぱいの   飲み方や,元気か……必ずみて   いますョ.グ 5/27 2:00 5:00 8:00 9:30 10:00 14:00 17:30 20:00 23:30 20 34 32 28 38 22 28 26 15 10 20 30 30 40 20 30 30 30 20 10 20 20 -一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 2,896g o右乳頭から出血がありました。 lr7おっぱいがでるようになりまし   たね。右のおっぱいは搾って下   さい。今は左側だけ,直接母乳   をしましよう。 5/28 3:30 7:00 10:00 36 23 30 40 一 一 2,940g 11コ夜も良く眠っていますね。   お母さんもぐっすり………   授乳,赤ちゃんのお世話って本   当に大変で疲れる,お母さん頑   張って下さい。 −30−

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【資料4】 1

人 数

1 産祷日数における祷婦の問題点の変化 2 I 乳房・母乳に関すること 図 身体に関すること    (痛み、貧血、疲労) □ 育児・児に関すること   3   4   5 産 裾 日 数 6 7 (平成3年9月13日,茨城で開催の第32回日本母性衛生学会で発表)

参照

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参考資料12 グループ・インタビュー調査 管理者向け依頼文書 P30 参考資料13 グループ・インタビュー調査 協力者向け依頼文書 P32

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