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H22監査結果

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第七章.契約事務

第1.問題の所在

1.随意契約は厳格に運用されているか (1) 随意契約の運用に関する原則的な考え方 札幌市(交通局)が締結する契約の相手方の選定については、一般競争入 札によることを原則とし、契約の性質、目的等に照らして一般競争入札によ ることが不可能な場合又は不適当である場合や、予定価格が少額である場合 等の特別な場合に、指名競争入札又は随意契約によることができるとされて いる。 一般競争入札が原則とされている理由は、機会の均等及び公正性の保持の 原則に最も適合するばかりでなく、広く多数の参加者による競争を通じて、 札幌市(交通局)にとって最も有利な条件の申込者を選定できるため、予算 の効率的使用の面から最も優れていると認められるからである。 このような契約制度の趣旨、予算の適正執行の確保及び最近の公共調達契 約を取り巻く情勢等に鑑み、具体的な契約締結に当たっては、法令上随意契 約によることができる場合であっても、安易に随意契約によることなく、契 約の種類、金額等に応じて、可能な限り広く多数の参加者による競争入札の 活用を図る必要がある。 (2) 札幌市(交通局)における随意契約運用上の特徴 札幌市(交通局)においては、1社から見積書を徴取する特命随意契約が 多く、かつ、長期間継続している(添付資料1の(統計資料7)「平成 21 年度 における札幌市(交通局)の委託契約の契約金額上位 30 件に関する過去 10 年間の推移」を参照のこと。)。 また、特命理由として「契約の性質又は目的が競争に適しない場合」(地公 企法施行令第 21 条の 14 第1項第2号)を根拠としている事例が多い。 具体的には、機器等の製造業者や保守専門業者であることによる専門性・ 過去の実績による信頼性・同一業者による継続性等である。 これらは、業務に関して安定した品質を確保することを重視した結果であ り、一定の合理性はあると考えるが、安定したサービスの提供を重視するあ まり実績のある既存業者との契約を望み、その結果、契約金額が固定化して 高止まりしてしまうとか、新規業者の参入や新技術の提供の障壁となるおそ れがあるといった弊害が生ずる。

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(統計資料1) 特命随意契約の特命理由として「契約の性質又は目的が競争に適しない場合」 (地公企法施行令第 21 条の 14 第1項第2号)を根拠としている事例(平成 21 年度) 業 務 名 契 約 の 性 質 又 は 目 的 が 競 争 に 適 し な い 場 合 の 具 体 的 内 容 製 造 メ ー カ ー ・ 設 置 業 者 保 守 専 門 会 社 そ の 他 Ⅰ.委託契約 1.定期券発売等業務等 ○(札 幌市 が 100%出 資して設立した団体) 2.自動出改札機保守業務 ○ 3.受変電設備保守業務 ○ 4.東西線駅等設備保守業務 ○(専門性、実務経験、 ノ ウ ハ ウ の 蓄 積 、 24 時間即時対応体制) 5.南北線駅等設備保守業務 ○(専門性、実務経験、 ノ ウ ハ ウ の 蓄 積 、 24 時間即時対応体制) 6.信号保安装置保守業務 ○ 7.転てつ器保守整備業務 ○ 9.昇降機設備保守業務(三菱製) ○ 10.昇降機設備保守業務(日立製) ○ 11.東豊線等設備保守業務 ○(専門性、実務経験、 ノ ウ ハ ウ の 蓄 積 、 24 時間即時対応体制) 12.東西線車両重要部・全般検査整 備業務(機械関係) ○ 13.昇降機設備保守業務(東芝製) 14.自動案内放送・集中監視装置保 守業務 ○ 15.走行路及び案内軌条保守業務 ○ 16.東西線検車業務 ○ 17.南北線検車業務 ○

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18.南北線車両重要部・全般検査整 備業務(機械関係) ○ 19.東豊線車両重要部・全般検査整 備業務(機械関係) ○ 20.東豊線検車業務 ○ 21.東西線 8000 形車両二段落し窓 改修業務 ※地公企法施行令第 21 条の 14 第1 項第6号も根拠規定としている。 ○ 22.乗車料金等運搬及び釣銭準備等 業務 ○(札幌市 交通局 の指 定金融機関) 23.東西線可動式ホーム柵保守業務 (三菱製) ○ 24.昇降機設備保守業務(フジテッ ク製) ○ 25.自動改札機移設等業務 ○ Ⅱ.工事契約 1.円山バスターミナルガス管改修 設備工事 ○(法令等 により 契約 の 相 手 方 が 特 定 さ れ る。) 4.南北線北 18 条駅信号移設工事 ○ 5.東車両基地入庫線案内軌条防錆 工事 ※ 特 命 理 由 の 根 拠 規 定 を 地 公 企 法 施行令第 21 条の 14 第1項第6号と している。 ○ 6.南北線信号設備改良工事(AT O) ○ 7.南北線南平岸駅ほか1駅信号移 設工事 ○

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(参考) ○ 地方公営企業法施行令 (随意契約) 第 21 条の 14 随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。 (1) 省略 (2) 不動産の買入れ又は借入れ、地方公営企業が必要とする物品の製造、修理、 加工又は納入に使用させるため必要な物品の売払いその他の契約でその性質 又は目的が競争入札に適しないものをするとき。 (3)から(5)まで 省略 (6) 競争入札に付することが不利と認められるとき。 (7)から(9)まで 2から4まで 省略 (3) 保守管理業務委託契約に対する特命理由の妥当性 設備・物品の調達と不可分な関係にある保守管理業務に係る委託契約に関 して、当該設備・物品の製造メーカーから保守専門会社に指定された業者を 特命随意契約の相手先として選定している事例が多い。 製造メーカーから保守専門会社に指定された業者が、保守専門会社に指定 されていない業者と比較して、製造メーカーからの技術・ノウハウの供与、 部品の調達といった点で競争上極めて有利な立場にあることは否定できない が、製造メーカーから保守専門会社に指定されているという事実だけで、当 該業務を履行する能力を有している者が当該保守専門会社以外に存在しない と断定することもできないものと考える。 例えば、地下鉄駅の昇降機設備保守業務(昇降機設備保守業務(三菱製)、同 (日立製))は、保守指定会社であることを理由に他の業者が参入する余地がな いものとしてメーカー系の保守業者との特命随意契約が継続している。 しかし、最近、メーカー系以外に保守点検業務を専門に行う独立系保守業 者が出現しており、従来のような理由を特命随意契約の根拠とする合理性は 薄れているものと考える。 また、東西線・南北線・東豊線駅等設備保守業務は保守に関する専門技術 等を理由に特命随意契約であったが、平成 23 年度からは複数年(4年間)の 一般競争入札に移行する予定である。特命随意契約は、社会情勢等の変化に 伴い適時・適正に見直しがなされなければならない。

