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塩化水素/Hydrogen chloride(7647-01-0)

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急性曝露ガイドライン濃度 (AEGL)

Hydrogen chloride (7647-01-0) 塩化水素

Table AEGL 設定値

Hydrogen chloride 7647-01-0 (Final) ppm

10 min 30 min 60 min 4 hr 8 hr

AEGL 1 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 AEGL 2 100 43 22 11 11 AEGL 3 620 210 100 26 26 設定根拠(要約): 塩化水素(HCl)は無色の気体で、刺激性の、息が詰まる臭いがある。用途は、無機・有機化学薬品 の製造、油井の酸処理、鋼の酸洗い、食品加工、鉱物や金属の加工などである。HCl は、固形ロ ケット燃料の排気ガスから大量に放出される。比較的低い濃度で上気道への刺激性があり、濃度 が高くなるにつれて下気道が損傷を受けるようになる。水に極めて溶けやすく、水溶液は腐食性 が強い。

AEGL-1 値は、運動中の成人喘息患者を対象とした試験(Stevens et al. 1992)で示された、1.8 ppm という 45 分間無毒性濃度(NOAEL)に基づいた。この試験は感受性の高いヒトからなる集団を対 象に行われたものであるため、種間変動に関しても種内変動に関しても、不確実係数を適用しな かった。軽度の刺激性は一般的に経時変化がそれほど大きくないことと、曝露時間が長くなって も影響が増強されることはないと予想されることから、10 分間、30 分間、1 時間、4 時間、およ び 8 時間の AEGL-1 値を、いずれも 1.8 ppm とした。

AEGL-2 値のうち、30 分間、1 時間、4 時間、8 時間の値は、ラットにおける試験(Stavert et al. 1991) の試験において、1,300 ppm での 30 分間曝露で認められた、鼻や肺での重度の病理組織学的所見 に基づいた。AEGL 2 の定義に適合する影響について記載したデータが比較的少ないことを考慮し て、修正係数 3 を適用した。この AEGL-2 値を、さらに総不確実係数 10(種内変動に関して 3、種 間変動に関して 3)で補正した。種内変動に関する不確実係数を 3 とすることの妥当性は、濃度-反応曲線の勾配が急であり、個人差が殆ど生じないと考えられることによって裏付けられている。 種間変動に関してデフォルト値の 10 を適用した場合、総調整係数(総不確実係数 × 修正係数)は、 30 ではなく 100 になる。この場合は、特に感受性の高い部分集団である、運動中(運動は HCl の 取り込みを増加させ刺激を増強させる)の喘息患者に関するデータを含む、総データセットによっ

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2 て支持されない AEGL-2 値が導出されると思われる。実際、1.8 ppm の濃度の HCl に 45 分間曝露 された運動中の若年成人喘息被験者においても、影響は報告されていない(Stevens et al. 1992)。こ れに対し、総不確実係数 10 に修正係数 3 を乗じた値を適用すると、総データセットに最も良く整 合した AEGL-2 値が導出される(不確実係数の裏付けの詳細については、セクション 6.3 を参照)。 したがって、総補正値は 30 とする。1 時間 AEGL 値を求めるため、ten Berge et al.(1986)による関 係式 Cn × t = k(C = 濃度、t = 時間、k は定数)を用いて、時間スケーリングを行った。ここで、指 数 n の値としては、ラットおよびマウスの LC50値(半数致死濃度)データ(1 分間~100 分間)を合わ せて回帰分析を行って、1 という値を割り出した。4 時間と 8 時間の AEGL-2 値は、1 時間 AEGL-2 値から、修正係数 2 を適用し、それぞれ 5.4 ppm と 2.7 ppm を得た。修正係数 2 を適用したのは、 それを用いて時間スケーリングを行うことにより、運動中の喘息患者が健康への有害な影響を受 けずに耐えられる濃度の 1.8 ppm に近い、上述の 4 時間および 8 時間 AEGL-2 値が導出されるた めである。10 分間 AEGL-2 値は、マウスの RD50値(呼吸数が 50%減少することが予想される濃度) である 309 ppm(Barrow 1977)を、係数 3 で除算し、刺激を引き起こす濃度として導出した。感覚 刺激物質に対するヒトの反応は、マウスの RD50に基づいて予想できることが、明らかにされてい る。例えば、RD50に 0.03 を乗じて補正した値は、ヒトに感覚刺激が現れないと考えられる曝露限

