拡大する理学療法部門における卒後教育の実際と課題
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(2) 拡大する理学療法部門における卒後教育の実際と課題. 711. 図 相澤病院リハセラピスト部門の教育体制 相澤病院リハセラピスト部門教育理念. 割を担うこととなる。個々の理学療法士が描くキャリア・ビ. 1.私たちが求めるリハセラピストは,患者さんの視点に立つ. ジョンに向けて職能を高めるための臨床教育と評価の実際が. 人間性豊かなセラピストであり,その教育は人を育てるこ. On the Job Training(OJT)であり,当院では,e ラーンニン. とからはじまると心得ています。. グを組み合わせて運用している。まず,e ラーンニングにて基. 2.私たちは,急性期医療から地域医療にわたる幅広い実務経. 礎知識を確認し,その達成度に合わせて臨床現場で指導を行. 験を基に,全人的リハビリテーションを提供する臨床家を. う。また,昇格とは別に,2 名の上司および 3 名の下級スタッ. 育成します。. フからの 360 度評価(コンピテンシー評価)の結果を役職者(主. 3.私たちは,次世代のセラピストを育成するために,指導者 としての役割も担うリーダーを育成します。 4.私たちは,質の高い専門性と,主体性あるマネジメント能. 任・科長)の選定に反映させている。. おわりに. 力を有するじりつ(自立・自律)したセラピストをめざす. 厚生労働省は(2012(平成 24)年当時)2025 年に向けて,. 人材育成に取り組みます。. リハ専門職は医療領域で現在の 1.5 倍・介護領域で 2 倍必要に. 相澤病院リハ部門における教育体制. なると予想していた。つまり,理学療法士は 2012 年当時の 8 万 4,000 人から 2025 年には 15 万 5,000 人の需要が見こまれる. 当院リハ部門の教育体制およびその流れを図に示す。横軸. ことになる。しかし,理学療法士は毎年約 1 万人ずつ増加し,. は,時間軸と職務の遂行を示し,縦軸は職能を示している。職. 2025 年には 22 万人の供給体制が見こまれることから受給バラ. 務や業務を可視化するための文書として, 「組織管理規程」, 「業. ンスの不均衡が懸念される。一方で,理学療法士のスケールメ. 務基準書」,「職務記述書」がある。「組織管理規程」には組織. リットを活かし,国民の生涯に渡る健康増進,予防,医療,介. の管理責任と役割を明記し,「業務基準書」には理学療法士の. 護における社会のニーズに応えるための職域拡大を期待する。. 業務の手順,「職務記述書」には職員の権限・責務・必要な資. 各々の領域で理学療法士が必要とされ有益なものとなるため. 格を明記している。. に,より多様化した高い専門性を有する理学療法士の教育の在. また,スタッフが自身の将来像をイメージし,そこに向かう. り方について,養成校(卒前教育),各施設(卒後教育),そし. 過程を具体的に記すため「キャリア・デザインシート」を活用. て理学療法士協会が協同して教育体制を構築していくことが重. している。「職能要件書」は職能,つまり「職務」を遂行する. 要と考える。. 能力評価基準を示すものであり,入職時の 3 等級から最高位の 10 等級まで各等級レベルに対応して段階的に設定している。3 ~ 7 等級は「理学療法士職能要件書」,8 等級以降は「慈泉会. ま と め 1.理 学療法士が社会のニーズに応え貢献していくためには,. 共通職能要件書」を用いて評価している。また,入職後 2 また. より多様化した高い専門性が必要であり,卒後教育の在り. は 3 年間の 3 等級では,「コモンカリキュラム」を用いて社会. 方が問われている。. 人スキルの評価(情意評価)も行っている。 スタッフは入職後,各部署を 1 ~ 1 年半でローテーションし ながら,臨床経験を重ね基礎的スキルを習得しながら臨床家と. 2.卒後教育は組織マネジメントの一部であり,その目的は組 織のミッションを果たし,個々のキャリア・ビジョンを達 成することである。. して成長していく。入職から 7 ~ 9 年でローテーションが終了. 3.各臨床現場における卒後教育の仕組みづくりは,まず教育の. し,その後は専門領域を選択し,理学療法士としてより高度な. 理念を掲げ,そのうえで業務の手順,職能評価,個々の将来. 専門性を追求しながら,ローテーションスタッフを教育する役. 像などを可視化するための教育用ツールを作成し運用する。.
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