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(4) 特命理由の妥当性に関する内部的検証の状況 特命理由は「特命理由書」に記載をして、執行担当部及び契約担当部にて 内部決裁されている。特命理由は、例えば、以下のようなものである。 (受変電設備保守) 本業務を遂行するにあたっては、各装置の製造メーカーが保有する保守業務 に関する専門的知識及び占有技術が不可欠であり、更に、当該設備を熟知し、 高速電車施設及び関連設備に精通した保守要員を配置するとともに、不測の事 故・故障に対して即時対応できる保守体制を確立していることが必要でありま す。 以上のことから、本業務を履行できる者は、保守対象設備の全製造メーカー と保守に関する相互協力協定を締結しており、当該設備に係る技術支援等が受 けられる標記業者以外にないことから、特命することとしたい。 上記の下線部については、客観的かつ具体的に証明できるような記載、デ ータ、資料の添付はなく、執行担当部内での内部チェックや執行担当部と契 約担当部との相互牽制が十分機能していない。 特命随意契約は例外的な扱いであるので、契約担当部において、厳しいチ ェック、理由の審査、検証を行う必要がある。 (5) 再委託承認手続及び承認理由の妥当性 契約の相手方が特殊な技術又はノウハウ等を有することから競争に適しな いとして随意契約を締結したものに関して再委託の承認を行う場合、随意契 約によることとした理由と不整合とならないことに特に留意する必要がある。 しかし、契約者が再委託の必要性及び再委託の契約金額を定められた書式 に明示し、札幌市(交通局)が当該再委託に合理性があると判断した理由を 記録化した上で当該再委託を承認している運用事例はない。 (統計資料2) 特命随意契約における再委託の審査・承認手続の状況(平成 21 年度) (○は書面に記載あり、×は書面に記載なし。) 業 務 名 審査・承認手続上の検討事項 審 査 承 認 再委 託の 必要性 再委 託の 金額 再委託を行う合理 的理由、再委託の 相手方が再委託さ れる業務を履行す る能力、その他 Ⅰ.委託契約 1.定期券発売等業務等 ○ × ○ 6.信号保安装置保守業務 × × ×

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業 務 名 審査・承認手続上の検討事項 審 査 承 認 再委 託の 必要性 再委 託の 金額 再委託を行う合理 的理由、再委託の 相手方が再委託さ れる業務を履行す る能力、その他 8.ポリ塩化ビフェニル特別管理産業廃棄物処理業務 ×(注) × ×(注) 9.昇降機設備保守業務(三菱製) × × × 10.昇降機設備保守業務(日立製) × × × 12.東西線車両重要部・全般検査整備業務(機械関係) × × × 13.昇降機設備保守業務(東芝製) × × × 16.東西線検車業務 × × × 17.南北線検車業務 × × × 18.南北線車両重要部・全般検査整備業務(機械関係) × × × 19.東豊線車両重要部・全般検査整備業務(機械関係) × × × 20.東豊線検車業務 × × × 22.乗車料金等運搬及び釣銭準備等業務 ○ × ○ (注)業務委託契約書上、再委託業務内容、再委託業者名が記載されている。 2.随意契約において契約金額が適正に設定されているか (1) 単年度契約方式の問題点 単年度契約を前提とした場合、業者が初期投資をして新規に施設・設備を 購入して業務に参入しようとしても、次年度以降の契約が不確実であること から、単年度という期間設定では投下資金を回収することができないリスク を有している。業者は、こうしたリスクを回避するため、特殊な技術等の保 持を理由に随意契約を締結し、次年度以降毎年契約を結ぼうとすることが考 えられる。 一方、札幌市(交通局)としても快適な地下鉄サービスを利用者に対して継 続的に提供するためには地下鉄の施設・設備が常時適切に保守管理されてい ることが必要であるため、当該施設・設備が常時適切に保守管理できること を望む。 このため、当該施設・設備の設置者である特定業者との契約関係が途切れ ないよう保守管理契約を継続しようとすることが考えられる。 このような状況は、単年度契約を前提とする限りにおいて、一定の合理性 は認められるものの、契約金額が固定化して高止まりしてしまうという弊害 もある。

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(2) 複数年契約方式のメリット 特殊な技術等の保持を理由に特定業者との随意契約が不可避とした場合に おいて、複数年契約の導入は、発注者である札幌市(交通局)としては、入札・ 契約に伴う煩雑な事務処理が軽減され、契約事務の効率化、コストの削減に つながるというメリットを有する。 一方、業者としても、特殊な設備・施設などが必要で多額の固定費用がか かる業務について、設備の償却期間と業務の契約期間とが同程度となる長期 間の契約であれば、設備・施設の耐用年数とその期間に応じた維持管理期間 をまとめて見積もることで、設備・施設を適正に利用できる状態を保つため に必要となる総経費を算出できる。 長期的な収入・支出を予測することで、投下資金を回収して利益が確保で きるか否かを検討することが可能となることから、業者にとってもコスト削 減につながる。 しかし、札幌市(交通局)においては、契約方法や契約の相手方を見直す機 会を確保する必要があることを理由に、単年度契約を繰り返す継続案件が多 く、リース契約等特段の理由がない限り、複数年契約を導入していない。 今回の監査の対象となった個々の契約に関しても、複数年契約を導入した 事例はなかった。 (3) 積算価格と契約金額の近似 積算価格と契約金額が近似している事例(契約金額/積算価格 95%以上)が ある。 積算価格と見積額が近似する一般的な原因としては、①特定業者との随意 契約が長期化しているため、当該業者が積算価格を容易に推測することが可 能となっていること、②発注者が契約者と事前に価格交渉を行っていること、 ③専門性の高い業務において積算価格の算出を業者からの見積りを参考に行 っていること等が考えられるが、特に③の場合は業者主導で積算価格が決定 されるため、契約金額も業者に有利なように高めに決定されてしまうおそれ がある。

