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固溶体合金の再結晶について

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(1)

固溶体合金の再結晶について

著者 浜崎 美智子

雑誌名 鹿児島大学工学部研究報告

巻 2

ページ 17‑22

別言語のタイトル ON THE RECRYSTALLIZATION OF SINGLE SOLID SOLUTION ALLOYS

URL http://hdl.handle.net/10232/10630

(2)

固溶体合金の再結晶について

著者 浜崎 美智子

雑誌名 鹿児島大学工学部研究報告

巻 2

ページ 17‑22

別言語のタイトル ON THE RECRYSTALLIZATION OF SINGLE SOLID SOLUTION ALLOYS

URL http://hdl.handle.net/10232/00010513

(3)

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日印

に つ い て 浜 崎 美 智 子 *

ONTHERECRYSTALLIZATIONOFSINGLESOLID SOLUTIONAm,OYS

MichikoHAMASAKI

Thisstudywascarriedouttoclarifythesofteningbohaviorofalloysofsinglesolidsolu‐ tioninconnectionwithpreviousreport・Resultsobtainedwereasfollows:

1.Beginningofrecrystallizationandsofteningofquenehedspeclmenbeforecoldrollingwas slightlydelayedcomparedwithslowcooledonebeforecoldrollin9.

2.Recrystallizationofalloysofsinglesolidsolutionoccuredveryrapidlyandsecmedto

havecertainactivationenergyforsoftening、

3.ByX‑rayanalysis,itwasascertainedthatnucleiofrecrystallizationformedinconsider‑

ablyearlytime.

ReceivedMay31,1962.

供した.

Cu‑Ni2Si合金

鋳塊を900℃,2hr均熱後25%の冷間圧延を行な って,次の4種の処理を施こした.

a900oC,1hr水冷

b同上後20%冷間圧延および40%冷間圧延 c900°C,1hr保持後50℃/hrの割合で徐冷 d同上後20%冷間圧延および40%冷間圧延 Cu‑Zn合金

鋳塊を850℃で25%熱間圧延した後,次の4種の 処理を施こした.

a800℃,111r水冷

b同上後20%冷間圧延および40%冷間圧延 c800oC,1hr保持後50℃/hrの割合で徐冷 d同上後20%冷間圧延および40%冷間圧延 Cu‑Ni合金

鋳塊を950℃,1hr均熱後25%の冷間圧延を行な って,次の処理を施こした.

a950oC,1hr水冷

b同上後20%冷間圧延および70%冷間圧延 c950。C 1hr保持後50℃/hrの割合で徐冷 d同上後20%冷間圧延および70%冷間圧延 以上前報の場合と同様,高温より水冷,水冷後冷間 l r延,高温より徐冷,徐冷後冷間圧延の処理を施こし たものについて,100°Cより50℃間隔に階段的に昇 温し,各温度1hr繰返し加熱水冷の再加熱処理を施 こして,その間の硬度変化をみた.また種々の温度の

Ⅱ 、 緒 言

前報')においては,比較的単純な析出硬化性合金につ いて実験を行ない,溶体化水冷後冷間圧延したものが 徐冷焼鈍後冷間圧延したものに較べて再結晶軟化の耕 しく遅れることを認めたのであるが,木報告において はこれと比較検討する意味で,析出硬化性を有しない 単純な均一岡溶体合金についてその再結晶の過程を追

求した.

11.試料と実験方法

試料はTablelに示す配合組成のものをタンマン 炉で熔製し,シェル型に鋳造した.Tablelの合金の 中Eは前報と同様,Ni:Si=4:1(亜量比)の割合と して,0.5%Ni2SiとCuとの擬二元合金としたもの である.いずれの試料も徐冷焼鈍の状態で均一間熔休 の領域にはいる組成である.

Table、1CompositionofSpecimens

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固 溶 体 合 金 の 再 結

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* 機 械 工 学 教 室

得られた鋳塊には,析出硬化性合金の結果と比較す るために,前報同様次のごとき処理を施こして実験に

(4)

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saltbath中で種々の時間保持水冷して,その間の硬 度変化および組織の変化をみた.一部については計数 管自記式X線回折装置によるX線解析を行なった.

、 、 実 験 結 果 と そ の 考 察

Fig.1,Fig.2,Fig.3にそれぞれCu‑Ni2Si合金,

Cu‑Zn合金,Cu‑Ni合金を階段的に昇温繰返し再加 熱するときの硬度変化を示す.これでみると,析出硬 化性合金に較べると著しく微弱ではあるが,均一固溶 体合金においても,急冷後冷間圧延したものの再加熱 による軟化が徐冷後冷間圧延したものに較べて遅れる のが認められる.そこで更にこの現象を確かめるため 各温度のsaltbath中に浸潰して,保持時間による硬 度の変化をみた.

