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上路式アーチ橋の面外座屈に対する一考察

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Academic year: 2022

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(1)Ⅰ-A202. 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). 上路式アーチ橋の面外座屈に対する一考察. 1.まえがき の課題とした. ○(株)横河ブリッジ. 正会員. 佐野. 泰如. (株)横河ブリッジ. 正会員. 尾下. 里治. 筆者らは以前下路式アーチ橋の面外座屈について検討を行い,上路式アーチ橋の検討を今後 1). .一般に上路式アーチ橋のアーチリブ構面は,横構を省略したラーメン形式が多い下路式と. 異なり,ほとんどの場合横構が配置されている.しかしこの様な構造においてもせん断変形の影響により, せん断変形を考慮しない場合と比較して座屈軸力が低下する.しかも通常横構は風荷重,地震荷重等水平方 向力に対して設計され,アーチリブの面外座屈に対しては設計されていない. そこでラーメン形式と同様にこうした構造に対しても,各構成部材の剛性と面外座屈との関係が把握でき ていれば部材設計に便利であるし,後で座屈解析を行っても手戻りの少ない設計を行うことができる. 本文では,横構の配置されたアーチリブに対して面外座屈簡易算定式を導く.そして代表的な実橋を 2 橋 選んで弾性座屈解析を行い,提案式の妥当性,実橋の面外座屈に対する強度および弱点を明らかにする.ま た提案式を利用することで,実橋数橋についての面外座屈形態について考察する. 2.横構補剛組立柱の面外座屈簡易算定式. 本文では横構補剛組立柱について,横構の効果をせん断断面積. で評価することで全体の面外座屈荷重を導く.横構のようなトラス構造を換算板厚で評価する方法. 2). は良く. 知られているが,扱うパラメターを少なくすることを考え次式 3). .ここで E:ヤング率,G:せん断弾性係数,AD:パ. ネル間の横構総断面積であり,θは図 1 に示すとおりである.. 1 Pcr0 1+ G Aw. (2) Pcr0 =. π 2 EI g (L/ 2 ) 2. A 0, I. A d A D = 2 × A. 0. θ L. E Aw = AD sin θ cos 2 θ G Pcr = Pcr0. 横構補剛組立柱. B. (1)で表す. 1パネル. d. Pcr 2 Pcr 2. (1). (3) I g = 2 I 0 +. A0 B 2 2. (4). こう表すと横構補剛組立柱は断面 2 次モーメント Ig,せん断. Aw, Ig. Pcr. 図 1 横構補剛組立柱の座屈荷重の考え方. 断面積 Aw を持つ梁と等価(図 1)となり,式(2)により座屈荷 重を求められる.ここで,I0:片側アーチリブの鉛直軸まわりの断面二次モーメント,A0:片側アーチリブの断 面積である.(2)式はせん断変形を考慮した座屈荷重を与えているが,ラーメン形式,横構補剛形式共にせん 断断面積 Aw が与えられれば同様の考え方が可能である.ここでラーメン形式の組立柱では GAw≪Pcr0 な ので,Pcr≒GAw とする事ができた 1)が,横構補剛組立柱はラーメン形式と比較してせん断剛性が大きくなる のでこの近似は誤差が大きく使用できない. 3.実橋解析結果. 実橋の弾性固有値解析は全橋をモデル化した立体骨組モデルと,アーチリブ構面のみを. モデル化した平面骨組モデルについて行った.解析の対象とした実橋モデル及び立体骨組モデルの面外座 屈モードを図 2 に示す.また各橋のせん断断面積,座屈軸力,面外有効座屈長を表 1 に示す.解析対象とした A 橋はアーチリブ構面が細長い形式(L/B 大),B 橋は寸胴の形式(L/B 小)である.結果はモード形からも 明らかだが,A 橋は全体座屈(組立柱としての座屈),B 橋は局部座屈(支材間での座屈)となっている. またこれは座屈軸力からも分かり A 橋では式(2)で算出した横構補剛組立柱の座屈軸力と,平面骨組モデル の座屈軸力との整合性がよいが,B 橋では局部座屈の座屈軸力に近くなっている.有効座屈長の比較から は,A 橋は危険側であり,B 橋も設計で横構取付点を固定点と考えているので Le2/Le1≒2 となり危険側で ある.道路橋示方書では,上路式アーチ橋の場合有効座屈長にφ=1.45 を乗じて座屈軸力を低減している が,本解析結果では,立体骨組モデルと平面骨組みモデルとの座屈軸力の差はほとんどなかった.A 橋な 上路式アーチ,面外座屈,せん断変形 〒273‑0026 千葉県船橋市山野町 27 横河テクノビル ℡047‑435‑6161.