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(統計資料3) 積算価格と契約金額が近似している事例(平成 21 年度) 特命随意契約のうち契約金額/積算価格が 95%以上の業務は、以下の通りで ある。 業 務 名 契約金額/積算価格(%) Ⅰ.委託契約 1.定期券発売等業務等 100.00 2.自動出改札機保守業務 99.78 3.受変電設備保守業務 99.35 4.東西線駅等設備保守業務 98.58 5.南北線駅等設備保守業務 99.31 6.信号保安装置保守業務 99.99 7.転てつ器保守整備業務 99.92 8.ポリ塩化ビフェニル特別管理産業廃棄物処理業務 100.00 9.昇降機設備保守業務(三菱製) 98.28 10.昇降機設備保守業務(日立製) 98.83 11.東豊線駅等設備保守業務 99.49 12.東西線車両重要部・全般検査整備業務(機械関係) 99.64 13.昇降機設備保守業務(東芝製) 96.09 14.自動案内放送・集中監視装置保守業務 99.96 15.走行路及び案内軌条保守業務 99.97 16.東西線検車業務 99.97 17.南北線検車業務 99.95 18.南北線車両重要部・全般検査整備業務(機械関係) 99.37 19.東豊線車両重要部・全般検査整備業務(機械関係) 99.81 20.東豊線検車業務 99.84 21.東西線 8000 形車両二段落し窓改修業務 98.49 22.乗車料金等運搬及び釣銭準備等業務 98.95 23.東西線可動式ホーム柵保守業務(三菱製) 99.28 24.昇降機設備保守業務(フジテック製) 99.28 25.自動改札機移設等業務 96.85 Ⅱ.工事契約 1. 円山バスターミナルガス管改修設備工事 100.00 2.スパン線補修工事 100.00 3.電車線側柱建替工事 99.34 4.南北線北 18 条駅信号移設工事 97.02 5.東車両基地入庫線案内軌条防錆工事 100.00 6.南北線信号設備改良工事(ATO) 98.51

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(4) 競争による契約金額の削減と既存業者との契約の継続による安定したサー ビスの提供のいずれを重視するか 昇降機設備の保守管理業務に限らず保守管理業務全般に関して、当該業務 を遂行できる資格能力を備えた業者が今後新たに出現することが予想され るので、競争による契約手法を導入することで契約金額の削減を図る余地は あるものと考える。 しかし、札幌市(交通局)は、安定したサービスの提供を重視することから、 実績のある既存業者との契約を継続することを望んでいる。 (5) OB幹部職員の再就職先との特命随意契約 主要な特命随意契約の相手先に札幌市のOB幹部職員が再就職している中 で、特命随意契約が長期間にわたって行われてきていることは、契約手続上 の透明性を欠く要因となり、仮に、特命理由が適正なものであっても、契約 金額が適正かどうか疑念が残る。 (統計資料4) 特命随意契約先に対する再就職の状況 札幌市では、「札幌市職員の再就職に関する取扱要領」に基づき、札幌市の競 争入札参加資格を有する企業等(登録業者)に再就職した、退職時に課長職以 上の者で、かつ、退職後5年以内(平成 20 年度末までの退職者については2年 以内)の者について、本人の届出に基づき、「氏名」「退職時の役職」「退職年月 日」「再就職先の名称及び役職」を公表している。 札幌市のOB職員の民間企業への再就職に関して公表されている情報を基に、 交通局が委託業務において随意契約している会社への再就職状況と委託契約の 状況を整理したものは、以下の通りである。 会社名 再就職先 役 職 退職前役職 委託業務 平成 21 年 度 実 績 (百万円) (株)キタデン H21 部長 環境局 部長 地下鉄駅設備保 守点検 126 札 幌 日 信 電 子 (株) H20 社長 都市局長 自 動 出 改 札 装 置 の 保 守 点 検 365 信号保安装置の 保守点検 230 地下鉄車両の保 守点検 8 ( 株 ) 北 海 道 ジ ー エス・ユ アササー ビス H20 顧問 交通局 部長 受変電設備の保 守点検 265 H16 社長 下水道局長

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会社名 再就職先 役 職 退職前役職 委託業務 平成 21 年 度 実 績 (百万円) パ ナ ソ ニ ッ ク シ ス テ ム ソ リ ュ ー シ ョ ン ズ ジ ャ パ ン(株) H19 部長 環境局 課長 自動案内放送・集中監視 装 置の保守点検 71 札 幌 交 通 機 械 (株) H18 部長 交通局 部長 地下鉄車両の点 検整備 221 路面電車の改修 改良 65 北都電気㈱ H18 交通局 課長 地下鉄車両の保 守点検 33 札幌施設管理㈱ H18 部長 環境局 課長 地下鉄駅設備の 保守点検 249 H16 社長 総務局 部長 札 幌 川 重 車 両 エ ン ジ ニ ア リ ン グ (株) H16 顧問 交通局 部長 地下鉄車両の点 検整備 188 路面電車車両の 保守点検 58 地下鉄車両の改 良改修 55 転てつ器の補修 整備 12 日本交通技術(株) H16 豊平区 課長 駅舎の耐震診断 11 (注) 表の再就職状況は、本市退職時のもので、平成 21 年度末現在の在職状況 を表すものではない。 3.競争入札において競争性が十分に確保されているか (1) 指名競争入札における競争性の形骸化 指名競争入札において受注意欲を有する十分な数の入札業者の参加を得て おらず、入札参加業者も固定化しており競争性が確保されていないと判断さ れる事例がある。 (統計資料5) 指名競争入札において、入札者が3者未満である、あるいは、同一の業者が 継続して落札し続けていることから競争性が確保されていないと判断される事 例(平成 21 年度) 業務名 入札者数 業者の変更 1.路面電車車体・艤装改修業務 2 平成 18 年度より札幌交通機械 (株)が継続して落札している。 2.路面電車車両保守業務 2 平成 12 年度より札幌川重車両 エンジニアリング(株)が継続し て落札している。