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Fig.3.Hardnesschangebytempenng of30%Ni‑Cualloysateach temperatureforlhr・

Fig.4,Fig.5,Fig.6にそれぞれCu‑Ni2Si合金,

Cu‑Zn合金,Cu‑Ni合金についての結果を示す.こ れでみても急冷後冷間圧延したものは徐冷後冷間圧延 したものに較べて,わずかながら軟化が遅れるのが認 められる.またCu一Zn合金についてみるに,挫度の 高い30%Zn合金は濃度の低い20%Zn合金に較 べて,急冷後冷間圧延したものも徐冷後冷間圧延した ものも軟化の始まるのが早い.Photo、1はCu‑Ni2Si 合金の600℃保持中の組織の変化を示したもので,徐 冷後冷間圧延したものは1min加熱でほぼ再結晶を完 了しているのに対し,急冷後冷間圧延したものは1 min加熱ではなお再結晶を完了していない.Photo,2 はCu‑30%Zn合金の350℃保持中の組織の変化を 示す.80min保持では急冷後冷間圧延したものも徐冷

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鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 号

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Fig、4.Hardnesschangebyagingof Cu‑0.5%Ni2Sialloys.

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冷間圧延したものは,徐冷後冷間圧延したものに較べ て,再結晶軟化の遅れる現象のあることを認めた.こ れは徐冷したものが急冷したものに較べて,冷却中の 原子の移動,拡散が容易で,そのため格子欠陥や転位 の数もより少なくなるため,冷間圧延後再加熱の際の 整格子,すなわち再結晶核の生成も容易になることに あるものとみられる.なお均一固溶体合金の場合は析 出硬化性合金の徐冷焼鈍したものに較べても再結品に よる軟化は怠激であって,特定な軟化の活性化エネル

卯Ⅲ

後冷間圧延したものもいずれも再結IIIiI1の過程にある が,前若は後者に較べて再結晶の進行力itやや遅いのが みられる.Photo3はCu‑Ni合金の630℃保持中 の組織変化を示す.4min保持で比較すると,急冷 後冷間圧延したものが,徐冷後冷間圧延したものに較 べ て 再 結 晶 の 生 成 と そ の 生 長 が や や 遅 い の が み ら れ

以上の結果より均一間溶体合金においても,極くわ ずかではあるが析出硬化性合金にみるように,急冷後

( e ) ( f ) ( 9 ) ( h ) Photo。1.MicrostructureofCu‑0.5%Ni2Sialloys.×100

40%coldrolledafterquenching.

(a)AsColdrolled.(b)Agedat600oCforlmin.(c)Agedat600oCfoI 5min.(d)Agedat600oCfor60min、

40%coldrolledafterslowcooling.

(e)AsColdrolled.(f)Agedat600・Cforlmin.(9)Agedat600oCfor 5min.(h)Agedat600・Cfor60min.

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11

浜 崎 : 固 溶 体 合 金 の 再 結 晶 に つ い て

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Fig.6.Hardnesschangebyagmg ofCu−30%Nialloys.

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Fig、5.Hardnesschangebyagmgof Cu‑‑Znalloys.

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鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 号

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(a)Agedat350・Cforlmin.(b)Agedat350oCfor5min.(c)Agedat350・C for80min、

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(d)Agedat350oCforlmin.(e)Agedat350°Cfor5min.(f)Agedat350oC for80min.

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浜 崎 : 固 溶 体 合 金 の 再 結 晶 に つ い て

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( d ) ( e ) ( f ) Photo、3.MicrostructureofCu‑30%Nialloys.×400 70%coldrolledafterquenching.

(a)Agedat6〕OoCfor4min.(b)Agedat630℃forl6min.(c)Agedat630oC for256min、

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for256min.

Fig.8.X−RaygraphofCu−Ni70%coldrolledafterslowcooling,

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4)Agedat630。Cfbr256min.

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(8)

2 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 号

ギーをもつもののようである.

Fig.7,Fig.8はCu‑Ni合金の急冷後冷間圧延し たものと徐冷後冷間圧延したものの,630°C保持によ るX線回折像の変化を示す.Hg、6にみるごとく,

1min加熱ではごくわずかに軟化しているのみである が,X線解析の結果は急冷したものも徐冷したものも 1min加熱ですでに(111)面,(002)面の著しい増 加をみる.ポリゴン化すなわち整格子の形成がかなり 早い時期になされることを示すものである.また急冷 のままにおけるより徐冷のままの方が(111)面,(002)

面が強く現われるのは,加工前にすでに徐冷したもの の方が微小整格子のより多く存在することを示すもの と考える.

1 V ・ 総 括

析出硬化性を有しない単純な均一固溶体合金につい て,その再結晶の過程を追求し次の結果を得た.

へ こ

1.均一固溶体合金においても,極くわずかではあ るが析出硬化性合金にみられるように,急冷後冷間圧 延したものは徐冷後冷間圧延したものに較べて,再結 晶軟化の遅れる現象のあることを見出した.

2.均一固溶体合金においては,再結晶による軟化 が急激であって,特定の軟化の活性化エネルギーを有 するもののようである.

3.X線解析の結果,ポリゴン化すなわち整格子の 形成は硬度,組織の変化として現われる以前かなり早 い時期になされることを認めた.

終りにこの研究に対し,終始御鞭健,御指導を賜り ました末永勝郎先生,及び若原稔先生に心より感謝の 意を表する次第であります.

文 献

1)末永,浜崎:鹿児島大学工学部研究報告,2

(1962),11〜16.

参照

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