高等学校理科総合A授業展開例
呉三津田高等学校 教諭 松本 雅樹 (1)学 年 第1学年 (2)単 元 名 資源の開発と利用 (3)指導目標 ①人間生活にかかわりの深い化石燃料,原子力,水力,太陽光などの利 用の際見られる現象は,エネルギーという共通概念でとらえられるこ とを理解させる。 ②エネルギー資源の利用と問題について関心を高める。 (4)指導計画 Ⅰ 仕事とエネルギー (4時間) Ⅱ 熱とエネルギー (3時間) Ⅲ エネルギーの移り変わり (1時間) Ⅳ エネルギー資源の利用と問題(3時間) 前時 ・原子力エネルギーの利用と問題について考える。 ・化石燃料エネルギーの利用と問題について考える。 本時 ・地熱発電 ・クリーンエネルギーの具体例について学習する。 Ⅴ その他の資源の利用 (1時間) Ⅵ 資源の開発と環境問題 (1時間) (5)本時のねらい 地熱発電のしくみの理解やグループ討議を通して,科学技術と人間生活 とのかかわりについて探究し,エネルギー資源の利用と問題について,関 心を高める。 (6)本時の展開 ①マルチメディア教材「クリーンエネルギー 八丁原地熱発電所」を見る。 ②グループ討議・・地熱発電の長所・短所を考える。 ③発表・・・・・・討議内容を発表する。 (7)準備物 PC,プロジェクター,スクリーン,資料プリント (8)単元の評価規準 関心・意欲 思考・判断 表現・技能 知識・理解 ○地熱発電につい て関心をもち,意 欲的にそれらを探 究しようとする。 ○資源利用の問題 について関心をも ち,意欲的にそれ らを探究しようと する。 ○地熱発電の長所 を,化石燃料を利 用した発電と比較 し,考察し,判断 する。 ○クリーンエネル ギーの具体例それ ぞれについて,長 所 と 短 所 を 比 較 し,考察し,判断 する。 ○資源の開発と環 境問題の因果関係 に つ い て 導 き だ し,具体的な例を あげながら自分の 考えを報告書にま とめたり,発表し たりする。 ○統計資料を有効 に利用して環境問 題の実態を説明す る。 ○地熱発電において熱 エネルギーが電気エネ ルギーに変換されるし くみを理解する。 ○地熱発電所に利用さ れている技術を理解し, 科学技術と人間生活に は大きなかかわりがあ ることを知るとともに, 新しい科学と技術が支 え合って進歩していく 意義を理解する。(9)学習の展開 学習活動 指導上の留意事項 評価規準(評価方法) 導入 【はじめに】 ・資料プリントを配布し,確認 する。 ・八丁原地熱発電所を見学する にいたった経緯を知る。 ○発電方法(火力・水力・ 原子力)について確認 させるため,積極的に 発言させる。 ◎資源利用の問題に意 欲的にとりくもうとし ている。(観察) 展開 【マルチメディア教材「クリー ンエネルギー 八丁原地熱発 電所」説明】 ・地熱発電所の見学で撮影した 写真やパンフレットの図を 見る。 ・地熱発電のしくみと施設,装 置について説明を受ける。 ①蒸気井 ②フラッシャー ③タービン・発電機,変圧器 ④冷却塔 ⑤還元井 ・エネルギーの変換を考える。 地熱→電気 ・地熱に関わる資源を知る。 ①火成鉱床(金) ②化石燃料(石炭) 【地熱発電の長所と短所を考 える】 グループ討議 長所と短所を挙げる。 全体討議 グループ討議の内容を発表 する。質疑応答する。 ○簡潔に説明し,ポイン トを絞る。 ・フラッシャー:エネ ルギーの有効利用に ついてふれる。 ・タービン・発電機, 変圧器:電気の基礎 知識を必要に応じて 説明する。 ○地熱発電の長所・短所 に つ い て は 明 言 し な い。 ○グループ編成を行い, 司会,記録等の役割分 担を決める。 ○必要に応じてアドバイ スする。(机間支援) ○とくに環境問題に関連 づけて考えるよう指導 する。 ◎化石燃料を利用する とき,環境に影響を及 ぼす物質が排出される しくみを理解する。 (ワークシート) ◎地熱発電において熱 エネルギーが電気エネ ルギーに変換されるし くみを理解する。 (ワークシート) ◎地熱発電の長所を, 化石燃料を利用した発 電と比較して思考でき る。(観察) ◎資源の開発と環境問 題の因果関係について 具体的な例をもとに発 表できる。(発表) ◎統計資料を有効に使 用して環境問題の実態 を説明できる。(発表) ◎科学技術と人間生活 には大きなかかわりが あることを知り,新し い科学と技術が支え合 って進歩していく意義 を理解する。(発表) まとめ 【まとめ】 ・エネルギー資源の利用が環境 に与える影響を整理する。 ・将来の望ましいエネルギー資 源の利用について考える。 ○マルチメディア教材を 再 度 使 用 し て 確 認 す る。 ○次時は金属鉱床を学習 することを予告する。