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業務名 入札者数 業者の変更 3.駅構内及び地下鉄車内巡回警備業務 7 平成 17年度より北日本ビル管 理 ( 株 ) が 継 続 し て 落 札 し て い る。 5.南北線車両清掃及び広告物掲出業務 10 平成 11 年度より日興美装工業 (株)が継続して落札している。 (2) 指名競争入札における最低制限価格制度 平成 21 年度東西線車両清掃及び広告物掲出業務において最低制限価格が予 定価格 53,900,000 円の 70%である 37,730,000 円に設定されていたところ、 (株)半田美装が 31,600,000 円、日興美装工業(株)が 33,000,000 円で入札し たため失格となり、(株)北海道ビル代行が 43,500,000 円で落札していた。 仮に、(株)半田美装に当該業務の履行能力があったとしたならば、契約金 額を 11,900,000 円節減することができたことになる。指名競争入札において は、あらかじめ不当な競争を排除するようになっており、最低制限価格制度 を採用する必要性については検討の余地がある。 (3) 一般競争入札における地域要件 契約金額/積算価格が 90%以上の一般競争入札において、入札者が3者未満 のため競争性が確保されていないと判断される事例がある。 特に、地域要件の設定条件(応札可能者が 20 者以上)と実際の応札者数と の間に大きな乖離が生じているが、札幌市(交通局)は、その原因を十分に 調査し分析しておらず、競争性を確保するための対策も十分に講じられてい るとはいえない。 (統計資料6) 一般競争入札において入札者が3者未満であることから競争性が確保されて いないと判断される事例(平成 21 年度) (○は設定している、×は設定していない。) 業務名 入札者数 地域要件 ランク(等級) 工事契約 1.中島公園駅仮眠室設置機械設備工事 1 ○ ○ 3.山鼻西線(札幌環状線∼西野白石線 間)外軌道改良工事 1 × ○ 4.電車事業所構内門扉設置工事 1 × ○ 5.南車両基地軌道桁補修工事 2 ○ ○ 6.北 12 条駅ほか放送設備更新工事 2 ○ ○ 7.南郷7丁目駅ほか放送設備更新工事 1 ○ ○

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業務名 入札者数 地域要件 ランク(等級) 8.シェルターエキスパン部改良工事 1 × × 10.南平岸駅空調設備改修工事 2 ○ ○ 12.漏水受樋改修工事 2 ○ ○ 14.南北線電車線路ジャンパー線更新工 事(真駒内駅∼南平岸駅) 3 ※ う ち 2 者 は 1 回 目 の 入札で辞退。 最 終 的 に 不 落 札 随 意 契 約となる。 × ○ 製造請負契約 1.ICカード専用改札機製造業務 1 × × (4) 競争性と政策目的とのバランス 札幌市(交通局)において、今後、競争性による公正性、経済性、透明性 の確保と政策目的(地域施策、中小企業施策)とのバランスをどのように図 っていくかが重要な課題となる。

第2.契約事務に関する共通意見

以下、監査の結果、交通局の契約事務に関して共通する事項についての意見 を記載する。 1. 随意契約に関して、競争性のない随意契約によらざるを得ない場合(真に止 むを得ない随意契約)に限定した運用の必要性(意見) 「契約の性質又は目的が競争に適しない場合」(地公企法施行令第 21 条の 14 第1項第2号)の判断に当たっては、契約担当者の主観的判断が介入しやすい ので随意契約が厳格に運用されないおそれがある。 契約担当者の主観的判断を排除し、随意契約を厳格に運用するために、今後 は、競争性の余地が全くないことが明白な場合を除き、契約締結方式の決定に 当たって、事前にアンケート手法による市場調査などを行った上で、複数業者 の参入が可能であると判明した場合には、総合評価方式による一般競争入札又 は企画競争への移行を検討することが望まれる。 アンケート手法による市場調査など行った結果、調査の際に示した要件を満 たす者が1者しか存在しないことが明らかとなった場合は、その者と随意契約 することはやむを得ないものと考える。