(2) Ⅰ-A202. 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). 44 00. B = 76 50. 0. C. 2. B = 70 00. 200 0 0. C. 02000. 7 500 0 20 00 0 03 6 L = 2. 1 900 0. Z Y. 18. 15000. 32000. 4 400 0. L/B. 0. 2 = 26.6. 23 74 L = 8 75 00 0 11.77 L /B =. X 補剛桁. 補剛桁. Y X アーチリブ. アーチリブ. A橋. B橋. 図 2 実橋モデル及び座屈モード 表 1 実橋の解析結果. どは,立体骨組モデルの方が逆に座屈軸力が大 きな結果となっている.これは補剛桁の面外剛 性が,アーチリブの面外変形に対して抵抗して いるためと考えられる.この様に実橋では,道 路橋示方書の規定がかなり安全側となることが ある. 4.L/B の影響. 対照的な 2 橋の実橋に対して. せん断断面積 A w(m 2 ) 座屈軸力. チリブ主構間隔(L/B)なので,この影響につい. 0.00670. 全橋平均. 0.01070 47221. 9457. 平面骨組モデル. 46140. 10363 38156. 式 (2). 46424. 局部座屈. 87328. 7736. 面外有効. 設 計 値(Le 1 ). 13.240. 4.298. 座屈長. 解 析 値(Le 2 ). 18.005. 7.889. Le(m). Le 2 /Le 1. 1.36. 1.84. 局部座屈荷重. 全体座屈荷重. f =. 造的な相違は主としてアーチリブ展開長/ア ー. B橋. 立体骨組モデル P cr(tf). 解析し,全体座屈する橋と局部座屈する橋があ ることが分かった.この 2 橋でアーチリブの構. A橋. 4.5 4.0 B橋. 3.5. 局部座屈. 3.0 2.5 2.0 1.5. て検討する.ここでは全体座屈の座屈荷重(2). A橋. 1.0 0.5. 式と局部座屈の座屈荷重との比をとり,実橋に. 全体座屈. 0.0 20.0. 30.0. おいてどちらの座屈モードが生じやすいか 10 橋程度について調べた.その結果を組立柱の細. 40.0 λ. 図3. 50.0 y. 60.0. (= 2 × L / B ). λy と f の関係. 長比λy で整理し,図 3 に示す.ここでは比を f とおき,f>1 なら局部座屈が生じやすく,f<1 なら全体座屈が生じやすいことを表している.この結果から解 析を行った 2 橋は A 橋が f=0.41,B 橋が f=4.11 であり,他の橋梁はその間に入っていることが分かる.全体 的には L/B 大→f 小の傾向があり,アーチリブ構面が細長くなるほど全体座屈が生じやすいという傾向がみ られる.また他の橋梁に着目すると比較的 1 の近傍に分布し,1 より小さくなる場合でも極端には小さくな らず全体として 0.5〜2.0 の間に分布している. 5.まとめ ・. 本研究において得られた知見を以下に挙げる.. せん断変形を考慮した面外座屈簡易算定式(2)により,横構で補剛されたアーチリブ構面のみの面外座 屈軸力は良い精度で把握できる.. ・. アーチリブの設計において,面外有効座屈長は L/B 小なら支材間隔でよいが,L/B 大では支材間隔よ り大きくする必要がある.. ・. 上路式アーチ橋において床組が上部にある影響は,本計算例の場合わずかであり,道路橋示方書にお ける規定とは一致しなかった.. 【参考文献】 1)佐野泰如,北村明彦,尾下里治:下路式アーチ橋の面外座屈に対する設計法の一提案,構造工学論文集, Vol.46A,2000.3 2)小松定夫,西村宣男:薄肉ばり理論によるトラスの立体解析,土木学会論文報告集,第 238 号,1975. 3) コロナ社:座屈理論. チモシェンコ著,pp.95〜101,1971.10.

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