界濃度(TLV:Threshold Limit Value)であることが、Schaper(1993)によって確認されている。乗数 とした 0.03 は、対数目盛上では 0.1 と 0.01 の中間点にあたる。RD50に 0.1 を乗じた値は「いくば くかの感覚刺激」を引き起こす濃度に相当し、無補正の RD50値は「ヒトにとって耐えられない」濃 度と考えられることが、Alarie(1981)によって示されている。これらのことから、RD50の 3 分の 1 の値(対数目盛上で 0.1 と 1 の中間にあたる)を、重大な刺激をヒトに引き起こし得る濃度とする ことは理にかなっている。加えて、マウスにおける HCl による RD50の 3 分の 1 の値は、呼吸数を 約 30%減少させる濃度に相当するが、呼吸数の 20~50%の減少は、中等度の刺激に適合している (ASTM 1991)。

AEGL-3 値は、ラットの 1 時間 LC50試験(Wohlslagel et al. 1976; Vernot et al. 1977)のデータに基づ

いた。1 時間 LC50値である 3,124 ppm の 3 分の 1 の値を用いて、死亡を引き起こさない濃度を推 定した。この推算は、本質的に安全側に考慮している(上記の試験では、1,813 ppm の濃度で死亡 は起きていない)。濃度-反応曲線の勾配が急であり、個人差はほとんどないことが示唆されるが、 感受性の高い人を保護するため、種内変動に関する不確実係数として 3 を適用した。また、種間 変動に関する不確実数係数として 3 を適用した。したがって、総不確実係数は 10 となる。種間変 動に関してデフォルト値の 10 をそのまま(したがって総不確実係数として 30 を)適用すると、総 データセットに整合しない AEGL-3 値が導出されると思われる(不確実係数の裏付けの詳細につ いては、セクション 7.3 を参照)。したがって、総不確実係数として 10 を適用する。得られた値 を、ten Berge et al.(1986)による関係式 Cn

× t = k を用いて、10 分間、30 分間、4 時間の AEGL 既 定の各曝露期間に時間スケーリングした。ここで、指数 n の値としては、ラットおよびマウスの LC50値データ(1 分間~100 分間)を合わせて回帰分析を行って、1 という値を割り出した。100 分

間までの曝露時間に対して導出した n の値を用いて 8 時間に時間スケーリングすると、不確実性 が加わるため、8 時間 AEGL-3 値は、4 時間 AEGL-3 値と同じ値とした。

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国際化学物質安全性カード

塩化水素

ICSC番号:0163

塩化水素

HYDROGEN CHLORIDE

Anhydrous hydrogen chloride

Hydrochloric acid, anhydrous

(圧力容器)

HCl

分子量:36.5

CAS登録番号:7647-01-0

RTECS番号:MW4025000

ICSC番号:0163

国連番号:1050

EC番号:017-002-00-2

災害/

暴露のタイプ

一次災害/

急性症状

予防

応急処置/

消火薬剤

火災

不燃性。 周辺の火災時:適切な消火手段を用いる。

爆発

火災時:水を噴霧して圧力容器を冷却する。

身体への暴露

あらゆる接触を避ける! いずれの場合も医師に相談! 吸入 腐食性。 灼熱感、咳、息苦しさ、息切れ、 咽頭痛。 症状は遅れて現われることがある (「注」参照)。 換気、局所排気、または呼吸用 保護具。 新鮮な空気、安静。半座位。人 工呼吸が必要なことがある。医療 機関に連絡する。 皮膚 液体に触れた場合:凍傷腐食 性。 重度の皮膚熱傷、痛み。 保温用手袋、保護衣。 多量の水で洗い流した後、汚染 された衣服を脱がせ、再度洗い 流す。医療機関に連絡する。 眼 腐食性。 痛み、かすみ眼、重度の熱傷。 安全ゴーグル、または呼吸用保 護具と眼用保護具の併用。 数分間多量の水で洗い流し(でき ればコンタクトレンズをはずして)、 医師に連れて行く。 経口摂取