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なお、高速電車事業や軌道事業の性質上、安全性や業務の安定的な遂行を確 保したうえで、競争原理がもたらす経済性、透明性を高めることが求められる ので、アンケート手法による市場調査などを実施するに際して公表する仕様書 等に製造メーカーが有する技術・ノウハウ等を具体化する作業には十分に時間 をかけて取り組む必要がある。 2.随意契約に関するガイドラインとチェックリストの整備の必要性(意見) (1) 「契約の性質又は目的が競争に適しない場合」(地公企法施行令第 21 条の 14 第1項第2号)の適用には契約担当者の主観的判断が介入しやすい。 例えば、単に当該業務に精通しているとか、事業内容を熟知し信頼度が高 いことをもって、契約の性質又は目的が競争に適しない場合としている契約 に関しては、仕様書、作業マニュアルの作成等により競争が可能であるため、 随意契約の理由としては不適切である。 (2) 契約金額の相当部分が再委託先に支払われている場合や契約の目的となる 事務作業の大半を再委託先が実施している場合等、随意契約の相手方が当該 事務作業を実施する能力が十分でない場合に、契約の性質又は目的が競争に 適しない場合として随意契約を行うことは不適切である。 (3) 「契約の性質又は目的が競争に適しない場合」(地公企法施行令第 21 条の 14 第1項第2号)とは、その者しか当該業務を履行できない場合等である。 一方、「競争に付することが不利と認められる場合」(地公企法施行令第 21 条の 14 第1項第6号)とは、履行者は極めて限定されるものの、唯一である とはいえない場合であるので、両者を混同してはならない。 しかし、同項第2号と同項第6号の両方を特命随意契約の根拠規定として いる事例(平成 19 年度の東西線車両重要部・全般検査整備業務(機械関係)・ 南北線車両重要部・全般検査整備業務(機械関係)・東豊線車両重要部・全般 検査整備業務(機械関係)、平成 21 年度の東西線 8000 形車両二段落し窓改修 業務、特命理由書の記載内容は同項第6号に該当すると思われるが根拠規定 を同項第2号としている事例(平成 19 年度から平成 21 年度の乗車料金等運 搬及び釣銭準備等業務)及び特命理由書の記載内容は同項第2号に該当する と思われるが根拠規定を同項第6号としている事例(平成 21 年度の東車両基 地入庫線案内軌条防錆工事)がある。 (4) 随意契約の理由を「競争に付することが不利と認められる場合」(地公企法 施行令第 21 条の 14 第1項第6号)としている場合、競争に付することが不利 であることを具体的に定量化して説明する必要があるものと考える。 しかし、特命理由書において具体的に定量化した説明が記載されていない 事例(平成 21 年度のスパン線補修工事・電車線側柱建替工事)がある。

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以上、前例にとらわれることなく、特命随意契約とする判断の妥当性・合理 性を含め、地公企法施行令第 21 条の 14 第 1 項の各号の要件に該当するか否か の判断を厳格に行うため、今後、随意契約に関する判断基準等を盛り込んだガ イドラインを整備することが望まれる。 また、当該ガイドラインに沿った運用が適切に行われるように随意契約を行 うに当たっての検討事項を具体的に示したチェックリストを作成することが望 まれる。 なお、チェックリストでは、例えば、以下のような事項を具体的に検討する ことが考えられる。 ① 専門的知識及び占有技術の具体的な名称、内容、範囲 ② 精通した保守要員の配置(精通のレベル、精通した保守要員の人数、再委 託の有無、再委託先の精通者の配置の状況等) ③ 不測の事故・故障に対する対応の実績・対応に関する実績評価、保守体制 の評価、標記業者以外にいないことを判定した根拠等 3.随意契約に関する情報公開の促進の必要性(意見) 札幌市(交通局)における随意契約の公表の方法は、特命理由書及び見積結 果調書を備置し、閲覧に供するというものである。 一方、国においては、随意契約に関する情報は、ホームページにより公表す ることとしている。 随意契約の相手方、契約金額、随意契約の理由を公表することは、行政の説 明責任を果たし、随意契約に対する透明性・公正性の確保に資するとともに、 随意契約に関する情報を広く事業者に提供することになり、契約の経済性・効 率性を高めることが期待できることから、今後は、札幌市(交通局)において も、国に準じた情報公開の方法をとることが望まれる。 札幌市の出資団体及び登録業者に対する再就職の状況は、「札幌市職員の再就 職に関する取扱要領」に基づき公表されているが、係長以下の職員は含まれて おらず、OB職員の登録業者への再就職の実態は不透明である。 発注元である札幌市(交通局)の退職者の再就職者が在籍している法人を随意 契約の相手方とする場合には、随意契約とした理由の妥当性等について十分に 説明できるようにする必要性があることから、国と同様、随意契約の相手方に おける再就職者の役員数等を公表することが望まれる。 4.再委託の審査・承認手続の厳格化の必要性(意見) 契約の相手方が特殊な技術又はノウハウ等を有することから競争に適しない として随意契約を締結した業務に関して再委託の承認を行う場合、随意契約に よることとした理由と不整合とならないことに特に留意する必要がある。 今後、契約の相手方が再委託を行う場合には、あらかじめ再委託の相手方の 商号又は名称及び住所並びに再委託を行う業務の範囲、再委託の必要性及び再

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委託の金額を記載した書面を契約の相手方に提出させ、次に掲げる事項につい て審査し、適当と認められる場合に承認を行うことが望まれる。 (1) 再委託を行う合理的理由 (2) 再委託の相手方が再委託される業務を履行する能力 (3) その他必要と認められる事項 なお、再委託に関する書面に記載された事項について、変更がある場合には、 委託契約の相手方に遅滞なく変更の届出を提出させ、同様に審査及び承認を行 う必要がある。 工事契約を特命随意契約により行っている場合で下請業者を選定している場 合(南北線北 18 条駅信号移設工事、東車両基地入庫線案内軌条防錆工事)にお いても同様の手続が必要となる。 5.委託契約の履行体制の把握及び報告徴収のルール化の必要性(意見) 不適切な再委託により業務の効率性が損なわれ経済合理性に欠ける事態にな ることを防ぐため、今後は、以下のように、委託契約の履行体制を把握するこ とをルール化することが望まれる。 (1) 再委託の相手方からさらに第三者に委託が行われる場合があれば、当該第 三者の商号又は名称及び住所並びに委託を行う業務の範囲を記載した書面を 委託契約の相手方に提出させることにより、委託契約に係る履行体制の把握 に努める。 (2) 委託契約の適正な履行の確保のために必要があると認めるときは、委託契 約の相手方に対し、再委託の履行状況の報告を求める等必要な措置を講じる。 工事契約を特命随意契約により行っている場合で下請業者を選定している 場合(南北線北 18 条駅信号移設工事、東車両基地入庫線案内軌条防錆工事) においても同様の手続が必要となる。 6.特命随意契約の適時・適正な見直しの必要性(意見) 東西線・南北線・東豊線駅等設備保守業務は従来特命随意契約であったが、 平成 23 年度から複数年(4年間)の一般競争入札に移行する予定である。 札幌市(交通局)の説明によると、当該業務を履行する要件は、「利用者の安 全確保及び施設内の良好な環境を最大限保持するために、地下鉄駅舎等の大規 模で特殊設備機器が設置された保守業務及び地下鉄事業特有の各種規則等に精 通し、故障等に関して 24 時間対応な保守体制を確立できること。」である。 また、上記要件を満たすのが現在の委託業者しかいないと判断した根拠は、 「これまで保守実績があるのは現在の委託業者しかいない。」ことである。 一方、当該契約を特命随意契約から一般競争入札へ移行した理由は、「対象設 備の保守は技術的に必ずしも現在の委託業者にしか対応できないものではない から。」ということである。 以上から、当該業務に関しては、特命随意契約による理由の合理性がすでに

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薄弱になっていたにもかかわらず、その見直しを適時・適正に行うことなく、 従来の業者と安易に随意契約を継続してきたものと考える。 今後は、競争性の余地が全くないことが明白な場合を除き、特命随意契約に ついて、再度、特命理由を見直した上で、競争性のない随意契約によらざるを 得ない場合(真に止むを得ない随意契約)に該当しないものは、競争入札(総合 評価方式、企画競争)への移行を検討することが望まれる。 7.長期継続的な随意契約における契約金額適正化の工夫の必要性(意見) 特殊な技術等の保持等を理由に特定業者との随意契約が長期間継続すること が不可避であるにもかかわらず、債務負担行為を設定せずに単年度契約を繰り 返している継続案件に関しては、安全性や業務の安定的な遂行を損なうことな く契約金額を削減するよう、例えば、以下のような工夫をする必要性がある。 (1) 特殊な設備、物品の調達と不可分な関係にある保守管理業務に関しては、 契約の相手方である特定業者が長期的な収入予測やコスト見積りが可能とな るよう複数年契約を導入する。 (2) 複数年契約を前提に経費率を見直す。 (3) 複数年契約がなじまない場合には、競争入札における平均落札率を加味す る。 8.業務の専門性が高い随意契約における契約金額適正化の工夫の必要性(意見) 業務の専門性が高い随意契約に関しては、札幌市(交通局)の職員では独自の 積算ができないことから、随意契約の相手方の言い値で契約を締結するおそれ がある。 したがって、業務の専門性が高い随意契約においても契約金額が適正に設定 されるよう、例えば、以下のような工夫をする必要性がある。 (1) 随意契約の相手方から提出される積算資料の妥当性を検証するためには、 札幌市(交通局)の職員の知識やスキルを向上させる必要がある。そのために、 業務委託を随意契約により行う場合においても、契約後に随意契約の相手方 から契約金額の内訳書を徴取して、実例価格として積算実務の参考として役 立てる。 (2) 特定の事業者に属さず、かつ、専門的知識を有する民間人を活用する。 9.指名競争入札において競争性が確保されていない原因の究明と競争性を確保 するための対策の構築の必要性(意見) 受注意欲を有する十分な数の入札業者の参加を得ておらず、競争性が確保さ れていないと判断される事例がある。 指名に当たって業者の入札参加意欲が考慮されておらず、指名競争入札が形 式的に行われているおそれがあるので、今後は、入札参加意欲を確認し、技術 資料の提出を求めた上で指名を行う方式である公募型指名競争入札の適用範囲

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の拡大を検討し、入札意欲のある事業者間で活発な競争が行われるようにする ことが望まれる。 なお、路面電車車体・艤装改修工事、路面電車車両保守工事に関しては、現 在、履行可能業者が2者しか存在しないが、公募型指名競争入札によっても競 争性を確保することができないことが明らかであるならば、随意契約に移行し た上で、透明性を確保するという方法も考えられる。 10.指名競争入札における最低制限価格制度から低入札価格調査制度への移行の 検討の必要性(意見) 指名競争入札において最低制限価格制度を設けて、最低制限価格以下の入札 者を機械的に失格とすることには、以下の理由から、検討の余地があるものと 考える。 (1) 一般競争入札においては入札資格者に一定の資格制限を設けており、指名 競争入札においては更に資産、信用、能力等を勘案して入札者を選定するこ とができることとして、あらかじめ不当な競争を排除するようになっている ことから、指名競争入札においては、最低制限価格制度を採用する必要性は 乏しい。 (2) 入札価格が低いことに合理性な根拠を有する場合も考えられることから、 入札価格が低いことを理由に品質も悪いと機械的に断定することはできない。 (3) 低入札価格調査制度は、個別原価を審査できるという点で、最低制限価格 制度より望ましい制度である。 今後は、調査に要する時間、事務量及び監督・検査体制の強化等低入札価格 調査制度を導入することによるコストの増加を勘案した上で、指名競争入札に おいて、最低制限価格制度から低入札価格調査制度への移行を検討することが 望まれる。 11.一般競争入札において競争性が確保されていない原因の究明と競争性を確保 するための対策の構築の必要性(意見) 競争入札において入札者が3者未満のため実質的な競争性が確保されていな いと判断される事例があるが、札幌市(交通局)はその原因を十分に究明してお らず、競争性確保のための取組が不十分と考える。 今後は、入札者が3者未満となった契約を十分に精査した上で、その原因を 究明したうえで、入札者を増やし競争性を実質的に確保するための対策を検討 し公表することが望まれる。 特に1者入札となった契約に関しては、告示期間や参加資格の緩和を行い、 可能な限り、1者入札を回避することが望まれる。 今回の包括外部監査において、1者入札が生じた原因を個々の契約ごとに分 析するには至ってないが、1者入札が生ずる原因としては、例えば、以下のよ うな事項が考えられる。