漏洩物処理

貯蔵

包装・表示

・危険区域から立ち退く! ・専門家に相談する! ・換気。 ・細かな噴霧水を用いて気体を除去す る。 ・(個人用保護具:自給式呼吸器付完 全保護衣)。 ・可燃性物質、還元性物質、強力な 酸化剤、強塩基、金属から離しておく。 ・換気のよい場所に保管。 ・涼しい場所。 ・乾燥。 ・EU分類 記号 : T, C R : 23-35 S : (1/2-)9-26-36/37/39-45 ・国連危険物分類(UN Haz Class): 2.3

・国連の副次的危険性による分類(UN Subsidiary Risks):8

重要データは次ページ参照

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国立医薬品食品衛生研究所

国際化学物質安全性カード

塩化水素

ICSC番号:0163

重 要 デ | タ 物理的状態; 外観: 刺激臭のある無色の圧縮液化ガス 物理的危険性: この気体は空気より重い。 化学的危険性: この物質の水溶液は強酸であり、塩基と激しく反 応し、腐食性を示す。酸化剤と激しく反応し、有 毒なガス(塩素[ICSC0126])を生成する。水の存 在下で、多くの金属を侵し、可燃性の気体(水素 [ICSC0001])を生成する。 許容濃度: TLV:2 ppm(天井値); A4(人における発がん性が 分類できていない物質) (ACGIH 2004)

MAK:2 ppm, 3.0 mg/m3; Peak limitation

categoryピーク暴露限度カテゴリー:I(2);

Pregnancy risk group妊娠中のリスクグループ:C (DFG 2004) (訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照)

暴露の経路: 体内への吸収経路:吸入 吸入の危険性: 容器を開放すると、空気中でこの気体はきわめて 急速に有害濃度に達する。 短期暴露の影響: この液体が急速に気化すると、凍傷を引き起こす ことがある。眼、皮膚、気道に対して腐食性を示 す。高濃度の気体を吸入すると、肺炎、肺水腫を 引き起こし、反応性気道機能不全症候群 (RADS)を生じることがある(「注」参照)。これらの影 響は遅れて現われることがある。医学的な経過観 察が必要である。 長期または反復暴露の影響: 肺に影響を与え、慢性気管支炎を生じることがあ る。歯に影響を与え、歯牙酸蝕を生じることがあ る。 物理的性質 ・沸点:-85℃ ・融点:-114℃ ・密度:1.00045 g/l (気体) ・水への溶解度:67 g/100 ml(30℃) ・相対蒸気密度(空気=1):1.3 ・log Pow (オクタノール/水分配係数):0.25(計算 値) 環境に関する データ 注 ・他の国連番号:2186(冷却液体); 国連危険物分類:2.3; 国連の副次的危険性による分類: 8 ・

・他の国連番号:1789 (塩酸); 国連危険物分類:8; 国連包装等級(UN Pack Group):II あるいは III ・水溶液の塩化水素含有量は38%までである。 ・作業時のどの時点でも、許容濃度(天井値)を超えてはならない。 ・肺水腫の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過 観察が不可欠である。 ・医師または医師が認定した者による適切な吸入療法の迅速な施行を検討する。 ・(圧力容器の腐食を防ぐため)漏出している圧力容器に水を散布してはならない。 ・圧力容器が漏出しているときは、気体が液状で漏れるのを防ぐため、洩れ口を上にする。

Transport Emergency Card(輸送時応急処理カード):TEC(R)-20S1050 NFPA(米国防火協会)コード:H(健康危険性)3;F(燃焼危険性)0;R(反応危険性)1 付加情報

ICSC番号:0163

更新日:2000.04

塩化水素

© IPCS, CEC, 1993

Table  AEGL 設定値

参照

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