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(1) 告示期間の設定がそもそも短い、あるいは、見かけ上は短くないが、入札 参加のためのその他の条件の期間を短く設定することにより、実質的に告示 期間が短縮されている。 (2) 業者にPRを行うなど、周知を図る工夫が不足している。 (3) 見積りのための期間が十分確保されていない。 (4) 従来から契約をしておりノウハウのある業者以外は履行が不可能な履行期 間を設定している。 (5) 年度末ぎりぎりの発注のため、履行実績のない業者では履行が不可能な履 行期間を設定している。 (6) 業務内容の工程や地理範囲等からみて不適切な発注単位を設定している。 (7) 競争参加資格や業務実績等の入札参加要件を必要以上に限定している。 (8) 契約内容との関連性が薄い事項を入札参加要件に定めている。 (9) 入札参加要件を明確に定めていないため、従来から契約をしている業者以 外は履行内容を十分に知りえない。 (10) 仕様書の記載内容が必要以上に限定的になっている。 (11) 仕様書の記載内容が不明確であり、従来から契約をしている業者以外は履 行内容を十分に知りえない。 (12) 地域要件を付していることにより市場規模が限定されている。 一般競争入札における競争性を実質的に確保する方法としては、例えば、以 下のような事項が考えられる。 ○ 受注実績等により新規参入者を不当に制限することのないように入札参加 資格を見直す。 ○ 発注コストを考慮しつつ、業務内容の工程や地理的範囲等から見て適切な 発注単位を設定し、競争性の確保に努める。 ○ 受注実績がなくても入札に参加できるように業務のマニュアル化を進める。 ○ 参入業者をできる限り多く確保するため、業者に広くPRを行うなど、参 入可能であることの周知を図る。 ○ 契約の内容に応じ、告示期間を延長し、周知を徹底する。 ○ 地域要件を撤廃する。 12.一般競争入札における地域要件の設定理由の開示の必要性(意見) 地域要件を設定して地元業者に発注することは、地域の中小・中堅企業の育 成のほか、将来における施設・設備の維持・管理を適切に行う観点から合理性 を有する場合がある。 しかし一方で、入札参加者が固定化する、あるいは、十分な入札参加者が確 保されない等、過度に競争性を低下させるおそれもある。 また、地方自治法施行令(昭和 22 年政令第 16 号)第 167 条の5の2におい て、契約の性質又は目的により、当該入札を適正かつ合理的に行うために特に 必要があると認めるときに限って、地域要件の設定が認められている。

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したがって、競争性や透明性を確保する観点から、今後、地域要件を設定す る場合には、同施行令を満たしていることを確認した上で、対外的に十分説明 することが望まれる。 13.一般競争入札におけるランク制の不断の見直しの必要性(意見) 入札参加業者の企業力に大きな格差がある状況で入札を行うことは適切な競 争環境にあるとはいえないこと、及び中小業者の参加機会と受注機会を確保す る必要があることから、入札参加資格に等級が設定されている。 しかし、行き過ぎた運用が行われた場合には、事業者の棲み分けを促し、競 争を制限するおそれがある。 したがって、競争性を確保していくためには、事業者が固定化しないように、 同一等級における十分な事業者数の確保に配慮するとともに、例えば、契約内 容に応じて等級を統合していくといった見直しを不断に行っていくことが望ま れる。 14.契約(入札)保証金免除の根拠の記録化の必要性(意見) 契約保証金は、札幌市(交通局)が契約を締結しようとするときに契約の相手 方から納付させる保証金で、契約の相手方の契約上の義務の完全な履行を確保 し、万一、その者が契約上の義務を履行しない場合、その損害の賠償を容易に することを目的とするものである。 また、入札保証金は、札幌市(交通局)が契約を締結するに当たって競争入札 に付した場合、競争加入者から徴する保証金で、入札者が落札者となった場合、 契約を締結すべき義務の履行を確保し、万一、その者が契約を締結しない場合、 その損害の填補を容易にするためのものである。 札幌市(交通局)においては、契約者が契約を履行しないおそれがないと管理 者が認めるという理由で契約保証金又は入札保証金を免除している場合がある が、契約者が契約を履行しないおそれがないと判断した根拠が記録化されてい ない。 今後、契約(入札)保証金を免除する場合には、当該判断の根拠を記録化する ことが望まれる。

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◎ 監査対象とした各契約における共通意見の該当項目一覧表 業務名 共通意見 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 Ⅰ.委託契約 A.随意契約 1.定期券発売等業務等 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2.自動出改札機保守業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 3.受変電設備保守業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 4.東西線駅等設備保守業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 5.南北線駅等設備保守業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 6.信号保安装置保守業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 7.転てつ器保守整備業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 8.ポリ 塩化ビ フェ ニル特 別 管理産業廃棄物処理業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 9.昇降機設備保守業務(三菱 製) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 10.昇 降機設 備保守 業務(日 立製) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 11.東豊線等設備保守業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 12.東西線車両重要部・全般 検査整備業務(機械関係) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 13.昇 降機設 備保守 業務(東 芝製) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 14.自動案内放送・集中監視 装置保守業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 15.走行路及び案内軌条保守 業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 16.東西線検車業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 17.南北線検車業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 18.南北線車両重要部・全般 検査整備業務(機械関係) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 19.東豊線車両重要部・全般 検査整備業務(機械関係) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 20.東豊線検車業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 21.東西線 8000 形車両二段 落し窓改修業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 22.乗車料金等運搬及び釣銭 準備等業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

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業務名 共通意見 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 23.東西線可動式ホーム柵保 守業務(三菱製) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 24.昇 降機設 備保守 業務(フ ジテック製) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 25.自動改札機移設等業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ B.指名競争入札 1.路面 電車車 体・ 艤装改 修 業務 ○ ○ 2.路面電車車両保守業務 ○ ○ 3.駅構 内及び 地下 鉄車内 巡 回警備業務 ○ ○ 4.東西 線車両 清掃 及び広 告 物掲出業務 ○ ○ 5.南北 線車両 清掃 及び広 告 物掲出業務 ○ ○ Ⅱ.工事契約 A.随意契約 1. 円山バスターミナルガス 管改修設備工事 ○ ○ ○ ○ ○ 2.スパン線補修工事 ○ ○ ○ 3.電車線側柱建替工事 ○ ○ ○ 4.南北線北 18 条駅信号移設 工事 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 5.東車 両基地 入庫 線案内 軌 条防錆工事 ○ ○ ○ ○ 6.南北 線信号 設備 改良工 事 (ATO) ○ ○ ○ ○ ○ 7.南北 線南平 岸駅 ほか1 駅 信号移設工事 ○ ○ ○ ○ ○ B.一般競争入札 1.中島 公園駅 仮眠 室設置 機 械設備工事 ○ ○ ○ 2.中島 公園駅 仮眠 室設置 電 気設備工事 ○ ○ 3.山鼻西線(札幌環状線∼西 野白石線間)外軌道改良工事 ○ ○

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業務名 共通意見 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 4.電車 事業所 構内 門扉設 置 工事 ○ ○ 5.南車 両基地 軌道 桁補修 工 事 ○ ○ ○ 6.北 12 条駅ほか放送設備更 新工事 ○ ○ ○ 7.南郷 7丁目 駅ほ か放送 設 備更新工事 ○ ○ ○ 8.シェ ルター エキ スパン 部 改良工事 ○ 9.東豊 線さっ ぽろ 駅誘導 用 点字タイル等改良建築工事 ○ ○ 10.南平岸駅空調設備改修工 事 ○ ○ ○ 11.東豊線さっぽろ駅他3駅 オストメイト改良建築工事 ○ ○ 12.漏水受樋改修工事 ○ ○ ○ 13.南北線高圧配電線更新工 事(大通駅∼北 24 条駅) ○ ○ 14.南北線電車線路ジャンパ ー線更 新工事(真駒 内駅∼ 南 平岸駅) ○ 15.南北線高架駅プラットホ ーム補強工事(澄川駅) ○ ○ 16.南北線光ファイバーケー ブル布設工事 ○ ○ 17.東豊線さっぽろ駅トイレ 改良建築工事 ○ ○ 18.北 34 条駅他券売機室等 改良建築工事 ○ ○ 19.琴似駅他券売機室等改良 建築工事 ○ ○ C.総合評価方式 1.高速 電車走 行路 面改修 工 事(南北・東西線) ○ Ⅲ.製造請負契約

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業務名 共通意見 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 A.一般競争入札 1.IC カード 専用 改札機 製 造業務 ○ ○

第3.その他の意見等

以下、共通意見として記載するには至らなかったが、問題点として検出された事 項を記載する。 1.委託契約−A.随意契約−1.定期券発売等業務等 (指摘) (1) 財団設立時から札幌市(交通局)との特命随意契約が継続しているのは、財 団が札幌市が 100%出資して設立した団体であるという特殊事情に基づく信 頼関係によるものと考えられるので、特に、随意契約に関する透明性の確保 や不祥事の再発防止には十分な留意を図ること。 (2) 平成 19 年度の再委託の承認に関する決裁書類の所在が不明であり、札幌市 (交通局)における決裁書類等の管理状況に重大な不備がある。今後、決裁 書類等の管理は厳重に行うこと。 (3) 平成 22 年度から委託料の支払方法が従来の精算方式から渡し切り方式に変 更された。 従来、精算による余剰金が生じていたのは、財団における期中退職者を正 確に予測ができないことから人件費を正確に積算できないところ、業務履行 の確実性を期すために人件費を多めに積算していたことに起因する。 渡し切り方式に変更する以上、積算の精度を向上させ、経営努力に基づか ない余剰金が財団に発生しないようにすることが必要であり、平成 23 年度の 契約の積算に当たって特に留意すること。 2.委託契約−A.随意契約−13.昇降機設備保守業務(東芝製)、24.昇降機設備 保守業務(フジテック製)(意見) 当該業務は、いずれも製造メーカーによる直接保守であるが、平成 19 年度に おける特命理由は、「当該設備の製造メーカーから専門技術指導を受けている指 定保守業者でありる」としており、特命理由に誤りがあった。これは、当時の 担当者の誤りがチェック段階で看過されたことに起因する。 当該誤りは平成 20 年度からは修正されているが、同様の誤りが繰り返されな いように、執行担当部内での内部チェック及び執行担当部と契約担当部との相 互間のチェックを厳重に実施することが望まれる。

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3.委託契約−B.指名競争入札−3.駅構内及び地下鉄車内巡回警備業務(意 見) 平成 19 年度において、当該業務のうち通常巡回業務の予定価格の積算上、直 接物品費、業務管理費及び一般管理費等が含まれていなかった。これは、当時 の担当者の誤りがチェック段階で看過されたことに起因する。 当該誤りは平成 20 年度からは修正されているが、同様の誤りが繰り返されな いように、担当者に正しい積算方法を指導するとともに、執行担当部内での内 部チェック及び執行担当部と契約担当部との相互間のチェックを厳重に実施す ることが望まれる。

第4.監査対象とした契約

1.監査の対象とした個々の契約の選定基準 (1) 委託契約(特命随意契約、指名競争入札)に関しては、平成 21 年度の金額上 位 30 件 (2) 工事契約のうち特命随意契約に関しては、平成 21 年度の全件 (3) 工事契約のうち一般競争入札に関しては、平成 21 年度の契約金額/積算価 格が 90%以上の案件及び総合評価方式の案件 (4) 製造請負契約に関しては、任意の1件 特 命 随 意 契 約 指 名 競 争 入 札 一 般 競 争 入 札 総 合 評 価 方 式 合 計 委 託 契 約 25 5 0 0 30 工 事 契 約 7 0 19 1 27 製造請負契約 0 0 1 0 1 合 計 32 5 20 1 58 2.監査の対象とした個々の契約の概要 巻末の添付資料2を参考のこと。

参照

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